初めての冒険、にはまだ早い

マスター:君矢

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/05/10 07:30
完成日
2015/05/16 12:52

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 夕食の時、父親が精霊の話をしてくれた。
「とてもきれいな泉があって、そこには美しい精霊がいるそうだよ」
「精霊! 本当? 見てみたい!」
 好奇心の強い少年の心は、見たことのない泉へと想像の翼を飛ばしていたので、父親の「そういう噂を聞いてね」という部分はまったく耳に入っていなかった……。

 翌朝、母親が起き出してダイニングで見つけたのは「せいれいに会ってくる!」と紙からはみ出す勢いで書かれた書き置きだった。
 すぐには理解が追いつかない。
「せいれい、……精霊?」
 そういえば、昨夜、夫と息子の会話で精霊の事を話していなかったか。たしか、精霊が宿っている泉があるとかなんとか……。
 やけに、息子が興奮して会話をしていた気がする。
 そこまで思い出した母親は、急いで息子の部屋を確認した。
「……」
 ベッドには抜け出したらしい穴がそのままの形に残っていた。服を引っ張りだしたのかクローゼットの中身が散乱している。息子はどこにもいない。
「ど、どこに行ったのぉぉ!」
 母親は叫んだ。



 母親は、家を飛び出し息子が通っただろう道を走る。まだ要塞の中にいるかもしれないとあちこちを探した。途中、行きあった人に息子を見なかったかと尋ねる。
 行方が分からないまま、要塞の外まで来てしまった。目の前には、辺境の大地が広がっている。
「いない……」
 荒野を見ながら、どうしたらいいだろうと焦ってしまう。
「そ、そうだ。ハンターにお願いしよう」

 ハンターオフィスに駆け込んだ母親は、受付に息子がいないの! と訴えた。冒険に憧れる息子が黙って出て行ってしまったらしいと。
「私だって、危険だから絶対に反対! とか、家から出ちゃいけません! とか言うつもりはないの。冒険したい、ハンターになりたいっていうのは可愛い息子の夢だもの応援したいじゃない。でもね、なるべく危険がないように準備とか用意をしての話よ。そうすれば、心おきなく送り出せるのに!」
 母親の目は、赤く腫れていた。声も微かに震えている。
「なのに、なんであの子は思いつきで飛び出しちゃうの!?」
 と言う母親の手は受付カウンターの上で震えていた。受付係りは母親の勢いに押されているが、なんとか話を要約した。
「つまり、飛び出していった息子さんを連れ戻してほしい、という事ですね」
 母親は肯く。
「そう。たまたま、息子を見たって人がいて。北の街道を一人で歩いていったみたいで……」
「おい、ちょっといいか」
 隣の受付にいたハンターが話しかけてきた。
「北の街道っていや、ゴブリンが出たって話だぜ。やばいんじゃないか」
 母親が口を押さえ、悲鳴を上げる。
「大至急依頼を出します。大丈夫ですから」
 受付係りは、泣き崩れる母親を励ました。

※ ※ ※

 朝から街道を歩いていた少年は、寄りかかるのにちょうどよさそうな岩を見つけて、休憩することにした。腰を下ろし、リュックから水とクッキーを取り出す。クッキーはおやつにと母親が手作りしてくれた物だ。
 歩き疲れた足を地面に投げ出し、空を見上げる。なんだか歩いているだけでちっとも面白くなかった。
(せっかく冒険に出発したのに、ドラゴンも出てこないし、囚われのお姫様はいないし、宝物も見つからないなー)
 そんな事を考えながらクッキーを食べていると、どこからか声が聞こえてきた。
(ハンターだったら一緒に精霊を見に行こうって誘ってみよう)
 と、勝手な願望を考えながらそっと岩陰から顔を出し様子を伺う。
 街道の先、離れた場所の岩陰に小柄な人影が見えた。向こうも休憩するらしく、岩陰に座り込んでいる。目をこらして観察をしてみれば、人間ではない生き物だとわかった。
(あれって、もしかしなくてもゴブリンだよな!)
 少年は、目をキラキラさせて岩陰から前方の集団を見つめていた。
(やっと、冒険らしくなってきた!)
 と、テンションが上がる。自然と岩に添えられた手に力が込められる。
 ゴブリンの集団は、休憩中だろうか地面に座り込んでいた。一匹が立って見張りをしている。
(オレがあいつらやっつけちゃう? でも、グズグズしてたら精霊に会うの遅くなるし。オレ、一人だし……。あいつらどっか行かないかな。って、一人でやっつけたらカッコいいよな!)
 そんなことを考えながら、少年はゴブリンたちを見ている。

リプレイ本文

 六人のハンター達は、少年を捜しながら街道を北へと進んでいく。
「北の街道には、ゴブリンが出たそうですネ?」
 クロード・N・シックス(ka4741)が話しかけた。
「普通に捜索していると、ゴブリンを見つけるのが先になりそうかな?」
 霧雨 悠月(ka4130)が言った。
「遭遇する可能性は高そうデス! ハインツ、襲われてないといいですケド。ワタシたちも交戦するかもしれませんネー。常在戦場デス!」
 クロードが雰囲気を引き締めた。
「実際、遭遇したらどうするアルか。ここは先手必勝で倒すのも手アルよ」
 と李 香月(ka3948)が言った。
「ゴブリンは……見つけたら即座に排除しておきたいところデス」
 クロードが言った。
「いや、少年を捕獲するのが最優先だ」
 チマキマル(ka4372)が答える。
「ちょっと、好奇心旺盛なようだけど、置手紙で気配りのできる良い子だと思うし、きちんと説明すれば母親の元へ戻ってくれると思う。保護を第一にして、少し遠くに離れるよ」
 悠月が続ける。
「ゴブリンが居たときは、注意して接近することにしようか。いつでも、保護できるようにしておこう」
 クオン・サガラ(ka0018)が言った。
「ゴブリンに気がつかれたら、どうするのかな?」
 キーリ(ka4642)が疑問を口にする。
「そこは、交渉をしてみるのはどうだろう」
 チマキマルが提案した。
「交渉?」
 キーリが、疑問を口にする。
「そうだ。ゴブリンもエルフやドワーフと同じ亜人だ。見張りを立てるなどしていればある程度の組織性もあると考えられる。交渉できる可能性はあるかもしれない。言葉が無理なら、態度や絵を描く方法もある」
 チマキマルが答える。
「こちらを襲ってくるなら、撃退させてもらうつもりだけど……。ゴブリンの交渉はお任せするよ」
 悠月が言った。
「Mrチマは交渉にchallengeするのですネー? 話し合いの邪魔にならないように、大人しくしてマス!」
 クロードが言った。
「交渉なんて思いつかなかった」
 とキーリは思った。

 平坦で岩が転がる場所にさしかかった時、行く手に人影を見つけた。
「あれは、ゴブリンかな?」
 悠月が人影を見て言った。
「見張りをしているみたいですし、ゴブリンの可能性は高いですね」
 手近な岩に隠れクオンが答える。
 人影は小柄で岩に背を向けて立ち、周囲を警戒するように見渡していた。その姿には、緊張感が伺える。
「いた! あいつがハインツ、アルな?」
 香月がゴブリンとは別の方向を指さした。その先には、少年が岩に張り付くように立っていた。ゴブリンの様子を伺っているらしい。
 少年の興味は、完全にゴブリンへと向かっているらしくハンターたちがやってきたことに全く気が付いていなかった。

 六人は、ゴブリンに気がつかれないように移動し、少年に近づいた。
「ハインツ、デスね」
 クロードがハインツに声をかけた。ハンターの接近に気がついていなかったハインツはびっくりして振り向いた。
「えっ、」
「迎えにきまシ」
「ハンター!? 凄い! 本物のハンターだ!」
 クロードの話を遮って、ハインツが叫ぶ。その顔にキラキラとした笑顔を浮かべて興奮気味にしゃべった。
「すっげぇ! 本当にハンターだ。一緒に精霊の泉、見に行かないか? そうだ、あそこの奴らゴブリンだろ? 一緒に倒そうぜ!」

 ハインツとハンターたちのいる岩の向こう側から、ゴブリンの仲間を呼ぶ大きな声が聞こえる。
 ハインツの叫び声で、ゴブリン達に気がつかれたらしい。岩影にいたらしいゴブリン達が立ち上がり、こちらを威嚇し始めたのが岩越しに見えた。
「おいっ、ハインツ! このショートソードを貴様にくれてやるアル」
 香月が携帯していたショートソードをハインツに渡した。
「カッコいい! 俺もがんばるよ!」
 ハインツはショートソードを受け取り、目の前にかざした。ずっしりとした重さを感じる。本物の剣だ、と嬉しそうだった。
「積極的に戦わずに自分の身を守れアル!」
 気性の荒い李家で育った弟の多い香月は、絶賛行動中の男子は止まらない事をひしひしと感じていた。ハインツの動機を潰さずにちょっと横にずらすことにしたのだった。

「やあゴブリン達……。調子はどうだね」
 チマキマルが、打ち合わせの通りに交渉するため、ゆっくりと岩影から出て行った。
 チマキマルの行動にゴブリン達は虚を突かれたらしい。動きを止め、チマキマルの行動をうかがっている。
「ハインツくん、こちらへ」
 この隙にと、悠月はハインツをつれてゴブリンを視界で伺えるくらいの距離にはなれた。

「どうだろう。このまま、この場を去ってもらうことは出来ないだろうか?」
 チマキマルは両手を広げて敵意がないことをアピールしつつ、ゴブリン達に話しかけた。
 香月はいつでも先手を打てるようにゴブリンの死角に隠れて、様子を伺っている。
 キーリは、チマキマルの後方で交渉の行方を見守っていた。
「このまま、何もせずに移動してくれれば、ハンターズソサエティにお前達の動向を報告しないと約束しよう」
 チマキマルは、ここで一度言葉を切り、相手の反応を伺う。
 ゴブリン達はチマキマルを見ながらリーダーらしいゴブリンを中心にゴチャゴチャ言い合いをしている。チマキマルの言葉を理解してというよりも、自分達のこれからをどうするのか相談している風だった。

 離れたところに移動したクロードは少年の話を聞いていた。
「どうして、突然出かけたんですカ?」
「泉にすっごいきれいな精霊がいるって父さんが言ってたんだ。お姉さんは、何か知ってる?」
「精霊の泉ですカ? ンー、聞いたことないですネ」
 クロードの返答を聞いてハインツは残念そうだった。
「そっか。ハンターでも知らないんだな」
「ワタシは西方に来てから日が浅いですカラ、知らなくて当然なのデス!」
 胸を張って、クロードは答えた。
「精霊の泉について、どんな事を知っていますか?」
 クオンがハインツに尋ねる。
「えっと……。綺麗な精霊がいるって、父さんが」
「どこにあるのか、どうやったら会えるのか。何も知らないですよね?」
 少年に目線を合わせながら続けて尋ねる。
「うん。そうだけど……」
「情報が無い、両親の許可もない。こういった事はハンターでも一人では難しいです。必要な人・物・情報を自分で考え、分からないなら人に聞いてからやらないといけないですよ」
 と、クオンはハインツにアドバイスした。


 話し合いのまとまらないゴブリン達をみて、チマキマルは再び口を開く。
「ふむ、見逃すだけでは不満だろうか? ならば、鹿の肉か何か提供するのではどうだろう?」
 同時に物を差し出すようなジェスチャーを加える。リーダー格らしいゴブリンはそれに答えない。ゴブリンの言葉で何か仲間に話しているが、内容は分からなかった。
 リーダー格らしいゴブリンは周囲のゴブリンをチマキマルにけしかけるように、腕を振り上げる。
「仕方がない」
 チマキマルも元から交渉が成立するとは思っていなかった。出来れば奇跡的くらいには思っていた。
 残念だと呟きながら、チマキマルはアッシュスタッフを握るとアースウォールを唱えた。
 土で出来た壁が作られ、ゴブリンとチマキマル達を分断する。ゴブリンが勢いのまま突っ込んで、壁にぶつかる。
 そして、ファイアアローを放ち、仲間達に戦闘開始を合図する。

「あれ、魔術? 初めて見た!」
 ハインツは、チマキマルの放った魔術を見て興奮気味に言った。
「冒険はこうでなきゃ! カッコいい!」
 ショートソードを握りしめて悠月の顔を見上げる。
「戦いを見るだけならいいけど、多分君が想像している物より痛々しい物だと思う」
 言いながら、悠月は刀を抜き構えハインツを庇うように立った。
 クオンは、ハインツの横に立って弓を構えた。
「オレも手伝うよ」
「それではハインツ君。矢を補給するのを手伝ってください」
 と言って、クオンは矢筒を手渡した。ハインツは、手伝えることが嬉しくて笑顔で矢筒を受け取る。矢を引き抜いて、クオンへと渡した。
 クオンは味方の援護するために、矢を受け取った。

 ファイアアローが放たれると同時に、香月は岩影から踊り出る。土壁を迂回し、ハインツに近寄ろうとするゴブリンを先に掃討することにする。
「決裂したら、ワタシの出番ネ!」
 クロードもまたゴブリンに向けて突撃する。
 ゴブリンに向かって、踏込んで強打を叩き込んでいく。スキルを惜しまずに使用し、次々とゴブリンを相手にしていく。
 キーリもハインツのそばで戦っていた。殺すつもりもないが、手加減するつもりもない。マジックアローを唱えてゴブリンを狙っていく。
「これが戦いなんだ……」
 矢をクオンに渡しつつ、ハンターたちの戦闘に見入っているハインツにキーリは話しかけた。
「良い? ハインツ君、ヒロイックな戦闘なんて、格好いい戦闘なんて無いのよ。私も小さい頃からずっと童話や寓話が大好きなの。君の気持ちも良く分かるんだけどね」
「御伽噺では、よく省略される部分だけどね……。実際はこんなものだよ」
 悠月もハインツに言う。
 戦いはハンター達の有利に進んでいく。そのことは、戦闘を初めて目撃するハインツにもよくわかった。
 もっと近くで見てみたい! とハインツは考えるよりも先に走り出した。
「ハインツ君!」
 クオンが引き留めようとするが、弓で両手がふさがっていたためすり抜けられてしまう。
「俺だって、戦えるよ!」
 ハンター達の注意がハインツに逸れた。ゴブリンは隙を逃さずチャンスとばかりにハインツに狙いをつけて襲いかかった。
「あ!」
 ハインツは言悲鳴をあげる。走っていたのでとっさに止まることが出来ない。
 ゴブリンが、武器を振り下ろす。
「くっ!」
 悠月が間に割り込んで、ハインツを庇った。攻撃が当たる鈍い音がハインツの耳に響いた。
「大丈夫アルか!」
 香月がゴブリンを蹴り飛ばす。
「でも、だって俺だって……」
「死にたいアルか!」
 叫びながらも、香月はゴブリンを地に倒している。あえて、とどめは刺していない。動けなくなっているゴブリンをわざとハインツの近くに残していた。安全になれば、またハインツは調子にのるだろうから、完全な安全を作らなかった。
「ハインツ君、怪我はありませんか?」
 悠月が痛みをこらえながらハインツに尋ねた。
「な、なんで。傷……!」
 ハインツは、悠月が自分を庇って怪我をしたことに動揺していた。
「僕はあとで自己治癒すればいいんだから。キミに怪我をさせるようじゃ、依頼人であるキミのお母さんに合わせる顔が無い」
 悠月は、ハインツを安心させるように言った。
「ハインツ君、ゴブリンに恐れを感じないのも逞しいと思うの。でも、ひどい怪我をしたらお母さんの手作りクッキーがもう食べられなくなっちゃうかもしれないんだよ?」
 キーリがハインツに語り掛けた。

「逃げるなら、逃がしマスヨ!」
 残滅がmain missionじゃないですカラ、深追いは厳禁! とクロードは逃げるゴブリンは追わなかった。
「ゴブリン達、さっさとお帰り」
 キーリもハインツの隣に駆け寄り、マジックアローを放ちゴブリンを攻撃していく。
「こんなところか」
 ゴブリンの数が少なくなったところで、チマキマルはスリープクラウドを使い、生き残っているゴブリンを眠らせ抵抗を封じた。



 ゴブリンとの戦闘を終わらせて、ハンターたちがハインツの周りに集まってくる。みな、多少なりとも傷を負っていた。
「冒険て、もっとカッコいいと思ってた……」
「残念だけど、世界はそんなに綺麗なもんじゃないんだよ。ハインツ少年。なんてね、私もまだまだ若輩者だから。偉そうな事は言えないんだけど」
 ハインツのつぶやきにキーリが答える。
 ハインツは、目の前でハンターたちが傷ついたことに動揺していた。お話と違って、戦えば傷つきもするし命を落とすこともあると、初めて意識させられたのだった。
「怪我は痛いケド、大したことありマセン! いつものかすり傷ネ!」
 ハインツの視線に気が付いたクロードが言う。
「それよりもハインツ? お母さんを泣かせるのはNOデス! 冒険をしたいナラ、きちんと『いってきます』と伝えマショウ!」
「何が問題だったかわかりますか?」
 クオンがハインツに問いかける。
「母さんに心配かけたし、お兄さんたちの邪魔をしたし……」
「勝手に装備も情報も無く飛び出したのも、問題ですよ。たとえハンターだとしてもそれは無謀ですよ」
 ハインツくらいの年代から、そういったことを分からせるのも有意義なんじゃないかとクオンは思った。
「ハインツくん、残念だけど今回は一緒に戻ろう……。さっきの闘いを見たら、わかるよね」
 悠月の言葉に、ハインツは頷いた。
「一度戻って、両親に謝りましょう。それから、情報収集からやるならできる限りの協力をします」
 クオンが言った。
「冒険に憧れを抱くのはとても良い事。でも、お母さんに心配かけるのはダメ。無茶はしても、無理や無謀はダメ」
 キーリは言う。
「俺、何も出来なかった……」
 落ち込んでいるハインツに香月が近寄り、ガバッと関節技を極めた。
「いでででででで!」
「精霊の泉の情報ってどこまで集めたアル? このあたりの地形や地図は? 目的のために飛び出すのは悪くないアル、それを実行できる手順や実力がないなら、無かった項目と同じ回数股間を全力で蹴り上げるアルよ」
 言いながら、香月は蹴るふりをする。
「いだだだだだ。ごめんなさい! お、折れる!」
「関節技だから、痛いだけアルよ!」
 スパルタで、『冒険は可、無謀は激痛』と体に教えると香月はハインツを解放した。
「キミはご両親にとってなによりも大切な宝物なんだから……。でもキミもいつかきっと立派に旅ができるようになるよ」
 と悠月が続ける。
「さ、今回の物語はここでお終い。お母さんのところへ帰ろう?」
 キーリが言った。
「もし、精霊の泉を探したいのなら、別途私たちハンターに相談してね。私たちも、君と一緒に精霊は見てみたいもの。でも、それはお母さんの許しを得てから、ね」
 キーリの言葉にハインツは頷いた。
「次は、ちゃんと母さんにお願いする」
「昼間のうちに捜索できる範囲くらいなら、協力するのもいいかもね」
 その前に、両親の説得が待っているか……と、クオンは呟いた。
「僕も正直、精霊の泉みたいな話はわくわくするものだよ。あの子が大きくなっても同じ夢を持っていたら、その時は御一緒させてもらおうかな」
 と悠月は言った。

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 課せられた罰の先に
    クオン・サガラ(ka0018
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • ピットファイター
    李 香月(ka3948
    人間(蒼)|20才|女性|疾影士
  • 感謝のうた
    霧雨 悠月(ka4130
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 迷いの先の決意
    チマキマル(ka4372
    人間(紅)|35才|男性|魔術師
  • メテオクイーン
    キーリ(ka4642
    エルフ|13才|女性|魔術師
  • 双棍の士
    葉桐 舞矢(ka4741
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/06 22:50:27
アイコン 相談卓
李 香月(ka3948
人間(リアルブルー)|20才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2015/05/09 23:35:30