ドラゴン(フライ)退治の依頼です

マスター:御影堂

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/08/28 15:00
完成日
2015/09/10 13:14

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 ドラゴン……。
 その言葉の響きに胸躍る冒険者もいれば、恐れおののく冒険者もいる。
 だが、心の奥底ではあこがれを感じているのではないだろうか?

 イチカ・アスタラビスタもまた、ドラゴンに夢をはせる少女である。
 ドラゴン退治の依頼と聞いて、飛び出してきた口だ。
「……で、何アレ?」
「何って、トンボだよな」
 イチカは乙女らしからぬ表情で、敵影を眺めていた。
 四枚の薄い羽、ひょろ長い身体、わきわきとした脚。
 どこからどうみても、トンボである。
 ただし、人間大ぐらいの大きさがある、巨大トンボだ。
「トンボって、別名ドラゴンフライなんだって」
「……それで……?」
「ドラゴンフライ退治って依頼だったよ」
「…………」
 イチカにこの依頼を薦めてきたのは、相棒のアルベルトだった。
 アルの顔をイチカは、真顔で見つめる。目だけは怖かった。
「ごめん。ドラゴンってつくなら、なんでもいいと思って」
「んなわけ、あるか」
 片手で詫びるアルにイチカは激情した。
 私のワクワクどきどきを返せとがなる。
「ほら、見てイチカ。あのトンボの羽、宝石みたいじゃない。綺麗だよねー」
「確かに」
 アルに言われ、じっとトンボを伺う。
 羽の部分は宝石を薄く伸ばしたように、光に反射してきらめいていた。
 見ればトンボの身体も木の軸のように見える。
「まるで、魔法使いの杖ね」
「イチカは詩的だなぁ」
「で、そんなことで私の怒りは収まらないわよ?」
 アルは露骨に舌打ちした。そして、イチカの拳にふっとばされた。
 アルが起き上がったとき、イチカは剣を構えていた。
「え、他の皆は待たないの?」
 イチカとアルは、勇み足が過ぎ、早くつきすぎていた。
 残りのハンターは、まだ来ていない。
「たかがトンボ。本物のドラゴンに比べれば、どうってことないわ!」
 切っ先をトンボに向けて、堂々たる宣言。
 無論、本物のドラゴンなんぞイチカは見たことがない。
「……止めはしないけど」
「止めてくれるな! 私は今、怒りに燃えているっ!」
 アカラサマに正常な判断ができていなかった。
 そのまま突っ込んでいくイチカを諦め、ヒールの準備をするアルであった。

 結論から言おう。
 イチカは依頼を出した村の宿で、ベッドに横たわっていた。
「た、たどり着けさえシなかった……だと!?」
「敵影の数ぐらい把握しなよ」
 そう、まず敵数が少なくとも五はあった。
 そして、それぞれが近づこうとするイチカに魔法を放ってきたのである。
 いや、純粋な魔法であるかは定かでないが、風刃やエネルギーの矢のようなものがイチカを襲っていた。
「く、悔しい」
「ドラゴン討伐は夢のまた夢、だねぇ」
 重体にこそ陥ったがアルのおかげで、村まで戻ってこれた。
「足場が悪かったのが原因だ!」
「戦場を把握するのも、戦士の大事な勤めだよ?」
 ぐぅ正論にイチカは押し黙る。
 そう、戦場は長雨の影響で非常にぬかるんでいたのだ。
 村に来るまでに天候は気にしていたはずなのに、失念していた。
 いくつもの油断。悔やんでも悔やみきれない。
「ちくせう~~~!!」
「後続に託すしか、ないなぁ」
 イチカとアル。二人の依頼は失敗した。
 残るメンバーにトンボの雑魔退治は託されたのであるっ!!

リプレイ本文


 泥状の地面の先、複数のきらめく光が見える。
 光は棒きれのようなものにくっついて、はためいていた。
「ドラゴンフライ……」
 光のついた棒きれの名を呼び、レイ・T・ベッドフォード(ka2398)は思案する。
 それは、まさにトンボであるが、
「ふむ、ドラゴンということはアレは、強欲の歪虚ですか」
 レイは勘違いしていた。知っているものと大きく異る姿に、疑問はあるのだが。
「いやはや、歪虚も中々奥深いですね……」
「……不吉な虫だと一部ではいわれているらしいからな」
 レイの傍で、オルドレイル(ka0621)がつぶやく。
 先日の戦いで重傷を負った彼女は、ライフルの調子を確かめていた。
「ここまで巨大だと、不吉というより害悪だな」
 銃口を向けた先、トンボたちは悠長に飛んでいる。
 こんなコンディションでも、やることをやらねばオルドレイルは気がすまない。
「無茶はなさらないでくださいね」
「無論だ。ここで死んでは元も子もないからな」
 レイの気遣いに、オルドレイルはすっぱりと答えた。
 思い出されるのは、無謀に散った二人だった。

「……生きて帰れただけでも素晴らしい。すごいことですよ」
 真顔でレイは、イチカたちへ賛辞の言葉を口にしていた。
 無論、ドラゴンが相手だと思ってのことである。
 仇を取るといって去っていったレイのあと、
「無茶無謀、ドラゴンフライ程度でなければ死んでいたかもしれないですよ」
 雨月彩萌(ka3925)が静かに告げる。
 それでも情報はきっちりともらい、現場へ向かう。
「わたしの正常を証明するために、異常を排除します」


 目前の異常、トンボの歪虚を彩萌は冷静に見定めていた。
 隣りでは、ナナセ・ウルヴァナ(ka5497)が気を落としていた。
「ドラゴンフライって、飛竜のことじゃあなかったんですね」
 討伐依頼をオフィスで探してもらったナナセは、てっきり竜退治だと思っていた。
 だが、よくよく考えれば、実績のない自分に竜退治を勧めるわけがない。
「やー、おかしいと思ったんですよね」
「ドラゴンだろうが、ドラゴンフライだろうが、歪虚ならば滅する、それだよけよ」
 片側ではセリス・アルマーズ(ka1079)が装備を固め、歪虚を睨めつけていた。
 セリスの意識が届くところに、歪虚が存在すること。それ自体が、許せないのだ。
「そうですよね。大物討伐にも挑んでみたいですけど、そのためには実績の積み重ねですね!」
 前向きにナナセは弓を構える。
「今回の依頼、ばっちり解決しちゃいますよ!」

 ナナセの気合に呼応するように、別の場所でも気合を入れている者がいた。
 ゲルト・フォン・B(ka3222)である。
「ドラゴン退治の依頼と聞いたぞ! ドラゴンを退治するといえば騎士の夢に決まっている! まさか村でそんな依頼を受けられるとは思わなかったぞ!」
 切っ先を敵に向け、ゲルトは声を張る……のだが。
「さあドラゴン、この私の剣の錆びに……」
 剣を持った腕が、しょげる。
 そして、恐る恐る事実を確認する。
「あれっ? あそこに飛んでるの……ドラゴンフライ……」
「ドラゴンフライっていうから、小さいドラゴンを想像したけど、トンボなんだね」
「ドラゴンなんて大変そうだと思いましたが……トンボですか。よかった」
 一方で少し安堵の表情を浮かべるのが、陽山 神樹(ka0479)と月架 尊(ka0114)だ。
 尊はトンボを見ながら、
「……懐かしいですね。故郷ではよくトンボをからかって遊んだものです」
「そうそう、やんちゃな頃は羽根をもぎ取ってカマキリの前に置いて」
 応える神樹は、少年時代の所業を告白し、
「……って! なんかヒーローらしくないな!」
 一人苦悶していた。
 さすがにそこまではしてないだろう、尊も幼心を思い出していた。
「もしこれが過去からの復讐ならば、受けて立つまでだ! 機導陽神ファイライザー出撃!」
 気合を入れなおし、神樹は覚醒する。
 私も行きます、とビキニアーマーに変じたゲルトも剣を構える。
「さぁ、どこからでもかかってきなさい!」


 駈け出した神樹をゲルトと尊が追う。
 トンボたちの視線はわかりづらいが、数匹が泥の跳ねる音に反応していた。
「……こういうときは匍匐前進って習いましたが……そんな余裕はないですね」
 足元が悪い、だけではない。
 予想以上にトンボたちの射程は長いようだ。
「うっ」と神樹は、足首までぬかるみに取られたようだった。
 抜け目なく二匹のトンボが続けざまに風刃を放つ。
 これしき、と耐える神樹の横並びに、ゲルトが来る。

「いたいけな村人を襲い蹂躙するドラゴン……フライ……どもよ!」
 あくまでドラゴンを強調し、フライを小さくつぶやく。
「この私ゲルト・フォン・ブラウンシュヴァイクが相手だ! 後世までの語り草にするがいい!」
 だが、名乗りは堂々たるもので、おまけにビキニアーマー。
 露出の多さは、敵に狙われやすくするためだ。野生の勘か、それとも名乗りの声に反応したか。別な二匹がゲルトを狙う。
 風刃の一つは頬を撫でつけ、一つはアーマーによって弾かれた。
 胸部装甲は伊達じゃない。
「さぁ、私は逃げも隠れもしませんよ」
 さらに踏み込むゲルトの後ろに、尊が追いつく。
 尊は、トランシーバーで別働隊に合図を送っていた。


「始まったようね」
 トランシーバーから耳を離し、セリスはトンボたちへと近づいていく。
 歩くわけではないが、駆けるわけでもない。
「雑魔も堕落者も信奉者も、私の信じる世界には不要」
 語りながら進むさまは、重みがあった。
「エラクの光のもとに、穢れしモノに神罰を……」
 エイメンと唱え、進みゆくセリスに彩萌が続く。
 彩萌は自身に防御を固めるエネルギーを流し込み、体勢を整えていた。
「さて、作戦開始ですね」
「ご武運を!」
 前進する二人に対して、ナナセは右側へと大きく動いた。
 射線を確保するとともに、別方向から仕掛けるためだ。
「ふ、ふぁわっ!?」
 だが、焦りは禁物。
 柔らかな地面は踏み出したナナセの足を見事に滑らせた。耐えようと力む努力もやむなく、べしゃりと転げるのだった。
 ぬかるんだ地面だとわかっていたはずなのに、とゆっくり立ち上がり体勢を整える。
「あれ?」
 立ち上がったナナセは、視界の変化に気づく。
 五匹だったトンボが、六匹に増えていたのだ。

 別働隊のもう一方、オルドレイルたちも気づいていた。
「どうやら、飛び立ったみたいだな」
 冷静にオルドレイルは分析する。
 茶色の体に透明の羽根、泥に塗れた状態なら擬態にもなるだろう。
 それが羽ばたき、泥を落とせば、突然現れるように見えるだけのこと。
「焦る必要はない。予想の範疇だ」
 ゆっくりと感付かれないよう、トンボを射程内に納めに行く。
 馬でくることも考えたが、この泥の場では、重荷になると考えて置いてきた。
「一気に、行きますよ」
 対して、同じ地点にいたレイはナナセに告げると、駆け出していた。
 彼は囮に意識が向いているトンボの側面に狙いを付けていた。
 半包囲となるようにセリスたちの動きも気にかけ、駆ける。

 見れば、囮班は早くも戦端を開こうとしていた。


「その程度……!」
 目の前の風刃を見とめ、尊は体にマテリアルを流し込む。
 アクロバティックな動きで、その風刃をかわす。本来であれば、ここで距離を取る。だが、尊はあえて相手の側へと飛び込んだ。
 ぬかるんだ地面を転がるように、懐へ入る。
「戦闘、開始します」
 トランシーバーで手早く、それだけを告げる。
 紫電を構え、飛んでいる相手へ上段から斬撃を放つ。双眸がより紅く、目の前のトンボだけを睨んでいた。
 刃がトンボの背に叩きつけられ、羽根の一部を破壊した。
「長い分、当たりやすいはず」
 尊は積極的に体の部分を狙いをつけていた。返すように放たれた風刃は、疾く駆けて躱す。
 顔を上げれば光の筋が、トンボたちへ伸びていた。

「魔法には力をっていうけど、近づかなきゃ意味ないよね……それ! ライザーデルタレイ!」
 技名を宣言し、神樹がデルタレイを放っていた。
 光の三角形から伸びた筋は、二匹に避けられ、一匹を貫く。
 貫かれたトンボは神樹に狙いを付けていた。
「無茶はしないでほしいな」
 ゲルトが追い抜きざまに、神樹の傷を柔らかな光で癒やす。
 接近しつつ、ゲルトは続けざまに光弾を放っていた。
「さぁ、私が相手だ!」


 戦いの合図に、彩萌は冷静にセリスへと目配せをしていた。
 彼女たちの視線の先には、こちらを見る二匹のトンボがいた。
「こちらの想定通りに事が運ぶとは限らない。現実は甘くないですね」
 盾を構えて進みながら、彩萌はいう。
「わたしが盾になるので、その間に行ってください」
「いや、気づかれたところで、大して問題はない」
 火力が集中するから接近が危うくなる。
 バラけているのなら、問題はないのだとセリスはいう。
「では、後ろに攻撃がいかないよう、盾になります」
 セリスと彩萌と違って、ナナセはあまり前線には出ない。そちらが狙われないよう、引きつけるべく二人はもう少し距離を詰める。
 放たれた風刃を捌き、セリスはお返しとばかりに光弾を飛ばす。
 さらに前へ出るセリスの後ろで、彩萌は銃を構えた。
「牽制します。流れ弾に当たりたくなければ、速やかに行動してください」
 いうやいなや、引き金を引く。
 承知とばかりに、セリスはもう一発光弾を放って、泥を蹴った。

「私も頑張らないと」
 ナナセは前へ出る二人の背中を見届け、マテリアルを込めて矢をつがえた。
 強く引き絞りながら、光弾を浴びたばかりのトンボを望む。
「よし」
 小さく頷くナナセの視線の先で、矢がトンボの羽根を一枚射抜いた。
 煌めく破片が風に流されて、消えていく。

 反対側では、オルドレイルが状況を確認していた。
 まだ倒れたトンボはいないものの、敵戦力はいい具合に散っていた。
 オルドレイルもまた、牽制するように射撃音を響かせる。
「当たる当たらないは、期待しないで欲しい」
 戦闘前に、そう述べていた通り、弾丸は地面を抉る。
 状態が状態だ。誰もがそれを承諾していた。

 オルドレイルが放った弾丸の着弾点近くで、レイはハルバートを振るう。
 それが目印であるかのように、彼の近くに味方の影はない。
「……その魔法」
 風刃を避けながら、レイは静かに告げる。
「その牙が人を傷つけるのであれば、私は貴方達を討ちます」
 側面から肉薄したレイに対応できたのは、二匹。うち、一匹は神樹のデルタレイを受けていた。
 ハルバートを大きく振り回し、自身も回転して軌道に力を乗せる。
 鋭い風の音が耳に聞こえた先で、ドッと何かを叩く感触がした。
「まだ、終わりませんよ」
 打ち据えたのは、無傷だった方だ。
 反撃とばかりに威嚇するトンボへ、続けざまに大きく得物を振りぬく。
 一撃目、避けられた。
 風刃が飛来し、これを躱す。
 二撃目、オルドレイルの射撃音がトンボの注意を引いていた。祖霊の力が篭った斬撃が、トンボの身体を大きく裂いた。
「……おっ」
 崩れ落ちたトンボの向こうで、何かがはじけていた。


 弾けたのは、セリスだった。
 厳密に言えば、セリスのセイクリッドフラッシュだ。彼女を中心に放たれた光の波動が、トンボたちへと襲いかかったのである。
「神罰を……受けよ」
 力強く踏み出すと同時に、瀕死だったトンボは崩れていった。
 巻き込まれたのは、もう一匹。
「敵を射程に捉えました」
 こいつは、彩萌が放った機動砲、一筋の光にも飲み込まれていた。
「殲滅戦に移行する時が訪れた、という事です」
 彩萌は、さばけた口調で言ってのける。
「速やかに異常を殲滅しましょう」
 もちろん、と力強く頷くセリス。指向性の違いはあれど、どこか行動は似ていた。
 そんな二人を遠目に見ながら、ナナセは次の矢を放つ。
「確実に……」
 セリスと彩萌が崩した相手は、一撃で沈みそうだった。
 マテリアルを瞳に込め、撃ち漏らさないように確実に仕留める。セリスへ飛んだトンボの頭は、その牙が届く前に射止められるのであった。

 神樹はデルタレイを放ちながら、接近を果たすと
「トンボが魔法なんて似合わないよ! 羽音で攻撃も嫌だけどね!」
 力強くいいながら、電撃を放っていた。枝状の体が反り返り、トンボが攻撃するのを阻害する。
 動きの鈍ったところへ神樹は、それそれそれ、と小気味よく光の剣をふるった。
「少しでも切れれば、機動力を封じられるかも!」
 狙うのは小うるさい透明な羽、狙いをつけて切り落とす。
 トンボの動きが乱れ、地面へ激突しそうになった。
 そこで奇跡が起こる。オルドレイルが放った弾丸が、吸い込まれるようにトンボを穿ったのだ。
 二回転して転がっていく、トンボは、まだ息の音があった。
「せめて、安らかに」と復讐にきた体で、神樹は介錯する。
 その後ろでは、尊は最後の一撃を放っていた。
 斬撃と回避……二つの動きに集中し、尊は一気に攻め立てた。
 途中、雄叫びを上げて注意を引きつつ、こいつだけはと引きつけ続けたのだ。
 撹乱とまではいかなかったものの、囮としての任は果たせていた。
「いや、まだです」
 まだ一匹残っている。

 視線の先では、
「……っせい!」
 ゲルトが気合を入れて盾を押し込み、最後の一匹を縫い止めているところだった。
 他のトンボは地に落ち、綺麗な羽根ごと崩れ去っていた。
「残るは貴殿のみ。ドラゴン……フライ、討伐させてもらう!」
 頑なにフライを小さく言い続け、ゲルトが改めて宣言する。
 多勢に無勢、決着はすぐについたのだった。

「強欲の歪虚は、高位であればあるほどに竜に近づいていくそうですが――」
 消えていく歪虚へ餞のように、レイは告げた。
「貴方達の敗因は、良き爪を持つに至れなかったことですね」


「目標は達成だ」とオルドレイルがいう。
「村に帰ったら、紅茶でも飲もう」
 セリスは全員の治癒を終えると、続けて告げた。
 ナナセが戦いの後の一杯、とにわかに反応していた。
「村に戻ったら、正直に依頼を出すように注意しないと」
 神樹は、村人へ忠告をしようと考えていた。
 「今回の依頼も見方を変えると龍の天ぷら」になってしまう。
 名前は、やはり大事である。
「……竜になりそこねたものだと、倒したら如何に呼ばれるのでしょうね……」
 レイの言葉に、ゲルトがピンと反応する。
「それでも、ドラゴン、フライ、スレイヤーじゃないかな」
 フライはやはり小声だった。

「……確かに綺麗でしたね」
 最後についていきながら、尊はふと呟く。
 倒れ、砕けていったトンボの羽根は、輝いているように見えた。

 美しくも、異常は正され、村には平穏が戻る。
 だが、ドラゴンへのあこがれがある限り、今日もどこかでドラゴン(?)討伐依頼があることだろう。
 その異常も、いずれ正される日が来るのかもしれない。

依頼結果

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MVP一覧

  • 戦闘鬼
    月架 尊ka0114
  • 歪虚滅ぶべし
    セリス・アルマーズka1079

重体一覧

参加者一覧

  • 戦闘鬼
    月架 尊(ka0114
    人間(蒼)|16才|男性|疾影士
  • 幼女のお願いを聞いた者
    陽山 神樹(ka0479
    人間(蒼)|15才|男性|機導師

  • オルドレイル(ka0621
    人間(紅)|23才|女性|闘狩人
  • 歪虚滅ぶべし
    セリス・アルマーズ(ka1079
    人間(紅)|20才|女性|聖導士
  • SKMコンサルタント
    レイ・T・ベッドフォード(ka2398
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • ビキニアーマーマイスター
    ゲルト・フォン・B(ka3222
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • エメラルドの祈り
    雨月彩萌(ka3925
    人間(蒼)|20才|女性|機導師
  • Sagittarius
    ナナセ・ウルヴァナ(ka5497
    人間(紅)|22才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 作戦相談所
雨月彩萌(ka3925
人間(リアルブルー)|20才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2015/08/28 00:58:23
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/08/26 22:09:16