ゲスト
(ka0000)
その愛情を得る資格
マスター:革酎

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/05/29 15:00
- 完成日
- 2015/05/31 22:03
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
二週間前――。
町の近くの鉱山で、崩落事故が発生した。
その日、たまたま地元の子供達を招いての見学会が催されていたのだが、この崩落事故はその子供達をも容赦無く襲った。
幸い、ほとんどの子供達は辛うじて逃げおおせたのだが、ひとりだけが逃げ遅れ、行方不明となった。
その直後、崩落事故現場から一匹の巨大なバッタが瀕死の状態で現れた。
この巨大バッタは、頭部に当たる箇所が行方不明となった子供の顔立ちとよく似ていた。
ほとんど人面バッタと呼んでも良い程の、酷似ぶりであった。
行方不明となった子供の両親はひとり息子が死んだと嘆きに嘆いていたが、その巨大なバッタが息子の生まれ変わりだと思い込み、我が家へと連れ帰った。
そして、現在。
件の巨大バッタと思しき影が、夜な夜な通りのあちこちに出現しては町民を襲い、大怪我を負わせるという事件が相次いだ。
町のひとびとは、巨大バッタを連れ帰った夫妻に疑惑の目を向けた。
だが夫妻は、巨大バッタを愛する我が子の生まれ変わりだと主張するばかりで、ただただバッタを溺愛することだけに意識が囚われてしまい、町民の敵意が自分達と巨大バッタに注がれていることに対しては、全くといって良い程に無頓着だった。
そしてその巨大バッタは、通常の生物では考えられない程のスピードで、劇的な回復を見せていた――。
* * *
(お父さん……お母さん……僕、もう、駄目だよ……)
少年は、闇の中で泣いていた。
彼を襲った巨大バッタが、坑道内の重要な支柱のひとつを偶然破損させたことで崩落事故を引き起こし、この恐ろしい闇の中に少年を叩き落としてしまったのだ。
更に加えて、少年の両親がどういう訳か、あの巨大バッタを彼の生まれ変わりだなどと錯覚して、連れ帰ってしまった。
つまり――。
(僕を助けに来てくれるひとは……もう、居ないのかな……)
瓦礫の隙間から、その悲劇的な光景を目撃してしまった少年は、死にたくないという本能的な望みと、両親を化け物に取られてしまったという絶望の最中で、それでも必死に生き延びようとしていた。
(死にたくないよ……死にたくない、死にたくない……でも、お父さんも、お母さんも……)
逃げ道を奪われ、心の拠り所さえも失ってしまった僅か8歳の子供にとっては、それは死を迎えるよりも更に辛い苦行であることは、間違いがなかった。
* * *
その町に、数人のハンターが派遣される運びとなった。
ハンター達が到着するという当日の朝、町長はしかし、渋い表情を浮かべたまま、町の玄関口に当たる広場にじっと腕を組んで静かに佇んでいた。
「ブラッグス夫妻には、何と説明したものか……」
町長は、件の巨大バッタを必死に庇い続けるブラッグス夫妻の、懇願するような眼差しを思い出して低く唸った。
確たる証拠がある訳ではない。
しかしながら町の住民達は、巨大バッタを捕縛して事件が収まるようであれば、ほぼ間違いなく、あのバッタが犯人だとして断定出来るといって聞かないのである。
そこで町長はハンターを雇い、巨大バッタを軟禁して様子を見ると同時に、崩落事故が起きた鉱山の再調査を実施することで町民の不信感を何とか抑えようと考えたのである。
「何もかもが、杞憂に終わってくれれば良いんだが……」
不安げに呟く町長の視界の中に、複数名の人影が飛び込んできた。
ハンター達が、町に到着したのだ。
町の近くの鉱山で、崩落事故が発生した。
その日、たまたま地元の子供達を招いての見学会が催されていたのだが、この崩落事故はその子供達をも容赦無く襲った。
幸い、ほとんどの子供達は辛うじて逃げおおせたのだが、ひとりだけが逃げ遅れ、行方不明となった。
その直後、崩落事故現場から一匹の巨大なバッタが瀕死の状態で現れた。
この巨大バッタは、頭部に当たる箇所が行方不明となった子供の顔立ちとよく似ていた。
ほとんど人面バッタと呼んでも良い程の、酷似ぶりであった。
行方不明となった子供の両親はひとり息子が死んだと嘆きに嘆いていたが、その巨大なバッタが息子の生まれ変わりだと思い込み、我が家へと連れ帰った。
そして、現在。
件の巨大バッタと思しき影が、夜な夜な通りのあちこちに出現しては町民を襲い、大怪我を負わせるという事件が相次いだ。
町のひとびとは、巨大バッタを連れ帰った夫妻に疑惑の目を向けた。
だが夫妻は、巨大バッタを愛する我が子の生まれ変わりだと主張するばかりで、ただただバッタを溺愛することだけに意識が囚われてしまい、町民の敵意が自分達と巨大バッタに注がれていることに対しては、全くといって良い程に無頓着だった。
そしてその巨大バッタは、通常の生物では考えられない程のスピードで、劇的な回復を見せていた――。
* * *
(お父さん……お母さん……僕、もう、駄目だよ……)
少年は、闇の中で泣いていた。
彼を襲った巨大バッタが、坑道内の重要な支柱のひとつを偶然破損させたことで崩落事故を引き起こし、この恐ろしい闇の中に少年を叩き落としてしまったのだ。
更に加えて、少年の両親がどういう訳か、あの巨大バッタを彼の生まれ変わりだなどと錯覚して、連れ帰ってしまった。
つまり――。
(僕を助けに来てくれるひとは……もう、居ないのかな……)
瓦礫の隙間から、その悲劇的な光景を目撃してしまった少年は、死にたくないという本能的な望みと、両親を化け物に取られてしまったという絶望の最中で、それでも必死に生き延びようとしていた。
(死にたくないよ……死にたくない、死にたくない……でも、お父さんも、お母さんも……)
逃げ道を奪われ、心の拠り所さえも失ってしまった僅か8歳の子供にとっては、それは死を迎えるよりも更に辛い苦行であることは、間違いがなかった。
* * *
その町に、数人のハンターが派遣される運びとなった。
ハンター達が到着するという当日の朝、町長はしかし、渋い表情を浮かべたまま、町の玄関口に当たる広場にじっと腕を組んで静かに佇んでいた。
「ブラッグス夫妻には、何と説明したものか……」
町長は、件の巨大バッタを必死に庇い続けるブラッグス夫妻の、懇願するような眼差しを思い出して低く唸った。
確たる証拠がある訳ではない。
しかしながら町の住民達は、巨大バッタを捕縛して事件が収まるようであれば、ほぼ間違いなく、あのバッタが犯人だとして断定出来るといって聞かないのである。
そこで町長はハンターを雇い、巨大バッタを軟禁して様子を見ると同時に、崩落事故が起きた鉱山の再調査を実施することで町民の不信感を何とか抑えようと考えたのである。
「何もかもが、杞憂に終わってくれれば良いんだが……」
不安げに呟く町長の視界の中に、複数名の人影が飛び込んできた。
ハンター達が、町に到着したのだ。
リプレイ本文
●薄闇の中の奇跡
鉱山は、町の外れから徒歩でおよそ三時間程度の位置にある。
件の落盤事故以降、坑道の一部は既に閉鎖されており、事故現場周辺は立ち入り禁止となっている。
その影響か、坑道入口付近は鉱夫の姿も幾分少なく見えた。
「何となく……活気というものが感じられないな」
スピノサ ユフ(ka4283)は町で入手しておいた坑道内見取図を片手に、渋い表情を浮かべた。
坑道内での探索を万全にすべく、事前調査と準備には抜かりはない。
だが、行方不明となった子供――エイデン・ブラッグス少年が生きている確証はどこにもなく、下手をすれば最も悲しい結末を自分達の手で町へもたらすことにもなろう。
実のところ、八原 篝(ka3104)もスピノサと同様の暗い予感を胸中に秘めていた。
端的にいえば、篝はエイデンの遺品を持ち帰る腹積もりであった。
「こっちの世界っていうか、少なくともこの周辺では、人間がバッタに変身するなんて事象は誰も聞いたことがないって話だったね」
傍らを行くスピノサに向けて、篝は自身が聞き集めた情報を漠然とした表情で伝えた。
出来れば坑道内部に詳しい町民や、当時の捜索に関わっていたひとびとに同行願いたかったのだが、件の襲撃事件に町が迷惑しており、現在ではブラッグス夫妻に対して良い感情を持つ者が少なくなっており、誰も篝の要求には応じなかった。
それでも行方不明の少年には同情の念が多く見られたのも事実で、出発前、エイデンに関する情報を聞き集めていたリラスティ(ka1001)は事故直前のエイデンの外見や、崩落直後に行われた事故現場周辺の捜索と現場整理に関する情報等を完璧に仕入れている。
また、リラスティは連れてきた柴犬にエイデンの上着の匂いを覚えさせようとしたが、柴犬は多少興味を覚えた程度であり、匂いを覚えたかどうかは分からない。
「ブラッグス夫妻には目をそらさずに、現実を見て欲しいのだけど……でも本音をいえば、何とか生きてて欲しい、かな……」
リラスティは低く呟いた。そんな彼女に、桜型妖精アリスが小さく微笑みかける。探索は任せて――そんなメッセージが笑みの中に秘められていた。
やがて、目的の坑道入口へと辿り着いた。
「篝がランタンを用意しているが、それだけじゃ光源不足だな。松明を持って来ているから、必要なら使ってくれ」
「あ、それじゃあ遠慮なく」
リラスティは、スピノサが差し出した松明を受け取った。
その傍らでは篝が坑道入口付近の道具箱からピッケルを拝借しつつ、傍近くの鉱夫から坑道内の緊急避難場所について聞き出している。
「複数名の成人が三日程度なら急場を凌げる保存食とか、あるんだね」
説明を受けた篝は、内心で希望の光が沸き起こってくるのを感じた。
少年が崩落に巻き込まれず、坑道の奥へ逃げていてくれれば望みはある――そう思うと、それまで篝の心を支配していた暗い思いが一気に晴れていくような気がした。
それは、スピノサも同様だった。
「よし、行こう。エイデン君が必ず生きていると信じて」
ハンター達は表情を引き締めて、崩落現場へと踏み込んでいった。
崩落現場は、複数の坑道が入り混じっている。
捜索は二手に分かれて行われる運びとなり、左側の坑道探索の先頭を任されることとなったスーズリー・アイアンアックス(ka1687)はウォーピック片手に積極的な姿勢で坑道内を這いずり回ったのだが、坑道に入る前に、こんな顛末があった。
「期待してますよッ! ドワーフさんは、坑道内の探索はお手の物だと聞いてますからねぇッ!」
アシュリー・クロウ(ka1354)の底抜けな明るさを込めた声音が、坑道付近に殷々と響く。
すると、スーズリーが慌てて振り返って人差し指を自身の口元に立てた。
「地盤が緩んでる可能性もありますからね。大声は控えた方が良いかもです」
同じくドワーフのノノトト(ka0553)が、やんわりとアシュリーをたしなめた。
アシュリーはごめんごめんと頭を掻く。
「大人しく照明係に徹しまーす。あ、見取図への注釈記入も任せてね」
「うん、まぁ、そうしてくれ」
アシュリーへの対応もそこそこに、スーズリーは入口待機のノノトトを残して探索を開始した。
そして矢張りというか、流石というべきか――スーズリーは最初の捜索では町民が発見出来なかった子供特有の痕跡を、早々に発見した。
傍から見れば何の気無しに這いずり回っているように見えたかも知れないが、スーズリーがこの時発揮した集中力は恐るべきものがあった。
「……リラスティをすぐ呼んで来て欲しい。アリスの力を借りたいと伝えてくれ」
「はいはい~」
スーズリーの要請を受けて、アシュリーは疾風のような勢いで右側の坑道へと走った。
それから数分も経ずしてリラスティとスピノサ、篝、そしてノノトトといった面々が合流してきた。
「この亀裂の向こうに、エイデン君が居る可能性が高い。一見したらもともとあった岩壁のように見えるが、これは間違いなく後から崩落で出来た壁だ」
スーズリーの説明を受けても尚、スピノサや篝、或いはアシュリーといった面々はピンと来ない様子であったが、ノノトトとリラスティにはすぐに理解出来た。
尤も、スピノサから借り受けた松明がなければ、如何にスーズリーといえどもこの違いには気付かなかったということだから、実はスピノサがこの発見に寄与した貢献度も決して小さくはなかった。
ともあれ、アリスを亀裂の向こう側に潜らせていってから、数分後――エイデン発見の報がもたらされたが、同時に衰弱が激しいことも伝えられた。
これは、一刻を争う。
スーズリーはこの後の体力温存などは考えず、全力で岩盤の掘り出しにかかった。
リラスティも加わっての掘削は十分程度続いたが、掘り進んだ向こうには予想外に広い空間が広がっており、そこに、小さな人影――少年が冷たい床の上に横たわっていた。
少年は、恐ろしく顔色が悪かった。呼吸が浅く、意識も朦朧としている。
「こんにちは、ぼくノノトト」
ノノトトの呼び掛けに対して、少年は僅かに瞼を押し開けるだけで、反応が鈍い。
リラスティが傷を洗い、治療の為に施術する隣で、ノノトトは持参していたチョコレートとミネラルウォーターを少年の口元に少しずつ運んでやった。
ミネラルウォーターで傷口を洗浄するというリラスティの発想は決して珍しくはないものの、この場に於いては重要な意味を持つ。
少年の体力が極めて衰弱している点を鑑みれば、この手当ては極めて重要であった。
そうやって手当てを受けている少年の喉が、固形物と水分を飲み下す動きを見せた。どうやら、生きる本能は失われていないらしい。
備蓄の緊急用食糧で急場を凌いでいたとしても、流石に二週間は持たない。ノノトトが用意していたこれらの品々は、少年の生命回復に大きな役割を果たしたといって良い。
「頑張った……本当に、よく頑張ったね。もう大丈夫だから……自分の名前は、いえる?」
篝の呼び掛けに、少年は弱々しくかぶりを振った。声が出せないようである。
少年がチョコレートと水を口にしてひと息つけたところを見計らって、ノノトトが再度呼びかけた。
「きみは、エイデン君だよね?」
この時少年は、僅かな喜色を瞳に浮かべて、小さく頷き返してきた。
スーズリーが静かに拳を握りしめて満足げに頷く傍らで、リラスティがエイデン少年の小さな体躯を毛布にくるんでやりながら、ほっと安堵の吐息を漏らした。
最悪の結末を免れたばかりか、エイデン少年の生還という、最高の形でこの依頼の半分を達成出来たことになるのだ。
嬉しくない訳がなかった。
●正体
同日、夕刻。
町に帰り着いてからの処置は、比較的簡単に話が進んだ。
何を措いても、エイデン少年の生還が極めて大きなインパクトを与えたのはいうまでもない。
あれだけ頑なに巨大バッタを庇い続けていたブラッグス夫妻が、町民を襲う犯人確定の為に巨大バッタを監視させて欲しいと願い出たハンター達の言葉をすんなり受け入れたのも、エイデン少年の生還を喜ぶ気持ちがふたりの感情の大半を占めていたからに相違ない。
それでも、ブラッグス夫妻は巨大バッタを幾らか庇う姿勢を見せていた。
エイデン少年が生還するまでの間は、本気でこの巨大バッタを息子の生まれ変わりだと信じていたのだから、出来れば犯人であって欲しくないと願うのは人情というものであろう。
「流石にちょっと疲れた……後は任せて良いか?」
町に帰り着いてしばらくしてからスーズリーが疲労を訴えたが、誰も責めはしない。
エイデン発見に尽力した第一人者であることを考えると、寧ろここで無理をさせてはならないと誰もが同時に考えていた。
そんな訳でスーズリーを町長宅に残してから、ハンター達はブラッグス家を訪ねた。
ここで漸く、件の巨大バッタと初対面の時である。
「どーもどーもーッ! 清廉潔白なる小説家、アシュリー・クロウですッ! 奇妙奇天烈な人面バッタがいると聞きまして、取材に来ましたよーッ!」
もしもエイデン少年が生還していなかったらブラッグス夫妻が激怒したであろうが、今はそんなことを気に病む必要もなく、アシュリーは明るい調子で堂々と自らの目的を口にした。
「いや、しかし凄いですね、本当に人間みたいな顔してますねッ!」
正確にいえば頭部が人間の顔に近しい形で凹凸を見せており、顔そのものが人間にそっくりという訳ではなかった。
が、確かにエイデン少年の面影は非常に濃く、ブラッグス夫妻が生まれ変わりだと勘違いしたのも、無理は無かった。
これはネタになる、とアシュリーが意気込んだのは正解だったかも知れない。
だが――。
「あくまでも予想だが、こいつは恐らく雑魔だな」
スピノサは、ひと目見て断じた。
決して物的証拠がある訳でもなく、巨大バッタが何かしらの特殊な力を発揮している訳でもない。
よってスピノサは、巨大バッタが隙さえあれば襲いかかろうとしている獰猛な視線から、これを雑魔だと判断したに過ぎないのだが、この予想が的中しているかどうかは、実際に倒してみるしか方法は無い。
「犯人は十中八九、こいつだろうな。後は他に仲間が居るかどうかという点だけだが……」
スピノサの渋面に、ノノトトと篝も追従するような形で表情を強張らせた。
巨大バッタは、本能的に何かを感じていたのか。
夜になって事態が展開したのだが、その早さは幾らか予想を超えていた。
「皆さん、気を付けてッ!」
ノノトトは警告を放つと同時に、戦闘態勢を取った。
巨大バッタは、それまで部屋の隅でじっとしていたのが嘘かと思う程に、極めて敏捷且つ獰猛な勢いで動き出し、ノノトト目がけて襲いかかってきたのである。
何とかロープで縛りつけて動きを封じようとしたが、巨大バッタの膂力は予想外に大きい。
直前まで、ブラッグス夫妻から聞き出した巨大バッタの日頃の様子をメモに纏めていたアシュリーも、事の急を知って即座に動き、魔導短伝話で巡回に出ているスピノサと篝に連絡を取りつつ、ノノトトと並んで巨大バッタを部屋から出さぬよう、入口付近に陣取って身構えた。
「ちょいとばかし、大人しくしてて下さいねッ!」
守りの構えで自らを盾としつつ、巨大バッタの封じ込めに尽力するアシュリー。
それから数分もしないうちに、玄関付近から複数の足音が聞こえてきた。スピノサと篝が、巡回から引き返してきたのである。
「室内か……機導砲は、やめておいた方が良いか」
ブラッグス家に損害を与えるのは、スピノサとしても本望ではない。
出来れば集会所といった公の場で監視したかったというのが本音だが、町民の反対もあり、止む無くブラッグス家で監視することになったという経緯がある為、スピノサも諦めざるを得なかった。
「盾役は任せろ……こいつを、仕留めるぞ」
「へーいッ!」
ムーバブルシールドを前面に押し出して間合いを詰めてゆくスピノサの後ろで、アシュリーが攻めの構えに転じていた。
篝がレイターコールドショットを交えての威嚇射撃で巨大バッタを牽制する間、スピノサとアシュリーが狭い室内で突撃を敢行した。
巨大バッタは真正面からスピノサと激突するも、相打ちにはならない。
「守りはまだ、盤石なつもりでね」
スピノサの防御力は、巨大バッタの強靭な脚力を活かした突撃にも耐えきった。巨大バッタだけが一方的に打撃を受け、動きが鈍るという結果となった。
「うは~ッ! まさかまさか、私が主戦力になっちゃうなんてッ!」
アシュリーが変なところで驚きながら、強打を駆使しつつ巨大バッタに突撃した。
スピノサと激突して動けなくなり、篝が中距離援護射撃を加えているということもあって、アシュリーの攻撃はことごとくヒットした。
巨大バッタが沈黙するのに数分と要しなかったのだから、取材と称してやや傍観する姿勢を見せていたアシュリーも、実はこの面々の中では意外と普通の攻撃力を具えていたことが明らかとなった。
アシュリーにノックアウトされた巨大バッタを、今度こそノノトトが、ロープでぐるぐると縛り上げようとした。
ところが――。
「あ、バッタさんが消えた……」
「えぇーッ! 嘘ぉーッ!」
予想外の事態に誰よりも狼狽したのは、図らずもとどめを刺した格好となったアシュリーであった。
しかし同時に、その死に様から巨大バッタの正体が雑魔であったことも判明し、スピノサの予想が的中していたことが、最大の収穫でもあった。
巨大バッタが町民襲撃の犯人であることは、その正体が雑魔であったことからも明白だった。
事態解決と町民達は喜び、愛する我が子が生還したブラッグス夫妻も巨大バッタの正体には多少の衝撃を受けた様子だったが、それでもハンター達に感謝の念を述べていた。
一方のハンター達もエイデン生還という最高の形で事件を解決出来たことに喜びを感じていたが、ただひとりアシュリーだけは、予想外の結果(自分が巨大バッタを倒してしまった)に、何ともいえない表情を見せていたのが、町民には極めて印象的だったのだという。
「やっと、本来の形に戻ったね」
「……本来、とは?」
帰路、リラスティが何気なく放ったひと言に、スーズリーが小首を傾げた。
リラスティは神妙な面持ちで、尚も続ける。
「親の愛情を受けるべきは我が子であって、雑魔ではない、ということ」
「成る程、確かに」
納得すると同時に、スーズリーはそら恐ろしい気分でもあった。気の迷いとはいえ、雑魔が一時的に人間から愛情を注がれたという事実――。
強い愛情を抱く者は、時として思わぬ方向に突っ走るものだと、改めて考えさせられる一件だった。
鉱山は、町の外れから徒歩でおよそ三時間程度の位置にある。
件の落盤事故以降、坑道の一部は既に閉鎖されており、事故現場周辺は立ち入り禁止となっている。
その影響か、坑道入口付近は鉱夫の姿も幾分少なく見えた。
「何となく……活気というものが感じられないな」
スピノサ ユフ(ka4283)は町で入手しておいた坑道内見取図を片手に、渋い表情を浮かべた。
坑道内での探索を万全にすべく、事前調査と準備には抜かりはない。
だが、行方不明となった子供――エイデン・ブラッグス少年が生きている確証はどこにもなく、下手をすれば最も悲しい結末を自分達の手で町へもたらすことにもなろう。
実のところ、八原 篝(ka3104)もスピノサと同様の暗い予感を胸中に秘めていた。
端的にいえば、篝はエイデンの遺品を持ち帰る腹積もりであった。
「こっちの世界っていうか、少なくともこの周辺では、人間がバッタに変身するなんて事象は誰も聞いたことがないって話だったね」
傍らを行くスピノサに向けて、篝は自身が聞き集めた情報を漠然とした表情で伝えた。
出来れば坑道内部に詳しい町民や、当時の捜索に関わっていたひとびとに同行願いたかったのだが、件の襲撃事件に町が迷惑しており、現在ではブラッグス夫妻に対して良い感情を持つ者が少なくなっており、誰も篝の要求には応じなかった。
それでも行方不明の少年には同情の念が多く見られたのも事実で、出発前、エイデンに関する情報を聞き集めていたリラスティ(ka1001)は事故直前のエイデンの外見や、崩落直後に行われた事故現場周辺の捜索と現場整理に関する情報等を完璧に仕入れている。
また、リラスティは連れてきた柴犬にエイデンの上着の匂いを覚えさせようとしたが、柴犬は多少興味を覚えた程度であり、匂いを覚えたかどうかは分からない。
「ブラッグス夫妻には目をそらさずに、現実を見て欲しいのだけど……でも本音をいえば、何とか生きてて欲しい、かな……」
リラスティは低く呟いた。そんな彼女に、桜型妖精アリスが小さく微笑みかける。探索は任せて――そんなメッセージが笑みの中に秘められていた。
やがて、目的の坑道入口へと辿り着いた。
「篝がランタンを用意しているが、それだけじゃ光源不足だな。松明を持って来ているから、必要なら使ってくれ」
「あ、それじゃあ遠慮なく」
リラスティは、スピノサが差し出した松明を受け取った。
その傍らでは篝が坑道入口付近の道具箱からピッケルを拝借しつつ、傍近くの鉱夫から坑道内の緊急避難場所について聞き出している。
「複数名の成人が三日程度なら急場を凌げる保存食とか、あるんだね」
説明を受けた篝は、内心で希望の光が沸き起こってくるのを感じた。
少年が崩落に巻き込まれず、坑道の奥へ逃げていてくれれば望みはある――そう思うと、それまで篝の心を支配していた暗い思いが一気に晴れていくような気がした。
それは、スピノサも同様だった。
「よし、行こう。エイデン君が必ず生きていると信じて」
ハンター達は表情を引き締めて、崩落現場へと踏み込んでいった。
崩落現場は、複数の坑道が入り混じっている。
捜索は二手に分かれて行われる運びとなり、左側の坑道探索の先頭を任されることとなったスーズリー・アイアンアックス(ka1687)はウォーピック片手に積極的な姿勢で坑道内を這いずり回ったのだが、坑道に入る前に、こんな顛末があった。
「期待してますよッ! ドワーフさんは、坑道内の探索はお手の物だと聞いてますからねぇッ!」
アシュリー・クロウ(ka1354)の底抜けな明るさを込めた声音が、坑道付近に殷々と響く。
すると、スーズリーが慌てて振り返って人差し指を自身の口元に立てた。
「地盤が緩んでる可能性もありますからね。大声は控えた方が良いかもです」
同じくドワーフのノノトト(ka0553)が、やんわりとアシュリーをたしなめた。
アシュリーはごめんごめんと頭を掻く。
「大人しく照明係に徹しまーす。あ、見取図への注釈記入も任せてね」
「うん、まぁ、そうしてくれ」
アシュリーへの対応もそこそこに、スーズリーは入口待機のノノトトを残して探索を開始した。
そして矢張りというか、流石というべきか――スーズリーは最初の捜索では町民が発見出来なかった子供特有の痕跡を、早々に発見した。
傍から見れば何の気無しに這いずり回っているように見えたかも知れないが、スーズリーがこの時発揮した集中力は恐るべきものがあった。
「……リラスティをすぐ呼んで来て欲しい。アリスの力を借りたいと伝えてくれ」
「はいはい~」
スーズリーの要請を受けて、アシュリーは疾風のような勢いで右側の坑道へと走った。
それから数分も経ずしてリラスティとスピノサ、篝、そしてノノトトといった面々が合流してきた。
「この亀裂の向こうに、エイデン君が居る可能性が高い。一見したらもともとあった岩壁のように見えるが、これは間違いなく後から崩落で出来た壁だ」
スーズリーの説明を受けても尚、スピノサや篝、或いはアシュリーといった面々はピンと来ない様子であったが、ノノトトとリラスティにはすぐに理解出来た。
尤も、スピノサから借り受けた松明がなければ、如何にスーズリーといえどもこの違いには気付かなかったということだから、実はスピノサがこの発見に寄与した貢献度も決して小さくはなかった。
ともあれ、アリスを亀裂の向こう側に潜らせていってから、数分後――エイデン発見の報がもたらされたが、同時に衰弱が激しいことも伝えられた。
これは、一刻を争う。
スーズリーはこの後の体力温存などは考えず、全力で岩盤の掘り出しにかかった。
リラスティも加わっての掘削は十分程度続いたが、掘り進んだ向こうには予想外に広い空間が広がっており、そこに、小さな人影――少年が冷たい床の上に横たわっていた。
少年は、恐ろしく顔色が悪かった。呼吸が浅く、意識も朦朧としている。
「こんにちは、ぼくノノトト」
ノノトトの呼び掛けに対して、少年は僅かに瞼を押し開けるだけで、反応が鈍い。
リラスティが傷を洗い、治療の為に施術する隣で、ノノトトは持参していたチョコレートとミネラルウォーターを少年の口元に少しずつ運んでやった。
ミネラルウォーターで傷口を洗浄するというリラスティの発想は決して珍しくはないものの、この場に於いては重要な意味を持つ。
少年の体力が極めて衰弱している点を鑑みれば、この手当ては極めて重要であった。
そうやって手当てを受けている少年の喉が、固形物と水分を飲み下す動きを見せた。どうやら、生きる本能は失われていないらしい。
備蓄の緊急用食糧で急場を凌いでいたとしても、流石に二週間は持たない。ノノトトが用意していたこれらの品々は、少年の生命回復に大きな役割を果たしたといって良い。
「頑張った……本当に、よく頑張ったね。もう大丈夫だから……自分の名前は、いえる?」
篝の呼び掛けに、少年は弱々しくかぶりを振った。声が出せないようである。
少年がチョコレートと水を口にしてひと息つけたところを見計らって、ノノトトが再度呼びかけた。
「きみは、エイデン君だよね?」
この時少年は、僅かな喜色を瞳に浮かべて、小さく頷き返してきた。
スーズリーが静かに拳を握りしめて満足げに頷く傍らで、リラスティがエイデン少年の小さな体躯を毛布にくるんでやりながら、ほっと安堵の吐息を漏らした。
最悪の結末を免れたばかりか、エイデン少年の生還という、最高の形でこの依頼の半分を達成出来たことになるのだ。
嬉しくない訳がなかった。
●正体
同日、夕刻。
町に帰り着いてからの処置は、比較的簡単に話が進んだ。
何を措いても、エイデン少年の生還が極めて大きなインパクトを与えたのはいうまでもない。
あれだけ頑なに巨大バッタを庇い続けていたブラッグス夫妻が、町民を襲う犯人確定の為に巨大バッタを監視させて欲しいと願い出たハンター達の言葉をすんなり受け入れたのも、エイデン少年の生還を喜ぶ気持ちがふたりの感情の大半を占めていたからに相違ない。
それでも、ブラッグス夫妻は巨大バッタを幾らか庇う姿勢を見せていた。
エイデン少年が生還するまでの間は、本気でこの巨大バッタを息子の生まれ変わりだと信じていたのだから、出来れば犯人であって欲しくないと願うのは人情というものであろう。
「流石にちょっと疲れた……後は任せて良いか?」
町に帰り着いてしばらくしてからスーズリーが疲労を訴えたが、誰も責めはしない。
エイデン発見に尽力した第一人者であることを考えると、寧ろここで無理をさせてはならないと誰もが同時に考えていた。
そんな訳でスーズリーを町長宅に残してから、ハンター達はブラッグス家を訪ねた。
ここで漸く、件の巨大バッタと初対面の時である。
「どーもどーもーッ! 清廉潔白なる小説家、アシュリー・クロウですッ! 奇妙奇天烈な人面バッタがいると聞きまして、取材に来ましたよーッ!」
もしもエイデン少年が生還していなかったらブラッグス夫妻が激怒したであろうが、今はそんなことを気に病む必要もなく、アシュリーは明るい調子で堂々と自らの目的を口にした。
「いや、しかし凄いですね、本当に人間みたいな顔してますねッ!」
正確にいえば頭部が人間の顔に近しい形で凹凸を見せており、顔そのものが人間にそっくりという訳ではなかった。
が、確かにエイデン少年の面影は非常に濃く、ブラッグス夫妻が生まれ変わりだと勘違いしたのも、無理は無かった。
これはネタになる、とアシュリーが意気込んだのは正解だったかも知れない。
だが――。
「あくまでも予想だが、こいつは恐らく雑魔だな」
スピノサは、ひと目見て断じた。
決して物的証拠がある訳でもなく、巨大バッタが何かしらの特殊な力を発揮している訳でもない。
よってスピノサは、巨大バッタが隙さえあれば襲いかかろうとしている獰猛な視線から、これを雑魔だと判断したに過ぎないのだが、この予想が的中しているかどうかは、実際に倒してみるしか方法は無い。
「犯人は十中八九、こいつだろうな。後は他に仲間が居るかどうかという点だけだが……」
スピノサの渋面に、ノノトトと篝も追従するような形で表情を強張らせた。
巨大バッタは、本能的に何かを感じていたのか。
夜になって事態が展開したのだが、その早さは幾らか予想を超えていた。
「皆さん、気を付けてッ!」
ノノトトは警告を放つと同時に、戦闘態勢を取った。
巨大バッタは、それまで部屋の隅でじっとしていたのが嘘かと思う程に、極めて敏捷且つ獰猛な勢いで動き出し、ノノトト目がけて襲いかかってきたのである。
何とかロープで縛りつけて動きを封じようとしたが、巨大バッタの膂力は予想外に大きい。
直前まで、ブラッグス夫妻から聞き出した巨大バッタの日頃の様子をメモに纏めていたアシュリーも、事の急を知って即座に動き、魔導短伝話で巡回に出ているスピノサと篝に連絡を取りつつ、ノノトトと並んで巨大バッタを部屋から出さぬよう、入口付近に陣取って身構えた。
「ちょいとばかし、大人しくしてて下さいねッ!」
守りの構えで自らを盾としつつ、巨大バッタの封じ込めに尽力するアシュリー。
それから数分もしないうちに、玄関付近から複数の足音が聞こえてきた。スピノサと篝が、巡回から引き返してきたのである。
「室内か……機導砲は、やめておいた方が良いか」
ブラッグス家に損害を与えるのは、スピノサとしても本望ではない。
出来れば集会所といった公の場で監視したかったというのが本音だが、町民の反対もあり、止む無くブラッグス家で監視することになったという経緯がある為、スピノサも諦めざるを得なかった。
「盾役は任せろ……こいつを、仕留めるぞ」
「へーいッ!」
ムーバブルシールドを前面に押し出して間合いを詰めてゆくスピノサの後ろで、アシュリーが攻めの構えに転じていた。
篝がレイターコールドショットを交えての威嚇射撃で巨大バッタを牽制する間、スピノサとアシュリーが狭い室内で突撃を敢行した。
巨大バッタは真正面からスピノサと激突するも、相打ちにはならない。
「守りはまだ、盤石なつもりでね」
スピノサの防御力は、巨大バッタの強靭な脚力を活かした突撃にも耐えきった。巨大バッタだけが一方的に打撃を受け、動きが鈍るという結果となった。
「うは~ッ! まさかまさか、私が主戦力になっちゃうなんてッ!」
アシュリーが変なところで驚きながら、強打を駆使しつつ巨大バッタに突撃した。
スピノサと激突して動けなくなり、篝が中距離援護射撃を加えているということもあって、アシュリーの攻撃はことごとくヒットした。
巨大バッタが沈黙するのに数分と要しなかったのだから、取材と称してやや傍観する姿勢を見せていたアシュリーも、実はこの面々の中では意外と普通の攻撃力を具えていたことが明らかとなった。
アシュリーにノックアウトされた巨大バッタを、今度こそノノトトが、ロープでぐるぐると縛り上げようとした。
ところが――。
「あ、バッタさんが消えた……」
「えぇーッ! 嘘ぉーッ!」
予想外の事態に誰よりも狼狽したのは、図らずもとどめを刺した格好となったアシュリーであった。
しかし同時に、その死に様から巨大バッタの正体が雑魔であったことも判明し、スピノサの予想が的中していたことが、最大の収穫でもあった。
巨大バッタが町民襲撃の犯人であることは、その正体が雑魔であったことからも明白だった。
事態解決と町民達は喜び、愛する我が子が生還したブラッグス夫妻も巨大バッタの正体には多少の衝撃を受けた様子だったが、それでもハンター達に感謝の念を述べていた。
一方のハンター達もエイデン生還という最高の形で事件を解決出来たことに喜びを感じていたが、ただひとりアシュリーだけは、予想外の結果(自分が巨大バッタを倒してしまった)に、何ともいえない表情を見せていたのが、町民には極めて印象的だったのだという。
「やっと、本来の形に戻ったね」
「……本来、とは?」
帰路、リラスティが何気なく放ったひと言に、スーズリーが小首を傾げた。
リラスティは神妙な面持ちで、尚も続ける。
「親の愛情を受けるべきは我が子であって、雑魔ではない、ということ」
「成る程、確かに」
納得すると同時に、スーズリーはそら恐ろしい気分でもあった。気の迷いとはいえ、雑魔が一時的に人間から愛情を注がれたという事実――。
強い愛情を抱く者は、時として思わぬ方向に突っ走るものだと、改めて考えさせられる一件だった。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
面白かった! | 5人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談部屋 ノノトト(ka0553) ドワーフ|10才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/05/29 00:44:24 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/25 13:28:01 |