ゲスト
(ka0000)
街角メルヘン~パルムハウス
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/08/25 07:30
- 完成日
- 2015/09/07 20:33
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●Pクレープにて
「私、本当はこういうことしたかったのかもっ!」
ここは同盟領の都市、ヴァリオスの一角。
街の通りにあるクレープ屋台「Pクレープ」で新人ハンターの南那初華(kz0135)が、両脇をしめながら拳を胸の前でぎゅっと握りしめ喜んでいます。すでにエプロン姿もこなれたものですね。
「こういうことって?」
聞いたのは初華り横にいる、太っちょの青年です。
積荷を下ろしている姿から、どうやらPクレープへ材料を卸している商人さんのようですね。
「あのね、ポルテさん。私って、こっちに来るまではお好み焼き屋でバイトしてたの。それも楽しかったけど、やっぱり甘いものの店の方が好きだったんだな~、って」
どうやら初華、甘い物好きのようです。
「リアルブルーにクレープ屋はなかったの?」
業者のポルテ・ポルカさん、素朴な疑問を投げかけます。
「私の住んでた近くにはなかったなぁ。……それより今はクレープに夢中。だって、みんなのおかげでこんなにメニューが増えたし!」
「うん。保存の利くものだから利益も出しやすいし、いいんじゃないかな。……もともとここって、あまり儲からないから」
「ほへ?」
「あ。エルさん言ってなかった? この屋台って、ポルカ商会のステイタスのためにやってるって」
どうやらこのクレープ屋台、主に田舎で取引するポルカ商会の箔付けの意味合いもあったようです。小さな業者さんで、ポルテさんはその息子さんだとか。
「ここ、ヴァリオスの街は商売が盛んだけど、その分競争が激しくて後発で店を出すなんて結構難しいんだよ。『ヴァリオスの店に商品を卸している』って田舎で言えば、それは羨望の眼差しで見てもらえるんだ」
「ほへぇ~。本業の取引のため、利益が出なくてもこの屋台は持っておきたいのね」
「うん。だから、初華さんたちが店長として続けてくれて助かるんだよ」
もっとも、赤字続きだと撤退するけどね、とも。
「あの……やってます?」
ここでお客様がやってきました。
「はい、いらっしゃいませ。Pクレープへようこそ♪」
初華の笑顔で今日もPクレープ、開店です。
●パルムハウス
そんな初華も、毎日屋台に立つわけではありません。
「ふんふん♪」
今日はポルテに借りた自転車で街をサイクリングです。いろんなところに行って、街をもっと好きになりたいって思っているようですが……勢い余って住宅街の外れまで来たようです。
「ほへ?」
ききっ、と止まったのは、それまでと変わった光景を目にしたから。
低い塀の向こうでは、一人のおじいさんが角材をのこぎりで切っているではありませんか。
やがて、鉋を取り出し削ります。
「ほへぇ~」
初華が目を奪われたのは、最初は周りにある家具でした。前にいた世界では西洋アンティークと呼ばれた雰囲気のある家具です。
が、今はおじいさんの手つきに注目していますね。
「ん?」
ここで家具職人の大工さん、初華に気付いて睨みます。
「すっごい。こっちでは押すんだ~」
「……何を言ってるんだ、あんたは」
この一言がきっかけで、庭に呼ばれた初華です。
「……へえ。のこぎりや鉋を『引く』って文化があるんかい」
「はい。私、こっちに来たばかりで見るものすべてが珍しくて。……あ、でもこういった家具は見たことあります。とっても素敵ですよね~」
紅茶をごちそうになった初華、怖そうな家具職人にそういったところ、気に入られました。
「まあ、おじいさんの仕事が分かるなんて、若いのに素敵な娘さんね」
「使い込めば使い込むほど、素敵になりますよね~」
おばあさんから茶請けをいただき、そんな会話も。職人気質のおじいさんはさらに初華を気に入った様子です。
ただ、最近は仕事が減ったようです。安価な家具が流通しだして、昔気質の高額な家具は人気が落ちているようですね。さらに、耐久性がいいから数が売れない、というのも原因にあるようで。
そんな会話をしている時でした。
「あっ。パルム~」
塀の外から近所の女の子が指を差します。
見ると、妖精のパルムが数体集まって家具に腰掛けているではありませんか。
「いいなぁ。ここってパルムがたくさん集まって……」
「いらっしゃいな。お茶を一緒にどうぞ」
そんな女の子を、おばあさんは誘います。
「んあっ! そうだ」
ここで初華、ひらめきました。
「パルムのおうちを作って売れば、富裕層に受けるんじゃないかしらっ!」
どうやら、リアルブルーのなんちゃらハウスが頭に浮かんだようですね。
おじいさん、初華の事は気に入ってます。木工の心得があると見抜いているのもその理由です。
「ん、好きにやってみるといい」
というわけで、パルムちゃんハウスを作ってくれる人、求ム。
「私、本当はこういうことしたかったのかもっ!」
ここは同盟領の都市、ヴァリオスの一角。
街の通りにあるクレープ屋台「Pクレープ」で新人ハンターの南那初華(kz0135)が、両脇をしめながら拳を胸の前でぎゅっと握りしめ喜んでいます。すでにエプロン姿もこなれたものですね。
「こういうことって?」
聞いたのは初華り横にいる、太っちょの青年です。
積荷を下ろしている姿から、どうやらPクレープへ材料を卸している商人さんのようですね。
「あのね、ポルテさん。私って、こっちに来るまではお好み焼き屋でバイトしてたの。それも楽しかったけど、やっぱり甘いものの店の方が好きだったんだな~、って」
どうやら初華、甘い物好きのようです。
「リアルブルーにクレープ屋はなかったの?」
業者のポルテ・ポルカさん、素朴な疑問を投げかけます。
「私の住んでた近くにはなかったなぁ。……それより今はクレープに夢中。だって、みんなのおかげでこんなにメニューが増えたし!」
「うん。保存の利くものだから利益も出しやすいし、いいんじゃないかな。……もともとここって、あまり儲からないから」
「ほへ?」
「あ。エルさん言ってなかった? この屋台って、ポルカ商会のステイタスのためにやってるって」
どうやらこのクレープ屋台、主に田舎で取引するポルカ商会の箔付けの意味合いもあったようです。小さな業者さんで、ポルテさんはその息子さんだとか。
「ここ、ヴァリオスの街は商売が盛んだけど、その分競争が激しくて後発で店を出すなんて結構難しいんだよ。『ヴァリオスの店に商品を卸している』って田舎で言えば、それは羨望の眼差しで見てもらえるんだ」
「ほへぇ~。本業の取引のため、利益が出なくてもこの屋台は持っておきたいのね」
「うん。だから、初華さんたちが店長として続けてくれて助かるんだよ」
もっとも、赤字続きだと撤退するけどね、とも。
「あの……やってます?」
ここでお客様がやってきました。
「はい、いらっしゃいませ。Pクレープへようこそ♪」
初華の笑顔で今日もPクレープ、開店です。
●パルムハウス
そんな初華も、毎日屋台に立つわけではありません。
「ふんふん♪」
今日はポルテに借りた自転車で街をサイクリングです。いろんなところに行って、街をもっと好きになりたいって思っているようですが……勢い余って住宅街の外れまで来たようです。
「ほへ?」
ききっ、と止まったのは、それまでと変わった光景を目にしたから。
低い塀の向こうでは、一人のおじいさんが角材をのこぎりで切っているではありませんか。
やがて、鉋を取り出し削ります。
「ほへぇ~」
初華が目を奪われたのは、最初は周りにある家具でした。前にいた世界では西洋アンティークと呼ばれた雰囲気のある家具です。
が、今はおじいさんの手つきに注目していますね。
「ん?」
ここで家具職人の大工さん、初華に気付いて睨みます。
「すっごい。こっちでは押すんだ~」
「……何を言ってるんだ、あんたは」
この一言がきっかけで、庭に呼ばれた初華です。
「……へえ。のこぎりや鉋を『引く』って文化があるんかい」
「はい。私、こっちに来たばかりで見るものすべてが珍しくて。……あ、でもこういった家具は見たことあります。とっても素敵ですよね~」
紅茶をごちそうになった初華、怖そうな家具職人にそういったところ、気に入られました。
「まあ、おじいさんの仕事が分かるなんて、若いのに素敵な娘さんね」
「使い込めば使い込むほど、素敵になりますよね~」
おばあさんから茶請けをいただき、そんな会話も。職人気質のおじいさんはさらに初華を気に入った様子です。
ただ、最近は仕事が減ったようです。安価な家具が流通しだして、昔気質の高額な家具は人気が落ちているようですね。さらに、耐久性がいいから数が売れない、というのも原因にあるようで。
そんな会話をしている時でした。
「あっ。パルム~」
塀の外から近所の女の子が指を差します。
見ると、妖精のパルムが数体集まって家具に腰掛けているではありませんか。
「いいなぁ。ここってパルムがたくさん集まって……」
「いらっしゃいな。お茶を一緒にどうぞ」
そんな女の子を、おばあさんは誘います。
「んあっ! そうだ」
ここで初華、ひらめきました。
「パルムのおうちを作って売れば、富裕層に受けるんじゃないかしらっ!」
どうやら、リアルブルーのなんちゃらハウスが頭に浮かんだようですね。
おじいさん、初華の事は気に入ってます。木工の心得があると見抜いているのもその理由です。
「ん、好きにやってみるといい」
というわけで、パルムちゃんハウスを作ってくれる人、求ム。
リプレイ本文
●
「きゃん!」
どしーん、と南那初華(kz0135)が尻餅をついています。どうやらその辺の大工道具に躓いてこけたようですね。
「道具は使えるみたいじゃがまだまだじゃの」
大工のおじいさん、下準備作業の手を止め初華に手袋を渡しました。せめて怪我しないように、ということでしょう。
「……」
無言でこの様子を見ていたのは、狐中・小鳥(ka5484)です。
ほい、とおじいさんが配ると我に返りましたよ。
「はっ……パルムも一緒だしきっと大丈夫!」
小鳥、深めのスリットの入ったチャイナドレス姿ですらっと立っています。これで、日曜大工するのですが……本当に大丈夫なのでしょうか。連れているペットのパルムが小鳥の顔を覗き込みました。
「……た、多分」
くねり、と太腿を閉じながら赤くなったり。
一方、初華。
「南那さん、大丈夫です?」
ソフィ・アナセン(ka0556)から差し出された手を握り、立ち上がりました。ソフィの傍にはパルムの「メリー」も浮かんで心配そうです。
「ありがとう、ソフィさん。メリーちゃんも」
初華の言葉を聞き、ソフィはクールな表情を崩して、にま~。メリーが名前を覚えてもらい呼んでもらったことできゃっきゃ喜んだのが目に入ったようですね。
それはそれとして。
「……」
ソフィや初華をじっと見ている女性がいます。
赤い髪を三つ編みにしたノアール=プレアール(ka1623)です。
「ほへ?」
「そういえば私の連れているパルムちゃんに愛称をつけていなかったかしら?」
真世の視線に気付き、連れてきたペットのパルムを見るノアール。うーんと考え始めましたよ?
その様子を真世とソフィ、そしてノアールのパルムがドキドキしなから見詰めていますが……。
「うぅん、パルちゃん、じゃダメ?」
主人の言葉を聞き、ぱああっと明るい表情をするパルムです。ソフィと真世もにこーっ、と和んでいますね。
さて、おじいさん。
「ほい、あんたも」
次におじいさんが手袋を渡したのは、チョココ(ka2449)です。
「パルムがたくさんですのー♪ パルパルにお友達が出来るといいな~ですの」
チョココ、受け取った手袋を両手で胸の前でぎゅってして、きゅーんと伸び上ります。
彼女の頭の上でもパルムの「パルパル」がチョココと一緒のポーズで、きゅーん。
「そういえば、パルパルに合うサイズはないのぅ」
おじいさん、主人と一緒の行動をするパルパルを気に入ったようです。特に、ここに来たばかりの時に「はじめまして、ごきげんようですわ」と礼儀正しく可愛らしく、パルパルと一緒に挨拶したのが好印象だったようですね。
「大丈夫ですわ。パルパルには、パルパルにできることを手伝ってもらいますの」
チョココはそう言って、まずは持参したベルなどの小物を用意するのでした。
とにかく、そんな感じで各自作業にいそしむことに……。
「すまない、ちょっといいか?」
庭のテーブルで何やら書面を囲んでいたザレム・アズール(ka0878)が軽く手を挙げていますね。集合のようです。
その横にはヒスイ・グリーンリバー(ka0913)がいます。ペットのパルム「パルちゃん」とともに図面を見てますね。
「お人形さんのお家なパルムのお家ですかぁ……住んでみたい、パルちゃん?」
ヒスイ、柔らかく会釈をするようにパルちゃんを覗き込みます。
これにパルちゃん、口元に拳を当ててヒスイの方をちらちら見つつもじもじ。
どうやら期待しているようです。
「うん、分かった」
にっこりと頬を緩めて頷くヒスイなのです。
そんなやり取りの横で、ザレムはやって来た真世、ソフィ、ノアール、チョココ、小鳥に説明してます。
「図面にちょっと変更を加えたいんだ」
ザレム、赤鉛筆を持って何やら書き入れましたよ。
「んあっ。おっきくした!」
「天井は高めに。……パルムたちが飛び跳ねられるようにさ」
驚いた初華にそう説明します。横ではザレムのパルム、「パルタ」と「パルパル」が浮かんだまま飛び跳ねてご主人の言葉に喜んでますね。
「ええと……パルムが50センチだから、天井の高さは75~80位かな? 天井の高さは成人身長の五割増し程度とかお母さんが言ってた記憶が」
ヒスイが口元に人差し指を当ててそんなことを。
「相当おっきくなるんじゃない?」
「思い切って床は厚く丈夫がよいかな? 家具を色々置いたりパルムが数体一緒の部屋にいても良いように」
心配そうな初華をよそに続けるヒスイ。ザレムの意向も汲んでいますね。
「重く大きくなっても継ぎ手の形を工夫し、組み立て方式で作れば持ち運べる。壊れた時の修理もたやすい」
ザレム、そこまで考えていました。
「ふむ。パルムが遊ぶなら重量があった方が安定するの」
このアイデアに家具職人のおじいさんも唸っていますね。
「奥行きあった方が良いかな? 書棚くらいに」
「だな」
これでヒスイとザレム、安心してどんどんアレンジ。
「大変ね。でも、研究のためなら頑張っちゃうわ……っと、これは観賞用になるんだったわ」
そんな様子を見つつノアールはゲフンゲフンしてたり。
「パルムが実際に調理できる台所があればいいと思うんだよっ」
小鳥も身を乗り出してきました。パルムも真似して身を乗り出してますね。
「キッチンと寝室、あと欲を言うならリビングは欲しいです」
負けじとソフィも身を乗り出して来たり。
「じゃ、一階にキッチンとリビング、二階にベッドルームと遊び場?」
「玄関に靴箱、お風呂、おトイレ、台所に食器棚と……」
ザレムとヒスイがきゅきゅきゅと図面に皆の意見と自分の望みを書き込んでいきます。
「玄関ならお任せですわ~」
チョココもきゃいきゃい。
と、ここで。
「初めての依頼……か。しくじったなパルムがいないぞ」
黒い日傘の影が伸び、良家のお嬢様的雰囲気を纏ったベリャコフ・ヴェロニーカ(ka5493)の登場です。
で、おもむろに図面をのぞき込みましたよ。
「……キッチンやダイニングテーブル、か。料理や紅茶が楽しめそうだな」
うんうん、と頷いたところでみんなのパルムたちが注目しているのに気付きました。
ベリャコフ、ちら、とその様子を見て金言を授けるように言い放ちます。
「豪邸といえば庭を見渡すベランダ。そこで飲むお茶は美味しいだろう」
美味しいだろう…。
美味しいだろう……。
パルムたちは一斉にうっとりしました。脳裏にはベリャコフの言葉が繰り返し響いているようですね。
「それじゃ、早速取り掛かりますのよ~」
チョココの言葉に皆が頷き、作業開始です。
●
「ヒスイ、初華、そっちはどうだ?」
のこぎりを手に大きな板を切り分けていたザレムが振り返ります。
「箱、じゃなくて家の外観はこれで大丈夫かな?」
「うん。これならうまく組み合わさるよ、ザレムさん」
切り出した板で外観など仮組みしていたヒスイと初華が頷きます。
どうやら日曜大工の得意な三人で大まかなところを一気にやってしまったようです。
別の場所では。
「本当に料理するのは難しいかもですけど、形だけならなんとかならないかな?」
小鳥が台所の床板の上にテーブルなどを設置してますね。
「何か特徴、と言うことで実際に調理ができるのがいいだろう……パルムは調理ができるのだろうか?」
そこへ、ベリャコフが小さな煉瓦を持ってきました。そして飲料水用タンクも。えらく本格的です。
「ベリャコフさ~ん。あたし、チーズやナッツを持ってきたから後で試してみましょう~」
ベリャコフの疑問に、遠くヒスイが声を掛けます。
「だったらお皿がいりますね。食器棚には折角なので基本的なカトラリーは入れたいですけど……」
ソフィ、本格的な流れを加速させます。
が、さすがに小さなお皿などはすぐには用意できません。
「この厚紙なんかいかがかしら?」
そこに、おばあさんがやって来て家の中から白くて丸い厚紙を束ねて持ってきてくれました。
おお、と瞳を輝かすソフィです。
「メリー。この皿、どうだろう?」
早速自分のパルムを呼んで皿を持ってもらいます。
メリー、普段の主人の真似をしてきゅきゅっと皿を拭く仕草をします。そして覗き込むソフィを見上げ、にこ~。
「ああ……人間の真似をするパルム……おままごとみたいでとっても可愛いですよね…はぁ…たまりません」
ソフィは恥じ入るように、染めた頬を両手で隠すようにきゅ~んとなるのです。
そしてこちらでも。
「壁紙やカーテンの布なんか、できるだけ可愛らしいのを選んでおきたいわねー。パルちゃんに選ばせてみるのも面白いかもしれないわね」
ノアールに呼ばれたパルちゃん、落ち着いたベージュと爽やかなライトブルーの壁紙を持つ主人の前でうーんうーんと悩んでいます。その様子を興味深そうに見詰めるノアール。学術的興味のほか、やっぱり可愛い様子に見とれているようで。
「わたくしは窓を作りたいですわ」
チョココは格子の窓を作っています。
で、壁の窓枠に設置。ザレムの引き直した図面にぴったりです。
おや、早速チョココの作業を見守っていたパルパルが窓際に降り立ちましたね。
きいこ、と窓を開けて両肘をついてルンルン♪
「パルパル、可愛いですわ~♪」
喜んだチョココ、今度は玄関や玄関扉を工夫します。
おや、持ち込んだベルはここに使うようです。
これを見たパルパル、一階にふわっと移動し外からの来訪客を演じます。
――からんから~ん。
紐を揺らしてベルを鳴らすと……。
「メリー…もうたまりません…!」
何と、メリーが反応し玄関扉を開きましたよ。いらっしゃいませ、とお辞儀もします。ソフィはこの様子に悶絶してますね。
「布を張って、あと、布団には綿をいれて……おっと、ソファーは革張りにしようか」
ザレムの方はえらく凝り始めましたね。
「ベッドにふわふわマットレス、上は今の時期は薄い掛け布団でよいかな」
ヒスイはベッドメイクに熱心です。
「布団にはふかふかの羽をふんわり入れて柔らかさキープ。枕も作っておきましょっ、と」
おやおや、ノアールもかなり本格的ですね。
「掃除道具、掃除道具……」
おっと、小鳥は小道具に凝り始めました。小枝を柄にして小さな箒作り。細かな作業に熱中してます。小鳥のパルムも期待に目を輝かせながらその様子を見ています。
そんなパルムの後から、ふわっと布がかけられました。
振り返ると、ヒスイでした。
「三角巾、付けて欲しい、かな」
にこ、と笑むヒスイにきゃっきゃ喜ぶパルムです。
「ヒスイ、ありが……わっ!」
お礼を言う小鳥でしたが、この時初めて気付いたのです。
何と、野良パルムがいつの間にか周りにいるではありませんか。
わらわらと。
きゃいきゃいと。
「リビング、大きめに作っておいて良かったわね~」
ノアール、パルムたちの遊んでいる姿を目の当たりにしてメモに夢中です。……が、パルちゃんがふかふかベッドで遊んでいるのを見て「やっぱりベッドで跳ねるのがお気に入りみたい」とかぽそり。自宅でもやってるようですね。
「おうちで遊ぶたくさんのパルム…もうたまりません…!」
ソフィはこの様子が可愛くて可愛くて抱きしめたいくらいでしたが、実際に抱きしめるわけにはいかないので自分で自分の体をんきゅ~と抱きしめうっとり。
「さ、あなたも遊んで来るんだよー。自分の家にいるつもりでいいからね?」
小鳥も自分のパルムに、皆の輪に入るように促します。「……あ、それだと遊びじゃなくなりそうだね」とか呟いた時はすでに遅し。早速、野良パルムの数だけ皿を出し、ヒスイの持ってきたナッツなどを炒る真似をしたり取り分けたりしています。
おや。
ちら、とザレムの方を見ましたよ?
「パルタ、パルパル。行っておいで。……帰ったら家具だけでも作ってやるからな」
お呼ばれと見て自分のパルムに声を掛けます。パルタとパルパル、喜んで小鳥のパルムの所へ。すでにチョココのパルパルもソフィのメリーと一緒に席について、パルタとパルパルに手招きしてますね。
それに野良パルムもたくさん寄ってきます。
「ちょうど小さな器はたくさんありますよ」
おばあさん、今度は小さなカップを持ってきました。早速、小鳥のパルムやエプロンを着けたソフィのパルちゃん、ベッドルームから階段を伝って降りてきたノアールのパルちゃん、すっかりみんなと仲良くなっているパルパルが手分けしてジュースを汲み分けます。メリーは主人の真似をしてみんなの様子にうっとり。
で、やって来た野良パルムたちに配るのでした。
もうすっかりこのパルムハウスの住人ですね。来訪したパルムをもてなすようです。
それはそれとして。
「はっ。こうしてはいられません、ですわ」
にこにこしていたチョココが、突然何かを思い出したようです。ばびゅーんと大工の屋敷の方へ消えました。
「パルムもやっぱり個性があるんだね。こうしていると人間と同じように思えてきたりして」
「そうね、小鳥君。私たちもお茶しながら交流したりするしね」
小鳥の言葉に頷くノアールです。
「はい、皆さん。お茶が入りましたよ」
同時に、おばあさんがお茶を用意してくれたようです。
こうして、人もパルムたちもゆったりと午後のお茶会。パルムたちは飲食の必要はないですが、いつも主人たちのしているように食べて飲んでゆったりする楽しみを模倣し満足しています。
「ただいまですわっ」
ここでチョココが戻ってきました。
何と、大きな笠のついた手足がにょっと出るパルム着ぐるみ姿ではないですか。
どうやらパルムになりきって、皆に楽しんでもらうようです。
「くるくるくるりんぱ~るぱる♪」
そしてふわふわくるりん☆と踊るのです。
「あの、チョココさん?」
「ぱるぱるぱる~パルムの舞♪」
初華の掛けた声を待っていたようで、優雅にダンスしながら説明するチョココなのです。
「あなた、にぎやかになりましたね」
「いつ以来かの。ハウスもこれなら売れそうだ」
大工の老夫妻が頷き合ったところで、すっとベリャコフが立ち上がりました。
「あとは塗装だが……」
それだけ言ってつかつかとハウスの外観側へと回り込むのです。
「外観は白いお屋敷風が相応しいんじゃないだろうか? 『白いお屋敷のパルムハウス、売りは実際に調理ができる』だ」
白いお屋敷…。
白いお屋敷……。
これを聞いたパルムたちは一斉にうっとりで以下略。
「そうそう。外観だが」
ここでザレム、あらかじめ用意していた何かを屋根から壁の部分に取り付けましたよ。
「あっ!」
それが何か気付き、全員が一斉に声を上げました。
そして我先にとパルムたちが寄り付くのです。
「滑り台、だ」
にやり、とザレム。パルムたちは順番に滑って、ふわっと浮いて着地したり一回転したり大はしゃぎなのです。
こうして、老夫婦の庭は夕暮れまでにぎやかでした。
「きゃん!」
どしーん、と南那初華(kz0135)が尻餅をついています。どうやらその辺の大工道具に躓いてこけたようですね。
「道具は使えるみたいじゃがまだまだじゃの」
大工のおじいさん、下準備作業の手を止め初華に手袋を渡しました。せめて怪我しないように、ということでしょう。
「……」
無言でこの様子を見ていたのは、狐中・小鳥(ka5484)です。
ほい、とおじいさんが配ると我に返りましたよ。
「はっ……パルムも一緒だしきっと大丈夫!」
小鳥、深めのスリットの入ったチャイナドレス姿ですらっと立っています。これで、日曜大工するのですが……本当に大丈夫なのでしょうか。連れているペットのパルムが小鳥の顔を覗き込みました。
「……た、多分」
くねり、と太腿を閉じながら赤くなったり。
一方、初華。
「南那さん、大丈夫です?」
ソフィ・アナセン(ka0556)から差し出された手を握り、立ち上がりました。ソフィの傍にはパルムの「メリー」も浮かんで心配そうです。
「ありがとう、ソフィさん。メリーちゃんも」
初華の言葉を聞き、ソフィはクールな表情を崩して、にま~。メリーが名前を覚えてもらい呼んでもらったことできゃっきゃ喜んだのが目に入ったようですね。
それはそれとして。
「……」
ソフィや初華をじっと見ている女性がいます。
赤い髪を三つ編みにしたノアール=プレアール(ka1623)です。
「ほへ?」
「そういえば私の連れているパルムちゃんに愛称をつけていなかったかしら?」
真世の視線に気付き、連れてきたペットのパルムを見るノアール。うーんと考え始めましたよ?
その様子を真世とソフィ、そしてノアールのパルムがドキドキしなから見詰めていますが……。
「うぅん、パルちゃん、じゃダメ?」
主人の言葉を聞き、ぱああっと明るい表情をするパルムです。ソフィと真世もにこーっ、と和んでいますね。
さて、おじいさん。
「ほい、あんたも」
次におじいさんが手袋を渡したのは、チョココ(ka2449)です。
「パルムがたくさんですのー♪ パルパルにお友達が出来るといいな~ですの」
チョココ、受け取った手袋を両手で胸の前でぎゅってして、きゅーんと伸び上ります。
彼女の頭の上でもパルムの「パルパル」がチョココと一緒のポーズで、きゅーん。
「そういえば、パルパルに合うサイズはないのぅ」
おじいさん、主人と一緒の行動をするパルパルを気に入ったようです。特に、ここに来たばかりの時に「はじめまして、ごきげんようですわ」と礼儀正しく可愛らしく、パルパルと一緒に挨拶したのが好印象だったようですね。
「大丈夫ですわ。パルパルには、パルパルにできることを手伝ってもらいますの」
チョココはそう言って、まずは持参したベルなどの小物を用意するのでした。
とにかく、そんな感じで各自作業にいそしむことに……。
「すまない、ちょっといいか?」
庭のテーブルで何やら書面を囲んでいたザレム・アズール(ka0878)が軽く手を挙げていますね。集合のようです。
その横にはヒスイ・グリーンリバー(ka0913)がいます。ペットのパルム「パルちゃん」とともに図面を見てますね。
「お人形さんのお家なパルムのお家ですかぁ……住んでみたい、パルちゃん?」
ヒスイ、柔らかく会釈をするようにパルちゃんを覗き込みます。
これにパルちゃん、口元に拳を当ててヒスイの方をちらちら見つつもじもじ。
どうやら期待しているようです。
「うん、分かった」
にっこりと頬を緩めて頷くヒスイなのです。
そんなやり取りの横で、ザレムはやって来た真世、ソフィ、ノアール、チョココ、小鳥に説明してます。
「図面にちょっと変更を加えたいんだ」
ザレム、赤鉛筆を持って何やら書き入れましたよ。
「んあっ。おっきくした!」
「天井は高めに。……パルムたちが飛び跳ねられるようにさ」
驚いた初華にそう説明します。横ではザレムのパルム、「パルタ」と「パルパル」が浮かんだまま飛び跳ねてご主人の言葉に喜んでますね。
「ええと……パルムが50センチだから、天井の高さは75~80位かな? 天井の高さは成人身長の五割増し程度とかお母さんが言ってた記憶が」
ヒスイが口元に人差し指を当ててそんなことを。
「相当おっきくなるんじゃない?」
「思い切って床は厚く丈夫がよいかな? 家具を色々置いたりパルムが数体一緒の部屋にいても良いように」
心配そうな初華をよそに続けるヒスイ。ザレムの意向も汲んでいますね。
「重く大きくなっても継ぎ手の形を工夫し、組み立て方式で作れば持ち運べる。壊れた時の修理もたやすい」
ザレム、そこまで考えていました。
「ふむ。パルムが遊ぶなら重量があった方が安定するの」
このアイデアに家具職人のおじいさんも唸っていますね。
「奥行きあった方が良いかな? 書棚くらいに」
「だな」
これでヒスイとザレム、安心してどんどんアレンジ。
「大変ね。でも、研究のためなら頑張っちゃうわ……っと、これは観賞用になるんだったわ」
そんな様子を見つつノアールはゲフンゲフンしてたり。
「パルムが実際に調理できる台所があればいいと思うんだよっ」
小鳥も身を乗り出してきました。パルムも真似して身を乗り出してますね。
「キッチンと寝室、あと欲を言うならリビングは欲しいです」
負けじとソフィも身を乗り出して来たり。
「じゃ、一階にキッチンとリビング、二階にベッドルームと遊び場?」
「玄関に靴箱、お風呂、おトイレ、台所に食器棚と……」
ザレムとヒスイがきゅきゅきゅと図面に皆の意見と自分の望みを書き込んでいきます。
「玄関ならお任せですわ~」
チョココもきゃいきゃい。
と、ここで。
「初めての依頼……か。しくじったなパルムがいないぞ」
黒い日傘の影が伸び、良家のお嬢様的雰囲気を纏ったベリャコフ・ヴェロニーカ(ka5493)の登場です。
で、おもむろに図面をのぞき込みましたよ。
「……キッチンやダイニングテーブル、か。料理や紅茶が楽しめそうだな」
うんうん、と頷いたところでみんなのパルムたちが注目しているのに気付きました。
ベリャコフ、ちら、とその様子を見て金言を授けるように言い放ちます。
「豪邸といえば庭を見渡すベランダ。そこで飲むお茶は美味しいだろう」
美味しいだろう…。
美味しいだろう……。
パルムたちは一斉にうっとりしました。脳裏にはベリャコフの言葉が繰り返し響いているようですね。
「それじゃ、早速取り掛かりますのよ~」
チョココの言葉に皆が頷き、作業開始です。
●
「ヒスイ、初華、そっちはどうだ?」
のこぎりを手に大きな板を切り分けていたザレムが振り返ります。
「箱、じゃなくて家の外観はこれで大丈夫かな?」
「うん。これならうまく組み合わさるよ、ザレムさん」
切り出した板で外観など仮組みしていたヒスイと初華が頷きます。
どうやら日曜大工の得意な三人で大まかなところを一気にやってしまったようです。
別の場所では。
「本当に料理するのは難しいかもですけど、形だけならなんとかならないかな?」
小鳥が台所の床板の上にテーブルなどを設置してますね。
「何か特徴、と言うことで実際に調理ができるのがいいだろう……パルムは調理ができるのだろうか?」
そこへ、ベリャコフが小さな煉瓦を持ってきました。そして飲料水用タンクも。えらく本格的です。
「ベリャコフさ~ん。あたし、チーズやナッツを持ってきたから後で試してみましょう~」
ベリャコフの疑問に、遠くヒスイが声を掛けます。
「だったらお皿がいりますね。食器棚には折角なので基本的なカトラリーは入れたいですけど……」
ソフィ、本格的な流れを加速させます。
が、さすがに小さなお皿などはすぐには用意できません。
「この厚紙なんかいかがかしら?」
そこに、おばあさんがやって来て家の中から白くて丸い厚紙を束ねて持ってきてくれました。
おお、と瞳を輝かすソフィです。
「メリー。この皿、どうだろう?」
早速自分のパルムを呼んで皿を持ってもらいます。
メリー、普段の主人の真似をしてきゅきゅっと皿を拭く仕草をします。そして覗き込むソフィを見上げ、にこ~。
「ああ……人間の真似をするパルム……おままごとみたいでとっても可愛いですよね…はぁ…たまりません」
ソフィは恥じ入るように、染めた頬を両手で隠すようにきゅ~んとなるのです。
そしてこちらでも。
「壁紙やカーテンの布なんか、できるだけ可愛らしいのを選んでおきたいわねー。パルちゃんに選ばせてみるのも面白いかもしれないわね」
ノアールに呼ばれたパルちゃん、落ち着いたベージュと爽やかなライトブルーの壁紙を持つ主人の前でうーんうーんと悩んでいます。その様子を興味深そうに見詰めるノアール。学術的興味のほか、やっぱり可愛い様子に見とれているようで。
「わたくしは窓を作りたいですわ」
チョココは格子の窓を作っています。
で、壁の窓枠に設置。ザレムの引き直した図面にぴったりです。
おや、早速チョココの作業を見守っていたパルパルが窓際に降り立ちましたね。
きいこ、と窓を開けて両肘をついてルンルン♪
「パルパル、可愛いですわ~♪」
喜んだチョココ、今度は玄関や玄関扉を工夫します。
おや、持ち込んだベルはここに使うようです。
これを見たパルパル、一階にふわっと移動し外からの来訪客を演じます。
――からんから~ん。
紐を揺らしてベルを鳴らすと……。
「メリー…もうたまりません…!」
何と、メリーが反応し玄関扉を開きましたよ。いらっしゃいませ、とお辞儀もします。ソフィはこの様子に悶絶してますね。
「布を張って、あと、布団には綿をいれて……おっと、ソファーは革張りにしようか」
ザレムの方はえらく凝り始めましたね。
「ベッドにふわふわマットレス、上は今の時期は薄い掛け布団でよいかな」
ヒスイはベッドメイクに熱心です。
「布団にはふかふかの羽をふんわり入れて柔らかさキープ。枕も作っておきましょっ、と」
おやおや、ノアールもかなり本格的ですね。
「掃除道具、掃除道具……」
おっと、小鳥は小道具に凝り始めました。小枝を柄にして小さな箒作り。細かな作業に熱中してます。小鳥のパルムも期待に目を輝かせながらその様子を見ています。
そんなパルムの後から、ふわっと布がかけられました。
振り返ると、ヒスイでした。
「三角巾、付けて欲しい、かな」
にこ、と笑むヒスイにきゃっきゃ喜ぶパルムです。
「ヒスイ、ありが……わっ!」
お礼を言う小鳥でしたが、この時初めて気付いたのです。
何と、野良パルムがいつの間にか周りにいるではありませんか。
わらわらと。
きゃいきゃいと。
「リビング、大きめに作っておいて良かったわね~」
ノアール、パルムたちの遊んでいる姿を目の当たりにしてメモに夢中です。……が、パルちゃんがふかふかベッドで遊んでいるのを見て「やっぱりベッドで跳ねるのがお気に入りみたい」とかぽそり。自宅でもやってるようですね。
「おうちで遊ぶたくさんのパルム…もうたまりません…!」
ソフィはこの様子が可愛くて可愛くて抱きしめたいくらいでしたが、実際に抱きしめるわけにはいかないので自分で自分の体をんきゅ~と抱きしめうっとり。
「さ、あなたも遊んで来るんだよー。自分の家にいるつもりでいいからね?」
小鳥も自分のパルムに、皆の輪に入るように促します。「……あ、それだと遊びじゃなくなりそうだね」とか呟いた時はすでに遅し。早速、野良パルムの数だけ皿を出し、ヒスイの持ってきたナッツなどを炒る真似をしたり取り分けたりしています。
おや。
ちら、とザレムの方を見ましたよ?
「パルタ、パルパル。行っておいで。……帰ったら家具だけでも作ってやるからな」
お呼ばれと見て自分のパルムに声を掛けます。パルタとパルパル、喜んで小鳥のパルムの所へ。すでにチョココのパルパルもソフィのメリーと一緒に席について、パルタとパルパルに手招きしてますね。
それに野良パルムもたくさん寄ってきます。
「ちょうど小さな器はたくさんありますよ」
おばあさん、今度は小さなカップを持ってきました。早速、小鳥のパルムやエプロンを着けたソフィのパルちゃん、ベッドルームから階段を伝って降りてきたノアールのパルちゃん、すっかりみんなと仲良くなっているパルパルが手分けしてジュースを汲み分けます。メリーは主人の真似をしてみんなの様子にうっとり。
で、やって来た野良パルムたちに配るのでした。
もうすっかりこのパルムハウスの住人ですね。来訪したパルムをもてなすようです。
それはそれとして。
「はっ。こうしてはいられません、ですわ」
にこにこしていたチョココが、突然何かを思い出したようです。ばびゅーんと大工の屋敷の方へ消えました。
「パルムもやっぱり個性があるんだね。こうしていると人間と同じように思えてきたりして」
「そうね、小鳥君。私たちもお茶しながら交流したりするしね」
小鳥の言葉に頷くノアールです。
「はい、皆さん。お茶が入りましたよ」
同時に、おばあさんがお茶を用意してくれたようです。
こうして、人もパルムたちもゆったりと午後のお茶会。パルムたちは飲食の必要はないですが、いつも主人たちのしているように食べて飲んでゆったりする楽しみを模倣し満足しています。
「ただいまですわっ」
ここでチョココが戻ってきました。
何と、大きな笠のついた手足がにょっと出るパルム着ぐるみ姿ではないですか。
どうやらパルムになりきって、皆に楽しんでもらうようです。
「くるくるくるりんぱ~るぱる♪」
そしてふわふわくるりん☆と踊るのです。
「あの、チョココさん?」
「ぱるぱるぱる~パルムの舞♪」
初華の掛けた声を待っていたようで、優雅にダンスしながら説明するチョココなのです。
「あなた、にぎやかになりましたね」
「いつ以来かの。ハウスもこれなら売れそうだ」
大工の老夫妻が頷き合ったところで、すっとベリャコフが立ち上がりました。
「あとは塗装だが……」
それだけ言ってつかつかとハウスの外観側へと回り込むのです。
「外観は白いお屋敷風が相応しいんじゃないだろうか? 『白いお屋敷のパルムハウス、売りは実際に調理ができる』だ」
白いお屋敷…。
白いお屋敷……。
これを聞いたパルムたちは一斉にうっとりで以下略。
「そうそう。外観だが」
ここでザレム、あらかじめ用意していた何かを屋根から壁の部分に取り付けましたよ。
「あっ!」
それが何か気付き、全員が一斉に声を上げました。
そして我先にとパルムたちが寄り付くのです。
「滑り台、だ」
にやり、とザレム。パルムたちは順番に滑って、ふわっと浮いて着地したり一回転したり大はしゃぎなのです。
こうして、老夫婦の庭は夕暮れまでにぎやかでした。
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相談卓 ベリャコフ・ヴェロニーカ(ka5493) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/08/25 01:50:17 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/25 05:42:39 |