負けられない戦いが、ここにある……かも?

マスター:香月丈流

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/06/02 22:00
完成日
2015/06/10 23:46

みんなの思い出

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オープニング

 男には、自分以外の『何か』のために戦う時がある。
 漢(おとこ)には、己のプライドを賭けて戦わねばならない時がある。
 男として……雄として生まれた者は、誰でも『強者に挑戦する権利』を与えられている。
 それを使って生きるか、使わないで生きるかは、自分にしか決められない。
 だが……大半の男は知っている。
 敵を倒した先に、栄光が待っている事を。

「お前……もう一回言ってみろ!」
 大地を震わせるような怒声を上げ、ドワーフの男性がテーブルを叩く。衝撃で卓上からビンが落下し、軽い破裂音が室内に響いた。
 ドワーフが怒りの視線を送っている相手は、エルフの男性。細い指で髪を掻き上げ、軽く鼻で笑って見せた。
「フッ。言葉を一度で理解できないとは……キミの耳や頭は、デキの悪い飾りのようだね」
 挑発的な言葉に、ドワーフの怒りが加速していく。この2人だけでなく、周囲に居る同族達も似たようにギスギスしているが。
 クリムゾンウェストの有史以来、エルフとドワーフは犬猿の中。生活スタイルや考え方まで全く違うらしく、互いを認める気は無いようだ。
 とは言え、種族全体が険悪というワケではない。エルフと仲の良いドワーフも居るし、混血児の存在も確認されている。いつか、笑顔で手を取り合える日が来るかもしれないが……気の遠くなるような未来の話かもしれない。
「脳細胞の少ないドワーフさん達のために、もう一度言ってあげるよ。神霊樹で耳の穴カッポじって、良く聞きたまえ」
 言いながら、エルフがイスから立ち上がる。神聖な神霊樹で耳掃除をしたら色んな意味で大問題になるし、間違い無く使い勝手は悪い。その点に誰もツッコむ事なく、エルフ男性の叫びが響いた。
「この世界……いや、リアルブルーを含めても、一番美しくて気高いのは、ボク達エルフの女性達なのさ!」
 彼に同意するように、室内のエルフ族が声を上げる。周囲の緊張感が完全に崩壊しているが……気にしたら負けである。
「馬鹿言ってんじゃねぇ! どっからどう見ても、ドワーフの女の方が健康的で美人じゃねぇか!」
 エルフ達と同じように、ドワーフ達も野太い声で叫ぶ。どうやら……お互いに『自分の種族の女性が一番美しい』と思っているようだ。
 彼等が口論するキッカケになったのは、数十分前の事。たまたま、同じ日に戦闘訓練を行った集団があった。訓練中に顔を合わせる機会は無かったが、終了後に町の酒場でバッタリ遭遇。最初は互いに無視し合っていたが……。
 酒が入ってテンションが上がったのか、声が大きくなり、会話内容も過激化。気付いた時には大声で罵り合い、今に至る。
「美しい者を『美しい』と素直に言えないなんて……ここまで愚かだと、むしろ同情したくなるよ」
「それは俺のセリフだ! ドワーフが美人揃いだから羨ましいんだろ? 男の嫉妬は見苦しいぜ?」
 完全に『デキ上がっている』酔っ払いに、冷静な判断が出来るワケが無い。売り言葉に買い言葉が続き、室内で暴言が飛び交っている。良い子やチビッ子には、絶対に見せられない光景である。
「ここまで言っても通じないとは……こうなったら、体に叩き込むしかないね……!」
「上等だ! 表ぇ出やがれ!」
 叫ぶや否や、ドワーフとエルフ達は、敵意を剥き出しにして酒場から出て行った。残ったのは、店員数名と店長……それと、飲み食いした跡だけ。
「お代……貰ってないんだけどなぁ……」
 呟いた店長の言葉は、虚しく響いた。

リプレイ本文


「ドワーフの女達は……」
「ボク達エルフ族の女性は……」
『世界一ィィィィィ!』
 荒野に響く、男達の熱い雄叫び。東側にはドワーフ達が陣取り、気勢を上げている。その正面……西側にはエルフ達が集結し、挑発的な視線を送っていた。互いの頭数を合わせれば、100人前後になるだろう。
 緊張感と熱気が高まり、周囲の空気が張り詰めていく。どちらからともなく、両軍は地面を蹴って疾走。十数メートル離れていた距離が、一気に詰まっていく。
「待て貴様ら!」
 不意に、凛とした声が荒野を駆け抜けた。次いで聞こえてきたのは、馬が地面を踏み締める音。エルフとドワーフが脚を止めると、両軍の間に3騎の騎馬が駆け込んできた。
「弱き者も婦女子も、全て等しく美しく守るべきものだ! それを暴動を起こして殴り合うなど……何を考えている!」
 金色の短髪が陽光の下で輝き、紺碧の瞳が100人を射抜く。甲冑を纏った女騎士、ゲルト・フォン・B(ka3222)の登場に驚いたのか、両軍とも言葉も無く立ち尽くしている。
 彼等の戦意を更に削ぐため、ルゥルゥ・F=カマル(ka2994)は馬から跳び下りてドワーフ達の正面に移動した。
「これだけの人数、よく集めたものだね。ドワーフの女としては、冥利に尽きるが……だからこそ、行かせないよ……!」
 凛々しく、有無を言わさぬ強い口調。140cmにも満たない細身の少女から、圧倒的な威圧感が放たれている。
「皆さんのお気持ちは分かりますけど……その前にお話しましょう!」
 2人とは対照的に、柔らかい笑顔で訴えているのは、ソレイル・ラ=ジャンティ(ka3083)。赤茶色のボブカットに、パッチリした瞳が印象的な少女……いや、少年である。容姿は完全に『美少女』だが。
 美少女3人(?)の登場で、完全に動きの止まったドワーフ達。馬で移動した彼女達から若干遅れ、更に5人の男性が荒野に姿を現した。
「やだ、エルフの男達もなかなか素敵じゃない! 殴り合う前に、あたしとお話しましょうよ♪」
 開口一番、Non=Bee(ka1604)がハスキーな声で歓喜を表す。ドワーフにしては長身の170cmで、流れるような黒髪。褐色の肌と、若干着崩した和服は、エキゾチックな『大人の魅力』を感じさせる。
 その美貌に、エルフ達も歓声を漏らしているが……Beeも、ソレイルと同じで『男性』。種族どころか、性別を超えた美しさが、ココに在る。
「ふふふ……『愛の伝道師』こと加茂忠国が、皆さんに教えてあげますよ。女性というものの、本当の魅力をね!」
 Beeに負けず劣らず、加茂 忠国(ka4451)もテンションが高い。リアルブルーの、古い学生服の一種『バンカラ』に似た衣装を纏い、マントを大きく広げてみせた。彼の青い瞳が怪しく輝いて見えるのは……気のせいだろうか?
 第三者の登場で、若干の落ち着きを取り戻した両軍。このまま事態が鎮静化するかと思ったが……世の中、そう甘くはない。
「誰が何と言おうが、俺は戦うぞ! エルフの魅力が伝えるまで!」
「エルフに負けるな! ドワーフの根性を見せろ!」
 無駄に男気溢れる者達が叫ぶと、それに呼応して男達も声を上げた。とは言え、戦闘意欲を燃やしているのは、全体の4割程度。それ以外の者は、話し合いに応じようとしている。
(まったく……ただ単に、女好きの連中が自分達の好みを主張し合っているだけじゃないか)
 ヴァイス(ka0364)は男達の叫びを聞きながら、軽く溜息を吐いた。少々強面で狼のような鋭い目をしているが、彼も実は女好き。故に、両軍の主張が理解できる部分もあったりする。
 治まりかけていた好戦的な空気が、再び高まっていく。両軍が激突するより早く、役犬原 昶(ka0268)は両軍に向かって叫んだ。
「男なら……いや、漢(おとこ)なら! 拳で語ってみやがれ! 俺が全部受け止めてやるぜ!」
 恐れも疑いも迷いも無い、力強い一言。状況だけ考えれば『火に油』だが、聞く耳持たない連中を一掃するには良い作戦かもしれない。仲間達から離れた位置に居る昶に向かって、両軍から『活きの良い者達』が殺到した。
「1人で盛り上がるなよ。俺も手を貸すぜ?」
 ニヤリと笑い、ヴァイスが昶に並び立つ。2人は視線を合わせて拳を合わせると、迫り来るドワーフとエルフに対して身構えた。
 ヴァイスは相手の攻撃を避け、鍛え抜かれた肉体から『愛の拳』を打ち出す。拳撃がエルフの腹部を直撃し、そのまま相手は膝から崩れ落ちた。
 昶の方は、拳を避ける素振りを見せない。攻撃を見切りながらも、拳を全身で受け止めている。
「てめぇの拳(おもい)はこんなもんか! この程度の拳(おもい)でギャンギャン喚いていやがったのか!」
 拳と拳のぶつかり合いは、言葉を使わない会話。想いを込めた拳を避ける事は、肉体言語使いの昶にとっては失礼に値する。だからこそ、彼は拳を全て受け、『返事』の拳撃を放った。
 2人以外にも、両軍と戦っている者がもう1人。
「暴徒鎮圧は憲兵さんのお仕事。本業開始と行きますか……取り出したるは、この八尺棒」
 不敵に微笑みながら、トマーゾ・ヴェント(ka3781)は身長と同じ長さの八角棍を構える。ほんの数秒だけ目を閉じて息を吐き、開眼と同時に地面を蹴った。
 距離を詰めて八角棍を奔らせ、尻を叩いたり、脚を払って転ばせたり、手加減して両軍を攻撃。狙いは定めず、真紅の双眸に映った者を片っ端から殴っている。
 ハンター3人が両軍の相手をしているが、彼等に目もくれず対立種族を襲っている者も少なくない。1対多数でリンチ状態になっている所には、ゲルトが急行。自身の体を盾にして弱者を守り、その相手達をハンマーで殴り倒した。


 殴り合う者達を遠目に、ルゥルゥは大地に腰を下ろす。持って来た袋に手を突っ込み、ウィスキー瓶とグラスを取り出した。
「ここは、私と『コレ』で勝負しないか? まさかとは思うが、女に挑まれて逃げる……なんてことは無いよな?」
 挑発的な表情を浮べ、ウィスキーを注いでいく。彼女の言動が気に障ったのか、1人のドワーフが荒々しく胡坐をかいてグラスの中身を一気に飲み干す。突然始まった飲み比べに、十数人のドワーフ達が盛り上がって2人を取り囲んだ。
 残りのドワーフ達は、ソレイルと会話して意見を交換している。
「僕は人間ですが、一番の美人さんが人間の女性だとは思っていません」
 自身を『ぼく』と称しているが、男だと気付いた者は誰も居ない。ソレイルは遠く離れているルゥルゥを指差し、更に言葉を続けた。
「僕は、あそこに居るルゥちゃんが世界一可愛いと思っています。種族なんて関係ありません。何故なら……」
 一旦言葉を切り、深く息を吸うソレイル。ゆっくりと手を握り、声高らかに叫んだ。
「彼女が『ルゥルゥ・F=カマル』だから可愛いんです! 本当に魅力的な人なら、種族なんて関係ありません!」
 微塵の躊躇いも無い、堂々たる言葉。ルゥルゥは用心棒であり、恋人でもあり……ソレイルにとって、大切な存在なのだ。冷静に聞けば完全なるノロケだが、彼の言葉がドワーフ達の心に響き、拍手と歓声になって返ってきた。
「けっ……あんな大酒呑みのドコが良いんだか」
 ソレイルの言葉に反発するように、ドワーフの1人がルゥルゥを見ながら愚痴を零す。次の瞬間、ソレイルの『顔面グーパン』が問答無用で炸裂し、男性の意識を刈り取った。
「僕のルゥちゃんが……なんですって?」
 すっごい『イイ笑顔』のソレイルだが、ルゥルゥを馬鹿にされた怒りは激しい。怒気のオーラを放つ姿に、近くに居たドワーフ達は戦慄して言葉を失った。


 ほぼ同時刻、エルフの方では忠国の講演が始まっていた。
「まず、エルフ女性の魅力についてです。何が良いって、まずはその耳! 尖った耳がキューティクル! ハムハムしたい! ペロペロしたい! そう思いませんか!!」
 全力で前言撤回。
 これは、どう聞いても講義や説得ではない。忠国の特殊過ぎる嗜好が炸裂し、エルフ達も若干戸惑っている。
「そして、顔を赤くしているエルフさんに『どんな顔の君も素敵よ☆』って言いたい! あぁ、これはもう……!」
 想像と妄想が加速し、1人悶える忠国。彼は15歳の青少年だが……少々、将来が心配になってしまう。
「ドワーフの女性も同じです! Beeさんやルゥルゥさんを見て下さい。あんな美人の耳を、ハムハムしたいとは思いませんか!?」
 忠国の情熱は留まる事を知らず、どんどん溢れている。とは言え、『同好の士』という者は意外な場所にも居るワケで。忠国の意見に賛同し、数人のエルフが拍手と歓声を送った。
 Beeはエルフのイケメンに囲まれ、満足そうに微笑んでいる。相手の話をシッカリ聞いた後、彼は頷きながら言葉を返した。
「なるほど……確かに、エルフの女性は美しいわね。でも、ドワーフの女性だって負けてないわよ?」
「そうかな? 圧倒的にエルフの方が」
「良く聞いて? 『綺麗なオンナ』ってのはね、美しくなる為にたくさんの努力をしているの。美しさに、エルフもドワーフも人間も無いわ!」
 相手に言い聞かせるように、熱意を込めて語るBee。その気持ちが通じたのか、エルフの大半が真剣に話を聞いている。
「あと、性別も関係無いわ! ええまったく!! 現に、あたしは相手がエルフだろうがイケメンは大好きだしね♪」
 言葉と共に、Beeがウインクを飛ばす。直後、エルフ達の表情が凍りついた。ウインクは魅力的だったが……問題は、Beeの言葉。最後の発言が意味するのは、つまり……。
『お……男なのか!?』
 予想外の暴露に、悲鳴に似た叫び声が木霊する。中には『新しい趣味』に目覚めた者も居るようで、Beeに熱い視線を送っているが……見なかった事にしよう。
「世界で一番なのは師匠!! 師匠こそ世界一!! 種族なんてちいせぇ枠に囚われてんじゃねぇ!!」
 物理的肉体言語を駆使しつつ、昶は想いを口にしていた。彼の師匠は女性だが、恋愛感情は全く無い。純粋に『師匠』として尊敬し、至高の存在だと思っている。
(師匠……見ていて欲しいっす。俺、師匠の名を世界に轟かせてみせるっす!!)
 心の中で師匠に語り掛け、拳を握る昶。目的が違っているような気もするが……嬉しそうに微笑んでいるし、良しとしよう。
 暴徒達を何人もシバき倒したトマーゾは、頃合いを見計らって八角棍を手放した。
「そこのお前とお前! 好きな女のタイプは何だ。どういう女性が好きだ。容姿とか年齢とか性格とか好きなおっぱいの大きさとか、全部言ってみろ。今すぐに!」
 エルフとドワーフを1人ずつ指名し、矢継ぎ早に質問。トマーゾの勢いと迫力に圧倒されたのか、2人は聞かれた事を包み隠さずに全て答えた。
「お前達の好みは分かった……で、どうしても自分と同じ種族じゃないとダメか? 『自分好みの女の子』が異種族だったとしても、ときめいたりしないのか!? 俺は、ときめきます!」
 話を聞いた上で、トマーゾが熱く語り掛ける。彼は女好きという事もあり、女性の魅力を語らせたら右に出る者は居ない。その言葉が、両軍の魂を揺さぶっていく。
「エルフもドワーフも関係ない! 俺たちゃ皆、女性好きだ! 分かり合えるハズなんだ!」
 そこにヴァイスも加わり、情熱は倍化。さりげなく、自分達の『女好き』を全員共通の事にしようとしているが、ツッコむ者は誰も居ない。むしろ、周囲の者達は2人の言葉に心惹かれている。
「女の子はみんなカワイイ! お前達も男だったら、色んな女性と仲良くしたいと思わねぇのか!!」
「なら、互いの『愛の篭った主張』に、耳を傾けないワケにはいかないだろ!」
 駄目押しするように、トマーゾとヴァイスが叫びながら拳を突き上げた。それが男達の心に火を点けたのか、周囲から歓声と拍手が湧き起る。戦っていた者達は熱い握手を交わして和解し、今度は女性の魅力について語り始めた。
 ハンター達の活躍で、荒野は徐々に静まりつつある。それでも戦いを止めない者達を見付けると、ゲルトはその中に飛び込んだ。
「両の目を見開いて、良く見ろ! ドワーフは筋肉質で美しいし、エルフは華奢で美しいだろう!」
 女性の魅力を説明しつつ、ハンマーで敵を攻撃。その手が、小刻みに震えているようにも見える。
「私なんてなぁ……私なんて! ドワーフとかエルフとか区別せず募集してるのに! まだ、彼氏がいないんだ! 分かっているのか貴様ら!!」
 心の底から絞り出すような、悲痛な魂の叫び。つい数分前までは気高い騎士に見えたが、彼女も年頃の女の子。恋愛経験が少ない事を、密かに気にしていたようだ。
 自分で暴露しながらも、精神的ダメージを受けたゲルト。そんな彼女に同情したのか、戦っていた者達は次々に戦意を失い、両手を上げて降参の意を示した。


 酒の勝負を仕掛けたルゥルゥは、数人を酔い潰して無力化に成功。今も尚、飲み比べを続けている。だが……うわばみの彼女でも、限界が近い事を感じ始めていた。
「なぁ、大将……アンタ、カミさんは?」
 自身が酔い潰れる前に、ドワーフのリーダー格らしき人物に語り掛ける。ルゥルゥの質問に、男性は静かに頷いた。
「好きな相手が居れば分かるだろ? その他の異性なんて、色褪せて見える……私も、そうだ」
 相手の反応を確認し、言葉を続けるルゥルゥ。横目でソレイルを覗き見ると、自然と口元が緩んだ。
「奴等だってそう変わらんさ。好きなんだよ、己の種族が。お前達だってそうだろう? 一つ、大目には……見れない……か……?」
 ゆっくりと、ルゥルゥの体が倒れていく。最後の言葉を伝える代わりに、限界を迎えて酔い潰れてしまったようだ。
 彼女の体が地面に付くより一瞬早く、ソレイルがルゥルゥを支えた。意識の無い彼女に『お疲れ様』と呟き、優しく横に寝かせる。こんな姿を見せられたら、戦う気も消え去ってしまうだろう。ドワーフ男性は残った酒を一気に飲み、微笑みながら後方に倒れた。
 その瞬間、荒野での決闘は終決した。勝者も敗者もなく、誰もが女性の魅力を再確認。いがみ合っていたのが嘘のように、ドワーフもエルフも笑顔で語り合っている。
「欲望を解き放って考えてみて下さい! 私達は『男』なのです! 美人さんが居たら、種族差なんて無視して興味を持つのが当然なんですよ!」
 こうなったら、『愛の伝道師』こと加茂忠国の独壇場と言っても過言ではない。恋愛対象が『ゆりかごから墓場まで』と公言している事もあり、女性の魅力を余すことなく伝えている。
 今……決戦の荒野には、種族に関係なく『笑顔』という花が咲き乱れていた。
 自爆ギミの叫びを上げた、ゲルトを除いて。

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MVP一覧

  • 師を思う、故に我あり
    役犬原 昶ka0268
  • Beeの一族
    Non=Beeka1604
  • 戦慄の鉄拳制裁
    ソレイル・ラ=ジャンティka3083

重体一覧

参加者一覧

  • 師を思う、故に我あり
    役犬原 昶(ka0268
    人間(蒼)|27才|男性|霊闘士

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • Beeの一族
    Non=Bee(ka1604
    ドワーフ|25才|男性|機導師

  • ルゥルゥ・F=カマル(ka2994
    ドワーフ|16才|女性|霊闘士
  • 戦慄の鉄拳制裁
    ソレイル・ラ=ジャンティ(ka3083
    人間(紅)|14才|男性|魔術師
  • ビキニアーマーマイスター
    ゲルト・フォン・B(ka3222
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • 荷馬車輸送完遂者
    トマーゾ・ヴェント(ka3781
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • それでも尚、世界を愛す
    加茂 忠国(ka4451
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談所
ルゥルゥ・F=カマル(ka2994
ドワーフ|16才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2015/05/31 14:12:22
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/30 18:42:29