ゲスト
(ka0000)
旅立ちの序曲
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/04/26 19:00
- 完成日
- 2015/05/03 13:33
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
「さて、次の仕事ではたんまり酒が飲めるぞ」
「ああ、俺たちの酒も残り少なくなってきたからなぁ」
農耕推進地域「ジェオルジ」の片田舎の森の中で、そんな会話が交わされている。
今は、夜。
たき火を囲み、いかにも悪辣な面構えの男たちが酒を飲んでいた。馬たちは眠っている。
その輪から外れたところに、一人の少年が膝小僧に顔をうずめて座っていた。
(この、悪党どもめ)
少年はウェイブした銀髪の隙間から男たちを睨み、心の中でそう吐き捨てる。
「しかし、俺たちもいつの間にか義賊だよなぁ」
「まったくだ。ゴブリンに襲われた集落を救ってやったんだからなぁ。あいつら、女子供も見境なく皆殺しだぜ?」
「その点、俺らは別に皆殺しするわけじゃねぇ。食料や酒もあんな奴らに食われるくらいなら、俺たちに食われた方が幸せってもんだ」
がはは、げへへと盛り上がるならず者たち。どうやら盗賊らしい。
「おい、モータル」
ここで、一人のならず者が少年の名を呼んだ。
「手前ぇもこっちきて酒飲め」
モータル、これを無視する。
「やめとけ。ガキに飲ます酒なんざ残ってねぇ」
「ゴブリンに襲われて帰るところからなくなってまだショック受けてんだろ? 俺たちに助けてもらった恩返しする気なら、そのうち仲間になるさ」
「万一、俺たちに逆らおうとしてもまだこいつの腕じゃ無理だしな」
「ま、ゴブリンに囲まれて、それでも戦ってたんだ。根性だけはあるぜ?」
「ばーか、逃げる知恵もねぇから死にかけてたんだ。盗賊の極意を教え込まなきゃ明日にも死ぬようなガキだぜ?」
がはは、げへへとまた盛り上がる。
(俺は……こいつらのようにはなりたくない)
盗賊どもに助けられ、モータルと名付けられた少年は強くそう思うのだった。
後日、ジェオルジの片田舎にある小さな集落で。
「ゴブリンにやられた集落があるってはの、本当か?」
「場所は離れているが間違いねぇ」
寄り合いで大人たちが話し合っている。
「若手で自警団を組んで集落の周りを警邏させるか?」
「いや、それはダメだ。それをするなら……」
ここまで話した時、新たな大人が到着した。
「大変だ! 盗賊が近付いているらしいぞ」
「ああ?」
この報に、人々は一様に眉をしかめた。
「なんでそんなことが分かるんだよ、おい!」
「この子が……」
情報を持ってきた大人は、一人の少年を建物の中に引き入れた。
ウェイブした銀髪に、決意を秘めた紫の瞳。
モータルである。
「自分が盗賊に捕まっていた時にここを襲うって聞いた。抜け出して危険を知らせに来たんだ」
凛と響く声を張った。
「早く集落の守りを固めた方がいい。盗賊の規模は小さい。人数を掛ければ奴らは間違いなくあきらめる」
盗賊の腑抜けぶりを力説した。
が、住民たちの反応は鈍い。どうする、とばかりに周りの顔色をうかがい合うばかりだ。
「盗賊の人数が少ないってことは、いけると思えば火も放ってくる。そうなったらうまく撃退しても被害が……」
「まあ、待て」
まくしたてるモータルの言葉を、集落の長とみられる男が止めた。
「まず水でも飲んで落ち着け。君を信用するかどうかは落ち着いて話を聞いてからだ。仮に信用しても、いきなり対策できるかどうかは……」
なぜか、迅速性に欠ける対応をした。
これが仇となる。
数日後。
協議の結果、自警団を大々的に組織することはせずハンターを雇うことになった。
後の話になるが、依頼を受けたハンターが到着したときには……。
「さて、次の仕事ではたんまり酒が飲めるぞ」
「ああ、俺たちの酒も残り少なくなってきたからなぁ」
農耕推進地域「ジェオルジ」の片田舎の森の中で、そんな会話が交わされている。
今は、夜。
たき火を囲み、いかにも悪辣な面構えの男たちが酒を飲んでいた。馬たちは眠っている。
その輪から外れたところに、一人の少年が膝小僧に顔をうずめて座っていた。
(この、悪党どもめ)
少年はウェイブした銀髪の隙間から男たちを睨み、心の中でそう吐き捨てる。
「しかし、俺たちもいつの間にか義賊だよなぁ」
「まったくだ。ゴブリンに襲われた集落を救ってやったんだからなぁ。あいつら、女子供も見境なく皆殺しだぜ?」
「その点、俺らは別に皆殺しするわけじゃねぇ。食料や酒もあんな奴らに食われるくらいなら、俺たちに食われた方が幸せってもんだ」
がはは、げへへと盛り上がるならず者たち。どうやら盗賊らしい。
「おい、モータル」
ここで、一人のならず者が少年の名を呼んだ。
「手前ぇもこっちきて酒飲め」
モータル、これを無視する。
「やめとけ。ガキに飲ます酒なんざ残ってねぇ」
「ゴブリンに襲われて帰るところからなくなってまだショック受けてんだろ? 俺たちに助けてもらった恩返しする気なら、そのうち仲間になるさ」
「万一、俺たちに逆らおうとしてもまだこいつの腕じゃ無理だしな」
「ま、ゴブリンに囲まれて、それでも戦ってたんだ。根性だけはあるぜ?」
「ばーか、逃げる知恵もねぇから死にかけてたんだ。盗賊の極意を教え込まなきゃ明日にも死ぬようなガキだぜ?」
がはは、げへへとまた盛り上がる。
(俺は……こいつらのようにはなりたくない)
盗賊どもに助けられ、モータルと名付けられた少年は強くそう思うのだった。
後日、ジェオルジの片田舎にある小さな集落で。
「ゴブリンにやられた集落があるってはの、本当か?」
「場所は離れているが間違いねぇ」
寄り合いで大人たちが話し合っている。
「若手で自警団を組んで集落の周りを警邏させるか?」
「いや、それはダメだ。それをするなら……」
ここまで話した時、新たな大人が到着した。
「大変だ! 盗賊が近付いているらしいぞ」
「ああ?」
この報に、人々は一様に眉をしかめた。
「なんでそんなことが分かるんだよ、おい!」
「この子が……」
情報を持ってきた大人は、一人の少年を建物の中に引き入れた。
ウェイブした銀髪に、決意を秘めた紫の瞳。
モータルである。
「自分が盗賊に捕まっていた時にここを襲うって聞いた。抜け出して危険を知らせに来たんだ」
凛と響く声を張った。
「早く集落の守りを固めた方がいい。盗賊の規模は小さい。人数を掛ければ奴らは間違いなくあきらめる」
盗賊の腑抜けぶりを力説した。
が、住民たちの反応は鈍い。どうする、とばかりに周りの顔色をうかがい合うばかりだ。
「盗賊の人数が少ないってことは、いけると思えば火も放ってくる。そうなったらうまく撃退しても被害が……」
「まあ、待て」
まくしたてるモータルの言葉を、集落の長とみられる男が止めた。
「まず水でも飲んで落ち着け。君を信用するかどうかは落ち着いて話を聞いてからだ。仮に信用しても、いきなり対策できるかどうかは……」
なぜか、迅速性に欠ける対応をした。
これが仇となる。
数日後。
協議の結果、自警団を大々的に組織することはせずハンターを雇うことになった。
後の話になるが、依頼を受けたハンターが到着したときには……。
リプレイ本文
●
「ねえ、龍ちゃん。うまくつながるかな?」
シェリアク=ベガ(ka4647)が長い髪と黒い大きなリボンを揺らし振り返った。元気いっぱいの軽やかな娘で、魔導短伝話を持ち耳元に当てている。
「キミは……」
龍ちゃんと呼ばれたのは、龍馬・ロスチャイルド(ka4303)。同じく短伝話を持ち、こちらはしげしげとシェリアクを見詰めている。
「出発前に試したのでは?」
とか、ごにゃごにゃと龍馬。
シェリアク、これから向かう集落で短伝話を活用するつもりだ。もちろん龍馬もそのつもりではあるが、シェリアクの元気いっぱいなノリにはついて行けない。
「わたくしはパルムのパルパルとつながってますわ」
龍馬の隣では頭の上にパルムを乗せたエルフ娘、チョココ(ka2449)が楽しそうに歩いている。頭の上に乗っているパルムもなんとなく楽しそう。こちらはシェリアクに近い性格かも。
「つながっているといえば……」
ここで新たに思案にふけるような声。
青い瞳の涼やかな青年がうつむきながら呟いている。
「村の反応はちょっとおかしいよね?」
その青年、顔を上げる。名は神谷 春樹(ka4560)という。
「おかしい……かしらね?」
これに揚羽・ノワール(ka3235)が慎重に聞き返した。ハイヒールにひらめくスカートのワンピース姿が麗しい。今、頬をくるんだ左手の小指を曲げて、瑞々しい唇にそっと添えた。にまりと目尻が緩む。
「例えば、対応の遅さ。不自然に感じる」
春樹が不敵な微笑で揚羽を見返した。
「でも、盗賊の規模はそれほど大きくないって聞いてます」
横合いから、袖の無い簡素な布製の上着を着たドワーフ少年、ミュオ(ka1308)が会話に交ざった。揺らぐ金髪に青い花の髪飾りが目立つ。瞳はまっすぐ。
「対応が遅くてもそこまで不自然では……」
「ち、ちょっと…待って…」
春樹の言葉を遮る声。ミュオの背後にいた青い女性騎士、サクラ・エルフリード(ka2598)が遠くを見たまま声を絞り出していた。
「ちょっ、何よあれ!」
サクラと同じく、ジーンズ姿の快活そうな少女、天竜寺 舞(ka0377)も気付き遠くを見ている。
空に一条の煙が立ち上っているのだ。
それも皆の向かう集落方面から!
明らかに集落が燃えていると考えられる。
「そ……んな…!?」
その場に立ち尽くし絶句する龍馬。「まさか……盗賊が?」との声も漏れる。
「えっ……間に合わなかった、ですの!? そんな……」
チョココも立ち止まったが、ぽかんと開けた口をすぐに引き締めた。
「……いいえ、諦めてはいけませんわ」
「早く助けに行かないとですよっ! 賊は私が許さないのですっ!」
チョココの言葉と同時に、シェリアクが叫んで駆け出した。
「……遅かった!? でも、だけどまだ――!」
ミュオもすぐに気を取り直し駆け出す。
もちろん舞も、サクラも揚羽も、龍馬も春樹も――。
●
一行が集落に到着したとき、すでに盗賊が襲撃し立ち去った後だった。
住居には火が放たれ、住民は路上に切られたり殴られたりして横たわっている。
「……どうやら遅かったようね」
「間に…合いませんでしたか……」
赤い瞳で周りを確認する揚羽に、沈痛な様子で声を絞り出す龍馬。
「く、私達が間に合っていればこんな事には……」
サクラはシールド「カエトラ」を握る手にぎゅっと力を込めた。まるで自分の無力さを責めるように。
「おかしい」
冷戦沈着に呟いたのは、舞。
「依頼を受けた時点では、今日明日中にも襲ってくるって感じじゃなかったのに」
「いや……」
続けた舞の声を止めようと春樹が振り返る。
その視線を受けるまでもなく、舞は切り替えていた。
「ってそんな事今言っててもしょうがない、先ずは……」
前向きな言葉。春樹、それを見て頷く。
「とにかく、要救助者の確保と救……」
「取り敢えず救助です!」
龍馬も頷き……おっと、シェリアクの声が被った。龍馬の声がかき消されてしまうが、まあ声の大きさが違うので仕方ない。
「今出来る事、為すべき事をしますの。尽力ですわ!」
チョココも両手を胸の前で合わせて元気よく言い放ち倒れている住民に駆け寄っていく。
「僕らの役目は守ること。これ以上被害は広げさせない、です!」
ミュオは焼けた住居へと走っていく。
「ともかく、私は怪我人の確認と手当を行いますね…。全員が無事であれば一番いいのですけど……」
サクラ、自責の念から立ち直り力強く仲間を振り返って言った。もう、落ち込んでなんかいられないと赤い瞳がきらめいている。
この時、チョココ。
「あーっ、この人大変ですわ。応急手当、応急手当……」
「チョココさん、私が……」
龍馬、回復なら任せてとチョココに駆け寄る。今回語尾が消えたのは他の声にかき消されたわけではないが。
「龍ちゃん、賊が残ってないか探してくるね。……賊は私が許さないのですっ!」
シェリアク、救助者を探しつつ賊への怒りのまま走り出す。
「じゃ、僕も。コロマル、行くよ」
春樹は連れてきた馬「疾風」に跨ると、同じく連れてきた柴犬の名を呼び馬首を巡らせる。シェリアクと逆回りに集落を見回るつもりだ。
「あたしは火事の類焼を抑えるよう動くよ」
舞も走り出す。
目指すは、建物と建物をつなぐ簡易の板塀。おそらくバリケードとして緊急に造られたのだろうが、これが燃えている。放っておくと両建物へと本格的に火が移るだろう。
さりとてすぐに消火するには火勢が強い。
それでも舞、迷いはない。
手にしたクレイモアを本格的に構え――。
「こんな事に使う羽目になるとは思わなかったけど」
がつん、と住居の脇にあった樽に足を掛ける。それを踏み台に高々と跳躍する。
その様、正に「立体攻撃」!
「破壊消防!」
高い跳躍から大上段に構えたクレイモアを渾身のダウンスイング。体重の乗った一撃は急ごしらえのバリケードを木端に粉砕。火は細かく散って火勢は弱まる。
「破壊衝動ですの?」
「破壊……消防だと思います」
思わず振り返り呟くチョココに、これを本人が聞いたらきっとそう突っ込むだろうなぁとか思いつつ龍馬が訂正しておく。もちろん龍馬、応急手当やヒールなど傷ついた人への治療の手を止めることはない。
●
路上に倒れている住人の中で、頭を鈍器で殴られていた者もいる。
「くそう……あいつら、好き放題しやがって……」
ぐ、と身を起そうとしたところ、手を添えられた。
見ると、傍らにワンピースを纏った人物がいた。
「盗賊は行ったみたいだから安心して横になっているといいわ」
揚羽である。優しい笑みを湛えている。
「ありがとう……」
「頭をあまり振らないで……これでいいわ。水場があれば教えてほしいわね」
「キミはいい嫁さんになるな……ああ、井戸ならそこの裏に」
揚羽、くすと微笑しスカートをひるがえすと井戸へ。余計なことは一切言わない。
別の男性も正気を取り戻した。
「ううん……ん?」
うめきつつ目を開けると、近くに人が立っていることに気付く。
ブーツを履いた足、すらっとした細身は女性のようだ。こちらに背を向けている。視線を上げると盾が目に入った。どうやら騎士らしい。さらさらの長い銀髪がいま、風に吹かれてうなじをあらわにした。
「……騎士さんか。しかも女性……畜生、凛々しいじゃねぇか」
思わず感心して呟いた。自分を守るように立つ姿があまりに格好良く映ったのだ。
が、次の瞬間!
「あ、気付きましたか? もしも大丈夫でしたら、辛いかと思いますけど怪我をした人を運ぶのを手伝って貰えませんか…」
振り向き手を差し伸べた女性騎士は、サクラだった。
「ぶっ!」
男、吹き出す。
サクラの頭に装備した猫耳カチューシャがせっかくのシーンとかいろいろ台無しにしていたとか。
「いかん、麦秋も間近なのに麦畑が燃えると……」
こちらでは、集落の長が瓦礫に下敷きとなりながらも畑の方に手を伸ばしている。すでに畑の端の小麦に火が移っている。
「ちょっと、行ける?!」
揚羽が井戸からくみ上げた水を桶に移しながら叫ぶ。
「もちろん行くわよ」
応じたのは、舞。燃える家屋から老人を抱えて出てきたところだ。
「こちらは僕が」
長には馬に跨り巡回していた春樹が気付き寄ってきた。馬から降りると周辺から縄を見つけて瓦礫に縛り、反対を馬に縛った。引かせて瓦礫を撤去するつもりだ。
一方、舞。
「これでよし。あとお願い」
舞は抱えていた老人を下ろすと畑に走る。そこにチョココがちょこちょこいつの間にか走って来て老人を受け持った。
「わたくし、頑張りますわっ。力なき人々を守る為にっ」
チョココ、老人の手当てを担当する。ぐっと固める拳が頼もしい。頭の上のパルパルも、ぐっ。
そして舞。
瞬脚で畑に詰め腰を落としてクレイモアを跳ね上げる!
ばっ、と火のついた麦が舞う。
それらはぱらぱらと、振り抜いた姿勢のままの舞の背後に落ちた。これで延焼はないだろう。
「それにしても、水を頭から被って火の中に突っ込んだ次は自分で切った火の粉の雨、ね」
肩を払いながら立ち上がる舞だった。
こちら、燃える家から住民を引きずり出しているミュオ。
「わしの……家族の家が……」
「お家や集落は壊れても作り直せます」
ミュオ、未練の残る老人に必死に説得している。
逃げている住民はこの老人だけではない。自分で動けるものは自力で避難している。
「そうは言うても、留守を預かるこのわしが……」
「でも死んじゃったらみんなおしまいです。それはとっても悲しいことだと思います」
必死に老人を引きずるミュオ。
その様子に何かを感じたか、じっとミュオを見る老人。
「だから……だから、1人でも多くに生きてもらうんです!」
それに気付かず、変わらず必死なミュオ。その様子に、あるいは何か事情があるのかもしれんと思い、老人は大人しくなるのだった。
●
この少し前、シェリアク。
「この分なら大丈夫だよねっ?! 賊にやられたんですの?」
集落の外れで倒れていた人を開放していた。
「ありがとう……ああ、そうだ」
「まだ残って……」
「いや、急いでいたようだ。あっちに向かっていったな」
これを聞いたシェリアク、指差された方に走る。
おっと。思い出したように 魔導短伝話を取り出した。
「龍ちゃん、集落の反対側にけが人纏めておいたの。で、あたしちょっと賊を追ってみるの!」
伝話は、しっかりと龍馬に届いている。
「分かりました……誘拐など行方不明者も気になっています」
「うんっ。それも気を付けてみるっ!」
走り出したシェリアク。しかしすぐに「ん?」と立ち止まる。
「……えっと、誘拐……人さらい?」
あれ? とか首をかしげるが、今は走らなくちゃと再び息を弾ませる。
伝話を受けた龍馬は。
「集落を守れとの依頼……襲撃されましたが、この状況で私に出来る事を成します」
丁寧な口調に、改めて心を定めた瞳。
何を目指してハンターになった?
自問して盾を握る。
「みなさん、固まっていてください」
ここのけが人の応急手当は終わった。次だ。
守れなかったのなら……。
再びの自問。次の要救助地に走る。
「せめて、安心を」
思わず声に出しながら。
そして、長を助け出した春樹。
それまで馬で走り回り一カ所に固まるように言った比較的軽症の住民が集まって来ているのを見て安心していた。
「ん?」
いや、異変に気付いた。
「わんっ」
柴犬のコロマルが何かの物音に気付いて春樹を呼んでいたのだ。
同じ頃、舞。
「火は無事に消し止めたな……あれ?」
額の汗を拭っていると、連れてきた柴犬が何かの気配に気付いてこちらに吠えている。
「どうした?」
寄ってみて気付いた。家具に押しつぶされた下で床が振動しているのだ。
家具をどけて開けると、子供や女性が出てきた。
入れ替わりに中を覗くと……。
「酒の貯蔵庫、か。それにしてもまるで隠してあるような扉じゃない」
とにかくここから出て仲間に報告。春樹の方も同じだった。
●
「無事でよかったです。それにしても、これだけの被害が出た襲撃…よく無傷でいられましたね…?」
住民を一カ所に集めたところでは、サクラがそんな話をしていた。
「はい、とっさに地下貯蔵庫に逃げましたから」
無事だった女性たちはそう答えている。
「もしかして賊はハンター偽装をしていたですの?」
チョココはそんなことを聞いてみたり。
「いや、一目で盗賊と分かったから子供らを隠すことはできたが……」
彼女に手当てしてもらいながら答える住民。
「住民のリストはありませんか? これで全員そろっているでしょうか」
龍馬はそんなことを聞いて回っている。
「行方が確認できていない人、いませんか?」
同じくミュオが聞いて回っている。
この光景を見て揚羽の赤い瞳が光った。明らかに動揺している住民がいるのだ。
「大丈夫?」
揚羽、そのうち怪我の酷い男性に詰め寄った。男、ややうろたえている。
「盗賊が来るかもしれなくて自衛手段は取らなかったの?」
男の手を取り、両手で優しく包んで温めるようにしながら相手の目をまっすぐ見つめ返す揚羽。ややうるんだ瞳は、女性のそれだとしか思えない。
「バリケードとかは作ってたろ」
男、視線を逸らした。集落の長の方を気にしている。
そこには春樹がいた。チョココを手招きしている。
「それにしても襲撃の手際が良すぎる。もしかしたら内通者がいるのかも」
「え、そうなんですの?!」
白々しく言う春樹に、純粋に驚くチョココ。びく、と住民数人が反応した。
視線が一人の少年に集中する。
「違う。俺は襲撃を知らせて逆に盗賊をやっつけてほしかったんだ!」
モータルである。どうやら地下の酒蔵に幽閉されていたらしい。
「……何か引っかかるんだよ」
ここで、戻ってきたシェリアクが呟いた。賊はいなかった様子だ。
「麻薬か……人さらいとかあるかも?」
「違う。断じてそのようなことは」
シェリアクの言葉に、長が過剰に反応した。
「じゃ、どういうことかな?」
「私たちは、集落の再建準備や……今後の警備体制の確立にも協力したいと思っています」
望んだ展開に満足しながら春樹が聞く。重ねて龍馬言葉が被った。
「た、頼む。森の中の醸造所も襲われとるかもしれん。行ってみてくれんか?」
長はついに、集落の秘密を白状した。
結果、森に隠された醸造所はゴブリンに襲われていたことが分かった。
そこで造られていたのは、密造酒。
発覚を恐れ外部への救助依頼が遅れ、自警団も二カ所に分けたたろめ共に防衛に失敗したのだ。
後の話になるが、集落は自首。同時期、酔っぱらったゴブリンの一団が退治されその遠因と認められたため罪は軽くなり、醸造技術の提供だけで償いは済んだ。
それはそれとして、モータル。
「義賊になる」
彼はその一言を残し、姿を消したという。
「ねえ、龍ちゃん。うまくつながるかな?」
シェリアク=ベガ(ka4647)が長い髪と黒い大きなリボンを揺らし振り返った。元気いっぱいの軽やかな娘で、魔導短伝話を持ち耳元に当てている。
「キミは……」
龍ちゃんと呼ばれたのは、龍馬・ロスチャイルド(ka4303)。同じく短伝話を持ち、こちらはしげしげとシェリアクを見詰めている。
「出発前に試したのでは?」
とか、ごにゃごにゃと龍馬。
シェリアク、これから向かう集落で短伝話を活用するつもりだ。もちろん龍馬もそのつもりではあるが、シェリアクの元気いっぱいなノリにはついて行けない。
「わたくしはパルムのパルパルとつながってますわ」
龍馬の隣では頭の上にパルムを乗せたエルフ娘、チョココ(ka2449)が楽しそうに歩いている。頭の上に乗っているパルムもなんとなく楽しそう。こちらはシェリアクに近い性格かも。
「つながっているといえば……」
ここで新たに思案にふけるような声。
青い瞳の涼やかな青年がうつむきながら呟いている。
「村の反応はちょっとおかしいよね?」
その青年、顔を上げる。名は神谷 春樹(ka4560)という。
「おかしい……かしらね?」
これに揚羽・ノワール(ka3235)が慎重に聞き返した。ハイヒールにひらめくスカートのワンピース姿が麗しい。今、頬をくるんだ左手の小指を曲げて、瑞々しい唇にそっと添えた。にまりと目尻が緩む。
「例えば、対応の遅さ。不自然に感じる」
春樹が不敵な微笑で揚羽を見返した。
「でも、盗賊の規模はそれほど大きくないって聞いてます」
横合いから、袖の無い簡素な布製の上着を着たドワーフ少年、ミュオ(ka1308)が会話に交ざった。揺らぐ金髪に青い花の髪飾りが目立つ。瞳はまっすぐ。
「対応が遅くてもそこまで不自然では……」
「ち、ちょっと…待って…」
春樹の言葉を遮る声。ミュオの背後にいた青い女性騎士、サクラ・エルフリード(ka2598)が遠くを見たまま声を絞り出していた。
「ちょっ、何よあれ!」
サクラと同じく、ジーンズ姿の快活そうな少女、天竜寺 舞(ka0377)も気付き遠くを見ている。
空に一条の煙が立ち上っているのだ。
それも皆の向かう集落方面から!
明らかに集落が燃えていると考えられる。
「そ……んな…!?」
その場に立ち尽くし絶句する龍馬。「まさか……盗賊が?」との声も漏れる。
「えっ……間に合わなかった、ですの!? そんな……」
チョココも立ち止まったが、ぽかんと開けた口をすぐに引き締めた。
「……いいえ、諦めてはいけませんわ」
「早く助けに行かないとですよっ! 賊は私が許さないのですっ!」
チョココの言葉と同時に、シェリアクが叫んで駆け出した。
「……遅かった!? でも、だけどまだ――!」
ミュオもすぐに気を取り直し駆け出す。
もちろん舞も、サクラも揚羽も、龍馬も春樹も――。
●
一行が集落に到着したとき、すでに盗賊が襲撃し立ち去った後だった。
住居には火が放たれ、住民は路上に切られたり殴られたりして横たわっている。
「……どうやら遅かったようね」
「間に…合いませんでしたか……」
赤い瞳で周りを確認する揚羽に、沈痛な様子で声を絞り出す龍馬。
「く、私達が間に合っていればこんな事には……」
サクラはシールド「カエトラ」を握る手にぎゅっと力を込めた。まるで自分の無力さを責めるように。
「おかしい」
冷戦沈着に呟いたのは、舞。
「依頼を受けた時点では、今日明日中にも襲ってくるって感じじゃなかったのに」
「いや……」
続けた舞の声を止めようと春樹が振り返る。
その視線を受けるまでもなく、舞は切り替えていた。
「ってそんな事今言っててもしょうがない、先ずは……」
前向きな言葉。春樹、それを見て頷く。
「とにかく、要救助者の確保と救……」
「取り敢えず救助です!」
龍馬も頷き……おっと、シェリアクの声が被った。龍馬の声がかき消されてしまうが、まあ声の大きさが違うので仕方ない。
「今出来る事、為すべき事をしますの。尽力ですわ!」
チョココも両手を胸の前で合わせて元気よく言い放ち倒れている住民に駆け寄っていく。
「僕らの役目は守ること。これ以上被害は広げさせない、です!」
ミュオは焼けた住居へと走っていく。
「ともかく、私は怪我人の確認と手当を行いますね…。全員が無事であれば一番いいのですけど……」
サクラ、自責の念から立ち直り力強く仲間を振り返って言った。もう、落ち込んでなんかいられないと赤い瞳がきらめいている。
この時、チョココ。
「あーっ、この人大変ですわ。応急手当、応急手当……」
「チョココさん、私が……」
龍馬、回復なら任せてとチョココに駆け寄る。今回語尾が消えたのは他の声にかき消されたわけではないが。
「龍ちゃん、賊が残ってないか探してくるね。……賊は私が許さないのですっ!」
シェリアク、救助者を探しつつ賊への怒りのまま走り出す。
「じゃ、僕も。コロマル、行くよ」
春樹は連れてきた馬「疾風」に跨ると、同じく連れてきた柴犬の名を呼び馬首を巡らせる。シェリアクと逆回りに集落を見回るつもりだ。
「あたしは火事の類焼を抑えるよう動くよ」
舞も走り出す。
目指すは、建物と建物をつなぐ簡易の板塀。おそらくバリケードとして緊急に造られたのだろうが、これが燃えている。放っておくと両建物へと本格的に火が移るだろう。
さりとてすぐに消火するには火勢が強い。
それでも舞、迷いはない。
手にしたクレイモアを本格的に構え――。
「こんな事に使う羽目になるとは思わなかったけど」
がつん、と住居の脇にあった樽に足を掛ける。それを踏み台に高々と跳躍する。
その様、正に「立体攻撃」!
「破壊消防!」
高い跳躍から大上段に構えたクレイモアを渾身のダウンスイング。体重の乗った一撃は急ごしらえのバリケードを木端に粉砕。火は細かく散って火勢は弱まる。
「破壊衝動ですの?」
「破壊……消防だと思います」
思わず振り返り呟くチョココに、これを本人が聞いたらきっとそう突っ込むだろうなぁとか思いつつ龍馬が訂正しておく。もちろん龍馬、応急手当やヒールなど傷ついた人への治療の手を止めることはない。
●
路上に倒れている住人の中で、頭を鈍器で殴られていた者もいる。
「くそう……あいつら、好き放題しやがって……」
ぐ、と身を起そうとしたところ、手を添えられた。
見ると、傍らにワンピースを纏った人物がいた。
「盗賊は行ったみたいだから安心して横になっているといいわ」
揚羽である。優しい笑みを湛えている。
「ありがとう……」
「頭をあまり振らないで……これでいいわ。水場があれば教えてほしいわね」
「キミはいい嫁さんになるな……ああ、井戸ならそこの裏に」
揚羽、くすと微笑しスカートをひるがえすと井戸へ。余計なことは一切言わない。
別の男性も正気を取り戻した。
「ううん……ん?」
うめきつつ目を開けると、近くに人が立っていることに気付く。
ブーツを履いた足、すらっとした細身は女性のようだ。こちらに背を向けている。視線を上げると盾が目に入った。どうやら騎士らしい。さらさらの長い銀髪がいま、風に吹かれてうなじをあらわにした。
「……騎士さんか。しかも女性……畜生、凛々しいじゃねぇか」
思わず感心して呟いた。自分を守るように立つ姿があまりに格好良く映ったのだ。
が、次の瞬間!
「あ、気付きましたか? もしも大丈夫でしたら、辛いかと思いますけど怪我をした人を運ぶのを手伝って貰えませんか…」
振り向き手を差し伸べた女性騎士は、サクラだった。
「ぶっ!」
男、吹き出す。
サクラの頭に装備した猫耳カチューシャがせっかくのシーンとかいろいろ台無しにしていたとか。
「いかん、麦秋も間近なのに麦畑が燃えると……」
こちらでは、集落の長が瓦礫に下敷きとなりながらも畑の方に手を伸ばしている。すでに畑の端の小麦に火が移っている。
「ちょっと、行ける?!」
揚羽が井戸からくみ上げた水を桶に移しながら叫ぶ。
「もちろん行くわよ」
応じたのは、舞。燃える家屋から老人を抱えて出てきたところだ。
「こちらは僕が」
長には馬に跨り巡回していた春樹が気付き寄ってきた。馬から降りると周辺から縄を見つけて瓦礫に縛り、反対を馬に縛った。引かせて瓦礫を撤去するつもりだ。
一方、舞。
「これでよし。あとお願い」
舞は抱えていた老人を下ろすと畑に走る。そこにチョココがちょこちょこいつの間にか走って来て老人を受け持った。
「わたくし、頑張りますわっ。力なき人々を守る為にっ」
チョココ、老人の手当てを担当する。ぐっと固める拳が頼もしい。頭の上のパルパルも、ぐっ。
そして舞。
瞬脚で畑に詰め腰を落としてクレイモアを跳ね上げる!
ばっ、と火のついた麦が舞う。
それらはぱらぱらと、振り抜いた姿勢のままの舞の背後に落ちた。これで延焼はないだろう。
「それにしても、水を頭から被って火の中に突っ込んだ次は自分で切った火の粉の雨、ね」
肩を払いながら立ち上がる舞だった。
こちら、燃える家から住民を引きずり出しているミュオ。
「わしの……家族の家が……」
「お家や集落は壊れても作り直せます」
ミュオ、未練の残る老人に必死に説得している。
逃げている住民はこの老人だけではない。自分で動けるものは自力で避難している。
「そうは言うても、留守を預かるこのわしが……」
「でも死んじゃったらみんなおしまいです。それはとっても悲しいことだと思います」
必死に老人を引きずるミュオ。
その様子に何かを感じたか、じっとミュオを見る老人。
「だから……だから、1人でも多くに生きてもらうんです!」
それに気付かず、変わらず必死なミュオ。その様子に、あるいは何か事情があるのかもしれんと思い、老人は大人しくなるのだった。
●
この少し前、シェリアク。
「この分なら大丈夫だよねっ?! 賊にやられたんですの?」
集落の外れで倒れていた人を開放していた。
「ありがとう……ああ、そうだ」
「まだ残って……」
「いや、急いでいたようだ。あっちに向かっていったな」
これを聞いたシェリアク、指差された方に走る。
おっと。思い出したように 魔導短伝話を取り出した。
「龍ちゃん、集落の反対側にけが人纏めておいたの。で、あたしちょっと賊を追ってみるの!」
伝話は、しっかりと龍馬に届いている。
「分かりました……誘拐など行方不明者も気になっています」
「うんっ。それも気を付けてみるっ!」
走り出したシェリアク。しかしすぐに「ん?」と立ち止まる。
「……えっと、誘拐……人さらい?」
あれ? とか首をかしげるが、今は走らなくちゃと再び息を弾ませる。
伝話を受けた龍馬は。
「集落を守れとの依頼……襲撃されましたが、この状況で私に出来る事を成します」
丁寧な口調に、改めて心を定めた瞳。
何を目指してハンターになった?
自問して盾を握る。
「みなさん、固まっていてください」
ここのけが人の応急手当は終わった。次だ。
守れなかったのなら……。
再びの自問。次の要救助地に走る。
「せめて、安心を」
思わず声に出しながら。
そして、長を助け出した春樹。
それまで馬で走り回り一カ所に固まるように言った比較的軽症の住民が集まって来ているのを見て安心していた。
「ん?」
いや、異変に気付いた。
「わんっ」
柴犬のコロマルが何かの物音に気付いて春樹を呼んでいたのだ。
同じ頃、舞。
「火は無事に消し止めたな……あれ?」
額の汗を拭っていると、連れてきた柴犬が何かの気配に気付いてこちらに吠えている。
「どうした?」
寄ってみて気付いた。家具に押しつぶされた下で床が振動しているのだ。
家具をどけて開けると、子供や女性が出てきた。
入れ替わりに中を覗くと……。
「酒の貯蔵庫、か。それにしてもまるで隠してあるような扉じゃない」
とにかくここから出て仲間に報告。春樹の方も同じだった。
●
「無事でよかったです。それにしても、これだけの被害が出た襲撃…よく無傷でいられましたね…?」
住民を一カ所に集めたところでは、サクラがそんな話をしていた。
「はい、とっさに地下貯蔵庫に逃げましたから」
無事だった女性たちはそう答えている。
「もしかして賊はハンター偽装をしていたですの?」
チョココはそんなことを聞いてみたり。
「いや、一目で盗賊と分かったから子供らを隠すことはできたが……」
彼女に手当てしてもらいながら答える住民。
「住民のリストはありませんか? これで全員そろっているでしょうか」
龍馬はそんなことを聞いて回っている。
「行方が確認できていない人、いませんか?」
同じくミュオが聞いて回っている。
この光景を見て揚羽の赤い瞳が光った。明らかに動揺している住民がいるのだ。
「大丈夫?」
揚羽、そのうち怪我の酷い男性に詰め寄った。男、ややうろたえている。
「盗賊が来るかもしれなくて自衛手段は取らなかったの?」
男の手を取り、両手で優しく包んで温めるようにしながら相手の目をまっすぐ見つめ返す揚羽。ややうるんだ瞳は、女性のそれだとしか思えない。
「バリケードとかは作ってたろ」
男、視線を逸らした。集落の長の方を気にしている。
そこには春樹がいた。チョココを手招きしている。
「それにしても襲撃の手際が良すぎる。もしかしたら内通者がいるのかも」
「え、そうなんですの?!」
白々しく言う春樹に、純粋に驚くチョココ。びく、と住民数人が反応した。
視線が一人の少年に集中する。
「違う。俺は襲撃を知らせて逆に盗賊をやっつけてほしかったんだ!」
モータルである。どうやら地下の酒蔵に幽閉されていたらしい。
「……何か引っかかるんだよ」
ここで、戻ってきたシェリアクが呟いた。賊はいなかった様子だ。
「麻薬か……人さらいとかあるかも?」
「違う。断じてそのようなことは」
シェリアクの言葉に、長が過剰に反応した。
「じゃ、どういうことかな?」
「私たちは、集落の再建準備や……今後の警備体制の確立にも協力したいと思っています」
望んだ展開に満足しながら春樹が聞く。重ねて龍馬言葉が被った。
「た、頼む。森の中の醸造所も襲われとるかもしれん。行ってみてくれんか?」
長はついに、集落の秘密を白状した。
結果、森に隠された醸造所はゴブリンに襲われていたことが分かった。
そこで造られていたのは、密造酒。
発覚を恐れ外部への救助依頼が遅れ、自警団も二カ所に分けたたろめ共に防衛に失敗したのだ。
後の話になるが、集落は自首。同時期、酔っぱらったゴブリンの一団が退治されその遠因と認められたため罪は軽くなり、醸造技術の提供だけで償いは済んだ。
それはそれとして、モータル。
「義賊になる」
彼はその一言を残し、姿を消したという。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/22 00:24:04 |
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相談卓 龍馬・ロスチャイルド(ka4303) 人間(クリムゾンウェスト)|29才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/04/26 16:54:21 |