ゲスト
(ka0000)
ロックバンド『エクリプス』の挑戦
マスター:sagitta

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~10人
- サポート
- 0~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/10 12:00
- 完成日
- 2015/06/17 03:54
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
「次で、俺たち『エクリプス』は最後の曲になる」
目が覚めるような青色の髪を振り乱して歌っていたヴォーカルの蒼(ソウ)が、真剣な表情になってマイクに向かってそう告げると、熱気に包まれていたライブハウスがシン、と静まりかえった。
「今日は素晴らしいライブだった。これからもオレたち『エクリプス』は、まだ見ぬ世界へ向かって走り続ける。俺たちがどんなふうに代わっていくのか、俺たち自身にもわからない。だからこそ怖いし、だからこそ、楽しみでもある。どうかみんな、まだまだ俺たちを支えていってほしい。では最後の曲。『未知なる世界へ』!」
蒼が絶叫すると同時に、ドラムがはげしく打ち鳴らされ、歪んだギターの音がライブハウス中を駆け巡る。エクリプスのもっとも人気の曲、『未知なる世界へ』のイントロが、小さなライブハウスを一体感で包んでいった――。
未知なる世界へ さぁ 今こそ旅立とう
君がいない世界は 右も左もわからなくて 少し怖いけど
僕はもう逃げないよ 胸の奥に君を感じるから
さぁ その足を 僕ら踏み出して Go to the next earth!
●
「……また、ワンマンライブの夢か」
古びた木製のベッドの上で身を起こしながら、蒼は思わず独り言をつぶやいていた。
こちらの世界に来てから、何度も見た夢。忘れることのできない、あのときの記憶。
蒼の率いる『エクリプス』は、リアルブルーにおいて、一部に熱心なファンをもつロックバンドだった。全国規模で名が知られるメジャーなバンドではないが、ようやくワンマンライブが小さなライブハウスをいっぱいにするようになり、遠征ツアーも積極的におこない、これからが大いに期待される存在だった。
しかし。突然のヴォイドの侵攻。
たまたまツアー先としてコロニーLH044を訪れていたエクリプスのメンバー5人は、戦艦サルヴァトーレ・ロッソへの避難を余儀なくされた。
それから時は過ぎ……
彼らの帰郷はかなわないでいる。肌身離さずもち、手入れや練習を欠かしていない楽器たちも、電力のままならないクリムゾンウェストではもてあますばかりだ。
「なぁ……そろそろ、頃合いだと思うんだ」
ぽつり、と蒼が言うと、思い思いに楽器をいじっていた彼のルームメイト――そして、バンドのメンバーである4人が、ふっと顔を上げた。
なんの頃合いか――などとは、誰も聞かない。言わずともわかっているから。思いは5人とも、かわらなかった。
「まずは、ステージの確保かな」
「いや、その前に電気を使わない楽器の調達が必要だ。この際、アコースティックな編成でもかまわないな」
「それなら、野外でもできそうだな」
「宣伝はどうしようか」
次々と具体的なアイデアをあげていくメンバーたちに、蒼の表情がゆるむ。
「おまえら……」
「まさか、ライブをやりたいのが自分だけだと思ってたわけじゃないでしょ?」
そう言ってにこりと笑ったのは、少年のような外見のメンバー最年少、キーボードの翠(スイ)。
「考えてることは、みんな一緒だな」
暇さえあればスティックを握っているドラムの白(ハク)が、うれしそうに歯を見せて笑う。
「どんな楽器だろうが、どんなステージだろうがかまわない。『エクリプス』がやれるなら」
ふだん無口なギターの紅(ベニ)も、真剣な表情で口を開いた。
「いつまでも逃げているわけにはいかないからね。元の世界にいたときに『エクリプス』を再現するんじゃなく、この世界で、今の俺たちでこそできる、新しい『エクリプス』を」
そう言ったのはバンドで一番の常識人、ベースの烏(カラス)。
「でも、いったいどうしたらいいか……ここは何もかも、俺たちのいた世界とは違いすぎる」
蒼の嘆きに、烏が笑顔で応じた。
「だったらさ、こっちの世界に慣れている人たちの力を借りたらどうかな」
「慣れている人たち?」
「だからさつまり……ハンターたちさ」
「次で、俺たち『エクリプス』は最後の曲になる」
目が覚めるような青色の髪を振り乱して歌っていたヴォーカルの蒼(ソウ)が、真剣な表情になってマイクに向かってそう告げると、熱気に包まれていたライブハウスがシン、と静まりかえった。
「今日は素晴らしいライブだった。これからもオレたち『エクリプス』は、まだ見ぬ世界へ向かって走り続ける。俺たちがどんなふうに代わっていくのか、俺たち自身にもわからない。だからこそ怖いし、だからこそ、楽しみでもある。どうかみんな、まだまだ俺たちを支えていってほしい。では最後の曲。『未知なる世界へ』!」
蒼が絶叫すると同時に、ドラムがはげしく打ち鳴らされ、歪んだギターの音がライブハウス中を駆け巡る。エクリプスのもっとも人気の曲、『未知なる世界へ』のイントロが、小さなライブハウスを一体感で包んでいった――。
未知なる世界へ さぁ 今こそ旅立とう
君がいない世界は 右も左もわからなくて 少し怖いけど
僕はもう逃げないよ 胸の奥に君を感じるから
さぁ その足を 僕ら踏み出して Go to the next earth!
●
「……また、ワンマンライブの夢か」
古びた木製のベッドの上で身を起こしながら、蒼は思わず独り言をつぶやいていた。
こちらの世界に来てから、何度も見た夢。忘れることのできない、あのときの記憶。
蒼の率いる『エクリプス』は、リアルブルーにおいて、一部に熱心なファンをもつロックバンドだった。全国規模で名が知られるメジャーなバンドではないが、ようやくワンマンライブが小さなライブハウスをいっぱいにするようになり、遠征ツアーも積極的におこない、これからが大いに期待される存在だった。
しかし。突然のヴォイドの侵攻。
たまたまツアー先としてコロニーLH044を訪れていたエクリプスのメンバー5人は、戦艦サルヴァトーレ・ロッソへの避難を余儀なくされた。
それから時は過ぎ……
彼らの帰郷はかなわないでいる。肌身離さずもち、手入れや練習を欠かしていない楽器たちも、電力のままならないクリムゾンウェストではもてあますばかりだ。
「なぁ……そろそろ、頃合いだと思うんだ」
ぽつり、と蒼が言うと、思い思いに楽器をいじっていた彼のルームメイト――そして、バンドのメンバーである4人が、ふっと顔を上げた。
なんの頃合いか――などとは、誰も聞かない。言わずともわかっているから。思いは5人とも、かわらなかった。
「まずは、ステージの確保かな」
「いや、その前に電気を使わない楽器の調達が必要だ。この際、アコースティックな編成でもかまわないな」
「それなら、野外でもできそうだな」
「宣伝はどうしようか」
次々と具体的なアイデアをあげていくメンバーたちに、蒼の表情がゆるむ。
「おまえら……」
「まさか、ライブをやりたいのが自分だけだと思ってたわけじゃないでしょ?」
そう言ってにこりと笑ったのは、少年のような外見のメンバー最年少、キーボードの翠(スイ)。
「考えてることは、みんな一緒だな」
暇さえあればスティックを握っているドラムの白(ハク)が、うれしそうに歯を見せて笑う。
「どんな楽器だろうが、どんなステージだろうがかまわない。『エクリプス』がやれるなら」
ふだん無口なギターの紅(ベニ)も、真剣な表情で口を開いた。
「いつまでも逃げているわけにはいかないからね。元の世界にいたときに『エクリプス』を再現するんじゃなく、この世界で、今の俺たちでこそできる、新しい『エクリプス』を」
そう言ったのはバンドで一番の常識人、ベースの烏(カラス)。
「でも、いったいどうしたらいいか……ここは何もかも、俺たちのいた世界とは違いすぎる」
蒼の嘆きに、烏が笑顔で応じた。
「だったらさ、こっちの世界に慣れている人たちの力を借りたらどうかな」
「慣れている人たち?」
「だからさつまり……ハンターたちさ」
リプレイ本文
●邂逅
「神様信じてねぇけど、今日は信じます!! 神様ありがとう!!」
ヒュムネ・ミュンスター(ka4288)が、興奮した様子でそう叫び、天を仰いだ。LH044からの避難民である彼女が、大好きだったロックバンド「エクリプス」。彼らがツアーではじめてLH044に訪れ、ワンマンライブをしてくれた夜には、興奮のあまり眠れなかった。その直後にヴォイドの侵攻があり、このクリムゾンウェストに逃れてきたヒュムネだったが――まさか、飛ばされてきたこの異世界で、彼らの名前を聞くことができるとは。
「CD全部持ってます! 1枚目からずっと!!」
ヒュムネの言葉に、ボーカルの蒼が目を丸くする。
「まさか……この世界で活躍するハンターに、オレたちのことを知ってくれている人がいたなんて、な」
「あ、あの! 私も、知っています、あなたたちのこと。生き別れた母が――あなたたちの大ファンでした」
目を潤ませてそう言ったのは、来未 結(ka4610)だ。転移してから行方がわからない母が、かつて子供のようにはしゃぎながら、エクリプスのことを語っていたことを思い出す。
「いつか……私がまた母に会えたときのために、お母さんに喜んでもらえるように、……サインをもらえますか?」
「もちろん、喜んで書かせてもらうよ、結ちゃん。むしろこちらがお礼を言いたいくらいだ……俺たちがやってきたことは、無駄じゃなかった。そう思える」
心からうれしそうに応じたのは、ベースの烏。このバンドの曲の多くを手がけ、実質的なリーダー的存在の彼なればこそ、この異世界で、自分たちを知るものがいる、という事実は大きな励みとなるのだろう。
「僕は、――あちらの世界にいた頃の記憶が全くないんです。でも、あなたたちの曲を聴くことで、何か思い出せたらいいな、と思っています。どうか、協力させてください」
火椎 帝(ka5027)がそう言って、ていねいに頭を下げた。
「LH044から転移してきた人たちは、きっとあなたたちの活躍を聞いたら嬉しいし、新しい門出に勇気をもらえると思う。だから、あなたたちの音楽を、彼らに聞いてもらえたらいいなと思います」
「ありがとう! そうだといいな。俺たちにできることがあるなら……ぜひやりたい」
帝の言葉に、ドラムの白が人の良さそうな笑みを浮かべて、力強くうなずく。
「ロック、というジャンルははじめて聴くな……」
歌をこよなく愛するドワーフの少女、イレーヌ(ka1372)がつぶやいた。
「イレーヌさん、母が言ってました! ロックは……生き様です!」
結が興奮気味にそう言って、イレーヌの腕を引っ張る。ふたりのやりとりを見て、今まで無言だったギターの紅が、ぼそりと口を開いた。
「ジャンルなんてのは些細なものだ。俺たちがやるのは『エクリプス』の音楽。ただそれだけだ」
彼の真剣な表情に、イレーヌが顔をほころばす。
「……あなたの言う通りだな。私も音楽を愛するひとりとして、今回はよろしく頼む」
こうして、『エクリプス』のメンバーとハンター達が熱く盛り上がっている様子を、楽しげにながめている人物がいた。自身もリアルブルー出身の、フィーサ(ka4602)だ。
「こっちでもめげずに新たな飛躍を目指そうとするその姿勢、手伝いたくもなるってモンだよねー」
そう言いながらおもむろに立ち上がり、ストレッチをはじめる。思いっきり体を反らすと、その豊満な肉体が強調され、なかなかに凶悪だ。
「『エクリプス』は聴いたことないけど、みんなの話を聞く限り、なかなか期待が持てそうだし……せっかくだからあたしも、一肌脱ぐとしますかぁ! これでもダンスは得意なのよ」
「いいねー! ステージが華やかになりそう!」
キーボードの翠が無邪気に歓声を上げ、口笛を吹いた。
「ステージでのパフォーマンスの面でも、いろいろと力を借りられそうだな。よし、じゃあ具体的な作戦会議を……」
烏が全員をまとめるようにそう言うと、メンバーもハンター達も一様に真剣な表情になり、白熱したミーティングがはじまったのだった。
●作戦会議
「ライブ会場だが、エクラ教の聖堂を借りられたらいいと思うんだ」
ヒュムネがはじめにそう提案したとき、『エクリプス』のメンバーは一様にあっけにとられた表情になった。リアルブルーでは、小さめのライブハウス(彼らの仲間内では、「ハコ」とよばれていた)を中心に活動してきた彼らだったが、さすがにそのような施設をこちらで探すのは難しい。さてどうしたものかと思案に暮れているところで、ヒュムネが提案したのだった。
「理由はいくつかある。まず、ここ、クリムゾンウェストでは、宗教と音楽は切り離せねぇ存在だ、ってことだ。普通の市民にとっての音楽として、聖堂で聴く聖歌のことは無視できねぇ」
「なるほど、確かに、得体の知れない『ロック』というものを聴きに出かける、というよりは『いつも聖歌を聴いている聖堂で、少し変わった音楽を聴く』っていう方が親しみやすいかもしれない。理にかなっているな」
イレーヌが感心したようにうなずく。
「しかも聖堂には、たいてい立派なオルガンがあるから、キーボードの代用になるかもしれない――」
ヒュムネの言葉を引き取って、翠が興奮した声を上げる。
「オルガンの演奏なら、ちょっと練習すれば問題なさそう! かっこよく壮大な感じになりそうで、わくわくしてくるなー!!」
「そして、最後に集客力だ。ここではあまり知られていないリアルブルーの音楽を、教会の『イベント』として宣伝してもらえれば、好奇心が旺盛な若い使徒なんかを集められるはずだ」
「なるほど、理屈はよくわかった。問題は、無事に借りることができるかどうかだけど……」
烏が肩をすくめる。確かに、エクラ教の司祭達を説得して聖堂を借りるのは、簡単ではなさそうだ。
「LH044の惨状や、歪虚による不可抗力な生活に苦しんでいる人がいることを伝えて、彼らが新しい一歩を踏み出すために、そして同じように歪虚に苦しむ人たちに勇気を与える為に、ということで司祭様に相談してみようと思います」
帝が決意に満ちた表情で言う。
「これでどうかな? 今回の収益は避難民達の生活のために寄付する、ということで。つまり、チャリティーライブ。オレたちなりにこの世界でできることがあるなら、やってみたいと思うし」
そう言ったのはドラムの白だ。
「いいこと言うね! 賛成! いきなり最初のライブがチャリティーだなんて、なんか大物っぽくてかっこいいしね」
翠がうれしそうに言い、ほかのメンバー達も口々に賛意を示す。
「よし、決まりだな。それで教会と交渉してみよう。あとは……セットリストはどうしようか」
蒼がみんなを見回して意見を求める。
「『ロック』だけじゃなくて、エクリプスバージョンにアレンジした聖歌やゴスペルもセットリストに組み込んだら、お客さんの心をがっちりとつかめそうね」
フィーサが言うと、イレーヌがうれしそうに声を上げた。
「それはいいな。そうした歌なら、私にもできることがありそうだ。『エクリプス』を引き立てるための前座として、精一杯やれたらと思っているよ」
「それから、これは提案なんですが」
控えめな様子で小さく手を上げ、結が口を開く。
「変わり種としてロックと和楽器を組みあわせた『和ロック』に挑戦してみませんか? 最近東方から来ている人たちも増えていますし、たいへんなことになっている東方の人たちを慰めるためにも」
「……面白そうだな」
不意に、紅が口を開いた。
「和風の音楽には以前から興味がある。オレが、曲を作ってみようと思う」
そう言った紅の顔は無表情に見えるが、よく見れば自信ありげな様子にも見える。
「あとは和楽器の奏者だけど……」
烏がメンバーを見回しながら首をひねる。
「あの……私が」
おそるおそる、という感じで手を上げたのは結だ。
「尺八と三味線なら多少はできます」
「じゃあ、結ちゃんには尺八をお願いしようかな。俺もまぁ、同じ弦楽器だし、なんとか三味線を練習してみよう。あとは白に和太鼓でも叩いてもらえれば様になりそうだね」
「おう、まかせてくれ!」
話を振られた白が、どん、と胸を叩いてみせる。
「宣伝に関しては、私は酒場をめぐってみようと思っている。あそこは大勢人が集まるし、宣伝するのに良い場所だろうからな。できたら許可を貰って歌わせてもらって、興味を持ってもらえるよう狙ってみよう」
イレーヌの提案に、フィーサも手を上げて同意する。
「あ、あたしもいく~! イレーヌちゃんが歌うならあたしは踊るわ。ノリのいい奴らが、興味を持ってくれるかもしれないし」
「それなら僕は、ハンターズ・ソサエティで宣伝してみますね。リアルブルーの住人は先天的に覚醒の素質を持つ者が多いそうですから、ハンター達に宣伝すれば、転移してきた人たちに伝わると思うんです。そうだ、みんなでビラもつくりましょう」
「そういうことなら、私はサルヴァトーレ・ロッソの近くでビラを配りますね! ビラ配りのときはゆるキャラの着ぐるみを手づくりしたりして……日蝕をモチーフにしたツートンカラーで、『えくりぷす君』ってのはどうですかっ?」
帝と結が口々にそう言って、早速準備に取りかかろうと立ち上がる。
みんなの頭の中は、すでにライブを成功させることでいっぱいになっていた。
「……その、なんていうか、さ」
今まであまり話さずに提案を聞いていた蒼が、思わず、と言った様子で口を開いた。全員の視線が、彼に注がれる。
「こっちの世界に来たって、『エクリプス』は、死んでないんだなぁ、って思って、みんながこんなに真剣にオレたちの音楽のことを、考えてくれてて……オレ、なんか……」
思わず言葉を詰まらせた蒼の肩を、烏がポン、と叩いてにやっと笑う。
「ばーか、泣くのはこのライブを成功させてからにしろよ」
蒼が顔を上げると、目の前には、ライブの成功のために闘志を燃やす、メンバーと同志であるハンター達。
「今回の経験は、エクリプスにとっても、私たちにとっても、非常に大きなものになるだろうさ」
「この世界で『エクリプス』の音楽が聴けるだなんて、本当に心から、うれしいんだぜ?」
「このライブが私達を受入れてくれた人達の、そして同じ境遇の人達の、何かのきっかけになればいいなあ」
――それぞれの、思い。
『エクリプス』のフロントマン、蒼は、それらを受け止めて、拳を振り上げてみせた。
「さいっこーの、ライブにしてやるぜ! みんな、力を貸してくれ!」
●本番当日
「満席、満席ですよっ」
結が、舞台袖で興奮した声を押し殺す。
ふだんは敬虔な信徒達が並ぶ同盟のある都市のエクラ教の聖堂に、今日は多種多様な人々が集まっていた。リアルブルー出身とわかる服装の人たちが多いが、クリムゾンウェストの住民達もいる。皆一様に、これからどんなステージがはじまるのか、興味津々の表情をしている。最前列でどこか恍惚とした表情を浮かべている女性達は、もしかしたらヒュムネのようにリアルブルーにいた頃からの『エクリプス』のファンかもしれない。
「ふぅ、ついにこの日が来ましたね……」
ようやく会場整理を終えて、一息ついた帝が、感慨深げにつぶやいた。
舞台袖で待機するフィーサとヒュムネとイレーヌ、そしてメンバー達。全員の心が、ライブの成功に向けて、一つになっていた。
不意に、照明が落とされる。ざわめいていた客席が水を打ったように静かになり、次の動きを見逃さないようにと夢中になる。
声が、こぼれた。
山奥にわき出る泉のような、透き通った爽やかな声。観客達もよく知る、エクラ教の聖歌の一節。
照明担当の結が舞台袖で静かに魔法を唱える。あらわれた光の精霊が、舞台中央で透き通った声を響かせるイレーヌを照らし出した。彼女の声を包み込むようにオルガンの壮大な音が鳴り始めた。オルガンを奏でるのはもちろん翠。ふたりの奏でる音が、観客達を陶酔させる。
――不意に、音がはじけた。
白の叩く激しいドラム、烏がコントラバスで刻む細かなリズム、紅がクラシックギターの限界に挑戦するように奏でる速弾き。そして、蒼のシャウト混じりのハイトーンボイス。
聞き慣れた聖歌でありながら、全く聴いたことのないアレンジ。楽器こそ電気を使わないものだったがそれはまさに――『ロック』。
ロックバンド『エクリプス』の音楽が、クリムゾンウェストの世界に響き渡った瞬間だった。
夢のような時間は飛ぶように過ぎていく。『エクリプス』のステージは、観客を巻き込んで、駆け抜けていった。聖歌の次には、蒼とイレーヌのボーカル、烏のコーラスをメインとするゴスペルが披露された。天女のような長い布を身にまとったフィーサがステージに上がり、曲に合わせて艶やかなダンスを舞って、観客を魅了した。
その後は結がステージに上がり、彼女の尺八の旋律からはじまる『和ロック』の演奏。これは、東方出身者のみならず、リアルブルー出身者にも好評だったようだ。
そして、ステージはあっという間に終盤。
ヒュムネのコーラスをくわえた、新たなアレンジで『エクリプス』の持ち歌を披露し、最前列のファンを狂喜させたりしつつ――いよいよ最後の曲。
「ここでまた、音楽がやれることを、心の底から感謝している。みんなありがとう!リアルブルーから来て、慣れない世界で不安な人たち。元々ここに住んでいて、めまぐるしく動く世界に、落ち着かない思いをしている人たち。そんなみんなに、オレたちの変わらぬ思いが、とどいたらいいと思う」
蒼が、観客席を見渡しながら、ていねいに言葉を紡ぐ。
「この曲を作ったときよりも、今の方がずっと、この曲にふさわしい気がするから不思議だ。オレたち自身が、オレたちの曲に励まされて、今ここにいる。もしもできるならこの曲が、あなたの励みにもなるといいと思う。聴いてください『未知なる世界へ』」
ヒュムネが歌い、フィーサが舞う。イレーヌも、おぼえたての「ロック」を楽しむように、コーラスに参加している。袖に戻った結は、光の精霊を呼び出して「日蝕」のような効果をつくりだして、日蝕の名を持つバンドを美しく演出する。場内の監視を担当していた帝も、客席の隅で、『エクリプス』の歌声に聞き惚れていた。
(やっぱり、何も思い出せなかった……でも、なんだか、懐かしい感じがする。元気をもらえたから、だから……エクリプスの皆に、ありがとうを伝えたい)
『未知なる世界へ』の後奏のギターソロが終わり、曲が静かにフェードアウトしていく。ぽつぽつと響きはじめた拍手は、やがて聖堂中を包み、鳴り止むことがなかった――。
「神様信じてねぇけど、今日は信じます!! 神様ありがとう!!」
ヒュムネ・ミュンスター(ka4288)が、興奮した様子でそう叫び、天を仰いだ。LH044からの避難民である彼女が、大好きだったロックバンド「エクリプス」。彼らがツアーではじめてLH044に訪れ、ワンマンライブをしてくれた夜には、興奮のあまり眠れなかった。その直後にヴォイドの侵攻があり、このクリムゾンウェストに逃れてきたヒュムネだったが――まさか、飛ばされてきたこの異世界で、彼らの名前を聞くことができるとは。
「CD全部持ってます! 1枚目からずっと!!」
ヒュムネの言葉に、ボーカルの蒼が目を丸くする。
「まさか……この世界で活躍するハンターに、オレたちのことを知ってくれている人がいたなんて、な」
「あ、あの! 私も、知っています、あなたたちのこと。生き別れた母が――あなたたちの大ファンでした」
目を潤ませてそう言ったのは、来未 結(ka4610)だ。転移してから行方がわからない母が、かつて子供のようにはしゃぎながら、エクリプスのことを語っていたことを思い出す。
「いつか……私がまた母に会えたときのために、お母さんに喜んでもらえるように、……サインをもらえますか?」
「もちろん、喜んで書かせてもらうよ、結ちゃん。むしろこちらがお礼を言いたいくらいだ……俺たちがやってきたことは、無駄じゃなかった。そう思える」
心からうれしそうに応じたのは、ベースの烏。このバンドの曲の多くを手がけ、実質的なリーダー的存在の彼なればこそ、この異世界で、自分たちを知るものがいる、という事実は大きな励みとなるのだろう。
「僕は、――あちらの世界にいた頃の記憶が全くないんです。でも、あなたたちの曲を聴くことで、何か思い出せたらいいな、と思っています。どうか、協力させてください」
火椎 帝(ka5027)がそう言って、ていねいに頭を下げた。
「LH044から転移してきた人たちは、きっとあなたたちの活躍を聞いたら嬉しいし、新しい門出に勇気をもらえると思う。だから、あなたたちの音楽を、彼らに聞いてもらえたらいいなと思います」
「ありがとう! そうだといいな。俺たちにできることがあるなら……ぜひやりたい」
帝の言葉に、ドラムの白が人の良さそうな笑みを浮かべて、力強くうなずく。
「ロック、というジャンルははじめて聴くな……」
歌をこよなく愛するドワーフの少女、イレーヌ(ka1372)がつぶやいた。
「イレーヌさん、母が言ってました! ロックは……生き様です!」
結が興奮気味にそう言って、イレーヌの腕を引っ張る。ふたりのやりとりを見て、今まで無言だったギターの紅が、ぼそりと口を開いた。
「ジャンルなんてのは些細なものだ。俺たちがやるのは『エクリプス』の音楽。ただそれだけだ」
彼の真剣な表情に、イレーヌが顔をほころばす。
「……あなたの言う通りだな。私も音楽を愛するひとりとして、今回はよろしく頼む」
こうして、『エクリプス』のメンバーとハンター達が熱く盛り上がっている様子を、楽しげにながめている人物がいた。自身もリアルブルー出身の、フィーサ(ka4602)だ。
「こっちでもめげずに新たな飛躍を目指そうとするその姿勢、手伝いたくもなるってモンだよねー」
そう言いながらおもむろに立ち上がり、ストレッチをはじめる。思いっきり体を反らすと、その豊満な肉体が強調され、なかなかに凶悪だ。
「『エクリプス』は聴いたことないけど、みんなの話を聞く限り、なかなか期待が持てそうだし……せっかくだからあたしも、一肌脱ぐとしますかぁ! これでもダンスは得意なのよ」
「いいねー! ステージが華やかになりそう!」
キーボードの翠が無邪気に歓声を上げ、口笛を吹いた。
「ステージでのパフォーマンスの面でも、いろいろと力を借りられそうだな。よし、じゃあ具体的な作戦会議を……」
烏が全員をまとめるようにそう言うと、メンバーもハンター達も一様に真剣な表情になり、白熱したミーティングがはじまったのだった。
●作戦会議
「ライブ会場だが、エクラ教の聖堂を借りられたらいいと思うんだ」
ヒュムネがはじめにそう提案したとき、『エクリプス』のメンバーは一様にあっけにとられた表情になった。リアルブルーでは、小さめのライブハウス(彼らの仲間内では、「ハコ」とよばれていた)を中心に活動してきた彼らだったが、さすがにそのような施設をこちらで探すのは難しい。さてどうしたものかと思案に暮れているところで、ヒュムネが提案したのだった。
「理由はいくつかある。まず、ここ、クリムゾンウェストでは、宗教と音楽は切り離せねぇ存在だ、ってことだ。普通の市民にとっての音楽として、聖堂で聴く聖歌のことは無視できねぇ」
「なるほど、確かに、得体の知れない『ロック』というものを聴きに出かける、というよりは『いつも聖歌を聴いている聖堂で、少し変わった音楽を聴く』っていう方が親しみやすいかもしれない。理にかなっているな」
イレーヌが感心したようにうなずく。
「しかも聖堂には、たいてい立派なオルガンがあるから、キーボードの代用になるかもしれない――」
ヒュムネの言葉を引き取って、翠が興奮した声を上げる。
「オルガンの演奏なら、ちょっと練習すれば問題なさそう! かっこよく壮大な感じになりそうで、わくわくしてくるなー!!」
「そして、最後に集客力だ。ここではあまり知られていないリアルブルーの音楽を、教会の『イベント』として宣伝してもらえれば、好奇心が旺盛な若い使徒なんかを集められるはずだ」
「なるほど、理屈はよくわかった。問題は、無事に借りることができるかどうかだけど……」
烏が肩をすくめる。確かに、エクラ教の司祭達を説得して聖堂を借りるのは、簡単ではなさそうだ。
「LH044の惨状や、歪虚による不可抗力な生活に苦しんでいる人がいることを伝えて、彼らが新しい一歩を踏み出すために、そして同じように歪虚に苦しむ人たちに勇気を与える為に、ということで司祭様に相談してみようと思います」
帝が決意に満ちた表情で言う。
「これでどうかな? 今回の収益は避難民達の生活のために寄付する、ということで。つまり、チャリティーライブ。オレたちなりにこの世界でできることがあるなら、やってみたいと思うし」
そう言ったのはドラムの白だ。
「いいこと言うね! 賛成! いきなり最初のライブがチャリティーだなんて、なんか大物っぽくてかっこいいしね」
翠がうれしそうに言い、ほかのメンバー達も口々に賛意を示す。
「よし、決まりだな。それで教会と交渉してみよう。あとは……セットリストはどうしようか」
蒼がみんなを見回して意見を求める。
「『ロック』だけじゃなくて、エクリプスバージョンにアレンジした聖歌やゴスペルもセットリストに組み込んだら、お客さんの心をがっちりとつかめそうね」
フィーサが言うと、イレーヌがうれしそうに声を上げた。
「それはいいな。そうした歌なら、私にもできることがありそうだ。『エクリプス』を引き立てるための前座として、精一杯やれたらと思っているよ」
「それから、これは提案なんですが」
控えめな様子で小さく手を上げ、結が口を開く。
「変わり種としてロックと和楽器を組みあわせた『和ロック』に挑戦してみませんか? 最近東方から来ている人たちも増えていますし、たいへんなことになっている東方の人たちを慰めるためにも」
「……面白そうだな」
不意に、紅が口を開いた。
「和風の音楽には以前から興味がある。オレが、曲を作ってみようと思う」
そう言った紅の顔は無表情に見えるが、よく見れば自信ありげな様子にも見える。
「あとは和楽器の奏者だけど……」
烏がメンバーを見回しながら首をひねる。
「あの……私が」
おそるおそる、という感じで手を上げたのは結だ。
「尺八と三味線なら多少はできます」
「じゃあ、結ちゃんには尺八をお願いしようかな。俺もまぁ、同じ弦楽器だし、なんとか三味線を練習してみよう。あとは白に和太鼓でも叩いてもらえれば様になりそうだね」
「おう、まかせてくれ!」
話を振られた白が、どん、と胸を叩いてみせる。
「宣伝に関しては、私は酒場をめぐってみようと思っている。あそこは大勢人が集まるし、宣伝するのに良い場所だろうからな。できたら許可を貰って歌わせてもらって、興味を持ってもらえるよう狙ってみよう」
イレーヌの提案に、フィーサも手を上げて同意する。
「あ、あたしもいく~! イレーヌちゃんが歌うならあたしは踊るわ。ノリのいい奴らが、興味を持ってくれるかもしれないし」
「それなら僕は、ハンターズ・ソサエティで宣伝してみますね。リアルブルーの住人は先天的に覚醒の素質を持つ者が多いそうですから、ハンター達に宣伝すれば、転移してきた人たちに伝わると思うんです。そうだ、みんなでビラもつくりましょう」
「そういうことなら、私はサルヴァトーレ・ロッソの近くでビラを配りますね! ビラ配りのときはゆるキャラの着ぐるみを手づくりしたりして……日蝕をモチーフにしたツートンカラーで、『えくりぷす君』ってのはどうですかっ?」
帝と結が口々にそう言って、早速準備に取りかかろうと立ち上がる。
みんなの頭の中は、すでにライブを成功させることでいっぱいになっていた。
「……その、なんていうか、さ」
今まであまり話さずに提案を聞いていた蒼が、思わず、と言った様子で口を開いた。全員の視線が、彼に注がれる。
「こっちの世界に来たって、『エクリプス』は、死んでないんだなぁ、って思って、みんながこんなに真剣にオレたちの音楽のことを、考えてくれてて……オレ、なんか……」
思わず言葉を詰まらせた蒼の肩を、烏がポン、と叩いてにやっと笑う。
「ばーか、泣くのはこのライブを成功させてからにしろよ」
蒼が顔を上げると、目の前には、ライブの成功のために闘志を燃やす、メンバーと同志であるハンター達。
「今回の経験は、エクリプスにとっても、私たちにとっても、非常に大きなものになるだろうさ」
「この世界で『エクリプス』の音楽が聴けるだなんて、本当に心から、うれしいんだぜ?」
「このライブが私達を受入れてくれた人達の、そして同じ境遇の人達の、何かのきっかけになればいいなあ」
――それぞれの、思い。
『エクリプス』のフロントマン、蒼は、それらを受け止めて、拳を振り上げてみせた。
「さいっこーの、ライブにしてやるぜ! みんな、力を貸してくれ!」
●本番当日
「満席、満席ですよっ」
結が、舞台袖で興奮した声を押し殺す。
ふだんは敬虔な信徒達が並ぶ同盟のある都市のエクラ教の聖堂に、今日は多種多様な人々が集まっていた。リアルブルー出身とわかる服装の人たちが多いが、クリムゾンウェストの住民達もいる。皆一様に、これからどんなステージがはじまるのか、興味津々の表情をしている。最前列でどこか恍惚とした表情を浮かべている女性達は、もしかしたらヒュムネのようにリアルブルーにいた頃からの『エクリプス』のファンかもしれない。
「ふぅ、ついにこの日が来ましたね……」
ようやく会場整理を終えて、一息ついた帝が、感慨深げにつぶやいた。
舞台袖で待機するフィーサとヒュムネとイレーヌ、そしてメンバー達。全員の心が、ライブの成功に向けて、一つになっていた。
不意に、照明が落とされる。ざわめいていた客席が水を打ったように静かになり、次の動きを見逃さないようにと夢中になる。
声が、こぼれた。
山奥にわき出る泉のような、透き通った爽やかな声。観客達もよく知る、エクラ教の聖歌の一節。
照明担当の結が舞台袖で静かに魔法を唱える。あらわれた光の精霊が、舞台中央で透き通った声を響かせるイレーヌを照らし出した。彼女の声を包み込むようにオルガンの壮大な音が鳴り始めた。オルガンを奏でるのはもちろん翠。ふたりの奏でる音が、観客達を陶酔させる。
――不意に、音がはじけた。
白の叩く激しいドラム、烏がコントラバスで刻む細かなリズム、紅がクラシックギターの限界に挑戦するように奏でる速弾き。そして、蒼のシャウト混じりのハイトーンボイス。
聞き慣れた聖歌でありながら、全く聴いたことのないアレンジ。楽器こそ電気を使わないものだったがそれはまさに――『ロック』。
ロックバンド『エクリプス』の音楽が、クリムゾンウェストの世界に響き渡った瞬間だった。
夢のような時間は飛ぶように過ぎていく。『エクリプス』のステージは、観客を巻き込んで、駆け抜けていった。聖歌の次には、蒼とイレーヌのボーカル、烏のコーラスをメインとするゴスペルが披露された。天女のような長い布を身にまとったフィーサがステージに上がり、曲に合わせて艶やかなダンスを舞って、観客を魅了した。
その後は結がステージに上がり、彼女の尺八の旋律からはじまる『和ロック』の演奏。これは、東方出身者のみならず、リアルブルー出身者にも好評だったようだ。
そして、ステージはあっという間に終盤。
ヒュムネのコーラスをくわえた、新たなアレンジで『エクリプス』の持ち歌を披露し、最前列のファンを狂喜させたりしつつ――いよいよ最後の曲。
「ここでまた、音楽がやれることを、心の底から感謝している。みんなありがとう!リアルブルーから来て、慣れない世界で不安な人たち。元々ここに住んでいて、めまぐるしく動く世界に、落ち着かない思いをしている人たち。そんなみんなに、オレたちの変わらぬ思いが、とどいたらいいと思う」
蒼が、観客席を見渡しながら、ていねいに言葉を紡ぐ。
「この曲を作ったときよりも、今の方がずっと、この曲にふさわしい気がするから不思議だ。オレたち自身が、オレたちの曲に励まされて、今ここにいる。もしもできるならこの曲が、あなたの励みにもなるといいと思う。聴いてください『未知なる世界へ』」
ヒュムネが歌い、フィーサが舞う。イレーヌも、おぼえたての「ロック」を楽しむように、コーラスに参加している。袖に戻った結は、光の精霊を呼び出して「日蝕」のような効果をつくりだして、日蝕の名を持つバンドを美しく演出する。場内の監視を担当していた帝も、客席の隅で、『エクリプス』の歌声に聞き惚れていた。
(やっぱり、何も思い出せなかった……でも、なんだか、懐かしい感じがする。元気をもらえたから、だから……エクリプスの皆に、ありがとうを伝えたい)
『未知なる世界へ』の後奏のギターソロが終わり、曲が静かにフェードアウトしていく。ぽつぽつと響きはじめた拍手は、やがて聖堂中を包み、鳴り止むことがなかった――。
依頼結果
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面白かった! | 4人 |
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MVP一覧
- 撃退士
ヒュムネ・ミュンスター(ka4288)
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/07 22:19:02 |
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相談卓ですよ 来未 結(ka4610) 人間(リアルブルー)|14才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/06/09 21:15:55 |