ゲスト
(ka0000)
見知らぬ地の香辛料
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/17 12:00
- 完成日
- 2015/06/20 22:08
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ここは港街【ガンナ・エントラータ】。
十七歳のミヤサ・カミーはリアルブルー出身者である。白銀の短髪にいつも動きやすい服装を心がけていた。
あちらにいたときには登山家を目指していた彼女だが、飛ばされたクリムゾンウェストで選んだ職業は探検家である。
今日は海運業を営む実業家ウリッシュ・ビスナーの屋敷を訪ねていた。
「やはり香辛料だと思うのだよ、ミヤサくん」
執務室のウリッシュが分厚い本を開いてミヤサに見せる。書名は『香辛料大全』。綺麗な挿絵と詳しい説明が綴られていた。
「こちらは胡椒ですね」
「人気があるからこそ、ブラックペッパーなどの一部香辛料は栽培されている。しかし需要と供給の関係からいって高価な傾向が未だある。そして今のところ需要が見込めない香辛料は野生種の採取に頼っている現状だ。こちらも当然高くなる」
「貴族や大商人でないと中々味わえませんよね」
「そこで本題だ。多くの消費者に受け入れられそうな未開拓の香辛料を栽培できればよいと思わないかね?」
「そうは仰っても……」
ミヤサは本の頁を捲っていく。香辛料にハーブも合わせれば膨大な数である。
「これは最初にいっておこう。うまくことが運び、選んだ香辛料が人気商品になったとしても独占するつもりはない。広く美味しい料理を皆に食べてもらうのが私の夢なんだ。もちろん相応の儲けはもらうがね。……その目、信じていないな?」
「いえいえ。そんなことはありませんよ」
商売人のいうことを鵜呑みにするほどミヤサはお人好しではなかった。だがウリッシュが子供のように瞳を輝かせていたのも確かなことだ。
「目星をつけている香辛料はあるのですか?」
「そこの赤い付箋の頁を開いてくれたまえ」
いわれた通りに開くと大きくオールスパイスと書かれていた。白い花と成熟後の暗褐色の実がなっている二種類の挿絵が描かれている。
「これ一つでシナモン、クローブ、ナツメグの代替えになると言われている。どうだ? 素晴らしい香辛料だとは思わないかね?」
「調理のことはよくわかりませんが、それが本当なら素晴らしいのはわかります」
自分の発見が人々の食生活を変えられたのなら、探検家冥利に尽きるというものだ。
ミヤサはすぐにでも引き受けようとしたが、ウリッシュから条件を提示される。
「必ずハンターを雇って同行させて欲しいのだ。君の実力を疑っているわけではない。少しでも安全を考えてのことだ」
「わかりました。私がハンターにならなかったのは、特別な理由があってのことではありません。気分の問題でしたのでどうかご心配なく」
契約は成立した。
ミヤサ自身がハンターズソサエティ支部で探検協力の募集をかける。一時間後、リゼリオのハンターオフィスに依頼が表示されるのだった。
十七歳のミヤサ・カミーはリアルブルー出身者である。白銀の短髪にいつも動きやすい服装を心がけていた。
あちらにいたときには登山家を目指していた彼女だが、飛ばされたクリムゾンウェストで選んだ職業は探検家である。
今日は海運業を営む実業家ウリッシュ・ビスナーの屋敷を訪ねていた。
「やはり香辛料だと思うのだよ、ミヤサくん」
執務室のウリッシュが分厚い本を開いてミヤサに見せる。書名は『香辛料大全』。綺麗な挿絵と詳しい説明が綴られていた。
「こちらは胡椒ですね」
「人気があるからこそ、ブラックペッパーなどの一部香辛料は栽培されている。しかし需要と供給の関係からいって高価な傾向が未だある。そして今のところ需要が見込めない香辛料は野生種の採取に頼っている現状だ。こちらも当然高くなる」
「貴族や大商人でないと中々味わえませんよね」
「そこで本題だ。多くの消費者に受け入れられそうな未開拓の香辛料を栽培できればよいと思わないかね?」
「そうは仰っても……」
ミヤサは本の頁を捲っていく。香辛料にハーブも合わせれば膨大な数である。
「これは最初にいっておこう。うまくことが運び、選んだ香辛料が人気商品になったとしても独占するつもりはない。広く美味しい料理を皆に食べてもらうのが私の夢なんだ。もちろん相応の儲けはもらうがね。……その目、信じていないな?」
「いえいえ。そんなことはありませんよ」
商売人のいうことを鵜呑みにするほどミヤサはお人好しではなかった。だがウリッシュが子供のように瞳を輝かせていたのも確かなことだ。
「目星をつけている香辛料はあるのですか?」
「そこの赤い付箋の頁を開いてくれたまえ」
いわれた通りに開くと大きくオールスパイスと書かれていた。白い花と成熟後の暗褐色の実がなっている二種類の挿絵が描かれている。
「これ一つでシナモン、クローブ、ナツメグの代替えになると言われている。どうだ? 素晴らしい香辛料だとは思わないかね?」
「調理のことはよくわかりませんが、それが本当なら素晴らしいのはわかります」
自分の発見が人々の食生活を変えられたのなら、探検家冥利に尽きるというものだ。
ミヤサはすぐにでも引き受けようとしたが、ウリッシュから条件を提示される。
「必ずハンターを雇って同行させて欲しいのだ。君の実力を疑っているわけではない。少しでも安全を考えてのことだ」
「わかりました。私がハンターにならなかったのは、特別な理由があってのことではありません。気分の問題でしたのでどうかご心配なく」
契約は成立した。
ミヤサ自身がハンターズソサエティ支部で探検協力の募集をかける。一時間後、リゼリオのハンターオフィスに依頼が表示されるのだった。
リプレイ本文
●
ミヤサとハンター達はガンナ・エントラータで合流。実業家ウリッシュが手配した馬車へ乗り込み、数日かけて東部森林地帯の南側外縁に到達する。
早朝、森に足を踏み入れた。
「んと、おーるすぱいくっての探すんだっけ?」
「万能釘じゃねぇからな、あと機械をロボットにもしねぇ」
ルージュ・L=ローズレ(ka1649)に突っ込みを入れたのは岩動 巧真(ka1115)だ。聞いていたミヤサがクスリと笑う。
「うちが神霊樹で調べた分にはこんな感じかなぁ?」
首を傾げるルージュの横でミィナ・アレグトーリア(ka0317)がオールスパイスについて説明してくれる。
葉は弱めながら種子によく似た味と香りを持つ。乾燥させた葉も香辛料として使えるという。三種類の香辛料を併せ持つといわれているが、クローブの傾向が強いらしい。
「ミヤサさん、お花も気になるんよね」
「花びらよりも長くて沢山の白い雄しべがとても目立つ感じですね。花の香りは私も知りませんが、実や葉とは明確に違うそうです」
ミィナとミヤサの前を歩いていたイスタ・イルマティーニ(ka1764)も途中で会話に加わる。
「夢のような香辛料ですわね。植林栽培できれば先を見た事業展開も……でも難しいのでしょうね」
「種子から育てて実がなるまで七、八年かかるそうです」
その年月差の埋めるためにも大元の実業家は植生地を発見したいようだ。
「探し当てたら大発見だよな。てことは、金になるってことだな?」
蘇芳 大和(ka4136)は後ろ歩きをしながらミヤサを見つめる。
「種子は秋頃に未成熟のまま収穫しますが、葉の採取はいつでもできます。葉の方が魅力的かも知れませんね」
それを聞いた蘇芳大和は張り切って先頭を歩きだす。
「貴重な香辛料、しかも葉なら安価になりそうですか。面白そうですね」
「ってことはさ。それを使って料理ができるんだよな?」
ルドルフ・デネボラ(ka3749)と鳴沢 礼(ka4771)が振り返ってミヤサに視線を送る。
「オールスパイスと胡椒を使ったハンバーグは絶品ですよ。とっても」
ミヤサの返事に二人が瞳を輝かす。もう一人、七葵(ka4740)も非常に興味をそそられていた。
(オールスパイスを発見。そしてはんばーぐとやらを食す!)
素知らぬ表情の下に隠された心中はハンバーグで占められる。七葵が早歩きになったのも無理からぬことだ。
「出発前に頼んだあれはどうなったんだ?」
「ちゃんと荷物の中に入っています。後でお渡ししますね」
やり取りする岩動巧真とミヤサの顔をルージュは順に眺める。
「たっくん教えてっ」
「ま、お楽しみってやつだ」
岩動巧真はルージュを煙に巻くのだった。
●
「この音?」
暮れなずむ頃、イスタは水の潺を聞き分けて小川を発見する。しかもすぐ近くで森が拓けていた。
「ここをキャンプ地とするっ!」
駆けだしたルージュが拓けた土地のど真ん中に立って天を指す。
「ポーズはいいが野営手伝えよ」
「ぃ、いいじゃん……言いたかったんだもん!」
岩動巧真はルージュが担いでいた荷物からテントを取りだして設営を始める。ルージュは目印として周囲で一番高い木の頂に登って赤い旗を括りつけた。
ルドルフもテントを提供してくれたので全員が雨風を凌げる。
探索は明日以降。今日のところは全員で枯れ枝を拾って焚き火を熾す。空腹は保存食で満たした。
「森林行軍にはこれがいると思ってな。ハイキングのようなもんだったが」
岩動巧真がミヤサに頼んだ品を披露。塩と胡椒、それと少量のカレー粉であった。望んだ仲間にも分配される。
野営の見張りを決めて早めに就寝するのだった。
●
早朝、ミヤサはにおいで目が覚める。テントから出てみれば焚き火で肉が炙られていた。
「どうしたんですか?」
「ミヤサ、どうだいこの肉!」
鳴沢礼がミヤサに説明する。七葵と見張りをしていたとき、森の茂みがざわついた。双眼鏡で確かめると月光を浴びた鹿がいたという。
「夜の森って、いろんな音するんだなあ……知らなかったよ」
「二人で見張りを放りだすわけにはいかなかったからな。そこで俺が狩った。それだけだ」
ミヤサが二人と話している間に他の仲間達も目を覚ます。
朝食は塩胡椒で下味をつけ、脂身をのせて焼いた肋のリブ肉となった。早速イスタが口にする。
「あちらではこれをどう料理するのかしら?」
「バーベキューソースと呼ばれるタレに漬けてからオーブンで焼いたりしますね。牛や豚を使うことが多いですけれど」
「落差の激しい貧乏生活故、いざとなれば○×すらも食する覚悟はしておりますしたの。なのにこんなにも美味しい料理を食べられるなんて」
「私も驚きです」
イスタが発した言葉の一部は鳥の鳴き声でミヤサの耳には届かなかった。
「オールスパイスを使ったら、もっと美味いのかもな! そういや木の外見はどんなのなんだ? 二十メートルとかいってたっけ?」
「古木はそれぐらいです。成木は十五メートル前後が多いですね。花はこの間話した通りで、葉っぱにはギザギザがありませんよ」
肉を頬張る蘇芳大和にミヤサが香辛料大全の写しの一枚を見せる。ルドルフもそれを見せてもらう。
「この白くて雄しべがたくさんある花を目印にするのがよさそうですね」
ルドルフにミヤサが頷く。白い花を探し、香りについてはウリッシュから預かった貴重なオールスパイスの粒を参考にしてもらう。念のためクローブも用意されていた。
「さてこれからが本番だな」
「うんっ! えっとリボン、どこに置いたっけ?」
準備を始めた蘇芳大和の後をルージュが追いかける。
「飛べたら楽なんになぁ…………地道に頑張るのん!」
ぽつりと呟くミィナだが即座に気持ちを入れ替えた。
探索はA班とB班に分かれて行うこととなる。
A班は蘇芳大和、岩動巧真、ルージュ、ミィナ。B班は鳴沢礼、イスタ、七葵、ルドルフ。本日のミヤサはA班と行動を共にすることにした。
●
「肉をこれで包んで蒸し焼きなんてどうだ?」
「いいですね。アク抜きをすれば結構おいしいですよ」
蘇芳大和が掲げた巨大な葉をミヤサが確かめる。茸類は必ず食べられるものだけを選別して収穫していく。香辛料探しと同時に食料集めも行われた。
「フラン、おなじ香り見つかったっ?」
ルージュが屈んで柴犬の頭を撫でると頼りなさそうに吠える。
「あったぞ」
蘇芳大和の言葉に全員が振り向く。彼の両手には蛇が握られていた。頭が切られて皮が剥かれて肉の状態だ。
「たっくん、すごーい!」
「あっちには沼があってでかい蛙がいたな。ちょっと行ってくるぜ」
すんなりと蛇を預かってしまったルージュ。ミヤサが代わりに持ってくれて安堵のため息をついた。
「生きていたとしても毒はないから大丈夫ですよ」
「これから姐さんって呼ばせて。うううん。呼んじゃう!」
ルージュはミヤサの背中に抱きついた。
焚き火を熾して昼食の時間となる。カレー粉が塗された蛇肉や蛙肉は枝に巻かれて遠火で焼かれた。
「何事も経験だぜ」
岩動巧真は手馴れた様子でがぶりと囓った。
「んぇ、なんか甘い匂いがするんだよー?」
岩動巧真の隣に座ったルージュが鼻を利かせる。
「ねぇ、たっくん、このにおいは、ちょこ!?」
「お前は犬か。まぁ持ってきてるけどよ」
岩動巧真は持参してきたチョコレートを取りだすと、両目を☆にしたルージュに押し倒された。
「ほれ……ちょ、おまっ!」
「くれるの? わーい、ありがとっ!」
ルージュに欠片を渡すとようやく離れてくれる。
「ったく……ほら、お前らも食えよ。甘味が恋しい頃だろ」
残りはその場の仲間と分配。一枚は帰ってからB班の者達に渡された。
(チョコはうまいけど、蛇はあんま食う気しねぇなぁ)
蘇芳大和は一口だけ蛙肉を頂いた。そして持ってきた鹿肉を炙り直して胃袋を満たす。
「この後、どう進みましょうか? 犬たちはどうです?」
ミヤサは顔色一つ変えずに蛙と蛇を一匹分ずつ食した。
「うちのわんこさんもにおいで探したけど、わからなかったようなのん」
ミィナは肉塊を囓るドーベルマンを見つめる。昼食後、このドーベルマンが大活躍。但し目的の樹木を探し当てたのではなかった。
ミィナは石を結びつけた縄を枝に引っかける方法で木に登っていた。足音が聞こえたので眼下に目をやるとドーベルマンが獲物を連れてきている。
「猪!」
すさかずマジックアローで狙い撃つ。姿勢を崩した猪が太い幹へと衝突。そのまま気絶してしまう。
「キャンプに血の匂いを持ち込まないようにするのん」
「俺も手伝おう」
ミィナと岩動巧真がさっそく解体。そうこうするうちに暮れなずむ頃になった。
「知らない森は侮っちゃいけないのん」
「そうですね。焦る必要はありません。戻りましょう」
ミィナとミヤサが空を眺めることで引き返す時間を見極める。
帰路の途中、犬達が吠えた。もしやと周囲を探ってみたが目的の樹木は見つからない。
「葉の香りが風で流れてきたりとかねぇかな?」
蘇芳大和の推理は理に適っている。ミィナとルージュが近くの木に登って風向きを調べておく。
ルージュは目印としてリボンを用意していた。蛇が多いよ!は赤、足場悪いよ!は黄、安全だよ!は緑のリボンである。ここは大事な地点なので全部のリボンを結んでおく。
拠点に戻ったA班は夕食を作る。肉付きの骨で出汁をとって塩胡椒で味を整えた。肉の臭み消しにはカレー粉を使用。野草や茸と一緒に煮込んで猪肉の鍋を完成させる。
日が暮れた頃、B班と一緒に鍋を突くのであった。
●
探索二日目はA班が香りを感じた場所を基点にして探す。当時の風は北西から南東に向けて流れていた。そこでA班は基点から北北西へ。B班は西北西へと向かう。
「この辺り、いるなー蛇やトカゲ。暑いけど用意してきてよかったぜ」
鳴沢礼がひょいと蛇を跨いで通る。昨日蛇を食べたとミヤサが話すとB班一同は驚いていた。
「毒草にも気をつけないといけませんわ」
イスタは茂みの中を通ろうとした柴犬を止めて迂回させる。
「毒蛇ですね。ちょっと待ってください」
ルドルフは長い枝を使ってさっと蛇を退かしてくれた。こうして柴犬の進む道が確保されていく。
枝から落ちてきた蛇が仲間の頭や肩の上へ。それをミヤサが掴んで遠くに投げたりなどが繰り返される。
「こちらもまだ葉のにおいは嗅ぎつけていないようだ」
七葵はトランシーバー係としてA班と連絡をとった。今日の探索は連絡がとれる距離なので何かとやりやすい。
「木の根っこありますので注意してくださいね。流石に上ばかり見てると危ないですよ?」
柴犬と並んで歩いていたルドルフが事前に危険個所を教える。
「ん~ないな。あの木なんて怪しいんだけどな」
木によじ登った鳴沢礼が双眼鏡を構えた。緑の中に白い花が咲いていないか眼を凝らす。
昼食は調理済みの猪肉を焚き火で炙って分けて頂く。
休憩中に風向きが変わる。柴犬の吠える回数が増えて期待度が高まった。
「A班の犬もにおいに反応しているようだぞ」
七葵が受けたA班からの報告を聞いて気持ちが逸りだす。
「あの木が怪しそうなんだけどな?」
鳴沢礼が双眼鏡を覗きながら高い木を指さした。双眼鏡を借りたミヤサも確認。白い花が咲いているように見えなくもない。
「あらあら、そちらに行きますの?」
イスタが柴犬の後ろを追いかける。目指そうとしていた高い木まで遠回りのように感じられたが、結果としては早道となった。香りをのせた風が障害物を避けさせてくれたのだろう。
「これだな」
七葵が大樹の根元で天を仰ぐ。双眼鏡で確認した鳴沢礼が大きく頷いた。
まもなくA班と合流。何人かが登って白い花と葉を手に入れてくる。
ミヤサが葉を揉んで香りを嗅いだ。
微笑んだ後で一同の前に葉を差しだす。漂う香りは間違いなくオールスパイスのものだった。
●
周辺を探すとオールスパイスの樹木は十二本見つかった。後で辿り着けるよう印を用意。充分な成果を得て一行は森を後にする。
森の外縁で待機していた馬車に乗り込んで一番近くの町に立ち寄った。
「発見したらサンプル分は自由に使ってよいといわれていたんですよ」
「さあ早く肉を焼こう」
オールスパイスを使った料理を一番待ち望んでいたのは七葵のようだ。市場で手に入れた牛肉の塊を抱えてミヤサを宿の厨房に連れて行く。
仲間達も手伝ってハンバーグが作られる。牛の挽肉に胡椒とオールスパイスがたっぷりと混ぜられた。乾燥葉も砕いて使う。
このときのために森の中で骨や肉、野草を煮込んで用意したフォンがある。葡萄酒などの足りなかった食材を足してデミグラスソースを完成させた。
オーブンから取りだしたハンバーグと温野菜を皿に盛る。ソースをかけて完成となった。
「フォンを作るのに三日かかったのん♪」
「待った甲斐があった」
ミィナと七葵が狩った獲物もソースに使われている。
森の中で得た様々がこのハンバーグに凝縮されていた。ほとばしる肉汁にソースが混じる。香辛料が程よく効いた肉と一緒に口の中へ。例えようもない旨さが広がった。
「うめー! ちょーうめー!」
「私もこの味は久しぶりです」
鳴沢礼はこれまでどのような冒険をしたのかミヤサに訊ねる。
この前までは沈没船を探していたという。失敗だったのでもう一度挑戦したいとミヤサは決意を言葉にした。
「はんばーぐ、おいしい、いっぱい食べ……ぐぅ!!」
「ほら、がっつくからだ」
咽せたルージュの背中を岩動巧真がさすってあげる。最後まで彼はルージュの保護者であった。
「イスタさん、どうかしましたか?」
「いえ何でも……。あまりに美味しくて」
ミヤサが心配したのも無理もない。イスタは食べながらポロポロと涙を流していた。懐かしい味がしたと彼女は答えたが、それ以外の事情もありそうだ。
「不思議ですね。一つのスパイスでこんなに美味しくなるんだ。ちょっと欲しいですね」
ルドルフにミヤサが耳打ち。森で乾燥させた葉を全員で分けるつもりだと。但し、封なしで香りが抜けやすいので近日中に使う必要がある。
「こういうの俺、食ったことがあるな。やっぱ、リアルブルーでなんだろうな」
「これだけのハンバーグは滅多に食べられませんよ。ロッソでも難しいぐらいだと思います」
蘇芳大和とミヤサはしばらくリアルブルーについてを話題にするのだった。
数日後、一行はガンナ・エントラータへ帰還する。
九月頃に収穫される種子は香辛料として高級品扱いになるだろう。
但し葉は別。常緑樹なので一年中収穫できる点も素晴らしい。こちらは安価な流通が望まれるが、それは実業家ウリッシュの心づもりで決まる。
ともあれ目的は達成した。ハンター一行は見送ってくれたミヤサと笑顔で別れるのだった。
ミヤサとハンター達はガンナ・エントラータで合流。実業家ウリッシュが手配した馬車へ乗り込み、数日かけて東部森林地帯の南側外縁に到達する。
早朝、森に足を踏み入れた。
「んと、おーるすぱいくっての探すんだっけ?」
「万能釘じゃねぇからな、あと機械をロボットにもしねぇ」
ルージュ・L=ローズレ(ka1649)に突っ込みを入れたのは岩動 巧真(ka1115)だ。聞いていたミヤサがクスリと笑う。
「うちが神霊樹で調べた分にはこんな感じかなぁ?」
首を傾げるルージュの横でミィナ・アレグトーリア(ka0317)がオールスパイスについて説明してくれる。
葉は弱めながら種子によく似た味と香りを持つ。乾燥させた葉も香辛料として使えるという。三種類の香辛料を併せ持つといわれているが、クローブの傾向が強いらしい。
「ミヤサさん、お花も気になるんよね」
「花びらよりも長くて沢山の白い雄しべがとても目立つ感じですね。花の香りは私も知りませんが、実や葉とは明確に違うそうです」
ミィナとミヤサの前を歩いていたイスタ・イルマティーニ(ka1764)も途中で会話に加わる。
「夢のような香辛料ですわね。植林栽培できれば先を見た事業展開も……でも難しいのでしょうね」
「種子から育てて実がなるまで七、八年かかるそうです」
その年月差の埋めるためにも大元の実業家は植生地を発見したいようだ。
「探し当てたら大発見だよな。てことは、金になるってことだな?」
蘇芳 大和(ka4136)は後ろ歩きをしながらミヤサを見つめる。
「種子は秋頃に未成熟のまま収穫しますが、葉の採取はいつでもできます。葉の方が魅力的かも知れませんね」
それを聞いた蘇芳大和は張り切って先頭を歩きだす。
「貴重な香辛料、しかも葉なら安価になりそうですか。面白そうですね」
「ってことはさ。それを使って料理ができるんだよな?」
ルドルフ・デネボラ(ka3749)と鳴沢 礼(ka4771)が振り返ってミヤサに視線を送る。
「オールスパイスと胡椒を使ったハンバーグは絶品ですよ。とっても」
ミヤサの返事に二人が瞳を輝かす。もう一人、七葵(ka4740)も非常に興味をそそられていた。
(オールスパイスを発見。そしてはんばーぐとやらを食す!)
素知らぬ表情の下に隠された心中はハンバーグで占められる。七葵が早歩きになったのも無理からぬことだ。
「出発前に頼んだあれはどうなったんだ?」
「ちゃんと荷物の中に入っています。後でお渡ししますね」
やり取りする岩動巧真とミヤサの顔をルージュは順に眺める。
「たっくん教えてっ」
「ま、お楽しみってやつだ」
岩動巧真はルージュを煙に巻くのだった。
●
「この音?」
暮れなずむ頃、イスタは水の潺を聞き分けて小川を発見する。しかもすぐ近くで森が拓けていた。
「ここをキャンプ地とするっ!」
駆けだしたルージュが拓けた土地のど真ん中に立って天を指す。
「ポーズはいいが野営手伝えよ」
「ぃ、いいじゃん……言いたかったんだもん!」
岩動巧真はルージュが担いでいた荷物からテントを取りだして設営を始める。ルージュは目印として周囲で一番高い木の頂に登って赤い旗を括りつけた。
ルドルフもテントを提供してくれたので全員が雨風を凌げる。
探索は明日以降。今日のところは全員で枯れ枝を拾って焚き火を熾す。空腹は保存食で満たした。
「森林行軍にはこれがいると思ってな。ハイキングのようなもんだったが」
岩動巧真がミヤサに頼んだ品を披露。塩と胡椒、それと少量のカレー粉であった。望んだ仲間にも分配される。
野営の見張りを決めて早めに就寝するのだった。
●
早朝、ミヤサはにおいで目が覚める。テントから出てみれば焚き火で肉が炙られていた。
「どうしたんですか?」
「ミヤサ、どうだいこの肉!」
鳴沢礼がミヤサに説明する。七葵と見張りをしていたとき、森の茂みがざわついた。双眼鏡で確かめると月光を浴びた鹿がいたという。
「夜の森って、いろんな音するんだなあ……知らなかったよ」
「二人で見張りを放りだすわけにはいかなかったからな。そこで俺が狩った。それだけだ」
ミヤサが二人と話している間に他の仲間達も目を覚ます。
朝食は塩胡椒で下味をつけ、脂身をのせて焼いた肋のリブ肉となった。早速イスタが口にする。
「あちらではこれをどう料理するのかしら?」
「バーベキューソースと呼ばれるタレに漬けてからオーブンで焼いたりしますね。牛や豚を使うことが多いですけれど」
「落差の激しい貧乏生活故、いざとなれば○×すらも食する覚悟はしておりますしたの。なのにこんなにも美味しい料理を食べられるなんて」
「私も驚きです」
イスタが発した言葉の一部は鳥の鳴き声でミヤサの耳には届かなかった。
「オールスパイスを使ったら、もっと美味いのかもな! そういや木の外見はどんなのなんだ? 二十メートルとかいってたっけ?」
「古木はそれぐらいです。成木は十五メートル前後が多いですね。花はこの間話した通りで、葉っぱにはギザギザがありませんよ」
肉を頬張る蘇芳大和にミヤサが香辛料大全の写しの一枚を見せる。ルドルフもそれを見せてもらう。
「この白くて雄しべがたくさんある花を目印にするのがよさそうですね」
ルドルフにミヤサが頷く。白い花を探し、香りについてはウリッシュから預かった貴重なオールスパイスの粒を参考にしてもらう。念のためクローブも用意されていた。
「さてこれからが本番だな」
「うんっ! えっとリボン、どこに置いたっけ?」
準備を始めた蘇芳大和の後をルージュが追いかける。
「飛べたら楽なんになぁ…………地道に頑張るのん!」
ぽつりと呟くミィナだが即座に気持ちを入れ替えた。
探索はA班とB班に分かれて行うこととなる。
A班は蘇芳大和、岩動巧真、ルージュ、ミィナ。B班は鳴沢礼、イスタ、七葵、ルドルフ。本日のミヤサはA班と行動を共にすることにした。
●
「肉をこれで包んで蒸し焼きなんてどうだ?」
「いいですね。アク抜きをすれば結構おいしいですよ」
蘇芳大和が掲げた巨大な葉をミヤサが確かめる。茸類は必ず食べられるものだけを選別して収穫していく。香辛料探しと同時に食料集めも行われた。
「フラン、おなじ香り見つかったっ?」
ルージュが屈んで柴犬の頭を撫でると頼りなさそうに吠える。
「あったぞ」
蘇芳大和の言葉に全員が振り向く。彼の両手には蛇が握られていた。頭が切られて皮が剥かれて肉の状態だ。
「たっくん、すごーい!」
「あっちには沼があってでかい蛙がいたな。ちょっと行ってくるぜ」
すんなりと蛇を預かってしまったルージュ。ミヤサが代わりに持ってくれて安堵のため息をついた。
「生きていたとしても毒はないから大丈夫ですよ」
「これから姐さんって呼ばせて。うううん。呼んじゃう!」
ルージュはミヤサの背中に抱きついた。
焚き火を熾して昼食の時間となる。カレー粉が塗された蛇肉や蛙肉は枝に巻かれて遠火で焼かれた。
「何事も経験だぜ」
岩動巧真は手馴れた様子でがぶりと囓った。
「んぇ、なんか甘い匂いがするんだよー?」
岩動巧真の隣に座ったルージュが鼻を利かせる。
「ねぇ、たっくん、このにおいは、ちょこ!?」
「お前は犬か。まぁ持ってきてるけどよ」
岩動巧真は持参してきたチョコレートを取りだすと、両目を☆にしたルージュに押し倒された。
「ほれ……ちょ、おまっ!」
「くれるの? わーい、ありがとっ!」
ルージュに欠片を渡すとようやく離れてくれる。
「ったく……ほら、お前らも食えよ。甘味が恋しい頃だろ」
残りはその場の仲間と分配。一枚は帰ってからB班の者達に渡された。
(チョコはうまいけど、蛇はあんま食う気しねぇなぁ)
蘇芳大和は一口だけ蛙肉を頂いた。そして持ってきた鹿肉を炙り直して胃袋を満たす。
「この後、どう進みましょうか? 犬たちはどうです?」
ミヤサは顔色一つ変えずに蛙と蛇を一匹分ずつ食した。
「うちのわんこさんもにおいで探したけど、わからなかったようなのん」
ミィナは肉塊を囓るドーベルマンを見つめる。昼食後、このドーベルマンが大活躍。但し目的の樹木を探し当てたのではなかった。
ミィナは石を結びつけた縄を枝に引っかける方法で木に登っていた。足音が聞こえたので眼下に目をやるとドーベルマンが獲物を連れてきている。
「猪!」
すさかずマジックアローで狙い撃つ。姿勢を崩した猪が太い幹へと衝突。そのまま気絶してしまう。
「キャンプに血の匂いを持ち込まないようにするのん」
「俺も手伝おう」
ミィナと岩動巧真がさっそく解体。そうこうするうちに暮れなずむ頃になった。
「知らない森は侮っちゃいけないのん」
「そうですね。焦る必要はありません。戻りましょう」
ミィナとミヤサが空を眺めることで引き返す時間を見極める。
帰路の途中、犬達が吠えた。もしやと周囲を探ってみたが目的の樹木は見つからない。
「葉の香りが風で流れてきたりとかねぇかな?」
蘇芳大和の推理は理に適っている。ミィナとルージュが近くの木に登って風向きを調べておく。
ルージュは目印としてリボンを用意していた。蛇が多いよ!は赤、足場悪いよ!は黄、安全だよ!は緑のリボンである。ここは大事な地点なので全部のリボンを結んでおく。
拠点に戻ったA班は夕食を作る。肉付きの骨で出汁をとって塩胡椒で味を整えた。肉の臭み消しにはカレー粉を使用。野草や茸と一緒に煮込んで猪肉の鍋を完成させる。
日が暮れた頃、B班と一緒に鍋を突くのであった。
●
探索二日目はA班が香りを感じた場所を基点にして探す。当時の風は北西から南東に向けて流れていた。そこでA班は基点から北北西へ。B班は西北西へと向かう。
「この辺り、いるなー蛇やトカゲ。暑いけど用意してきてよかったぜ」
鳴沢礼がひょいと蛇を跨いで通る。昨日蛇を食べたとミヤサが話すとB班一同は驚いていた。
「毒草にも気をつけないといけませんわ」
イスタは茂みの中を通ろうとした柴犬を止めて迂回させる。
「毒蛇ですね。ちょっと待ってください」
ルドルフは長い枝を使ってさっと蛇を退かしてくれた。こうして柴犬の進む道が確保されていく。
枝から落ちてきた蛇が仲間の頭や肩の上へ。それをミヤサが掴んで遠くに投げたりなどが繰り返される。
「こちらもまだ葉のにおいは嗅ぎつけていないようだ」
七葵はトランシーバー係としてA班と連絡をとった。今日の探索は連絡がとれる距離なので何かとやりやすい。
「木の根っこありますので注意してくださいね。流石に上ばかり見てると危ないですよ?」
柴犬と並んで歩いていたルドルフが事前に危険個所を教える。
「ん~ないな。あの木なんて怪しいんだけどな」
木によじ登った鳴沢礼が双眼鏡を構えた。緑の中に白い花が咲いていないか眼を凝らす。
昼食は調理済みの猪肉を焚き火で炙って分けて頂く。
休憩中に風向きが変わる。柴犬の吠える回数が増えて期待度が高まった。
「A班の犬もにおいに反応しているようだぞ」
七葵が受けたA班からの報告を聞いて気持ちが逸りだす。
「あの木が怪しそうなんだけどな?」
鳴沢礼が双眼鏡を覗きながら高い木を指さした。双眼鏡を借りたミヤサも確認。白い花が咲いているように見えなくもない。
「あらあら、そちらに行きますの?」
イスタが柴犬の後ろを追いかける。目指そうとしていた高い木まで遠回りのように感じられたが、結果としては早道となった。香りをのせた風が障害物を避けさせてくれたのだろう。
「これだな」
七葵が大樹の根元で天を仰ぐ。双眼鏡で確認した鳴沢礼が大きく頷いた。
まもなくA班と合流。何人かが登って白い花と葉を手に入れてくる。
ミヤサが葉を揉んで香りを嗅いだ。
微笑んだ後で一同の前に葉を差しだす。漂う香りは間違いなくオールスパイスのものだった。
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周辺を探すとオールスパイスの樹木は十二本見つかった。後で辿り着けるよう印を用意。充分な成果を得て一行は森を後にする。
森の外縁で待機していた馬車に乗り込んで一番近くの町に立ち寄った。
「発見したらサンプル分は自由に使ってよいといわれていたんですよ」
「さあ早く肉を焼こう」
オールスパイスを使った料理を一番待ち望んでいたのは七葵のようだ。市場で手に入れた牛肉の塊を抱えてミヤサを宿の厨房に連れて行く。
仲間達も手伝ってハンバーグが作られる。牛の挽肉に胡椒とオールスパイスがたっぷりと混ぜられた。乾燥葉も砕いて使う。
このときのために森の中で骨や肉、野草を煮込んで用意したフォンがある。葡萄酒などの足りなかった食材を足してデミグラスソースを完成させた。
オーブンから取りだしたハンバーグと温野菜を皿に盛る。ソースをかけて完成となった。
「フォンを作るのに三日かかったのん♪」
「待った甲斐があった」
ミィナと七葵が狩った獲物もソースに使われている。
森の中で得た様々がこのハンバーグに凝縮されていた。ほとばしる肉汁にソースが混じる。香辛料が程よく効いた肉と一緒に口の中へ。例えようもない旨さが広がった。
「うめー! ちょーうめー!」
「私もこの味は久しぶりです」
鳴沢礼はこれまでどのような冒険をしたのかミヤサに訊ねる。
この前までは沈没船を探していたという。失敗だったのでもう一度挑戦したいとミヤサは決意を言葉にした。
「はんばーぐ、おいしい、いっぱい食べ……ぐぅ!!」
「ほら、がっつくからだ」
咽せたルージュの背中を岩動巧真がさすってあげる。最後まで彼はルージュの保護者であった。
「イスタさん、どうかしましたか?」
「いえ何でも……。あまりに美味しくて」
ミヤサが心配したのも無理もない。イスタは食べながらポロポロと涙を流していた。懐かしい味がしたと彼女は答えたが、それ以外の事情もありそうだ。
「不思議ですね。一つのスパイスでこんなに美味しくなるんだ。ちょっと欲しいですね」
ルドルフにミヤサが耳打ち。森で乾燥させた葉を全員で分けるつもりだと。但し、封なしで香りが抜けやすいので近日中に使う必要がある。
「こういうの俺、食ったことがあるな。やっぱ、リアルブルーでなんだろうな」
「これだけのハンバーグは滅多に食べられませんよ。ロッソでも難しいぐらいだと思います」
蘇芳大和とミヤサはしばらくリアルブルーについてを話題にするのだった。
数日後、一行はガンナ・エントラータへ帰還する。
九月頃に収穫される種子は香辛料として高級品扱いになるだろう。
但し葉は別。常緑樹なので一年中収穫できる点も素晴らしい。こちらは安価な流通が望まれるが、それは実業家ウリッシュの心づもりで決まる。
ともあれ目的は達成した。ハンター一行は見送ってくれたミヤサと笑顔で別れるのだった。
依頼結果
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鳴沢 礼(ka4771)
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/13 11:54:11 |
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探検相談! 鳴沢 礼(ka4771) 人間(リアルブルー)|15才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/06/16 23:00:52 |