ゲスト
(ka0000)
群れ集う蠍
マスター:四方鴉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 3日
- 締切
- 2014/07/20 07:30
- 完成日
- 2014/07/21 14:06
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●誘われ集う蠍達
その村は、新たに井戸を掘り進める中鉱石マテリアルが発見された事で色めき立っていた。
比較的巨大な鉱石、その鉱石を研究資材として高値で買い取ってくれる研究施設が見つかった事で村の懐が大いに潤うことが決まっていたからだ。
発見時に掘り進んでいた穴で掘り出すのは困難。ならばと村の人員を多数動員し掘り出し作業は続けられる中、地面から顔を出した鉱石マテリアルの為に村周辺のマテリアル濃度が徐々に上昇。
ようやく掘り出しの目処が立つも、既に村周辺に多量の雑魔が発生。鉱石マテリアルを求め大行進を開始していたのだ。
「村長、まずいですよ! 数が多すぎて対処できません!」
「一匹一匹は弱いから逃げたり、相手をしたりはできますが……このまま村に残るのは危険です」
「ようやく掘り出せるってのに、雑魔が……チクショウ!」
大量発生した雑魔の目撃情報を集め、村長の家で主だった村人が対策を協議する。
これまで苦労して掘り進めてきたのに、最後の最後で雑魔に良いところを掻っ攫われるのは絶対に嫌だ。
かといって自分達だけで対処する事は困難な数が出現、追い払うだけでは研究施設が引き取りに来ても回収できず、代金の支払いはされないだろう。
鉱石マテリアルを護衛し、さらに雑魔の数を大幅に減らさなければならないという2つの問題が立ちはだかっていた。
「ふむ……あいわかった、ハンターに依頼する事にしよう。なに、数は多いようじゃが個々は弱い。プロに任せれば何とかするじゃろうて」
村人の話を聞き、ハンターに依頼する事を決定していた村長。
速やかに依頼書を作成、多量の雑魔退治の依頼がハンター達の目に止まる頃、森の中で数多の影が動き出す。
それは全て、同一タイプの蠍型雑魔。
切断ではなく、何かを掴み押し潰す万力の如きタイプに変化した鋏。
毒を失った代わりに、多量の針を射出する形に変化した尾。
群体として集結したその蠍達は、数の暴力にて蹂躙すべく村を目指し進軍する。
●群れの退治は
「はいはーい、団体様のお越しですよーっと。ってなわけで、ババーンとぉ! まとめて始末しちゃってくださいな!」
集ったハンターを前に、受付嬢が今回の依頼について説明を開始する。
今回の目的は、井戸を掘る際偶然発見された鉱石マテリアルを探知、奪取しようと集結した数多の雑魔退治である。
総数は不明だが大量発生、退けるだけでは引き取り先の研究機関が回収不可能。掘り出したとしても危険物を村に残すだけとなり、何度も襲撃される事は確実。
ならば、掘り起こしと平行してハンターに駆逐を依頼。その数を減じた際に回収するという形で対処する事になったのだ。
「雑魔は全部、同じ蠍タイプになりますね。個々の性能はハッキリ言ってメチャ弱、ただ数任せってのが鬱陶しいです。
鋏で掴みかかって動きを止めてきたり、そこに他のが組み付いてきちゃったり、尻尾から針を飛ばしてきちゃったりで正直、めんどくさいですねー。ま、毒は無いので、当たったら痛いだけで済みますけど♪」
個々の性能の低い。代わりに持つ物量作戦による圧殺。
とにかく数さえ減らせばOK、どういう風にするかはハンターの判断に任せるので、好きに戦えば良いと彼女は続けた。
「情報としてはこんなところですね。とにかく、数が多いので存分に戦えますよ。
な・の・で・!
これはもう、皆さんでスコアアタックやっちゃってもいいんじゃないですかね。それか、日頃の鬱憤をぶつけるイケニエにしちゃったりとか。
あ、余裕があるうちはわざとピンチ演出して、自分に酔っちゃうってのもアリかもですね、俗に言う黒歴史って奴を今から一緒に紡いでいきましょう、そうしましょう、いや、それが一番ですよっ!
報酬の金貨は使って無くなってしまっても、黒歴史という宝石は皆さんの心の中、いつまでもその輝きは失いません!」
「まてまてまてまて。何か色々とおかしいぞ、おm……」
「はいはい、反論、異議申し立ては受け付けませーん! 資料はここにあるので、ちゃっちゃと黒歴史を作ってきちゃいましょう!」
何か、無理矢理に自論をゴリ押し反論すら許さず資料を押し付けた受付嬢。
彼女の希望はさておき、思う存分敵と戦える依頼である、ひと暴れするには最適なケース。
内容を吟味し、多量の蠍雑魔駆逐に数名のハンターが向かう事となっていた。
その村は、新たに井戸を掘り進める中鉱石マテリアルが発見された事で色めき立っていた。
比較的巨大な鉱石、その鉱石を研究資材として高値で買い取ってくれる研究施設が見つかった事で村の懐が大いに潤うことが決まっていたからだ。
発見時に掘り進んでいた穴で掘り出すのは困難。ならばと村の人員を多数動員し掘り出し作業は続けられる中、地面から顔を出した鉱石マテリアルの為に村周辺のマテリアル濃度が徐々に上昇。
ようやく掘り出しの目処が立つも、既に村周辺に多量の雑魔が発生。鉱石マテリアルを求め大行進を開始していたのだ。
「村長、まずいですよ! 数が多すぎて対処できません!」
「一匹一匹は弱いから逃げたり、相手をしたりはできますが……このまま村に残るのは危険です」
「ようやく掘り出せるってのに、雑魔が……チクショウ!」
大量発生した雑魔の目撃情報を集め、村長の家で主だった村人が対策を協議する。
これまで苦労して掘り進めてきたのに、最後の最後で雑魔に良いところを掻っ攫われるのは絶対に嫌だ。
かといって自分達だけで対処する事は困難な数が出現、追い払うだけでは研究施設が引き取りに来ても回収できず、代金の支払いはされないだろう。
鉱石マテリアルを護衛し、さらに雑魔の数を大幅に減らさなければならないという2つの問題が立ちはだかっていた。
「ふむ……あいわかった、ハンターに依頼する事にしよう。なに、数は多いようじゃが個々は弱い。プロに任せれば何とかするじゃろうて」
村人の話を聞き、ハンターに依頼する事を決定していた村長。
速やかに依頼書を作成、多量の雑魔退治の依頼がハンター達の目に止まる頃、森の中で数多の影が動き出す。
それは全て、同一タイプの蠍型雑魔。
切断ではなく、何かを掴み押し潰す万力の如きタイプに変化した鋏。
毒を失った代わりに、多量の針を射出する形に変化した尾。
群体として集結したその蠍達は、数の暴力にて蹂躙すべく村を目指し進軍する。
●群れの退治は
「はいはーい、団体様のお越しですよーっと。ってなわけで、ババーンとぉ! まとめて始末しちゃってくださいな!」
集ったハンターを前に、受付嬢が今回の依頼について説明を開始する。
今回の目的は、井戸を掘る際偶然発見された鉱石マテリアルを探知、奪取しようと集結した数多の雑魔退治である。
総数は不明だが大量発生、退けるだけでは引き取り先の研究機関が回収不可能。掘り出したとしても危険物を村に残すだけとなり、何度も襲撃される事は確実。
ならば、掘り起こしと平行してハンターに駆逐を依頼。その数を減じた際に回収するという形で対処する事になったのだ。
「雑魔は全部、同じ蠍タイプになりますね。個々の性能はハッキリ言ってメチャ弱、ただ数任せってのが鬱陶しいです。
鋏で掴みかかって動きを止めてきたり、そこに他のが組み付いてきちゃったり、尻尾から針を飛ばしてきちゃったりで正直、めんどくさいですねー。ま、毒は無いので、当たったら痛いだけで済みますけど♪」
個々の性能の低い。代わりに持つ物量作戦による圧殺。
とにかく数さえ減らせばOK、どういう風にするかはハンターの判断に任せるので、好きに戦えば良いと彼女は続けた。
「情報としてはこんなところですね。とにかく、数が多いので存分に戦えますよ。
な・の・で・!
これはもう、皆さんでスコアアタックやっちゃってもいいんじゃないですかね。それか、日頃の鬱憤をぶつけるイケニエにしちゃったりとか。
あ、余裕があるうちはわざとピンチ演出して、自分に酔っちゃうってのもアリかもですね、俗に言う黒歴史って奴を今から一緒に紡いでいきましょう、そうしましょう、いや、それが一番ですよっ!
報酬の金貨は使って無くなってしまっても、黒歴史という宝石は皆さんの心の中、いつまでもその輝きは失いません!」
「まてまてまてまて。何か色々とおかしいぞ、おm……」
「はいはい、反論、異議申し立ては受け付けませーん! 資料はここにあるので、ちゃっちゃと黒歴史を作ってきちゃいましょう!」
何か、無理矢理に自論をゴリ押し反論すら許さず資料を押し付けた受付嬢。
彼女の希望はさておき、思う存分敵と戦える依頼である、ひと暴れするには最適なケース。
内容を吟味し、多量の蠍雑魔駆逐に数名のハンターが向かう事となっていた。
リプレイ本文
●迎え撃つ者達は
鉱石マテリアルが見つかった村を狙う、数多の雑魔。
それらを撃ち滅ぼす為に、8名のハンターが集い配置に付こうとしていた。
「北に向かうのは3人か。そちらは任せたよ」
「こっちはきっちり片付けるわよ。必要以上に緊張する必要はないから」
北に向かうメンバーに声をかけるライル・ギルバート(ka2077)とセレスティア・アオヤギ(ka2625)の2人。
軽く手を振り分かれたメンバーを見送りつつ、残った5人は西側の掃討戦へと歩を進めていた。
「うっわー! ごはんいっぱいだ!! ねっねっあれ全部リィフィが食べていーの?」
「食べるのは構わないよォ。ま、倒すのは皆で分けるとして……イイねェ……得物がこォんなに沢山……♪」
木々の切れ間、森の奥から進み来る数多の影を視認、興奮しよだれを垂らすリィフィ(ka2702)と、多数を掃討できる事に喜びを隠しきれないリオン(ka1757)。
ただ、相手は雑魔です。リィフィの望みどおり食べれる保証なんて無いのですけどね。
「ううむ、黒歴史ナンタラはとりあえず置いとくにしても、この状況は活用すべきでござろうか……」
そんな中、色々と考えていた烏丸 薫(ka1964)が居たが、ここで一つの結論に。
「ぶっちゃけ考えるの面倒でござるな!」
ピコーン、という音と共に、頭上に電球が輝きそうな回答が。
どう見ても脳筋思考です、本当に有り難うございます。
とりあえず、多数の敵を5人で相手にする、それぞれの考えはあるが盛大に暴れればいいだけだ。
森を抜け出そうと進軍する蠍の群れを前に、5人は覚悟を決め戦闘を開始していた。
●北部戦線異常大アリ
「さて、半分以上はあっち側行っちまったな~……でもまぁ、ここでみんなが来るまで持ちこたえる、或いは倒すってのが……カ~ッコイイよなぁ♪」
「確かに……しかしやれるのか? これが初陣、今まで平凡な人生を歩んできた僕に、こんなことが」
気楽に、カッコよく決めようと鳥丸 翼(ka2426)が身体を伸ばせば、その隣でヒンメル(ka1975)が自問自答。
殺さなければ自分が殺されてしまう、敵を前にしての強い葛藤。でも相手は沢山居るだけの蠍です、ドラマチックに演出するならちょーっと相手が悪いと思います、先生!
「ん……よっと。さて、今日はマリアが傍にいない、だから僕は僕を抑える必要もない」
そんな2人を置いて、準備運動を完了しつつノーマン・コモンズ(ka0251)がちょっと怖い一言を。
「お前たちはどれくらい生きていてくれるのかな? どれくらい僕を楽しませてくれるのかな? せいぜいもがき苦しみ足掻き楽しませてくれるよね? さあ、死にたい奴からかかって来い」
蒼白のオーラを立ち昇らせつつ、哂いながら言葉を紡ぐ。
言葉と共に吐き出される息は冷気を帯びたかのように白く、目を細めながら彼は蠍へ近づいていた。
アカン、この戦場はアカン。
「可愛いだろ? この子僕の憧れなんだ。この依頼が終わったら僕この子に告白するんだ、お祝いにはステーキとパインサラダを用意しているよ」
おいばかやめろ。それは全部死亡フラグだ。
ヒンメルがイイ笑顔で手元にある絵を仲間に見せつつ、微笑んで戦いの後を思い言葉を紡ぐ。
カッコよくヒーローになるべく戦う(予定の)翼、死亡フラグ乱立のヒンメル、自分の中に潜む何かを解放しちゃってるノーマン。
だめだこいつら、はやくなんとかしないといけないきがするけどいいぞもっとやれ。
「っつうワケで、俺が英雄になるためにもテメェら、相手になってくれよ」
「背中を僕に預けるのかい? 任せる相手はもういるんだけど、今日は君に任せようかな」
紅の炎、そう形容するのが相応しい覚醒の光りを左手の甲に浮かばせながら翼が立てば、その背を守るように立つノーマン。
熱気と冷気、相対する2種のオーラが互いを補うその力。
「ふふ、君たちがいれば大丈夫、もう何も怖くない。何かあっても、君たちの事は僕が必ず守るよ」
まーた死亡フラグをおったてるヒンメル、フラグメーカーとでも名乗った方が良いんじゃないですかねぇ。
そんな3人の事情など無関係、邪魔な存在と蠍の群れは認識。先頭の蠍が尻尾から針を射出し戦端を開いていた。
「数だけは居るってなぁ! さあ、おっぱじめようぜ!」
飛来する針を大剣、クレイモアで受け止め無力化した翼。
力任せに一振りすれば、剣戟の勢いに乗せられ砂埃が舞い上がる。
「この『紅蓮の剣』が相手になるぜ!」
叫び、突撃を敢行する。
最前線の蠍が怯んだのか、その突進を阻止しようと仲間の蠍と連携、多量の針の弾幕形成。
その攻撃をあえて避けず、クレイモアを盾代わりに強引に前進を。
防ぎきれなかった針が体の各所に刺さるも突撃の勢いそのままに、切っ先を地表スレスレに一薙ぎすれば飛び散る蠍の鋏と甲殻。
だが、仲間が斬り倒されようと蠍の進軍は止まらない。
物量に任せ、取り囲むように突き出される鋏が翼を掴もうとするが直後に一閃、戦場に走る白銀の光。
「足りない、まだまだこんなモノじゃ僕の乾きは満たされない」
顔を押さえ、震えるように哂いながらノーマンが翼を援護。
後ろを取ろうとした蠍をラウンデルダガーで斬り飛ばし、一気に群れの中央へ躍り出ればここからは彼のダンスショー。
掴もうと繰り出された鋏を跳躍、そして空中で身体を捻れば先ほどまで彼が在った場所を突き抜ける数多の針。
着地と同時に左手で蠍の尻尾を掴み上げ、暴れる間もなく根元から切断。
激痛に苛まれ、鋏を無茶苦茶に振り回すのを見越し彼はその頭部へダガーを突き立て屠り、霧散していく奪い取った尻尾を噛み千切りその狂気を見せ付ける。
「ふふ、足りないね……僕の心の空虚を埋めるのは、奪った命の温かみぞ……」
滴り落ちる体液でその手を濡らし、ノーマンが蠍の数を減らしてく。
機動力にモノを言わせた攻撃で統制が乱れ、その機に乗じ翼が、そしてヒンメルが確実に蠍を攻撃。
「やったか!? ……いや、まだだ」
翼を援護、彼を狙う蠍の尻尾を的確に斬り飛ばしたヒンメルが叫び、フラグ乱立を忘れない。
そも、牽制と援護に徹しているのだから倒せないのは当然なのだが、余裕のある状態ならばフラグ成立の方が彼女にとっては大切なのだ。
「っはは、ここを通すワケにはいかねぇんだよ!!」
紅蓮の炎、覚醒の光を輝かせ翼の振り下ろしたクレイモアが甲殻ごと蠍を砕き、大地に深い傷跡を刻み込む。
残る相手もノーマンが的確に始末すれば、基礎能力に秀でる蠍はひとたまりも無くその数を減じ、やがてほぼ全ての蠍が駆逐。
「ん……なんだ、猫の足音か……」
最後の一匹が蠢く足音、それにまでフラグを立てようと努力したヒンメル。
だが、フラグを蠍が回収する事は出来ずノーマンがアッサリと頭部を刺突し戦いを終わらせていた。
「こちらは終わりましたね、お疲れ様です。西の方ももう、何とかなるでしょうし平和が守れてよかったですねえ」
先ほどまでの発狂っぷりは何だったのか。
衣服に付いた埃を掃い落とし、何食わぬ顔でノーマンが翼とヒンメルに笑顔を向ける。
そんな彼の様子に苦笑しつつ翼はクレイモアに付いた残骸を拭い、ヒンメルはフラグ回収されなかったなぁ、と遠くを見て思うのであった。
●西方戦線
「ふーッ。ま、あたしは一服から、ってね」
チョコレートフレーバーの煙草から甘い臭いを立ち昇らせ、紫煙を吐き出すリオン。
森を、そしてやや開けた平地を前にして余裕の一服をしつつ、仲間の戦闘をまずは観察である。
「うーむ、数が多いのは厄介でござるが……推して参る」
最初に動くは薫、ようやく森を抜けてきた相手を狙い、そして群れの統制を乱す為の陽動として。
愚直な前進。その行動を阻止すべく複数の蠍が尻尾をもたげ多量の針を射出するが、被弾の直前薫は上空へ跳躍飛翔。
脛当を針がかすめ、細かい傷を付けつつも回避に成功、そのまま迎撃の間に合わぬ蠍の群れに急降下。
重力加速に加え、全力で振り下ろされた日本刀はいとも容易く甲殻ごと蠍の前腕部を捉え、切り離された鋏が虚空に舞った。
続けざまに横薙ぎ、尻尾を掴んで振り回し、動く敵へと投げつける。
群れの中、暴れまわる薫であったがその攻撃を阻止すべく別の蠍が接近、鋏を振るい彼を襲うが一手早く金属円盤、チャクラムがその攻撃を阻害していた。
「切り込みは結構、だが速度があっても数は多い。無茶はするなよ」
鋏を打ち払うチャクラム、それを放ったのはライル。
反撃しようと蠍が反転、針を放つより早く次のチャクラムを投げつけ軌道を逸らせば、数多の針が虚空目掛け虚しく放たれていた。
「んー、こういう防衛戦的なやつよりは、割と斬り込むほうが得意なんだけど」
同刻、薫やライルを避け進軍してきた蠍と相対していたセレスティア。
直線の射撃、ならばそれを回避すべく弧を描く形で突撃し鋏を振り上げた蠍に肉薄。
背部甲殻、その隙間にダガーの刃を突き立てれば、大きく仰け反り激しく痙攣。
刃を引き抜き、別の隙間に念の為にと再度の刺突を繰り出せば、個々の性能に劣る蠍雑魔に耐える事は出来るはずも無い。
一際大きく、苦しみを表現するかの様に両の鋏を虚空に振りかざし、そしてそのまま動きを止めていた。
「んー。数は多いし華麗に、というよりは無駄の無い洗練された動きでいかに動けるか、に少し挑戦してみようかしら」
相手の力量、そして圧倒的物量を前に丁度良い練習相手と彼女は判断。
回りこみ、刺突、離脱、別標的を狙い突撃、刺突、離脱。
機械的に淡々と、反復練習とばかりにひたすら攻撃を加えていく。
「さっそりーそりそりー♪ 煮さそり湯でさそり焼きさそりー♪」
蠍雑魔の不幸はこれだけに止まらない。
南西側に回り込んだリィフィ、その目に蠍雑魔は食料にしか見えないのか。
孤立しつつも彼女は気にせず縦横無尽に駆け回り、他の面々の攻撃で統制の崩れた蠍を狙い攻撃を。
「甲羅はぽーいっと、中身は……なか、なかみ……?」
甲殻の隙間へ刃を通し、勢い任せで引き剥がす。
メリッと鈍い音、そして引きちぎられた蠍の腕を見、その肉を食べようと覗き込むが中身は皆無。
それどころか、倒された傍から雑魔はその身体を塵へと変じ、跡形も無く消滅していくのだ、目論見が盛大に外れていた。
「……う、うう。ごはん、食べられないぃいい!」
多量の雑魔、多少味が悪くても満腹になると思っていたのに、倒せば消滅。
勿論食べる事は叶わず、持ち帰っておやつにする事も不可能という大惨事。
怒りのリィフィ、眼つき鋭く右手のジャマダハルを握りなおして森の中へと突撃を。
身軽な体、引き上げられた身体能力を十二分に発揮し跳躍、木々の枝から枝へと飛び移り、地上を進む蠍へ急降下。
頭部を一撃の下に粉砕、更には周囲を進む別の蠍に死体を投げつけ暴れ回るのであった。
「……さァて、ご馳走が無くなる前にあたしも行きますかァ☆」
大勢が決し、森から湧き出した蠍が押し返されるタイミング。
真打登場、ここから更なる暴虐の始まりとばかりに動き出したリオン。
大胆不敵、威風堂々。
構えをとる事すらせず歩を進めながら攻勢を掻い潜り、必死で村を目指す蠍を狙いジャンクガンを発砲、無慈悲な鉛の天使をその脳天へと叩き込む。
「……チッ、ヤスモンじゃこんなモンかァ?」
低性能、一撃で倒しきれない銃に悪態をつきつつ彼女はそのまま蠍に肉薄。
鋏を軽く回避、側面に流れるように回り込み、金属板と輪をつなぎ合わせた打撃武器、メリケンサックの亜種であるフィストガードで強化された拳を繰り出す。
指から伝わる破砕の感覚、硬い甲殻に守られた脆い肉体、その肉を蹂躙し飛び散る体液。
だが、この一撃では倒さない。そう、できる限り時間をかけ嬲り殺すのが彼女が選んだ今回の戦闘スタイル。
一体を集中して嬲り、踏みにじる彼女を倒そうと別の蠍が肉薄、振り上げた鋏で攻撃を仕掛けるが無秩序な進軍、そして攻撃は意味を成さない。
「もっとよく狙えよォ……このウスノロがァ!」
飛び上がりつつのバック転、そしてそのまま相手の側面に回りこむ様に側転を。
必死で応戦する蠍も彼女の攻撃を凌ぐ事は出来ず脚部を破損、まともに動けぬ雑魔の数が増えていく。
「間を抜ける程の数は残っていないか……なら一気に押し切らせてもらうよ」
各所でハンターの攻撃を受け、数を撃ち減らした蠍雑魔。
撃ち漏らしが大きく減少、森から出る事が困難になったのを見逃さずライルが守りを捨てて攻撃に注力。
マテリアルの力を武器に宿し、突き出されたダガーは甲殻ごと蠍を刺し貫き一撃にて撃破を確認。
数を減じた蠍の挟み込み、射出された針を受けつつも革の防具がその威力を大きくそぎ落とし、有効打とはなり得ない。
「ああ、もう。結構倒したがマジで多いでござるなこんちくしょう!!」
その攻撃で生じた敵陣の穴。
敵を引きつけ、切り倒していた薫が悪態をつきつつ蠍の死体を盾にし強引に前進を。
彼の切込みにより、残り少ない蠍で構築されたラインは完全に寸断しつくされ、残るは各個撃破の標的でしかない。
「後は掃討戦、ね。ピンチの演出なんてする必要もなかったし」
余裕を崩さず、セレスティアが逃走を図る蠍を刺突。
どうしてもピンチな演出が見たいという人が居れば考えなくもなかったかもしれないが、多分いてもなかった事にして真面目に仕事をしたでしょう。
「チッ、これで終わりかよ。くたばっちまえばゴミも同然……い~やァ、そういやお前らは元からゴミだったっけかァ?」
そんな中、最期の蠍を踏み潰したリオンが哂い、森と平原に静寂が。
ハンターの猛攻により、数多の蠍雑魔は悉く駆逐され、その姿を消滅させていた。
●不満あるもの
「ごはんー! ごーはーんー!」
北に向かった面々と合流、帰還準備の中蠍を食べれず、持ち帰りも出来ない事にリィフィが怒りを隠さない。
「リィフィ殿、落ち着くでござる! 戻ればきっと、食事もあるでござるよ!」
そんな彼女を宥める薫、とても大変そうである。
一部、目論見どおり行かないハンターも居たが、概ね目的は達成。
安全を取り戻した村は発掘作業を完了し、得た報酬は村を潤す事だろう。
「ん、全員無事で何よりだね。ま、何人かちょっと突き抜けた感はあるけど、ね」
帰還中、西側の戦い、その顛末を聞いたヒンメルが言葉を漏らす。
色々とセリフを、そして行動をした面子が居たのだ、多分受付嬢も満足だろう。
こうして、数多の蠍雑魔を駆逐する依頼は幕を閉じ……一行は傾きかけた太陽を背に、帰還の途に付くのであった。
鉱石マテリアルが見つかった村を狙う、数多の雑魔。
それらを撃ち滅ぼす為に、8名のハンターが集い配置に付こうとしていた。
「北に向かうのは3人か。そちらは任せたよ」
「こっちはきっちり片付けるわよ。必要以上に緊張する必要はないから」
北に向かうメンバーに声をかけるライル・ギルバート(ka2077)とセレスティア・アオヤギ(ka2625)の2人。
軽く手を振り分かれたメンバーを見送りつつ、残った5人は西側の掃討戦へと歩を進めていた。
「うっわー! ごはんいっぱいだ!! ねっねっあれ全部リィフィが食べていーの?」
「食べるのは構わないよォ。ま、倒すのは皆で分けるとして……イイねェ……得物がこォんなに沢山……♪」
木々の切れ間、森の奥から進み来る数多の影を視認、興奮しよだれを垂らすリィフィ(ka2702)と、多数を掃討できる事に喜びを隠しきれないリオン(ka1757)。
ただ、相手は雑魔です。リィフィの望みどおり食べれる保証なんて無いのですけどね。
「ううむ、黒歴史ナンタラはとりあえず置いとくにしても、この状況は活用すべきでござろうか……」
そんな中、色々と考えていた烏丸 薫(ka1964)が居たが、ここで一つの結論に。
「ぶっちゃけ考えるの面倒でござるな!」
ピコーン、という音と共に、頭上に電球が輝きそうな回答が。
どう見ても脳筋思考です、本当に有り難うございます。
とりあえず、多数の敵を5人で相手にする、それぞれの考えはあるが盛大に暴れればいいだけだ。
森を抜け出そうと進軍する蠍の群れを前に、5人は覚悟を決め戦闘を開始していた。
●北部戦線異常大アリ
「さて、半分以上はあっち側行っちまったな~……でもまぁ、ここでみんなが来るまで持ちこたえる、或いは倒すってのが……カ~ッコイイよなぁ♪」
「確かに……しかしやれるのか? これが初陣、今まで平凡な人生を歩んできた僕に、こんなことが」
気楽に、カッコよく決めようと鳥丸 翼(ka2426)が身体を伸ばせば、その隣でヒンメル(ka1975)が自問自答。
殺さなければ自分が殺されてしまう、敵を前にしての強い葛藤。でも相手は沢山居るだけの蠍です、ドラマチックに演出するならちょーっと相手が悪いと思います、先生!
「ん……よっと。さて、今日はマリアが傍にいない、だから僕は僕を抑える必要もない」
そんな2人を置いて、準備運動を完了しつつノーマン・コモンズ(ka0251)がちょっと怖い一言を。
「お前たちはどれくらい生きていてくれるのかな? どれくらい僕を楽しませてくれるのかな? せいぜいもがき苦しみ足掻き楽しませてくれるよね? さあ、死にたい奴からかかって来い」
蒼白のオーラを立ち昇らせつつ、哂いながら言葉を紡ぐ。
言葉と共に吐き出される息は冷気を帯びたかのように白く、目を細めながら彼は蠍へ近づいていた。
アカン、この戦場はアカン。
「可愛いだろ? この子僕の憧れなんだ。この依頼が終わったら僕この子に告白するんだ、お祝いにはステーキとパインサラダを用意しているよ」
おいばかやめろ。それは全部死亡フラグだ。
ヒンメルがイイ笑顔で手元にある絵を仲間に見せつつ、微笑んで戦いの後を思い言葉を紡ぐ。
カッコよくヒーローになるべく戦う(予定の)翼、死亡フラグ乱立のヒンメル、自分の中に潜む何かを解放しちゃってるノーマン。
だめだこいつら、はやくなんとかしないといけないきがするけどいいぞもっとやれ。
「っつうワケで、俺が英雄になるためにもテメェら、相手になってくれよ」
「背中を僕に預けるのかい? 任せる相手はもういるんだけど、今日は君に任せようかな」
紅の炎、そう形容するのが相応しい覚醒の光りを左手の甲に浮かばせながら翼が立てば、その背を守るように立つノーマン。
熱気と冷気、相対する2種のオーラが互いを補うその力。
「ふふ、君たちがいれば大丈夫、もう何も怖くない。何かあっても、君たちの事は僕が必ず守るよ」
まーた死亡フラグをおったてるヒンメル、フラグメーカーとでも名乗った方が良いんじゃないですかねぇ。
そんな3人の事情など無関係、邪魔な存在と蠍の群れは認識。先頭の蠍が尻尾から針を射出し戦端を開いていた。
「数だけは居るってなぁ! さあ、おっぱじめようぜ!」
飛来する針を大剣、クレイモアで受け止め無力化した翼。
力任せに一振りすれば、剣戟の勢いに乗せられ砂埃が舞い上がる。
「この『紅蓮の剣』が相手になるぜ!」
叫び、突撃を敢行する。
最前線の蠍が怯んだのか、その突進を阻止しようと仲間の蠍と連携、多量の針の弾幕形成。
その攻撃をあえて避けず、クレイモアを盾代わりに強引に前進を。
防ぎきれなかった針が体の各所に刺さるも突撃の勢いそのままに、切っ先を地表スレスレに一薙ぎすれば飛び散る蠍の鋏と甲殻。
だが、仲間が斬り倒されようと蠍の進軍は止まらない。
物量に任せ、取り囲むように突き出される鋏が翼を掴もうとするが直後に一閃、戦場に走る白銀の光。
「足りない、まだまだこんなモノじゃ僕の乾きは満たされない」
顔を押さえ、震えるように哂いながらノーマンが翼を援護。
後ろを取ろうとした蠍をラウンデルダガーで斬り飛ばし、一気に群れの中央へ躍り出ればここからは彼のダンスショー。
掴もうと繰り出された鋏を跳躍、そして空中で身体を捻れば先ほどまで彼が在った場所を突き抜ける数多の針。
着地と同時に左手で蠍の尻尾を掴み上げ、暴れる間もなく根元から切断。
激痛に苛まれ、鋏を無茶苦茶に振り回すのを見越し彼はその頭部へダガーを突き立て屠り、霧散していく奪い取った尻尾を噛み千切りその狂気を見せ付ける。
「ふふ、足りないね……僕の心の空虚を埋めるのは、奪った命の温かみぞ……」
滴り落ちる体液でその手を濡らし、ノーマンが蠍の数を減らしてく。
機動力にモノを言わせた攻撃で統制が乱れ、その機に乗じ翼が、そしてヒンメルが確実に蠍を攻撃。
「やったか!? ……いや、まだだ」
翼を援護、彼を狙う蠍の尻尾を的確に斬り飛ばしたヒンメルが叫び、フラグ乱立を忘れない。
そも、牽制と援護に徹しているのだから倒せないのは当然なのだが、余裕のある状態ならばフラグ成立の方が彼女にとっては大切なのだ。
「っはは、ここを通すワケにはいかねぇんだよ!!」
紅蓮の炎、覚醒の光を輝かせ翼の振り下ろしたクレイモアが甲殻ごと蠍を砕き、大地に深い傷跡を刻み込む。
残る相手もノーマンが的確に始末すれば、基礎能力に秀でる蠍はひとたまりも無くその数を減じ、やがてほぼ全ての蠍が駆逐。
「ん……なんだ、猫の足音か……」
最後の一匹が蠢く足音、それにまでフラグを立てようと努力したヒンメル。
だが、フラグを蠍が回収する事は出来ずノーマンがアッサリと頭部を刺突し戦いを終わらせていた。
「こちらは終わりましたね、お疲れ様です。西の方ももう、何とかなるでしょうし平和が守れてよかったですねえ」
先ほどまでの発狂っぷりは何だったのか。
衣服に付いた埃を掃い落とし、何食わぬ顔でノーマンが翼とヒンメルに笑顔を向ける。
そんな彼の様子に苦笑しつつ翼はクレイモアに付いた残骸を拭い、ヒンメルはフラグ回収されなかったなぁ、と遠くを見て思うのであった。
●西方戦線
「ふーッ。ま、あたしは一服から、ってね」
チョコレートフレーバーの煙草から甘い臭いを立ち昇らせ、紫煙を吐き出すリオン。
森を、そしてやや開けた平地を前にして余裕の一服をしつつ、仲間の戦闘をまずは観察である。
「うーむ、数が多いのは厄介でござるが……推して参る」
最初に動くは薫、ようやく森を抜けてきた相手を狙い、そして群れの統制を乱す為の陽動として。
愚直な前進。その行動を阻止すべく複数の蠍が尻尾をもたげ多量の針を射出するが、被弾の直前薫は上空へ跳躍飛翔。
脛当を針がかすめ、細かい傷を付けつつも回避に成功、そのまま迎撃の間に合わぬ蠍の群れに急降下。
重力加速に加え、全力で振り下ろされた日本刀はいとも容易く甲殻ごと蠍の前腕部を捉え、切り離された鋏が虚空に舞った。
続けざまに横薙ぎ、尻尾を掴んで振り回し、動く敵へと投げつける。
群れの中、暴れまわる薫であったがその攻撃を阻止すべく別の蠍が接近、鋏を振るい彼を襲うが一手早く金属円盤、チャクラムがその攻撃を阻害していた。
「切り込みは結構、だが速度があっても数は多い。無茶はするなよ」
鋏を打ち払うチャクラム、それを放ったのはライル。
反撃しようと蠍が反転、針を放つより早く次のチャクラムを投げつけ軌道を逸らせば、数多の針が虚空目掛け虚しく放たれていた。
「んー、こういう防衛戦的なやつよりは、割と斬り込むほうが得意なんだけど」
同刻、薫やライルを避け進軍してきた蠍と相対していたセレスティア。
直線の射撃、ならばそれを回避すべく弧を描く形で突撃し鋏を振り上げた蠍に肉薄。
背部甲殻、その隙間にダガーの刃を突き立てれば、大きく仰け反り激しく痙攣。
刃を引き抜き、別の隙間に念の為にと再度の刺突を繰り出せば、個々の性能に劣る蠍雑魔に耐える事は出来るはずも無い。
一際大きく、苦しみを表現するかの様に両の鋏を虚空に振りかざし、そしてそのまま動きを止めていた。
「んー。数は多いし華麗に、というよりは無駄の無い洗練された動きでいかに動けるか、に少し挑戦してみようかしら」
相手の力量、そして圧倒的物量を前に丁度良い練習相手と彼女は判断。
回りこみ、刺突、離脱、別標的を狙い突撃、刺突、離脱。
機械的に淡々と、反復練習とばかりにひたすら攻撃を加えていく。
「さっそりーそりそりー♪ 煮さそり湯でさそり焼きさそりー♪」
蠍雑魔の不幸はこれだけに止まらない。
南西側に回り込んだリィフィ、その目に蠍雑魔は食料にしか見えないのか。
孤立しつつも彼女は気にせず縦横無尽に駆け回り、他の面々の攻撃で統制の崩れた蠍を狙い攻撃を。
「甲羅はぽーいっと、中身は……なか、なかみ……?」
甲殻の隙間へ刃を通し、勢い任せで引き剥がす。
メリッと鈍い音、そして引きちぎられた蠍の腕を見、その肉を食べようと覗き込むが中身は皆無。
それどころか、倒された傍から雑魔はその身体を塵へと変じ、跡形も無く消滅していくのだ、目論見が盛大に外れていた。
「……う、うう。ごはん、食べられないぃいい!」
多量の雑魔、多少味が悪くても満腹になると思っていたのに、倒せば消滅。
勿論食べる事は叶わず、持ち帰っておやつにする事も不可能という大惨事。
怒りのリィフィ、眼つき鋭く右手のジャマダハルを握りなおして森の中へと突撃を。
身軽な体、引き上げられた身体能力を十二分に発揮し跳躍、木々の枝から枝へと飛び移り、地上を進む蠍へ急降下。
頭部を一撃の下に粉砕、更には周囲を進む別の蠍に死体を投げつけ暴れ回るのであった。
「……さァて、ご馳走が無くなる前にあたしも行きますかァ☆」
大勢が決し、森から湧き出した蠍が押し返されるタイミング。
真打登場、ここから更なる暴虐の始まりとばかりに動き出したリオン。
大胆不敵、威風堂々。
構えをとる事すらせず歩を進めながら攻勢を掻い潜り、必死で村を目指す蠍を狙いジャンクガンを発砲、無慈悲な鉛の天使をその脳天へと叩き込む。
「……チッ、ヤスモンじゃこんなモンかァ?」
低性能、一撃で倒しきれない銃に悪態をつきつつ彼女はそのまま蠍に肉薄。
鋏を軽く回避、側面に流れるように回り込み、金属板と輪をつなぎ合わせた打撃武器、メリケンサックの亜種であるフィストガードで強化された拳を繰り出す。
指から伝わる破砕の感覚、硬い甲殻に守られた脆い肉体、その肉を蹂躙し飛び散る体液。
だが、この一撃では倒さない。そう、できる限り時間をかけ嬲り殺すのが彼女が選んだ今回の戦闘スタイル。
一体を集中して嬲り、踏みにじる彼女を倒そうと別の蠍が肉薄、振り上げた鋏で攻撃を仕掛けるが無秩序な進軍、そして攻撃は意味を成さない。
「もっとよく狙えよォ……このウスノロがァ!」
飛び上がりつつのバック転、そしてそのまま相手の側面に回りこむ様に側転を。
必死で応戦する蠍も彼女の攻撃を凌ぐ事は出来ず脚部を破損、まともに動けぬ雑魔の数が増えていく。
「間を抜ける程の数は残っていないか……なら一気に押し切らせてもらうよ」
各所でハンターの攻撃を受け、数を撃ち減らした蠍雑魔。
撃ち漏らしが大きく減少、森から出る事が困難になったのを見逃さずライルが守りを捨てて攻撃に注力。
マテリアルの力を武器に宿し、突き出されたダガーは甲殻ごと蠍を刺し貫き一撃にて撃破を確認。
数を減じた蠍の挟み込み、射出された針を受けつつも革の防具がその威力を大きくそぎ落とし、有効打とはなり得ない。
「ああ、もう。結構倒したがマジで多いでござるなこんちくしょう!!」
その攻撃で生じた敵陣の穴。
敵を引きつけ、切り倒していた薫が悪態をつきつつ蠍の死体を盾にし強引に前進を。
彼の切込みにより、残り少ない蠍で構築されたラインは完全に寸断しつくされ、残るは各個撃破の標的でしかない。
「後は掃討戦、ね。ピンチの演出なんてする必要もなかったし」
余裕を崩さず、セレスティアが逃走を図る蠍を刺突。
どうしてもピンチな演出が見たいという人が居れば考えなくもなかったかもしれないが、多分いてもなかった事にして真面目に仕事をしたでしょう。
「チッ、これで終わりかよ。くたばっちまえばゴミも同然……い~やァ、そういやお前らは元からゴミだったっけかァ?」
そんな中、最期の蠍を踏み潰したリオンが哂い、森と平原に静寂が。
ハンターの猛攻により、数多の蠍雑魔は悉く駆逐され、その姿を消滅させていた。
●不満あるもの
「ごはんー! ごーはーんー!」
北に向かった面々と合流、帰還準備の中蠍を食べれず、持ち帰りも出来ない事にリィフィが怒りを隠さない。
「リィフィ殿、落ち着くでござる! 戻ればきっと、食事もあるでござるよ!」
そんな彼女を宥める薫、とても大変そうである。
一部、目論見どおり行かないハンターも居たが、概ね目的は達成。
安全を取り戻した村は発掘作業を完了し、得た報酬は村を潤す事だろう。
「ん、全員無事で何よりだね。ま、何人かちょっと突き抜けた感はあるけど、ね」
帰還中、西側の戦い、その顛末を聞いたヒンメルが言葉を漏らす。
色々とセリフを、そして行動をした面子が居たのだ、多分受付嬢も満足だろう。
こうして、数多の蠍雑魔を駆逐する依頼は幕を閉じ……一行は傾きかけた太陽を背に、帰還の途に付くのであった。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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そーだんする? ヒンメル(ka1975) 人間(リアルブルー)|15才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/07/20 02:55:57 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/20 01:41:15 |