ゲスト
(ka0000)
羊の狩りと刈り
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/05/26 09:00
- 完成日
- 2015/05/31 09:37
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●牧場のある日の悲劇
「お、おやじぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「お義父さん!」
年齢三十代の夫婦は倒れている老人にすがりついて号泣する。
「お、おじいちゃん!」
「うわああああああああああん、おじいちゃんがぁあ」
「え、えええ? 何、何が起こったの? 嫌だよ、おじいちゃん!」
孫たちも寄ってきて泣き叫ぶ。
グラズヘイム王国にあるとある牧場の、春に起こった悲劇だった。
ベテランで、羊の毛を上手く刈れる主たる老人が、ぎっくり腰で倒れたのだった。
それも羊の毛を刈らないとならない時期に。
「どうするんだ、ロッキーの毛は誰が刈ればいいんだ」
「息子よ、お前がやれ」
身動きできない中、床の上で老人は告げた。
「ロッキー以外はどうにかできるんだけど」
「そんなことでどうするんじゃ! いずれはお前がこの牧場を面倒見るんだぞ! ……! っ!」
気弱な息子に一喝を下した後、老人は痛みにうめいた。そして、家族は泣いた。
●逃亡牡羊たち
それから数日後、事件が増える。
「お父さん! 大変だよ、ロッキーが柵を壊して出て行った」
羊の毛刈りにいそしむ父の元に長女が慌ててやってきた。
「なんだって!」
あわてて見に行ったが、弱っていた柵はなぎ倒されており、足跡が山に続いていた。長女が見つけたのが早く、他の羊たちは牧羊犬たちにより保護され牧場内にいる。集団行動とる生き物なので、全部出ると大変だった。
「何てことだ」
とりあえず、他の羊が逃げないように柵の補強を即刻行った。
「ロッキー、大丈夫かな? 山にはリッキーもいるんでしょ?」
長女は不安そうに山を眺めた。リッキーとは6年前逃げたオスの羊の名前である。
ロッキーとリッキーの共通項は気性が荒いこと。簡単に毛を刈らせてくれないので、主が頼りだった。ロッキーは体が大きく見た目も凶悪なのに対し、リッキーは一見普通の羊であった。
「でも、リッキーは死んだみたいだし」
リッキーの目撃が年を明けてからなくなった。村人たちもとうとう死んだのだろうと考えていたのだ。
「それが、お父さん、リッキーらしい羊見たって昨日聞いたよ」
長男がやってきて告げる。
「え?」
父親は驚くが、元気ならいいかとも考える。
毛25キロくらいは身に着けている違いないため、刈り取ってみたい気もするし。
「ただ、異様に大きくなって、角もこーんなになってたって。別の野生羊かなって話もあったらしいけど、これまで野生の羊なんていなかったし、逃げた羊もいないからリッキーが成長したんじゃないかって」
「いや、成長じゃない……それって」
雑魔になったんじゃないかな……と父は思った。
●依頼をまとめる職員の独り言
職員は牧場からの依頼を受けたので、依頼書をまとめつつ、ハンター頑張れと思った。
どう考えても羊は山の斜面を逃げる。そして、捕まえる手段は投げ縄? エサでの誘導……そうなのだ牧草で行けるはずなのだ!
「ま、一頭は雑魔化しているみたいですねぇ」
状況証拠からの判断。
「でも、毛は回収できるのかもしれないですね! 程よく油分抜けていたらすごくいい羊毛になってるかも」
プチプチと依頼の書類をまとめつつ、職員はブツブツ言う。
「どっちかと言うと倒す羊雑魔より、普通の羊の方が大変なのかもしれないですねぇ。ん? 羊対雑魔になったらどうなるかしら」
職員は凶悪な羊を想像してぞっとした。でも、羊が凶悪でも、雑魔になった羊の方が強いだろうと考える。
「あれ、でも、雑魔って羊毛25キロ以上背負ってるっていうと、防御力に影響あったりして」
きっと大丈夫、ハンターだもの、雑魔だものと職員は送信を終えた。
「お、おやじぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「お義父さん!」
年齢三十代の夫婦は倒れている老人にすがりついて号泣する。
「お、おじいちゃん!」
「うわああああああああああん、おじいちゃんがぁあ」
「え、えええ? 何、何が起こったの? 嫌だよ、おじいちゃん!」
孫たちも寄ってきて泣き叫ぶ。
グラズヘイム王国にあるとある牧場の、春に起こった悲劇だった。
ベテランで、羊の毛を上手く刈れる主たる老人が、ぎっくり腰で倒れたのだった。
それも羊の毛を刈らないとならない時期に。
「どうするんだ、ロッキーの毛は誰が刈ればいいんだ」
「息子よ、お前がやれ」
身動きできない中、床の上で老人は告げた。
「ロッキー以外はどうにかできるんだけど」
「そんなことでどうするんじゃ! いずれはお前がこの牧場を面倒見るんだぞ! ……! っ!」
気弱な息子に一喝を下した後、老人は痛みにうめいた。そして、家族は泣いた。
●逃亡牡羊たち
それから数日後、事件が増える。
「お父さん! 大変だよ、ロッキーが柵を壊して出て行った」
羊の毛刈りにいそしむ父の元に長女が慌ててやってきた。
「なんだって!」
あわてて見に行ったが、弱っていた柵はなぎ倒されており、足跡が山に続いていた。長女が見つけたのが早く、他の羊たちは牧羊犬たちにより保護され牧場内にいる。集団行動とる生き物なので、全部出ると大変だった。
「何てことだ」
とりあえず、他の羊が逃げないように柵の補強を即刻行った。
「ロッキー、大丈夫かな? 山にはリッキーもいるんでしょ?」
長女は不安そうに山を眺めた。リッキーとは6年前逃げたオスの羊の名前である。
ロッキーとリッキーの共通項は気性が荒いこと。簡単に毛を刈らせてくれないので、主が頼りだった。ロッキーは体が大きく見た目も凶悪なのに対し、リッキーは一見普通の羊であった。
「でも、リッキーは死んだみたいだし」
リッキーの目撃が年を明けてからなくなった。村人たちもとうとう死んだのだろうと考えていたのだ。
「それが、お父さん、リッキーらしい羊見たって昨日聞いたよ」
長男がやってきて告げる。
「え?」
父親は驚くが、元気ならいいかとも考える。
毛25キロくらいは身に着けている違いないため、刈り取ってみたい気もするし。
「ただ、異様に大きくなって、角もこーんなになってたって。別の野生羊かなって話もあったらしいけど、これまで野生の羊なんていなかったし、逃げた羊もいないからリッキーが成長したんじゃないかって」
「いや、成長じゃない……それって」
雑魔になったんじゃないかな……と父は思った。
●依頼をまとめる職員の独り言
職員は牧場からの依頼を受けたので、依頼書をまとめつつ、ハンター頑張れと思った。
どう考えても羊は山の斜面を逃げる。そして、捕まえる手段は投げ縄? エサでの誘導……そうなのだ牧草で行けるはずなのだ!
「ま、一頭は雑魔化しているみたいですねぇ」
状況証拠からの判断。
「でも、毛は回収できるのかもしれないですね! 程よく油分抜けていたらすごくいい羊毛になってるかも」
プチプチと依頼の書類をまとめつつ、職員はブツブツ言う。
「どっちかと言うと倒す羊雑魔より、普通の羊の方が大変なのかもしれないですねぇ。ん? 羊対雑魔になったらどうなるかしら」
職員は凶悪な羊を想像してぞっとした。でも、羊が凶悪でも、雑魔になった羊の方が強いだろうと考える。
「あれ、でも、雑魔って羊毛25キロ以上背負ってるっていうと、防御力に影響あったりして」
きっと大丈夫、ハンターだもの、雑魔だものと職員は送信を終えた。
リプレイ本文
●まずは崖下、準備中
(ふっふ……リアルブルー産の純正魔法使いであるところの僕に野生の羊をステゴロで捕まえるなんて土台MURI……!)
水流崎トミヲ(ka4852)は思いながら、現地の崖の下にいた。なお、純正と魔法使いには『自称』が小さく入る。
トミヲはちらりと今回の仕事仲間を見ると、妙に緊張してくる。
「羊、羊……まだここから見えないけれど噂に聞くには……」
ミネット・ベアール(ka3282)からは唾を飲み込む音とジンギスカンと歌が聞こえた。肩には弓、手には羊の毛刈り用道具、やる気は十分。
「あらまー。羊でも立派に登れるもんやねえ……ここからは見えへんけど……」
北条・C・レラージュ(ka4697)はしみじみ見上げる。
「動物は侮ってはいけないのじゃ。空を飛ばぬだけましとしておこう」
紅薔薇(ka4766)は刀を鞘から抜き、しまうという動作をした。
「動物……後少しで何か分かるかもしれない」
ビシュタ・ベリー(ka4446)は霊闘士であり、祖霊との対話に足りないものを補うため、動物に関わりたいと強く願う。
さて、一行はロッキー用に牧草をもらっておき、罠や縛るようにロープも用意する。
●動物捕獲!
罠を仕掛ける為、レラージュがロープと餌を持って、馬で一度崖の道を登った。中腹に適度なところを発見し、ロープと餌を置く。
その途中、ロッキーと思われる羊がおり、侵入者にぎょっとして防御態勢を取る。
レラージュはちらり、と上を見るがもう一匹は見られない。残念と思いつつ仲間と合流する。
「どうでした? おいしそうな羊さんでしたか?」
「ああ、ロッキーは見たで。うまそうな羊だった」
ミネットの質問に対し、レラージュは平然と答える。
「そうか、そんなにうまそうな羊なのか」
そして、紅薔薇が感心した。
「罠のロープを引くのは任せるから、必要なら私はロッキーをそちらに誘導する」
「それと威嚇射撃ならまかせてね」
ビシュタとミネットの言葉で大まかな役割分担は決まった。
一同は登り始める。
もやっとした気持ちがトミヲに生じる。
(突っ込み不在!)
いや、そこはすでに進んでいる。どちらかというと、女子たちの妙な阿吽の呼吸に置いていかれ、リードされている状態であると気付いた。
(はっは! 覚醒した魔術師である僕にかかれば! こんな坂! なんてこと……)
登り始めたトミヲに後悔はすぐに訪れる。
「……ない、って、思ってた頃も、ありま、した……」
崖と言っても登るのに苦労しない坂はついているが、体力は別の問題。
「あー、水流崎さん、ゆっくりでいいですよ。一番メーンの雑魔退治は頂上ですし」
ミネットの優しい言葉にトミヲは荒い呼吸の返事をした。
「年には勝てないね……」
「いやいやぁ」
ミネットは軽やかに登っていく。羊がもしも罠を逃れて下りた場合に備えた位置について弓を構えた。
引っ張ると輪の部分が絞まるようにしたロープの端を持ったレラージュと紅薔薇は、茂みや岩の陰に隠れた。なかなか隠れるのは難しい。
でかい羊が牧草目当てにやってきた。目つきも悪く、態度もでかくみえる普通の羊、すなわち逃げたばかりのロッキーではないかと推測できる。
エサがあまりなかったためか、ロッキーは一心不乱に牧草を拾って食べている。食べなれた牧草がおいしいのかもしれない。
ビシュタは羊から死角になるようなところで隠れて様子をうかがう。必要なら罠の方に誘導したいし、雑魔がいるかもしれない上に行くなら阻止したい。
ロッキーはとぼとぼ歩きながら草を食べ、罠に向かって進んでいく。
「メェエ」
と鳴いた。おいしいと言っているようにも聞こえるが、実際のところは羊語がわからないので勝手な想像である。
ロープの罠があるところにやってきた。
ミネットの所にトミヲも追いついて息を整える。
ロッキーは足を進める。
ぽくっ。
あと一歩で罠。
ロッキーは足を止めた。
じっと何か見ている気がする。そのまま止まって牧草をはむ。
ぽくり。
ロッキーの足は罠からは外れたところに下りた。そして、また牧草をはむ。
一つの罠を避けたことにより、不安意識は消えたらしく、もう一つの罠に首をつっこむ。
レラージュが引っ張った。
「フィーーーーッシュ!!!」
「でめぇえぇぇぇぇ」
やったというレラージュの明るい声と羊のどすの利いた鳴き声が響き渡る。
ロープは岩にも引っかけてあるので、簡単には外れないはずだが、レラージュは引っ張られる。
ビシュタが鞭を振るって羊に絡めようとしたが、うまくいかない。
「縛るのじゃ」
レラージュが引っ張っているので、勢いは減っている。紅薔薇が罠としていたロープを持ち、ビシュタと共に胴体に巻き付ける。
角で突こうとしつつ、ロッキーは抗う。
「……育ての親に感謝するんやで。あんた、野生ならもう死んでんからな……?」
レラージュは羊を撫でつつ、話しかける。牧草の食べっぷりからしてうまく餌をとれていなかったのはうかがえる。
暴れるのは止まらない。
ビシュタも抑えつつ、羊に「落ち着いて」と魂に話しかけるように触れる。
「そろそろ大人しくなってくれんかのう? 妾達もあまり気の長い方では無いのじゃ。もしかしたら、うっかり手が滑ってしまうかもしれん。お主とて、食用になる運命はイヤじゃろう?」
紅薔薇が和やかに言っているわりには目が殺す気満々で、刀の鞘を羊の首筋に当てる。
そして羊はおとなしくなった。
(こ、怖い……羊だって従うさ)
妙齢のお嬢さんたちの脅しは、トミヲのハートを鷲掴みではなく、なます切りにした。
「先に毛、刈りますかね?」
弓を下して、ミネットは尋ねる。その手にはすでにはさみが握られている。
いくらロープでぐるぐる巻きにしてもいつ逃げるかしれぬ羊。まだ雑魔もいることだし、連れて行くわけにもいかない。
「なら、いったんおりますか」
「ひっ」
トミヲが難色示したのをミネットは読み取って上を見る。
「……」
「あ、いや」
「……ここまで雑魔を下さなければいいんですよね」
情報では上に雑魔がいるというが、誰も見ていない。
何の気なしに全員が崖を見上げると、九十九折の道の上の方に動く影があった。
でかい。
立派な角。
「下さなければいいんだ。この木ならつなげそうだ」
ビシュタは道の端にある気を指さした。
「さて、行こうか? ロッキー、お前はここでおとなしくこれ食べり」
ロッキーは『仕方がねぇから言うこと聞いてやるぜ』という雰囲気を出しつつ、大人しくつながれていてくれた。
●雑魔討伐
ビシュタは軽やかに登っていく、偵察を兼ねて。
ただの動物であるロッキーと異なり、リッキーの場合は雑魔の可能性が高い。年齢や目撃情報の途絶え等から推測して。
角を何度か曲がって、登りきったところにリッキーはいた。
ゾクリ。
ビシュタは気迫負けしそうなほどの鬼気迫る羊を前に、鞭を握り締める。
負のマテリアルが見えるなら、きっと立ち上っているのではないかという睨みっぷり。
ロッキーと同じくらい、いやそれよりやや大きい。角もそれに見合うだけ大きく、突き刺されたらただでは済まないだろう。
リッキーは前足で地面をかいている。まるで牛がダッシュをかける前にならすようなしぐさ。
鞭を持ってビシュタはじっとする。
「ぶめぇぇぇえぇ」
突進してきたリッキーをとっさによけた。
リッキーは崖を落ちることなく止まり、ビシュタに向き直る。距離が近くなりすぎており、このままは危険だ。
ザクリ。
リッキーの前に矢がたたきこまれた。
ミネットが弓をギリギリの角度で射て、再び射るために構えている。
紅薔薇が武器を抜き放ち、駆けてくる。レラージュの銃弾がリッキーをかする。
不利と感じたのか、リッキーは山頂に駆けて行った。
このような状況を繰り返し、とうとうリッキーは山頂に追い込まれる。
紅薔薇とビシュタが頂上に出る。
雑魔が下りてくる可能性があるため、道にミネット、レラージュ、トミヲが待機している。
「ブメェ」
怒りを表すような低く、重い鳴き声。
リッキーは前と下を見て、どちらにも敵がいると認識したに違いない。
やらねばやられる。
どう逃げるのか、どう戦うのか。
じりじりと互いににらみ合う。
均衡を崩したのはミネットの弓矢の一撃だ。下からだと狙いにくいため、リッキーの毛をかすっていく。ミネットから「ちっ」という舌打ちがもれた。
リッキーはどこに向かうかを決めた様子で前を見据えている。
「なら、妾が相手ぞ!」
紅薔薇が刀と敵に意識を集中し、一気に羊雑魔に近づいた。疾風を纏った切っ先は羊雑魔に突き刺さったようにみえた。しかし、羊雑魔は華麗なステップで避ける。
「行かせない」
ビシュタは素早く鞭を振り、足止めを試みる。この時、祖霊の力の片鱗を感じ、一撃が思いのほか重かった。
「あれ……?」
湧き上がった力に一瞬気を取られたところに、リッキーが突っ込んできた。
「うわっ」
リッキーは一気に駆け下りていく。
「僕の心に吹きすさぶ風よ……今此処に!」
トミヲのウィンドスラッシュがリッキーを襲った。
「ぶめー」
大変怒る声が響く。
レラージュの銃弾がリッキーにたたきこまれるがすれすれで回避される。
「やるなぁ、リッキー」
妙な闘志が起こる。たかが羊雑魔、されど羊雑魔。
「さてと」
ミネットが問答無用で矢を射かける。リッキーは回避するが、そこに紅薔薇が突っ込んでくる。
「危険は承知じゃ!」
崖を駆け下り、刀を突きさすが、羊毛は弾力性と油分があり、致命傷にできない。
レラージュの銃弾が足止め状態になっているリッキーを突きぬける。
「僕のDT魔力……思い知るといい!」
トミヲのウィンドスラッシュがリッキーの毛を刈り取る。
「今度こそ」
自分の中の祖霊と心を通わせるように、ビシュタは鞭を振るう。飛び降りるという動作が入るけど。鞭を使った一撃はリッキーを弱らせる。
リッキーは身を震わせ、角を突きたて要るように一回転する。接敵していた紅薔薇とビシュタはあわてて離れる。
「トリ……に…く……」
ミネットの矢がリッキーを貫いた。
「ぶめぇぇぇぇ」
リッキーから負のマテリアルが抜け、形を失っていく。
まだ雑魔なりたてなら、肉が残るかも、羊毛が残るかも……。新鮮だろうがなんだろうが、消えるものは消える。
臨戦態勢のまま見つめるハンターの前に一つ残った。
ふんわり。
リッキーが着ていた毛は結構残った。間にあったかもしれない油分等、余計な物は抜けてフカフカの羊毛は風に転がり始める。
紅薔薇が刃を突きたてるように引き留めた。
量が多いのかよくわからないが、綿という性質上密度が薄く、非常に多く残っているような気がする。
「すごいわぁ」
レラージュが羊毛を持ちあげたため、紅薔薇は武器を仕舞った。
「こ、これで、証拠はできた……」
トミヲが言う。
「おっきくて美味しそうだったのになぁ……」
ミネットの言葉が聞こえた瞬間、否定すべきか肯定すべきか沈黙が漂った。
●毛はふんわり、ベタリ
最後にロッキーの毛刈りもしておこうということで、牧場に戻る。牧場の若夫婦がひたすら頭をさげている中、ミネットは嬉々としてロッキーと対峙した。
「ぐふふ……」
ミネットははさみを手に捕食者のような目でロッキーを見下ろす。
「ふふふ……」
微笑みつつ、鞘に入っている刀をぺちぺちとロッキーの首につける紅薔薇。
「メェ……」
なでていたビシュタはロッキーが怯えているのを感じて、より心を籠めて触れる。
「ええ加減にせんか! まあ、確かにうまそうな羊だけど、二人で追いこんでどうすんねん!」
レラージュの突っ込みにミネットはうなずき、紅薔薇も刀を引いた。
おくてのトミヲもこの元気な女子の会話に慣れたか、ちょっと離れて眺めていた。
さて、毛を刈るため牧場の若夫婦に手順を尋ねる。
羊は地面に足がつかないとおとなしくなると説明される。そのため、ロッキーを倒したいが……結構立派に立っている。
ロッキーはハンターにはかなわないと悟っているのか、触られてもじっとしている。試にミネットがはさみを近づけると、震えるがじっとしている。
後はテキパキと刈るのみである、バリカンとハサミを適宜に使い分け。
「よし!」
しばらくすると、毛が刈られすっきりとしたロッキーに変身した。
「夏って感じじゃの」
紅薔薇はほめたたえ、背中を撫でた。
「意外とジトッとしとるなぁ」
レラージュは刈り取った物を触ってみる。
ペタペタ触った者たちの顔に、それぞれ感想が浮かぶ。
「ええ、その油分を抜いてから、加工するんですよ……。その油があると、レインコートのようなものもできますが、あると加工できないという問題もあります」
ロッキーの毛を刈る技術もしくは勇気がなくとも、牧場の若い主人は説明できる。
「リッキーは雑魔化していたということでしたが、被害なくて良かったです」
若主人は冷や汗をかく。残った羊毛の多さに、雑魔になる前に背負っていた量を想像する。
「いえいえ、ロッキーは無事で、とても美味しそ……コホンコホン、立派な羊でした」
何がどうというのは濁し、ミネットは充実した一日を振り返る。
「おいしそう……やったねぇ!」
濁したレラージュから食欲を感じたのか、ロッキーが仲間の羊のもとに駆けて行った。
「ふむ、見事な毛だったのう」
直接羊の毛など見る機会はなかったため、紅薔薇はしみじみつぶやく。
「いい経験した」
祖霊との対話、力を引き出すための何かを見出したような気がしたビシュタは晴れ晴れとした顔となる。
「無事終わって良かったよ!」
崖上りや雑魔との対峙を考え、冷や汗も出る。トミヲの偽りのないまとめの言葉だった。
牧場の主たちの見送りを受けながら、一行は後にした。
(ふっふ……リアルブルー産の純正魔法使いであるところの僕に野生の羊をステゴロで捕まえるなんて土台MURI……!)
水流崎トミヲ(ka4852)は思いながら、現地の崖の下にいた。なお、純正と魔法使いには『自称』が小さく入る。
トミヲはちらりと今回の仕事仲間を見ると、妙に緊張してくる。
「羊、羊……まだここから見えないけれど噂に聞くには……」
ミネット・ベアール(ka3282)からは唾を飲み込む音とジンギスカンと歌が聞こえた。肩には弓、手には羊の毛刈り用道具、やる気は十分。
「あらまー。羊でも立派に登れるもんやねえ……ここからは見えへんけど……」
北条・C・レラージュ(ka4697)はしみじみ見上げる。
「動物は侮ってはいけないのじゃ。空を飛ばぬだけましとしておこう」
紅薔薇(ka4766)は刀を鞘から抜き、しまうという動作をした。
「動物……後少しで何か分かるかもしれない」
ビシュタ・ベリー(ka4446)は霊闘士であり、祖霊との対話に足りないものを補うため、動物に関わりたいと強く願う。
さて、一行はロッキー用に牧草をもらっておき、罠や縛るようにロープも用意する。
●動物捕獲!
罠を仕掛ける為、レラージュがロープと餌を持って、馬で一度崖の道を登った。中腹に適度なところを発見し、ロープと餌を置く。
その途中、ロッキーと思われる羊がおり、侵入者にぎょっとして防御態勢を取る。
レラージュはちらり、と上を見るがもう一匹は見られない。残念と思いつつ仲間と合流する。
「どうでした? おいしそうな羊さんでしたか?」
「ああ、ロッキーは見たで。うまそうな羊だった」
ミネットの質問に対し、レラージュは平然と答える。
「そうか、そんなにうまそうな羊なのか」
そして、紅薔薇が感心した。
「罠のロープを引くのは任せるから、必要なら私はロッキーをそちらに誘導する」
「それと威嚇射撃ならまかせてね」
ビシュタとミネットの言葉で大まかな役割分担は決まった。
一同は登り始める。
もやっとした気持ちがトミヲに生じる。
(突っ込み不在!)
いや、そこはすでに進んでいる。どちらかというと、女子たちの妙な阿吽の呼吸に置いていかれ、リードされている状態であると気付いた。
(はっは! 覚醒した魔術師である僕にかかれば! こんな坂! なんてこと……)
登り始めたトミヲに後悔はすぐに訪れる。
「……ない、って、思ってた頃も、ありま、した……」
崖と言っても登るのに苦労しない坂はついているが、体力は別の問題。
「あー、水流崎さん、ゆっくりでいいですよ。一番メーンの雑魔退治は頂上ですし」
ミネットの優しい言葉にトミヲは荒い呼吸の返事をした。
「年には勝てないね……」
「いやいやぁ」
ミネットは軽やかに登っていく。羊がもしも罠を逃れて下りた場合に備えた位置について弓を構えた。
引っ張ると輪の部分が絞まるようにしたロープの端を持ったレラージュと紅薔薇は、茂みや岩の陰に隠れた。なかなか隠れるのは難しい。
でかい羊が牧草目当てにやってきた。目つきも悪く、態度もでかくみえる普通の羊、すなわち逃げたばかりのロッキーではないかと推測できる。
エサがあまりなかったためか、ロッキーは一心不乱に牧草を拾って食べている。食べなれた牧草がおいしいのかもしれない。
ビシュタは羊から死角になるようなところで隠れて様子をうかがう。必要なら罠の方に誘導したいし、雑魔がいるかもしれない上に行くなら阻止したい。
ロッキーはとぼとぼ歩きながら草を食べ、罠に向かって進んでいく。
「メェエ」
と鳴いた。おいしいと言っているようにも聞こえるが、実際のところは羊語がわからないので勝手な想像である。
ロープの罠があるところにやってきた。
ミネットの所にトミヲも追いついて息を整える。
ロッキーは足を進める。
ぽくっ。
あと一歩で罠。
ロッキーは足を止めた。
じっと何か見ている気がする。そのまま止まって牧草をはむ。
ぽくり。
ロッキーの足は罠からは外れたところに下りた。そして、また牧草をはむ。
一つの罠を避けたことにより、不安意識は消えたらしく、もう一つの罠に首をつっこむ。
レラージュが引っ張った。
「フィーーーーッシュ!!!」
「でめぇえぇぇぇぇ」
やったというレラージュの明るい声と羊のどすの利いた鳴き声が響き渡る。
ロープは岩にも引っかけてあるので、簡単には外れないはずだが、レラージュは引っ張られる。
ビシュタが鞭を振るって羊に絡めようとしたが、うまくいかない。
「縛るのじゃ」
レラージュが引っ張っているので、勢いは減っている。紅薔薇が罠としていたロープを持ち、ビシュタと共に胴体に巻き付ける。
角で突こうとしつつ、ロッキーは抗う。
「……育ての親に感謝するんやで。あんた、野生ならもう死んでんからな……?」
レラージュは羊を撫でつつ、話しかける。牧草の食べっぷりからしてうまく餌をとれていなかったのはうかがえる。
暴れるのは止まらない。
ビシュタも抑えつつ、羊に「落ち着いて」と魂に話しかけるように触れる。
「そろそろ大人しくなってくれんかのう? 妾達もあまり気の長い方では無いのじゃ。もしかしたら、うっかり手が滑ってしまうかもしれん。お主とて、食用になる運命はイヤじゃろう?」
紅薔薇が和やかに言っているわりには目が殺す気満々で、刀の鞘を羊の首筋に当てる。
そして羊はおとなしくなった。
(こ、怖い……羊だって従うさ)
妙齢のお嬢さんたちの脅しは、トミヲのハートを鷲掴みではなく、なます切りにした。
「先に毛、刈りますかね?」
弓を下して、ミネットは尋ねる。その手にはすでにはさみが握られている。
いくらロープでぐるぐる巻きにしてもいつ逃げるかしれぬ羊。まだ雑魔もいることだし、連れて行くわけにもいかない。
「なら、いったんおりますか」
「ひっ」
トミヲが難色示したのをミネットは読み取って上を見る。
「……」
「あ、いや」
「……ここまで雑魔を下さなければいいんですよね」
情報では上に雑魔がいるというが、誰も見ていない。
何の気なしに全員が崖を見上げると、九十九折の道の上の方に動く影があった。
でかい。
立派な角。
「下さなければいいんだ。この木ならつなげそうだ」
ビシュタは道の端にある気を指さした。
「さて、行こうか? ロッキー、お前はここでおとなしくこれ食べり」
ロッキーは『仕方がねぇから言うこと聞いてやるぜ』という雰囲気を出しつつ、大人しくつながれていてくれた。
●雑魔討伐
ビシュタは軽やかに登っていく、偵察を兼ねて。
ただの動物であるロッキーと異なり、リッキーの場合は雑魔の可能性が高い。年齢や目撃情報の途絶え等から推測して。
角を何度か曲がって、登りきったところにリッキーはいた。
ゾクリ。
ビシュタは気迫負けしそうなほどの鬼気迫る羊を前に、鞭を握り締める。
負のマテリアルが見えるなら、きっと立ち上っているのではないかという睨みっぷり。
ロッキーと同じくらい、いやそれよりやや大きい。角もそれに見合うだけ大きく、突き刺されたらただでは済まないだろう。
リッキーは前足で地面をかいている。まるで牛がダッシュをかける前にならすようなしぐさ。
鞭を持ってビシュタはじっとする。
「ぶめぇぇぇえぇ」
突進してきたリッキーをとっさによけた。
リッキーは崖を落ちることなく止まり、ビシュタに向き直る。距離が近くなりすぎており、このままは危険だ。
ザクリ。
リッキーの前に矢がたたきこまれた。
ミネットが弓をギリギリの角度で射て、再び射るために構えている。
紅薔薇が武器を抜き放ち、駆けてくる。レラージュの銃弾がリッキーをかする。
不利と感じたのか、リッキーは山頂に駆けて行った。
このような状況を繰り返し、とうとうリッキーは山頂に追い込まれる。
紅薔薇とビシュタが頂上に出る。
雑魔が下りてくる可能性があるため、道にミネット、レラージュ、トミヲが待機している。
「ブメェ」
怒りを表すような低く、重い鳴き声。
リッキーは前と下を見て、どちらにも敵がいると認識したに違いない。
やらねばやられる。
どう逃げるのか、どう戦うのか。
じりじりと互いににらみ合う。
均衡を崩したのはミネットの弓矢の一撃だ。下からだと狙いにくいため、リッキーの毛をかすっていく。ミネットから「ちっ」という舌打ちがもれた。
リッキーはどこに向かうかを決めた様子で前を見据えている。
「なら、妾が相手ぞ!」
紅薔薇が刀と敵に意識を集中し、一気に羊雑魔に近づいた。疾風を纏った切っ先は羊雑魔に突き刺さったようにみえた。しかし、羊雑魔は華麗なステップで避ける。
「行かせない」
ビシュタは素早く鞭を振り、足止めを試みる。この時、祖霊の力の片鱗を感じ、一撃が思いのほか重かった。
「あれ……?」
湧き上がった力に一瞬気を取られたところに、リッキーが突っ込んできた。
「うわっ」
リッキーは一気に駆け下りていく。
「僕の心に吹きすさぶ風よ……今此処に!」
トミヲのウィンドスラッシュがリッキーを襲った。
「ぶめー」
大変怒る声が響く。
レラージュの銃弾がリッキーにたたきこまれるがすれすれで回避される。
「やるなぁ、リッキー」
妙な闘志が起こる。たかが羊雑魔、されど羊雑魔。
「さてと」
ミネットが問答無用で矢を射かける。リッキーは回避するが、そこに紅薔薇が突っ込んでくる。
「危険は承知じゃ!」
崖を駆け下り、刀を突きさすが、羊毛は弾力性と油分があり、致命傷にできない。
レラージュの銃弾が足止め状態になっているリッキーを突きぬける。
「僕のDT魔力……思い知るといい!」
トミヲのウィンドスラッシュがリッキーの毛を刈り取る。
「今度こそ」
自分の中の祖霊と心を通わせるように、ビシュタは鞭を振るう。飛び降りるという動作が入るけど。鞭を使った一撃はリッキーを弱らせる。
リッキーは身を震わせ、角を突きたて要るように一回転する。接敵していた紅薔薇とビシュタはあわてて離れる。
「トリ……に…く……」
ミネットの矢がリッキーを貫いた。
「ぶめぇぇぇぇ」
リッキーから負のマテリアルが抜け、形を失っていく。
まだ雑魔なりたてなら、肉が残るかも、羊毛が残るかも……。新鮮だろうがなんだろうが、消えるものは消える。
臨戦態勢のまま見つめるハンターの前に一つ残った。
ふんわり。
リッキーが着ていた毛は結構残った。間にあったかもしれない油分等、余計な物は抜けてフカフカの羊毛は風に転がり始める。
紅薔薇が刃を突きたてるように引き留めた。
量が多いのかよくわからないが、綿という性質上密度が薄く、非常に多く残っているような気がする。
「すごいわぁ」
レラージュが羊毛を持ちあげたため、紅薔薇は武器を仕舞った。
「こ、これで、証拠はできた……」
トミヲが言う。
「おっきくて美味しそうだったのになぁ……」
ミネットの言葉が聞こえた瞬間、否定すべきか肯定すべきか沈黙が漂った。
●毛はふんわり、ベタリ
最後にロッキーの毛刈りもしておこうということで、牧場に戻る。牧場の若夫婦がひたすら頭をさげている中、ミネットは嬉々としてロッキーと対峙した。
「ぐふふ……」
ミネットははさみを手に捕食者のような目でロッキーを見下ろす。
「ふふふ……」
微笑みつつ、鞘に入っている刀をぺちぺちとロッキーの首につける紅薔薇。
「メェ……」
なでていたビシュタはロッキーが怯えているのを感じて、より心を籠めて触れる。
「ええ加減にせんか! まあ、確かにうまそうな羊だけど、二人で追いこんでどうすんねん!」
レラージュの突っ込みにミネットはうなずき、紅薔薇も刀を引いた。
おくてのトミヲもこの元気な女子の会話に慣れたか、ちょっと離れて眺めていた。
さて、毛を刈るため牧場の若夫婦に手順を尋ねる。
羊は地面に足がつかないとおとなしくなると説明される。そのため、ロッキーを倒したいが……結構立派に立っている。
ロッキーはハンターにはかなわないと悟っているのか、触られてもじっとしている。試にミネットがはさみを近づけると、震えるがじっとしている。
後はテキパキと刈るのみである、バリカンとハサミを適宜に使い分け。
「よし!」
しばらくすると、毛が刈られすっきりとしたロッキーに変身した。
「夏って感じじゃの」
紅薔薇はほめたたえ、背中を撫でた。
「意外とジトッとしとるなぁ」
レラージュは刈り取った物を触ってみる。
ペタペタ触った者たちの顔に、それぞれ感想が浮かぶ。
「ええ、その油分を抜いてから、加工するんですよ……。その油があると、レインコートのようなものもできますが、あると加工できないという問題もあります」
ロッキーの毛を刈る技術もしくは勇気がなくとも、牧場の若い主人は説明できる。
「リッキーは雑魔化していたということでしたが、被害なくて良かったです」
若主人は冷や汗をかく。残った羊毛の多さに、雑魔になる前に背負っていた量を想像する。
「いえいえ、ロッキーは無事で、とても美味しそ……コホンコホン、立派な羊でした」
何がどうというのは濁し、ミネットは充実した一日を振り返る。
「おいしそう……やったねぇ!」
濁したレラージュから食欲を感じたのか、ロッキーが仲間の羊のもとに駆けて行った。
「ふむ、見事な毛だったのう」
直接羊の毛など見る機会はなかったため、紅薔薇はしみじみつぶやく。
「いい経験した」
祖霊との対話、力を引き出すための何かを見出したような気がしたビシュタは晴れ晴れとした顔となる。
「無事終わって良かったよ!」
崖上りや雑魔との対峙を考え、冷や汗も出る。トミヲの偽りのないまとめの言葉だった。
牧場の主たちの見送りを受けながら、一行は後にした。
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リッキー&ロッキー 北条・C・レラージュ(ka4697) エルフ|23才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/05/25 22:59:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/24 16:15:24 |