ゲスト
(ka0000)
路地裏工房コンフォートの昔話
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/01 12:00
- 完成日
- 2015/06/09 14:25
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●エーレンフリートと宝飾工房コンフォート
極彩色の街ヴァリオスで宝飾の工房を持っていた義父はどちらかと言えば頑固で堅い職人気質の人だった。
彼と仲違いしていた妻を掠い、と言うには温い有様だったが当時は当に掠ったつもりで、工場都市のフマーレで職人達を相手に小さな喫茶店を始めた。
商売が軌道に乗り、常連客が付く頃には妻と義父は和解し、子供も授かった。
店は私と妻と通いの店員が1人で、子供の世話を片手に何とか切り盛りしていた。
子供が長じて孫が生まれる前に、妻は喫茶店の内装にその面影を濃く残して逝って仕舞った。
子供も、孫が生まれてすぐの頃、幼いその娘をこの皺だらけの手に託すように逝って仕舞った。
幼い孫を同じ年頃の子を持つ家に預けて店を開け、夜に締めてから迎えに行き、いつ頃からかその孫娘が店の看板娘と親しまれるようになった。
喫茶店の娘のくせに珈琲だけは上手く煎れられない彼女は、偶然知り合った男に嫁いで、海の町へと去って行った。
その頃、義父の訃報を受け取った。
それから1年ほど、この工房をほったらかしにしたが、昨年孫が帰ってきた。
夫を、海で亡くしたと言って。
詳しくは聞かなかったし、葬式なんかも向こうで済ませたらしいんだが、酷く窶れた顔をしていたから、気晴らしになればと思って店を預けることにしたんだ。
丁度、階段で挫いた足首が痛んで、暫く休もうと思っていたところだったんで、ね。
店の賑わいが少しでもあの子を元気づけてくれれば良いと思っていたんだが、聞く話ではどうにもまだ喪服すら脱がないらしい。
困った娘だ。
君よりも、10程年嵩なんだが。
私の昔話はこんな所か。
それで、暇になったから、工房の片付けついでに、埋もれさせるには惜しい作品を良くしてくれる人に託そうと思って……掃除をしつつ看板を出している。
「だからここにある作品は全て義父の物で、何を言われたって私が君に教えられることもなければ、ここの人手は1人で十分足りている」
「そこを何とか!」
義父の残した宝飾工房。
ヴァリオスの片隅にひっそりと佇む埃っぽいドアを叩いたのは、10代半ばを過ぎた頃の少女だった。
小さな弟を背負った少女が弟子入りと宿を請うてきたとき、エーレンフリートは溜息交じりに他を当たれと手を振った。
「この辺は、君がやっていける土地ではないだろう」
「私、この辺来たばっかなんで! 大丈夫です、やる気はあります!」
●モニカとピノと老舗通り
エーレンフリートと名乗った老人がスカーフに飾っていたブローチはとても素敵な物だった。
外して見せて貰えたのは僥倖。緑の石を細かな細工が囲っている、石の質も細工の技法も、何もかも勉強を始めたばかりだけれど、素晴らしい物だということだけは分かった。
こんな素敵な物を作れるなんて、とその老人に詰め寄ってみたけれど、そのブローチは彼のお義父様の作品らしい。彼との結婚祝いに娘に贈られた物を、今は彼が形見で持っているのだとか。
暫く見とれて、細工の再現方法を考えていたが、どうもこの老人は私をここから追い出したいらしい。
「やる気はあります!」
そう言ったら、
「…………それなら、少し街を見てきなさい」
深い深い溜息を吐いてそう言われた。
私の名前はモニカ・フィオリーノ。背中の小っちゃいのは弟のピノ。まだおんぶ紐が手放せない可愛い弟。
暫く街を歩いてみたけれど、ここの人達はやっぱりちょっと厳しそうだ。
すれ違う人みんな、綺麗な服を着ているし、街の建物はドアも窓もぴかぴかに磨かれている。
窓のガラスには罅の1つも入っていない。
「すっごいねー。……すごいとこに、来ちゃったんだねー」
背中の弟をあやしながら通りを眺める。広い道も細い道も、とっても綺麗に掃かれて、落ち葉の1つも落ちていない。道の並木も軒先の植え込みも丸く整えられて、可憐な花を咲かせている。
花の香りに惹かれたとき、ころん、と足下に何かが転げた。
「あ。ブローチ。……持って来ちゃった」
拾って光を透かしてみる。曇ってきた空の柔らかな光でも、その石はきらきらと眩しく輝いてみせた。
「――街も見たし、帰ろっか。返さないとびっくりしちゃう、だろう、――」
ブローチを翳しながら踵を返したモニカの目が膝下、点々と繋がった土の跡を見た。
何だろうと顔を上げると、彼女の手からブローチを掠った黒い影。
どこから紛れ込んだのか、枯れ葉や土埃に塗れたコボルトが1匹、華やかな通りを走っていった。
「っん、の野郎ぉ――、待てー!」
弟を支えながら、モニカはそのコボルトを追って走り出す。
追いかけっこの目撃者が、ハンターオフィスへ連絡した。
●再び、エーレンフリート
一雨来そうだ。
エーレンフリートは空を見上げて呟いた。
何だか表が騒がしい、あの子はまだ戻らないのか。
諦めたのかも知れないが、まあ、その方が良いだろう。
若い子がやっていける土地ではないし、私も、片付けを終えたらフマーレに帰るつもりだ。
エーレンフリートは傘を手に通りへ出る。
雨の近づく湿り気の所為か、工房に溜まった埃の所為か、軽く咳き込んで空を見た。
雨雲が、差し迫る。
極彩色の街ヴァリオスで宝飾の工房を持っていた義父はどちらかと言えば頑固で堅い職人気質の人だった。
彼と仲違いしていた妻を掠い、と言うには温い有様だったが当時は当に掠ったつもりで、工場都市のフマーレで職人達を相手に小さな喫茶店を始めた。
商売が軌道に乗り、常連客が付く頃には妻と義父は和解し、子供も授かった。
店は私と妻と通いの店員が1人で、子供の世話を片手に何とか切り盛りしていた。
子供が長じて孫が生まれる前に、妻は喫茶店の内装にその面影を濃く残して逝って仕舞った。
子供も、孫が生まれてすぐの頃、幼いその娘をこの皺だらけの手に託すように逝って仕舞った。
幼い孫を同じ年頃の子を持つ家に預けて店を開け、夜に締めてから迎えに行き、いつ頃からかその孫娘が店の看板娘と親しまれるようになった。
喫茶店の娘のくせに珈琲だけは上手く煎れられない彼女は、偶然知り合った男に嫁いで、海の町へと去って行った。
その頃、義父の訃報を受け取った。
それから1年ほど、この工房をほったらかしにしたが、昨年孫が帰ってきた。
夫を、海で亡くしたと言って。
詳しくは聞かなかったし、葬式なんかも向こうで済ませたらしいんだが、酷く窶れた顔をしていたから、気晴らしになればと思って店を預けることにしたんだ。
丁度、階段で挫いた足首が痛んで、暫く休もうと思っていたところだったんで、ね。
店の賑わいが少しでもあの子を元気づけてくれれば良いと思っていたんだが、聞く話ではどうにもまだ喪服すら脱がないらしい。
困った娘だ。
君よりも、10程年嵩なんだが。
私の昔話はこんな所か。
それで、暇になったから、工房の片付けついでに、埋もれさせるには惜しい作品を良くしてくれる人に託そうと思って……掃除をしつつ看板を出している。
「だからここにある作品は全て義父の物で、何を言われたって私が君に教えられることもなければ、ここの人手は1人で十分足りている」
「そこを何とか!」
義父の残した宝飾工房。
ヴァリオスの片隅にひっそりと佇む埃っぽいドアを叩いたのは、10代半ばを過ぎた頃の少女だった。
小さな弟を背負った少女が弟子入りと宿を請うてきたとき、エーレンフリートは溜息交じりに他を当たれと手を振った。
「この辺は、君がやっていける土地ではないだろう」
「私、この辺来たばっかなんで! 大丈夫です、やる気はあります!」
●モニカとピノと老舗通り
エーレンフリートと名乗った老人がスカーフに飾っていたブローチはとても素敵な物だった。
外して見せて貰えたのは僥倖。緑の石を細かな細工が囲っている、石の質も細工の技法も、何もかも勉強を始めたばかりだけれど、素晴らしい物だということだけは分かった。
こんな素敵な物を作れるなんて、とその老人に詰め寄ってみたけれど、そのブローチは彼のお義父様の作品らしい。彼との結婚祝いに娘に贈られた物を、今は彼が形見で持っているのだとか。
暫く見とれて、細工の再現方法を考えていたが、どうもこの老人は私をここから追い出したいらしい。
「やる気はあります!」
そう言ったら、
「…………それなら、少し街を見てきなさい」
深い深い溜息を吐いてそう言われた。
私の名前はモニカ・フィオリーノ。背中の小っちゃいのは弟のピノ。まだおんぶ紐が手放せない可愛い弟。
暫く街を歩いてみたけれど、ここの人達はやっぱりちょっと厳しそうだ。
すれ違う人みんな、綺麗な服を着ているし、街の建物はドアも窓もぴかぴかに磨かれている。
窓のガラスには罅の1つも入っていない。
「すっごいねー。……すごいとこに、来ちゃったんだねー」
背中の弟をあやしながら通りを眺める。広い道も細い道も、とっても綺麗に掃かれて、落ち葉の1つも落ちていない。道の並木も軒先の植え込みも丸く整えられて、可憐な花を咲かせている。
花の香りに惹かれたとき、ころん、と足下に何かが転げた。
「あ。ブローチ。……持って来ちゃった」
拾って光を透かしてみる。曇ってきた空の柔らかな光でも、その石はきらきらと眩しく輝いてみせた。
「――街も見たし、帰ろっか。返さないとびっくりしちゃう、だろう、――」
ブローチを翳しながら踵を返したモニカの目が膝下、点々と繋がった土の跡を見た。
何だろうと顔を上げると、彼女の手からブローチを掠った黒い影。
どこから紛れ込んだのか、枯れ葉や土埃に塗れたコボルトが1匹、華やかな通りを走っていった。
「っん、の野郎ぉ――、待てー!」
弟を支えながら、モニカはそのコボルトを追って走り出す。
追いかけっこの目撃者が、ハンターオフィスへ連絡した。
●再び、エーレンフリート
一雨来そうだ。
エーレンフリートは空を見上げて呟いた。
何だか表が騒がしい、あの子はまだ戻らないのか。
諦めたのかも知れないが、まあ、その方が良いだろう。
若い子がやっていける土地ではないし、私も、片付けを終えたらフマーレに帰るつもりだ。
エーレンフリートは傘を手に通りへ出る。
雨の近づく湿り気の所為か、工房に溜まった埃の所為か、軽く咳き込んで空を見た。
雨雲が、差し迫る。
リプレイ本文
●
雨の迫る気配の中、通りの一角に集まったハンター達。通報した住人が指差す先、点々と繋がった泥の足跡。
それを辿って耳を澄ますと少し先から、悲鳴のような声が聞こえる。
この辺りに出没することの少ないコボルドの姿に、住人達が驚いている声だ。
その声を聞き、向こうの方だね、と通りの先を見据えた白水 燈夜(ka0236)が、柔らかな毛並みを撫でて、猫の伊織を道に下ろす。
アニス・エリダヌス(ka2491)も連れていた柴犬を撫でて足跡を辿らせながら、匂いを終えそうな物を探す。
「ひったくりの逮捕、ねぇ……昔の仕事と何が違うんだか――回り込める道はあるか?」
市警隊からハンターへ転身したシリル・ラングフォード(ka0672)が目を細めて、浮き足立つように騒ぐ通りの先を眺める。
連れた馬を引き、その道を指して住人に尋ねた。
この手の追走劇には慣れている。唯追うだけでは、この人通りで追う側が動けなくなる。その前に、馬で先へ回り込む。
トランシーバーを取り仲間に示す。周波数を合わせると蔵に飛び乗り、脇道へ駆る。
シリルを見届け、コントラルト(ka4753)は彼女の馬を引いて通りを眺めた。
人を避けながら大柄な馬を進め、その馬上で声を上げる。
「泥棒をしたコボルドを追跡をしています、道を空けてくださいませんでしょうか!」
声を振り仰ぐ人々は道を空けるが、馬を全力で走らせられるほどの幅には足りない。
暫し走らせた軒へ、家人に断って繋ぐことにした。
綱を軒の柱に括りながら、逃走先を尋ねると、すぐに走って行ってしまったけれどと前置きし、その家人が道の先を指した。
悲鳴が大分遠いが、まだこの通りを走っているのだろう。コントラルトはすぐに切り替えて道へ走り出した。
「街中でコボルド相手の追走劇か……早く解決したいですね」
「ええ。あまり、騒ぎにはしたくありません」
レオン・フォイアロート(ka0829)は先行したシリルの元へコボルドを追い込もうと、トランシーバーを片手に街を走る。
ギルバート・フォーサイス(ka1395)も彼を助けるように通りへ走り出した。
コントラルトが何人目かの住人に話を聞いている。
見た、見てない、どこで見た、どっちに行った。コボルドはどんどん賑やかな方へ走っているらしい。
「――雨が……」
降る前に片付けたい、湿った空気に髪を戦がせて呟いた。
通りを走る5人のハンター達が足を止めた。
小さな子供を背負った少女の姿。コボルドを追っていると連絡があったのは彼女だろう。
その少女、モニカはハンター達には気付かず、待てー、と叫びながら走って行く。
器用に人を除けてはいるが、コボルドからは距離を離されていく一方だ。
「レディ」
レオンが声を掛けた。彼が併走する様子に、モニカが何事かと尋ねる様に顔を向けた。
「俺が、代わりに背負って走ります」
「平気! ピノはあたしの弟なんだから!」
「うーん……」
白水も隣を走るペースを合わせた。
「うん、まあ、あまり無理せずだな……一緒に追いかけるよ」
ギルバートとアニス、コントラルトも頷き、先で揺れたコボルドの背を睨んだ。
「――何か、分かんないけど! とにかく、ブローチ取り戻さなきゃいけないの!」
モニカがコボルドを指して言う。一瞬傾いだ弟の背をレオンが支え、白水がシリルに連絡した。
モニカは、見られてたなんて恥ずかしいと言いながら、ハンター達に経緯を説明した。
弟子入りを希望した先で見ていたブローチをコボルドが持って行ってしまったと。
住人からの連絡でコボルドと、それを追う少女を追っていたハンター達は、その経緯に頷く。
レオンとギルバートが人の流れを縫いながら脇道へ先回りし、コボルドを真っ直ぐに追い立て、シリルとの合流先へ誘う。
「大切なものでしょうから」
アニスがモニカを振り返る。
「出来るだけ穏便に取り押さえられればいいと思います」
いつもの鎧を脱いで身軽になったローブの裾を翻すと、片腕の盾を構えて少女の前を走って行く。
「道を空けてくださいませんでしょうか!」
コントラルトが再び声を張り上げた。
馬ほどでは無いがコボルドを追う目の妨げにならないように、一歩でも先へ詰められるように。
その声に住人達が道を空けると、コボルドがこちらを振り返る。
モニカを庇うように走るアニス、コボルドを追い込んでいくレオンとギルバート、目を逸らさずトランシーバーでその居場所を伝えている白水、彼等の気迫に戦いたのか跳ね上がってスピードを上げた。
白水からの連絡が入ったとき、シリルは元の通りへの合流を間近にしていた。
少々入り組んだ道を走り抜け、あと2つ曲がったらというところだ。住人に確かめた道を直走り、何とか間に合ったという状況、追い込めそうかと尋ねると、白水が暫く黙った。
――大丈夫、かな。うん……もう少し先だね、次の角――
――……連絡を取りながら、とは、便利になったものですね……この先でそちらへ追い込めそうです――
トランシーバーに白水とレオンの声が行き交って。
「よし、その大通りの角で合わせる……こちらはすぐに封鎖する」
次を曲がって、その先へ、あとは直進。いくつか繋がった道の中でも割合に広いものだが人気は疎らだ。
嘶く馬を抑えながらその道で騎乗したまま留まる。
レオンが走ったと、白水の声が届いた。
静かに件を取る。トランシーバーから流れてきた会話に、ブローチを持っているであろうコボルドを斬って血で汚せないと察したが、こちらへ逃げ込むなら剣腹や柄で殴るくらいは必要だろう。
構えて覗っていると、走り抜ける影が見えた。レオンとギルバートのようだ。コボルドの姿はこちらからは見えないが、2人が追い込んでくる辺りへ狙いを付けた。
●
「人の手に寄る物も悪くないですが、エルフが作った細工に興味はないですか……?」
コボルドの前に走り出たギルバートが、手の先で首飾りを揺らす。コボルドの手にはその爪にピンを引っ掛けるようにブローチが握られていた。
飾りを揺らしブローチから興味を反らそうと狙うが、コボルドの手がブローチを離そうとする様子が無い。
「穏便にはいかないようですね……」
威嚇の様子を見せるコボルドに、ギルバートはペンダントを引いて、首に付け直した。
側で構えていたレオンがコボルドの方へ走る。
「ここでは、戦えません。追い込みますよ」
馬の嘶きがこちらだと呼ぶように響いた。
飼い主よりも先に人の流れを抜けたらしい猫と犬が飛び出してくる。それを追うようにモニカとアニス、コントラルトが到着し、白水も最後の連絡を終えたトランシーバーを切った。
「追い込むけど、こっちに逃げないように、見張ってて貰おう」
白水が通りがかりの住人に声を掛ける。協力を名乗り出た数人が空を指した。
その傍ら、レオンが暗さの増していく空を見上げると、その頬にぽたりと雫が落ちてきた。
「モニカさん、これを……」
コボルドの挙動からは目を逸らさず、青い外套をモニカの背へ。小さな弟ごと雨を凌げるように被せた。
「好きでやっていることです、気にする事はありませんよ」
空気は暖かいが、触れる雫は冷たい。小さな子が濡れたら風邪を引いて仕舞いそうだ。
モニカは外套を被って弟を背負い直すと、怪訝そうな目を向けたが、小柄な身体を揺らして頭を下げた。
ぽつ、ぽつ、とその外套を打って、青を更に深い色に濡らす雨粒が、次第に勢いを増して降り注いでくる。
ハンター達が住人に背を向ける。
雨足がこれ以上強くなる前に、気が逸っていく。
ハンター達に追われたコボルドは、ギルバートに進路を塞がれ、レオンに追われて逃げだそうとしたところをコントラルトに阻まれた。
尚も指にはブローチを握ったまま、角を曲がって追い込まれていく。
「こっちだ、そのまま追い立ててくれ」
シリルが馬を跳ねさせて呼ぶ。正面に見付けたもう1人のハンターに、けれど、コボルドは引き返す術も無く走って行く。
ハンター達がそれぞれに武器を構えた。
街中と考慮してか、それは鞘に収めたままの剣だったり、アニスは剣を持たず盾だけを翳した。
シリルの隙を探しながら走って行くコボルドの足を狙い、白水は短杖を振り翳した。
雨に紛れて放たれた魔力の水、黒の目を瞬き1つ青に染め、羽の幻影を煌めかせ。
狙って降ってくるそれが掠めると、コボルドは慌てて向きを変えて走ってくる。
「モニカさん、下がってください――逃げられると思いましたか?」
アニスがモニカを下がらせ、レオンが背に庇う。
走ってきたコボルドを盾で弾き、地面にその身体を転がした。
アニスの青い瞳にその虹彩に複雑な文様を描く魔方陣が浮かび、背中に光の羽が羽ばたいた。
「行き止まりですよ」
倒れたコボルドの前に盾の表面を突き付けてそう宣言する。
白水が振り返り、シリルも馬を寄せてくる。レオンの後ろからモニカが覗き、動きを止めたコボルドにほっと零れた安堵の呼気の音に、ギルバートも胸を撫で下ろした。
コントラルトがコボルドの手からブローチを拾い、汚れが無い事を確かめてからモニカの手に握らせる。
「帰りましょうか」
声を掛けると、ぱたりと雨音が強くなる。目を覚ましたらしいコボルドは摘まみ上げられるとじたばたと震えた後、通りを抜けて細い路地へ逃げていった。
急いだ方が良い、と誰からともなく言いだし、モニカを連れて一先ずとブローチの返却先へ走った。
●
雨足を強め煙るほどにまでなった雨が、次第に弱まってきた帰り道、傘を手に通りを歩く老人の姿があった。
「エーレンフリートさん!」
ハンター達と歩いていたモニカが声を上げて走っていった。
ああ、あの人かと、帰途に聞いたモニカの話に思い至るハンター達もそちらへ向かう。
濡れたままではと工房へ誘われ、狭い部屋の中、タオルを渡された。
モニカがエーレンフリートにブローチを返し、経緯を説明して悄気た頭を下げている。
「――でも、今度から気をつけます! だから、どうか、追い出さないで下さい!」
弟を背負ったまま項垂れているモニカの肩に、コントラルトが手を乗せた。
「モニカ……」
モニカが円らな目を潤ませてコントラルトの唇をじっと見詰める。
何を言うつもりかと、瞬きもせず。
「貴女が弟さんと頑張るために一生懸命なのは分かるわ」
静かに言い聞かせるように、穏やかな口調でコントラルトは語る。
「貴女の今一番大事なことは何?」
職人になることも、弟と生きていくことも、どちらも一度に出来れば良いのだけど、そうでないなら、まず貴女自身の基盤を固めなさい。
全てを一度にやるのは難しい。だから、一つ一つ積み上げていくしかないの。
そう言って、分かるかしらとモニカの瞳を見詰め返すコントラルトの赤い瞳が優しげに眦を垂れた。
「わたしもそう思います。熱意はとても大切なものです……まずは地に足を付けてからが良いのではないでしょうか……」
夢を追うのは、それからでも十分と。
「モニカさんはどうしたいんですか」
濡れた青い外套を片腕に掛け、屈んで視線を合わせたレオンが尋ねる。
職人になりたいのか、それとも、弟を養う働き口が欲しいのか。
「なあ親父、こいつらガキ二人、面倒見れる心当たりはねぇのか? 聞いたが、あんたの孫とかよ」
シリルがエーレンフリートに尋ねると、白水がぽん、と手を打ち孫と呟く。
「エーレンフリートさん? お孫さんには、よくお世話に……」
喫茶店のオーナーで、代理が喪服の看板娘。あの店はとても賑わっていた。訪れた客の依頼を思いながらふわりと柔らかく頬を緩めた。
「ん……モニカが良ければとぱぁずで働きながら、宝飾の勉強するのはどうかな?」
エーレンフリートが、ふむと顎に手を添えてモニカを見た。
「弟の面倒を見てやれる人間がいりゃあ、働くことも楽なんだろうが……」
シリルの言葉に老人は瞬く、彼自身が幼い孫を預けていた家、或いは同じように支えてくれる家はあるだろう、
「確かに、それも1つの手だと思いますよ」
レオンが頷くと、モニカが視線を揺らした。
「私もモニカ殿の希望が通るように力添えをしたいものです」
何か手を貸すことはとギルバートが尋ねると、エーレンフリートは首を横に揺らし、モニカはじっと見詰めてくる。
「地に足を付ける、いい段取りだとおもいますよ」
アニスがにこりと微笑んだ。
「モニカ、私も、貴女が一つ一つ積み上げていくお手伝いならいくらでもするわ」
うろうろと彷徨ったモニカの眼差しがコントラルトに戻って来る。モニカの背に老人の皺の多い手が乗った。
「孫に、連絡を取ろう。それまではここにいなさい。訳も聞かずに放り出したりはしないから、この人達の言うように、もう少し省みなさい」
老人の言葉に少女がこくりと頷いて、今まで静かにしていた弟がその背中でふにゃふにゃと笑い出した。
ハンター達が3人に見送られて工房を出たのは雨が上がる頃。
空に鮮やかな虹の橋が架かっていた。
雨の迫る気配の中、通りの一角に集まったハンター達。通報した住人が指差す先、点々と繋がった泥の足跡。
それを辿って耳を澄ますと少し先から、悲鳴のような声が聞こえる。
この辺りに出没することの少ないコボルドの姿に、住人達が驚いている声だ。
その声を聞き、向こうの方だね、と通りの先を見据えた白水 燈夜(ka0236)が、柔らかな毛並みを撫でて、猫の伊織を道に下ろす。
アニス・エリダヌス(ka2491)も連れていた柴犬を撫でて足跡を辿らせながら、匂いを終えそうな物を探す。
「ひったくりの逮捕、ねぇ……昔の仕事と何が違うんだか――回り込める道はあるか?」
市警隊からハンターへ転身したシリル・ラングフォード(ka0672)が目を細めて、浮き足立つように騒ぐ通りの先を眺める。
連れた馬を引き、その道を指して住人に尋ねた。
この手の追走劇には慣れている。唯追うだけでは、この人通りで追う側が動けなくなる。その前に、馬で先へ回り込む。
トランシーバーを取り仲間に示す。周波数を合わせると蔵に飛び乗り、脇道へ駆る。
シリルを見届け、コントラルト(ka4753)は彼女の馬を引いて通りを眺めた。
人を避けながら大柄な馬を進め、その馬上で声を上げる。
「泥棒をしたコボルドを追跡をしています、道を空けてくださいませんでしょうか!」
声を振り仰ぐ人々は道を空けるが、馬を全力で走らせられるほどの幅には足りない。
暫し走らせた軒へ、家人に断って繋ぐことにした。
綱を軒の柱に括りながら、逃走先を尋ねると、すぐに走って行ってしまったけれどと前置きし、その家人が道の先を指した。
悲鳴が大分遠いが、まだこの通りを走っているのだろう。コントラルトはすぐに切り替えて道へ走り出した。
「街中でコボルド相手の追走劇か……早く解決したいですね」
「ええ。あまり、騒ぎにはしたくありません」
レオン・フォイアロート(ka0829)は先行したシリルの元へコボルドを追い込もうと、トランシーバーを片手に街を走る。
ギルバート・フォーサイス(ka1395)も彼を助けるように通りへ走り出した。
コントラルトが何人目かの住人に話を聞いている。
見た、見てない、どこで見た、どっちに行った。コボルドはどんどん賑やかな方へ走っているらしい。
「――雨が……」
降る前に片付けたい、湿った空気に髪を戦がせて呟いた。
通りを走る5人のハンター達が足を止めた。
小さな子供を背負った少女の姿。コボルドを追っていると連絡があったのは彼女だろう。
その少女、モニカはハンター達には気付かず、待てー、と叫びながら走って行く。
器用に人を除けてはいるが、コボルドからは距離を離されていく一方だ。
「レディ」
レオンが声を掛けた。彼が併走する様子に、モニカが何事かと尋ねる様に顔を向けた。
「俺が、代わりに背負って走ります」
「平気! ピノはあたしの弟なんだから!」
「うーん……」
白水も隣を走るペースを合わせた。
「うん、まあ、あまり無理せずだな……一緒に追いかけるよ」
ギルバートとアニス、コントラルトも頷き、先で揺れたコボルドの背を睨んだ。
「――何か、分かんないけど! とにかく、ブローチ取り戻さなきゃいけないの!」
モニカがコボルドを指して言う。一瞬傾いだ弟の背をレオンが支え、白水がシリルに連絡した。
モニカは、見られてたなんて恥ずかしいと言いながら、ハンター達に経緯を説明した。
弟子入りを希望した先で見ていたブローチをコボルドが持って行ってしまったと。
住人からの連絡でコボルドと、それを追う少女を追っていたハンター達は、その経緯に頷く。
レオンとギルバートが人の流れを縫いながら脇道へ先回りし、コボルドを真っ直ぐに追い立て、シリルとの合流先へ誘う。
「大切なものでしょうから」
アニスがモニカを振り返る。
「出来るだけ穏便に取り押さえられればいいと思います」
いつもの鎧を脱いで身軽になったローブの裾を翻すと、片腕の盾を構えて少女の前を走って行く。
「道を空けてくださいませんでしょうか!」
コントラルトが再び声を張り上げた。
馬ほどでは無いがコボルドを追う目の妨げにならないように、一歩でも先へ詰められるように。
その声に住人達が道を空けると、コボルドがこちらを振り返る。
モニカを庇うように走るアニス、コボルドを追い込んでいくレオンとギルバート、目を逸らさずトランシーバーでその居場所を伝えている白水、彼等の気迫に戦いたのか跳ね上がってスピードを上げた。
白水からの連絡が入ったとき、シリルは元の通りへの合流を間近にしていた。
少々入り組んだ道を走り抜け、あと2つ曲がったらというところだ。住人に確かめた道を直走り、何とか間に合ったという状況、追い込めそうかと尋ねると、白水が暫く黙った。
――大丈夫、かな。うん……もう少し先だね、次の角――
――……連絡を取りながら、とは、便利になったものですね……この先でそちらへ追い込めそうです――
トランシーバーに白水とレオンの声が行き交って。
「よし、その大通りの角で合わせる……こちらはすぐに封鎖する」
次を曲がって、その先へ、あとは直進。いくつか繋がった道の中でも割合に広いものだが人気は疎らだ。
嘶く馬を抑えながらその道で騎乗したまま留まる。
レオンが走ったと、白水の声が届いた。
静かに件を取る。トランシーバーから流れてきた会話に、ブローチを持っているであろうコボルドを斬って血で汚せないと察したが、こちらへ逃げ込むなら剣腹や柄で殴るくらいは必要だろう。
構えて覗っていると、走り抜ける影が見えた。レオンとギルバートのようだ。コボルドの姿はこちらからは見えないが、2人が追い込んでくる辺りへ狙いを付けた。
●
「人の手に寄る物も悪くないですが、エルフが作った細工に興味はないですか……?」
コボルドの前に走り出たギルバートが、手の先で首飾りを揺らす。コボルドの手にはその爪にピンを引っ掛けるようにブローチが握られていた。
飾りを揺らしブローチから興味を反らそうと狙うが、コボルドの手がブローチを離そうとする様子が無い。
「穏便にはいかないようですね……」
威嚇の様子を見せるコボルドに、ギルバートはペンダントを引いて、首に付け直した。
側で構えていたレオンがコボルドの方へ走る。
「ここでは、戦えません。追い込みますよ」
馬の嘶きがこちらだと呼ぶように響いた。
飼い主よりも先に人の流れを抜けたらしい猫と犬が飛び出してくる。それを追うようにモニカとアニス、コントラルトが到着し、白水も最後の連絡を終えたトランシーバーを切った。
「追い込むけど、こっちに逃げないように、見張ってて貰おう」
白水が通りがかりの住人に声を掛ける。協力を名乗り出た数人が空を指した。
その傍ら、レオンが暗さの増していく空を見上げると、その頬にぽたりと雫が落ちてきた。
「モニカさん、これを……」
コボルドの挙動からは目を逸らさず、青い外套をモニカの背へ。小さな弟ごと雨を凌げるように被せた。
「好きでやっていることです、気にする事はありませんよ」
空気は暖かいが、触れる雫は冷たい。小さな子が濡れたら風邪を引いて仕舞いそうだ。
モニカは外套を被って弟を背負い直すと、怪訝そうな目を向けたが、小柄な身体を揺らして頭を下げた。
ぽつ、ぽつ、とその外套を打って、青を更に深い色に濡らす雨粒が、次第に勢いを増して降り注いでくる。
ハンター達が住人に背を向ける。
雨足がこれ以上強くなる前に、気が逸っていく。
ハンター達に追われたコボルドは、ギルバートに進路を塞がれ、レオンに追われて逃げだそうとしたところをコントラルトに阻まれた。
尚も指にはブローチを握ったまま、角を曲がって追い込まれていく。
「こっちだ、そのまま追い立ててくれ」
シリルが馬を跳ねさせて呼ぶ。正面に見付けたもう1人のハンターに、けれど、コボルドは引き返す術も無く走って行く。
ハンター達がそれぞれに武器を構えた。
街中と考慮してか、それは鞘に収めたままの剣だったり、アニスは剣を持たず盾だけを翳した。
シリルの隙を探しながら走って行くコボルドの足を狙い、白水は短杖を振り翳した。
雨に紛れて放たれた魔力の水、黒の目を瞬き1つ青に染め、羽の幻影を煌めかせ。
狙って降ってくるそれが掠めると、コボルドは慌てて向きを変えて走ってくる。
「モニカさん、下がってください――逃げられると思いましたか?」
アニスがモニカを下がらせ、レオンが背に庇う。
走ってきたコボルドを盾で弾き、地面にその身体を転がした。
アニスの青い瞳にその虹彩に複雑な文様を描く魔方陣が浮かび、背中に光の羽が羽ばたいた。
「行き止まりですよ」
倒れたコボルドの前に盾の表面を突き付けてそう宣言する。
白水が振り返り、シリルも馬を寄せてくる。レオンの後ろからモニカが覗き、動きを止めたコボルドにほっと零れた安堵の呼気の音に、ギルバートも胸を撫で下ろした。
コントラルトがコボルドの手からブローチを拾い、汚れが無い事を確かめてからモニカの手に握らせる。
「帰りましょうか」
声を掛けると、ぱたりと雨音が強くなる。目を覚ましたらしいコボルドは摘まみ上げられるとじたばたと震えた後、通りを抜けて細い路地へ逃げていった。
急いだ方が良い、と誰からともなく言いだし、モニカを連れて一先ずとブローチの返却先へ走った。
●
雨足を強め煙るほどにまでなった雨が、次第に弱まってきた帰り道、傘を手に通りを歩く老人の姿があった。
「エーレンフリートさん!」
ハンター達と歩いていたモニカが声を上げて走っていった。
ああ、あの人かと、帰途に聞いたモニカの話に思い至るハンター達もそちらへ向かう。
濡れたままではと工房へ誘われ、狭い部屋の中、タオルを渡された。
モニカがエーレンフリートにブローチを返し、経緯を説明して悄気た頭を下げている。
「――でも、今度から気をつけます! だから、どうか、追い出さないで下さい!」
弟を背負ったまま項垂れているモニカの肩に、コントラルトが手を乗せた。
「モニカ……」
モニカが円らな目を潤ませてコントラルトの唇をじっと見詰める。
何を言うつもりかと、瞬きもせず。
「貴女が弟さんと頑張るために一生懸命なのは分かるわ」
静かに言い聞かせるように、穏やかな口調でコントラルトは語る。
「貴女の今一番大事なことは何?」
職人になることも、弟と生きていくことも、どちらも一度に出来れば良いのだけど、そうでないなら、まず貴女自身の基盤を固めなさい。
全てを一度にやるのは難しい。だから、一つ一つ積み上げていくしかないの。
そう言って、分かるかしらとモニカの瞳を見詰め返すコントラルトの赤い瞳が優しげに眦を垂れた。
「わたしもそう思います。熱意はとても大切なものです……まずは地に足を付けてからが良いのではないでしょうか……」
夢を追うのは、それからでも十分と。
「モニカさんはどうしたいんですか」
濡れた青い外套を片腕に掛け、屈んで視線を合わせたレオンが尋ねる。
職人になりたいのか、それとも、弟を養う働き口が欲しいのか。
「なあ親父、こいつらガキ二人、面倒見れる心当たりはねぇのか? 聞いたが、あんたの孫とかよ」
シリルがエーレンフリートに尋ねると、白水がぽん、と手を打ち孫と呟く。
「エーレンフリートさん? お孫さんには、よくお世話に……」
喫茶店のオーナーで、代理が喪服の看板娘。あの店はとても賑わっていた。訪れた客の依頼を思いながらふわりと柔らかく頬を緩めた。
「ん……モニカが良ければとぱぁずで働きながら、宝飾の勉強するのはどうかな?」
エーレンフリートが、ふむと顎に手を添えてモニカを見た。
「弟の面倒を見てやれる人間がいりゃあ、働くことも楽なんだろうが……」
シリルの言葉に老人は瞬く、彼自身が幼い孫を預けていた家、或いは同じように支えてくれる家はあるだろう、
「確かに、それも1つの手だと思いますよ」
レオンが頷くと、モニカが視線を揺らした。
「私もモニカ殿の希望が通るように力添えをしたいものです」
何か手を貸すことはとギルバートが尋ねると、エーレンフリートは首を横に揺らし、モニカはじっと見詰めてくる。
「地に足を付ける、いい段取りだとおもいますよ」
アニスがにこりと微笑んだ。
「モニカ、私も、貴女が一つ一つ積み上げていくお手伝いならいくらでもするわ」
うろうろと彷徨ったモニカの眼差しがコントラルトに戻って来る。モニカの背に老人の皺の多い手が乗った。
「孫に、連絡を取ろう。それまではここにいなさい。訳も聞かずに放り出したりはしないから、この人達の言うように、もう少し省みなさい」
老人の言葉に少女がこくりと頷いて、今まで静かにしていた弟がその背中でふにゃふにゃと笑い出した。
ハンター達が3人に見送られて工房を出たのは雨が上がる頃。
空に鮮やかな虹の橋が架かっていた。
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【相談卓】ブローチを追って 白水 燈夜(ka0236) 人間(リアルブルー)|21才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/06/01 02:34:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/29 13:20:09 |