ゲスト
(ka0000)
【命魔】光の魔術師
マスター:剣崎宗二

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 8~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- 締切
- 2015/09/10 09:00
- 完成日
- 2015/09/13 13:37
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●アレクサンドルの手記・その1
XX月XX日
戦争は終わった。…故に、俺も人の命を救うため、医道を続けていこう。それが彼らと約束したことなのだから。
XX月XX日
あの少女――蒼風リリカの病は難敵だ。現在考えうるありとあらゆる手段を以ってしても、症状を緩和し、命を延ばす程度しかできない。根治どころか、表面症状を完全に押さえ込む事すらできない。どうした物か。
XX月XX日
異なる世界に来てから、一週間になる。幸いにも部落の者たちとは、完全に言葉が通じない訳ではない。
彼らの治療を行う事で、多少なりの信頼を得る事はできた。少なくとも今すぐ飢え死ぬ事はなさそうだ。
XX月XX日
部族の占い師に相当する者によれば、リリカには『力』を得る適正があると言う。
明日、儀式を執り行うそうだ。
医師としては余り信用できないのだが、リリカの症状が悪化している今、打つ手のない俺にはリリカが自ら望んで試す事は止められない。
●来訪者
「……んぐっ……」
拳を握り締め力を込めた直後、痛みに眉をしかめる、白衣の男。
――十三魔が一人、『天命輪転』アレクサンドルは、辺境のその更に僻地の、とある場所へと向かっていた。
「……『Death to the Soulless』は発動できんか…まぁ、いい 」
幻獣王を巡る一戦。落下した牛鬼を、アレクサンドルはその能力を以って庇った。だが、その衝撃力は半端ではなく。負傷により、アレクサンドルは一時的に、防御の要である停止能力を失った。
が、代償を支払っただけの甲斐はあった。
別れ間際に、牛鬼は彼に次なる情報を預けた。西方に彼の友の名前を聞いた――と。
その情報を元に、アレクサンドルは、五人の盟友の内唯一生存している者の元に向かったのであった。
「誰かね?」
ノックした後、聞こえてくるのは懐かしい声。
「……久しぶりだな、ウィリアム」
「…アレックス!? お前なのか!?」
すぐさま扉は開かれ、中から初老の男性が出てくる。
「おお……! 本当に…!」
アレクサンドルに抱きつく老人。
「お前が失踪したと聞いた時、終にわし一人になったと思ったわい……マイレスもティアもリーアも…アインさえも、わしを置いて行った。その上でお前までいなくなると…我らのした事に、バチがあったたのではないかと、のう……」
「バチが当たるべき人はこの世に大勢居る。その者たちがのうのうと生きている以上、バチ等と言う物は信用ならん」
その冷たい物言いに、思わずウィリアムは顔を上げる。
「……軍は、お前を人を裏切り歪虚となったと言っていたが……まさか……」
――何も言葉を発さず。アレクサンドルはただ頷いた。
周りを見渡すと、そこには数々の実験道具と機械。
(「変わっていないな、ウィリアム。例えどんなに年をとろうとも」)
「そうか――」
ポットからコーヒーを入れ、座るウィリアム。
「じゃが。本当にお前さんが『全ての』人間の敵になったのなら、わしは今、もう死んでいるであろうな」
「……」
何も答えない。
「そうか…その分では、何かあったのじゃな? ……まぁ、良い。尋ねてきたのは『アレ』のためじゃろう? 待っておれ――」
その瞬間。呼び鈴が鳴る。
来客はハンターたち。彼らもまた、アレクサンドルの手記と、以前に見えた夢物語の一端から、ウィリアムの存在を突き止め。
軍の情報網を以って、彼の所在を特定したのである。
「とりあえず隠れるのじゃ」
小声でそう言うと、ウィリアムはアレクサンドルをカーテンの後ろに押し込める。パチン、と指を鳴らすと、カーテンごと、アレクサンドルの姿が消える。まるでそこには何もなかったかのように。
「動くなよ?そこに居れば安全じゃ」
準備を終えた後、ウィリアムは扉を開ける。
「さて皆様方。この老いぼれに何用かのう?」
XX月XX日
戦争は終わった。…故に、俺も人の命を救うため、医道を続けていこう。それが彼らと約束したことなのだから。
XX月XX日
あの少女――蒼風リリカの病は難敵だ。現在考えうるありとあらゆる手段を以ってしても、症状を緩和し、命を延ばす程度しかできない。根治どころか、表面症状を完全に押さえ込む事すらできない。どうした物か。
XX月XX日
異なる世界に来てから、一週間になる。幸いにも部落の者たちとは、完全に言葉が通じない訳ではない。
彼らの治療を行う事で、多少なりの信頼を得る事はできた。少なくとも今すぐ飢え死ぬ事はなさそうだ。
XX月XX日
部族の占い師に相当する者によれば、リリカには『力』を得る適正があると言う。
明日、儀式を執り行うそうだ。
医師としては余り信用できないのだが、リリカの症状が悪化している今、打つ手のない俺にはリリカが自ら望んで試す事は止められない。
●来訪者
「……んぐっ……」
拳を握り締め力を込めた直後、痛みに眉をしかめる、白衣の男。
――十三魔が一人、『天命輪転』アレクサンドルは、辺境のその更に僻地の、とある場所へと向かっていた。
「……『Death to the Soulless』は発動できんか…まぁ、いい 」
幻獣王を巡る一戦。落下した牛鬼を、アレクサンドルはその能力を以って庇った。だが、その衝撃力は半端ではなく。負傷により、アレクサンドルは一時的に、防御の要である停止能力を失った。
が、代償を支払っただけの甲斐はあった。
別れ間際に、牛鬼は彼に次なる情報を預けた。西方に彼の友の名前を聞いた――と。
その情報を元に、アレクサンドルは、五人の盟友の内唯一生存している者の元に向かったのであった。
「誰かね?」
ノックした後、聞こえてくるのは懐かしい声。
「……久しぶりだな、ウィリアム」
「…アレックス!? お前なのか!?」
すぐさま扉は開かれ、中から初老の男性が出てくる。
「おお……! 本当に…!」
アレクサンドルに抱きつく老人。
「お前が失踪したと聞いた時、終にわし一人になったと思ったわい……マイレスもティアもリーアも…アインさえも、わしを置いて行った。その上でお前までいなくなると…我らのした事に、バチがあったたのではないかと、のう……」
「バチが当たるべき人はこの世に大勢居る。その者たちがのうのうと生きている以上、バチ等と言う物は信用ならん」
その冷たい物言いに、思わずウィリアムは顔を上げる。
「……軍は、お前を人を裏切り歪虚となったと言っていたが……まさか……」
――何も言葉を発さず。アレクサンドルはただ頷いた。
周りを見渡すと、そこには数々の実験道具と機械。
(「変わっていないな、ウィリアム。例えどんなに年をとろうとも」)
「そうか――」
ポットからコーヒーを入れ、座るウィリアム。
「じゃが。本当にお前さんが『全ての』人間の敵になったのなら、わしは今、もう死んでいるであろうな」
「……」
何も答えない。
「そうか…その分では、何かあったのじゃな? ……まぁ、良い。尋ねてきたのは『アレ』のためじゃろう? 待っておれ――」
その瞬間。呼び鈴が鳴る。
来客はハンターたち。彼らもまた、アレクサンドルの手記と、以前に見えた夢物語の一端から、ウィリアムの存在を突き止め。
軍の情報網を以って、彼の所在を特定したのである。
「とりあえず隠れるのじゃ」
小声でそう言うと、ウィリアムはアレクサンドルをカーテンの後ろに押し込める。パチン、と指を鳴らすと、カーテンごと、アレクサンドルの姿が消える。まるでそこには何もなかったかのように。
「動くなよ?そこに居れば安全じゃ」
準備を終えた後、ウィリアムは扉を開ける。
「さて皆様方。この老いぼれに何用かのう?」
リプレイ本文
●戦場変更のその裏に
事前の交渉。ハンター側の発言は、結果として全てを聞いていたアレクサンドルに『おっさんと話したいならその様な回りくどいことをせずとも、直接話せばいい』との意を抱かせ、またその後の発言は、彼の最も嫌う物に触れた。
「――ならばおっさんのすべき事は。
――全ての人を、一人残らず滅ぼす事だ……!!」
故にそのアレクサンドルは、先制攻撃を決意したのであった。
キン。
アレクサンドルのメスによる初撃は然し、碧緑の大剣によって受け止められる。
追撃とばかりに、それを受け止めた者――ミリア・コーネリウス(ka1287)の目に向かって投擲されたメスは、
「そうすると思ってたぜ」
アレクサンドルのやり口を良く知るキール・スケルツォ(ka1798)が滑り込み、弾く。
「――はじめましてだな、元傭兵のミリアだ。やりあうのは構わないがここだとアンタのご友人に迷惑だ。外に出ようぜ」
大剣の裏から顔を覗かせ、射抜くようなミリアの獰猛な視線が、アレクサンドルに向けられる。
「ふん。その割には、その友を、外に連れ出そうとしているようだが?」
アレクサンドルの視線の先は、ウィリアムを庇いながら外に出ようとするアルマ・アニムス(ka4901)と、ユージーン・L・ローランド(ka1810)。彼らはウィリアムの安全を優先し外に連れ出そうとしているが、そこへアレクサンドルとハンターたちが『外で戦う』のならば、本末転倒ではないだろうか。
「まぁ、良いだろう」
警戒しながらも、彼はハンターたちに、外に出るように促す。攻撃しないと言う事なのだろう。
彼を完全に信用した訳ではない。警戒しながら、ミリアとキールを最後に、ハンターたちは外に出る。
●無抵抗と抵抗と
「――遅いな」
ハンターたちが外に出て暫く。アレクサンドルが中から追ってくる傾向はない。考え込むルトガー・レイヴンルフト(ka1847)。
「どうしたのじゃろうのう」
痺れを切らし様子を見ようと、ハッド(ka5000)が扉に手を掛けた瞬間。扉を蹴り破るようにして、アレクサンドルが中から飛び出す。
奇襲のメスが投擲され、襲うはキール。
「行き成りとはやってくれるじゃねぇか…!」
二本までは回避した。だが奇襲と言う事もあり、三本目を腕に受けてしまう。アルマの防性強化と防御障壁の甲斐あって、大きなダメージには至っていないが――
「人が居る限り、悲劇は無くならない。そう言い切るという事は――貴方は全ての人を救おうとし、絶望した過去があるのですね。傲慢さを嫌うのは過去の己に似たものを感じるからでしょうか?」
そう、問いかけながらも、ユージーン・L・ローランド(ka1810)は癒しの光を練り、キールに放ってその腕の傷を消し去る。一瞬の油断もない。彼の今の最大の優先事項は、ウィリアムの護衛。故に例えアレクサンドルが明確な攻撃を仕掛けてこなくとも、ユージーンはいつでも、ウィリアムを守る準備をしている。
「余りに現実を知らぬお前たちは、傲慢で居られると言う、ある意味幸せなのだろうが……な」
明確ではないが、それはユージーンの問いかけへの肯定に近い。含みがあるのは、完全なる正解ではないからか。
「先生....よかった、本当によかったの。貴方にまた逢うことができて…貴方が無事で…っ」
前にアレクサンドルが、牛鬼と共に塔の底へと消えたと聞いた時。少女は悲しんだ。
この度武器を持たないのは、敵意がない事の証。
「先生が――大切な者を失ったのは、知っています」
メイ=ロザリンド(ka3394)が、前に出る。
「例え先生がそれを望んでいなくとも、私は先生が、世界と心中するのを見たくない」
それは、少女の精一杯の思い。
望まぬ戦闘に引きこまれた故に最低限の覚醒はした。だがそれでも、彼女は戦いたくはないのだ。
「私は、先生と共に世界を生きたい、共に歩みたい――!」
「――甘く見てくれるな」
返されたのは、冷たい言葉。
「……おっさんの憎悪は、其れほどまでに安く見積もられたのか?」
――アレクサンドルの憎悪は。その一生に於いて起きた、数々の悲劇に由来する。
それは既に、『言葉』で解決できる域を超えていたのだ。
「何故、おっさんは心中する事を止めなければいけない?お前が望んだからか?お前はおっさんのなんだ?何故おっさんはお前の言葉で止まらなければならない?」
故に、語りかける言葉は、彼には届かず。彼女の言葉は、アレクサンドルにはさぞや『空虚』に聞こえただろう。
「では何で、あの手記を――」
「ただの気まぐれだ。……或いはあれを見れば、お前も人の悪というものを理解してくれるかと思ったのだがな」
遠慮なく投げつけられるメスの雨が、メイを退ける。当たりはしなかったが、寄らせもしない。
「或いは、マフォジョ族を滅する事への賛同を得たかったのかもしれないな。……だが其れも最早、詮無き事。――おっさんは人を滅しよう。お前さんたちは人を守ろう。故に――」
その目に、凶光が浮かぶ。
「――我等は、相容れることはない!!」
●対話と剣戟と
「個が罪を犯したのならば、それは人全ての罪なのか? 親の罪は、子に受け継がれるべきなのか?」
ルドガーの問いに、アレクサンドルは直ぐには答えない。
「もし…力や夢物語があるせいで人を救うなどという重荷を背負わされたなら。背負えると、思ってしまったのなら。それは…」
続いて口を開き。そして言葉を飲み込んだのは、ユージーン。彼もまた、攻撃は行わない。その代わりにウィリアムを防衛しながら、回復魔術を以って、仲間たちを支援している。
彼の癒しによって回復したミリアが、再度アレクサンドルへと突撃する。
「正直得にもならないこの戦闘は不本意だ。…けどな、これじゃ話もできねぇ」
心に炎を点し、突進の勢いに乗せるは神速の一突き!
「ぐ…!」
『Death to the Soulless』が使えない以上、これを正面から防ぐ術は無い。一撃は重く、メスでは防ぎきれない。かといって、避けきれる自信もない。それだけ彼女の一撃は、力と速度のバランスが均整に取れていた。
「……!」
故に、アレクサンドルが取った手段は――防御せずにその一撃を受け入れる事。
直後。脇で腹部を押し、貫通した大剣を挟み込むと同時に、彼の両手はそれぞれ、剣を握っていたミリアの両手首を掴む。
「『Weather the Elder』――!」
体力が、腕を通してミリアから吸い取られ、アレクサンドルの方へと流れ込む。
「…ったく!」
ミリアが自身のマテリアルを集中させ、体力を回復させようとするのと同時に、ユージーンもまた彼を援護する。
然しその瞬間、アレクサンドルの顔に、不敵な笑みが浮かぶ。
「……っ、あれですか…!」
異変に最初に気づいたのは、ユージーン。
ミリアに注ぎ込んだ癒しの力が、効を奏していない。それどころか、寧ろアレクサンドルの回復の方が加速しているようにすら思える。前回もまた、アレクサンドルと交戦していた彼は、直ぐにある可能性に思い至る。
――『Power-Jack Agent』。
アレクサンドルが既に入手している、『夢物語』が一。癒しの力を他者に移し変える、薬品の類の何か。
これによりミリアへの癒しの手段が断たれた事で、力の天秤は圧倒的にアレクサンドルの方へと傾いた。だが、他のハンターたちが、これを黙って見ている筈もなく。
「大事なもん無くして、自分ではどうしようも出来なくて、無くしたもんを周りにめちゃくちゃにされて……そのめちゃくちゃにした当人達に、死んで詫びろとも言えねえ。そりゃむかつくだろうさ、誰彼構わず殺したくもなるだろう」
その怒りは、理解できなくもない。だが、キールはそれでも、アレクサンドルの言い分は納得できなかった。納得する訳には、行かなかった。
「人間は、人間はってよ……じゃあお前は何だ?歪虚だと?いいや違うね、お前は頭のてっぺんから爪先まで人間だよ、お前も悲劇を起こす人間の一人だろうがよ!!」
無数の剣影が、ミリアの四方を回り込むようにして、四方からアレクサンドルを襲う。
「全人類を罰せるほど、お前は何もかも知ってんのかよ。無くしてもまだ大事なものだってのに変わりはねぇんだろ!?」
「無くした物を取り戻せる法等、この世には存在しない。存在するとしたら、それはこの世が滅ぶ時だ。……故に、おっさんは其れを取り戻そうと等しない」
両手に、全力を込める。
ミリアの腕力は確かに驚異的だ。だが、その身体――重量は、依然として人間女性の範疇にある。その身を包む鎧も、動きを阻害しない為に最大限の軽量化がなされた物だ。
「ディーン程、上手くはできないがな…!」
必殺の斬撃に合わせ、力を注いだアレクサンドルは、ミリアを持ち上げてそのままキールの体に叩き付ける事で、彼らを吹き飛ばす。然し追撃しようとした瞬間、光刃が彼のコートを掠める。
「大人の理など知ったコトか! 誰もかれも夢を捨ててしまっても――我輩は夢を信じてその道を守る!」
ハッドの光刃が切り裂いたコートの隅から、僅かに覗く一冊の本。
――それこそが、ウィリアムの記した『夢物語』。
「――出てくるのが遅かったのはそれが原因じゃったか。じゃが、それを奪われる訳にはいかん…!」
指示を受けたパルムが猛然と、それを奪うべく飛来する。
「――現実を伴わぬ夢は、空想でしかない」
キン。
ナイフの爪で襲来するパルムを弾き飛ばし、
「書に気を取られすぎたな」
背後から巨大な鋼鉄の腕がハッドを掴み、投げ飛ばす。
「そっちもな!」
次の瞬間、ボディーにタックルを仕掛けたボルディア・コンフラムス(ka0796)によって、組み伏せられる。
「悲劇が無くならないから人類滅ぼすとかよ、諦めもいいトコだろうが!」
がっしりと、四肢を絡め、動きを封じる。
「また誰かを助けようとして助けられないのが怖いだけなんだろ。…テメェが傷つくのが怖いだけだろ!」
突き刺されるメス。然し直ぐに、燃ゆる炎が傷口の回りに生まれ、傷を癒合させて行く。
「テメェは全部の人間が救えなきゃ、何人救っても無駄だっていうのかよ!目の届く範囲の人を救うのはそんなに悪ぃことかよ!」
「――ああそうだ。悪い事だ」
さも当たり前のように、アレクサンドルは言い放った。
「……一人を救う事は可能だろう。……だが、その救った一人の行動によって、多くの人の命が失われたとしたら? お前は、その死した者に、どうやって顔向けする?」
絡み合った四肢から、体力が吸い取られる。飛来した鋼鉄の腕が、更に叩き付けられる。
癒しの炎はその効果を失い――逆にアレクサンドルの体力を取り戻させる事になる。
(「……同時に一人にしか効かないのか?」)
既に体力が危険域に入っていたミリアに回復魔術が再度効くようになっていたのを確認し、ユージーンは考える。
だが、攻撃された者たちが完全に体勢を立て直す前に。両の鉄腕でボルティアを地面に猛烈に叩き付けたアレクサンドルが、跳躍し彼らを襲う。
降り注ぐメスの雨と、鉄腕の打撃。完全に回復し切れていないミリアが倒れるのに、時間は掛からなかった。
●求める物は
「親の罪を子が被る必要は、確かにない。だが逆に言えば、親の行った罪を子が真似ぬとも限らない。故に悲劇を確実に根絶する為に、罪ある全ての人を滅ぼそう」
状況は、確実にアレクサンドルの方に傾いていた。
ハンター側は既にボルティアとミリアが倒れ、逆にアレクサンドル側は吸い取った体力や癒しによって、寧ろ状況は戦闘開始時より好転していた。
幸運だったのは、アレクサンドルの目的が『この場でウィリアムやハンターたちを撃殺する』ではなかった事。
「その怒りは、『助けられる』との思い上がりに対してか?それとも、何も助けられなかった自分自身への無力さに対して…? 個の罪は、全体になるのか?」
攻撃を継続する意が無いのを見て、ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)が彼に問いかける。
「個は全体の可能性を表す。その可能性があるのならば…『根絶する』」
「マフォジョ族の初代の者は、初代マフォジョ――蒼風リリカの死の真実について、口を閉ざしていた――それは一体――」
「真実も何も。……あの一戦についてならば、伝承は『間違っては』いない。『相打ち』だ。だが詳しく言いたがらないのも、また必然か。…如何にしてアレが起こったかを考えれば、な」
「あの『人と手を取り合う』教義は、マフォジョの教えだと聞いた。それは――」
「皮肉なものだ。おっさんを殺害しようとした奴らがその様な教義を掲げていたとはな」
「な――」
更に詳しく聞こうとしたルドガーの言葉を、アレクサンドルは遮る。
「知って何になる?今更過去の事実が変えられるのか?人を生き返らせる秘法でも、手に入れたのか?」
「何が分かる、などと言わないでくださいね。それは理解を拒絶しながら理解しない相手を責める卑怯な言葉です」
「分かってもらいたいとは一言も言った事はない。勝手な詮索をしながらも、相手から回答が得られなければ卑怯と言う。それが礼儀かね?」
ユージーンのフォローにも、冷たい言葉が返される。
「友達なんでしょう?あなたを守ろうとしてくれたんですよ!?友達ごと、大事な人ごと…全部滅ぼすんですか!?」
最後まで、アルマは決して、アレクサンドルに攻撃を仕掛けようとしなかった。
交渉を決裂させた非があるのは自分たち。そう思っていたから。彼は攻撃が出来なかった。
できるのは、悲痛な叫びを。心にある思いを、アレクサンドルに伝えるのみ。
「――ああ。それもまた、必然だ」
苦々しい表情を浮かべながらも、アレクサンドルは答えた。
「だが、それはこの場ではない」
僅かに、希望の光が差し込んだ。――そう見えた。
「――全ての人を滅ぼす時。その際だ」
「何故、友達まで、自分の手に掛けられるのですか!」
叫ぶアルマ。最早ほぼ、言葉にならない、涙を流しながらの叫び。
「――友だと思った者は、本当に、友なのだろうか?」
●残された者
かくしてアレクサンドルは、戦場を去った。
「あやつがあそこまで、思いつめていたとはのう」
深刻な顔で、今まで口を閉じていたウィリアムが呟く。
「リリカとアインの病気については、何か知っておるかの?」
問いかけたのは、ハッド。
「――アインの病気は、命に関わる物ではないが、運動機能関係の障害だと聞いておる。その証に、いつも車椅子じゃった。――リリカはわしは良く知らんが、進行性、其れも命に関わる物だと聞いたのう」
「では、彼らが死んだ例の事故について、聞かせてもらえるじゃろうか?」
「――あれは『事故』ではない。正確には、じゃがな。――少し長くなるぞい」
そう言うと、ウィリアムは。当時の状況を語り始めた――
事前の交渉。ハンター側の発言は、結果として全てを聞いていたアレクサンドルに『おっさんと話したいならその様な回りくどいことをせずとも、直接話せばいい』との意を抱かせ、またその後の発言は、彼の最も嫌う物に触れた。
「――ならばおっさんのすべき事は。
――全ての人を、一人残らず滅ぼす事だ……!!」
故にそのアレクサンドルは、先制攻撃を決意したのであった。
キン。
アレクサンドルのメスによる初撃は然し、碧緑の大剣によって受け止められる。
追撃とばかりに、それを受け止めた者――ミリア・コーネリウス(ka1287)の目に向かって投擲されたメスは、
「そうすると思ってたぜ」
アレクサンドルのやり口を良く知るキール・スケルツォ(ka1798)が滑り込み、弾く。
「――はじめましてだな、元傭兵のミリアだ。やりあうのは構わないがここだとアンタのご友人に迷惑だ。外に出ようぜ」
大剣の裏から顔を覗かせ、射抜くようなミリアの獰猛な視線が、アレクサンドルに向けられる。
「ふん。その割には、その友を、外に連れ出そうとしているようだが?」
アレクサンドルの視線の先は、ウィリアムを庇いながら外に出ようとするアルマ・アニムス(ka4901)と、ユージーン・L・ローランド(ka1810)。彼らはウィリアムの安全を優先し外に連れ出そうとしているが、そこへアレクサンドルとハンターたちが『外で戦う』のならば、本末転倒ではないだろうか。
「まぁ、良いだろう」
警戒しながらも、彼はハンターたちに、外に出るように促す。攻撃しないと言う事なのだろう。
彼を完全に信用した訳ではない。警戒しながら、ミリアとキールを最後に、ハンターたちは外に出る。
●無抵抗と抵抗と
「――遅いな」
ハンターたちが外に出て暫く。アレクサンドルが中から追ってくる傾向はない。考え込むルトガー・レイヴンルフト(ka1847)。
「どうしたのじゃろうのう」
痺れを切らし様子を見ようと、ハッド(ka5000)が扉に手を掛けた瞬間。扉を蹴り破るようにして、アレクサンドルが中から飛び出す。
奇襲のメスが投擲され、襲うはキール。
「行き成りとはやってくれるじゃねぇか…!」
二本までは回避した。だが奇襲と言う事もあり、三本目を腕に受けてしまう。アルマの防性強化と防御障壁の甲斐あって、大きなダメージには至っていないが――
「人が居る限り、悲劇は無くならない。そう言い切るという事は――貴方は全ての人を救おうとし、絶望した過去があるのですね。傲慢さを嫌うのは過去の己に似たものを感じるからでしょうか?」
そう、問いかけながらも、ユージーン・L・ローランド(ka1810)は癒しの光を練り、キールに放ってその腕の傷を消し去る。一瞬の油断もない。彼の今の最大の優先事項は、ウィリアムの護衛。故に例えアレクサンドルが明確な攻撃を仕掛けてこなくとも、ユージーンはいつでも、ウィリアムを守る準備をしている。
「余りに現実を知らぬお前たちは、傲慢で居られると言う、ある意味幸せなのだろうが……な」
明確ではないが、それはユージーンの問いかけへの肯定に近い。含みがあるのは、完全なる正解ではないからか。
「先生....よかった、本当によかったの。貴方にまた逢うことができて…貴方が無事で…っ」
前にアレクサンドルが、牛鬼と共に塔の底へと消えたと聞いた時。少女は悲しんだ。
この度武器を持たないのは、敵意がない事の証。
「先生が――大切な者を失ったのは、知っています」
メイ=ロザリンド(ka3394)が、前に出る。
「例え先生がそれを望んでいなくとも、私は先生が、世界と心中するのを見たくない」
それは、少女の精一杯の思い。
望まぬ戦闘に引きこまれた故に最低限の覚醒はした。だがそれでも、彼女は戦いたくはないのだ。
「私は、先生と共に世界を生きたい、共に歩みたい――!」
「――甘く見てくれるな」
返されたのは、冷たい言葉。
「……おっさんの憎悪は、其れほどまでに安く見積もられたのか?」
――アレクサンドルの憎悪は。その一生に於いて起きた、数々の悲劇に由来する。
それは既に、『言葉』で解決できる域を超えていたのだ。
「何故、おっさんは心中する事を止めなければいけない?お前が望んだからか?お前はおっさんのなんだ?何故おっさんはお前の言葉で止まらなければならない?」
故に、語りかける言葉は、彼には届かず。彼女の言葉は、アレクサンドルにはさぞや『空虚』に聞こえただろう。
「では何で、あの手記を――」
「ただの気まぐれだ。……或いはあれを見れば、お前も人の悪というものを理解してくれるかと思ったのだがな」
遠慮なく投げつけられるメスの雨が、メイを退ける。当たりはしなかったが、寄らせもしない。
「或いは、マフォジョ族を滅する事への賛同を得たかったのかもしれないな。……だが其れも最早、詮無き事。――おっさんは人を滅しよう。お前さんたちは人を守ろう。故に――」
その目に、凶光が浮かぶ。
「――我等は、相容れることはない!!」
●対話と剣戟と
「個が罪を犯したのならば、それは人全ての罪なのか? 親の罪は、子に受け継がれるべきなのか?」
ルドガーの問いに、アレクサンドルは直ぐには答えない。
「もし…力や夢物語があるせいで人を救うなどという重荷を背負わされたなら。背負えると、思ってしまったのなら。それは…」
続いて口を開き。そして言葉を飲み込んだのは、ユージーン。彼もまた、攻撃は行わない。その代わりにウィリアムを防衛しながら、回復魔術を以って、仲間たちを支援している。
彼の癒しによって回復したミリアが、再度アレクサンドルへと突撃する。
「正直得にもならないこの戦闘は不本意だ。…けどな、これじゃ話もできねぇ」
心に炎を点し、突進の勢いに乗せるは神速の一突き!
「ぐ…!」
『Death to the Soulless』が使えない以上、これを正面から防ぐ術は無い。一撃は重く、メスでは防ぎきれない。かといって、避けきれる自信もない。それだけ彼女の一撃は、力と速度のバランスが均整に取れていた。
「……!」
故に、アレクサンドルが取った手段は――防御せずにその一撃を受け入れる事。
直後。脇で腹部を押し、貫通した大剣を挟み込むと同時に、彼の両手はそれぞれ、剣を握っていたミリアの両手首を掴む。
「『Weather the Elder』――!」
体力が、腕を通してミリアから吸い取られ、アレクサンドルの方へと流れ込む。
「…ったく!」
ミリアが自身のマテリアルを集中させ、体力を回復させようとするのと同時に、ユージーンもまた彼を援護する。
然しその瞬間、アレクサンドルの顔に、不敵な笑みが浮かぶ。
「……っ、あれですか…!」
異変に最初に気づいたのは、ユージーン。
ミリアに注ぎ込んだ癒しの力が、効を奏していない。それどころか、寧ろアレクサンドルの回復の方が加速しているようにすら思える。前回もまた、アレクサンドルと交戦していた彼は、直ぐにある可能性に思い至る。
――『Power-Jack Agent』。
アレクサンドルが既に入手している、『夢物語』が一。癒しの力を他者に移し変える、薬品の類の何か。
これによりミリアへの癒しの手段が断たれた事で、力の天秤は圧倒的にアレクサンドルの方へと傾いた。だが、他のハンターたちが、これを黙って見ている筈もなく。
「大事なもん無くして、自分ではどうしようも出来なくて、無くしたもんを周りにめちゃくちゃにされて……そのめちゃくちゃにした当人達に、死んで詫びろとも言えねえ。そりゃむかつくだろうさ、誰彼構わず殺したくもなるだろう」
その怒りは、理解できなくもない。だが、キールはそれでも、アレクサンドルの言い分は納得できなかった。納得する訳には、行かなかった。
「人間は、人間はってよ……じゃあお前は何だ?歪虚だと?いいや違うね、お前は頭のてっぺんから爪先まで人間だよ、お前も悲劇を起こす人間の一人だろうがよ!!」
無数の剣影が、ミリアの四方を回り込むようにして、四方からアレクサンドルを襲う。
「全人類を罰せるほど、お前は何もかも知ってんのかよ。無くしてもまだ大事なものだってのに変わりはねぇんだろ!?」
「無くした物を取り戻せる法等、この世には存在しない。存在するとしたら、それはこの世が滅ぶ時だ。……故に、おっさんは其れを取り戻そうと等しない」
両手に、全力を込める。
ミリアの腕力は確かに驚異的だ。だが、その身体――重量は、依然として人間女性の範疇にある。その身を包む鎧も、動きを阻害しない為に最大限の軽量化がなされた物だ。
「ディーン程、上手くはできないがな…!」
必殺の斬撃に合わせ、力を注いだアレクサンドルは、ミリアを持ち上げてそのままキールの体に叩き付ける事で、彼らを吹き飛ばす。然し追撃しようとした瞬間、光刃が彼のコートを掠める。
「大人の理など知ったコトか! 誰もかれも夢を捨ててしまっても――我輩は夢を信じてその道を守る!」
ハッドの光刃が切り裂いたコートの隅から、僅かに覗く一冊の本。
――それこそが、ウィリアムの記した『夢物語』。
「――出てくるのが遅かったのはそれが原因じゃったか。じゃが、それを奪われる訳にはいかん…!」
指示を受けたパルムが猛然と、それを奪うべく飛来する。
「――現実を伴わぬ夢は、空想でしかない」
キン。
ナイフの爪で襲来するパルムを弾き飛ばし、
「書に気を取られすぎたな」
背後から巨大な鋼鉄の腕がハッドを掴み、投げ飛ばす。
「そっちもな!」
次の瞬間、ボディーにタックルを仕掛けたボルディア・コンフラムス(ka0796)によって、組み伏せられる。
「悲劇が無くならないから人類滅ぼすとかよ、諦めもいいトコだろうが!」
がっしりと、四肢を絡め、動きを封じる。
「また誰かを助けようとして助けられないのが怖いだけなんだろ。…テメェが傷つくのが怖いだけだろ!」
突き刺されるメス。然し直ぐに、燃ゆる炎が傷口の回りに生まれ、傷を癒合させて行く。
「テメェは全部の人間が救えなきゃ、何人救っても無駄だっていうのかよ!目の届く範囲の人を救うのはそんなに悪ぃことかよ!」
「――ああそうだ。悪い事だ」
さも当たり前のように、アレクサンドルは言い放った。
「……一人を救う事は可能だろう。……だが、その救った一人の行動によって、多くの人の命が失われたとしたら? お前は、その死した者に、どうやって顔向けする?」
絡み合った四肢から、体力が吸い取られる。飛来した鋼鉄の腕が、更に叩き付けられる。
癒しの炎はその効果を失い――逆にアレクサンドルの体力を取り戻させる事になる。
(「……同時に一人にしか効かないのか?」)
既に体力が危険域に入っていたミリアに回復魔術が再度効くようになっていたのを確認し、ユージーンは考える。
だが、攻撃された者たちが完全に体勢を立て直す前に。両の鉄腕でボルティアを地面に猛烈に叩き付けたアレクサンドルが、跳躍し彼らを襲う。
降り注ぐメスの雨と、鉄腕の打撃。完全に回復し切れていないミリアが倒れるのに、時間は掛からなかった。
●求める物は
「親の罪を子が被る必要は、確かにない。だが逆に言えば、親の行った罪を子が真似ぬとも限らない。故に悲劇を確実に根絶する為に、罪ある全ての人を滅ぼそう」
状況は、確実にアレクサンドルの方に傾いていた。
ハンター側は既にボルティアとミリアが倒れ、逆にアレクサンドル側は吸い取った体力や癒しによって、寧ろ状況は戦闘開始時より好転していた。
幸運だったのは、アレクサンドルの目的が『この場でウィリアムやハンターたちを撃殺する』ではなかった事。
「その怒りは、『助けられる』との思い上がりに対してか?それとも、何も助けられなかった自分自身への無力さに対して…? 個の罪は、全体になるのか?」
攻撃を継続する意が無いのを見て、ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)が彼に問いかける。
「個は全体の可能性を表す。その可能性があるのならば…『根絶する』」
「マフォジョ族の初代の者は、初代マフォジョ――蒼風リリカの死の真実について、口を閉ざしていた――それは一体――」
「真実も何も。……あの一戦についてならば、伝承は『間違っては』いない。『相打ち』だ。だが詳しく言いたがらないのも、また必然か。…如何にしてアレが起こったかを考えれば、な」
「あの『人と手を取り合う』教義は、マフォジョの教えだと聞いた。それは――」
「皮肉なものだ。おっさんを殺害しようとした奴らがその様な教義を掲げていたとはな」
「な――」
更に詳しく聞こうとしたルドガーの言葉を、アレクサンドルは遮る。
「知って何になる?今更過去の事実が変えられるのか?人を生き返らせる秘法でも、手に入れたのか?」
「何が分かる、などと言わないでくださいね。それは理解を拒絶しながら理解しない相手を責める卑怯な言葉です」
「分かってもらいたいとは一言も言った事はない。勝手な詮索をしながらも、相手から回答が得られなければ卑怯と言う。それが礼儀かね?」
ユージーンのフォローにも、冷たい言葉が返される。
「友達なんでしょう?あなたを守ろうとしてくれたんですよ!?友達ごと、大事な人ごと…全部滅ぼすんですか!?」
最後まで、アルマは決して、アレクサンドルに攻撃を仕掛けようとしなかった。
交渉を決裂させた非があるのは自分たち。そう思っていたから。彼は攻撃が出来なかった。
できるのは、悲痛な叫びを。心にある思いを、アレクサンドルに伝えるのみ。
「――ああ。それもまた、必然だ」
苦々しい表情を浮かべながらも、アレクサンドルは答えた。
「だが、それはこの場ではない」
僅かに、希望の光が差し込んだ。――そう見えた。
「――全ての人を滅ぼす時。その際だ」
「何故、友達まで、自分の手に掛けられるのですか!」
叫ぶアルマ。最早ほぼ、言葉にならない、涙を流しながらの叫び。
「――友だと思った者は、本当に、友なのだろうか?」
●残された者
かくしてアレクサンドルは、戦場を去った。
「あやつがあそこまで、思いつめていたとはのう」
深刻な顔で、今まで口を閉じていたウィリアムが呟く。
「リリカとアインの病気については、何か知っておるかの?」
問いかけたのは、ハッド。
「――アインの病気は、命に関わる物ではないが、運動機能関係の障害だと聞いておる。その証に、いつも車椅子じゃった。――リリカはわしは良く知らんが、進行性、其れも命に関わる物だと聞いたのう」
「では、彼らが死んだ例の事故について、聞かせてもらえるじゃろうか?」
「――あれは『事故』ではない。正確には、じゃがな。――少し長くなるぞい」
そう言うと、ウィリアムは。当時の状況を語り始めた――
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
ウィリアムさんに事前交渉 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/09/09 23:07:04 |
|
![]() |
作戦会議室 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/09/10 02:24:37 |
|
![]() |
ロレントさんに質問 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/09/09 17:52:27 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/09 14:09:09 |