ゲスト
(ka0000)
略奪ゴプリン団残党殲滅
マスター:笹村工事

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 6~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/07/17 07:30
- 完成日
- 2014/07/20 23:02
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
とある戦闘
スキル強化された剣閃がゴブリンの喉を切り裂き、その命を刈り取った。
「おう、お疲れさん」
ドワーフの男が隻腕剃髪の人間の青年にねぎらいの言葉を入れる。それに、
「怪我人はどうなってます?」
荒野に倒れ伏すゴブリンの返り血を浴びることなく距離を取った青年は、周囲への残心を心がけながらドワーフに問い掛けた。すると、
「再起不能、てほどのはいねぇな。回復系のスキル持ってなかったのが、ちょいと怪我したままだが。ま、死ぬほどじゃねぇよ」
軽い口調で応えが返ってくる。青年は周囲を見渡し、疲労と怪我でうずくまる数人の新人ハンターに僅かに視線を向けた後、言葉を返した。
「相変わらず厳しいですね。恨まれますよそれだと」
「それであいつらが死ぬ可能性が少しでも遠ざかるなら、万々歳だろ。新人に恨まれるのもベテランの役目さ」
肩を竦めながら返すドワーフの男に青年は息を抜くように苦笑すると、すぐに表情を引き締め尋ねた。
「これで主力は殲滅したと思いますが、残党は?」
この問いかけにドワーフの男は、
「こっから一時間ほど離れた場所に、もう掘り尽くした坑道があってな。そこにコボルドを引き連れて籠っていやがる。入口を新人のハンターに見張らせてるが、そろそろ交代させた方が良いだろうな」
現状を説明した。
コボルドを引き連れた略奪ゴブリン団をハンターにより排除する、それが現在の状況である。複数の村を襲ったそれの殲滅を目的としてハンターズソサエティに来た依頼ではあったが、最近になって一気に増えたハンター達に経験を積ませるため、ベテランハンター達が要所要所で新人ハンター達を支えながら作戦行動を繰り広げていた。
それは功を奏し、怪我人は出しつつもゴブリン団の主力は殲滅され、僅かな残党は坑道に追い込むことに成功しているという訳である。
「残党どもは坑道に籠ってやがるからな。中で戦えないほどじゃないが、混戦になると厄介だから新人のハンター達には奴らが外に出てくるまで、見張りも兼ねて入口に待機させてる。何しろ今回のゴブリンはコボルドを巧く使ってやがるからな、混戦にでもなったら新人だと洒落になんねぇしな」
周囲に散らばるコボルドの残骸に目を向けながらドワーフの男は言う。
今回、ハンター達が戦う事になったゴブリンはコボルドを引き連れていたのではあったが、そのコボルドをハンターからの攻撃に対する盾や進路を妨害する障害物として、あるいはハンター達の足を止めさせるために、コボルド達に張り付くような動きを取らせていた。今、疲労と怪我でうずくまる新人ハンターの中には、コボルドにしがみつかれ動きが鈍った所で、コボルドごと攻撃された者も居たのだ。
「なるほど。なら、私は支部に帰って新しく他の新人の皆さんに依頼をお願いすることにします」
ハンター職員でもある青年は地面に放置していた剣の鞘を足先で跳ね上げると鞘口に剣を走らせ、何も支えのない空中で剣を鞘に収めた。
「相変わらず器用なことするな、お前さん」
「ハンターで食べていけなくなったら、大道芸人にでもなりますよ。それより、私は支部に戻りますがここは任せてもかまいませんか?」
「おう、任せとけ」
ドワーフの力強い応えを受け、青年はハンターズソサエティ支部への岐路へとついた。
依頼説明
「略奪ゴブリン団の残党に対処して頂く依頼です」
かつて歪虚との戦いで片腕を無くしたという隻腕剃髪の青年が貴方達に依頼内容の説明を始めました。
「残党は現在、ある坑道跡地の中に籠っています。
内部で戦うことは危険ですので、入口を見張って貰う形で他のハンターの皆さんに詰めて貰っています。
彼らと交代してゴブリン達が出てくるまで見張って頂き、ゴブリン達が坑道から出てきた場合は殲滅をお願いします。
敵の戦力は、通常よりも強いとみられるゴブリンソルジャーが三体とコボルドが二十体前後との事です。
今回の敵であるゴブリンは、コボルドを盾として、あるいはハンターの動きを止める為の障害物として使ってきています。
すでに殲滅されたゴブリン団の主力との戦いの中で、コボルドにしがみつかれ動きが鈍った所を攻撃され怪我をされた方も居られますので、戦闘の際は気を付けて下さい。
他の細かい事は、出発前に改めて説明させて頂きます。
では、準備は良いですか?」
この問い掛けに貴方達は――?
スキル強化された剣閃がゴブリンの喉を切り裂き、その命を刈り取った。
「おう、お疲れさん」
ドワーフの男が隻腕剃髪の人間の青年にねぎらいの言葉を入れる。それに、
「怪我人はどうなってます?」
荒野に倒れ伏すゴブリンの返り血を浴びることなく距離を取った青年は、周囲への残心を心がけながらドワーフに問い掛けた。すると、
「再起不能、てほどのはいねぇな。回復系のスキル持ってなかったのが、ちょいと怪我したままだが。ま、死ぬほどじゃねぇよ」
軽い口調で応えが返ってくる。青年は周囲を見渡し、疲労と怪我でうずくまる数人の新人ハンターに僅かに視線を向けた後、言葉を返した。
「相変わらず厳しいですね。恨まれますよそれだと」
「それであいつらが死ぬ可能性が少しでも遠ざかるなら、万々歳だろ。新人に恨まれるのもベテランの役目さ」
肩を竦めながら返すドワーフの男に青年は息を抜くように苦笑すると、すぐに表情を引き締め尋ねた。
「これで主力は殲滅したと思いますが、残党は?」
この問いかけにドワーフの男は、
「こっから一時間ほど離れた場所に、もう掘り尽くした坑道があってな。そこにコボルドを引き連れて籠っていやがる。入口を新人のハンターに見張らせてるが、そろそろ交代させた方が良いだろうな」
現状を説明した。
コボルドを引き連れた略奪ゴブリン団をハンターにより排除する、それが現在の状況である。複数の村を襲ったそれの殲滅を目的としてハンターズソサエティに来た依頼ではあったが、最近になって一気に増えたハンター達に経験を積ませるため、ベテランハンター達が要所要所で新人ハンター達を支えながら作戦行動を繰り広げていた。
それは功を奏し、怪我人は出しつつもゴブリン団の主力は殲滅され、僅かな残党は坑道に追い込むことに成功しているという訳である。
「残党どもは坑道に籠ってやがるからな。中で戦えないほどじゃないが、混戦になると厄介だから新人のハンター達には奴らが外に出てくるまで、見張りも兼ねて入口に待機させてる。何しろ今回のゴブリンはコボルドを巧く使ってやがるからな、混戦にでもなったら新人だと洒落になんねぇしな」
周囲に散らばるコボルドの残骸に目を向けながらドワーフの男は言う。
今回、ハンター達が戦う事になったゴブリンはコボルドを引き連れていたのではあったが、そのコボルドをハンターからの攻撃に対する盾や進路を妨害する障害物として、あるいはハンター達の足を止めさせるために、コボルド達に張り付くような動きを取らせていた。今、疲労と怪我でうずくまる新人ハンターの中には、コボルドにしがみつかれ動きが鈍った所で、コボルドごと攻撃された者も居たのだ。
「なるほど。なら、私は支部に帰って新しく他の新人の皆さんに依頼をお願いすることにします」
ハンター職員でもある青年は地面に放置していた剣の鞘を足先で跳ね上げると鞘口に剣を走らせ、何も支えのない空中で剣を鞘に収めた。
「相変わらず器用なことするな、お前さん」
「ハンターで食べていけなくなったら、大道芸人にでもなりますよ。それより、私は支部に戻りますがここは任せてもかまいませんか?」
「おう、任せとけ」
ドワーフの力強い応えを受け、青年はハンターズソサエティ支部への岐路へとついた。
依頼説明
「略奪ゴブリン団の残党に対処して頂く依頼です」
かつて歪虚との戦いで片腕を無くしたという隻腕剃髪の青年が貴方達に依頼内容の説明を始めました。
「残党は現在、ある坑道跡地の中に籠っています。
内部で戦うことは危険ですので、入口を見張って貰う形で他のハンターの皆さんに詰めて貰っています。
彼らと交代してゴブリン達が出てくるまで見張って頂き、ゴブリン達が坑道から出てきた場合は殲滅をお願いします。
敵の戦力は、通常よりも強いとみられるゴブリンソルジャーが三体とコボルドが二十体前後との事です。
今回の敵であるゴブリンは、コボルドを盾として、あるいはハンターの動きを止める為の障害物として使ってきています。
すでに殲滅されたゴブリン団の主力との戦いの中で、コボルドにしがみつかれ動きが鈍った所を攻撃され怪我をされた方も居られますので、戦闘の際は気を付けて下さい。
他の細かい事は、出発前に改めて説明させて頂きます。
では、準備は良いですか?」
この問い掛けに貴方達は――?
リプレイ本文
●戦闘前準備
(さてさて、いつ飛び出してくるやら♪)
お昼時、多く出来過ぎたサンドイッチを仲間のハンターに配りながら、東雲 禁魄(ka0463)は坑道入口に視線を向ける。まだゴブリン達は出てくる気配はなかったが、彼はさりげなく警戒していた。
彼と同様警戒に当たっているのは、ペットである犬のロッキーを連れた天津 虎次郎(ka2645)である。既にポテトチップスで軽く食事を摂っていた彼であったが、東雲の好意に礼を言いサンドイッチを半分に分け、兄弟のように大事にしているペットのロッキーに分けてやる。
「ロッキー、一緒に役に立とうな!」
ハンターとしての初仕事で気合の入っている彼は、ロッキーと共に怪しい気配が無いか注意を払っていた。
そうして彼らが警戒に当たる一方、戦闘を有利にする為の作業を行っていた他のハンター達は軽く食事を摂っていた。
それは例えばシヴェルク(ka1571)のように、後々の事も考え、定期的に少しずつパンやチーズ、そして疲労回復に良いと言われている炭酸飲料を摂っている者も居れば、沙姫=司芭月=灰楽礼亜(ka1615)のように長丁場になる事も考え、パンと水を腹に貯まりすぎないように消費している者も居た。
その一方でカナタ・ハテナ(ka2130)のように、持って来ていたシードルの瓶を割り敵が通るであろう場所に撒く合間に食事を摂る者や、白金 綾瀬(ka0774)のように喉の渇きや空腹を覚える度に食事を摂る者、あるいは柊 恭也(ka0711)のように持って来ていた干し肉とミネラルウォーターを摂りながら、戦闘が夜間に突入しない事を願っている者も居た。
各自それぞれの食事の摂り方ではあったが、それによりそれまで行っていた作業などの疲労が回復したのは確かな事だった。
最初、坑道入口付近に落とし穴を、戦闘地帯となる荒地を取り囲む林の少し手前に後衛の為のバリケードを作ろうとした一行であったが、落とし穴は状況により難しい為バリケードのみに専念した。
周囲一帯の荒地は坑道から掘り出した物を運ぶ際に数えきれないほど踏み固められ非常に硬く作業自体が困難である事と、入口付近での作業のため坑道内のゴブリン達を刺激する可能性があるからだった。
事実、坑道入口で落とし穴を掘れないか試していた際は偵察役らしいゴブリンが一体、坑道内部よりハンター達の動向を確認に来ていた。
それは天津が連れて来ていたロッキーの吠え声により事前に察知できたが、入口付近での作業中にゴブリン達に一斉に襲い掛かられる事を避ける為にもバリケード作りに専念した。
だがその甲斐もあり、落とし穴に人員を割いた時では不可能なほどの量と頑丈さでバリケードは作られた。
設置個所は、白金の提案もあり入口付近と後方の狙撃役の守りとして林の手前に設置された。
そうして戦闘の準備が整ってから小一時間ほどで、状況は緊迫の度を深めた。
●戦闘開始
坑道奥よりコボルド二体の絶命の悲鳴が聞こえてきたのは、日暮れより数時間ほど前であった。
この時のハンター達には知る術は無かったが、それはゴブリン達の飢えを満たす為に犠牲にされたものだった。
だが理由など知らずともハンター達は即座に臨戦体制を取り、それぞれの配置をより強固な物にする。
ゴブリン達がこもっている坑道入口と荒地を挟んで周囲を取り囲む林の中間地点に、他のハンター達も同様であるが後衛の狙撃を妨げない位置取りで、沙姫とカナタが中衛として就いている。彼女達はそれぞれ気合を入れる為に声を上げていた。
「さってと、お仕事お仕事と行きましょうかね」
「ゴブリンは雑魚……コボルドは稚魚……カナタにはできる……今のカナタなら殺れる……弱みは見せられない……敵は人間じゃない……化け物……獣……何度も……シミュレーション……大丈夫……彷徨に……果てに……」
そこから少し前に出る形で前衛には、同行していたロッキーは戦闘時は危険である為に、干し肉を与え林の中に待機させた天津が就いている。
彼と同様前衛に当たる残り二人の内、柊は、
「今回は敵の数が多いみたいだから、一気に攻めて来られると厄介だな」
状況の再確認をする為の言葉を口にしながら、敵が出てくれば即座に戦闘地帯になる荒地に飛び出していく準備をして林の中で待機していた。
そして前衛役のもう一人である東雲は、後方の狙撃役用のバリケードではなく、入り口付近に設置されたバリケードの後方付近に待機している。戦闘開始時には銃撃を、その後状況の推移により即座に前衛に出られるように準備をしていた。
そんな彼女達と彼らを援護できるようシヴェルクが、
(ゴブリン団の皆さんはやり過ぎました。僕はただその咎の代償を支払わせるだけですね)
内心で冷静に今回の敵について判断しながら前衛と中衛の中間地点に就いていた。
そして最後の一人、後衛に就いた白金は、
「やっぱり初めての依頼で緊張するけど、皆に迷惑をかけないように頑張らないと」
他のハンター達の事も考えながら自らを鼓舞する為にも呟いた。
そしてハンター達がそれぞれの配置に就き準備が整ってから三十分ほどで、ゴブリン達は坑道入口よりあふれ出てきた。
一度に三体ずつ、途切れる事無く次々に走り出てくる。
最初に出てきたのはコボルド達である。九体ほど出た後にゴブリン三体が、その後ろを詰めるように残りのコボルド達が一斉に出てくる。
その口と手はコボルド達の血で未だ汚れたままだった。
けれどそれが何を意味するのか理解するよりも早く、ハンター達はゴブリン達を迎え撃った。
最初に攻撃の口火を切ったのは白金だった。
「狙いは……外さない」
可能であれば即座にゴブリンを狙いたい所ではあったが、コボルドが壁となり不可能な為、まずはコボルドの数を減らすことに専念する。ゴブリン用に残数を気にしながら強弾と遠射のスキルを併用し狙いを付ける。その瞬間、気の置けない友人の顔が心の中に浮かんだ。
(初仕事だし、気に掛けてくれたりするのかしら?)
それが、くすりと笑うような気安さを心にわかせ、どこにも力みのない狙撃を可能とする。
それにより放たれた一撃は狙い過たずコボルドの胸を撃ち抜き即死させた。しかしそれだけでは終わらず、弾丸は即死させたコボルドの体を突き抜け更に後方に居たもう一体の胸に命中、一度で二体のコボルドを排除した。
その会心に続く形で、更にハンター達による攻撃は続く。
東雲は坑道入口付近に置かれたバリケード後方から射撃をする。だが運がその時は悪かったのか、コボルドの肩を掠める形で外してしまう。その間に敵はバリケードを迂回して前に出て来ようとした為、リボルバーを刀に持ち替え、
「さて、それではちょっと……運動しようか」
飄々とした態度を見せながら、野生の瞳を使用しつつ前衛として前に出た。そして他のハンターも同様にゴブリン達へと突撃していく。
林に待機していた柊は、自身を鼓舞する為に声を上げながらゴブリン達の一団に突撃する。
「重装機導師、舐めんじゃねぇぞ! 本当は射撃型なんですけどね!」
他のハンターを動き易くする為、あえて深くまで突撃した柊は自分にしがみついて来ようとするコボルド達を避けると、機導剣による一撃を放つ。それはコボルドを切り裂き殲滅するが、コボルドの数の多さにやがて対応しきれなくなる。機導剣を振るい出来た僅かな隙に、生き残ったコボルドが柊にしがみついた。
そうして動きを阻害された瞬間、柊は何か大きな意識に囁かれたような気配を感じ取る。
その気配に促され視線を向ければ、いつの間にか距離を詰めていたゴブリンが、コボルドごと柊に一撃を加えようと棍棒を振り上げているのが見えた。
避けきれないそれを、かろうじて体をそらすことで利き腕で無い方の腕に食らう程度に抑えてみせる。その瞬間、回復か攻撃か、揺らぎのような迷いが柊の中に浮かぶ。
だが同時に浮かんだ自分を心配するような友人の顔に、迷いは即座に消え失せた。
(まだ浅い! 今は回復より攻撃だ!)
自身の安全よりも攻撃を選んだ柊の一撃は、ゴブリンにとっては死の一撃だった。
コボルドを振り払い放たれた機導剣の一撃がゴブリンの肩口から脇腹まで一気に抜け、即死させる。
だが、その攻撃の隙を突く形で更にコボルド達とゴブリンが柊に襲い掛かってこようとする。
けれど、他のハンター達がそれを阻んだ。
「てめぇら、そいつらも仲間じゃないのかよ!」
激昂に声を荒げながら、天津はバゼラードを振るい柊に襲い掛かろうとしていたゴブリンとコボルド達に攻撃する。
義理と人情に厚い彼は、コボルドをただの道具として使うゴブリンや、それを見ながら平然と戦い続ける他のコボルド達に怒りながら同時に悲しみを覚え、意識せず涙を流しながら戦っていた。
それは人としては情の深い物ではあったが、戦場では一歩間違えれば死へと至る物でもあった。
コボルド達をバゼラードで攻撃しながら、さばき切れずにしがみつかれたその時、コボルドごと攻撃しようとしてきたゴブリンから反射的にコボルドをかばってしまいそうになる。
一つ間違えれば致命傷へと至るその行動は、他のハンターの動きにより防がれた。
東雲が、天津に意識を集中させたゴブリンの隙を突く形で、
「おっと、させないよ♪」
戦場の中にあっても軽やかさを失わない声で、背後からゴブリンにクラッシュブロウを込めた一撃を加える。
不意を突き、更にスキルで強化された一撃はゴブリンに大ダメージを与え、追撃を掛ける形で放たれた柊の機導剣の一撃により完全に殲滅された。
そして即座に東雲と柊は天津にたかっていたコボルド達の排除の為に動き始め、それによりコボルド達から自由になった天津も戦闘に加わった。
無言のまま戦闘を再開した天津が内心で何を思っていたかは、彼にしか分からない事だったろう。
そうして敵の半数近くが殲滅された頃、残りの敵も殲滅されつつあった。
「おー、マジでゴブリンとコボルド! ……とと、GetReady!!」
ゴブリン達が坑道入口から出てくるとほぼ同時に沙姫は覚醒し、戦闘に突入する。その表情にはどこか憧れを目の当たりにした子供のような輝きが浮かんでいた。
かつて幻想を好み、けれどそれが空想でしかないと諦めながら、この世界に訪れる事でかつての想いを取り戻した彼女にとって、ゴブリンやコボルドは愛すべき幻想存在である。
叶うものならば抱きしめて頬ずりしたいぐらいではあったが、さすがにこの場では自重し目を輝かせるだけに止め、坑道入口付近に設置されたバリケードを越えたコボルド達にリボルバーによる射撃を開始する。
ゴブリン用にスキルを残すことも考えながら、まずは遠射を使いコボルド一体を撃ち倒す。
けれど敵の数は多く、倒しきれない何体かが彼女の元へと近づこうとする。
それを周囲の援護に動いていたシヴェルクが狙い撃つ。並み以上の眼の良さと周囲一帯への探知に優れた彼だからこその動きであると言えた。
「咎の代償を払って貰いますよ」
カナタが事前に地面に撒いていたシードルの破片を踏み動きが鈍ったコボルドに、運動強化により強化した身体能力を発揮しながら機導砲を可能な限り近付いた上で放ち、撃ち倒した。
そして沙姫とシヴェルクがコボルド達を撃ち倒していく中、残り一人のハンターであるカナタも戦闘に集中していた。
シードルの破片を撒き敵の動きを阻害するなど、戦闘の詳細に注意を払える彼女は、敵であるゴブリン達がこの場から逃げ出さないか注意しながら状況を見極めていた。
その見極めの中、バリケードを越え沙姫とシヴェルクへと向かうコボルドの一団と、乱戦になりかけている天津と柊、そして東雲へと、バリケードを迂回して背後から近づこうとするゴブリンの動きに気付く。それにカナタは、
「白金どん、可能ならゴブリンへの狙撃を頼むのじゃ」
狙撃役である白金に連携を頼みながら、不意を突こうと動くゴブリンへ突撃する。
「所詮、人とは別の種族、エルフやドワーフと違い判りあえる筈も無し。悪いが手加減無しじゃ」
自身への鼓舞と戒めを口にしながらゴブリンの前に立ちはだかった彼女は、
「冥土の土産に持って行けなのじゃ」
持って来ていたスカートをゴブリンの顔目掛けて投げつける。不意を突こうと動いていたゴブリンは、それを察知され妨げられると思っていなかったのか、逆にカナタに不意を突かれスカートをまともに顔に受ける。
慌ててそれを振り払おうと動きが止まったゴブリンに、
「これがこの世で見る最後の光じゃ」
カナタはホーリーライトを放つ。輝く光の弾がゴブリンに向かって飛ぶと、衝撃によりダメージを与えた。それによりかなりのダメージは食らったものの何とか生き残ったゴブリンは反撃に動こうとするが、カナタに狙撃を頼まれていた白金の遠射と強弾を併用した猟銃の一撃により、反撃の意思が形になることはなく撃ち倒された。
そうして指揮役であったゴブリンが全て倒された後、残ったコボルド達全てを殲滅して、彼らは依頼を完遂した。
●戦闘終了
「けがをした人はいない? 応急処置になるけれど手当てするわよ」
「ならカナタはヒールを掛けるのじゃ」
戦闘終了後、怪我人の対処の為に白金とカナタは動く。今回の戦闘では、怪我をしたのは前衛に就いていた天津・柊・東雲だけである。
天津と東雲の怪我は数が多くさばき切れなかったコボルドによる物で大した事はなかったが、仲間のハンター達の為に敵深くまで突撃した柊はゴブリンの一撃を受けており、深いとまでは言えないがそれなりのダメージは受けていた。けれど、
「大丈夫、マテリアルヒーリング使うから」
回復系のスキルを使用することにより大事になることはなかった。それはコボルドによる軽い怪我を受けた二人も同様であった。
仲間の怪我が大したことが無いことを確認したハンター達はそれぞれが戦闘後の後始末も兼ねた動きを見せる。
柊は倒したゴブリン達が何か持っていないかと調べたが、残念ながら見つけられずにいた。その一方、沙姫が回収できる物品が無いか探すと、バリケードに使用したロープは回収する事が出来た。
そしてカナタは戦闘時に使ったスカートを見つけ出し回収した。多少汚れてはいたものの、破れていたりという事は無かった。
そうして戦闘を完遂し、怪我人への対処と周囲の探索を終わり、彼らはギルドに報告の為の帰途についた。
事前にバリケードを敷くなど柔軟に準備をし、それぞれ適切な配置に就いた上で完遂した今回の依頼のように、彼らと彼女達の次の依頼が上手くいくかどうかはその時はまだ分からなかったが、きっと次の依頼も今回と同様に完遂するのであろう、そう思えるような依頼であった。
(さてさて、いつ飛び出してくるやら♪)
お昼時、多く出来過ぎたサンドイッチを仲間のハンターに配りながら、東雲 禁魄(ka0463)は坑道入口に視線を向ける。まだゴブリン達は出てくる気配はなかったが、彼はさりげなく警戒していた。
彼と同様警戒に当たっているのは、ペットである犬のロッキーを連れた天津 虎次郎(ka2645)である。既にポテトチップスで軽く食事を摂っていた彼であったが、東雲の好意に礼を言いサンドイッチを半分に分け、兄弟のように大事にしているペットのロッキーに分けてやる。
「ロッキー、一緒に役に立とうな!」
ハンターとしての初仕事で気合の入っている彼は、ロッキーと共に怪しい気配が無いか注意を払っていた。
そうして彼らが警戒に当たる一方、戦闘を有利にする為の作業を行っていた他のハンター達は軽く食事を摂っていた。
それは例えばシヴェルク(ka1571)のように、後々の事も考え、定期的に少しずつパンやチーズ、そして疲労回復に良いと言われている炭酸飲料を摂っている者も居れば、沙姫=司芭月=灰楽礼亜(ka1615)のように長丁場になる事も考え、パンと水を腹に貯まりすぎないように消費している者も居た。
その一方でカナタ・ハテナ(ka2130)のように、持って来ていたシードルの瓶を割り敵が通るであろう場所に撒く合間に食事を摂る者や、白金 綾瀬(ka0774)のように喉の渇きや空腹を覚える度に食事を摂る者、あるいは柊 恭也(ka0711)のように持って来ていた干し肉とミネラルウォーターを摂りながら、戦闘が夜間に突入しない事を願っている者も居た。
各自それぞれの食事の摂り方ではあったが、それによりそれまで行っていた作業などの疲労が回復したのは確かな事だった。
最初、坑道入口付近に落とし穴を、戦闘地帯となる荒地を取り囲む林の少し手前に後衛の為のバリケードを作ろうとした一行であったが、落とし穴は状況により難しい為バリケードのみに専念した。
周囲一帯の荒地は坑道から掘り出した物を運ぶ際に数えきれないほど踏み固められ非常に硬く作業自体が困難である事と、入口付近での作業のため坑道内のゴブリン達を刺激する可能性があるからだった。
事実、坑道入口で落とし穴を掘れないか試していた際は偵察役らしいゴブリンが一体、坑道内部よりハンター達の動向を確認に来ていた。
それは天津が連れて来ていたロッキーの吠え声により事前に察知できたが、入口付近での作業中にゴブリン達に一斉に襲い掛かられる事を避ける為にもバリケード作りに専念した。
だがその甲斐もあり、落とし穴に人員を割いた時では不可能なほどの量と頑丈さでバリケードは作られた。
設置個所は、白金の提案もあり入口付近と後方の狙撃役の守りとして林の手前に設置された。
そうして戦闘の準備が整ってから小一時間ほどで、状況は緊迫の度を深めた。
●戦闘開始
坑道奥よりコボルド二体の絶命の悲鳴が聞こえてきたのは、日暮れより数時間ほど前であった。
この時のハンター達には知る術は無かったが、それはゴブリン達の飢えを満たす為に犠牲にされたものだった。
だが理由など知らずともハンター達は即座に臨戦体制を取り、それぞれの配置をより強固な物にする。
ゴブリン達がこもっている坑道入口と荒地を挟んで周囲を取り囲む林の中間地点に、他のハンター達も同様であるが後衛の狙撃を妨げない位置取りで、沙姫とカナタが中衛として就いている。彼女達はそれぞれ気合を入れる為に声を上げていた。
「さってと、お仕事お仕事と行きましょうかね」
「ゴブリンは雑魚……コボルドは稚魚……カナタにはできる……今のカナタなら殺れる……弱みは見せられない……敵は人間じゃない……化け物……獣……何度も……シミュレーション……大丈夫……彷徨に……果てに……」
そこから少し前に出る形で前衛には、同行していたロッキーは戦闘時は危険である為に、干し肉を与え林の中に待機させた天津が就いている。
彼と同様前衛に当たる残り二人の内、柊は、
「今回は敵の数が多いみたいだから、一気に攻めて来られると厄介だな」
状況の再確認をする為の言葉を口にしながら、敵が出てくれば即座に戦闘地帯になる荒地に飛び出していく準備をして林の中で待機していた。
そして前衛役のもう一人である東雲は、後方の狙撃役用のバリケードではなく、入り口付近に設置されたバリケードの後方付近に待機している。戦闘開始時には銃撃を、その後状況の推移により即座に前衛に出られるように準備をしていた。
そんな彼女達と彼らを援護できるようシヴェルクが、
(ゴブリン団の皆さんはやり過ぎました。僕はただその咎の代償を支払わせるだけですね)
内心で冷静に今回の敵について判断しながら前衛と中衛の中間地点に就いていた。
そして最後の一人、後衛に就いた白金は、
「やっぱり初めての依頼で緊張するけど、皆に迷惑をかけないように頑張らないと」
他のハンター達の事も考えながら自らを鼓舞する為にも呟いた。
そしてハンター達がそれぞれの配置に就き準備が整ってから三十分ほどで、ゴブリン達は坑道入口よりあふれ出てきた。
一度に三体ずつ、途切れる事無く次々に走り出てくる。
最初に出てきたのはコボルド達である。九体ほど出た後にゴブリン三体が、その後ろを詰めるように残りのコボルド達が一斉に出てくる。
その口と手はコボルド達の血で未だ汚れたままだった。
けれどそれが何を意味するのか理解するよりも早く、ハンター達はゴブリン達を迎え撃った。
最初に攻撃の口火を切ったのは白金だった。
「狙いは……外さない」
可能であれば即座にゴブリンを狙いたい所ではあったが、コボルドが壁となり不可能な為、まずはコボルドの数を減らすことに専念する。ゴブリン用に残数を気にしながら強弾と遠射のスキルを併用し狙いを付ける。その瞬間、気の置けない友人の顔が心の中に浮かんだ。
(初仕事だし、気に掛けてくれたりするのかしら?)
それが、くすりと笑うような気安さを心にわかせ、どこにも力みのない狙撃を可能とする。
それにより放たれた一撃は狙い過たずコボルドの胸を撃ち抜き即死させた。しかしそれだけでは終わらず、弾丸は即死させたコボルドの体を突き抜け更に後方に居たもう一体の胸に命中、一度で二体のコボルドを排除した。
その会心に続く形で、更にハンター達による攻撃は続く。
東雲は坑道入口付近に置かれたバリケード後方から射撃をする。だが運がその時は悪かったのか、コボルドの肩を掠める形で外してしまう。その間に敵はバリケードを迂回して前に出て来ようとした為、リボルバーを刀に持ち替え、
「さて、それではちょっと……運動しようか」
飄々とした態度を見せながら、野生の瞳を使用しつつ前衛として前に出た。そして他のハンターも同様にゴブリン達へと突撃していく。
林に待機していた柊は、自身を鼓舞する為に声を上げながらゴブリン達の一団に突撃する。
「重装機導師、舐めんじゃねぇぞ! 本当は射撃型なんですけどね!」
他のハンターを動き易くする為、あえて深くまで突撃した柊は自分にしがみついて来ようとするコボルド達を避けると、機導剣による一撃を放つ。それはコボルドを切り裂き殲滅するが、コボルドの数の多さにやがて対応しきれなくなる。機導剣を振るい出来た僅かな隙に、生き残ったコボルドが柊にしがみついた。
そうして動きを阻害された瞬間、柊は何か大きな意識に囁かれたような気配を感じ取る。
その気配に促され視線を向ければ、いつの間にか距離を詰めていたゴブリンが、コボルドごと柊に一撃を加えようと棍棒を振り上げているのが見えた。
避けきれないそれを、かろうじて体をそらすことで利き腕で無い方の腕に食らう程度に抑えてみせる。その瞬間、回復か攻撃か、揺らぎのような迷いが柊の中に浮かぶ。
だが同時に浮かんだ自分を心配するような友人の顔に、迷いは即座に消え失せた。
(まだ浅い! 今は回復より攻撃だ!)
自身の安全よりも攻撃を選んだ柊の一撃は、ゴブリンにとっては死の一撃だった。
コボルドを振り払い放たれた機導剣の一撃がゴブリンの肩口から脇腹まで一気に抜け、即死させる。
だが、その攻撃の隙を突く形で更にコボルド達とゴブリンが柊に襲い掛かってこようとする。
けれど、他のハンター達がそれを阻んだ。
「てめぇら、そいつらも仲間じゃないのかよ!」
激昂に声を荒げながら、天津はバゼラードを振るい柊に襲い掛かろうとしていたゴブリンとコボルド達に攻撃する。
義理と人情に厚い彼は、コボルドをただの道具として使うゴブリンや、それを見ながら平然と戦い続ける他のコボルド達に怒りながら同時に悲しみを覚え、意識せず涙を流しながら戦っていた。
それは人としては情の深い物ではあったが、戦場では一歩間違えれば死へと至る物でもあった。
コボルド達をバゼラードで攻撃しながら、さばき切れずにしがみつかれたその時、コボルドごと攻撃しようとしてきたゴブリンから反射的にコボルドをかばってしまいそうになる。
一つ間違えれば致命傷へと至るその行動は、他のハンターの動きにより防がれた。
東雲が、天津に意識を集中させたゴブリンの隙を突く形で、
「おっと、させないよ♪」
戦場の中にあっても軽やかさを失わない声で、背後からゴブリンにクラッシュブロウを込めた一撃を加える。
不意を突き、更にスキルで強化された一撃はゴブリンに大ダメージを与え、追撃を掛ける形で放たれた柊の機導剣の一撃により完全に殲滅された。
そして即座に東雲と柊は天津にたかっていたコボルド達の排除の為に動き始め、それによりコボルド達から自由になった天津も戦闘に加わった。
無言のまま戦闘を再開した天津が内心で何を思っていたかは、彼にしか分からない事だったろう。
そうして敵の半数近くが殲滅された頃、残りの敵も殲滅されつつあった。
「おー、マジでゴブリンとコボルド! ……とと、GetReady!!」
ゴブリン達が坑道入口から出てくるとほぼ同時に沙姫は覚醒し、戦闘に突入する。その表情にはどこか憧れを目の当たりにした子供のような輝きが浮かんでいた。
かつて幻想を好み、けれどそれが空想でしかないと諦めながら、この世界に訪れる事でかつての想いを取り戻した彼女にとって、ゴブリンやコボルドは愛すべき幻想存在である。
叶うものならば抱きしめて頬ずりしたいぐらいではあったが、さすがにこの場では自重し目を輝かせるだけに止め、坑道入口付近に設置されたバリケードを越えたコボルド達にリボルバーによる射撃を開始する。
ゴブリン用にスキルを残すことも考えながら、まずは遠射を使いコボルド一体を撃ち倒す。
けれど敵の数は多く、倒しきれない何体かが彼女の元へと近づこうとする。
それを周囲の援護に動いていたシヴェルクが狙い撃つ。並み以上の眼の良さと周囲一帯への探知に優れた彼だからこその動きであると言えた。
「咎の代償を払って貰いますよ」
カナタが事前に地面に撒いていたシードルの破片を踏み動きが鈍ったコボルドに、運動強化により強化した身体能力を発揮しながら機導砲を可能な限り近付いた上で放ち、撃ち倒した。
そして沙姫とシヴェルクがコボルド達を撃ち倒していく中、残り一人のハンターであるカナタも戦闘に集中していた。
シードルの破片を撒き敵の動きを阻害するなど、戦闘の詳細に注意を払える彼女は、敵であるゴブリン達がこの場から逃げ出さないか注意しながら状況を見極めていた。
その見極めの中、バリケードを越え沙姫とシヴェルクへと向かうコボルドの一団と、乱戦になりかけている天津と柊、そして東雲へと、バリケードを迂回して背後から近づこうとするゴブリンの動きに気付く。それにカナタは、
「白金どん、可能ならゴブリンへの狙撃を頼むのじゃ」
狙撃役である白金に連携を頼みながら、不意を突こうと動くゴブリンへ突撃する。
「所詮、人とは別の種族、エルフやドワーフと違い判りあえる筈も無し。悪いが手加減無しじゃ」
自身への鼓舞と戒めを口にしながらゴブリンの前に立ちはだかった彼女は、
「冥土の土産に持って行けなのじゃ」
持って来ていたスカートをゴブリンの顔目掛けて投げつける。不意を突こうと動いていたゴブリンは、それを察知され妨げられると思っていなかったのか、逆にカナタに不意を突かれスカートをまともに顔に受ける。
慌ててそれを振り払おうと動きが止まったゴブリンに、
「これがこの世で見る最後の光じゃ」
カナタはホーリーライトを放つ。輝く光の弾がゴブリンに向かって飛ぶと、衝撃によりダメージを与えた。それによりかなりのダメージは食らったものの何とか生き残ったゴブリンは反撃に動こうとするが、カナタに狙撃を頼まれていた白金の遠射と強弾を併用した猟銃の一撃により、反撃の意思が形になることはなく撃ち倒された。
そうして指揮役であったゴブリンが全て倒された後、残ったコボルド達全てを殲滅して、彼らは依頼を完遂した。
●戦闘終了
「けがをした人はいない? 応急処置になるけれど手当てするわよ」
「ならカナタはヒールを掛けるのじゃ」
戦闘終了後、怪我人の対処の為に白金とカナタは動く。今回の戦闘では、怪我をしたのは前衛に就いていた天津・柊・東雲だけである。
天津と東雲の怪我は数が多くさばき切れなかったコボルドによる物で大した事はなかったが、仲間のハンター達の為に敵深くまで突撃した柊はゴブリンの一撃を受けており、深いとまでは言えないがそれなりのダメージは受けていた。けれど、
「大丈夫、マテリアルヒーリング使うから」
回復系のスキルを使用することにより大事になることはなかった。それはコボルドによる軽い怪我を受けた二人も同様であった。
仲間の怪我が大したことが無いことを確認したハンター達はそれぞれが戦闘後の後始末も兼ねた動きを見せる。
柊は倒したゴブリン達が何か持っていないかと調べたが、残念ながら見つけられずにいた。その一方、沙姫が回収できる物品が無いか探すと、バリケードに使用したロープは回収する事が出来た。
そしてカナタは戦闘時に使ったスカートを見つけ出し回収した。多少汚れてはいたものの、破れていたりという事は無かった。
そうして戦闘を完遂し、怪我人への対処と周囲の探索を終わり、彼らはギルドに報告の為の帰途についた。
事前にバリケードを敷くなど柔軟に準備をし、それぞれ適切な配置に就いた上で完遂した今回の依頼のように、彼らと彼女達の次の依頼が上手くいくかどうかはその時はまだ分からなかったが、きっと次の依頼も今回と同様に完遂するのであろう、そう思えるような依頼であった。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 柊 恭也(ka0711) 人間(リアルブルー)|18才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/07/16 23:05:11 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/13 08:51:23 |