• 戦勝夜煌祭

【夜煌】皇帝杯記念競馬大会

マスター:cr

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/06/25 19:00
完成日
2015/07/03 19:02

みんなの思い出

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オープニング


 一面に広がる草原に多くの人々が集まっている。人々が作った大きな大きな輪の中には、馬たちが並んでいる。
 今日は村長祭恒例の競馬大会の日……なのだが、例年の大会とは違う点が3つあった。
 一つは、例年以上に多くの人々が見に来ていること。
 一つは、会場がジェオルジではなく辺境であること。
 そしてもう一つは主催がジェオルジではなくゾンネンシュトラール帝国であること。
 それに合わせて、この競馬大会も例年とは違い「皇帝杯」の冠が付いていた。


 戦場において、移動手段というのは非常に重要である。機動力の差は、そのまま戦力の差になりかねない。クリムゾンウェストでは、最近もたらされた魔導バイクなどもあるが、やはり最も使われているのは馬である。となると、軍事を司る所にとっては良馬というのは喉から手が出るほど欲しいものになる。特に、帝国においてはそうであった。王国で生産されるゴースロン種の様な優れた馬、帝国としてはこれを求めていた。
 一方、同じく良馬の生産を願っていた者達が居た。それが自由都市同盟内、農業推進地域ジェオルジの人々である。馬の生産も農業の一種である。ジェオルジ一族としては、これについても他の地域を追い越すような一流馬の生産を行うことを望んでいた。村長祭で行われる競馬大会もそもそもそのための良馬の厳選ということで行われていたものである。
 そして、ここに帝国とジェオルジの利害は一致した。戦勝記念祭という大義名分を使って競馬大会を行う。帝国の後ろ盾があり大々的に開かれるこの大会にはクリムゾンウェスト中から良馬達が集まるであろう。そこで良い成績を収めた馬の血統を用いて馬を生産することで、王国にも負けない良馬を産み出せる。それこそがこの競馬大会の狙いであった。


 距離はいつもの競馬大会とは違い3200メートル。馬にとっては長い距離だが、これは良質な軍馬を求める帝国側の意向が働いた形だ。
 帝国の後ろ盾がある関係で観客の数も例年より多い。それに今回はスタート、ゴール前に観客席が据え付けられていた。これが作られたのは単に観客が多く集まるからではない。観客席の一番上に作られた貴賓席。そこにゾンネンシュトラール帝国皇帝、ヴィルヘルミナ・ウランゲルその人が姿を表した。主催者である彼女を迎えるためにこの観客席は急遽作られたのだ。
 今回の大会の優勝者には皇帝から直々に栄誉が授けられる。お金では買えない、誇りと名誉をかけて25頭の馬は今スタートラインに並んだ。

リプレイ本文

 朝早く、無人の観客席の前に一つの影があった。
 それはザレム・アズール(ka0878)。今回の競馬大会の参加者だ。
 彼は集合時間より早く会場入りし、愛馬オラシオンを休ませ、そして一人この広い競馬場に居た。
 その目的は馬場に転がっているかもしれない石の除去。最高速で走っている馬が、石を踏めば大怪我につながる。勿論上位入賞が目標だが、全ての馬が不意の怪我をするのは彼の本意ではない。そこで丁寧にコースをたどるザレム。
 しばらく経ちひと通り確認し終えた彼がスタートに戻ってきた頃、観客たちが集まり始めていた。さあ、レースを始めよう。

●第1レース

1枠:米本 剛(ka0320)&黒風
2枠:ユリアン(ka1664)&アルエット
3枠:オキクルミ(ka1947)&コンラ
4枠:三日月 壱(ka0244)&ファンブルノノロイ
5枠:ザレム&オラシオン

「また来られたなアルエット」
 馬場に最初に入場してきたユリアンは、ぐるりと周囲を見渡し愛馬アルエットにそう呟いた。ユリアンは前回の村長祭で行われた競馬大会にも出場し、決勝に進出している。その時と同じように丁寧に返し馬を行い馬場に慣れさせる。
「ルミナちゃんが来てるしいい所見せたかったけど……」
 続いて入ってきたのはオキクルミ。しかし彼女は先日依頼で大怪我を負ってしまった。万が一落馬したり傷口が開いたりしては元も子もない。最下位だけは避けたいと思いレースに向かう。
「よ~しよし、終わったらブラッシングしてあげるからね」
 そう、撫でながらコンラに話しかけるオキクルミ。
 そこにひときわ大きな馬が入ってくる。馬の名は黒風。その鞍上に居るのは、黒風に似合う堂々とした体格の米本。
「この皇帝杯記念という栄誉……黒風と共に授かりたいものですな」
 馬体を撫でながらそう口の中で言葉を思いを転がす。気持ちよく走らせるため、時間をかけてブラッシングとマッサージを施してきた。そのかいあってか、彼が撫でる馬体は美しく光っていた。
 ザレムも「頑張ろうな」と愛馬を撫でている。
「皆さん、今日は楽しくやりましょう!」
 最後に三日月が入場してきた。少年らしい無垢な笑顔で、他の出走者達に話しかける三日月。しかし腹の中には
(チッ、賭けは無しかよ。つまんねーなぁ)
 と黒いものを抱えていた。
 やがて各馬は誘導されゲートインし、スタートの時を待つ。ざわめいていた観客も一瞬息を飲み、そしてゲートが開いた。同時にターフへと飛び出していく五頭。
 先頭争いが始まる。内側に入るファンブルノノロイとコンラ。共に最短距離を走ろうという狙いだ。馬体と馬体がぶつかりそうになったところで、オキクルミの方が降りる。怪我の影響で鞍上のほうが踏ん張りが効かないのだから仕方がない。
 そのすぐ後ろに居るのは黒風とオラシオンだ。馬体も鞍上も大柄な黒風に対し、身を屈め空気抵抗を減らし、のびのびと走らせる、いや、走ってもらうザレム。それを見て米本は
(何時もよりかは黒風に負担はない筈……ですが自分が乗る自体が負担と言われれば反論出来ませんな)
 と思っていた。
 そしてユリアンは最後方から追っていく。馬はコースを進み、向こう正面までやって来た。ここで少しずつペースを上げ、最後の勝負へと備える。アルエットの顔に走る白斑が、観客席からは流星のように見える。
 レースは第三コーナーへ。ここでスパートをかけるユリアン。アルエットに合図を出し加速する。黒風の大きな馬体と、内ラチの間をすり抜けるように前に出たところで、加速が止まってしまった。
 スタミナ切れでも故障でも無い。ピタリ前にファンブルノノロイがいたからだ。その横にはオラシオン。
 三日月の作戦はこうだった。まず前方、インの位置をキープする。そして後方から来る馬をブロックしつつその隙に息を入れさせ、最終コーナーを曲がってからスパートを仕掛ける。
 果たして、その狙いはハマりアルエットには道が残されていなかった。唇を噛み、一瞬の判断の後に大外へと馬体を回すユリアン。
 そして最終コーナーへと入っていく。全速力で駆けるファンブルノノノロイが前に出る。その横で、ザレムがもう一段身をかがめた。
「お前の力を見せろオラシオン!!」
 鞭を一発入れるとそれに答え直線へと飛び出していく。
 一方ブロックされ大外へ回らざるを得なかったアルエットもその末脚を見せる。距離は長くなったが、ここまで脚を溜めてきた。その差がいともたやすく他馬を抜いていく。
 ゴールへ向かって真っ直ぐ突き進むオラシオンとアルエット。その差がぐんぐんと詰まっていくが……オラシオンがギリギリのところでかわし切りゴール板に飛び込んだ。
 勝負をつけたのは、大外を回ることになったアルエットのその距離だった。悔しい気持ちはあるが、それは仕方ない。クールダウンしつつ厩舎に下がったユリアンは馬を降り、汗を拭きつつ首を抱く。
「ありがとう 気持ち良かった」
 そう礼をして水を飲ませる。そして自分の体が火照って居ることに気づき、頭から水をかぶるユリアンだった。

●第2レース

1枠:シェリル・マイヤーズ(ka0509)&ノルン
2枠:シェリアク=ベガ(ka4647)&リュラ
3枠:弓月 幸子(ka1749)&てるてる
4枠:Holmes(ka3813)&ナイジェル・ブルース
5枠:レウィル=スフェーン(ka4689)&ポチ

「ねぇ、ノルン……今日の風は……気持ちがいいね……。さぁ……いくよ……」
 栗毛の美しい馬が馬場に入ってくる。その鞍上には小柄な赤毛の少女、シェリルが乗っている。誰に対してもぶっきらぼうに接する彼女だが、動物には違う。愛馬と息を合わせてできるだけいい順位に入りたいと願う。
「さぁ、リュラちゃんと一緒に頑張るのっ!」
 対照的に元気いっぱいに入ってきたのはシェリアクだ。この日のために末脚の持久力を持たせるトレーニングも積んできた。なぜなら彼女には大きな目標があったからだ。
「決勝で勝てたらゴールの後に皇帝陛下に臣下の礼を取るのっ! きっとかっこいいの!」
 それは子供の望む他愛のない物、と思うかもしれない。だが、彼女にとっては真剣そのもの。実際に貴賓席には間違いなく皇帝その人が居る。その下に跪く光景を思い浮かべ、憧れの大人なハンターになった気分になって思わず顔がほころぶ。
「一緒に頑張ろうね、てるてる」
 一方、幸子はまず、愛馬と共にレースを楽しむことを第一に置いていた。もちろん、その上で勝つ、それが目標だ。
「まぁ、出場するからには優勝でも狙ってみようか」
 そして漆黒の筋肉質の馬が入ってくる。光沢を帯びた青毛のその馬、ナイジェル・ブルースの上に乗っているのは小柄なドワーフの少女、ホームズ。
 ふわりとたてがみと尻尾をなびかせ入ってくる馬とホームズの姿はどことなく気品を感じさせる。それは、もしかしたら名家の深窓の令嬢かもしれない、と言われても信じてしまうであろうものだった。
 そして最後に入ってきたのはレウィル。彼は観客席にいえーいと愛想よく手を振りつつ、馬場を進んでくる。そして気合を入れる。
「気張りなよー、ポチ。他の選手と帝国のお偉いさんに実力を見せつけてやるんだ」
 そんなレウィルの行動原理は単純明快だ。
「栄誉とかそういうのはどうでもいいけど、勝負ごとならしっかり勝ちにいかないとね!」
 そう、勝負事となれば負けるわけには行かない。それだけの話だ。

 そして各馬はつつがなくゲートに入る。
「今日の“幸運”の風は……私達に、吹くといいね……」
 そのシェリルのつぶやきに合わせるかのようにゲートが開き、各馬が一斉にスタートした。
 まず先頭に飛び出したのはてるてる。撫でて合図を出し、一気にスタートダッシュ。
「モップバケツに足を取られても良い。ボクはキミに期待しているよ、ナイジェル」
 それに続くはナイジェル。鞍上のホームズは彼が逃げを打てるほどスピードが無いことを知っていた。代わりにタフネスなら自信がある。だから後ろに付き、ここぞという所で勝負する。
 その後方からはリュラ。じっと待ち脚を貯める。前二頭に引き離されず、ペースを乱されず。それに集中し進めていく。
「折り合い大事なの、気分よく走らせれば行けるはずなのっ!」
 シェリアクはリュラを信じ、勝負の時を待つ。
「焦っちゃダメだよー、ポチ。相手の背中をしっかり見るんだ」
 そして最後方につくのはポチだ。レウィルの作戦ははっきりしていた。
(やっぱりレースで一番盛り上がるのは最終局面での大逆転、だよね。だから……最後まで体を温めて、力を蓄えて、ゴールが見えたら一気に抜き去るだけでいい)
 彼は仕掛けるタイミングにだけ集中していた。
 一方ノルンの鞍上シェリルは神経を研ぎ澄ませていた。周りの空気、風の動きを感じ、ノルンにとってベストのコースを探る。
「……いい道を……見つけるんだ……」
 果たして、ノルンはリュラに並ぶように位置取りレースを進めていた。
 そして第三コーナーへ。ここでホームズが仕掛ける。迫力ある足取りで前へ出るナイジェル。
「さあ、ボク達のターンだよ」
 だがてるてるも負けない。抜かれたところですかさず抜き返す。両馬による先頭争い。
 そのまま最終コーナーに入ったところでノルンとリュラが同時に飛び出した。ノルンが風にのる。リュラが貯めた脚を爆発させる。四頭は入れ替わり前に出ながら、直線に入っていく。
 最後にレウィルが仕掛けた。ここまで貯めた力をここで爆発させる。だが、その時レウィルの前には四頭による壁が出来ていた。
「しまった!」
 これでは前に出られない。悔しがる間もなく、ノルンとリュラが進み出ていく。直線二頭の叩き合い。
 ノルンか、リュラか? リュラか、ノルンか? 二頭は同時にゴールに飛び込んだ。
 どちらが勝ったのか誰もわからない。するとゴール板の後ろからパルムが表れる。彼らが審判役なのだ。
 しばし後、結果が発表された。一着ノルン、二着リュラ。この差はほんの少しの幸運の差でしかなかった。

「お疲れ様ポチ、頑張ったね! 帰ったら今日はちょっといい物食べようねー」
 残念ながら予選敗退だったが、ポチはよく頑張ってくれた。レウィルはレースを振り返りながら、愛馬をしっかり撫でていた。

●第3レース

1枠:紫月・海斗(ka0788)&フランメ
2枠:レホス・エテルノ・リベルター(ka0498)&ビエント
3枠:紅薔薇(ka4766)&覇王丸
4枠:ミオレスカ(ka3496)&ハニーマーブル
5枠:近衛 惣助(ka0510)&ウィル

 第3レース、馬場に真っ先に入ってきたのは紫月だった。
「ハァーハッハァー! 俺と愛馬フランメちゃんのちょっと良いトコ見せてやるぜ!」
 と賑やかにアピールしながら登場。と言いつつ、彼は先日の依頼で大怪我を負っており、まだ治っていない。だが、
「楽しい事にゃ参加するしかねーだろ! 重傷でもー、気合いで我慢!」
 と気合と根性で何とかしつつレースへの参加を決めた。
「たまにはこういうお祭り騒ぎも悪くないな」
 続いて入ってきたのは近衛だ。愛馬ウィルに似たのか、のんびりとした感想を漏らす。しかし、それだけではない。
「だが折角の勝負なんだ、優勝を狙うぞ」
 出るからには目標は優勝だ。
 そのころ、厩舎では参加者たちがレース前最後の調整を行っていた。
「競馬大会かあ……あまりお仕事って感じじゃないし、気楽にね」
 ビエントを撫でて緊張をほぐしているのはレホスだ。
「確かに、短時間での速さを競う騎乗としては、長い距離、ですね」
 一方ミオは距離の長さを気にかけ、自分とハニーマーブルの装備を限界まで外すことで負担重量を減らすことに勤しんでいた。
 そして他馬のそんな様子を、愛馬、覇王丸の青毛を丁寧にブラッシングしながら紅薔薇は値踏みするように伺っていた。
「ふむん。さすがに一位になれるとは思っておらんが。東方馬の力を見せるためにも予選くらいは勝ちたいのう覇王丸」
 このようなレースに出てくるぐらいだ。どの馬も相手にとって不足なし。だからといってみすみす負けるつもりは無い。気合を入れなおし、馬場へと向かう。
 そして馬場に入ってきた三頭。ワァッと観客席から歓声が上がる。コースから見れば幾重にも重なったように見える大きな観客席。そこに詰まった人、人、人。
「ええっと、帝国の皇帝さんが来てるんだっけ?」
 そしてその一番上、貴賓席にはヴィルヘルミナの姿。それを見てレホスは一瞬緊張するが、それよりもビエントと共に走ることを楽しもうと誓う。
「けっこうすごいレースみたいだ。ビエント、緊張してない?」
 そしてもう一度、愛馬を撫で緊張をほぐすレホス。
 同じように参加者たちは愛馬の緊張をほぐし、ゲートへと入っていく。
 そしてスタートの時が来た。旗が振られ、五頭が飛び出す。
 先手必勝、頭を抑えろとまずトップに立ったのは紫月。予定通り先頭に立ち、背後での他馬の動きを感じる。
 そんな紫月とフランメの真後ろに続いたのはレホスだ。だが、彼女はマークをしようとは思っていなかった。
「ボクと、この子と。二人の全身で風を感じて、ボクたち自身も風に溶けるんだ」
 自分たちの走りをする、それに精神を傾ける。そんな二人の後ろに入ったのは近衛。風に溶けようとしているビエントを風除けにして、脚を貯める。
「まだだ、まだその時じゃないぜ」
 勝負を一瞬で決める。舞刀士が鞘に刀を納めている時のようにじっとその時を待ち、勝負を一撃で決めるべく力を貯める。
 そして最後方からは紅薔薇とミオ。二人は末脚を信じ後方待機。
 だが、ミオは違和感を感じていた。思ったよりペースが早くない。そのからくりは紫月にあった。先頭に立った後、わずかずつ速度を落とし、脚を温存していた。
 このままでは……馬群全体が短くなってきたのを感じたミオはここで横に出る。
 そして第三コーナーへ。ここでレホスが上がってきた。
「ボクらは、ボクらの走りを魅せよう!」
 ビエント、その名の意味は風。その時二人は、まさしく風となった。
「お嬢ちゃん、そうはいかねぇぜ!」
 だが紫月もここで貯めた脚を解放する。ビエントを抜き返すフランメ。それをまた抜き返すビエント。
 そこへ影が飛び込んでくる。
「行くぞウィル! お前の根性を見せてやれ!」
 近衛が刀を抜いた。爆発する末脚で猛追する。
 一方最後方に居た紅薔薇は、最終コーナーを回りながら外に大きく膨らみ、ここで一発鞭を入れた。
「妾は逃げん。狩人とは獲物を追うものなのじゃ!! 行くぞ覇王丸!!」
 その声とともに、地響きを上げて覇王丸が追う。
 四頭の間合いが少しづつ詰まっていき、とうとう並ぶ。そして始まる先頭争い。ここで前に出たのは近衛だった。ウィルの末脚の切れ味が馬群を切り裂いた。
 ゴール板まであと少し、あと三完歩、二完歩……。
 だが、そこに居た。ミオとハニーマーブル。彼女が飛び出してきた。それはスナイパーの放った銃弾のように、一瞬を突いて差しきった。ミオの軽量を活かしたスパートが、最後の最後に勝負を決めたのだった。

●第4レース

1枠:エルバッハ・リオン(ka2434)&グレートブラスター
2枠:ヴァイス(ka0364)&ヒン
3枠:神楽(ka2032)&猫
4枠:レイオス・アクアウォーカー(ka1990)&クミンシード
5枠:エヴァンス・カルヴィ(ka0639)&ロレック

 第4レースは各馬が入場してきた所で、一波乱起こった。
「幾多の戦を生き残ってきた我が愛馬ロレック! この名をしっかり覚えときな、観客諸君!」
 真っ先に馬場に入場してきたエヴァンスは、観客席に向かって馬を止めるとそう見得を切って見せた。そのアピールに観客達は拍手で答える。
 しかし、彼にはそう発言するだけの根拠があった。一歩間違えれば死が訪れる数々の戦いで、ロレックはエヴァンスの意志通り動いてくれていた。愛馬の名誉のためにも、このレース負けられない。
 だが、その影で他の者達も各々気合を入れていた。
「競馬大会ですか。いろいろと思惑はあるらしいですが、私は死線を共に潜り抜けた愛馬と全力で走るだけです」
 エルはそう静かに気合を入れる。彼女は今回のレースのためにリアルブルーの本で競馬知識を得ている。その知識でレースに勝とう。その気合は表には出なかったが、決してエヴァンスに負けるものではなかった。
「前のダービーのリベンジだ。いくぜクミン!」
 レイオスは前回の村長祭でも競馬大会に参加している。その時は他の馬の作戦にしてやられ、残念ながら予選で敗退した。だが今度こそ、そう意気込む彼には秘策があった。同じ轍は踏まない。やられたらやり返す。レイオスは燃えながら、心の中では作戦を反芻していた。
 一方ヴァイスとヒンは歓声の中で、呼吸を合わせることに集中していた。今回は3200mの長丁場。何より怖いのがスタミナ切れだ。そのためには無駄な消耗を避ける、つまり折り合いをつけることが重要だ。その判断のもと、レースに向かって人馬ともに意識を高めていく。
「チ、罠もスキルもダメっすか。しゃーない正々堂々やるっす」
 一方そんな中、密かに用意した下剤と吹き矢を捨てていたのは神楽。三下らしく? 卑怯な作戦を企てていた彼だが、何せ今回のレースは皇帝陛下の前で行われる。ルール違反がバレたらどんな事になるのか、想像しただけで恐ろしい。と言いつつ、密かに行われていた賭けに参加していたのだが。自分の負けに賭けて八百長をする選択肢もあったのだが、さすがにそれはしなかった。というわけで自分の財産がかかっているのである。彼は彼なりに気合を入れていた。

「よし、手綱も蹄鉄も問題なし。せっかくの晴れ舞台だからなカッコ良くゴールを決めてやろうぜ」
 レースが始まる直前、一瞬の刹那にレイオスはもう一度愛馬と作戦を確認する。
「出場するからには優勝ですよ、グレートブラスター」
 エルも最後にもう一度、愛馬に声をかける。
 そしてレースが始まる。
「ひゃっはー! 何人たりとも俺の前は走らせねーっす!」
 そう飛び出し、内ラチに沿って走るのは神楽。しかし、逃げを考えていたのは彼だけではなかった。
 エルは競馬での走らせ方を知らないため、小細工抜きで勝負に出たほうがいいと考えていた。
 レイオスも逃げ切り勝ちを狙っていた。
 結果、先頭を激しく争う三頭。レースは恐ろしくハイペースなものになっていた。そんな先頭争いは向こう正面に入った所で、ずるずるとレイオスが下がることで動き始めた。
 下がったクミンシードの後ろにはロレック。そして最後方にヒン。二人も先行勝負を狙っていた。が、ここまでのハイペースになると話が違う。ヴァイスは引きずられそうなヒンを無理にでも押さえつけてスタミナを保つ。一方ロレックは主の意思を察し、自らペースを保っていた。
 そして最終コーナー。ここまで来て流石に逃げていた二頭はスタミナ切れを起こし下がっていく。
「全員が引っかかるほど簡単じゃないか。だが、その方が勝負はおもしれぇッ!」
 入れ替わりで前に出るクミンシード。前回自分がやられたように、ペースを上げてスタミナを消費させ自分はスタミナを保つ作戦、結果二頭を脱落させることには成功した。だが、まだ勝負は決まっていない。最後の直線へと飛び出していく。
「ここは戦場……ただ勝つのみ!」
 そして、エヴァンスも勝負を仕掛ける。弾丸のように飛び出すロレック。
「よし、行くぜ!」
 ヴァイスもここでスパート。見る見る二頭を突き放していく三頭。
「気合を入れろっす~! 負けたら馬刺しっすよ~!」
 突き放され、鞭を入れまくる神楽だったが、それは馬の怒りを買ったようだ。嘶きとともに前足を上げると見事神楽は振り落とされた。
 そして三頭はほぼ同時にゴール。先に逃げた分最後に伸びなかったクミンシードはやや後ろだったが、ヒンとロレックは見る限り同着。判定のためにパルム達が出てくるが、いくら経っても結果が分からない。それはつまりこの二頭が完全に同時にゴールしたことを示していた。
 ざわつき始める観客席。それを皇帝の一言が止めた。
「どちらが一着かわからないんであれば、両者とも決勝に出てもらうのはいかがだろう、諸君!」
 彼女の言葉に口を挟むものは居なかった。

●第5レース

1枠:ルオ(ka1272)
2枠:リック・オルコット(ka4663)&グローム
3枠:ロシャーデ・ルーク(ka4752)&ジョアシャン
4枠:鮫島 群青(ka3095)

「日ごろの関係は置いといて今日は純粋にレースを楽しもうよ、ロシャーデ?」
「わかりました、ご主人様」
 そんな会話をかわしながらリックとロシャーデの二人が入ってくる。リックは豪勢な騎兵衣装を身にまとっている。何せリックは元帝国騎兵。馬の扱いはお手のものだ。そんな彼の賭け事好きの心がここで首をもたげた。
「そうだな……ロシャーデが勝ったら何かプレゼントしようか? それか俺に叶えられる事なら何でも聞こう」
 ちょっとしたギャンブルをロシャーデに申し込むリック。そんな申し出に、ロシャーデはクールに「考えておきます」と返した。
「俺が勝ったら、手料理でも作ってくれたら嬉しいさね」
 そう会話を続けていたところで
「皇帝杯か、名前からして浪漫があるじゃねぇか」
 と馬を借りてきた鮫島が入ってきた。彼には元々愛馬が居るが、「なァに、自分の馬じゃなくても勝つのが優秀な騎手ってもんよォ」とうそぶいている。
 そしてルオが入ってきた。彼はじっくりとこの広いコースをチェックし荒れ具合を確認していた。更に言えば彼は数日前から食事制限を課して体重を落としこのレースを迎えていた。ルオの準備は万全だ。
 だが、レースの方は万全ではなかった。予選は五頭立てで行われる。だが、このレースの最後の参加者がやってこなかった。何が起こったのかはわからないが、メンバーが一人足りない状況だったのだ。どうするべきか対処を相談し始める運営者達。ざわめく観客席。
 その時、一つの影が入場口から現れた。最後の参加者は誰なのか、競馬場中の視線がそこに集まり、そして姿を見た皆があっけにとられていた。何故ならばそこに現れたのはヴィルヘルミナ皇帝その人だったからである。
「見ていたら私も走りたくなってね。最後の枠には私が入らせてもらおう」
 彼女の言葉にもただこくこくと頷くしかない。
「皇帝陛下を近くで見るのは初めてか俺?」
 現在の状況を何とか認識したが、感動した息子がこの状況にあることをしったら親はどんな顔するだろうと自問自答するのが精一杯のリック。
「それにしてもルミナちゃんに似てるよなぁ」
 一方ルオは以前請けた依頼で出会った女性のことを思い出していた。

 だが、例え相手が皇帝だとは言えレースの勝負は別の話だ。各馬スタートに集中し、そしてゲートが開く。
「皇帝陛下! これぞ男の生き様ってヤツを見せてやるぜッ!」
 同時に一言残して飛び出していく鮫島。彼は先日にも競馬に参加した。その時の経験を糧に、乾坤一擲の大逃げをぶちかます。磨きをかけたスタートダッシュは見事の一言。
「ただ勝つだけじゃ、皇帝陛下の度肝は抜けねぇ。オレが見せるのは小細工なしの熱い走り、ってなァ!」
 そんな鮫島の背中を、後ろを走るヴィルヘルミナは熱のこもった視線で見つめていた。彼の思いは届いたのだろうか。
 そんな中二番手争いが始まる。それを繰り広げているのはリックとロシャーデの主従だ。帝国仕込みの正統派な乗りこなしを見せるリックに対し、身を低く屈めて少しでも空気抵抗を減らそうとするロシャーデ。ヴィルヘルミナはその後ろから追っている。彼女は乗り物全般が得意だが、余り無茶をせず馬に任せる形。そして最後方に付けていたのはルオ。これまでのレースで内ラチ近くが荒れていることを確認していた彼は、それを避け最後の勝負に向けて脚を溜める。そんな中でも折り合いに気をつけ、馬が走りたがったら手綱を緩める。
 そして第三コーナーへ。ここでリックとロシャーデは少しずつ前に出て行く。カーブを曲がりながら少しずつ前へ、前へ。そして最終コーナー出口でとうとう鮫島を捉えた。前へ出るロシャーデ。後ろから追うリック。
 だが、前に出るということは追われるということだ。ここでルオが貯めに貯めた脚を炸裂させる。愛馬ジョアシャンを信じ身を屈め粘るロシャーデ。詰めるルオ。リックも負けじと追い迫る。そして三頭はもつれ合うようにゴール。結果は三着リックのグローム号、二着はロシャーデのジョアシャン。そして一着はルオであった。
 レース後、リックは厩舎に向かう。
「それで、プレゼントは何がいい?」
 しかし、その言葉にロシャーデは小さく首を振って、拒否の意を伝えた。
「私にはジョアシャンが居ますから」
 彼女の愛馬であり、彼女の唯一の財産であり、そしてリックから与えられた絆を示すもの。ロシャーデは丁寧に、愛おしそうにジョアシャンの体をやさしく洗っていた。

●決勝レース

1枠:ザレム&オラシオン
2枠:シェリル・マイヤーズ&ノルン
3枠:ミオレスカ&ハニーマーブル
4枠:ヴァイス&ヒン
5枠:エヴァンス&ロレック
6枠:ルオ

 太陽が西の地平線に沈みかけた頃、いよいよ決勝の時がやって来た。この場に立ったのはいずれ劣らぬ名馬たち。誰が勝ってもおかしくない。祭りの騒乱に包まれていた競馬場の空気も、各馬がゲートに入り出走の時を待つに至って沈黙と緊張感が支配していた。
 そしてスターターが旗を振り下ろし、ゲートが開く。同時に6頭の馬達は綺麗に並んでスタートを切った。
 ゲートが開かれると同時に、歓声が押し寄せる。まるでゲートは人々の声をせき止めていた堤防のよう。そんな声の波を受けて、6頭の馬が走りだす。
 そして横に並んでいた馬達から二頭が飛び出す。それはヒンとロレック。第4レースで同着になった二頭。両者は予選では先行勝負を選んでいたが、決勝の舞台に立って共に逃げを打ってきたのだった。
「「先頭は俺だ!」」
 激しく争う二人は良きライバルといったところか。
 そのすぐ後ろにザレムがぴったりと付き、やや開いてシェリルとルオが続き、ミオは予選と同じく最後方からの競馬。
 四頭は馬を走らせながら、前を行く二頭をじっくりと観察していた。ヴァイスは手綱を緩めながら、扱いたフリをして加速しているように見せかけている。一方エヴァンスも、全身全霊を賭けて馬を走らせつつ、ロレックと息を合わせスタミナを気遣っている。慌てることは無い。それが後続の一致した見解だった。そして、もう一つ全員が一致していた考えがあった。すなわち直線勝負。
 果たして、最終コーナーを回りながら各馬も前に出てきて、ほぼ同時に六頭が最後の直線に飛び出していく。
 まずはシェリルが仕掛ける。しかしザレムと並んだ所で合せるようにこちらも仕掛け、二頭が飛び出す形となった。
 やがて、ルオが馬群を割るように末脚を使う。シェリルが追う。ザレムも負けずに鞭を入れる。
 もちろん一度抜かれたヴァイスもエヴァンスも、愛馬の最後の力を振り絞って走る。
 そこに大外から飛び込んでくる影一つ。ハニーマーブル号だ!
 戦闘を巡って争う五頭。一気に詰めてくるハニーマーブルとミオ。
 残り3m、2m、1m……そして各馬が一斉にゴールに飛び込んだ。
 馬は一馬身を0.2秒で走り抜ける。その半分、つまり十分の一秒の間に六頭が入線する大混戦。
 長い時間をかけて順位を確定させる。ロレック、ヒン、ノルンの順位が決まる。そして残り三頭。
 ルオと先頭の差はわずか鼻一つ。20センチに満たなかった。そして、残り二頭、オラシオンとハニーマーブルはその鼻一つすら差が無かった。
 またもやの完全同着。想定外の事態に競馬場中が騒然となる。その結末は……


 祭りは終わった。決勝に出た六頭と六人の元にヴィルヘルミナが歩み寄り、一人ずつ握手を求めていく。
 このレースは良馬を選抜するためのもの。粒ぞろいの良馬が片手で足りないぐらい見られたことは何よりの収穫だった。
 勝てなかったから陛下に会えない、そう思っていたシェリルにも近づく。ヴィルヘルミナは上から手を伸ばし、彼女の頭を撫で
「よく頑張ったな」
 と一言。その言葉にシェリルは呆然と、熱っぽい視線で見上げる。
 ややあって、彼女は共に頑張ってくれたノルンを撫でる。
「お疲れ様……。美味しいご飯、食べよう……」
 そのときのシェリルの表情は、少し笑っているように見えた。
 そしてザレムの元へ。勝者に授与される栄光のメダル。それが皇帝の手から渡される。
 受け取ったザレムは自分ではなくオラシオンにそのメダルをかけ、そして皇帝に向かって跪き最敬礼。
「お言葉ですが陛下、馬産業の育成をお願いします」
「言われなくてもわかっている」
 このレースに勝って地域産業の育成に力を振るって欲しい。そんなザレムの思いは彼女に届いたようだ。
 皇帝は続いて、ミオに声をかける。
「馬上礼、感激したよ」
 ゴール直後、誰が勝ったかもわからない状況で、ミオは貴賓席のヴィルヘルミナへ向けて深々とお辞儀した。その事を感謝し、そしてミオにもメダルを手渡す。
 決勝の結末。それは両者優勝というものだった。そのことに文句を言う者は誰も居ない。
 二人の勝者にメダルが渡された。しかしヴィルヘルミナはまだその場に残っていた。彼女はある物を持って来させる。
 それは彼女が使っているバックラー。帝国と皇帝の紋章が入った逸品。それを二人に下賜する。
 栄光を記録する盾。それはきっと、このレースの記憶を永遠に留めるものになるであろう。

依頼結果

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MVP一覧


  • ヴァイス・エリダヌスka0364
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズka0509
  • 双璧の盾
    近衛 惣助ka0510
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィka0639
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズールka0878
  • 帰還への一歩
    ルオka1272
  • 大悪党
    神楽ka2032
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカka3496
  • 魔導トラック野郎
    シェリアク=ベガka4647

重体一覧

参加者一覧

  • あざといショタあざとい
    三日月 壱(ka0244
    人間(蒼)|14才|男性|霊闘士
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    米本 剛(ka0320
    人間(蒼)|30才|男性|聖導士

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 理由のその先へ
    レホス・エテルノ・リベルター(ka0498
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • 双璧の盾
    近衛 惣助(ka0510
    人間(蒼)|28才|男性|猟撃士
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • 自爆王
    紫月・海斗(ka0788
    人間(蒼)|30才|男性|機導師
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • 帰還への一歩
    ルオ(ka1272
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • デュエリスト
    弓月 幸子(ka1749
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 答の継承者
    オキクルミ(ka1947
    エルフ|16才|女性|霊闘士
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 浪漫人・鮫
    鮫島 群青(ka3095
    人間(蒼)|30才|男性|霊闘士
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 唯一つ、その名を
    Holmes(ka3813
    ドワーフ|8才|女性|霊闘士
  • 魔導トラック野郎
    シェリアク=ベガ(ka4647
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 荷馬車輸送完遂者
    リック・オルコット(ka4663
    人間(紅)|22才|男性|闘狩人
  • 山岳部の集落を救った者
    レウィル=スフェーン(ka4689
    人間(紅)|16才|男性|疾影士
  • 管制担当
    ロシャーデ・ルーク(ka4752
    人間(紅)|22才|女性|疾影士
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
  • ブリーダー
    火椎 帝(ka5027
    人間(蒼)|19才|男性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 脚質について
モア・プリマクラッセ(kz0066
人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|一般人
最終発言
2015/06/19 20:07:25
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/25 18:59:55