• 不動

【不動】最前線の変なおじさん

マスター:坂上テンゼン

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/04/29 22:00
完成日
2015/05/06 13:25

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 突如として、岩陰の中から巨大な影が盛り上がった。
「トロル……!」
 二人連れのハンターの一人がその名を口にする。いずれも女だ。
 ここは試練の山周辺の一地点。安全の確保のため、定期的に偵察が行われていた。彼女達はその任務の途中だった。
 岩のような肌を持つトロルが、血走った目で牙をむいている……それは長く太い腕を広げ、彼女らに襲いかかった!

 その時だった。
「大丈夫ですか!」
「キャーーー!!!???」
 突如として現れたトレンチコートの中年男が、前を開いて、肌色の肢体を見せつけてきたではないか。
「ここは私が! はやく逃げて!」
「きゃああああワイセツぅぅぅぅぅ!」
 彼女達は逃げた。トロルからではなく、男から。



 ――辺境・聖堂戦士団陣地

「ランネル・メッテルニヒ」
 と、聖堂戦士団の男は言った。
「彼は腕利きのハンターでしたが、素行に問題があり、ストーカー行為を行ったことで逮捕されました。
 しかし今は戦の時……
 使えるものは何でも使いたい。たとえ都合の悪いところがあったとしても。
 そこで刑罰も兼ねて、この辺境の地の最前線送りとなることが決まりました。
 人を導くのは聖職者の勤めということで、監督役は我々聖堂戦士団が担っております。
 彼には単身での敵地の偵察任務という、最も過酷な任務を与えられています。というのも、能力的に彼と組めるだけの人物が我々の中にいないからです。
 彼は着実に任務をこなしています。その点においては有能なハンターです。しかし……
 はじめは何ともなかったのですが、次第に妙な行動をとるようになりました。

『裸にトレンチコートを羽織り、人に会うとコートの前を開いて裸体を見せつけてくる』というのです……。

 よく見ればそれは裸ではなく、肌色の着ぐるみで……『まるごとぜんら』と言うらしいのですが……しかし、破廉恥なことに変わりはありません。

 注意しても生返事ばかりで、反省しようとしません。
 かといって任を解こうにも、彼の代わりになるものはおらず……
 破廉恥なだけで特に害はないのもあって、そのままにされていたのです。

 しかし、そうもいかなくなりました。

 ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、システィーナ・グラハム(kz0020)殿下がこちらにいらっしゃいます。
 何かの弾みで会わせてしまえば、我々には合わす顔がありません。ランネルも極刑は免れないかもしれません……。

 そこで、王女殿下がこちらにいらっしゃる間だけ、彼を拘束しようと考えております。
 あなた方にお願いしたいのは、その事です。
 
 彼は今、試練の山周辺の一地点の偵察を担当しています。そこに行けば、出会えるはずです。
 ただし、ランネル自身の報告によると、その周辺ではトロルが一体目撃されたとのことです。
 最優先は一応、ランネルの捕縛ですがこちらの退治も出来ればお願いします。
 この二者は同時に出会う可能性が高いので。

 彼には、まだ利用価値があります。生きていて貰わねば困ります……皆様どうぞよろしくお願いします」



「聖職者とは思えん台詞だ、気持ちはわかるがな」
 拘束服を手渡されたヘザー・スクロヴェーニ(kz0061)が言った。彼女はランネルによるストーカー事件の被害者の友人であり、逮捕したハンター達の一人でもあった。
「ともかく、王女殿下にそのような変態を会わせるわけにはいかん!
 王女殿下がそっち方面に関わる必要性など一切ない。
 こういった汚れ仕事は我々が何とかしなければな!

 こういった仕事ばかりだと正直嫌だが!」

リプレイ本文

●ココロオドラナイ
「皆! 出陣だ! 必ず勝つぞ!」
 拳を振り上げ鼓舞するように言うヘザー・スクロヴェーニ(kz0061)だったがしかし、集まったハンター達には全体的に覇気が無かった。
「うん、わかってる。これは依頼。依頼だから……」
 ロト(ka0323)は遠い目をしていた。
 裸を見せつける中年男を捕まえる、なんて内容だから無理もなかった。本当の裸ではないらしいが、そういう問題ではなかった。
「トロルが目撃された危険地帯に変態さんですか……」
「なんていうかさ、どこの世界にも変態はいるんだね……」
 コーネリア・デュラン(ka0504)と辻 緑朗太(ka4745)はそろって溜息をついた。
 変態―HENTAI(と書くと少し意味合いが違う)―。
 その言葉の意味する所は変態性欲の略、または変態性欲のある人であり、今回のケースは如何なる理由かは不明だが積極的に裸を見せつけることから、紛れもない変態であると断定していいだろう。
「露出狂かー」
 と、フィーサ(ka4602)。より詳しく記せばそうなる。
「ふぅ……自分で受けたとはいえ、ここまでの汚れ仕事だと憂鬱になるねー」
 ぶっちゃけた。とはいえ、憂鬱なのはちゃんとやるからであって、本当に嫌なら黙って逃げる。
 かれらはやる気がないわけではないのだ。心燃える展開でないだけで。
「妾のような乙女のすることではないのう……」
 そう言った紅薔薇(ka4766)は紛れもない花も恥らう14歳の乙女だ。
 しかし、その愛らしい顔立ちに実は危険なものが潜んでいる事に気付いたものは、果たしていただろうか。
「Giantが相手なら、倒し甲斐がありそうデス!」
 そんな中クロード・N・シックス(ka4741)だけは例外的に燃えていた。東方から来(たとは思えない言動と姿だが)て初めての依頼だった。
「Crazyな同業者ごとブッ飛ばしてあげマース!」
「一応、そっちはブッ飛ばさなくてもいいからな!」
 ヘザーが注釈を入れたが、「べつにそれでもいいか」と後で思った。

●(変)態出没注意
 試練の山周辺・補給路を進んでいた一行。その前に、突如として何かが高速で走りこんできた。
 トレンチコートを着込んでいる。
 それは一行の前で急に立ち止まると、コートの前を勢い良く広げ、脚を交差させ首をややもたげたポーズを取り恍惚とした表情を浮かべた!
「皆さん! ここは危険です!」
「キャー!!!」
 コーネリアが叫び声をあげた。風采の上がらない男……あらわになった肌色の肢体……
 間違いない、件の変態ランネル・メッテルニヒその人だ。
「うわっ気持ち悪い……」
 と、冷めた目をしたロトが思わず漏らした。
「そんな偽りの体さらして何が楽しいんだか……」
 緑朗太も苦笑いする。
 そう、男が晒した体は生身ではなく、着ぐるみに過ぎなかった。
 直視して確かめるのも抵抗があったが。
「さて。トロルどこかなー」
「Foo! 待ちに待った戦場ネ! ワタシの六角棍が血を求めていマス!」
 一方、フィーサとクロードは完全にスルー。
「まさかトロルを退治しに来た方々ですか! 助かりました!」
 ランネルはコートの前をバッサバッサ開けたり閉めたりしながら言った。
「キャー! キャー!」
 その度にコーネリアが叫ぶ。
 その一方でランネルに歩み寄る者があった。紅薔薇だ。
「ふむ。つーまらん奴じゃのう。露出趣味だったら正々堂々と裸になれば良いのじゃ。まるごとぜんらなぞ、ただのジョークアイテムではないか」
 ……見下したような視線、蔑んだ口調。
ランネルの動きが止まった。

「………………私など全裸になる勇気もない哀れな豚です!」
 そして這いつくばった。
 瞳が潤んでいる。息が荒い。
「惨めな私を嘲笑ってください!」

「意味が通じなんだか? 妾は脱げと言っておるのじゃぞ?
 自分の貧相な物をさらす勇気も無いかの?……ゴミめ」
 ごくごく自然に言ってのける紅薔薇。
「はい私はゴミです! ゴミ以下の汚いクズです!
 どうか惨めなクズめを罵ってください」
 ランネルは息をはぁはぁさせ、上目遣いで紅薔薇を見ている。
 
「あー、お愉しみの所すまんのだが」
 ヘザーが、割って入ろうとした。
「私達はお前を連れ戻しに」
「あっトロルだ」
「えっ」
 フィーサが気づいた。
 ランネルがやってきた方の道とは別の道があり、一行から百mほど離れた所にそれはいた。岩のような肌をした、腕の長い類人猿にも似たものが、凶暴に牙をむき出しにして、野性の雄叫びをあげていた。

●トロルと変態とそれらをあしらう者達
「とりあえず、シャレにならない方発見、だねー」
 フィーサはナチュラルに武器を構えた。
「ふむ、トロルか。予定通りなのじゃが……無粋じゃな。
 そこのゴミ、せめて犬に昇格したいなら、それなりの働きを見せるのじゃ」
「犬だなんてとんでもない、これまで通りゴミクズ同然に扱ってください!」
「ならせいぜい惨めな戦いぶりを晒せ」
「はい!」
 紅薔薇に罵られて頬を上気させたランネルが前に出る。
「役立たずはいらないよ、ちゃんと働いてよね」
 冷淡に述べたロトが、ランネルにウィンドガストをかけた。渦巻く風に護られたランネルが体を震わせているのは、武者震いではなくロトの語調のせいだ。
「では……ゴミめの戦いを蔑んだ目でご覧ください」
 ランネルはトロルに向かい、距離を詰めた。
 トロルはそれを見るや否や両手を上から叩きつけるように、ランネルに振り下ろした。
 地面を抉り、土煙が舞う。
 どう動いたのか――
 次の瞬間にはランネルは、その両手の上にいた。
 疾風のようにトロルの腕の上を駆け、肩まで達する。
 腕を一閃させると、鮮血が舞った。
 手にしたスクアーロナイフがトロルの頚動脈を切断したのだ。
 トロルが苦悶の表情を浮かべ、身の毛もよだつ声で絶叫する。
 ランネルは肩から飛び降りると、反対側に着地し、次の行動に備えた。わずかな息の乱れもない。

「あれでなんで変態なんだ……」
 ヘザーは至極残念な顔でランネルを見ていた。
 あるいはギャップがたまらないという人も、もしかしたら出てくるかもしれなかった。それほどランネルの手際は鮮やかだった。
 トロルの傷は人間ならば即死であっただろう。
 しかし、この巨人――というにはやや獣めいた魔物――は、それでも倒れる事はなく、そればかりか再生能力を持つため放っておけば傷は塞がる。
 それを解っていたから、一行はこの隙を逃さなかった。
 まず、フィーサのイルミナルウイップが虚空に光の模様を描いて、トロルの脇腹を切り裂いた。
 続くクロードが力強い踏み込みからの、六角棍の一撃をトロルの脛に見舞う。
 同じ場所に、紅薔薇が駆けた。納刀した状態で間合いに入り、鞘から奔ったダークMASAMUNEが鮮血の花を咲かせた。
 そして反対側の脚に、ヘザーが膝の関節の部分めがけワン・ツーからの右ストレートを見舞い、バックステップで離れた。
 さらには緑朗太が太刀「國近」を舞わせ、電光石火の勢いで駆けながらの一撃を脛に見舞う。
 流れるような集団での攻撃に、トロルは反応し切れなかった。
「今です!」
 コーネリアが、何を思ったかランネルに向けて駆けた。
 背後から駆け寄り、その肩に跳び乗る。
「ああっ! もっと踏んで!」
 背後に聞こえた言葉は気にしない。
 ランネルを踏み台にしたコーネリアは、空中で剣斧を一閃させた。
 それは片目を潰し、確かな手応えを感じさせた。
「あ……」
 着地したコーネリアを、緑朗太が離れた場所から見つめていた。

 片目を潰され絶叫するトロルだったが、それで戦意を喪失しはしなかった。
 凶暴な視線がランネルに向き、巨体を突っ込ませてきた。
「ゴミめ! そこに這いつくばれ!」
 咄嗟にヘザーが叫んだ。
 性なのか、ランネルは言う通りにした。
 トロルの腕が空振りしたが足は止められず、伏せたランネルに躓いて倒れた!
「良し」
 ランネルが下敷きになったが、ヘザーは良しとした。
 立ち上がられるのを防ぐために、脚に向けてロトがウインドスラッシュを放つ。フィーサ・紅薔薇・クロードも同様に脚を狙った。
 そんな中、緑朗太はコーネリアの前に出た。
「コーネリアさん! 俺を足場にするんだァー!」
「えっ……?」
 コーネリアは一瞬戸惑ったが、そもそも敵が倒れている今は立体攻撃の必要はなかったので、普通に斬りつけた。

 トロルは起き上がりはしなかったが、その状態から長い腕を振るってなおも応戦した。
 巨大な拳が紅薔薇の体を打ち据えた。
「ぐっ……フ、そう来なくてはつまらぬ!」
 紫の瞳を見開き、心から愉しそうに笑った。
 勿論そのままにはしておかない。
 紅薔薇を打った腕をヘザーが両手で抱え、全身の力で地面に押さえつける。手首にフィーサが馬乗りになり、上からナイフで貫いた。

「今です、私を踏み台に!」
「いや俺を踏んでくれ!」
 いつの間にかトロルの下から抜け出してきたランネルと緑朗太が二人揃って屈んで背中を見せながらコーネリアに嘆願していた。
(この少年……私と同じ!?)
 ランネルは横目で緑朗太を盗み見る。
 緑朗太もランネルを見ていた。そして、何故か頷いた。
(そうか……そうだったのか)
 ランネルは何かを感じ取った。
「もう、今は必要ないでしょ!」
 コーネリアは叫ぶと、逃げるように敵に駆け寄り、トロルのまだ負傷していない方の腕に剣斧を叩きつけた。
 その腕はなおも敵を求めるように動いたが、ロトのマジックアローを受けると、地面にへばりついて痙攣した。
 そして、クロードが背中を突き、上半身を地面に押し付けた。
「お主も一人で居るなら狩られる覚悟はあろう?」
 倒れ伏したトロルの頭を、紅薔薇が踏みつけた。
「さぁ、その首……置いて行け!!」
 凶暴な視線がトロルを射抜き、そして――
 その首は胴体に永遠の別れを告げた。

●蛹を破り蝶は舞う
「……さて。
 ランネル、お前には"ホープ"に帰ってもらう。
 そういう指示だ」
「……」
 そう告げたヘザーに対し、ランネルは口を閉ざした。
「逆らうのなら力づくでも従わせる」
 ヘザーのその言葉に応えるように、一行が武器を構えた。
「……わかりました。その代わり、お願いを一つ聞いてください」
「何だ?」
 ランネルは、一行の一人に向き直ると、ひざまづいた。
 フィーサだった。
 手にはムチを持っている。
「お願いです! それで私を!」

「変態!! 変態!! 変態!! 変態!!」
「ああっ! ウッ! い、いいいいっ!」
 フィーサは最も礼に適った所作で、ランネルの要望に応えた。
「うっ……おお……! お……おおおおおッ!」
 ヒュンヒュン風を切るムチがビシバシ打ち据えられ、それに呻き声が重なる。
 いかがわしい事この上ない。
 やがて、異変が起こった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
 ランネルの内側から熱い生のマテリアルが迸り……それはランネルの着ていた『まるごとぜんら』をボロボロに引き裂いた!
 トレンチコートも吹き飛び、ランネルは、今度こそホンモノの全裸になった。
 その様子を見たフィーサははじめ呆気にとられたが、やがて、然るべき所を見て、クスッと笑った。
 紅薔薇も鼻で笑うような態度で見下した。コーネリアも今は冷淡になっている。最初叫んでいたのは様式美のように考えたからそうしただけの話だ。
「……恥ずかしくないの? やっぱり変態だね……」
 ロトがこれ以上ないくらい冷め切った表情と声で断定した。
「あああああもっとその目で見下してええええええ!」
 身もだえしながら裸体を誇示するランネル。
 悦びの中にいる! という感じだ。
 その時だった。
「Shit!! これは破廉恥極まりないデース!」
 それまで六角棍を潰さんばかりに握って体を震わせていたクロードが、ついにキレた。
「捕獲とか何とか考えてましたガ……そんなヤワな対応はヌルいデス!」
 そして全裸のランネルに六角棍を振り下ろす。
「ああっ!」
「その性根を物理的に叩き直してあげマス! Don’t worry,半殺しで済むように努力しマス!!」
「OK! 殴って下さい」
 ランネルは避けもしないばかりか、ひざまづいて殴られる準備をした。
「暴れるな、この野郎っ!」
 そんなランネルを緑朗太の腕が押さえつけた。
 暴れていない。暴れているのはクロードである。
「今だ! 俺のことはかまうな! 俺ごと蹴ったり、殴ったり、縛ったり、詰ったりするんだ! さぁ!!」
 とてもキラキラした瞳でクロードを見る。
「……えっと……」
 ロトが冷めた目で見た。対象が二人になっていた。
 怒り心頭のクロードは、構わずに緑朗太ごとランネルをボコボコにしてしまうのだった。

●めぐり会い
(少年……)
(ランネルさん……)
(同じものを見ているんだな、私達は……)
(すごく満ち足りてる……あらゆるものから解き放たれた気分だ!)
(君の心が手に取るようにわかる。
 人はこうやって分かり合えるものなのだな……)
(ああ……ランネルさんを通して宇宙の心が見える……)
(私も君を通して見える……すべては繋がっているんだ……)



 恍惚とした表情で地面に転がる二人の男がいた。
 ランネル・メッテルニヒと辻 緑朗太だった。
「Ah……ワタシとしたことガ、ちょっと熱くなりすぎマシタ……」
 二人をこんなにした加害者であるクロードはその惨状を見て表情に暗い影を落とした。
「暴力に頼るようでは、一流とは言えぬのう」
 紅薔薇が諭した。何の一流なのか。
 ともかくクロードは反省の意を示した。
「武人たるもの、いつでも冷静沈着でなければダメですネー……精進デス!」

「どんな夢を見ているのやら……」
「考えたくもないけどね……」
 ヘザーがランネルと緑朗太を見て言った。にやけたまま微動だにしない二人を見たロトは、思考を放棄した。
 興味のないことでも依頼ならやらなければならないのが、ハンターのつらいところだとも言えた。
「なんだろう、この脱力感……」
 フィーサはひとりごちた。その通り、依頼を達成したと言うのに感じたのは達成感ではなく脱力感だった。
 何しろ大きな視点で見れば、この辺境での戦いは大詰め。この後には聖地奪還が控えている。
 しかもここはハイルタイのような、災厄の十三魔の一人が現れてもおかしくない戦場である。
 そんな時に、こんな所で……自分達は何をやっているんだろうか。

 全部変態のせいだ。

「……帰りましょうか? 浸るような感傷もないですし」
 コーネリアが、なんでもないことのように言った。
「そだね」
 フィーサはうなづいた。
 馬鹿をやっている時間は終わりだ。
 これからは、シリアスにならざるを得ない未来が待ち構えている。

 だがその前に、全裸のランネルをどうここから退かすのかを考えなくてはならかった。

依頼結果

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MVP一覧

  • 苦痛をも平らげる
    辻 緑朗太ka4745
  • 不破の剣聖
    紅薔薇ka4766

重体一覧

参加者一覧


  • ロト(ka0323
    エルフ|13才|男性|魔術師
  • 戦場に咲く白い花
    コーネリア・デュラン(ka0504
    エルフ|16才|女性|疾影士
  • 雪下の向日葵
    フィーサ(ka4602
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 双棍の士
    葉桐 舞矢(ka4741
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 苦痛をも平らげる
    辻 緑朗太(ka4745
    人間(蒼)|17才|男性|舞刀士
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/04/25 11:47:57
アイコン 相談卓
紅薔薇(ka4766
人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|舞刀士(ソードダンサー)
最終発言
2015/04/28 17:42:50