ゲスト
(ka0000)
新人歓迎!一角大蝙蝠の黄昏
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/06/29 22:00
- 完成日
- 2015/07/07 16:32
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
ここは同盟領の農耕推進地域、ジェオルジ。
その中でさらに、果樹園農家の多く集まる地域で問題が発生していた。
「う、うわあっ。また来おった!」
日没後の一番星が輝く前に、そんな悲鳴が響く。
「せっかく今年は豊作じゃったのに!」
「畜生、この大蝙蝠どもめ。わしンとこのプルーンに何してくれる……うわっ!」
どうやら収穫時期を迎えたプルーン(西洋スモモ)農園にフルーツバット(大蝙蝠)が現れるようになったらしい。
しかもこの大蝙蝠、今までに見たことがない種で、額に角を持っていた。
農民が竿を手に追い払うようにすると、好戦的にもその角で体当たりをしてくるのだ。
ほかの蝙蝠では見られない、このファイティングスピリッツ。なんと鬼気迫ることか!
「うわあああっ!」
「だ、大丈夫かっ! お、おわっ!」
大蝙蝠どもの急降下体当たりで次々と倒れる村人たち。
やがて、誰もが地に伏うずくまっていた。
立っている者は一人もいない。角が掠ったのだろう、全員が背中に傷を負っていた。
大蝙蝠たちは改めて、果樹園の枝に逆さに止まってプルーンを食べ散らかし、森へと帰っていった。
その後、村で。
「いやあ、運が良かったわい」
村人たちは何とか犠牲者を出すなどの事態には至ってなかった。
なぜか?
「慣れもしないのに竿なんか振って戦ったのが不幸中の幸いじゃった」
「まったく」
「へっぴり腰で振ったところに迫ってくるもんじゃけえ、みんな尻餅ついてしもうて」
つまり、逃げ腰だったので早々にびびってしまい尻餅をついたことにより、浅い傷だけで済んでいたのだ。それでも痛いのでうずくまったままで、その状態は運良く飛行する大蝙蝠たちの追撃範囲外だったということだった。仮に、立ち上がる者がいたら集中攻撃を浴びて生命の危険にさらされていただろう。
「しかし、犠牲者がおらんかったのは不幸中の幸いじゃったが……」
「これ以上、プルーンを食われてしまうわけにもいかんのぉ」
ここで、うーん、とうなる村人一同。
「ハンターに、頼むか?」
「いやあ、歪虚とかじゃなくただの蝙蝠じゃろ? わざわざハンターの手を煩わせるのも……」
「さりとて、普通の蝙蝠なんかと違って刃向かってくるしのぅ」
「ちゅうても、予算が……」
「豊作じゃいうても、早速荒らされとる。日中はカラスの被害もあるし、早めに退治せんと市場に納品もできんで」
うーむむむ、と再びうなる。
「仕方ねぇ。ハンターオフィスと掛け合ってくるか……」
というわけで、とある街のハンターオフィス。
「そういうことでしたら、新人ハンターさんにお願いしましょう」
「そ、それで低予算でやってくれるんか?」
案内係にそう言われ、がばりと前屈みになる村人代表。
「はい。現在オフィスでは新たに東方遠征開始に伴い増員を図っています。新人さんと職場復帰するハンターさんの支援活動が主になりますが、予算も下ります。その予算を、新人特化依頼にすることで運用しましょう」
幸い、敵も数だけが問題で手強くはないですし、とにっこり。
「あ、ありがとうございます」
感謝する村人。
これで一件落着。
なのだが。
「というわけで、どうです?」
「ほへ?」
会話を中断していたらしく、横で控えていたぽわわんとした娘に向き直る案内係。
「だから、駆け出しの初華さんにぴったりの依頼ですよ?」
んあ、とようやく事態を飲み込む娘。
「敵は強くないですし依頼の予算は低かったですが、ハンター増員予算で一般的な人員、通常クラスの報酬でお勧めですよ」
「ほへぇ……んじゃ、やってみる!」
というわけで登録したばかりの駆け出しハンター、南那初華(みなみな・はつか)も参加するらしい。
ここは同盟領の農耕推進地域、ジェオルジ。
その中でさらに、果樹園農家の多く集まる地域で問題が発生していた。
「う、うわあっ。また来おった!」
日没後の一番星が輝く前に、そんな悲鳴が響く。
「せっかく今年は豊作じゃったのに!」
「畜生、この大蝙蝠どもめ。わしンとこのプルーンに何してくれる……うわっ!」
どうやら収穫時期を迎えたプルーン(西洋スモモ)農園にフルーツバット(大蝙蝠)が現れるようになったらしい。
しかもこの大蝙蝠、今までに見たことがない種で、額に角を持っていた。
農民が竿を手に追い払うようにすると、好戦的にもその角で体当たりをしてくるのだ。
ほかの蝙蝠では見られない、このファイティングスピリッツ。なんと鬼気迫ることか!
「うわあああっ!」
「だ、大丈夫かっ! お、おわっ!」
大蝙蝠どもの急降下体当たりで次々と倒れる村人たち。
やがて、誰もが地に伏うずくまっていた。
立っている者は一人もいない。角が掠ったのだろう、全員が背中に傷を負っていた。
大蝙蝠たちは改めて、果樹園の枝に逆さに止まってプルーンを食べ散らかし、森へと帰っていった。
その後、村で。
「いやあ、運が良かったわい」
村人たちは何とか犠牲者を出すなどの事態には至ってなかった。
なぜか?
「慣れもしないのに竿なんか振って戦ったのが不幸中の幸いじゃった」
「まったく」
「へっぴり腰で振ったところに迫ってくるもんじゃけえ、みんな尻餅ついてしもうて」
つまり、逃げ腰だったので早々にびびってしまい尻餅をついたことにより、浅い傷だけで済んでいたのだ。それでも痛いのでうずくまったままで、その状態は運良く飛行する大蝙蝠たちの追撃範囲外だったということだった。仮に、立ち上がる者がいたら集中攻撃を浴びて生命の危険にさらされていただろう。
「しかし、犠牲者がおらんかったのは不幸中の幸いじゃったが……」
「これ以上、プルーンを食われてしまうわけにもいかんのぉ」
ここで、うーん、とうなる村人一同。
「ハンターに、頼むか?」
「いやあ、歪虚とかじゃなくただの蝙蝠じゃろ? わざわざハンターの手を煩わせるのも……」
「さりとて、普通の蝙蝠なんかと違って刃向かってくるしのぅ」
「ちゅうても、予算が……」
「豊作じゃいうても、早速荒らされとる。日中はカラスの被害もあるし、早めに退治せんと市場に納品もできんで」
うーむむむ、と再びうなる。
「仕方ねぇ。ハンターオフィスと掛け合ってくるか……」
というわけで、とある街のハンターオフィス。
「そういうことでしたら、新人ハンターさんにお願いしましょう」
「そ、それで低予算でやってくれるんか?」
案内係にそう言われ、がばりと前屈みになる村人代表。
「はい。現在オフィスでは新たに東方遠征開始に伴い増員を図っています。新人さんと職場復帰するハンターさんの支援活動が主になりますが、予算も下ります。その予算を、新人特化依頼にすることで運用しましょう」
幸い、敵も数だけが問題で手強くはないですし、とにっこり。
「あ、ありがとうございます」
感謝する村人。
これで一件落着。
なのだが。
「というわけで、どうです?」
「ほへ?」
会話を中断していたらしく、横で控えていたぽわわんとした娘に向き直る案内係。
「だから、駆け出しの初華さんにぴったりの依頼ですよ?」
んあ、とようやく事態を飲み込む娘。
「敵は強くないですし依頼の予算は低かったですが、ハンター増員予算で一般的な人員、通常クラスの報酬でお勧めですよ」
「ほへぇ……んじゃ、やってみる!」
というわけで登録したばかりの駆け出しハンター、南那初華(みなみな・はつか)も参加するらしい。
リプレイ本文
●
昼間の村にて。
「ふぅん。あっちからやって来て荒らしていくんだね~」
プルーン果樹園を見渡しながら、リナリス・リーカノア(ka5126)が村人から一角蝙蝠について聞き込みしながら情報を見取り図に書き落としていた。
「……角生えて好戦的で…って、もうそれは蝙蝠じゃなくて、雑魔な気がするのです……」
隣では御崎 ナナ(ka5202)がやや遠い目をしていた。
「世界の平和を守るため、悪の歪虚や雑魔と戦うためハンターとなったのですが……」
呟いたナナの脳内には「頑張れ負けるな、ナナ。戦え、僕らの御崎ナナ!」というナレーションが流れた……わけではないが、まあそんな理想からちょいとかけ離れる現実にやや失望してたり。
「雑魔じゃなくてもわしらにとっては十分悪じゃ!」
「はっ、そうなのです! ……私たちに任せるのです! 悪は栄えたためしはないのです!」
背後からの村人の声に自分を取り戻したナナ。赤いマフラーをなびかせ村人を振り返り拳を固めた。
その背後に広がるプルーンの木では。
「おーい、初華。こっちやこっちー」
黒髪の京島 虹花(ka1486)が手を振っていた。そこへ、何かを抱えた南那初華が駆け寄っている。
「はい、虹花さん。ちゃんと借りてきたよっ」
どさ、と初華が地に投げたのは、網。
「ありがさんな。さて、こいつをプルーンの木の周りに張り巡らせて……」
虹花、どうやら網を張ってプルーンを食べに来る蝙蝠を絡めてしまおうとしているらしい。
「……それ、あまりいい手じゃなかったんだよなぁ」
ついてきた村人が後ろめたそうに言う。
「なして?」
「蝙蝠たち、ちゃんと見て避けるんだよ」
聞いた虹花にそう答える。
「じゃ、木にぐるぐる巻きにしたら?」
それだと作業効率が落ちるようで。
一方の初華。
「リナリスさんも網、いるんだったよね?」
「ありがとう。よろしくね初ちゃん♪」
「あ、いやぁん!」
リナリス、初華をハグしていろいろさわさわふにふに。勢い余って倒れ込んでどったんばったん。
「……思うんだが」
リナリスと揉み合う初華に、近寄って来た人影が被った。
「ほへ?」
見上げると、長身の女性が立っていた。
「とりあえず、餌としてるプルーンと生肉などを近くに置いておびき寄せてみるか」
伏見 蒼空(ka4081)だ。ぽ~ん、と軽く投げあげプルーンの実をもてあそんでいる。
「それなら餌場を作ったらどうかな?」
リナリスは立ち上がりこの案に乗った。初華は半身のまま「んもう」と胸のあたりの服を直していたり。
――ざっ……。
ここで新たに、ボブカットの背の低い少年が傍に立った。
「ならば夕暮れまでに塹壕を掘っておこう」
伊織・368・エディト(ka5130)である。若い外見に似合わず、老人のような落ち着いた口ぶり。
「待ち伏せなら隠れ家はあるに越したことはない」
今度はぴしりと折り目のあるスーツにスラックス姿の長身男性が立つ。猪瀬清四郎(ka2734)だ。
「……そういえば、これがまともな依頼では初めてか」
清志郎、遠い目でぽつり。
「ここで臆していては何も始まるまい。貴殿も、わしも」
伊織、静かに応じる。
が、そんな大人な雰囲気はあっさりと破られる。
「よっしゃー! 初めての依頼、いっくぜー!」
二人の隙間をだだだっ、と元気よく駆け抜ける影ひとつ。
「大蝙蝠だろうがなんだろうが、片瀬様が華麗に倒してやるよ!」
片瀬 碧(ka3587)だ。駆け抜けた後、拳を挙げて飛び跳ねる。
やれやれ、と顔を見合わせる清四郎と伊織だった。
●
さて、夕刻。
「へえ~。すももって、酸っぱいだけかと思ったら甘いのな」
碧が昼間に掘った塹壕――といっても、少し掘っただけであとは板塀をバリケードにしているだけだが――に身を潜めつつ、村人に分けてもらったプルーンにかじりついていた。
「完熟だと味が違う、か」
同じく身を隠す清四郎も味わい、しげしげと実を見ている。遠くに出荷する分は途中で完熟するよう早めに収穫するが、ここで完熟したもぎたては味が違うのだと教わった。
「塹壕を掘るのも手伝ってくれたし、いい人たちだな……」
「ジャムにしたらとても美味そうだ。それだけ分けてもらえるかどうかは話は別じゃがの」
感心する清四郎の横で、伊織が味に太鼓判。
「つーか、ジャム作れんのかよ?」
碧、話題に首を突っ込む。
「何、簡単じゃて」
「来た」
清四郎、気配に気付いてエディットと碧を止めた。
暮れなずむ空にバサバサと一角蝙蝠の姿が多数。こちらにやって来ている。
「ね、来てるよ。蒼空さん、虹花さん!」
別の場所でも、木々に隠れる初華が騒いでいる。
「初華さん、あまり緊張しないように。落ち着いて」
蒼空、つやつやの黒髪を揺らしてにっこり。
「果物があれば寄ってくる。プルーンを分けてもらいましたし、こっちに必ず来るのです!」
隣ではナナがテンション上げてる。
「予想飛来ルート通り。そして廃材なんかでプルーンの樹を模した餌場も作った」
リナリスも身を屈めたまま、先ほど作った囮の樹を見上げる。
プランは完璧。あとは敵がやって来るのを待つばかり。
が。
「ん?」
虹花、初華より身を乗り出して空を見る。
何と、蝙蝠がことごとくいつも飛来するこの場所を避けているのである。どうやらいつもと違う様子を嫌ったらしい。異常ありと判断し迂回している。
このまま待ち伏せ作戦、失敗するのか?
「あたしはちゃんと餌場無視したときのことも考えてるんだよね!」
リナリス、迷いなく躍り出た。もう隠れない。
というか、囮になっておびき寄せるつもりだ。ウインドスラッシュが遠くまでも届き敵に斬りつける。
――キキッ!
これを食らって様子が変わる。一斉にリナリスへと向かってきた。
「生肉も置いていたが効果なかったか……しかし、挑発してくれて助かる」
蒼空も出る。
「蒼空さん!」
釣られて初華も出た。
「行くぜ、二人とも!」
もちろん碧も出ている。清四郎と伊織に後ろを任せて突っ込む。
「どー見ても雑魔な気もするけど蝙蝠退治頑張るのですよ!」
もちろんナナも遅れは取っていない。
「初華、頑張ってなー」
虹花も初華を追い抜いて前に出る。
もう敵は高度を下げて目の前に迫っているぞ!
●
「まずは眠ってもらうよ~」
先頭のリナリス、七支刀を法具のように構えウインドスラッシュをやめてスリープクラウドに。
ぼふ、と前方に青白い雲が広がる。そこを抜けたコウモリはまだ飛んでいるぞ?
しかし。
「確か急降下故の頭部狙いやったか?」
リナリスを追い越した虹花。敵の体当たりを警戒していたが明らかに軌道がずれている。白い光を纏った日本刀「烏枢沙摩」で迎撃のダウンスイング。深手を負わしてたところで蝙蝠の動きに意思が宿った。どうやら眠りながら飛んでいたらしい。
「おらおらっ、食いものの恨みはこえーんだぞっ!」
碧も同時に突出している。
一角蝙蝠の突撃はやはり意識レベルが低下した後の滑空状態。強く踏み込み反身の刀でぶった斬る。にぃ、とその手ごたえに満足そうな笑み。
この時、実は重要な事態が発生していた。
「気を付けろ、敵が回り込んでいる!」
背後から清四郎の叫びが響く。
碧が振り向くと清四郎は横に瞬脚。
「俺がやろうとしていたが……」
何と、敵が碧の背後に斬りつけようと横合いから突っ込んできていたのだ。
「敵の挟み撃ちを返り討ちにすることになろうとはな」
小太刀「五月雨」を冷静に振るう清四郎。敵の進行をとどめた。
もちろん敵の数は多い。後続が清四郎を狙うが……。
「何処を見ている。儂を忘れてくれるなよ、寂しいだろう?」
伊織も気付いて走っていた!
ワンドを掲げて清志郎を狙う敵をマジックアローで迎撃。スキルセットしていたか覚えてなかったが、発動したということはセットしていたのだろう。
こちらが全体後方、左翼の動きとなる。
一方の全体後方、右翼はというと――。
「こ、こっちからも敵が来てるよっ!」
ダーツを投げつつ初華が振り向き味方を呼んでいる。
呼ばれてくるのはもちろん……。
「踏み出せ、ヒーローへの第一歩! なのです!」
ナナだ。駆け寄って何かを出した。
「ナナさん、武器はっ?!」
「これを叩き込むのです!」
アルケミストデバイスから、機導砲どーん!
が、敵も多い。右翼周りの包囲組後続が突っ込んできてるっ!
――キンッ!
「……守りは任せてもらおう、皆は攻撃に専念してくれ」
二人の前に蒼空が割り込み、意思を纏うように立った。
日本刀「白霞」を軽やかに振るって低空飛行していた敵に斬りつけ背中越しに微笑した。
ここから乱戦へと発展する。
「しかし、敵の体毛は結構硬いな?」
清四郎、敵の囮となる飛行に手裏剣を投じつつなかなか止めを刺せない状況に業を煮やしていた。木々を抜けて飛ぶのだ、そういうものなのだろう。
「硬いんなら踏み込んで斬るまでだぜ!」
碧はあくまで前に出て敵の急降下と正面から斬り合う。まっすぐな瞳に恐れはない。ただ、果実を食い散らかされた村人の怒りを刀に乗せて切り刻むだけ。ちっ、と敵の角が二の腕に命中し血がしぶくが、知ったこっちゃない。
「……怪我はないか? 気を抜くでないぞ」
「伊織……」
すぐに伊織が傷を負った側に立ち、ワンドを振るう。横合いからの敵の追撃を許さない。
さらに背後には虹花が忍び寄った。
「危ない時は屈んどき。どーせ急降下しても地面までは飛ばへんねや」
言いつつ、ヒール。いい動きだ。
どうやら初撃の後、味方の回復に専念しているらしい。これが全体として地味に効果を発揮することになる。
ともかく、虹花。
すぐにまた身を屈めて移動し、次の味方回復へと去っていく。
「虹花も……サンキューなっ!」
碧、意気に感じてさらに頑張る。
この時、別の場所。
「なるほど……」
蒼空がクールに言い、目を細め敵を睨んでいた。
ちょうど回り込まれた敵に背中を強打されたばかりだった。とはいえ、彼女の装備は胴体部分が特に防御力が手厚い。これなら背中に回られてもある程度気にしなくていい、と判断。さらに思い切りがよくなる。
そして自己回復しつつ、同時に気付く。
「敵も体毛が硬いから突っ込んでもある程度大丈夫……か?」
自らの体験からそう判断する。
「しかし!」
くわと目を見開く。
突っ込んできた敵と正面から切り結び、叫ぶ。
「近接戦では遅れを取るつもりはない!」
誇りを、かけて。
そしてさらに別の場所でリナリスが叫ぶ。
「飛膜を切り裂いて飛べなくするように攻撃するといいよ!」
自身はスリープクラウドから、無防備に通り過ぎる敵の被膜にウインドスラッシュ。落ちたところを網をかぶせ七支刀でぐっさり止めを刺していた。
その分、味方から離れてしまうが。
「リナリスさん、危ない」
「遠慮はするな、全弾持ってけなのです!」
狙われたところ、初華とナナが気付いて援護の射撃。
その二人も別の敵から狙われる。
が!
「ピンチはヒーローにつきもの。……ひっさーつ!!」
ナナ、手近な岩を足場に跳躍ッ!
「ナナ……キーック!」
見よ、夕焼け空をバックに思いっきり伸身した渾身の跳び蹴り!
まさかの動き。敵は回避できずにくらい、へろっと地に落ちた。
またまた別の場所。
マジックアローで暗躍していた伊織が、はっと気付いて屈んでいた。
「……潮時か。深追いは下策であろうな」
地に片手をつき顔を上げ、冷静に言う。
「せやね」
代わりに立った虹花が日本刀でばっさりと止め。先とは反対のコンビネーションとなった。
「敵は正面から挑んできても、負ける戦いはしないということか」
少し離れた場所で清四郎がすらりと立ち、逃げていく数匹の蝙蝠を見送っていた。
実は伊織と虹花の場所から大きく回避した直後だったり。狙われていたのはこの人だったのだが、うまく敵の戦意を逸らして虹花が止めを刺したのだ。
敵は空を飛ぶ。
逃げを打たれたらこんなものだ。
すでにほとんどの敵を倒している。十分な戦果である。
●
「まさかホンマに料理するとはな……」
戦い終わって、虹花がため息をついていた。
目の前では、たき火を前に串に刺した一角大蝙蝠がじゅうと焼けている。
「本当は少々料理には自信があるんだ」
その横では蒼空がぶつぶつ言っている。
「……妹が仕事では料理を作るなと言ってたんで、やめておいただけだ」
とか何とか言いつつ、てきぱきと持参した清酒を皆に……といっても飲める者へと用意している。
その酒を、「ちょっと」と声を掛けて奪う姿。
「こうしてお酒で下味をつけて……と」
リナリスである。積極的に調理している。
「知ってる? 蝙蝠って牛肉みたいな味なんだよ♪」
「ほへぇ……リナリスさん、物知りだね」
初華も串焼きを手伝っている。どうやら蒼の世界ではお好み焼き店でバイトしていたらしい。
「蝙蝠カレーもええんやけどなぁ」
虹花もなんだかんだいいつつ手伝っていた。残念ながらこちらの世界でカレーは日常的ではなく、用意できなかったが。
「さあ、上手に焼けたのです。食べるのですよー」
ナナが焼き上がった串を皆に配る。
「ありがとさん。ゆっくりできるのはありがたいの」
伊織、受け取った熱々にかぶりつき「うん、うまい」とのんびり。
「まさか食事もできるとはな……」
「飲むかい?」
一緒にいる清四郎の横に、飲めると見た蒼空が座った。杯を渡して酌み交わす。
「歪虚じゃねぇとはいえ、誰かの役に立つってのは、なんでも嬉しくなるもんだなっ!」
碧は元気よく串にかぶりつき。仕事もうまくいったとあってご機嫌だ。
「ナナさん、美味しいよね~」
「うん、おいしいのです」
初華はナナと一緒にはふはふがぶり。
「きっといいもの食べてるからなんじゃないかな~」
リナリスもここに座って食している。
「確かに」
虹花、背後のプルーン農園を振り返って納得するのだった。
とにかくこうして、農園の被害は食い止められた。
敵が空を飛び、遠距離から一方的に攻撃を受けたり劣勢になればあっさり逃げるタイプなだけに全滅は不可能だったが、これでひと段落。
後日、残った数匹にさらに食われたが、これは微々たるもの。
あるいは、戦った時の情報を村人に伝えているなどすればより安心感につながっていたかもしれないが、それはそれである。
昼間の村にて。
「ふぅん。あっちからやって来て荒らしていくんだね~」
プルーン果樹園を見渡しながら、リナリス・リーカノア(ka5126)が村人から一角蝙蝠について聞き込みしながら情報を見取り図に書き落としていた。
「……角生えて好戦的で…って、もうそれは蝙蝠じゃなくて、雑魔な気がするのです……」
隣では御崎 ナナ(ka5202)がやや遠い目をしていた。
「世界の平和を守るため、悪の歪虚や雑魔と戦うためハンターとなったのですが……」
呟いたナナの脳内には「頑張れ負けるな、ナナ。戦え、僕らの御崎ナナ!」というナレーションが流れた……わけではないが、まあそんな理想からちょいとかけ離れる現実にやや失望してたり。
「雑魔じゃなくてもわしらにとっては十分悪じゃ!」
「はっ、そうなのです! ……私たちに任せるのです! 悪は栄えたためしはないのです!」
背後からの村人の声に自分を取り戻したナナ。赤いマフラーをなびかせ村人を振り返り拳を固めた。
その背後に広がるプルーンの木では。
「おーい、初華。こっちやこっちー」
黒髪の京島 虹花(ka1486)が手を振っていた。そこへ、何かを抱えた南那初華が駆け寄っている。
「はい、虹花さん。ちゃんと借りてきたよっ」
どさ、と初華が地に投げたのは、網。
「ありがさんな。さて、こいつをプルーンの木の周りに張り巡らせて……」
虹花、どうやら網を張ってプルーンを食べに来る蝙蝠を絡めてしまおうとしているらしい。
「……それ、あまりいい手じゃなかったんだよなぁ」
ついてきた村人が後ろめたそうに言う。
「なして?」
「蝙蝠たち、ちゃんと見て避けるんだよ」
聞いた虹花にそう答える。
「じゃ、木にぐるぐる巻きにしたら?」
それだと作業効率が落ちるようで。
一方の初華。
「リナリスさんも網、いるんだったよね?」
「ありがとう。よろしくね初ちゃん♪」
「あ、いやぁん!」
リナリス、初華をハグしていろいろさわさわふにふに。勢い余って倒れ込んでどったんばったん。
「……思うんだが」
リナリスと揉み合う初華に、近寄って来た人影が被った。
「ほへ?」
見上げると、長身の女性が立っていた。
「とりあえず、餌としてるプルーンと生肉などを近くに置いておびき寄せてみるか」
伏見 蒼空(ka4081)だ。ぽ~ん、と軽く投げあげプルーンの実をもてあそんでいる。
「それなら餌場を作ったらどうかな?」
リナリスは立ち上がりこの案に乗った。初華は半身のまま「んもう」と胸のあたりの服を直していたり。
――ざっ……。
ここで新たに、ボブカットの背の低い少年が傍に立った。
「ならば夕暮れまでに塹壕を掘っておこう」
伊織・368・エディト(ka5130)である。若い外見に似合わず、老人のような落ち着いた口ぶり。
「待ち伏せなら隠れ家はあるに越したことはない」
今度はぴしりと折り目のあるスーツにスラックス姿の長身男性が立つ。猪瀬清四郎(ka2734)だ。
「……そういえば、これがまともな依頼では初めてか」
清志郎、遠い目でぽつり。
「ここで臆していては何も始まるまい。貴殿も、わしも」
伊織、静かに応じる。
が、そんな大人な雰囲気はあっさりと破られる。
「よっしゃー! 初めての依頼、いっくぜー!」
二人の隙間をだだだっ、と元気よく駆け抜ける影ひとつ。
「大蝙蝠だろうがなんだろうが、片瀬様が華麗に倒してやるよ!」
片瀬 碧(ka3587)だ。駆け抜けた後、拳を挙げて飛び跳ねる。
やれやれ、と顔を見合わせる清四郎と伊織だった。
●
さて、夕刻。
「へえ~。すももって、酸っぱいだけかと思ったら甘いのな」
碧が昼間に掘った塹壕――といっても、少し掘っただけであとは板塀をバリケードにしているだけだが――に身を潜めつつ、村人に分けてもらったプルーンにかじりついていた。
「完熟だと味が違う、か」
同じく身を隠す清四郎も味わい、しげしげと実を見ている。遠くに出荷する分は途中で完熟するよう早めに収穫するが、ここで完熟したもぎたては味が違うのだと教わった。
「塹壕を掘るのも手伝ってくれたし、いい人たちだな……」
「ジャムにしたらとても美味そうだ。それだけ分けてもらえるかどうかは話は別じゃがの」
感心する清四郎の横で、伊織が味に太鼓判。
「つーか、ジャム作れんのかよ?」
碧、話題に首を突っ込む。
「何、簡単じゃて」
「来た」
清四郎、気配に気付いてエディットと碧を止めた。
暮れなずむ空にバサバサと一角蝙蝠の姿が多数。こちらにやって来ている。
「ね、来てるよ。蒼空さん、虹花さん!」
別の場所でも、木々に隠れる初華が騒いでいる。
「初華さん、あまり緊張しないように。落ち着いて」
蒼空、つやつやの黒髪を揺らしてにっこり。
「果物があれば寄ってくる。プルーンを分けてもらいましたし、こっちに必ず来るのです!」
隣ではナナがテンション上げてる。
「予想飛来ルート通り。そして廃材なんかでプルーンの樹を模した餌場も作った」
リナリスも身を屈めたまま、先ほど作った囮の樹を見上げる。
プランは完璧。あとは敵がやって来るのを待つばかり。
が。
「ん?」
虹花、初華より身を乗り出して空を見る。
何と、蝙蝠がことごとくいつも飛来するこの場所を避けているのである。どうやらいつもと違う様子を嫌ったらしい。異常ありと判断し迂回している。
このまま待ち伏せ作戦、失敗するのか?
「あたしはちゃんと餌場無視したときのことも考えてるんだよね!」
リナリス、迷いなく躍り出た。もう隠れない。
というか、囮になっておびき寄せるつもりだ。ウインドスラッシュが遠くまでも届き敵に斬りつける。
――キキッ!
これを食らって様子が変わる。一斉にリナリスへと向かってきた。
「生肉も置いていたが効果なかったか……しかし、挑発してくれて助かる」
蒼空も出る。
「蒼空さん!」
釣られて初華も出た。
「行くぜ、二人とも!」
もちろん碧も出ている。清四郎と伊織に後ろを任せて突っ込む。
「どー見ても雑魔な気もするけど蝙蝠退治頑張るのですよ!」
もちろんナナも遅れは取っていない。
「初華、頑張ってなー」
虹花も初華を追い抜いて前に出る。
もう敵は高度を下げて目の前に迫っているぞ!
●
「まずは眠ってもらうよ~」
先頭のリナリス、七支刀を法具のように構えウインドスラッシュをやめてスリープクラウドに。
ぼふ、と前方に青白い雲が広がる。そこを抜けたコウモリはまだ飛んでいるぞ?
しかし。
「確か急降下故の頭部狙いやったか?」
リナリスを追い越した虹花。敵の体当たりを警戒していたが明らかに軌道がずれている。白い光を纏った日本刀「烏枢沙摩」で迎撃のダウンスイング。深手を負わしてたところで蝙蝠の動きに意思が宿った。どうやら眠りながら飛んでいたらしい。
「おらおらっ、食いものの恨みはこえーんだぞっ!」
碧も同時に突出している。
一角蝙蝠の突撃はやはり意識レベルが低下した後の滑空状態。強く踏み込み反身の刀でぶった斬る。にぃ、とその手ごたえに満足そうな笑み。
この時、実は重要な事態が発生していた。
「気を付けろ、敵が回り込んでいる!」
背後から清四郎の叫びが響く。
碧が振り向くと清四郎は横に瞬脚。
「俺がやろうとしていたが……」
何と、敵が碧の背後に斬りつけようと横合いから突っ込んできていたのだ。
「敵の挟み撃ちを返り討ちにすることになろうとはな」
小太刀「五月雨」を冷静に振るう清四郎。敵の進行をとどめた。
もちろん敵の数は多い。後続が清四郎を狙うが……。
「何処を見ている。儂を忘れてくれるなよ、寂しいだろう?」
伊織も気付いて走っていた!
ワンドを掲げて清志郎を狙う敵をマジックアローで迎撃。スキルセットしていたか覚えてなかったが、発動したということはセットしていたのだろう。
こちらが全体後方、左翼の動きとなる。
一方の全体後方、右翼はというと――。
「こ、こっちからも敵が来てるよっ!」
ダーツを投げつつ初華が振り向き味方を呼んでいる。
呼ばれてくるのはもちろん……。
「踏み出せ、ヒーローへの第一歩! なのです!」
ナナだ。駆け寄って何かを出した。
「ナナさん、武器はっ?!」
「これを叩き込むのです!」
アルケミストデバイスから、機導砲どーん!
が、敵も多い。右翼周りの包囲組後続が突っ込んできてるっ!
――キンッ!
「……守りは任せてもらおう、皆は攻撃に専念してくれ」
二人の前に蒼空が割り込み、意思を纏うように立った。
日本刀「白霞」を軽やかに振るって低空飛行していた敵に斬りつけ背中越しに微笑した。
ここから乱戦へと発展する。
「しかし、敵の体毛は結構硬いな?」
清四郎、敵の囮となる飛行に手裏剣を投じつつなかなか止めを刺せない状況に業を煮やしていた。木々を抜けて飛ぶのだ、そういうものなのだろう。
「硬いんなら踏み込んで斬るまでだぜ!」
碧はあくまで前に出て敵の急降下と正面から斬り合う。まっすぐな瞳に恐れはない。ただ、果実を食い散らかされた村人の怒りを刀に乗せて切り刻むだけ。ちっ、と敵の角が二の腕に命中し血がしぶくが、知ったこっちゃない。
「……怪我はないか? 気を抜くでないぞ」
「伊織……」
すぐに伊織が傷を負った側に立ち、ワンドを振るう。横合いからの敵の追撃を許さない。
さらに背後には虹花が忍び寄った。
「危ない時は屈んどき。どーせ急降下しても地面までは飛ばへんねや」
言いつつ、ヒール。いい動きだ。
どうやら初撃の後、味方の回復に専念しているらしい。これが全体として地味に効果を発揮することになる。
ともかく、虹花。
すぐにまた身を屈めて移動し、次の味方回復へと去っていく。
「虹花も……サンキューなっ!」
碧、意気に感じてさらに頑張る。
この時、別の場所。
「なるほど……」
蒼空がクールに言い、目を細め敵を睨んでいた。
ちょうど回り込まれた敵に背中を強打されたばかりだった。とはいえ、彼女の装備は胴体部分が特に防御力が手厚い。これなら背中に回られてもある程度気にしなくていい、と判断。さらに思い切りがよくなる。
そして自己回復しつつ、同時に気付く。
「敵も体毛が硬いから突っ込んでもある程度大丈夫……か?」
自らの体験からそう判断する。
「しかし!」
くわと目を見開く。
突っ込んできた敵と正面から切り結び、叫ぶ。
「近接戦では遅れを取るつもりはない!」
誇りを、かけて。
そしてさらに別の場所でリナリスが叫ぶ。
「飛膜を切り裂いて飛べなくするように攻撃するといいよ!」
自身はスリープクラウドから、無防備に通り過ぎる敵の被膜にウインドスラッシュ。落ちたところを網をかぶせ七支刀でぐっさり止めを刺していた。
その分、味方から離れてしまうが。
「リナリスさん、危ない」
「遠慮はするな、全弾持ってけなのです!」
狙われたところ、初華とナナが気付いて援護の射撃。
その二人も別の敵から狙われる。
が!
「ピンチはヒーローにつきもの。……ひっさーつ!!」
ナナ、手近な岩を足場に跳躍ッ!
「ナナ……キーック!」
見よ、夕焼け空をバックに思いっきり伸身した渾身の跳び蹴り!
まさかの動き。敵は回避できずにくらい、へろっと地に落ちた。
またまた別の場所。
マジックアローで暗躍していた伊織が、はっと気付いて屈んでいた。
「……潮時か。深追いは下策であろうな」
地に片手をつき顔を上げ、冷静に言う。
「せやね」
代わりに立った虹花が日本刀でばっさりと止め。先とは反対のコンビネーションとなった。
「敵は正面から挑んできても、負ける戦いはしないということか」
少し離れた場所で清四郎がすらりと立ち、逃げていく数匹の蝙蝠を見送っていた。
実は伊織と虹花の場所から大きく回避した直後だったり。狙われていたのはこの人だったのだが、うまく敵の戦意を逸らして虹花が止めを刺したのだ。
敵は空を飛ぶ。
逃げを打たれたらこんなものだ。
すでにほとんどの敵を倒している。十分な戦果である。
●
「まさかホンマに料理するとはな……」
戦い終わって、虹花がため息をついていた。
目の前では、たき火を前に串に刺した一角大蝙蝠がじゅうと焼けている。
「本当は少々料理には自信があるんだ」
その横では蒼空がぶつぶつ言っている。
「……妹が仕事では料理を作るなと言ってたんで、やめておいただけだ」
とか何とか言いつつ、てきぱきと持参した清酒を皆に……といっても飲める者へと用意している。
その酒を、「ちょっと」と声を掛けて奪う姿。
「こうしてお酒で下味をつけて……と」
リナリスである。積極的に調理している。
「知ってる? 蝙蝠って牛肉みたいな味なんだよ♪」
「ほへぇ……リナリスさん、物知りだね」
初華も串焼きを手伝っている。どうやら蒼の世界ではお好み焼き店でバイトしていたらしい。
「蝙蝠カレーもええんやけどなぁ」
虹花もなんだかんだいいつつ手伝っていた。残念ながらこちらの世界でカレーは日常的ではなく、用意できなかったが。
「さあ、上手に焼けたのです。食べるのですよー」
ナナが焼き上がった串を皆に配る。
「ありがとさん。ゆっくりできるのはありがたいの」
伊織、受け取った熱々にかぶりつき「うん、うまい」とのんびり。
「まさか食事もできるとはな……」
「飲むかい?」
一緒にいる清四郎の横に、飲めると見た蒼空が座った。杯を渡して酌み交わす。
「歪虚じゃねぇとはいえ、誰かの役に立つってのは、なんでも嬉しくなるもんだなっ!」
碧は元気よく串にかぶりつき。仕事もうまくいったとあってご機嫌だ。
「ナナさん、美味しいよね~」
「うん、おいしいのです」
初華はナナと一緒にはふはふがぶり。
「きっといいもの食べてるからなんじゃないかな~」
リナリスもここに座って食している。
「確かに」
虹花、背後のプルーン農園を振り返って納得するのだった。
とにかくこうして、農園の被害は食い止められた。
敵が空を飛び、遠距離から一方的に攻撃を受けたり劣勢になればあっさり逃げるタイプなだけに全滅は不可能だったが、これでひと段落。
後日、残った数匹にさらに食われたが、これは微々たるもの。
あるいは、戦った時の情報を村人に伝えているなどすればより安心感につながっていたかもしれないが、それはそれである。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/28 13:43:49 |
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相談用スレッド 京島 虹花(ka1486) 人間(リアルブルー)|20才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/06/29 22:04:50 |