ゲスト
(ka0000)
渓流の岩蟹
マスター:ゐ炉端

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/05/21 12:00
- 完成日
- 2015/05/31 13:02
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
心地よい湿度を帯びた風が流れる森林の間、森と森を分けるかのように流れる緩やかな川。敷き詰められた砂利を踏み鳴らし、二人の男が川に沿って歩む。さらさらと流れるせせらぎの音に合わせて、太陽の光がキラキラとリズムを刻むように光り、揺らいでいる。
金髪で長身の男は何気なく立ち止まり、流れゆく川をぐるりと見渡しながら、隣を歩き――いや、立ち止まった男の前を少し置いて、先に行ってしまった赤茶色の無精髭を生やした男に話しかけた。
「綺麗な川だ。流れも緩やかで、見晴らしも良い。今日はこの辺にキャンプを作ろうか、トム」
トムと呼ばれた男も歩みを止め、空を見上げ、そして金髪の男の方へと振り向き、
「少し早いが、今から山を越えるとなると日が暮れてしまうな。そうしようか」
と、同意の意思を示す。空はまだ明るいが、やや傾きかけの太陽に、もう少し待ってくれとは言えまい。金髪の男は背負っていたリュックを降ろし、その上に括られていた、筒状に丸められたものを解き始めた。
「では私はテントを張るよ」
「ならば俺は釣りでもしてこよう。保存の利くものは取っておきたいしな」
トムの言葉に金髪の男はピタリと動きを止め、そして渋い顔を浮かべながら、彼へと視線を送った。
「私も食べるなら新鮮なものの方が良いが……。しかしトム、君は釣りが得意だったか?」
「言うなコニィ。あの時は、釣り場所が悪かったのだ。俺の腕が悪いわけじゃない」
腕を組み、ふんすっと息を吐くトムを横目に、コニィは小さくため息を吐いて、作業を再開した。
「ふぅ。夕飯が惨めなことにならないよう、祈っておくよ」
「ぬかせ。大物を釣り上げて、度肝を抜かせてやるぞ」
「期待はしていないよ。気楽にやりたまえ」
「……」
それから2時間ほどして、徐々に空が茜色へと変わる頃。野営の準備を進めるコニィから少し離れて釣りに興じていたトムであったが、案の定というべきか、まだまだ空のバケツと付き合うことになりそうだった。最も、釣りをするのにもあまり良い時間とは言えない。だがそれでも、透き通る水面に目を落とせば、悠遊と泳ぐ川魚達の姿。決して獲物がいないわけではないのだが。
「……むぅ、釣れぬ」
大きな岩に腰を掛け、岩場の陰に釣り糸を降ろし、只管待つだけの作業。もう、何度目であろうか。数えるのも馬鹿らしい。いっそ銛でもこさえて、直接刺してしまった方が早いだろう。しかし、釣ると大口を叩いた手前、意地でも釣り糸を垂らすしかないのだ。男とは面倒な生き物なのである。いや、大体だ、どうせ美味しく頂くのであれば、食材は無暗に傷付けるものではない。魚は釣るに限る。
とは言え、ぼーっと釣り糸を垂らし続けるのも飽きるもので、落ちてた草で草笛を作ってみたり、その辺の岩などを足でグイグイ押してみたり、釣りへの集中力が散漫になってきたのが逆に良かったのか、ふと、岩陰からカサコソと小さなものが出てくるのに気が付いた。
「……むむっ? これは、蟹か?」
蟹の一種であろうか。ダークチェリーのような黒ずんだ赤色の、手で包める程の小さな蟹がわさわさと這い出てきた。動く先を目で追っていくと、その先に低く小さな滝が注ぐ渓流があり、その岩陰へと潜って行った。
「これは良い、小ぶりではあるが、丸ごと揚げれば旨そうだ」
暇を持て余していた男は腰を上げ、岩場に足を気を付けながら、渓流にゴロゴロと転がる岩を押し退け、裏側を覗き見た。予想通り、小さな蟹がワラワラと出てくる。トムはそれをひょいひょいと、バケツの中に放り込んだ。
粗方取り終えると、もっといないものかと、別の岩をひっくり返したところで、異様な気配に包まれているのを感じ、トムはパッと、岩から手を離した。――刹那。何かが空を裂き、反射的に突き出したバケツを真っ二つに両断した。零れ落ちる水。そして逃げ出す蟹達。
「んぅぬわぁーーっ!?」
そんな、ちょっと間抜けな甲高い声が飛び出し、異常を察知したコニィが、薪をその場にぶちまけて、駆け付けてくる。
「どうしたトム! 箪笥の角に小指をぶつけた様な声を出してって…………なんだ、それは?」
見ればそこには、岩の形をした蟹――のような生き物が、口から泡をブクブクさせ、トムへと覆いかぶさっている。コニィは手にしたメイスをフルスイングして、その巨大な蟹をぶん殴り、吹き飛ばした。
「助かった、コニィ。……っと危ないっ!」
「なにっ」
咄嗟にコニィを突き飛ばすトム。その横を真っ直ぐと、何かが風を貫いて飛び、彼らの後ろにあった大岩へ風穴を開けた。何事かとそちらに視線を移すと、先程ぶん殴った蟹とは別の蟹が両手の鋏を天へと突き出しながら、ぶくぶくと泡を吹いている。増えたのは一体だけじゃない。触発されるかのように、渓流に転がっていた岩が次々と動きだし、禍々しく赤く光る目を光らせた。男二人はそっと、顔を合わせ頷くと、踵を返し、尻を絡げて駆け出した。
「俺達は正義の味方じゃない! 金にならないなら、魔獣の相手などしてられんわ!!」
「それには同意だが、放っておくわけにもいくまいよ? 知らずに釣り人が近寄っては危険だ」
走りながら、涼しい顔でコニィは言う。
「なら、ハンターズソサエティに報告しておこう」
「うむ。妥当だな」
リプレイ本文
●翠の森
穏やかに流れゆく川の潺と、柔らかな風音が頬を撫ぜる。森の外は、日差しも強くて少々汗ばむ陽気だったが、樹木のカーテンと、河川の絨毯がそれを和らげ、ひんやりと澄んだ空気へと変えていた。
バードウォッチングが趣味のケンジ・ヴィルター(ka4938)は、周囲に気を張りながらも、川面を行く翡翠色の鳥についつい視線が行く。キラキラとシャボン玉のような輝きを放つ鮮やかな碧の鳥。まるで宝石のようなその姿に、心奪われるのも仕方のないことだろう。
「カワセミ……でしょうかね?」
同じ視線を辿り、神代 誠一(ka2086)が言う。もしかしたら、似て非なる鳥かもしれない。でも、かつて暮らしていた世界の、その光景が脳裏に浮かび、ケンジは少し柔らかい表情で「……かもな」と、小さく答えた。
「こんなところにまで魔獣が出るなんて、信じられないですね」
誠一は目を細め、深く息を吸い込んだ。空気と共に、気持ちまで満ちるような感覚。ただそれだけで、気力が充足していくようだ。
「そうですね。思っていたとおりの素敵な場所で……」
クリスティーネ=L‐S(ka3679)が少し儚げに呟き、同意した。
「荒事の依頼でなく、ただのピクニックでしたら、もっと素敵でしたのに」
ふわりと靡いた髪を片手で抑えながら、清冽な水面へと何気なく視線を向ける。まるで彼女に挨拶をするかのように、虹色の魚がピチャリと跳ね、水面に波紋を残した。
「あーあ、皆リアルブルー出身でしょー。良いなぁ、色んな童話や寓話の原本あるんでしょ?」
そんなやり取りを聞いていたキーリ(ka4642)が口を窄めて言った。確かにそうか、と、3人は目を合わせ、そして後に続く2人を見る。彼女以外は全員、リアルブルー出身の人間だ。
「いいなぁいいなぁ。私も見てみたいなぁ。古書の匂いや紙の黄ばみが堪らないの。あぁ……見てみたいなぁ」
「古書ならこっちにもあんだろ?」
遠くに想いを馳せて軽くトリップしかけたキーリに、ボソリとケンジがツッコミを入れた。彼女がリアルブルーの本を実際に手に取ったかはわからないが、『古書』というのであれば、どちらかと言えば、クリムゾンウエストの方が入手は容易ではないだろうか。紙を媒体とした情報ツールは勿論ある。しかし、電子化が主流となっているリアルブルーの、それもサルヴァトーレ・ロッソ乗組員だったケンジには、そも、書物自体が珍しいわけだが。
「まぁ、気持ちは分かりますけどね。埃と、酸化した紙の匂いといいますか。古色蒼然としているものは、味がありますし」
高校数学教諭だった誠一は、かつて勤めていた学び舎の、とある場所を思い浮かべて言うと、
「それ、図書室の匂いって奴ですよね」
と、遠藤・恵(ka3940)が割って入った。見晴らしのよい岩場などを見つけては、周囲を警戒していた彼女だったが、同郷の話とあれば、興味が無いわけではない。しかしそこでハッとして、すぐ側にいた、背格好も近いキーリへと顔を向けた。
「……あっ、私、遠藤恵でっす。よろしくお願いしますね」
「私はキーリ。よろしく」
同じ依頼を受ける者同士、軽く挨拶を交わす。
「それにしても、渓流に岩蟹さんですか。それはそれで絵になりそうな気がしますけど。人を襲うのでは仕方ないですね」
「蟹かぁ。んー何だったかな。私童話や寓話が大好きでよく読むんだけど……」
キーリが腕を組み首を捻ると、恵はとある童話を思い出して言った。
「猿蟹合戦とか?」
「そう、それ。蟹が主役の物語って少ないの。あの物語とは立場が逆になっちゃったね」
確かに蟹の主人公の話は少ないが、猿が悪者というのはよくある気もする。とか、恵が思っていると、
「岩ぐらい大きさのある岩蟹かあ。もしも食えたら大物なんだろうけどなー。魔獣だからそうもいかねえか」
と、ケンジがぼやいた。すると人懐っこそうな、柔らかい雰囲気の霧雨 悠月(ka4130)が言った。
「いや、魔獣でなくても、得体の知れないものは食べない方が良いと思うよ。お腹壊しちゃうかもしれないし」
――大体見た目岩だよ? 蟹じゃなくて、砂利の味がするんじゃない? などと言葉を続けると、ぼーっと、明後日の方向を見詰めながらクリスティーネが「食べられるのであれば……」と、ボソッと呟いたので、悠月は思わず、「えっ?」と聞き返してしまった。
「……きちんと食べて、供養にしたいと思いますが」
少し物悲しそうな目をする少女。魔獣――雑魔の内、人型で知性を持つ種類を妖魔、それ以外を魔獣と呼び分けることがあるが、一般的に、雑魔は倒すと消滅してしまう。一定の条件下で、食べられる雑魔もいるそうだが、今回その可能性は極めて低い。
視線に気付き、クリスティーネは悠月の顔を見た。
「……なにか?」
「うん、いや。見た目に反して、意外とワイルドなんだと思って」
悠月は複雑そうな表情を、ぎこちなくはにかんで誤魔化した。
●擬態の蟹
件の渓流へと近付き、ハンター達はそれぞれの獲物を手に、覚醒状態へと入る。魔獣と似た大きさの岩が目印だが、見れば似たような岩がゴロゴロと転がっていて、ひと目で判断は付き難い。これは思ったより、厄介な状況か。
少し距離を置き、味方を全て視界に入れられるように広角かつ、なるべく高い岩場を選んで足場にして、恵は静かに弓を番えた。
(それにしてもいい場所ですねー。次は仕事ない時にきたいものですけど……ってダメよ恵! 集中するんです!)
呑気な考えを振り払うように頭を振り、五感をフル動員して、意識を研ぎ澄ます。
打ち合わせ通りに、誠一とケンジ、悠月が手近な石を拾い、それっぽい岩へと投げ、ぶつけていく。まずは敵の出方を見る作戦だ。
「さぁ、蟹さん。おにぎりは持ってないかな? 私の柿の種と交換しないかい?」
少し距離を置いてキーリも石を投げるが、高い音を残して石が弾かれ飛んでいくだけで、何の反応も見られない。
「そこの岩動かなかった? どう?」
『超聴覚』を発動させ、聴覚を強化した悠月だったが、怪しい動きは探知できない。キーリの言葉に、無言で首を振った。もう少し、アクティブにする必要があるのだろうか。
「ふむ」
誠一は一寸考え、特殊強化鋼製ヨーヨーを取り出し、水上で回したり、水飛沫や波紋を起こしてみる。不自然な流れや振動を起こせば、いい加減に動きを見せるだろう、と。
「ポケットに突っ込んでいた物ですが、どこで何が役に立つか分からないものです。しかし――」
――あまりに動きが無さ過ぎる。
知能の無い魔獣が警戒心を持つとは考え難い。だが、想定はしておくべきだった。相手は『擬態を武器とする敵』なのだ。石を当てるだけではなく、もっと大胆に、例えば10フィート棒等で岩を押したり、ひっくり返してみたりした方が良かったのかもしれない。
「ケンジさん、後ろだ!!」
いち早く察知した悠月が叫ぶが一瞬遅く。ケンジが振り向くより早く、振り抜かれた鋭い鋏。――しかし、来るべき痛み知覚されず、ただ重く鈍い音が水面を震わせただけに留まった。
「擬態の上手な敵と、聞いていますから」
澄み透き通った声が、ケンジの背から聞こえた。淡く、黄金色に輝く髪と瞳。美しい女神の彫像が彫り込まれた白亜の盾を構え、立つ乙女。クリスティーネは最初から、攻撃を受けることを前提としていた。索敵を行う仲間の背を『守りの構え』を発動させ、その奇襲の出鼻を挫いたのだ。
「少し、甘く見ていましたがッ!」
ソードのチェーン部を振り、遠心力を乗せた一撃を、岩の甲羅で叩き込み、誠一は吼えた。その攻撃を開始の合図に、岩蟹が連動するように動き始める。赤い瞳が薄らと開き、カチャカチャと、何かを擦り合わせるような不気味な音を発する巨大な蟹達。いつの間にか、奴らのテリトリーに深く踏み入れていたのか、後衛に位置する恵以外、囲まれ、否応無しに片足を水に浸すことになっている。二手に分かれる予定もあったが、具体的に何も決めておらず、結局纏まって行動したのも災いした。
だが、今更の後悔など、何の役にも立たない。悠月は気持ちを切り替え、ぐるりと周囲を見回した。
「全部で6体、かな。報告通りだけど」
初撃、それを防いだことで、相手の一斉攻撃を許してしまうという最悪な状況は免れたが、状況はあまりよろしくない。静寂の中、水の打つ音だけが響く。
「フフ。岩蟹さんの物語はここで終いさ。残念だったね」
僅かに膠着状態となった状況を、キーリが打ち崩す。放たれた『ウィンドスラッシュ』――鋭い風刃が水飛沫を斬って飛び、岩蟹の堅牢な甲殻へと襲い掛かる。効果はあったようで、甲高い悲鳴のような叫び声と共に、岩蟹は跳ね飛んだ。
「さぁ、合戦の始まりね。生と死が否応なく物語を動かすの!」
再び術を発動させようとするキーリへ、死角から岩蟹が飛び出す――が、高い位置を取り、立体的に周囲を警戒していた恵の『威嚇射撃』でそれを許さない。
「おっきい蟹さんですねー! 食べられないんですよねぇ、あれ。もったいないなあ」
すっと立膝に構え、弓を引く。思ったよりは、蟹の動きは素早くはない。しかし、水辺を動き回られると、近接手段しか持たない前衛には不利だ。それを察して、射角を調節する。『強弾』を付与しても、相手の甲殻を貫くのには難があったが、相手の動きを牽制するには十分だ。
恵の支援攻撃に呼応して白銀の獣と化した悠月が駆け、岩蟹を翻弄する。
「立派な鋏を――」
――お持ちだね、と言いかけた言葉を噤む。自分の腰から下、低い位置から繰り出された斬撃が右腕を掠め、空を切り裂いた。咄嗟に身体を捻って難を逃れたが、挟まれたら『拘束される』……そんなレベルじゃない。こんなもので掴まれたら、腕を切断されかねない。『地を駆けるもの』を発動していなかったら、どうなっていたか。
「そうこなきゃ。戦い甲斐があるねッ!」
悠月は燃えるような赤い瞳を煌め、斬撃を繰り出した。鈍い感触が手を伝う。彼の繰り出した斬撃は岩蟹を僅かに浮かせるだけだったが、引き下がる彼と入れ替わるように前に出たクリスティーネが『踏込』を発動させ、斧形態としたアックスブレードを振り抜き、腹部を捉えた。ミシャリと、軋むような鈍い音が響く。
「折角の川辺に魔獣が居つかれちゃ困るわな。気合入れて退治するぜ……っと!」
足幅を広げ、腰をしっかりと落としてケンジは刀を構えた。思った以上に強固な甲羅のようで、下手に斬り付ければ刃が欠けるどころか、折れかねない。更に低く、半身の姿勢で刀を水平に構える。『疾風剣』の一撃が、蒼の軌道を残して、腹部の前掛けのような部分へと突き刺さった。
「兜割りならぬ甲羅割り、ってな!」
蟹を割る要領で刺さった刀を捻り、割る。確かに外装は硬いが、構造上、関節部や甲羅の隙間への刺突は有効に働くようだ。ケンジは刀を振るって血を払うと、次の獲物に切っ先を向けた。
「よ、っと!」
その背後で蹴り上げ、『スラッシュエッジ』の一撃を腹部へ見舞う誠一。甲羅よりはダメージは通っているようだが、やはり硬い。
悠月がカバーに入り、今度は柔らかい関節部を狙って斬撃を繰り出した。切断された鋏が宙へ飛び、そこに体勢を整えた誠一がチェーンソードを鞭のように操り、『連撃』を放つ。波打つチェーンが、独特の軌道を描き、跳ね回る。癖の強い武器の方が良い。生徒と同じで、味がある。誠一は静かに嗤った。
攻撃の殆どを味方に任せ、岩蟹の攻撃から献身的に味方を守りつつ、クリスティーネはその挙動を注意深く観察していた。水の弾丸を発射すると記憶している。ケンジも同様に気には止めていたが、攻撃に集中している以上、察知するのは彼女の方が早い。
「……ブレスが来ます」
背中で誠一を押し、注意を促しながら、身を反らす。射線は直線的で、発射する位置さえ把握してしまえば躱すのに難は無い。ぶくぶくと泡を吹く蟹の口めがけ、恵の放った鋭矢が突き刺さった。
「ほらほら、君達には硬くて青くて渋い柿がお似合いさ。遠慮なく受け取りなよ!」
有効属性を察知したキーリが、出し惜しみなく『ウィンドスラッシュ』を繰り出す。
「大丈夫。ここで息絶えても巡り巡って輪廻の時計。君達は次の物語に続くんだ。……さて、それはどんな話を紡ぐんだろうね? ……私が見ててあげる。私が貰った時間は潤沢だもの」
それがエルフの特権だと、小さく囁いて、キーリは杖を振り下ろした。
●渓流の宴
「素敵な自然だねー。故郷を思い出すよ」
キーリが身体を伸ばす。一仕事を終え、後は平穏の戻った渓流を満喫するくらいだ。手頃な岩に腰掛けたケンジは、ぼんやりと、鳥達の観察を楽しんでいる。
「わあ、こういうの久しぶり!」
「んー……。此処は涼しくて気持ちが良いね」
付近の探索を終えた恵と悠月が一行に合流した。岩蟹は報告の通り全部で6体。それ以上は見つからなかった。脅威の排除を確認し、気持ちがオフになった恵は既に、裸足になって、水の冷たさを肌で感じているところだ。
「折角来たんだし、ここでお昼にしよう」
と、悠月が提案するが、生憎と用意は無い。そんなことを誰かが思ったのが伝わったのか、少年は無垢な表情を浮かべて言葉を続ける。
「蟹でも魚でも、捌いて火に掛ければ美味しいと思うよ」
言いながら悠月は釣竿を軽く振った。聞けば、渓流周辺を探索していた時に拾ったものらしい。誰かの忘れ物であろうか。振り返った恵の視線に「借りるだけだよ」と、悠月は短く答えた。
「じゃあ俺は、蟹でも捕まえましょうか」
大自然に触発されたのか、身体を休めていた誠一も、よーし、先生も頑張っちゃうぞーと言わんばかりに靴を脱ぎ、ズボンの裾を巻くって川の中に入って行く。
「この辺、足場が悪いので気を付けてくだ、さ、うわっ!?」
と、注意を促すつもりが、言った側から足を水に取られて、うっかり転びそうになってしまった。その少しカッコ悪い瞬間をケンジに見られ、目と目が合い、微妙な空気が流れる。
「……うん。気を付けるわ」
優しさから出たケンジの言葉に、誠一はバツの悪そうな苦笑いで応えるだけだった。
「……お騒がせして、ごめんなさいね」
岩に腰掛け、川に掌を浸しながらクリスティーネがそんなことを言うので、誰に謝っているんだろうと、恵は首を傾げた。視線を感じた彼女はゆっくりと顔を上げる。
「お魚さんに……」
きょとんとした恵をよそに、クリスティーネは再び視線を水面へと落とした。悠遊と泳ぐ二つの魚影。その仲睦まじい姿をちょっと羨ましく思いながら、少女は柔らかく微笑みを零した。
穏やかに流れゆく川の潺と、柔らかな風音が頬を撫ぜる。森の外は、日差しも強くて少々汗ばむ陽気だったが、樹木のカーテンと、河川の絨毯がそれを和らげ、ひんやりと澄んだ空気へと変えていた。
バードウォッチングが趣味のケンジ・ヴィルター(ka4938)は、周囲に気を張りながらも、川面を行く翡翠色の鳥についつい視線が行く。キラキラとシャボン玉のような輝きを放つ鮮やかな碧の鳥。まるで宝石のようなその姿に、心奪われるのも仕方のないことだろう。
「カワセミ……でしょうかね?」
同じ視線を辿り、神代 誠一(ka2086)が言う。もしかしたら、似て非なる鳥かもしれない。でも、かつて暮らしていた世界の、その光景が脳裏に浮かび、ケンジは少し柔らかい表情で「……かもな」と、小さく答えた。
「こんなところにまで魔獣が出るなんて、信じられないですね」
誠一は目を細め、深く息を吸い込んだ。空気と共に、気持ちまで満ちるような感覚。ただそれだけで、気力が充足していくようだ。
「そうですね。思っていたとおりの素敵な場所で……」
クリスティーネ=L‐S(ka3679)が少し儚げに呟き、同意した。
「荒事の依頼でなく、ただのピクニックでしたら、もっと素敵でしたのに」
ふわりと靡いた髪を片手で抑えながら、清冽な水面へと何気なく視線を向ける。まるで彼女に挨拶をするかのように、虹色の魚がピチャリと跳ね、水面に波紋を残した。
「あーあ、皆リアルブルー出身でしょー。良いなぁ、色んな童話や寓話の原本あるんでしょ?」
そんなやり取りを聞いていたキーリ(ka4642)が口を窄めて言った。確かにそうか、と、3人は目を合わせ、そして後に続く2人を見る。彼女以外は全員、リアルブルー出身の人間だ。
「いいなぁいいなぁ。私も見てみたいなぁ。古書の匂いや紙の黄ばみが堪らないの。あぁ……見てみたいなぁ」
「古書ならこっちにもあんだろ?」
遠くに想いを馳せて軽くトリップしかけたキーリに、ボソリとケンジがツッコミを入れた。彼女がリアルブルーの本を実際に手に取ったかはわからないが、『古書』というのであれば、どちらかと言えば、クリムゾンウエストの方が入手は容易ではないだろうか。紙を媒体とした情報ツールは勿論ある。しかし、電子化が主流となっているリアルブルーの、それもサルヴァトーレ・ロッソ乗組員だったケンジには、そも、書物自体が珍しいわけだが。
「まぁ、気持ちは分かりますけどね。埃と、酸化した紙の匂いといいますか。古色蒼然としているものは、味がありますし」
高校数学教諭だった誠一は、かつて勤めていた学び舎の、とある場所を思い浮かべて言うと、
「それ、図書室の匂いって奴ですよね」
と、遠藤・恵(ka3940)が割って入った。見晴らしのよい岩場などを見つけては、周囲を警戒していた彼女だったが、同郷の話とあれば、興味が無いわけではない。しかしそこでハッとして、すぐ側にいた、背格好も近いキーリへと顔を向けた。
「……あっ、私、遠藤恵でっす。よろしくお願いしますね」
「私はキーリ。よろしく」
同じ依頼を受ける者同士、軽く挨拶を交わす。
「それにしても、渓流に岩蟹さんですか。それはそれで絵になりそうな気がしますけど。人を襲うのでは仕方ないですね」
「蟹かぁ。んー何だったかな。私童話や寓話が大好きでよく読むんだけど……」
キーリが腕を組み首を捻ると、恵はとある童話を思い出して言った。
「猿蟹合戦とか?」
「そう、それ。蟹が主役の物語って少ないの。あの物語とは立場が逆になっちゃったね」
確かに蟹の主人公の話は少ないが、猿が悪者というのはよくある気もする。とか、恵が思っていると、
「岩ぐらい大きさのある岩蟹かあ。もしも食えたら大物なんだろうけどなー。魔獣だからそうもいかねえか」
と、ケンジがぼやいた。すると人懐っこそうな、柔らかい雰囲気の霧雨 悠月(ka4130)が言った。
「いや、魔獣でなくても、得体の知れないものは食べない方が良いと思うよ。お腹壊しちゃうかもしれないし」
――大体見た目岩だよ? 蟹じゃなくて、砂利の味がするんじゃない? などと言葉を続けると、ぼーっと、明後日の方向を見詰めながらクリスティーネが「食べられるのであれば……」と、ボソッと呟いたので、悠月は思わず、「えっ?」と聞き返してしまった。
「……きちんと食べて、供養にしたいと思いますが」
少し物悲しそうな目をする少女。魔獣――雑魔の内、人型で知性を持つ種類を妖魔、それ以外を魔獣と呼び分けることがあるが、一般的に、雑魔は倒すと消滅してしまう。一定の条件下で、食べられる雑魔もいるそうだが、今回その可能性は極めて低い。
視線に気付き、クリスティーネは悠月の顔を見た。
「……なにか?」
「うん、いや。見た目に反して、意外とワイルドなんだと思って」
悠月は複雑そうな表情を、ぎこちなくはにかんで誤魔化した。
●擬態の蟹
件の渓流へと近付き、ハンター達はそれぞれの獲物を手に、覚醒状態へと入る。魔獣と似た大きさの岩が目印だが、見れば似たような岩がゴロゴロと転がっていて、ひと目で判断は付き難い。これは思ったより、厄介な状況か。
少し距離を置き、味方を全て視界に入れられるように広角かつ、なるべく高い岩場を選んで足場にして、恵は静かに弓を番えた。
(それにしてもいい場所ですねー。次は仕事ない時にきたいものですけど……ってダメよ恵! 集中するんです!)
呑気な考えを振り払うように頭を振り、五感をフル動員して、意識を研ぎ澄ます。
打ち合わせ通りに、誠一とケンジ、悠月が手近な石を拾い、それっぽい岩へと投げ、ぶつけていく。まずは敵の出方を見る作戦だ。
「さぁ、蟹さん。おにぎりは持ってないかな? 私の柿の種と交換しないかい?」
少し距離を置いてキーリも石を投げるが、高い音を残して石が弾かれ飛んでいくだけで、何の反応も見られない。
「そこの岩動かなかった? どう?」
『超聴覚』を発動させ、聴覚を強化した悠月だったが、怪しい動きは探知できない。キーリの言葉に、無言で首を振った。もう少し、アクティブにする必要があるのだろうか。
「ふむ」
誠一は一寸考え、特殊強化鋼製ヨーヨーを取り出し、水上で回したり、水飛沫や波紋を起こしてみる。不自然な流れや振動を起こせば、いい加減に動きを見せるだろう、と。
「ポケットに突っ込んでいた物ですが、どこで何が役に立つか分からないものです。しかし――」
――あまりに動きが無さ過ぎる。
知能の無い魔獣が警戒心を持つとは考え難い。だが、想定はしておくべきだった。相手は『擬態を武器とする敵』なのだ。石を当てるだけではなく、もっと大胆に、例えば10フィート棒等で岩を押したり、ひっくり返してみたりした方が良かったのかもしれない。
「ケンジさん、後ろだ!!」
いち早く察知した悠月が叫ぶが一瞬遅く。ケンジが振り向くより早く、振り抜かれた鋭い鋏。――しかし、来るべき痛み知覚されず、ただ重く鈍い音が水面を震わせただけに留まった。
「擬態の上手な敵と、聞いていますから」
澄み透き通った声が、ケンジの背から聞こえた。淡く、黄金色に輝く髪と瞳。美しい女神の彫像が彫り込まれた白亜の盾を構え、立つ乙女。クリスティーネは最初から、攻撃を受けることを前提としていた。索敵を行う仲間の背を『守りの構え』を発動させ、その奇襲の出鼻を挫いたのだ。
「少し、甘く見ていましたがッ!」
ソードのチェーン部を振り、遠心力を乗せた一撃を、岩の甲羅で叩き込み、誠一は吼えた。その攻撃を開始の合図に、岩蟹が連動するように動き始める。赤い瞳が薄らと開き、カチャカチャと、何かを擦り合わせるような不気味な音を発する巨大な蟹達。いつの間にか、奴らのテリトリーに深く踏み入れていたのか、後衛に位置する恵以外、囲まれ、否応無しに片足を水に浸すことになっている。二手に分かれる予定もあったが、具体的に何も決めておらず、結局纏まって行動したのも災いした。
だが、今更の後悔など、何の役にも立たない。悠月は気持ちを切り替え、ぐるりと周囲を見回した。
「全部で6体、かな。報告通りだけど」
初撃、それを防いだことで、相手の一斉攻撃を許してしまうという最悪な状況は免れたが、状況はあまりよろしくない。静寂の中、水の打つ音だけが響く。
「フフ。岩蟹さんの物語はここで終いさ。残念だったね」
僅かに膠着状態となった状況を、キーリが打ち崩す。放たれた『ウィンドスラッシュ』――鋭い風刃が水飛沫を斬って飛び、岩蟹の堅牢な甲殻へと襲い掛かる。効果はあったようで、甲高い悲鳴のような叫び声と共に、岩蟹は跳ね飛んだ。
「さぁ、合戦の始まりね。生と死が否応なく物語を動かすの!」
再び術を発動させようとするキーリへ、死角から岩蟹が飛び出す――が、高い位置を取り、立体的に周囲を警戒していた恵の『威嚇射撃』でそれを許さない。
「おっきい蟹さんですねー! 食べられないんですよねぇ、あれ。もったいないなあ」
すっと立膝に構え、弓を引く。思ったよりは、蟹の動きは素早くはない。しかし、水辺を動き回られると、近接手段しか持たない前衛には不利だ。それを察して、射角を調節する。『強弾』を付与しても、相手の甲殻を貫くのには難があったが、相手の動きを牽制するには十分だ。
恵の支援攻撃に呼応して白銀の獣と化した悠月が駆け、岩蟹を翻弄する。
「立派な鋏を――」
――お持ちだね、と言いかけた言葉を噤む。自分の腰から下、低い位置から繰り出された斬撃が右腕を掠め、空を切り裂いた。咄嗟に身体を捻って難を逃れたが、挟まれたら『拘束される』……そんなレベルじゃない。こんなもので掴まれたら、腕を切断されかねない。『地を駆けるもの』を発動していなかったら、どうなっていたか。
「そうこなきゃ。戦い甲斐があるねッ!」
悠月は燃えるような赤い瞳を煌め、斬撃を繰り出した。鈍い感触が手を伝う。彼の繰り出した斬撃は岩蟹を僅かに浮かせるだけだったが、引き下がる彼と入れ替わるように前に出たクリスティーネが『踏込』を発動させ、斧形態としたアックスブレードを振り抜き、腹部を捉えた。ミシャリと、軋むような鈍い音が響く。
「折角の川辺に魔獣が居つかれちゃ困るわな。気合入れて退治するぜ……っと!」
足幅を広げ、腰をしっかりと落としてケンジは刀を構えた。思った以上に強固な甲羅のようで、下手に斬り付ければ刃が欠けるどころか、折れかねない。更に低く、半身の姿勢で刀を水平に構える。『疾風剣』の一撃が、蒼の軌道を残して、腹部の前掛けのような部分へと突き刺さった。
「兜割りならぬ甲羅割り、ってな!」
蟹を割る要領で刺さった刀を捻り、割る。確かに外装は硬いが、構造上、関節部や甲羅の隙間への刺突は有効に働くようだ。ケンジは刀を振るって血を払うと、次の獲物に切っ先を向けた。
「よ、っと!」
その背後で蹴り上げ、『スラッシュエッジ』の一撃を腹部へ見舞う誠一。甲羅よりはダメージは通っているようだが、やはり硬い。
悠月がカバーに入り、今度は柔らかい関節部を狙って斬撃を繰り出した。切断された鋏が宙へ飛び、そこに体勢を整えた誠一がチェーンソードを鞭のように操り、『連撃』を放つ。波打つチェーンが、独特の軌道を描き、跳ね回る。癖の強い武器の方が良い。生徒と同じで、味がある。誠一は静かに嗤った。
攻撃の殆どを味方に任せ、岩蟹の攻撃から献身的に味方を守りつつ、クリスティーネはその挙動を注意深く観察していた。水の弾丸を発射すると記憶している。ケンジも同様に気には止めていたが、攻撃に集中している以上、察知するのは彼女の方が早い。
「……ブレスが来ます」
背中で誠一を押し、注意を促しながら、身を反らす。射線は直線的で、発射する位置さえ把握してしまえば躱すのに難は無い。ぶくぶくと泡を吹く蟹の口めがけ、恵の放った鋭矢が突き刺さった。
「ほらほら、君達には硬くて青くて渋い柿がお似合いさ。遠慮なく受け取りなよ!」
有効属性を察知したキーリが、出し惜しみなく『ウィンドスラッシュ』を繰り出す。
「大丈夫。ここで息絶えても巡り巡って輪廻の時計。君達は次の物語に続くんだ。……さて、それはどんな話を紡ぐんだろうね? ……私が見ててあげる。私が貰った時間は潤沢だもの」
それがエルフの特権だと、小さく囁いて、キーリは杖を振り下ろした。
●渓流の宴
「素敵な自然だねー。故郷を思い出すよ」
キーリが身体を伸ばす。一仕事を終え、後は平穏の戻った渓流を満喫するくらいだ。手頃な岩に腰掛けたケンジは、ぼんやりと、鳥達の観察を楽しんでいる。
「わあ、こういうの久しぶり!」
「んー……。此処は涼しくて気持ちが良いね」
付近の探索を終えた恵と悠月が一行に合流した。岩蟹は報告の通り全部で6体。それ以上は見つからなかった。脅威の排除を確認し、気持ちがオフになった恵は既に、裸足になって、水の冷たさを肌で感じているところだ。
「折角来たんだし、ここでお昼にしよう」
と、悠月が提案するが、生憎と用意は無い。そんなことを誰かが思ったのが伝わったのか、少年は無垢な表情を浮かべて言葉を続ける。
「蟹でも魚でも、捌いて火に掛ければ美味しいと思うよ」
言いながら悠月は釣竿を軽く振った。聞けば、渓流周辺を探索していた時に拾ったものらしい。誰かの忘れ物であろうか。振り返った恵の視線に「借りるだけだよ」と、悠月は短く答えた。
「じゃあ俺は、蟹でも捕まえましょうか」
大自然に触発されたのか、身体を休めていた誠一も、よーし、先生も頑張っちゃうぞーと言わんばかりに靴を脱ぎ、ズボンの裾を巻くって川の中に入って行く。
「この辺、足場が悪いので気を付けてくだ、さ、うわっ!?」
と、注意を促すつもりが、言った側から足を水に取られて、うっかり転びそうになってしまった。その少しカッコ悪い瞬間をケンジに見られ、目と目が合い、微妙な空気が流れる。
「……うん。気を付けるわ」
優しさから出たケンジの言葉に、誠一はバツの悪そうな苦笑いで応えるだけだった。
「……お騒がせして、ごめんなさいね」
岩に腰掛け、川に掌を浸しながらクリスティーネがそんなことを言うので、誰に謝っているんだろうと、恵は首を傾げた。視線を感じた彼女はゆっくりと顔を上げる。
「お魚さんに……」
きょとんとした恵をよそに、クリスティーネは再び視線を水面へと落とした。悠遊と泳ぐ二つの魚影。その仲睦まじい姿をちょっと羨ましく思いながら、少女は柔らかく微笑みを零した。
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- 《一途》に想う夢の欠片
クリスティーネ=L‐S(ka3679)
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相談の卓、です クリスティーネ=L‐S(ka3679) 人間(リアルブルー)|14才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/05/20 21:34:55 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/17 18:30:11 |