ゲスト
(ka0000)
幸せの花渡し
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/06 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/15 09:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
「幸せが訪れますように。ハイ、プレゼントです!」
エルフハイムにほど近い小さな町。ミネアはピースホライズンで仕入れた食品を卸すついでに、スズランの花をお客に手渡していた。
スズランを渡して幸せを分かち合う日。リアルブルーの伝統の一つ『ミュゲの日』というらしい。
もらったお客は目を丸くしていたが、花を手渡されて邪険な顔をする人など一人もいない。ましてや自分の幸せのために、というなら猶更のこと。皆、突然のプレゼントに幸せそうな顔をしていた。
「他の人の幸せを祈って、花を手渡しているよ。あの娘!」
「すごいね、すごいね」
二人の娘が物陰で囁き合っていた。長い髪からピンと伸びるその耳はエルフのものだ。胸の高鳴りを示すように服を軽くつつき合う二人の動作はとてもよく似ていた。
顔もそっくりだ。身長や体型も。アーモンドみたいな瞳もやや尖り気味の鼻筋も、薄い唇も。片側だけ編んだ髪が左右であるかと、その髪をくくるリボンの色でしか本当に区別がつかないほど。
「ねえねえ、サイア。私達にもくれるかな?」
「どうだろうね。ミーファ。あの娘、人間だから」
双子のエルフはエルフハイムからそれほど足を踏み出したことが無かった。出たとしても、こうやって人間の町を観察して楽しむのが関の山だった。
というのも人間は短命故に刹那的に生きようとして傍若無人。先のことなど何も考えていない、と二人は聞いていた。故にエルフとはあまり仲良くない、と知らされていたから。
だけど見る限り、あの商人の娘はそんなに悪いようには見えなかった。誰にでも同じように笑顔で接しているし、何より花が好きな人に悪い人はいない。
話しかけてみたい。でも勇気がなかった。二人はどうしようかとつつき合う。
「こんにちは」
声をかけてきたのは商人の娘ミネアの方だった。互いにつつき合うことに必死になっていた二人はミネアが近づいてくるのも気づかなかった。
「あ、あの……」
「そ、その……」
たじろぐ二人にミネアはスズランをすっと差し出した。鈴型の小さな花が小さく揺れて誘っているようだ。
「スズランはね、幸せを意味するんですよ。ほら、幸せをプレゼントするって滅多にない機会じゃないですか。あたしは、みんなが幸せになってくれたら嬉しいな。もちろん、あなた達二人にも」
二人のエルフはぽやんとした顔のまま、スズランを受け取った。
ミネアの笑顔に懐疑的な心が解けていくと同時に、胸が温かくなるのを感じていた。
なんだろう、この気持ち。幸せってこういうことなのかな。
それをきっかけにサイアとミーファ、二人のエルフはミネアに色々と尋ね始めた。人間の事、仕事の事。それからミュゲの日の事。
ミネアは食品商として帝国周辺部を移動するお仕事をしているらしい。そのついででスズランを渡していたのだそうだが、もうスズランも全部渡してしまったので、もうミネアのミュゲの日は終わりらしい。
だが、スズランを渡された二人の興奮は冷めやらない。
「もしスズラン持ってきたら、一緒に配ってもらえますか」
そう尋ねると、ミネアは笑顔で承諾してくれたので、サイアとミーファは親しい友人に声をかけ、近くの谷間に群生するスズランをたくさん集めたのであった。
●
「たくさん渡せるよういっぱい集めたの!」
「色んな人にこの幸せ分けてあげたいの!」
サイアとミーファ、そして彼女の友人達が揃ってやりきった清々しい笑顔に、ミネアはしばらく言葉を失った。
確かに集めたら一緒に配ろうね。そんな約束はした。昨日の事なんだから忘れるはずもない。
が、まさか荷馬車からスズランが溢れるほど積まれることになろうとは想像もしなかった。幌の中はもう人間が入る隙もなく押し詰められ、台車に吊りかける桶だの小樽もスズランが揺れていた。
馬のタテガミにもスズランが差し込まれて、もはや違う生き物に変身しているほどだった。
「ねっねっ。たくさんの人のいるところに行きたい!」
「ピースホライズンに戻るしか……ないよね」
今いるのはミネアとエルフの少女達あわせて5人。とてもこんな人数じゃ配りきれない。付き添いで来てくれる人が後から来るという話ではあるが、それでもまだ人では足りない。協力してくれる人探さなきゃ。
そんな悩みがちらりと浮かんだものの、みんなでミュゲの日を祝える。そう思うと俄然やる気がわいてきた。
ミネアの気持ちは二人に伝わったのだ。それが友人を巻き込んだ。
更にそれが新しい絆と幸せにつながるなら。
「みんなに幸せが訪れますよう……やろっか!」
ミネアの明るい声に、少女エルフ達も飛び跳ねて賛成してくれたのであった。
「幸せが訪れますように。ハイ、プレゼントです!」
エルフハイムにほど近い小さな町。ミネアはピースホライズンで仕入れた食品を卸すついでに、スズランの花をお客に手渡していた。
スズランを渡して幸せを分かち合う日。リアルブルーの伝統の一つ『ミュゲの日』というらしい。
もらったお客は目を丸くしていたが、花を手渡されて邪険な顔をする人など一人もいない。ましてや自分の幸せのために、というなら猶更のこと。皆、突然のプレゼントに幸せそうな顔をしていた。
「他の人の幸せを祈って、花を手渡しているよ。あの娘!」
「すごいね、すごいね」
二人の娘が物陰で囁き合っていた。長い髪からピンと伸びるその耳はエルフのものだ。胸の高鳴りを示すように服を軽くつつき合う二人の動作はとてもよく似ていた。
顔もそっくりだ。身長や体型も。アーモンドみたいな瞳もやや尖り気味の鼻筋も、薄い唇も。片側だけ編んだ髪が左右であるかと、その髪をくくるリボンの色でしか本当に区別がつかないほど。
「ねえねえ、サイア。私達にもくれるかな?」
「どうだろうね。ミーファ。あの娘、人間だから」
双子のエルフはエルフハイムからそれほど足を踏み出したことが無かった。出たとしても、こうやって人間の町を観察して楽しむのが関の山だった。
というのも人間は短命故に刹那的に生きようとして傍若無人。先のことなど何も考えていない、と二人は聞いていた。故にエルフとはあまり仲良くない、と知らされていたから。
だけど見る限り、あの商人の娘はそんなに悪いようには見えなかった。誰にでも同じように笑顔で接しているし、何より花が好きな人に悪い人はいない。
話しかけてみたい。でも勇気がなかった。二人はどうしようかとつつき合う。
「こんにちは」
声をかけてきたのは商人の娘ミネアの方だった。互いにつつき合うことに必死になっていた二人はミネアが近づいてくるのも気づかなかった。
「あ、あの……」
「そ、その……」
たじろぐ二人にミネアはスズランをすっと差し出した。鈴型の小さな花が小さく揺れて誘っているようだ。
「スズランはね、幸せを意味するんですよ。ほら、幸せをプレゼントするって滅多にない機会じゃないですか。あたしは、みんなが幸せになってくれたら嬉しいな。もちろん、あなた達二人にも」
二人のエルフはぽやんとした顔のまま、スズランを受け取った。
ミネアの笑顔に懐疑的な心が解けていくと同時に、胸が温かくなるのを感じていた。
なんだろう、この気持ち。幸せってこういうことなのかな。
それをきっかけにサイアとミーファ、二人のエルフはミネアに色々と尋ね始めた。人間の事、仕事の事。それからミュゲの日の事。
ミネアは食品商として帝国周辺部を移動するお仕事をしているらしい。そのついででスズランを渡していたのだそうだが、もうスズランも全部渡してしまったので、もうミネアのミュゲの日は終わりらしい。
だが、スズランを渡された二人の興奮は冷めやらない。
「もしスズラン持ってきたら、一緒に配ってもらえますか」
そう尋ねると、ミネアは笑顔で承諾してくれたので、サイアとミーファは親しい友人に声をかけ、近くの谷間に群生するスズランをたくさん集めたのであった。
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「たくさん渡せるよういっぱい集めたの!」
「色んな人にこの幸せ分けてあげたいの!」
サイアとミーファ、そして彼女の友人達が揃ってやりきった清々しい笑顔に、ミネアはしばらく言葉を失った。
確かに集めたら一緒に配ろうね。そんな約束はした。昨日の事なんだから忘れるはずもない。
が、まさか荷馬車からスズランが溢れるほど積まれることになろうとは想像もしなかった。幌の中はもう人間が入る隙もなく押し詰められ、台車に吊りかける桶だの小樽もスズランが揺れていた。
馬のタテガミにもスズランが差し込まれて、もはや違う生き物に変身しているほどだった。
「ねっねっ。たくさんの人のいるところに行きたい!」
「ピースホライズンに戻るしか……ないよね」
今いるのはミネアとエルフの少女達あわせて5人。とてもこんな人数じゃ配りきれない。付き添いで来てくれる人が後から来るという話ではあるが、それでもまだ人では足りない。協力してくれる人探さなきゃ。
そんな悩みがちらりと浮かんだものの、みんなでミュゲの日を祝える。そう思うと俄然やる気がわいてきた。
ミネアの気持ちは二人に伝わったのだ。それが友人を巻き込んだ。
更にそれが新しい絆と幸せにつながるなら。
「みんなに幸せが訪れますよう……やろっか!」
ミネアの明るい声に、少女エルフ達も飛び跳ねて賛成してくれたのであった。
解説
●目的
皆さんの気になる人にスズランを渡してください。
スズランを渡すのはフランスの伝統「ミュゲの日」に基づいたものです。花言葉は「幸福」。色んな人と幸せを分かち合いましょう。
●場所
ピースホライズン
クリムゾンウェスト有数の歓楽街で毎日何かしらお祭りをやっているような街です。
●スズラン
鈴のような花を持つ草花です。
エルフの女の子達は近くの谷間で山ほど摘んできました。皆さん全員で渡さないといけないほどのたくさんな量です。
そのまま渡してもいいですし、加工してもOKです。
ただし、スズランは毒性のある植物です。食べないでください。
●その他
渡す人に幸せになってもらうのであれば、その他の企画もなんでもありです。
お菓子を配るでも、歌舞音曲のイベントを開催するでも、スズランに添えて別なプレゼントを渡すのも問題ありません。
石田まきばMSのシナリオ「花の輪を繋いで」と連動しています。そちらに参加したPCに渡すことも可能です。(ただし名前を特定して描写することはありません)
皆さんの気になる人にスズランを渡してください。
スズランを渡すのはフランスの伝統「ミュゲの日」に基づいたものです。花言葉は「幸福」。色んな人と幸せを分かち合いましょう。
●場所
ピースホライズン
クリムゾンウェスト有数の歓楽街で毎日何かしらお祭りをやっているような街です。
●スズラン
鈴のような花を持つ草花です。
エルフの女の子達は近くの谷間で山ほど摘んできました。皆さん全員で渡さないといけないほどのたくさんな量です。
そのまま渡してもいいですし、加工してもOKです。
ただし、スズランは毒性のある植物です。食べないでください。
●その他
渡す人に幸せになってもらうのであれば、その他の企画もなんでもありです。
お菓子を配るでも、歌舞音曲のイベントを開催するでも、スズランに添えて別なプレゼントを渡すのも問題ありません。
石田まきばMSのシナリオ「花の輪を繋いで」と連動しています。そちらに参加したPCに渡すことも可能です。(ただし名前を特定して描写することはありません)
マスターより
石田まきばMSとミュゲの日を一緒に楽しむことができるようになりました。
石田まきばMSとプチ連動となっておりますが、「同じ場所」という程度ですのでお互いのリプレイにリンクが多くなる訳ではありません。
特にお誘いあわせでのご参加の際はご注意いただければと思います。
それでは、皆様にも幸せがありますように。
石田まきばMSとプチ連動となっておりますが、「同じ場所」という程度ですのでお互いのリプレイにリンクが多くなる訳ではありません。
特にお誘いあわせでのご参加の際はご注意いただければと思います。
それでは、皆様にも幸せがありますように。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/14 03:19