幸せの花渡し

マスター:DoLLer

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2015/05/06 09:00
完成日
2015/05/14 03:19

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「幸せが訪れますように。ハイ、プレゼントです!」
 エルフハイムにほど近い小さな町。ミネアはピースホライズンで仕入れた食品を卸すついでに、スズランの花をお客に手渡していた。
 スズランを渡して幸せを分かち合う日。リアルブルーの伝統の一つ『ミュゲの日』というらしい。
 もらったお客は目を丸くしていたが、花を手渡されて邪険な顔をする人など一人もいない。ましてや自分の幸せのために、というなら猶更のこと。皆、突然のプレゼントに幸せそうな顔をしていた。
「他の人の幸せを祈って、花を手渡しているよ。あの娘!」
「すごいね、すごいね」
 二人の娘が物陰で囁き合っていた。長い髪からピンと伸びるその耳はエルフのものだ。胸の高鳴りを示すように服を軽くつつき合う二人の動作はとてもよく似ていた。
 顔もそっくりだ。身長や体型も。アーモンドみたいな瞳もやや尖り気味の鼻筋も、薄い唇も。片側だけ編んだ髪が左右であるかと、その髪をくくるリボンの色でしか本当に区別がつかないほど。
「ねえねえ、サイア。私達にもくれるかな?」
「どうだろうね。ミーファ。あの娘、人間だから」
 双子のエルフはエルフハイムからそれほど足を踏み出したことが無かった。出たとしても、こうやって人間の町を観察して楽しむのが関の山だった。
 というのも人間は短命故に刹那的に生きようとして傍若無人。先のことなど何も考えていない、と二人は聞いていた。故にエルフとはあまり仲良くない、と知らされていたから。
 だけど見る限り、あの商人の娘はそんなに悪いようには見えなかった。誰にでも同じように笑顔で接しているし、何より花が好きな人に悪い人はいない。
 話しかけてみたい。でも勇気がなかった。二人はどうしようかとつつき合う。
「こんにちは」
 声をかけてきたのは商人の娘ミネアの方だった。互いにつつき合うことに必死になっていた二人はミネアが近づいてくるのも気づかなかった。
「あ、あの……」
「そ、その……」
 たじろぐ二人にミネアはスズランをすっと差し出した。鈴型の小さな花が小さく揺れて誘っているようだ。
「スズランはね、幸せを意味するんですよ。ほら、幸せをプレゼントするって滅多にない機会じゃないですか。あたしは、みんなが幸せになってくれたら嬉しいな。もちろん、あなた達二人にも」
 二人のエルフはぽやんとした顔のまま、スズランを受け取った。
 ミネアの笑顔に懐疑的な心が解けていくと同時に、胸が温かくなるのを感じていた。
 なんだろう、この気持ち。幸せってこういうことなのかな。

 それをきっかけにサイアとミーファ、二人のエルフはミネアに色々と尋ね始めた。人間の事、仕事の事。それからミュゲの日の事。
 ミネアは食品商として帝国周辺部を移動するお仕事をしているらしい。そのついででスズランを渡していたのだそうだが、もうスズランも全部渡してしまったので、もうミネアのミュゲの日は終わりらしい。
 だが、スズランを渡された二人の興奮は冷めやらない。
「もしスズラン持ってきたら、一緒に配ってもらえますか」
 そう尋ねると、ミネアは笑顔で承諾してくれたので、サイアとミーファは親しい友人に声をかけ、近くの谷間に群生するスズランをたくさん集めたのであった。


「たくさん渡せるよういっぱい集めたの!」
「色んな人にこの幸せ分けてあげたいの!」
 サイアとミーファ、そして彼女の友人達が揃ってやりきった清々しい笑顔に、ミネアはしばらく言葉を失った。
 確かに集めたら一緒に配ろうね。そんな約束はした。昨日の事なんだから忘れるはずもない。
 が、まさか荷馬車からスズランが溢れるほど積まれることになろうとは想像もしなかった。幌の中はもう人間が入る隙もなく押し詰められ、台車に吊りかける桶だの小樽もスズランが揺れていた。
 馬のタテガミにもスズランが差し込まれて、もはや違う生き物に変身しているほどだった。
「ねっねっ。たくさんの人のいるところに行きたい!」
「ピースホライズンに戻るしか……ないよね」
 今いるのはミネアとエルフの少女達あわせて5人。とてもこんな人数じゃ配りきれない。付き添いで来てくれる人が後から来るという話ではあるが、それでもまだ人では足りない。協力してくれる人探さなきゃ。
 そんな悩みがちらりと浮かんだものの、みんなでミュゲの日を祝える。そう思うと俄然やる気がわいてきた。
 ミネアの気持ちは二人に伝わったのだ。それが友人を巻き込んだ。
 更にそれが新しい絆と幸せにつながるなら。
「みんなに幸せが訪れますよう……やろっか!」
 ミネアの明るい声に、少女エルフ達も飛び跳ねて賛成してくれたのであった。

リプレイ本文


「幸せが訪れますように」
「幸せが分かち合えますように」
 双子のエルフはぎこちない顔で森から来た面々と一緒にピースホライズンの広場で一生懸命にスズランを渡していた。初めての街。聞いたこともない喧騒の波。眩しいくらいの陽光を照り返す白い壁。
 人だけではなくエルフだって普通に走り回ってもいる姿が見える。自由な。活気に満ちた街。
「へえ、あれエルフたちが一晩でかき集めたんだって。すげぇもんだな。しっかしあの人数じゃさばききれねぇだろ」
 双子エルフの横で口上を立てるミネアの言葉を遠巻きに聞き、ジャック・J・グリーヴ(ka1305)は兄のアルバート・P・グリーヴ(ka1310)にそう声をかけた。
「素敵な風習ね。他人の幸せを祈る……私も可愛い弟の幸せを祈っているのだけれど」
 アルバートの呟きにジャックは冗談だろ? という顔をしたが、アルバートはいたって「どうかしたの?」と普通の顔である。
「せっかくだからお手伝いさせてもらえばどうかしら? 良いお相手が見つかるかも」
「よ、余計なお世話だ! ……ま、まぁあれだ。妹に渡すとかは、いいと思うけどな。しゃあねぇ、他人の幸せを祈ってやるとするか」
 ジャックはぶちぶちと言いつつ、勇気を出して歩み出した。前回の合コンで経験値積んだんだ。こわかねぇ!
 軽く会話をしはじめた青年のおかげで少しプレッシャーは減ってるはずだ。
「あ、ミネアさん! お久しぶりです」
「ミネア、また面白そうな事してる」
 ジャックが歩み寄る前に、エステル・クレティエ(ka3783)とナツキ(ka2481)がぱたたっと走り寄って来た。
「エステルさん、ナツキさん!」
 知己の二人と出会えて飛び上がらんばかりに喜ぶミネアは、今ミュゲの日でスズランを配っていることを説明した。
「シャーリーンも来てる。七夜も来てる。声かけるといい」
 七夜・真夕(ka3977)とエステルは料理勉強に、シャーリーン・クリオール(ka0184)と一緒に飴細工を作って配る予定だったらしい。ほら、あそこ。とナツキが指し示すと、確かに飴細工を箱に入れて運ぶ二人の姿が見えた。
「にしてもいっぱいね。バレンタインといい……ミネアさんはいっぱいを呼ぶんですね!」
 くすす。と笑うエステルに、ミネアは「気分的にもいっぱいいっぱいだけどね」と苦笑いした。そうこうしている内に、シャーリーンや七夜、そして他にもネコミミ娘などが合流する。
「久しぶりだね。ミュゲの日のイベントかい?」
「こうして出会ったのも、きっと意味あることだと思います。是非ぜひ手伝わせてください」
「やったぁ! それじゃあね……」
 皆の申し出を飛び上がって喜び、早速花籠を渡すミネア。
 それを見ていたジャックの脚は完全に震えていた。
「増えちまった……」
 下手に近づいたら囲まれるんじゃねぇか?
 10人以上の女の笑顔が視界に埋まる光景。無理無理無理、絶対無理。
「こ、ここは兄貴の威厳を見せてもうとするか!!」
 その言葉にアルバートは深いふかーい嘆息を吐いたのであった。


「それでね、大蛇によって傷を負った勇者のために、精霊はあの花を咲かせて癒したんだって!」
 Uisca Amhran(ka0754)は読書家からの知識をきっかけに調べ上げたリアルブルーの伝承を瀬織 怜皇(ka0684)に披露していた。憧れの大地リアルブルーの伝承もどことなく巫女として暮らしていた森と近しく感じる。その一端に触れていると思うとUiscaはもう胸が躍るばかり。
「そうですか、スズランには不思議な逸話もあるんです、ね。イスカはよく調べましたね」
 怜皇は楽しそうに語るUiscaの顔を穏やかに見つつ、ゆっくりとした呼吸で相槌を打つ。
「レオもね、戦いに出るから。怪我してもすぐ癒えるように……スズランで押し花の栞を作ったの。巫女の私が祈りを込めたから効果抜群だよ~」
「イスカの手作りとあらば効果抜群、ですね」
 栞をしばし愛おしそうに見つめた後、ではこちらからも。と、怜皇はターコイズの緒止めが付いた小さな袋を渡した。Uiscaの手に渡るとすぐに爽やかで微かに甘い香りが鼻腔に届く。
「匂い袋です。勝利はいつもそこにあり。という意味が込められていますよ。イスカにぴったりでしょう?」
 Uiscaはとても嬉しそうな顔をしていた。祈りが形になれば怖いものなんてなにもない。守り守られる。これも幸せの形かもしれない。

「確かに、祈りだけでは守れない……」
 Uiscaと怜皇のやりとりをちらりと耳にしてリリティア・オルベール(ka3054)は少し黙りこくった。幻影のように戦の風が目の前をよぎっていく。
「大丈夫か?」
「あ、いえ、少し、考え事していました」
 鹿島 雲雀(ka3706)に顔を覗き込まれ、リリティアは困ったような笑みを浮かべた。戦の続く日々は充実しているが、少しずつ自分の大切な何かを蝕んでいるような気がした。そんな思いを瞳の奥から感じても雲雀は屈託のない笑みを浮かべるばかりであった。
「そっか。あ、これ、さっき向こうでもらったスズランなんだけどさ。そのままってのも芸がないし、こういうのが似合うと思ってな」
 雲雀はそう言うと、リリティアの頭にスズランをあしらった髪飾りを結わえた髪の一房に挿した。
「わぁ、ありがとうございます!」
 リリティアは破顔して髪飾りを指でなぞる。失われたものが満たされるのを心で感じながら。ああ、そういえばスズランは幸福が帰ってくる、という意味もあったかと思い出した。
「それでは私の方からも……悪いものから守り、幸せを掴みとれるように。色気がないかもしれませんが……」
 それは一振りの刀だった。雲雀はしばらくびっくりしていたが、でも照れ交じりの一番の笑顔で返してくれた。
「こっちの方が性に合ってるね。なんか負ける気もしねぇ!」
 ミュゲの日は幸せを願う日。貴方を願う気持ちはどんな形だって悪くはない。


♪ 幸せの白い鈴 私の胸に あなたの手に 鳴らして 香る祈りと共に♪
 白のワンピースに緑のリボンとサッシュベルト。スズランの色に合わせた衣装のエステルが横笛を鳴らしつつ、七夜が歌を挟みながら、スズランをアピールする。人形使いの娘も合わせて賑やかさは誰もを惹きつける。
「お花、こっちにお願いー!」
「はいはーい、ちょっと待ってて」
 可憐な少女たちがスズランをモノクルの青年に配る。それもなんだか初々しく顔を紅潮させながらの笑顔をつけてくれるのだとしたら、気の向いた人間は老若男女誰だって一つは貰おうという気にもなる。おかげでサポートに徹しているミネアは大忙しだった。馬車に溢れるほど積んでいたスズランをひっぱり出すために馬車に潜り込んではスズランを桶ごとひっぱり出すの繰り返しだが、小さな身体のミネアは結構手間がかかる。
「いやはや、息災の様だね」
 そんな桶をするりと移動させたのはエアルドフリス(ka1856)だった。横にはジュード・エアハート(ka0410)も一緒だ。
「俺達も手伝うよ。ね、エアさん」
「ああ、こんな時勢だからこそ必要な試みだと思うね」
 横にいる互いに送る視線が絡み合う。
 ……ミネアは視線をしゅばっと逸らした。そこに原因となった青年がいたので、続けざまに180度首を反転させた。なんて狭い世界だ。
「あ、ありがとうございます。とりあえず、花を下ろすのと渡すお手伝いを……」
「どうしたの?」
「何かあったの?」
 あからさまに様子の可笑しいミネアに花を配っていたミーファとサイアが首を傾げて尋ねた。
「なんでもない!」
「おかしなミネアさんだよねー」
 ジュードはエアルドフリスに微笑みを浮かべて同意を求め、彼も応えた。その間を結ぶ手は絡み合い……免疫のなかったミーファは思わず赤面して悲鳴を上げた。
「ミーファ!? ミーファ!? どうしたの!?」
 サイアが慌てて介護するが夢うつつといった顔のまま動かない。
 重症だ。とりあえずミーファはしばらく静養することに相成った。しかし、行列ができるほどの人気ぶり。
「なんか大変そうですねぃ」
「摘みすぎじゃねーかと思わなくもないが、ちょっと手伝ってやるとしますかい」
 鬼百合(ka3667)が鼻血を吹くエルフをぼんやり見ているのを春咲=桜蓮・紫苑(ka3668)がぽんと背中を叩いた。困っている時は誰でも助けてやるもんでさ。と。そうとなれば鬼百合もさっそくの花配りの参加だ。
「でも、花貰うだけで幸せになんかなれるんですかねぃ……」
 花なら毎日贈ってたよ。それしかできることしかなかったんだから。でも、母は……。鬼百合はスズランの束を手にぼんやりと考えていた。
「ほら、何やってんですかい。ぼーっとしてるヒマはありやせんぜ?」
 鬼百合の花籠にどっさりとスズランを入れた紫苑にそう言われて、ふと我に返ると目の前に少女がいた。幸せをもらえると聞いて、期待に胸を弾ませている。自分の暗い気持ちを押し込めて鬼百合はにまっと笑顔を浮かべた。
「今日が良い日にいるといーですねぃ!」
「ありがとー!!!」
 満面の笑みに花が咲く。
「わたしからも、どーぞ!」
 ……なんかいい日じゃねぇですかい。
 鬼とさげすまれた日が霞む。少女も慣れない手つきで屈んだ鬼百合の帽子に付けられたスズランが揺れる様子を感じながら、ちらりと真横にいる紫苑を見た。
 しおんねーさんも喜ぶかな?

「へぇ、スズランを贈るイベントか」
 何気なしに足を運んでいた浪風 白露(ka1025)は貰ったスズランをクルクル回しながら周りを見つめていた。確かにあちらこちらで幸せを祈ってスズランを渡しあっている。
 あ、これならちょっといつも思っている気持ち伝えられるかもな。と白露は真横を歩く鬼塚 雷蔵(ka3963)を見た。
「な、なんかケにあてられるわけじゃ、ねーけどな」
「なんか言ったか?」
「なんでもねぇよ! ちょっと思い出したことあったから、ちょっと待ってな」
 白露はあくまに自然に一歩二歩と距離を取る。
「そっか? 迷子になるなよ」
「ガキじゃねぇ! ったく」
 スズラン贈るだけじゃ、そこらと変わりねぇからな。少し変化つけてやらないと。えと、えと。
 花屋に飛び込む様子を雷蔵はしっかり見ながら、しばしぼーっとしていたが、ふと思い出したように、黒い肌の青年からブーケにまとめられたスズランをもらった。
「これを元にしてやってみるか」
 花屋の奥であちこちに視線を送り、店員に話しかけられてテンパる白露を見て、まだまだかかりそうなことを確信した雷蔵はベンチに腰掛け、ブーケをさっと解いた。


「休憩いたしませんか?」
 朝日と共に始めたスズラン配りも、気が付けば太陽は天中へと達していた。まだ配っていないスズランに水をあげたりしていたシバ・ミラージュ (ka2094)はサンドイッチを取り出して、スズラン配りの面々に披露した。
「ちょうど良かった。メッセージカードもキャンディも底を尽きかけていたんです」
 スズランにメッセージカードを差し込んでいたセツァルリヒト (ka3807)も鞄を置いてはぁっと一息ついた。街道から入る人も、また出ていく人も皆お昼休憩を挟むためか、人通りは少なくなっていたので、思い切って全員で休憩をとることにした。
「美味しい~。けっこう具だくさん。シバさん、すっごい美味しいですよ!」
 ミネアはリスのように頬をパンパンに膨らませながら、サンドイッチを頬張り、メイドに差し出された飲み物でぐいっと飲み下した。
「あ、あの、ミネアさん……」
 そんなミネアの裾を引っ張るエステルが顔を赤くして、いちゃつく二人を指さした。
「お茶飲む? あー、エアさん。けっこう汗かいちゃってるよ。はい、タオル」
「ああ、すまんね。花を下ろしているだけだったんだがな。草花の間は意外と蒸れる……」
 見ただけで当てられそうな何かを感じるジュードとエアルドフリス。エステルもたまらずミネアに助けを求めたのだ。復活しかけたミーファがまた身体をよじらせている。
「見ちゃダメ。そして聞いてもダメ! 人の恋路を邪魔する奴は。ってやつだから」
 ミネアに口元に指を立てられエステルははぁ、と黙り込んだ。そういえば冒険者の都リゼリオで働いていたというミネアは意外とスルー力が高いらしい。
 そう。なんでも仕事と思えばスルーできる。スルーできる。と思っていたミネアだが目の前の謎の生物に固まった。
「ピースホライズンではスズランの日をお祝いするのに、こういう試みもされるんですね」
 フレイア(ka4777)は小首を傾げて謎の生物を見て微笑んだ。そう、それはスズランだった。スズランの塊がもさもさ動いている。顔のあたりだけは遠慮しているのかスズランがついておらず、かろうじて原形が野良猫だということは判別できたが。
「みんな幸せ。幸せみんなに」
 そう言ったのはナツキだった。貧民街を歩いていた少年もナツキの手にかかればボロボロの毛布がスズランで埋まり、五月人形みたいになっている。
「ど、どんだけ……」
「向こうの方の子供たち、お金ないって言ってる。だからスズラン貰えないって思ってる。みんなで渡しに行きたい」
 ナツキの言葉に、目を見やったシャーリーンはふむ、と頷いた。あちらは確か貧民街だ。ピースホライズンのような祭りばかりの街では光が強い分、どうしても闇だって存在する。そこに住んでいる人間はきっとこちらに顔すら出すことを許されていないのかもしれない。
「飴細工もまだ十分ある、幸せに貴賤もなければ貧富もない」
 シャーリーンが立ち上がるのを見上げるエルフの少女たち。行きたいけれど行っていいものか。少し迷うのをフレイアが優しく手を差し伸べた。
「あちらに危険はないとは限りませんね、ですがエルフハイムにはない楽しみもきっとあると思いますよ。行ってみますか?」
「「是非!」」
 サイアとミーファの声が揃った。
「あ、私も……」
 セツァルリヒトも肩掛け鞄を背負って立ち上がるが、どうにもカバンが軽いことに眉をへの字に曲げた。貧民街ならお腹を空かした子も多いだろう。キャンディでもと思ったが、ほとんど渡してしまって手元も残り少ない。
「キャンディはご入り用? ご用命なら『極楽鳥』へどうぞ! 俺、お店やってんだ」
 キャンディを見つめるセツァルリヒトにそう声をかけたのはジュードであった。そしてカバンの中に虹の輝きのごときキャンディを流し込んでいく。
 OK? とウィンクするジュードに、セツァルリヒトはこれなら大丈夫です! と元気に答えた。


「くくく……果たし合いとはいい度胸してんじゃねえか」
「ふふふ、驚かせてしまったようですね。サプライズも時には必要かと思いまして」
 全身を震わせるロロ・R・ロベリア(ka3858)の目の前で、ディードリヒ・D・ディエルマン(ka3850)は右手にもっていた特大のチョコシフォンケーキにかぶせた蓋を取って見せた。豪華なケーキ。爽やかな香りが、暗い通りに広がる。
「誰が食うかっ! 甘ったるい殺気が見え見えなんだよ!!」
 ディートリヒの招待状に入っていたフォークをぶん投げた。それは確実にディートリヒの喉へ……あたろうとしたが、すいっと前に出されたシフォンケーキが盾になり音もなく沈み込む。
「おや、美味しいケーキを前に待ちきれませんでしたか?」
「誰が食うか!!」
 ロロはそのまま踏み込み握り拳にこめた土付きの新鮮スズランをお見舞いする。フォークの攻撃をカバーした直後に来た強襲の踏み込みにディートリヒもさすがにさばききれず、持っていたケーキを取り落としてしまった。だがそれでも身体を軽く捻ってロロの攻撃をいなす。
「怒った顔も愛らしい。照れた顔も見てみたいですよ。喜びの顔も、絶望の顔も、それから死に顔も、ね?」
 すれ違いざまにディートリヒはロロの耳元でそっと囁き、胸のポケットに入れておいたスズランの髪飾りをロロの頭長に差し込んだ。
「っこのド変態! 死ね!! 素直にぶっ殺されろ!!!」
 がばぁっと体勢を立て直したロロの視界にはもうディートリヒはいなかった。
 残っているのは、頭のてっぺんで揺れるスズランの髪飾りと、地面に散らばったケーキ。そしてケーキを漁りに来る少年。
「次は間違いなく、殺ってやる……」
「ほら、いい演し物だったでしょう?」
 フレイアが双子のエルフに解説するように言った。おお、そうか。これは見世物だったのかとビクビクしながら見ていた双子もこれで一安心して手を叩く。
「誰が見世物だ!」
 とかロロは怒っていたが、女装姿の人に連行されいく。と、その時ケーキを漁っていた少年が小さく呻くとぶっ倒れた。
「医者はいないの!?」
 七夜が慌てて犬の元に走りよる。哀れ、ディートリヒのスズラン(しかも毒性が一番強い根っこ)入りケーキを食べた少年は痙攣していた。七夜では残念ながらどうしようもない。
「水を大量に飲ませるといい。スズランも調整すれば薬として使われる。摂取量もそれほどでもないし希釈すれば間に合うかもしれん」
 パイプを加えながらエアルドフリスは犬の顔をじ、と見つめてそう言った。さすがは薬士。帽子の少年もこくりと頷く。
 そしてエアルドフリスは手近にある水を……水を……水はドコダ。つい居候先の部屋にいたつもりになっていたが、ここは外だ。助手も大慌てしているくらいだから、エアルドフリスが見つけられるはずもない。
「はいっ!! お水です」
 そんな時に役に立つのは裏方専門で活動していたシバだ。すぐさま水を飲ませた。そんな甲斐あり少年もなんとか落ち着きを取り戻した。まだ目をクルクル回している少年の元で紅薔薇(ka4766)はそっと膝を折った。
「大丈夫だったかの?」
「えへへ、僕、食いしん坊で……ごめんなさい。食べ物はいつも取り合いなのです」
 ロロの激闘のすぐ後に隙を見て食いつくぐらいなのだから、筋金入りなのは確かかもしれない。横にいたお姉さんも呆れる。が、危険を恐れず突っ込む姿や、こうして素直に詫びる姿勢を見て紅薔薇はふむ。と頷いた。遠いエトファリカの実家の面々に比べれば馬鹿でもまだこちらの方が愛らしいと思える。
「代わりにこれを差し上げるのじゃ。大きな幸せは、小さな子供にこそ与えられるべきじゃとな。ああ、またひっくり返るから食べるのは厳禁じゃぞ? そこのエルフ達が夜を徹して皆の幸せを祈るために摘んできてくれたそうじゃ。食べたらなくなるが、これは見て香りを楽しむものじゃ。これなら幾人で楽しんでも減りはせんぞ?」
 紅薔薇はそういうと、スズランで作ったブーケを少年に渡した。
「お腹を満たす幸せも用意してますからねっ。みんなで分け合って食べてください」
 その横に並んでセツァルリヒトがキャンディとメッセージカードを差し出した。
 少年はもう瞳に星々を瞬かせるくらいに喜んだ。
「ありがとうっ!! みんなー、お姉さんたちがご飯くれるってー!!」
 と少年が路地裏に向かって声をかけた。すると来る来る。野良犬、野良猫が山のように。
「わ、ちょっ!!!」
「す、スズランは食べるものではないのじゃ~!!!」
「だぁぁぁ、うっとおしい! じゃれるんじゃねぇ!」
 大混乱する中を収めるのはシャーリーンの役目。カートに入れた飴細工で釣って、うまく誘導していく。辺境の女性もあせわって盛大なミュゲの日がここでも開かれた。
「良かった……」
 何はともあれ元気になった少年の顔を見てほっとする七夜の横にはい、とスズランを一輪差し出したのは水城もなか(ka3532)だった。
「お疲れ様。ふぅ良かった。あの子が食べてなければあたしが食べてたかもだったから助かっちゃった」
「お、落ちたの食べたらダメですよ!!」
 水城の爆弾発言に七夜は戸惑った。だが、その仕草を確認して水城はまたにっこり笑った。何気ない普通の仕草の中に懐かしい風情が感じられるのは水城の観察力によるものか。
「七夜さんってリアルブルー出身ね? 仕草でわかっちゃった。このスズランにはね『再び元の世界に戻れますように』って祈りを込めたのよ」
「そうなの? ……ありがとう。あ、リアルブルー出身の人ならね、シャーリーンさんもそうなの」
 点景となったリアルブルーの世界の香りがふとしたような気がして七夜は嬉しくなった。確かに見回せばここには高校の制服を来た女性もいる。
 スズランが繋ぐ異世界の縁。
「なんだか懐かしい話が聞こえますね」
 近くで活動していたシバもリアルブルー出身。縁は広がり、縁は深まる。


 そんな思いをしていたのは広場に残っていた人の中にもあった。
「ほら、出来上がりだ」
 持ってきてもらった野草を組み合わせながら薬師神 流(ka3856)はできあがったスズランの冠をミィリア(ka2689)に渡した。スズランの茎を丁寧に編み込んだそれは茎の巻き方も丁寧でそれで一つの造形品であった。渡されたミィリアはそれをスズランを貰いに来た人に次々と渡していくが、なんだか既製品だとか、ミィリアが作っているのとか思われるとどうしても気持ちがモヤモヤとしてくる。
「あのね、あのね。これは向こうのコワモテ~なお兄さんが作ってくれたんだよ! 案外、可愛いところあるでしょ?」
「えええー」
 色んなところから驚きと、少々残念な声が上がる。
 何それ! 思わずミィリアは口を尖らせたが、薬師神は花環を作る手を止めずにそれでいいんだと言った。
「それでいいんだ。器用さには一家言あるがこの面構えだ。君が渡してくれた方が色んな人に喜んでくれるというものだ」
「だぁってぇ、ミィリアは流の頑張りをもって知ってほしいでござる! 勿体ないっていうか……なんかその」
 淋し、と言いかけたところで、薬師神はミィリアの頭に花冠を載せた。
「スズランは君影草という別名があるが、君は日向に咲く桜花だな。君の影でただ静かにあるのは……俺の想いだ」
「うへへへ、スズランって本当に幸せを運んでくれるんだね」
 うへへって。笑顔がどうにも止まらない様子のミィリアを見て薬師神がぽふっと頭を撫でようとしたが、その手を伝うようにミィリアは胸元に飛び込みぎゅっとブローチを押し付けた。先ほどハンターが装飾系の露店で見つけたのを知ってミィリアもこっそり手に入れておいたのだ。
「ブルーとこっち。出会わなかったはずの二人をつないでくれた奇跡に感謝をこめて!」

「くぅぅ、かっこいいこと言いやがって」
 ジャックは薬師神とミィリアの様子を見てむぐぐ、と唇を噛んだ。俺様だってその気になりゃア……
「じゃ頑張りなさいよ。折角作った花冠、渡さないで持ち帰るなんてしちゃダメよ」
 その心の裡を見透かすようにしてスズランを胸に挿すアルバートが言い、戻って来たエルフの少女たちに向かうよう背を叩いた。そんなアルバートからはふわりとスズランを始めとした花の香が漂う。何人かと一緒に作り上げたポプリの香りだ。ジャックは一歩、また一歩と近づく。女の子のきゃいきゃいという黄色い声が大きくなるにつれ、ジャックの中ではブルーな気持ちが広がっていく。
「だ、ダメだ。兄貴……やっぱ」
 振り返ったジャックの目の前にナツキがいた。スズランを持って目をしっかり合わせ。
「この街のみんな幸せになるといいと思う。……おまえも」
 プレゼント、らしい。
 突然現れた女にジャックは悲鳴をあげて、大きく後ろに跳び下がった。
「うわぁぁぁぁ!?」
「どうしたんですか?」
「何かあったんですか?」
 混乱するジャックを両方から双子のエルフが覗き込んだ。そう、飛び下がりすぎて黄色い声の輪の中に飛び込んでしまったのだ。ナツキを呼んだアルバートはしてやったりの顔。ジャックはすっかり大人しくなり視線を目いっぱい空に向けながら、なんとなくの方向でエルフ達に向かって花冠を突き出した。
「ほ、ほらよ。あんま出来は良くねぇが俺様特製だ。喜んどけや」
「ええっ、わ、私達に?」
「ほほ、ほ、本当に!?」
 ハンターの、しかも高貴な男性からのプレゼントというのはまた違った衝撃があったようだ。少女たちは互いに顔を見合わせきゃーっと声を上げた。
「ありがとうっ」
 感きわまるのはエルフ娘や彼女たちの同胞だけでなく後ろにいたアルバートも同じ。作っていたモイストポプリをエルフ達に手渡し、喜びを祝う。
「花の香りは記憶を呼び覚ます。香が立つたびにこの幸せ思い出せるといいわね」
「ありがとうございますっ。はい、この想い出、絶対に忘れません!!」
 主催者を代表してミネアが元気よくお礼をした。

「ま、待たせたな!」
 白露はようやく戻ってきて、雷蔵の前に立った。もう向こうではエルフの娘たちによる花配りも終わったらしく、身内同士で花を受け渡ししたりしている。
 そこまで色々悩んで白露は赤いスイートピーの花を添えたスズランの花をぐいっと差し出した。言葉がさっぱり思いつかない。というかなんだこのシチュエーション! とか頭の中で悲鳴が渦巻いていたが、どうしようもないものはどうしようもない。
 雷蔵はしばし無表情に白露の顔と花束とを交互に見た。
「あ、ぁの……だから、やる、やるって!」
「ありがとう」
 ぶしゅううう。と蒸気が上り詰める白露の手から花束を雷蔵は受け取った。
 なんだよ、なんか反応しろよ。半日かけて選んだんだからさ。そう思わなくもないが、声にも出せないし、雷蔵の顔すら見れない。
 と頭にふわっとした感触があった。
「これは俺から」
 恐る恐る白露が手に触れて、それがスズランの花冠であることがわかると、一気に緊張が噴き出し、たまらず脱兎のごとく走り出した。
 が、がくん。っと勢いが止まる。急ブレーキをかけられたのはその腕を掴まれたから。
「これだけじゃ悪いからな。今度手作りスイーツ、作ってやる」
 ひ、人が見てる前でそんなこと言うなぁぁぁぁぁぁ!!!!
 白露の頭の時間はしばし停止した。

 それを見ていたのは鬼百合はむぅ、と自分の手にしていたスズランを見つめ、そして片付け作業に入る紫苑をちらりと見た。
 花冠を作れるほど器用でもないし、そんな余裕もなかった。
 良さそうなスズランは取り置いておいたんですがねぃ。渡し方考えてなかったですや……。
「くっく、お前さん以上に似合うヤツも早々ねー花ですよ」
 俯く鬼百合の帽子にぷすり、と音がした。気が付けば紫苑が笑ってスズランを差し込んでいた。どこに置いていたのか、良い花ばかり。彼女も精一杯だったのだろう。特に加工もしていないが、その笑顔で贈ってくれるのが一番だった。
「へっ、男に花は似合わねぇですぜ」
 つい悪態をついて頬を膨らませるも、心は温かくてたまらなかった。自然と手にした一輪を紫苑がしたように彼女の頭に挿そうとする。ちょっと背伸びするが……プルプル腕が震える。
 それに気づいた紫苑はゆるやかにほほ笑むと、しゃがみこみ膝に手を付けて待った。
「へへへ」
「へへー」
 二人が同時に微笑んだ。気持ちはきっと同じ。

「なんか目のやり場に困るね」
 あちらでも少女が花束を贈ったり、また首飾りを贈ったり。そんな光景がちらほらと目につき、ミネアはサイアにそう言って苦笑した。
 みんなからの感謝で花冠をいただいたりしてまるで花の妖精のように飾られた皆は胸が熱くて仕方なかった。本当に嬉しいってこういうことなのかもしれない。互いの幸福をみんなが祈って、それぞれに形にしてくれた。そのお手伝いができたのだから本望といっても過言ではない。フレイアに色んな露店も案内してくれた。
 エルフハイムでは絶対にこんな経験はできなかった。こんな世界は見ることできなかった。
 森は優しく包む。悲しみも喜びも全部。静かで、平穏で、心の起伏の少ない世界。そう、そして。
「エアさん、これは俺から……エアさんの幸せは俺の幸せだもん……一緒に幸せになろ?」
 ジュードはエアルドフリスにブーケを渡してそう言った。
 色んな思いがある。だけど自分の事はさておき、こうして気持ちを伝えられる場だからこそ言えることもある。
 ミーネとサイアは夕影に染まる二人を見て思わず顔を横に向けたが。
「君影にかけて滲み出る願い、沁み入る想い、……ああっ、これが人の熱情なのね」
 熱に浮いたようなミーファは意味不明なため息を一つ吐いてぶっ倒れた。衝撃で折角いただいたアルバートの作ったモイストポプリが香りと共に空に舞う。
 焦ったり、笑ったり。夜が来るまで皆の賑やかさは静まらなかった。

 今日という日を忘れない。
 記憶が薄れても風が花の香りを運ぶたびに皆思い出す。
 あなたがくれた幸せの意味を。
 ミュゲという名の幸せの時間を過ごしたことを。

依頼結果

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MVP一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハートka0410
  • 全てを見渡す翠眼
    アルバート・P・グリーヴka1310

重体一覧

参加者一覧

  • 幸せの青き羽音
    シャーリーン・クリオール(ka0184
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 聖なる焔預かりし者
    瀬織 怜皇(ka0684
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 比翼連理・その手を取って
    浪風 白露(ka1025
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 全てを見渡す翠眼
    アルバート・P・グリーヴ(ka1310
    人間(紅)|25才|男性|魔術師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師

  • シバ・ミラージュ(ka2094
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • にゃんこはともだち
    ナツキ(ka2481
    人間(紅)|17才|女性|闘狩人
  • 春霞桜花
    ミィリア(ka2689
    ドワーフ|12才|女性|闘狩人
  • The Fragarach
    リリティア・オルベール(ka3054
    人間(蒼)|19才|女性|疾影士
  • 特務偵察兵
    水城もなか(ka3532
    人間(蒼)|22才|女性|疾影士
  • 瑞鬼「白澤」
    鬼百合(ka3667
    エルフ|12才|男性|魔術師
  • 任侠姐さん
    春咲=桜蓮・紫苑(ka3668
    人間(蒼)|22才|女性|闘狩人
  • 無類の猫好き
    鹿島 雲雀(ka3706
    人間(蒼)|18才|女性|闘狩人
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 駆け出しハンター
    セツァルリヒト(ka3807
    人間(紅)|12才|男性|聖導士
  • 黒の刻威
    ディードリヒ・D・ディエルマン(ka3850
    エルフ|25才|男性|疾影士
  • 歩む道に、桜
    薬師神 流(ka3856
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人

  • ロロ・R・ロベリア(ka3858
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • いなせな
    鬼塚 雷蔵(ka3963
    人間(蒼)|20才|男性|猟撃士
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
  • 英知へ至る道標
    フレイア(ka4777
    エルフ|25才|女性|魔術師

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/05 18:48:28