ゲスト
(ka0000)
防衛戦と天空の騎士
マスター:植田誠

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/07/18 07:30
- 完成日
- 2014/07/25 22:55
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
ズューデアイセル州南東部に小さな村がある。
この村では帝国だと気候等の問題であまり栽培されていないブドウを生産しており、ブドウの出荷やワイン造り等で生計を立てている。ブドウはともかく、ワインの質はお世辞にも良いものとは言えなかったが。
それはさておき、この村は最近ある問題を抱えていた。どうも近くにコボルドが住み着いたらしく、定期的に村へ襲撃に来るようになったのだ。もっとも、コボルドは知性も高くないうえ、そこまで強いわけではなかったため、追い返すことはそう難しい事ではなかった。
そんなコボルド達の行動に統率が見られるようになってきたのがつい最近のこと。それぞれ役割分担をした3体1組で連携をとって攻撃をしてくるようになって、とうとう自警団では手が負えなくなしまった。
そこで村長は軍にコボルドの討伐を依頼するとともに、怪我人だらけの自警団の代わりにコボルドを迎撃するため、ハンターを雇うことにした。
雇ってから2日もしないうちに、コボルドは攻撃をしかけてきた。その数は24体。数の上ではハンターたちよりもずっと多く、しかも連携を取る。なぜ連携を取るのか。それは未だに村人も不思議がっていることではあったが……なんにせよ、一筋縄でいかない相手であるのは明らかだった。
●
それはコボルドとハンターが今まさに戦いを始めようかという時だった。村を挟んで戦場の反対側、その入り口近くに4体のゴブリンが迫っていた。
ゴブリンがコボルドを自分たちの良いように利用するということはよくある話だ。今回もコボルドに入れ知恵をして、戦闘における連携を覚えさせた。そして、コボルドが暴れている間にゴブリン達は火事場泥棒を働く。そういうつもりだったのだ。
実際、ゴブリンが思っていた以上にコボルドは良く戦い、自警団に十分な被害を与えた。結果として、自警団以上に手強いハンターが出てくることになったのだが、そのハンターたちも目前のコボルドに集中している。今日この日こそが、まさに絶好のチャンスだった。
しかし、ゴブリンの思惑はこの時初めて外れた。村に入ろうというところで軍服を着た男が立ち塞がったのだ。
「コボルドにしては頭が良い戦法だとは思っていたんだけど、ゴブリンが絡んでいたのか。そう考えると納得がいくな」
男はそう言いながら灰色の瞳でゴブリン達を観察するかのように眺めている。
その様子を見ながらも、ゴブリン達は驚き混乱していた。自分たちの行動が邪魔されるとは思っていなかった、というのもあるが……この男は自分たちが来るのを入り口で待ち構えていたわけではない。突如として、空から降ってきたのだ。
一体どういうことなのか……だが、その理由はすぐに分かった。
規則的に聞こえる翼の音と共に、一頭のグリフォンがゆっくりとその場に降りてきたのだ。
男はこのグリフォンの主人なのだろう。そうでなければ、グリフォンが人間の横でこうも大人しくしているはずがない。ここに来るのにも、グリフォンを使って飛んできたに違いない。
「下見のつもりだったんだけど、運よく首謀者にあえたことだし……逃がすなよ、グリース」
グリースと呼ばれたグリフォンは甲高い鳴き声を響かせながら、再び翼を羽ばたかせ浮上する。先程の大人しさとは一変、威圧感すら感じさせる。
この時はもう、ゴブリン達も目の前にいる男が誰なのか分かっていた。
この地を管轄する帝国軍は『ヒンメルリッタ-』の通称を持つ、帝国第五師団。そして、第五師団の特徴とは……グリフォンを駆る騎兵部隊だ。
間違いなく、この男はこの第五師団の兵……しかも赤い軍服は士官の証だ。
ゴブリン達は考える。ここから逃げてもグリフォンが追い縋り、必ず倒されることになるだろう。生き残るためには……なんとか数の上で有利に立っている今、この男とグリフォンを倒すしかない。
「戦うか。その意気や良し……」
武器を構えるゴブリン達を見て、男も腰の武器に手をかける。
「それでは『双撃』のシュトライトがお相手させてもらうよ、ゴブリン諸君」
そう言うと男……第五師団団長であるロルフ・シュトライトは、二振りの長剣を抜き放った。
ズューデアイセル州南東部に小さな村がある。
この村では帝国だと気候等の問題であまり栽培されていないブドウを生産しており、ブドウの出荷やワイン造り等で生計を立てている。ブドウはともかく、ワインの質はお世辞にも良いものとは言えなかったが。
それはさておき、この村は最近ある問題を抱えていた。どうも近くにコボルドが住み着いたらしく、定期的に村へ襲撃に来るようになったのだ。もっとも、コボルドは知性も高くないうえ、そこまで強いわけではなかったため、追い返すことはそう難しい事ではなかった。
そんなコボルド達の行動に統率が見られるようになってきたのがつい最近のこと。それぞれ役割分担をした3体1組で連携をとって攻撃をしてくるようになって、とうとう自警団では手が負えなくなしまった。
そこで村長は軍にコボルドの討伐を依頼するとともに、怪我人だらけの自警団の代わりにコボルドを迎撃するため、ハンターを雇うことにした。
雇ってから2日もしないうちに、コボルドは攻撃をしかけてきた。その数は24体。数の上ではハンターたちよりもずっと多く、しかも連携を取る。なぜ連携を取るのか。それは未だに村人も不思議がっていることではあったが……なんにせよ、一筋縄でいかない相手であるのは明らかだった。
●
それはコボルドとハンターが今まさに戦いを始めようかという時だった。村を挟んで戦場の反対側、その入り口近くに4体のゴブリンが迫っていた。
ゴブリンがコボルドを自分たちの良いように利用するということはよくある話だ。今回もコボルドに入れ知恵をして、戦闘における連携を覚えさせた。そして、コボルドが暴れている間にゴブリン達は火事場泥棒を働く。そういうつもりだったのだ。
実際、ゴブリンが思っていた以上にコボルドは良く戦い、自警団に十分な被害を与えた。結果として、自警団以上に手強いハンターが出てくることになったのだが、そのハンターたちも目前のコボルドに集中している。今日この日こそが、まさに絶好のチャンスだった。
しかし、ゴブリンの思惑はこの時初めて外れた。村に入ろうというところで軍服を着た男が立ち塞がったのだ。
「コボルドにしては頭が良い戦法だとは思っていたんだけど、ゴブリンが絡んでいたのか。そう考えると納得がいくな」
男はそう言いながら灰色の瞳でゴブリン達を観察するかのように眺めている。
その様子を見ながらも、ゴブリン達は驚き混乱していた。自分たちの行動が邪魔されるとは思っていなかった、というのもあるが……この男は自分たちが来るのを入り口で待ち構えていたわけではない。突如として、空から降ってきたのだ。
一体どういうことなのか……だが、その理由はすぐに分かった。
規則的に聞こえる翼の音と共に、一頭のグリフォンがゆっくりとその場に降りてきたのだ。
男はこのグリフォンの主人なのだろう。そうでなければ、グリフォンが人間の横でこうも大人しくしているはずがない。ここに来るのにも、グリフォンを使って飛んできたに違いない。
「下見のつもりだったんだけど、運よく首謀者にあえたことだし……逃がすなよ、グリース」
グリースと呼ばれたグリフォンは甲高い鳴き声を響かせながら、再び翼を羽ばたかせ浮上する。先程の大人しさとは一変、威圧感すら感じさせる。
この時はもう、ゴブリン達も目の前にいる男が誰なのか分かっていた。
この地を管轄する帝国軍は『ヒンメルリッタ-』の通称を持つ、帝国第五師団。そして、第五師団の特徴とは……グリフォンを駆る騎兵部隊だ。
間違いなく、この男はこの第五師団の兵……しかも赤い軍服は士官の証だ。
ゴブリン達は考える。ここから逃げてもグリフォンが追い縋り、必ず倒されることになるだろう。生き残るためには……なんとか数の上で有利に立っている今、この男とグリフォンを倒すしかない。
「戦うか。その意気や良し……」
武器を構えるゴブリン達を見て、男も腰の武器に手をかける。
「それでは『双撃』のシュトライトがお相手させてもらうよ、ゴブリン諸君」
そう言うと男……第五師団団長であるロルフ・シュトライトは、二振りの長剣を抜き放った。
リプレイ本文
●
「狙いは?」
「各自の射程もあるしね……中央の方が両側からも狙えるからいいんじゃない?」
アリサ・ケンプファー(ka0399)の問いに、ニーナ・アンフィスバエナ(ka1682)が声を張り上げ応答する。ハンターたちの視線。その先にはコボルド達。斧持ち、短剣持ち、盾持ちの3体が一塊になって、直進してきている。
「それにしても数が多い……」
片膝を着いた姿勢で東條 克己(ka1076)が呟いた通り、敵は3体×8組。総数21体。数の比率は3:1と、ハンターたちが大きく劣る。
「コボルド単体はそこまで強く無いとはいえ、3体1組が8チームとなると脅威となりえますね」
「それに、奴らも連携してきます……」
オウカ・カゲツ(ka0830)の言葉に応じる椿姫・T・ノーチェ(ka1225)。2人は銃器を持たないため、敵の接近を待つ形に。この点ではシェール・L・アヴァロン(ka1386)も同様だ。
「きっと大丈夫。私たちの連携だって、負けてないもの」
「……そうですね。村を守るためにも、こちらも上手く連携しないと、ですね」
そうこうしている間に、間もなく敵が射程内に入る。
ニーナはアリサと共に声を張り上げ目標を選定する。
敵の数は多い。だからこそ、接近戦に移行する前に一斉射撃で敵を減らす作戦だ。
「……よし、攻撃開始!」
レイフェン=ランパード(ka0536)の合図。戦闘直前までただの軽い青年といった印象しか抱かせなかったが、その合図は元軍属らしいはっきりとしたもの。それに合わせ銃を持ったハンターは一斉射。狙いは中ほどに位置していた1チーム。
コボルド側は、先頭の盾持ちが攻撃を防御する。
「さすがに盾は使ってくるわよねぇ……」
ファルル・キーリア(ka2053)はこの行動を予測していたと見える。
「ま、それならそれで構わないけれど」
防御した、とはいえ一枚の盾では一斉射撃を防ぎきれず、後ろに控えた短剣持ち、斧持ちにも命中。盾持ちも耐えきれなかったようで、結局この一斉射でチーム丸ごと撃破される。
この一斉射撃で、特にダメージを与えたニーナ。頭に浮かぶのはエリシャからのアドバイス。
「相手がよそ見しているなら思いっきり……まぁよそ見してなくても関係ないけどね」
これで敵の残りは18体。幸先の良いスタートだ。
●
「的が多くて楽しみね……次は隣の奴よ!」
第2射。狙いは単純に先程狙ったチームの真横。特にアリサの攻撃は一撃で盾持ちを盾ごと貫く効果抜群の一射。
2チーム目のコボルド達もあっさり撃破される。だが、敵の移動速度は速い。すぐに前衛と近接戦に入るだろう。そうなると一斉射撃を打つのは難しい。
「さて、気を引き締めていきましょう」
オウカは地を駆ける者を使用。回避能力を高めて接近戦に臨む。
椿姫は一射目の時点で側面に移動を開始している。敵の側面を突くつもりだ。
シェールはそれら味方の位置を把握。
(ヒールの魔法……この場で使えるのは私だけ)
だからこそ、どこにいてもヒールが使用できるように……必然位置は中央寄りになってくる。
対するコボルド達は……元々チーム間の連携が皆無だったことが幸いしたのか、倒れる仲間たちに目もくれず突っ込んできている。
まず接敵したのはレイフェン。突っ込んできた盾持ちの攻撃をいなす。が、その間に短剣持ちに後ろへ回り込まれ足を斬りつけられる。
「くっ……速い……!」
確実に受ける。そう意識はしていたが態勢を崩されると必ずしも思惑通りにいかない。斧持ちの攻撃を受けきれず、腹部を大きく切り裂かれた。
……思いのほかダメージは少ない。ふと脳裏に友人である真司の顔が浮かぶ。彼の祈りが守ってくれたのかもしれない。
「感謝しないと、か……それにしても、使い走りの道具の割に、良く考えてるな」
これが敵の連携だ。盾持ちが接近までの防御を一手に請け負う。
そして、間合いに入ったら取り囲むように展開。ここから連続攻撃で回避の余裕を削っていき最後の斧持ちによる攻撃を確実に当てる。
「なるほど。十分に注意しないといけませんね」
オウカは回避力を高めていた甲斐あって、盾持ちの攻撃は余裕を持って躱す。だが、動きの速い短剣持ちに対してはそうもいかず、太刀で受ける。そこを狙って斧持ちの攻撃。これを体を捻りながらなんとか躱す。
「……あちらはまだ、大丈夫そうですね」
シェールは仲間の様子を確認しつつも防御に徹する。盾持ちの攻撃は防御。次いで短剣持ちの攻撃。浅く足を切られ態勢を崩してしまい、斧持ちの攻撃をまともに受ける。
「くっ……」
多少ダメージを受ける。それでもまだ余裕が見られるのはシェールの高い防御力故か。
(私が倒れたら、きっと仲間が困ってしまう。だから……)
「そう簡単に、やられるわけにはいかない!」
あるいは、この意志の強さがそうさせるのかもしれない。
「よっし! あたしも頑張らないとねー」
ニーナはその回避力を活かし、盾持ち、短剣持ちと攻撃を躱していく。だが、斧持ちの攻撃を避けきれない。咄嗟に大剣で防御。それでも多大なダメージを受ける。その様子を確認していたシェールはヒールを使用し回復する。
「こっちに向かってきた?」
側面から回り込み攻撃を仕掛ける予定の椿姫だったが、その前に敵が迫る。瞬脚によって得られた回避力を活かして盾持ちの攻撃を躱すが、横から飛び出してきた短剣持ちに足を切られる。
「っ……!」
瞬間、背筋に冷たいものが走る。目の前にいたのは斧持ち。この攻撃を喰らったら……
(もうこの戦闘中立ち上がれない!)
そう確信した椿姫は本来攻撃に使うランアウトを利用して移動。斧持ちと距離を取ることで攻撃を躱しつつ、包囲から脱する。
ファルルも椿姫同様側面からの射撃を行うために移動を開始していたが、自分に着いて来ているチームに気が付いた。
「狙われてるってわけね……いいわ」
予定を変更し、ファルルは銃を向ける。この時点で、敵チーム2つを撃破したものの、ハンターたちも8人中3人が5割に近いダメージを受けていた。
●
こちらを包囲するような動きによりハンターたちへのダメージは間違いなく増加していたが……それは一直線に並んでいた初動時よりも特定のコボルドを狙いやすくしていた。
「このタイミングなら外しませんよ」
オウカはクラッシュブロウで先程攻撃してきた斧持ちを攻撃。短剣持ちが攻撃を妨害しようと飛びかかるが、遅い。太刀が斧持ちを切り裂く。
一方、一度距離をとった椿姫は再度ランアウトを使用。足を活かして距離を詰め、待ち構える盾持ちを掻い潜る。その先にいたのは斧持ち。勢いそのまま、爪で攻撃を行う椿姫。だが、斧持ちは防御。
「浅かったわね……」
咄嗟に飛び退く椿姫。だが、機動力の高い短剣持ちが回り込んでいく手を遮る。さらに盾持ちが体当たりで態勢を崩し、そこから短剣持ち、斧持ちによる連続攻撃。
「椿姫さん!」
その様子を見てシェールはヒールを使用。致命傷とはならなかったが、動くのがやっとの状態に。
他方、ニーナも同様に斧持ちを狙う。こちらの大剣による一撃は斧に遮られることなく斧持ちを両断する。
「くると分かってれば怖いもんじゃないね!」
反撃してきた盾持ちの攻撃を難なく回避。しかし、短剣もちはさすがに動きが速い。避けきれず多少の傷を負った。
「このままだとジリ貧か……打って出るしかないな」
傷を抑えながらも、状況を淡々と分析するレイフェン。
もう少し防御を優先して敵の動きを見るつもりだったが、この火力はそう何度もしのげるものではない。剣に持ち替え、斧持ちに強打を打ち込む。
だが、この攻撃は防御され、さらに横合いから回り込んでいた短剣持ちに反撃を受ける。
「クッ……そう簡単にはいかないか……」
ファルルは追いかけてきていたコボルド、その先頭の盾持ちに対して、あえて突っ込む。助走をつけてそのまま体当たり。コボルドの態勢を崩すつもりだ。だが、逆に突っ込んできた盾持ちに跳ね返され、自分が尻餅をつく結果に。敵もこちらに向かって突っ込んできていたため条件はほぼ5分。筋力負けしたということだろうか。倒れ込んだファルルに短剣持ちが襲い掛かり、腹部を切り裂く。痛みに顔を歪めるファルル。さらに斧持ちによる追撃が……来なかった。
見ると、その後ろの方で頭を吹き飛ばされ倒れている。克己の魔導銃による射撃だ。
「ヒャッハー! 入れ食い状態ね!」
さらに、アリサが敵後方から銃撃、ファルルに向かう短剣持ちを撃破する。
「追撃します」
リロードを終えた克己が盾持ちを狙って、再度の射撃。攻撃に気付いた盾持ちは防御するが、それによってファルルへ背を向ける形に。
「少しヒヤッとしたけど、所詮はコボルドね」
こうなれば避けるも受けるもかなわない。
「もう逃さない。それじゃ、Hasta la Vista」
地獄で会いましょ……そう言ってファルルはコボルドの頭部に銃弾を撃ち込んだ。
シェールはヒールを再度椿姫に使用。それでもダメージは大きく、椿姫は戦闘困難を悟り後退。だが、敵も逃がすつもりはない。
「あの位置なら、まだヒールの効果範囲……大丈夫ですね」
退いていく椿姫の動きを確認しつつ、シェールはひたすら防御。そのダメージは、他の者であればとうに倒れかねない程だった。だが、それでもシェールは耐え続ける。
「まだ大丈夫ではあるけど……」
シェールに回復を頼ってばかりはいられない。ニーナは短剣持ちから受けたダメージを自身のマテリアルヒーリングで回復。無論、回復しながらも敵からは目を離さない。
レイフェンも同様。武器をしっかり構え、堅守しながらもマテリアルヒーリングを使用。ダメージを下げつつ回復し持たせる策だ。
だが、敵の猛攻の前に多少の回復はほぼ意味をなさない。連続攻撃に受けが崩され、斧持ちに深々と傷をつけられる。
慌ててシェールがヒールを使用。でなければ倒されていたのは間違いない。
この時点で満身創痍のレイフェン。再度堅守しつつマテリアルヒーリングを施し立て直しを図る。だが、次に斧持ちの攻撃でも喰らってしまった時にはもはや立ってはいられないだろう。
「クッ……これ以上やられるわけには……」
レイフェンは盾持ちの攻撃を回避……しかし、次いで仕掛けてきた短剣持ちの攻撃はかわし切れずダメージを受け倒れる。そこへ振り下ろされる斧。万事休す……
「……やらせません……!」
そう思われた矢先だ。近くで戦闘を行っていたオウカが斧持ちの攻撃に割って入る。オウカは太刀で斧を受けるも受け切れず、そのまま押し込まれ、切り裂かれる。よろめくオウカ。そこに横合いから盾持ちが突進。先ほどまでオウカと戦っていたコボルドだ。体当たりを受け倒れるオウカ。
跳びかかってきた短剣もちの攻撃を転がりながら躱し、何とか立ち上がる。
シェールは最もダメージの大きかったオウカにヒールを使用。
「助かります……さぁ、お返しです」
立ち上がったオウカは踏み込みながら短剣持ちにクラッシュブロウによる反撃。切り裂かれながら吹き飛ばされ、そのまま動かなくなる。
「っ……すまないね」
「いえ、こちらは大丈夫です」
オウカに礼を言いつつ、レイフェンは立ち上がる。
一方、距離を取って反撃のチャンスを窺う椿姫。コボルドチームはそれに追い縋る。
なんとか躱す……躱せるつもりだった。だが、体に刻まれていたダメージは深く、動きの速い短剣持ちの攻撃だけはどうにも避けきれず、膝をついた椿姫。
「トリガァァァァハッピィィィィ!!」
もうこれまでかと覚悟を決めた椿姫を救ったのはアリサの強弾。後衛まで辿りつていたコボルドチームはすでに撃破されている。これにより後衛が前衛の援護に回れるようになったのだ。
攻撃を回避し、反撃の態勢を整えたニーナだったが、反撃に転じる際隙が生まれた。盾持ちの体当たりをまともに受けよろめくニーナ。その脇腹に短剣もちが深々と短剣が突き立てられる。
勝ち誇ったような表情を浮かべた短剣持ち……だが、次の瞬間その頭は吹き飛ばされた。ファルルからの援護射撃だ。この間にニーナはマテリアルヒーリングを使用。態勢を再度立て直す。
克己はレイフェンの援護。高威力の魔導銃が斧持ちを撃ちぬく。さらに連射。狙いは短剣持ち。だが、これは回避される。短剣持ちはそのまま勢いよくレイフェンに攻撃を仕掛けるが、これをレイフェンは剣で防御。
「やられてばかりってわけにもいかないな……」
レイフェンはさらに受け止めた剣で短剣を弾き、がら空きになった胴を切り裂く。
オウカは先のヒールでなんとか戦える状態に。自身に向かってきていた盾持ちに攻撃。防御されるが多少はダメージを与えたか。
アリサはそのまま椿姫の援護を行う。椿姫が回避に専念して敵を引き付けている間に、確実に撃ちぬいていく。
「今なら……行けるわね……!」
銃撃でよろめく盾持ち。椿姫はその隙を逃さず、ランアウトで接近。爪を胴に突き入れ、切り裂く。今度の攻撃は十分ダメージを与えたと見える。盾持ちはそのまま膝を着き倒れた。
ニーナは再度マテリアルヒーリング。
「念には念を……ってね」
ダメージは確かに残っているが、残されたのが盾持ちだけならそれほど大きなダメージは受けない。それはここまでの戦闘で分かっている。
回復中の二ーナをカバーするためにファルルが援護射撃。銃弾は盾持ちの腕を掠める。
シェールもここまでダメージを受け続けかなり厳しい状態に。
「絶対に……護りますから……」
だが、それでも優先するのは味方の回復。ダメージの大きかったレイフェンにヒールを使用。
直後、盾持ちの体当たりを自身も盾で弾き返す。だが、この後短剣もち、斧持ちによる追撃に耐えきれるか……
(いいえ、耐えてみせます!)
そう決意した矢先、頭上に影が落ちる。
「さすがハンター。良く持たせたね」
空から降りてきた男が斧持ちを両断する。見ると、短剣持ちも跳びかかる前に、グリフォンにより踏みつぶされていた。
「……援軍?」
「第五師団のロルフ・シュトライトだ。援護させてもらうよ。といっても……余計なお世話だったかもしれないけどね」
この時点で、ハンターとコボルドの数はロルフを抜いても拮抗しており、そうなれば個々の戦力で劣るコボルドが勝てる道理はない。それからすぐに、コボルド達は殲滅された。
●
戦闘後、シェールはヒールを限界まで使用し、仲間を癒す。
「気休め程度ですけど、ないよりはマシなので」
「ええ……ありがとうございます」
その結果自分自身の回復までは手が回らず、椿姫に応急手当てを受けていた。
「それにしても……何かしらの団長と共に戦うってことに縁でもあるのかしら?」
椿姫は、飛び去っていくグリフォンを見ながらそんなことを呟いた。
「狙いは?」
「各自の射程もあるしね……中央の方が両側からも狙えるからいいんじゃない?」
アリサ・ケンプファー(ka0399)の問いに、ニーナ・アンフィスバエナ(ka1682)が声を張り上げ応答する。ハンターたちの視線。その先にはコボルド達。斧持ち、短剣持ち、盾持ちの3体が一塊になって、直進してきている。
「それにしても数が多い……」
片膝を着いた姿勢で東條 克己(ka1076)が呟いた通り、敵は3体×8組。総数21体。数の比率は3:1と、ハンターたちが大きく劣る。
「コボルド単体はそこまで強く無いとはいえ、3体1組が8チームとなると脅威となりえますね」
「それに、奴らも連携してきます……」
オウカ・カゲツ(ka0830)の言葉に応じる椿姫・T・ノーチェ(ka1225)。2人は銃器を持たないため、敵の接近を待つ形に。この点ではシェール・L・アヴァロン(ka1386)も同様だ。
「きっと大丈夫。私たちの連携だって、負けてないもの」
「……そうですね。村を守るためにも、こちらも上手く連携しないと、ですね」
そうこうしている間に、間もなく敵が射程内に入る。
ニーナはアリサと共に声を張り上げ目標を選定する。
敵の数は多い。だからこそ、接近戦に移行する前に一斉射撃で敵を減らす作戦だ。
「……よし、攻撃開始!」
レイフェン=ランパード(ka0536)の合図。戦闘直前までただの軽い青年といった印象しか抱かせなかったが、その合図は元軍属らしいはっきりとしたもの。それに合わせ銃を持ったハンターは一斉射。狙いは中ほどに位置していた1チーム。
コボルド側は、先頭の盾持ちが攻撃を防御する。
「さすがに盾は使ってくるわよねぇ……」
ファルル・キーリア(ka2053)はこの行動を予測していたと見える。
「ま、それならそれで構わないけれど」
防御した、とはいえ一枚の盾では一斉射撃を防ぎきれず、後ろに控えた短剣持ち、斧持ちにも命中。盾持ちも耐えきれなかったようで、結局この一斉射でチーム丸ごと撃破される。
この一斉射撃で、特にダメージを与えたニーナ。頭に浮かぶのはエリシャからのアドバイス。
「相手がよそ見しているなら思いっきり……まぁよそ見してなくても関係ないけどね」
これで敵の残りは18体。幸先の良いスタートだ。
●
「的が多くて楽しみね……次は隣の奴よ!」
第2射。狙いは単純に先程狙ったチームの真横。特にアリサの攻撃は一撃で盾持ちを盾ごと貫く効果抜群の一射。
2チーム目のコボルド達もあっさり撃破される。だが、敵の移動速度は速い。すぐに前衛と近接戦に入るだろう。そうなると一斉射撃を打つのは難しい。
「さて、気を引き締めていきましょう」
オウカは地を駆ける者を使用。回避能力を高めて接近戦に臨む。
椿姫は一射目の時点で側面に移動を開始している。敵の側面を突くつもりだ。
シェールはそれら味方の位置を把握。
(ヒールの魔法……この場で使えるのは私だけ)
だからこそ、どこにいてもヒールが使用できるように……必然位置は中央寄りになってくる。
対するコボルド達は……元々チーム間の連携が皆無だったことが幸いしたのか、倒れる仲間たちに目もくれず突っ込んできている。
まず接敵したのはレイフェン。突っ込んできた盾持ちの攻撃をいなす。が、その間に短剣持ちに後ろへ回り込まれ足を斬りつけられる。
「くっ……速い……!」
確実に受ける。そう意識はしていたが態勢を崩されると必ずしも思惑通りにいかない。斧持ちの攻撃を受けきれず、腹部を大きく切り裂かれた。
……思いのほかダメージは少ない。ふと脳裏に友人である真司の顔が浮かぶ。彼の祈りが守ってくれたのかもしれない。
「感謝しないと、か……それにしても、使い走りの道具の割に、良く考えてるな」
これが敵の連携だ。盾持ちが接近までの防御を一手に請け負う。
そして、間合いに入ったら取り囲むように展開。ここから連続攻撃で回避の余裕を削っていき最後の斧持ちによる攻撃を確実に当てる。
「なるほど。十分に注意しないといけませんね」
オウカは回避力を高めていた甲斐あって、盾持ちの攻撃は余裕を持って躱す。だが、動きの速い短剣持ちに対してはそうもいかず、太刀で受ける。そこを狙って斧持ちの攻撃。これを体を捻りながらなんとか躱す。
「……あちらはまだ、大丈夫そうですね」
シェールは仲間の様子を確認しつつも防御に徹する。盾持ちの攻撃は防御。次いで短剣持ちの攻撃。浅く足を切られ態勢を崩してしまい、斧持ちの攻撃をまともに受ける。
「くっ……」
多少ダメージを受ける。それでもまだ余裕が見られるのはシェールの高い防御力故か。
(私が倒れたら、きっと仲間が困ってしまう。だから……)
「そう簡単に、やられるわけにはいかない!」
あるいは、この意志の強さがそうさせるのかもしれない。
「よっし! あたしも頑張らないとねー」
ニーナはその回避力を活かし、盾持ち、短剣持ちと攻撃を躱していく。だが、斧持ちの攻撃を避けきれない。咄嗟に大剣で防御。それでも多大なダメージを受ける。その様子を確認していたシェールはヒールを使用し回復する。
「こっちに向かってきた?」
側面から回り込み攻撃を仕掛ける予定の椿姫だったが、その前に敵が迫る。瞬脚によって得られた回避力を活かして盾持ちの攻撃を躱すが、横から飛び出してきた短剣持ちに足を切られる。
「っ……!」
瞬間、背筋に冷たいものが走る。目の前にいたのは斧持ち。この攻撃を喰らったら……
(もうこの戦闘中立ち上がれない!)
そう確信した椿姫は本来攻撃に使うランアウトを利用して移動。斧持ちと距離を取ることで攻撃を躱しつつ、包囲から脱する。
ファルルも椿姫同様側面からの射撃を行うために移動を開始していたが、自分に着いて来ているチームに気が付いた。
「狙われてるってわけね……いいわ」
予定を変更し、ファルルは銃を向ける。この時点で、敵チーム2つを撃破したものの、ハンターたちも8人中3人が5割に近いダメージを受けていた。
●
こちらを包囲するような動きによりハンターたちへのダメージは間違いなく増加していたが……それは一直線に並んでいた初動時よりも特定のコボルドを狙いやすくしていた。
「このタイミングなら外しませんよ」
オウカはクラッシュブロウで先程攻撃してきた斧持ちを攻撃。短剣持ちが攻撃を妨害しようと飛びかかるが、遅い。太刀が斧持ちを切り裂く。
一方、一度距離をとった椿姫は再度ランアウトを使用。足を活かして距離を詰め、待ち構える盾持ちを掻い潜る。その先にいたのは斧持ち。勢いそのまま、爪で攻撃を行う椿姫。だが、斧持ちは防御。
「浅かったわね……」
咄嗟に飛び退く椿姫。だが、機動力の高い短剣持ちが回り込んでいく手を遮る。さらに盾持ちが体当たりで態勢を崩し、そこから短剣持ち、斧持ちによる連続攻撃。
「椿姫さん!」
その様子を見てシェールはヒールを使用。致命傷とはならなかったが、動くのがやっとの状態に。
他方、ニーナも同様に斧持ちを狙う。こちらの大剣による一撃は斧に遮られることなく斧持ちを両断する。
「くると分かってれば怖いもんじゃないね!」
反撃してきた盾持ちの攻撃を難なく回避。しかし、短剣もちはさすがに動きが速い。避けきれず多少の傷を負った。
「このままだとジリ貧か……打って出るしかないな」
傷を抑えながらも、状況を淡々と分析するレイフェン。
もう少し防御を優先して敵の動きを見るつもりだったが、この火力はそう何度もしのげるものではない。剣に持ち替え、斧持ちに強打を打ち込む。
だが、この攻撃は防御され、さらに横合いから回り込んでいた短剣持ちに反撃を受ける。
「クッ……そう簡単にはいかないか……」
ファルルは追いかけてきていたコボルド、その先頭の盾持ちに対して、あえて突っ込む。助走をつけてそのまま体当たり。コボルドの態勢を崩すつもりだ。だが、逆に突っ込んできた盾持ちに跳ね返され、自分が尻餅をつく結果に。敵もこちらに向かって突っ込んできていたため条件はほぼ5分。筋力負けしたということだろうか。倒れ込んだファルルに短剣持ちが襲い掛かり、腹部を切り裂く。痛みに顔を歪めるファルル。さらに斧持ちによる追撃が……来なかった。
見ると、その後ろの方で頭を吹き飛ばされ倒れている。克己の魔導銃による射撃だ。
「ヒャッハー! 入れ食い状態ね!」
さらに、アリサが敵後方から銃撃、ファルルに向かう短剣持ちを撃破する。
「追撃します」
リロードを終えた克己が盾持ちを狙って、再度の射撃。攻撃に気付いた盾持ちは防御するが、それによってファルルへ背を向ける形に。
「少しヒヤッとしたけど、所詮はコボルドね」
こうなれば避けるも受けるもかなわない。
「もう逃さない。それじゃ、Hasta la Vista」
地獄で会いましょ……そう言ってファルルはコボルドの頭部に銃弾を撃ち込んだ。
シェールはヒールを再度椿姫に使用。それでもダメージは大きく、椿姫は戦闘困難を悟り後退。だが、敵も逃がすつもりはない。
「あの位置なら、まだヒールの効果範囲……大丈夫ですね」
退いていく椿姫の動きを確認しつつ、シェールはひたすら防御。そのダメージは、他の者であればとうに倒れかねない程だった。だが、それでもシェールは耐え続ける。
「まだ大丈夫ではあるけど……」
シェールに回復を頼ってばかりはいられない。ニーナは短剣持ちから受けたダメージを自身のマテリアルヒーリングで回復。無論、回復しながらも敵からは目を離さない。
レイフェンも同様。武器をしっかり構え、堅守しながらもマテリアルヒーリングを使用。ダメージを下げつつ回復し持たせる策だ。
だが、敵の猛攻の前に多少の回復はほぼ意味をなさない。連続攻撃に受けが崩され、斧持ちに深々と傷をつけられる。
慌ててシェールがヒールを使用。でなければ倒されていたのは間違いない。
この時点で満身創痍のレイフェン。再度堅守しつつマテリアルヒーリングを施し立て直しを図る。だが、次に斧持ちの攻撃でも喰らってしまった時にはもはや立ってはいられないだろう。
「クッ……これ以上やられるわけには……」
レイフェンは盾持ちの攻撃を回避……しかし、次いで仕掛けてきた短剣持ちの攻撃はかわし切れずダメージを受け倒れる。そこへ振り下ろされる斧。万事休す……
「……やらせません……!」
そう思われた矢先だ。近くで戦闘を行っていたオウカが斧持ちの攻撃に割って入る。オウカは太刀で斧を受けるも受け切れず、そのまま押し込まれ、切り裂かれる。よろめくオウカ。そこに横合いから盾持ちが突進。先ほどまでオウカと戦っていたコボルドだ。体当たりを受け倒れるオウカ。
跳びかかってきた短剣もちの攻撃を転がりながら躱し、何とか立ち上がる。
シェールは最もダメージの大きかったオウカにヒールを使用。
「助かります……さぁ、お返しです」
立ち上がったオウカは踏み込みながら短剣持ちにクラッシュブロウによる反撃。切り裂かれながら吹き飛ばされ、そのまま動かなくなる。
「っ……すまないね」
「いえ、こちらは大丈夫です」
オウカに礼を言いつつ、レイフェンは立ち上がる。
一方、距離を取って反撃のチャンスを窺う椿姫。コボルドチームはそれに追い縋る。
なんとか躱す……躱せるつもりだった。だが、体に刻まれていたダメージは深く、動きの速い短剣持ちの攻撃だけはどうにも避けきれず、膝をついた椿姫。
「トリガァァァァハッピィィィィ!!」
もうこれまでかと覚悟を決めた椿姫を救ったのはアリサの強弾。後衛まで辿りつていたコボルドチームはすでに撃破されている。これにより後衛が前衛の援護に回れるようになったのだ。
攻撃を回避し、反撃の態勢を整えたニーナだったが、反撃に転じる際隙が生まれた。盾持ちの体当たりをまともに受けよろめくニーナ。その脇腹に短剣もちが深々と短剣が突き立てられる。
勝ち誇ったような表情を浮かべた短剣持ち……だが、次の瞬間その頭は吹き飛ばされた。ファルルからの援護射撃だ。この間にニーナはマテリアルヒーリングを使用。態勢を再度立て直す。
克己はレイフェンの援護。高威力の魔導銃が斧持ちを撃ちぬく。さらに連射。狙いは短剣持ち。だが、これは回避される。短剣持ちはそのまま勢いよくレイフェンに攻撃を仕掛けるが、これをレイフェンは剣で防御。
「やられてばかりってわけにもいかないな……」
レイフェンはさらに受け止めた剣で短剣を弾き、がら空きになった胴を切り裂く。
オウカは先のヒールでなんとか戦える状態に。自身に向かってきていた盾持ちに攻撃。防御されるが多少はダメージを与えたか。
アリサはそのまま椿姫の援護を行う。椿姫が回避に専念して敵を引き付けている間に、確実に撃ちぬいていく。
「今なら……行けるわね……!」
銃撃でよろめく盾持ち。椿姫はその隙を逃さず、ランアウトで接近。爪を胴に突き入れ、切り裂く。今度の攻撃は十分ダメージを与えたと見える。盾持ちはそのまま膝を着き倒れた。
ニーナは再度マテリアルヒーリング。
「念には念を……ってね」
ダメージは確かに残っているが、残されたのが盾持ちだけならそれほど大きなダメージは受けない。それはここまでの戦闘で分かっている。
回復中の二ーナをカバーするためにファルルが援護射撃。銃弾は盾持ちの腕を掠める。
シェールもここまでダメージを受け続けかなり厳しい状態に。
「絶対に……護りますから……」
だが、それでも優先するのは味方の回復。ダメージの大きかったレイフェンにヒールを使用。
直後、盾持ちの体当たりを自身も盾で弾き返す。だが、この後短剣もち、斧持ちによる追撃に耐えきれるか……
(いいえ、耐えてみせます!)
そう決意した矢先、頭上に影が落ちる。
「さすがハンター。良く持たせたね」
空から降りてきた男が斧持ちを両断する。見ると、短剣持ちも跳びかかる前に、グリフォンにより踏みつぶされていた。
「……援軍?」
「第五師団のロルフ・シュトライトだ。援護させてもらうよ。といっても……余計なお世話だったかもしれないけどね」
この時点で、ハンターとコボルドの数はロルフを抜いても拮抗しており、そうなれば個々の戦力で劣るコボルドが勝てる道理はない。それからすぐに、コボルド達は殲滅された。
●
戦闘後、シェールはヒールを限界まで使用し、仲間を癒す。
「気休め程度ですけど、ないよりはマシなので」
「ええ……ありがとうございます」
その結果自分自身の回復までは手が回らず、椿姫に応急手当てを受けていた。
「それにしても……何かしらの団長と共に戦うってことに縁でもあるのかしら?」
椿姫は、飛び去っていくグリフォンを見ながらそんなことを呟いた。
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- 不動の癒し手
シェール・L・アヴァロン(ka1386)
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相談卓 レイフェン=ランパード(ka0536) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/07/18 02:12:10 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/13 14:20:03 |