夜空の大輪

マスター:天田洋介

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/08/28 12:00
完成日
2015/09/05 03:11

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 グラズヘイム王国の南部平原にある町。ここにリアルブルー出身の『嶺山武雄』三十四歳が暮らしていた。
 十年ほど前にリアルブルー日本からクリムゾンウェストのグラズヘイム王国内へと転移。途方に暮れたものの、知り合った鍛冶師に弟子入りして生活を営む。やがて現地の女性『ミーハ』と恋に落ちて家庭を作った。
 娘の『キョウミ』が七歳になったとき、ある質問をされる。
「お父さんってリアルブルーでどんなお仕事をしていたの?」
「花火師をしていたんだよ。まだひよっこだったけどね。一通りの仕事を覚えたところで、こっちに飛ばされてしまったんだけど。職人の気質が性に合っていたから鍛冶屋の仕事を選んだんだが、もしこの町に花火の仕事があったらやっていたかもな」
「そうなんだ。祭りの花火って綺麗だよね♪」
「ああ、特に夏の花火はすごくいいな」
 キョウミにはそう答えたものの、武雄は周辺の土地で打ちあげられる花火に不満を感じていた。
 花火の表現が平面なのだ。鑑賞するためには正方向、または逆方向に待機しなければならなかった。その他の角度からだと歪な形にしか見えない。また決められた位置にいたとしても打ち上げがヘタならずれてしまう。
 武雄が習った日本の花火の作り方は立体的な表現を用いていた。それ故にどの角度から眺めても楽しめる。
 ただそれをいったところで無粋。町の人々に聞かれたら気分を害されるだけだ。実際に花火を打ち上げて実証してみせるのならばともかく。
 その機会は突然に訪れる。キョウミが友達に話した噂が町中に広まったからだ。武雄が元花火師だった噂を耳にした町長が直々に自宅を訪ねてきた。
「この町で毎年夏に打ちあげている花火についてですが……これを見て欲しいのです」
 町長は何より先に数枚の書類を武雄に見せる。それには十年間における花火の購入費用が記されていた。花火玉の値段は年々上がり続けている。
「来年分の購入予定金額、十年前の五倍ですね。いくらなんでもそこまで原材料費が高騰しているとは思えないのですが」
「そうなんです。完全に足元を見られている状態でして。……そこで是非、武雄さんに花火玉を作って頂きたいのです」
「確かに私は花火職人でしたが……いいんですか? そんなに簡単に信じてしまって。嘘かも知れませんよ」
「鍛冶職人としての貴方を知っていますからね。信用しています」
「ですが――」
 花火制作に使う郊外の建物は町から三年間無償提供。その後、格安での払い下げもあり得る。去年の花火購入代金と同額でよければ前金で資金提供も行う。町長から提示された条件は破格といってよかった。
 返答は後日ということなる。夕食時、晩酌をしながら悩んでいた武雄の膝の上にキョウミが座った。
「お父さんの花火みたいなあ。お母さんも見たいよね」
 キョウミが居間に料理を運んできた母親のミーハに振り向く。
「……そうね。私も賛成よ。あなたの花火が見てみたいわ」
 迷っていた武雄の背中を妻と娘が押してくれる。こうして武雄は一念発起した。

 それから半年の時が流れる。花火玉に煙火筒といった道具類はすべて揃う。しかし仕事を打ち切られた花火職人の逆恨みによって邪魔が入る。
 打ち上げの技術を持つ近隣の花火師全員が姿を消した。説得の機会もなく旅行へと出かけてしまった。
 落ち込んだ武雄だが家族の支えでやる気を取り戻す。
 花火の打ち上げは危険が伴う仕事。そのような仕事を急遽引き受けてくれる者はなかなかいない。
「あの、そちらハンターズソサエティーの支部でしょうか?」
 武雄は最後の賭けでハンターズソサエティーの支部に連絡をとるのだった。

リプレイ本文


 花火作りには火薬が不可欠な故に危険が伴う。
 そこで花火工場は人気が少ない土地に建てられる。嶺山武雄が始めた花火工場も町から郊外の石造りの強固な建物が宛がわれていた。
 ハンター一行は町へ立ち寄らずに直接花火工場を訪ねる。弟子の案内で応接室に通されてまもなく頭の武雄が挨拶に現れた。
「ハンターの方々、よくぞおいで下さいました……」
「顔色が悪いようですが、どうかされましたか?」
 エルバッハ・リオン(ka2434)の質問に武雄がふっと笑う。
「地元の花火職人の仕業と思われる嫌がらせが続いているのです。そこで弟子達と交代で泊まり込み、工場を守っている次第でして――」
 それを口火として彼の口からこれまでの事情が語られる。
(どの世界にも既得権問題は有るよなあ……。できるだけ手荒なことはしないで済めば良いな)
 ザレム・アズール(ka0878)は静かに耳を傾けた。
(仕事を急に他所者に全部投げちゃうってのも、ちょっとやり過ぎな気もするね)
 ルドルフ・デネボラ(ka3749)は仕事を奪われた側の地元花火職人のことが気に掛かる。
(火気厳禁の貼り紙か……。そりゃそうだな)
 バレル・ブラウリィ(ka1228)は口元が少々寂しかった。煙草を取りだそうとした手を途中で止める。工場内での火の気は調理場以外禁止。こればかりは従うしかない。
 ミコト=S=レグルス(ka3953)は武雄の説明が一通り終わったところで質問する。
「打ち上げ花火っ、楽しみです! あの、設置は別にして花火とか道具とかの準備は大丈夫なんですか?」
「どれも終わっています。残るは煙火筒などの設置のみです。花火に直接関わる仕事としては、打ち上げの練習が一番大変でしょうか」
「でしたら、職人さんたちは今晩休んでくださいっ。朝までの見張りはうちらが引き受けますっ♪」
 このままだと武雄と弟子三人が過労で倒れかねない。ミコトが薦めると仲間達も同調してくれた。
「ではお言葉に甘えまして。助かります」
 武雄と弟子三人が一行に礼を言う。暮れなずむ頃、弟子三人は久しぶりに町へと帰宅していく。
 ハンター達との夕食後、武雄は宿泊室のベットに横たわる。疲れが溜まっていたのか、すぐに夢の中へと誘われるのだった。


『月夜のおかげでこちらもよく見えている。異常なしだ』
『こっちもだ。虫の鳴き声が煩いがな』
 無線で定期交信を行いつつ、深夜の警戒は始まっていた。北東の方角をザレム、南西をバレルが見張る。丘の上にある花火工場の周囲には草原が広がっていた。
「噛みタバコ、持ってくりゃよかったかねぇ……?」
 外壁に寄りかかり風に靡く草原を眺める。
 ザレムは双眼鏡を覗き込んで遠くの樹木の数を数えた。
『突然で悪い。工場から二百M以内にある樹木を数えてくれ。こちらは六本だ』
 ザレムが無線でバレルに訊ねる。少し待ってバレルが七本と答えた。隠れやすい樹木付近を調べるにしても夜だと隙が生じる。今晩は何もせず仲間と交代して休んだ。
 エルバッハは北東、ルドルフとミコトは南西の方角を受け持つ。
「足元を見た挙句に、仕事を切られたら逆恨みですか。彼らにも相応の報いを与えておいた方がいいかもしれませんね」
 エルバッハは月光で光り輝く遠くの水面を眺めながら呟いた。花火は川原で打ち上げるという。
 ルドルフとミコトは見張りながら木材の切れ端などで鳴子を作る。花火の保管庫はもちろん道具や資材置き場に設置するつもりでいた。
「あれ?」
 ミコトが町の方角に松明らしき灯りを見つける。まもなく町の自警団六名が工場に到着した。
「あの、地元の花火職人の代表者と話せる席は用意できませんか?」
「うちも会って話してみたいな」
 ルドルフとミコトに頼まれた自警団のリーダーが頭をかく。
「隣町の住処にはいないんだ。家族によれば近隣の花火師達と同じように旅行へ出かけたとか。俺は嘘だと思っているけどね。潜んで嫌がらせをしているのはきっとあいつ等だ」
 会うのは難しいとのことである。その後、自警団達は北東側へと向かう。
「何かありましたか?」
「いえ、こちらは問題はありません」
 エルバッハはさりげなく一人ずつ見定める。自警団は工場の外を一周してから町へと帰っていった。


「お腹いっぱいに食べてくださいね」
「おまちどおさまです♪」
 翌日には武雄の家族、ミーハとキョウミが工場にやってくる。昼には骨付き鶏肉の葡萄酒煮を振る舞ってくれた。
 午前に引き続いて午後も警備の強化が図られる。
「花火の倉庫、終わったよっ」
「道具の置き場所も完了だね」
 ミコトとバレルは工場内の狙われそうな場所に鳴子を仕掛け終わった。
『人が潜んでいたな』
『こっちもだが、点々と移っているようだ』
 ザレムとバレルは無線で話しながら工場周辺の樹木周辺を調べる。天幕を設置した形跡やゴミ捨て穴の跡が残ってた。事情がない限り、町まで数百Mのこの付近で野宿はあり得ない。
 エルバッハは武雄から自警団について知っていることを教えてもらう。
「よく見回りに参加されているゴッダさんとは、それ以前の面識はなかったのですね?」
「ええ、ありませんでした」
 そして怪しい人物を絞り込んでいく。
 ハンター達は数人同士集まった上で無線を介して秘密裏に話し合う。犯人を捕まえなければ嫌がらせ事件解決の道はあり得なかった。現状において採れる方法を模索して作戦を組み立て直す。
 病人のようだった武雄や弟子三人はすっかり元気を取り戻していた。花火玉は充分に用意されているので今は打ち上げ準備に力を注いでいる。
 ハンター達は警備の合間に花火を打ち上げ方を教えてもらう。
「打ち上げそのものは難しくありません。問題なのは気の緩みです」
 武雄からの指導を受けて打ち上げの手順を覚えていく。実際に弟子習作の花火玉を日中に打ち上げてみた。
 煙火筒の底に発射薬を敷いて揚げ火と呼ばれる火種を投げ込む。夏の青空に花火が炸裂した。輝きは陽の光に紛れて見えないがよい感じである。
 川原での煙火筒の設置は祭りの三日前に完成。日が暮れて夜の帳が下りるのだった。


 水音満ちる暗闇の中、ランタンで照らしながら川辺へ近づく集団がいた。町の自警団とはあきらかに違う身なり。目立たぬように濃い色の服を纏っている。
 その者達が手にしていたのは鈍い光を放つ鉄棒。
 川原には祭りのために準備された煙火筒が数多く並ぶ。その他に打ち上げ用の道具も取り揃えられていた。
「さっさと壊しちまいましょうや」
 集団の一人が鉄棒を掲げながら煙火筒へと近づこうとしたときに躓く。大きな音が鳴り響き、それを合図して木箱から三つの影が飛びだす。
「鳴子に繋がったロープに足が引っかかっていますよ」
「道具をダメにされるのはさすがに放っておけないよっ。花火職人さんたちかな?」
 ルドルフとミコトは最初に話し合いを求める。しかし相手に聞き入れる素振りはみられない。鉄棒を叩きつけようとしてきた。
 二人とも本調子ではないので無理せず後ろへと引っ込んでバレルに任せる。
 バレルは桜吹雪のような火花を散らしながら金色の業火の幻影を纏う。これで完全なる覚醒状態だ。
「花火には二種類あるらしい。……綺麗な花火と汚ぇ花火だ」
 しばらく昼の警護を担当していたバレルは直前まで眠たそうな表情をしていた。しかし今は違う。鋭い目つきで睨み、襲ってくる相手を組み伏せる。
 ルドルフとミコトは逃げようとする者達の前に立ち塞がった。すぐにバレルが駆けつけて血と土の味を相手に思いださせる。
 こうして三名は花火打ち上げを邪魔しようとする五名を捕らえたのだった。

 今夜も花火工場に巡回の自警団がやって来る。
「ええ、構いません。あの扉から入って真っ直ぐの奥に厠があります」
 この日の見張りはエルバッハ一人だけ。ゴッダという名の男性が用を足したいというので工場内への立ち入りを許す。
 扉を潜り抜けたゴッダは奥の厠へは向かわなかった。廊下の途中で角を曲がる。そのとき、何かに足を引っかけて激しく転んだ。
「こちらに厠はありませんよ。花火玉の倉庫です。もっとも数日前に教えた嘘で本当は何もありませんが」
 先回りして柱の陰に隠れていたエルバッハが姿を晒す。
 ゴッダは鼻血を垂らしながら起きて駆けだした。しかしすぐに立ち止まる。出口である扉の前に武雄と弟子一名がいたからだ。
「貴方もグルだったんですね」
 武雄は盾を構えながら大きなため息をつく。ゴッダの抵抗はここまで。エルバッハは彼をロープで縛り上げる。
 この晩は弟子二名も工場内に滞在。野外にいる残りの自警団を遠巻きに見張っていた。

 ザレムが樹木の裏側をLEDライトで照らす。すると潜んでいた人物が闇から浮かび上がった。
 花火工場付近に点在する樹木を巡回して六カ所目。ザレムはついに発見する。嫌がらせ煽動の首謀者たる人物を。
 武雄から教えてもらった通りの中太りの髭面の男。名前はドナンテのはず。
「こんなところでこそこそ指示をだしていたのか。ドナンテ、一つ訊きたい。貴方は、金儲けがしたいのか? それとも、花火を作りたいのか?」
 覚醒したザレムが超重量の魔導大剣「ブルトガング」を勢いよく突き刺すと足元が軽く揺れた。
「し、知らない。わしゃ何も知らんぞ!」
 樹木の根元に置かれていた諸々の荷物を捨ててドナンテが逃げていく。ザレムはそれらの中に爆薬と武雄が営む工場の見取り図を見つける。
 ザレムはジェットブーツで一瞬のうちに先回りしてドナンテの逃げ道を塞いだ。後は軽く睨むだけ。戦意喪失したドナンテはその場に座り込んで大粒の涙を零す。
 証拠を突きつけつつ白状させたところでロープで縛り上げる。ザレムはドナンテに先を歩かせて工場へと戻るのだった。


「嶺山さんの指導で花火作り学べば、この世界では珍しい花火を作れる技術を得れますし、仕事も増えるかもしれませんよ?」
「皆で素敵な花火作りませんかっ」
 潜入工作のゴッダ、煙火筒等を破壊しようとした花火師五名は早々に反省の態度をみせる。心の底からなのかは誰にもわからないがドナンテに唆されていたのは確かなことだ。
「確かに金だけではねぇよ、そりゃ確かだ。だがな、金がなけりゃできやしねぇ。金があってようやく自由に花火が作れるんだよ……。しでかしたことと矛盾しているかも知れねぇが、わしにも花火職人としての意地はあらぁ。どこの馬の骨かわからん奴に教えを請うなどまっぴらごめんだぁ!」
 しかしドナンテはハンター達の説得に耳を貸さなかった。
 犯人捕縛について町の人々には伝えていない。自警団の者達には黙ってもらっていた。
 やがて祭り当日を迎える。
「私にも反省すべき点はありました」
 武雄はゴッダと花火師の反省を受け入れて許すことにした。互いに納得したところで打ち上げを手伝ってもらう。
「よしっ!」
 宵の口、耳栓を詰めたザレムが煙火筒に揚げ火を投げ込んで離れる。腹に響く爆発音と共に花火が打ち上がった。
「ドナンテの旦那にはそんなの嘘だっていわれてたけどよ」
「本当なんだな。リアルブルーの花火はどこから観ても綺麗だって」
 夜空に真っ赤な大輪が輝いた。花火師達は仰ぎ見た花火が球を描いていることに驚きの表情を浮かべる。
「……花火って対空砲代わりに使えそうだよな」
 バレルは自ら打ち上げた花火の轟音に晒されながら呟いた。その声は当然、誰の耳にも届かない。
「大丈夫のようですね」
 エルバッハは花火師達の監視を怠らなかった。それはそれとしてさすが本職である。花火玉の扱いは抜群にうまい。
「よし」
「いくよっ!」
 ルドルフとミコトは息を合わせて連続で花火を打ち上げる。暗闇に次々と開花する花火玉。真下の水辺はまるで昼間のように明るくなった。
 しばらくしてハンター達は待機の花火師や弟子達と交代する。工場の屋上に移動して花火を鑑賞することにした。
 屋上には武雄一家の他にもう一人。武雄が拘束を解いたドナンテの姿もある。
 ドナンテは柵にしがみつきながら夜空の花火を見上げていた。
「……お、俺が間違っていたんだな。ここまで違ぇなんてよ」
 ザレムが彼の肩に片手を置くとその場にしゃがみ込んで激しく項垂れた。職人故に腕の差にはとても敏感。言い換えればドナンテは今でも花火職人といえる。
「花火はよいよな。一瞬……空に美しい花が咲くようで。一瞬と言っても、それまでの間に色や形が変わる様子が心を奪うんだ。花火ってのは大勢の花火師を必要とするんだからさ。良い所を取り入れあった沢山の花火を見せてほしいよ」
 ザレムは言葉だけを贈ってドナンテをそっとしておく。
「お姉ちゃん、これおいしいよ」
「エルと呼んでもらえると嬉しいです」
「じゃ、エルお姉ちゃん♪」
 エルバッハはキョウミに気に入られていた。一緒にジュースを飲みながら花火を鑑賞する。その姿はまるで姉妹のようだ。
「いいのか?」
「ここでなら構いませんよ。さあ一服」
 バレルは武雄から煙草をもらう。紫煙を吹かしながら夜空の花火を楽しんだ。
「うまくいったようでよかったっ。嫌がらせにも負けずに守った花火、武雄さんもお弟子さんも強いよね。うちも、もっと強くなりたいな。こんな怪我もなく皆を護りきれるくらい……。今はまだまだ弱くて、悔しいけど……」
 ミコトが並んで座るバレルの肩に頬を乗せる。
「うん、悔しいね。俺も、もう少し上手く出来れば良かったけど……でも、ミコが生きてて良かった。もちろん俺も」
 目と目を合わせる二人。その距離は拳ほども空いていない。巨大な花火の輝きと轟音で二人はハッと我に返った。
「ルゥ君には、今回も今までも助けられたことはあっても、助けたことなんてあったかな? 本当はルゥ君もうちが護るってしたいけど、でも、まだ力不足なのも解ってるから一緒に強くなっていけたらいいねっ」
「まだまだ、これからだよ。今ダメなら、明日はもっと強くなればいい。俺も強くなるよ、ミコを守れるくらいに」
 頷いたミコトの前でルドルフは少し照れた様子をみせる。
「昔と違って助けられるだけじゃないから、だから、一緒に強くなろう」
 微笑んだルドルフはミコトの頭にぽんっと手を置く。そのとき次々と打ち上げられた花火が一斉に輝いた。
「すげー!」
「こんなの観たことないよ!」
 町の人々も大いに花火を楽しむ。夏の思い出として多くの人の心に刻まれたに違いなかった。


 翌日、ハンター達は片付けを手伝う。改心したドナンテも参加して今後は合同で地域の花火に貢献することだろう。
「おかげさまで地域のみなさんとうまくやってきけそうです。ありがとうございました!」
 ハンター一行は花火工場の一同に見送られながら帰路に就く。花火の美しさを語り合いながら転移門のある王都を目指すのだった。

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • 堕落者の暗躍を阻止した者
    バレル・ブラウリィ(ka1228
    人間(蒼)|21才|男性|闘狩人
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • カウダ・レオニス
    ルドルフ・デネボラ(ka3749
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • コル・レオニス
    ミコト=S=レグルス(ka3953
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼相談宅
バレル・ブラウリィ(ka1228
人間(リアルブルー)|21才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/08/27 20:44:08
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/08/26 19:14:41