ゲスト
(ka0000)
少女とトラウマ
マスター:後醍醐

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/08/19 12:00
- 完成日
- 2015/08/20 19:26
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
恐ろしいナニカが追ってくる。
執拗に。
必死に逃げる――だが、そのナニカは追う。
振り向く暇もな無く、ただひたすらに逃げる。
ナニカから逃げ切れたと思い、顔を上げる。
顔を上げた前で繰り広げられていたのは――惨劇。
嗚咽、悲鳴、命乞いする声――そして、首を斬り飛ばされ血を吹き出す首や脚や腕。
べっとりとして生ぬるい血が顔にかかる感触。
拭って拭っても取れない血。
そして、目の前に襲いかかるナニカ。
●ブルゲド族 居留地 リーナのゲル
深夜――皆が寝静まった丑三つ時。
「……夢」
飛び起きて頬に手を取り何かを確認するように触るリーナ。
血は――ついていない。
ほっとする表情をするリーナ。
先日のファリフの護衛から時々見る悪夢。
リーナには悪夢を見る心当たりがあった。
そして、あの日から人型の敵に対して弓を取ることができなくなっていた。
怖いのだ――ゴブリンといった人型の敵と戦うことが。
無論、その恐怖を与えたアリシア・ジーナスも怖いのだが、彼女の行為を見て恐怖を覚えてしまっていた。
「……こんなんじゃダメだよね」
アリシアからのトラウマのせいか対人戦闘に恐怖を覚えてしまっている。
比較的辺境という土地柄、動物系の雑魔が多いとは言えゴブリンなどの人型の敵も居ないことはない。
それに、盗賊の類も出ることだってある。
辺境んで生きるにあたって、この状況は非常にまずい。
尚、リーナが対人戦闘にトラウマを持っているのは族長である父・カーンにも知らせている。
部族での雑魔やゴブリンなどの討伐指示を出すのが族長であるカーンの仕事でもあるからだ。
「どうにかしないと……」
じっと、手を見つめるリーナ。
そして、手に落ちる大粒の涙。
● とある日 族長のゲル 朝
「リーナのことなのだが……」
「ええ」
族長というよりも夫婦の会話をするカーンとエリナ。
「今のままではまずいと思うのだが」
「そうね。暴漢からも身も守れない状態はいけないと思うわ」
対人戦闘が出来ないということは暴漢からも身を守ることも出来ないということだ。
女性としては切実な問題でもある。
「護衛で盗賊にでも会えば、恐怖で蹲ってしまいそうだ」
「どうにか直さないと拙いわね」
父として母としてリーナのことが心配なのだ。
「やはりここは……伴をつけてゴブリンの討伐を行わせるべきか……」
「荒療法ね」
恐怖をのりきるには荒療法も必要なときもある。
辺境とは生易しい土地ではないのだ。
「護衛にチュー族とハンターを付ければ良いだろう」
「私としてはハンターの人にリーナのトラウマを克服するようにお願いしたいわね」
カーンは戦力的な意味居合で、エリナはハンターがリーナの心を癒してくれることを期待していた。
「それにだ、リーナも戦士を率いる経験を積むべきだからな」
「そうね、あの娘の立場だとそういう事も必要よね」
直接戦わなくとも戦士を指揮をする経験という意味合いでも必要なことであった。
「リーナとアラウを呼んできてくれ」
「わかりました」
二人を呼びにゲルを出るエリナ。
●リーナとアラウ
カーンの前に呼び出された二人。
「よく来た、ふたりとも」
族長として接するカーン。
「お呼びでしょうか」
「何事でしょうか」
殊勝に答えるアラウと父ではなく族長として接するリーナ。
上下関係から言っても全く違う二人。
リーナは族長の娘、アラウは庇護されているチュー族の族長。
立場としてはリーナのほうが上だ。
「ゴブリンの集落をつけたとの報告があった。リーナはアラウとチュー族の戦士を率いてハンター達と共に殲滅するように」
「……は、はい」
「御意」
青ざめるリーナ、畏まるアラウ。
簡易的な地図をリーナへ渡すカーン。
「以上だ。依頼ももう出してある――ハンター達と合流して現地へ向かうように」
「……はい」
「はい」
ゲルを出る二人。
「……大丈夫ですか? リーナお嬢様」
「え、う……うん」
リーナを心配するアラウ、ごまかすリーナ。
「出来るだけ被害を出さずに討伐したいですね」
「そうだね……」
アラウは仲間のことを想い、リーナは初めての指揮に不安を覚える。
リーナのトラウマを克服すべく行われるゴブリン討伐。
トラウマを克服できるかどうかは――ハンター達次第だ。
執拗に。
必死に逃げる――だが、そのナニカは追う。
振り向く暇もな無く、ただひたすらに逃げる。
ナニカから逃げ切れたと思い、顔を上げる。
顔を上げた前で繰り広げられていたのは――惨劇。
嗚咽、悲鳴、命乞いする声――そして、首を斬り飛ばされ血を吹き出す首や脚や腕。
べっとりとして生ぬるい血が顔にかかる感触。
拭って拭っても取れない血。
そして、目の前に襲いかかるナニカ。
●ブルゲド族 居留地 リーナのゲル
深夜――皆が寝静まった丑三つ時。
「……夢」
飛び起きて頬に手を取り何かを確認するように触るリーナ。
血は――ついていない。
ほっとする表情をするリーナ。
先日のファリフの護衛から時々見る悪夢。
リーナには悪夢を見る心当たりがあった。
そして、あの日から人型の敵に対して弓を取ることができなくなっていた。
怖いのだ――ゴブリンといった人型の敵と戦うことが。
無論、その恐怖を与えたアリシア・ジーナスも怖いのだが、彼女の行為を見て恐怖を覚えてしまっていた。
「……こんなんじゃダメだよね」
アリシアからのトラウマのせいか対人戦闘に恐怖を覚えてしまっている。
比較的辺境という土地柄、動物系の雑魔が多いとは言えゴブリンなどの人型の敵も居ないことはない。
それに、盗賊の類も出ることだってある。
辺境んで生きるにあたって、この状況は非常にまずい。
尚、リーナが対人戦闘にトラウマを持っているのは族長である父・カーンにも知らせている。
部族での雑魔やゴブリンなどの討伐指示を出すのが族長であるカーンの仕事でもあるからだ。
「どうにかしないと……」
じっと、手を見つめるリーナ。
そして、手に落ちる大粒の涙。
● とある日 族長のゲル 朝
「リーナのことなのだが……」
「ええ」
族長というよりも夫婦の会話をするカーンとエリナ。
「今のままではまずいと思うのだが」
「そうね。暴漢からも身も守れない状態はいけないと思うわ」
対人戦闘が出来ないということは暴漢からも身を守ることも出来ないということだ。
女性としては切実な問題でもある。
「護衛で盗賊にでも会えば、恐怖で蹲ってしまいそうだ」
「どうにか直さないと拙いわね」
父として母としてリーナのことが心配なのだ。
「やはりここは……伴をつけてゴブリンの討伐を行わせるべきか……」
「荒療法ね」
恐怖をのりきるには荒療法も必要なときもある。
辺境とは生易しい土地ではないのだ。
「護衛にチュー族とハンターを付ければ良いだろう」
「私としてはハンターの人にリーナのトラウマを克服するようにお願いしたいわね」
カーンは戦力的な意味居合で、エリナはハンターがリーナの心を癒してくれることを期待していた。
「それにだ、リーナも戦士を率いる経験を積むべきだからな」
「そうね、あの娘の立場だとそういう事も必要よね」
直接戦わなくとも戦士を指揮をする経験という意味合いでも必要なことであった。
「リーナとアラウを呼んできてくれ」
「わかりました」
二人を呼びにゲルを出るエリナ。
●リーナとアラウ
カーンの前に呼び出された二人。
「よく来た、ふたりとも」
族長として接するカーン。
「お呼びでしょうか」
「何事でしょうか」
殊勝に答えるアラウと父ではなく族長として接するリーナ。
上下関係から言っても全く違う二人。
リーナは族長の娘、アラウは庇護されているチュー族の族長。
立場としてはリーナのほうが上だ。
「ゴブリンの集落をつけたとの報告があった。リーナはアラウとチュー族の戦士を率いてハンター達と共に殲滅するように」
「……は、はい」
「御意」
青ざめるリーナ、畏まるアラウ。
簡易的な地図をリーナへ渡すカーン。
「以上だ。依頼ももう出してある――ハンター達と合流して現地へ向かうように」
「……はい」
「はい」
ゲルを出る二人。
「……大丈夫ですか? リーナお嬢様」
「え、う……うん」
リーナを心配するアラウ、ごまかすリーナ。
「出来るだけ被害を出さずに討伐したいですね」
「そうだね……」
アラウは仲間のことを想い、リーナは初めての指揮に不安を覚える。
リーナのトラウマを克服すべく行われるゴブリン討伐。
トラウマを克服できるかどうかは――ハンター達次第だ。
リプレイ本文
●事前準備
ゴブリンの集落を襲撃すべく集まったハンター達。
「ゴブリンの文明レベルが此処まで来ていたとは知りませんでしたが……」
(そうであるなら……人間と戦う以上に徹底的な対処が必要なので今後の事も考えて跡形もなく滅ぼす事にしましょうか……)
クオン・サガラ(ka0018)はゴブリン達が集落を作っていることに危機感を覚えて、殲滅することを心に思う。
「殲滅戦ですか。害があるとはいえ、人型を殲滅するのは後味悪いですし……」
(リーナさんの心情も気になりますね……)
月架 尊(ka0114)は今回の依頼に対する気持ちを呟き、リーナのことを心配する。
「トラウマの荒療治ねえ、やり方としてはエゲつないというか何というか」
(本来時間をかけたほうが良いんだが……こういう土地だと仕方ないか)
リカルド=イージス=バルデラマ(ka0356)は今回の依頼について思うところがあったが、現状がそれを許さないと知って諦観する。
「こういうやり方は好きじゃないんだが仕方ない」
リカルドは依頼だと割りきったようだ。
「凹んでるリーナちゃんの顔なんて見たくないよ……」
(前みたいに笑顔を見せて欲しい)
リーナを心配するエリス・ブーリャ(ka3419)は呟く。
「自分の抱いている恐怖の正体が判れば怖さも和らぐんじゃない」
「……そうですね」
心配したエリスはリーナに話しかける。
「人型との戦闘に対して抵抗があるんだよね、理由は大体わかるけどさ。一体何がどうダメなのか話してみてよ」
「……怖いんです……人が傷つくことが……」
「そっか、怖いんだね。でも誰かしら、怖いって思うと思うよ」
リーナの答に答えるエリス。
(……自信をつけさせよう)
「今回の戦いは戦いというより虐殺に近いけど、でもさ、リーナちゃんが指揮することでチュー族やゴブリンに到底対抗できない人の命が助かる事もあるってことだけは忘れないでね」
「はい」
真剣にエリスの言葉を聞くリーナ。
「誰だって初めてのうちは不安なことばかりだけど困ったことがあるならエルちゃん達に話してよ。力になるからさ」
「はい、頼らせていただきます」
優しく話しかけるエリスに真剣に答えるリーナ。
「リーナさん、アラウさん、ご無沙汰しております」
「お久しぶりです、守原さん」
「何時もありがとうございます、守原さん」
アラウとリーナが守原 有希弥(ka0562)の挨拶に返す。
「数が数です、策を練りましょう」
守原がそう話しかけた時――。
「アラウさん、お願いが」
「はい、どうしましたか?」
守原達の所へクオンがやってきてアラウに無理をせずに敵の退路を断つ役割をお願いする。
「それはいいですね。アラウさん、リーナさん」
守原もこの案には異議がないようだ、リーナとアラウを補佐する守原。
「分かりました」
クオンのお願いを利いたアラウはそのように行動する。
「敵はどういう配置でしょうか」
守原は集落を双眼鏡で覗いて敵の配置や家の並び、逃げやすそうな方向をチェックし皆へ伝える。
この事前行動が襲撃の成否を左右する。
「……任された任務はきちんと果たさなければなりません。わたしも尽力させて頂きます」
「はい、よろしくお願いします」
Hollow(ka4450)も打ち合わせに参加しリーナにそう告げる。
「ハンターの取りこぼしをお願いしたいのですが……」
「分かりました、半分をそちらに回します」
アラウに提案するHollow、これにより半数はハンターの撃ち漏らしに参加することになった。
「依頼自体は単純な話なんですがねぇ……」
メリエ・フリョーシカ(ka1991)は愛馬ジールに跨りながら敵の集落へ向かう途中、難儀な依頼の根本を横目で眺め、軽く嘆息をついた。
「大丈夫だよジール。事情は人ぞれだよねって話」
愛馬のたてがみを撫でるメリエ。
「私は部外者ですし、偉そうな事は言えません、だから、足掻けばいいんじゃないですか?」
「……そうなんですか?」
リーナに語りかけるメリエ。
「解決の糸口なんて、最初から見えてる訳ないでしょう? だから足掻くんですよ。それが人で、生きていて、進むという事でしょう?」
「……そうなのかな」
メリエの言葉にリーナは考える。
「立ち止まった者に、成長はない。だから私は進み続ける。叶えるべき野心がある故に!」
愛馬のジールを駆けさせる準備をしつつ言葉をかけるメリエ。
「諦めたくなければ足掻く事だ!あの方も、それこそが強き人だと仰っているのだから!」
そう言うと、メリエは敵の集落へ向かって駆けていく。
● 襲撃
先陣をきったのはバイクや馬に騎乗したハンター達だ。
「コレも仕事だからな恨むんじゃねえぞ、なるべく苦しまねえように仕留めてやるから」
強行偵察と撹乱を兼ねて『試作振動刀「オートMURAMASA」』で『チャージング』を使い斬りこむリカルド。
バイクを駆りながらの剣撃によって首を刎ねられ、派手に出血させるゴブリン。
「弓兵は厄介だからな、倒させてもらうぞ」
バイクを横滑りにスライディングさせつつ、『魔導拳銃「ペンタグラム」』をアーチャーに向けて乱射するリカルド。
乱射した拳銃の弾がアーチャーの胴体に当たり一撃で倒す。
「撹乱……上手くいくといいですが」
同じく、守原もバイクで突撃していた。
リカルドと守原のバイクの音でゴブリン達は混乱している。
アーチャーやファイターの動きを観察する守原。
ゴブリン達は急襲とバイクの音に驚き逃走を選択していた。
「ゴブリン達は混乱して逃走しつつあります」
その様子を他のハンター達へ伝える守原。
「吶喊!」
愛馬を駆らしていた勢いで吶喊するメリエ。
「やぁ!」
メリエは『太刀「鬼神大王」』を振るい『薙ぎ払い』をする。
薙ぎ払いにより、薙ぎ払われていく敵。
敵は胴体を横一文字に斬られ横に二等分される。
「開始、ですね……」
共に突撃していくHollow。
「攻撃を開始します」
『デルタレイ』で攻撃する――光が其々、アーチャーへと向かっていく。
敵の胴体に当たりダメージによって倒される一体。
もう一匹は頭部へと光がぶつかり頭を吹き飛ばされる。
「逃がしません」
皆と共に吶喊した月架は集落へ突入した。
『リボルバー「ヴァールハイト」』でファイターとアーチャーを狙って射撃する。
銃撃の弾がファイターの額に当たり一撃で絶命させた。
アーチャーを狙った銃弾は胸部へと着弾して倒した。
一方、吶喊と共に射撃攻撃を行うハンターもいた。
「見張りや警備を排除していきましょう」
クオンは進撃しながら『リュミエールボウ』で見張りや警備についていそうな敵へ放った矢は敵の頭部へ刺さり即座に絶命させる。
騎乗したハンター達が集落へと突入していく。
「敵の動きはどう――」
『魔術紋章盾』を構えて矢を防ぎながら『魔導短伝話』と『トランシーバー』で連絡を取り合うエリス。
先行している味方や観測している味方からの情報をやりとりしながら『鋭敏視覚』で周囲を警戒ながら進む。
さて、騎馬やバイクが突っ込み、徒歩のハンター達が進撃している中でそれを観測しているハンターが居た。
「敵は混乱して逃亡しつつあります――」
見晴らしのいい場所を確保して『ジェットブーツ』でジャンプして『鋭敏視覚』と『立体感覚』を補助に『双眼鏡』を使って観測しているのは初月 賢四郎(ka1046)だ。
「潜伏している敵は特に無いようですが気をつけて下さい――」
高所からの観測はハンター達にアドバンテージを与える。
物陰からの反撃など気づきにくい場所からの攻撃などを看過できるからだ。
● 混戦
集落にバイクと騎馬のハンター達以外に徒歩のハンター達も合流した。
乗車・騎乗しているハンター達は機動力を活かして集落内で暴れまわっている。
チュー族は逆サイドから逃走の阻止とハンター達の撃ち漏らしに対処している。
「早い所、敵主力を倒しましょう」
クオンは『デルタレイ』をゴブリン達へ向けて放つ――放たれた光が敵を襲う。
アーチャー向かった光は上半身に当たった衝撃で倒れた。
逃げる敵へ光が襲い、その逃げる脚を吹き飛ばして転倒させた。
「逃がしませんよ」
戦馬で駆ける月架はすれ違う敵に対して『絡繰刀「一文字」』で斬りつける。
刀の刃が一瞬光り、首を刎ねられるアーチャー。
ファイターやアーチャーのゴブリンを優先して攻撃を仕掛ける。
刀と共に拳銃を使って銃撃をする。
銃撃した弾丸がファイターの頭部を捉え即死させる。
「セイッ!」
『悪鬼羅刹』――ただ目の前の敵を切ることに意識して斬撃を行い、月架の瞳は更に紅くなる。
斬撃によって斬り伏せられる敵。
「弱いとはいえども油断は禁物だな」
リカルドはバイクから降りて、『試作振動刀「オートMURAMASA」』と『日本刀「骨喰」』を構えて辺りの敵を切り払っていく。
腕を切り払われ、袈裟斬りにされて内臓をぶちまける敵。
「倒す分には楽でいいんだが、後の整備が大変だな。コレ返り血が多いからな」
囲まれれば、『薙ぎ払い』でなぎ払う――胴体を、首を薙ぎ払う斬撃で斬り飛ばされる。
「逃しはしませんよ」
守原はバイクで蛇行しながら接近して『日本刀「景幸」』で斬りつける。
背中から袈裟斬りされて出血しながら倒れこむゴブリン。
「これからの戦いに備えチュー族には戦い方を覚えてもらわなきゃ。命大事にね」
エリスはチュー族とともに戦っている。
『デルタレイ』を放って攻撃――光が敵に向かう。
チュー族を襲おうとしたファイターの側頭部に到達して頭部を吹き飛ばす。
逃げようとするゴブリンの脚へ当たりはじけ飛ぶ。
「敵は――」
初月は戦闘の推移を冷静に観測しながら味方に伝える。
敵の主力であるゴブリンファイター・アーチャーがハンター達によって掃討されていく。
● 包囲・殲滅戦
主力とも言いえるゴブリンファイター・アーチャーが掃討され、残ったただのゴブリンの掃討が始まる。
包囲する形で陣形を組み直すハンター達や逆サイドへ移動するハンターもいた。
チュー族と合流したクオンは逃げる敵に対して『ファイアスローワー』を放つ。
扇状に広がる炎が辺りの敵を焼く。
範囲にいた敵は炎の力を持った破壊エネルギーによってダメージを受ける。
移動しながら敵を探索して掃討を続ける。
「本隊と反対側に移動して、今、います――」
月架はチュー族とともに本隊の反対側位に位置して逃げてくる敵を攻撃している。
馬上から刀を振りかざして敵を切り伏せる。
背中から斬撃を受けた敵は流血しながら転倒して倒される。
「生活圏が競合して、共存できないのなら、どちらかが消えねばならない。お互い分かっていた事だろう?」
そう言いながら馬上で太刀を振りかざして敵を叩き切るメリエ。
振りかざした太刀によって真っ二つに斬られる敵。
「互いがやりあっていた事だ。正義も悪もない。これは生存競争なのだからな!」
そう言いながら敵を屠っていくメリエ。
「皆のためにも容赦しないよ」
『ファイアスローワー』を逃げ惑う敵へ放つエリス。
逃げる敵の背に炎が当る――ダメージを受けてそのまま前のめりに倒れる。
「……恨んで貰っても構いません。任された以上、わたしはその任を全うするだけです」
Hollowも逃げる敵に対して『ファイアスローワー』を放つ。
容赦なく炎が逃げる敵へ襲いかかり――敵はそのまま倒されて倒れこむ。
「――掃討は順調です。逃した敵もいません」
初月は倒されていく敵を、逃げる方向を確認して味方に連絡を入れている。
こうして、観測と連絡体制が功を奏し漏れ落ちなく全ての敵の殲滅・掃討を行うことが出来た。
● 戦いの先に――
戦闘は終わった。
戦場の後片付けを行うハンター達とチュー族。
「……向こうからしてみれば人間は侵略者でしょうが……逆にやらなければやられるのも自分達です……」
作業しながらチュー族やリーナにそう話すのはクオンだ。
「そう、ですね」
やらなければやられる――辺境はそういう土地だリーナも理解している。
「コレは職業殺人者してのアドバイスだが、部族を背負い仲間を護るなら、罪を背負う覚悟と殺す覚悟と殺される覚悟をしろ、この3つさえ頭にとどめておけば、ある程度は耐えられる、逃げるのはあまり進められない」
リーナの側にやってきたリカルドは落ち込んでいたリーナに言う。
「覚悟……」
リカルドはリーナに覚悟を持つように言う――リーナはその言葉についてなにか考えている。
「皆の無事や、遺恨の事を考えましたね? それは『怖さを解る強さ』です」
「強さ……」
リカルドの言葉に考えていたリーナに話しかける守原。
「うちを強いと思うならそれは『捨置けば確実に起こる怖いこと』を無視し誰かが傷つく事が怖いから。ロッソ時代多くの人を零したからね……」
「……」
言葉を続ける守原。
「勇気って何度も鍛え直した刀みたいなもんだと思います。ゆっくりでも折れても鍛え直せばいい」
「鍛え直す……」
守原の言葉を反芻するリーナ。
「本当に心折れたなら命令でも来ません。怖がる自分も大事に見つめてあげて貰えませんか?」
「怖がる自分……」
守原の言葉に考える様子のリーナ……覚悟めいたものを感じる。
「以上が今回の交戦記録です。負傷・損害・損耗率…数字で見ればこうですが現実と受ける感覚は別物でしょう」
「……はい」
一人になったリーナに戦闘報告にやってきた初月――リーナは報告と現実の間隔の違いに気づいていた。
「対人戦に対する忌避感、それがあるのは普通ですよ。ただ、貴女が割り切らずに戦場に立てば被害の数字はその奥の現実は増えるでしょう。どう割り切るかの答えは自分には出せませんが」
「割り切る……」
初月の言葉に考えこむリーナ。
「自分ですか? 必要だから。それ以上でも以下でもないですね。割り切らず戦場に立たずとも減らす術はあります――」
過去の経験を語る初月。
「もし必要があれば言って下さい。依頼以外でもバーターで協力しますよ。ちなみに未だフリーですから」
「その時は……お願いします」
そう言うとリーナのもとから離れる初月。
「……わたしから言える事など多くありませんが、一度戦場に立ったら、お互いが仲間の命を握り合っているんです。その事だけは忘れないで頂きたいと思います」
Hollowがやってきてリーナに話しかける。
「お互いが……」
言葉を飲み込み何かを考える様子のリーナ。
皆からの言葉にリーナは考える。
「怖がってばかりじゃダメだ……」
リーナは怖がることをやめる決意をした。
荒療法とハンター達の言葉によりリーナはトラウマを克服出来た。
少女とトラウマ 完
ゴブリンの集落を襲撃すべく集まったハンター達。
「ゴブリンの文明レベルが此処まで来ていたとは知りませんでしたが……」
(そうであるなら……人間と戦う以上に徹底的な対処が必要なので今後の事も考えて跡形もなく滅ぼす事にしましょうか……)
クオン・サガラ(ka0018)はゴブリン達が集落を作っていることに危機感を覚えて、殲滅することを心に思う。
「殲滅戦ですか。害があるとはいえ、人型を殲滅するのは後味悪いですし……」
(リーナさんの心情も気になりますね……)
月架 尊(ka0114)は今回の依頼に対する気持ちを呟き、リーナのことを心配する。
「トラウマの荒療治ねえ、やり方としてはエゲつないというか何というか」
(本来時間をかけたほうが良いんだが……こういう土地だと仕方ないか)
リカルド=イージス=バルデラマ(ka0356)は今回の依頼について思うところがあったが、現状がそれを許さないと知って諦観する。
「こういうやり方は好きじゃないんだが仕方ない」
リカルドは依頼だと割りきったようだ。
「凹んでるリーナちゃんの顔なんて見たくないよ……」
(前みたいに笑顔を見せて欲しい)
リーナを心配するエリス・ブーリャ(ka3419)は呟く。
「自分の抱いている恐怖の正体が判れば怖さも和らぐんじゃない」
「……そうですね」
心配したエリスはリーナに話しかける。
「人型との戦闘に対して抵抗があるんだよね、理由は大体わかるけどさ。一体何がどうダメなのか話してみてよ」
「……怖いんです……人が傷つくことが……」
「そっか、怖いんだね。でも誰かしら、怖いって思うと思うよ」
リーナの答に答えるエリス。
(……自信をつけさせよう)
「今回の戦いは戦いというより虐殺に近いけど、でもさ、リーナちゃんが指揮することでチュー族やゴブリンに到底対抗できない人の命が助かる事もあるってことだけは忘れないでね」
「はい」
真剣にエリスの言葉を聞くリーナ。
「誰だって初めてのうちは不安なことばかりだけど困ったことがあるならエルちゃん達に話してよ。力になるからさ」
「はい、頼らせていただきます」
優しく話しかけるエリスに真剣に答えるリーナ。
「リーナさん、アラウさん、ご無沙汰しております」
「お久しぶりです、守原さん」
「何時もありがとうございます、守原さん」
アラウとリーナが守原 有希弥(ka0562)の挨拶に返す。
「数が数です、策を練りましょう」
守原がそう話しかけた時――。
「アラウさん、お願いが」
「はい、どうしましたか?」
守原達の所へクオンがやってきてアラウに無理をせずに敵の退路を断つ役割をお願いする。
「それはいいですね。アラウさん、リーナさん」
守原もこの案には異議がないようだ、リーナとアラウを補佐する守原。
「分かりました」
クオンのお願いを利いたアラウはそのように行動する。
「敵はどういう配置でしょうか」
守原は集落を双眼鏡で覗いて敵の配置や家の並び、逃げやすそうな方向をチェックし皆へ伝える。
この事前行動が襲撃の成否を左右する。
「……任された任務はきちんと果たさなければなりません。わたしも尽力させて頂きます」
「はい、よろしくお願いします」
Hollow(ka4450)も打ち合わせに参加しリーナにそう告げる。
「ハンターの取りこぼしをお願いしたいのですが……」
「分かりました、半分をそちらに回します」
アラウに提案するHollow、これにより半数はハンターの撃ち漏らしに参加することになった。
「依頼自体は単純な話なんですがねぇ……」
メリエ・フリョーシカ(ka1991)は愛馬ジールに跨りながら敵の集落へ向かう途中、難儀な依頼の根本を横目で眺め、軽く嘆息をついた。
「大丈夫だよジール。事情は人ぞれだよねって話」
愛馬のたてがみを撫でるメリエ。
「私は部外者ですし、偉そうな事は言えません、だから、足掻けばいいんじゃないですか?」
「……そうなんですか?」
リーナに語りかけるメリエ。
「解決の糸口なんて、最初から見えてる訳ないでしょう? だから足掻くんですよ。それが人で、生きていて、進むという事でしょう?」
「……そうなのかな」
メリエの言葉にリーナは考える。
「立ち止まった者に、成長はない。だから私は進み続ける。叶えるべき野心がある故に!」
愛馬のジールを駆けさせる準備をしつつ言葉をかけるメリエ。
「諦めたくなければ足掻く事だ!あの方も、それこそが強き人だと仰っているのだから!」
そう言うと、メリエは敵の集落へ向かって駆けていく。
● 襲撃
先陣をきったのはバイクや馬に騎乗したハンター達だ。
「コレも仕事だからな恨むんじゃねえぞ、なるべく苦しまねえように仕留めてやるから」
強行偵察と撹乱を兼ねて『試作振動刀「オートMURAMASA」』で『チャージング』を使い斬りこむリカルド。
バイクを駆りながらの剣撃によって首を刎ねられ、派手に出血させるゴブリン。
「弓兵は厄介だからな、倒させてもらうぞ」
バイクを横滑りにスライディングさせつつ、『魔導拳銃「ペンタグラム」』をアーチャーに向けて乱射するリカルド。
乱射した拳銃の弾がアーチャーの胴体に当たり一撃で倒す。
「撹乱……上手くいくといいですが」
同じく、守原もバイクで突撃していた。
リカルドと守原のバイクの音でゴブリン達は混乱している。
アーチャーやファイターの動きを観察する守原。
ゴブリン達は急襲とバイクの音に驚き逃走を選択していた。
「ゴブリン達は混乱して逃走しつつあります」
その様子を他のハンター達へ伝える守原。
「吶喊!」
愛馬を駆らしていた勢いで吶喊するメリエ。
「やぁ!」
メリエは『太刀「鬼神大王」』を振るい『薙ぎ払い』をする。
薙ぎ払いにより、薙ぎ払われていく敵。
敵は胴体を横一文字に斬られ横に二等分される。
「開始、ですね……」
共に突撃していくHollow。
「攻撃を開始します」
『デルタレイ』で攻撃する――光が其々、アーチャーへと向かっていく。
敵の胴体に当たりダメージによって倒される一体。
もう一匹は頭部へと光がぶつかり頭を吹き飛ばされる。
「逃がしません」
皆と共に吶喊した月架は集落へ突入した。
『リボルバー「ヴァールハイト」』でファイターとアーチャーを狙って射撃する。
銃撃の弾がファイターの額に当たり一撃で絶命させた。
アーチャーを狙った銃弾は胸部へと着弾して倒した。
一方、吶喊と共に射撃攻撃を行うハンターもいた。
「見張りや警備を排除していきましょう」
クオンは進撃しながら『リュミエールボウ』で見張りや警備についていそうな敵へ放った矢は敵の頭部へ刺さり即座に絶命させる。
騎乗したハンター達が集落へと突入していく。
「敵の動きはどう――」
『魔術紋章盾』を構えて矢を防ぎながら『魔導短伝話』と『トランシーバー』で連絡を取り合うエリス。
先行している味方や観測している味方からの情報をやりとりしながら『鋭敏視覚』で周囲を警戒ながら進む。
さて、騎馬やバイクが突っ込み、徒歩のハンター達が進撃している中でそれを観測しているハンターが居た。
「敵は混乱して逃亡しつつあります――」
見晴らしのいい場所を確保して『ジェットブーツ』でジャンプして『鋭敏視覚』と『立体感覚』を補助に『双眼鏡』を使って観測しているのは初月 賢四郎(ka1046)だ。
「潜伏している敵は特に無いようですが気をつけて下さい――」
高所からの観測はハンター達にアドバンテージを与える。
物陰からの反撃など気づきにくい場所からの攻撃などを看過できるからだ。
● 混戦
集落にバイクと騎馬のハンター達以外に徒歩のハンター達も合流した。
乗車・騎乗しているハンター達は機動力を活かして集落内で暴れまわっている。
チュー族は逆サイドから逃走の阻止とハンター達の撃ち漏らしに対処している。
「早い所、敵主力を倒しましょう」
クオンは『デルタレイ』をゴブリン達へ向けて放つ――放たれた光が敵を襲う。
アーチャー向かった光は上半身に当たった衝撃で倒れた。
逃げる敵へ光が襲い、その逃げる脚を吹き飛ばして転倒させた。
「逃がしませんよ」
戦馬で駆ける月架はすれ違う敵に対して『絡繰刀「一文字」』で斬りつける。
刀の刃が一瞬光り、首を刎ねられるアーチャー。
ファイターやアーチャーのゴブリンを優先して攻撃を仕掛ける。
刀と共に拳銃を使って銃撃をする。
銃撃した弾丸がファイターの頭部を捉え即死させる。
「セイッ!」
『悪鬼羅刹』――ただ目の前の敵を切ることに意識して斬撃を行い、月架の瞳は更に紅くなる。
斬撃によって斬り伏せられる敵。
「弱いとはいえども油断は禁物だな」
リカルドはバイクから降りて、『試作振動刀「オートMURAMASA」』と『日本刀「骨喰」』を構えて辺りの敵を切り払っていく。
腕を切り払われ、袈裟斬りにされて内臓をぶちまける敵。
「倒す分には楽でいいんだが、後の整備が大変だな。コレ返り血が多いからな」
囲まれれば、『薙ぎ払い』でなぎ払う――胴体を、首を薙ぎ払う斬撃で斬り飛ばされる。
「逃しはしませんよ」
守原はバイクで蛇行しながら接近して『日本刀「景幸」』で斬りつける。
背中から袈裟斬りされて出血しながら倒れこむゴブリン。
「これからの戦いに備えチュー族には戦い方を覚えてもらわなきゃ。命大事にね」
エリスはチュー族とともに戦っている。
『デルタレイ』を放って攻撃――光が敵に向かう。
チュー族を襲おうとしたファイターの側頭部に到達して頭部を吹き飛ばす。
逃げようとするゴブリンの脚へ当たりはじけ飛ぶ。
「敵は――」
初月は戦闘の推移を冷静に観測しながら味方に伝える。
敵の主力であるゴブリンファイター・アーチャーがハンター達によって掃討されていく。
● 包囲・殲滅戦
主力とも言いえるゴブリンファイター・アーチャーが掃討され、残ったただのゴブリンの掃討が始まる。
包囲する形で陣形を組み直すハンター達や逆サイドへ移動するハンターもいた。
チュー族と合流したクオンは逃げる敵に対して『ファイアスローワー』を放つ。
扇状に広がる炎が辺りの敵を焼く。
範囲にいた敵は炎の力を持った破壊エネルギーによってダメージを受ける。
移動しながら敵を探索して掃討を続ける。
「本隊と反対側に移動して、今、います――」
月架はチュー族とともに本隊の反対側位に位置して逃げてくる敵を攻撃している。
馬上から刀を振りかざして敵を切り伏せる。
背中から斬撃を受けた敵は流血しながら転倒して倒される。
「生活圏が競合して、共存できないのなら、どちらかが消えねばならない。お互い分かっていた事だろう?」
そう言いながら馬上で太刀を振りかざして敵を叩き切るメリエ。
振りかざした太刀によって真っ二つに斬られる敵。
「互いがやりあっていた事だ。正義も悪もない。これは生存競争なのだからな!」
そう言いながら敵を屠っていくメリエ。
「皆のためにも容赦しないよ」
『ファイアスローワー』を逃げ惑う敵へ放つエリス。
逃げる敵の背に炎が当る――ダメージを受けてそのまま前のめりに倒れる。
「……恨んで貰っても構いません。任された以上、わたしはその任を全うするだけです」
Hollowも逃げる敵に対して『ファイアスローワー』を放つ。
容赦なく炎が逃げる敵へ襲いかかり――敵はそのまま倒されて倒れこむ。
「――掃討は順調です。逃した敵もいません」
初月は倒されていく敵を、逃げる方向を確認して味方に連絡を入れている。
こうして、観測と連絡体制が功を奏し漏れ落ちなく全ての敵の殲滅・掃討を行うことが出来た。
● 戦いの先に――
戦闘は終わった。
戦場の後片付けを行うハンター達とチュー族。
「……向こうからしてみれば人間は侵略者でしょうが……逆にやらなければやられるのも自分達です……」
作業しながらチュー族やリーナにそう話すのはクオンだ。
「そう、ですね」
やらなければやられる――辺境はそういう土地だリーナも理解している。
「コレは職業殺人者してのアドバイスだが、部族を背負い仲間を護るなら、罪を背負う覚悟と殺す覚悟と殺される覚悟をしろ、この3つさえ頭にとどめておけば、ある程度は耐えられる、逃げるのはあまり進められない」
リーナの側にやってきたリカルドは落ち込んでいたリーナに言う。
「覚悟……」
リカルドはリーナに覚悟を持つように言う――リーナはその言葉についてなにか考えている。
「皆の無事や、遺恨の事を考えましたね? それは『怖さを解る強さ』です」
「強さ……」
リカルドの言葉に考えていたリーナに話しかける守原。
「うちを強いと思うならそれは『捨置けば確実に起こる怖いこと』を無視し誰かが傷つく事が怖いから。ロッソ時代多くの人を零したからね……」
「……」
言葉を続ける守原。
「勇気って何度も鍛え直した刀みたいなもんだと思います。ゆっくりでも折れても鍛え直せばいい」
「鍛え直す……」
守原の言葉を反芻するリーナ。
「本当に心折れたなら命令でも来ません。怖がる自分も大事に見つめてあげて貰えませんか?」
「怖がる自分……」
守原の言葉に考える様子のリーナ……覚悟めいたものを感じる。
「以上が今回の交戦記録です。負傷・損害・損耗率…数字で見ればこうですが現実と受ける感覚は別物でしょう」
「……はい」
一人になったリーナに戦闘報告にやってきた初月――リーナは報告と現実の間隔の違いに気づいていた。
「対人戦に対する忌避感、それがあるのは普通ですよ。ただ、貴女が割り切らずに戦場に立てば被害の数字はその奥の現実は増えるでしょう。どう割り切るかの答えは自分には出せませんが」
「割り切る……」
初月の言葉に考えこむリーナ。
「自分ですか? 必要だから。それ以上でも以下でもないですね。割り切らず戦場に立たずとも減らす術はあります――」
過去の経験を語る初月。
「もし必要があれば言って下さい。依頼以外でもバーターで協力しますよ。ちなみに未だフリーですから」
「その時は……お願いします」
そう言うとリーナのもとから離れる初月。
「……わたしから言える事など多くありませんが、一度戦場に立ったら、お互いが仲間の命を握り合っているんです。その事だけは忘れないで頂きたいと思います」
Hollowがやってきてリーナに話しかける。
「お互いが……」
言葉を飲み込み何かを考える様子のリーナ。
皆からの言葉にリーナは考える。
「怖がってばかりじゃダメだ……」
リーナは怖がることをやめる決意をした。
荒療法とハンター達の言葉によりリーナはトラウマを克服出来た。
少女とトラウマ 完
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トラウマ克服大作戦 エリス・ブーリャ(ka3419) エルフ|17才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/08/19 01:13:50 |
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リーナに聞いてみよう(Q&A) エリス・ブーリャ(ka3419) エルフ|17才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/08/16 18:19:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/15 18:25:58 |