ゲスト
(ka0000)
ドラゴン(フライ)退治の依頼です
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/08/28 15:00
- 完成日
- 2015/09/10 13:14
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
ドラゴン……。
その言葉の響きに胸躍る冒険者もいれば、恐れおののく冒険者もいる。
だが、心の奥底ではあこがれを感じているのではないだろうか?
イチカ・アスタラビスタもまた、ドラゴンに夢をはせる少女である。
ドラゴン退治の依頼と聞いて、飛び出してきた口だ。
「……で、何アレ?」
「何って、トンボだよな」
イチカは乙女らしからぬ表情で、敵影を眺めていた。
四枚の薄い羽、ひょろ長い身体、わきわきとした脚。
どこからどうみても、トンボである。
ただし、人間大ぐらいの大きさがある、巨大トンボだ。
「トンボって、別名ドラゴンフライなんだって」
「……それで……?」
「ドラゴンフライ退治って依頼だったよ」
「…………」
イチカにこの依頼を薦めてきたのは、相棒のアルベルトだった。
アルの顔をイチカは、真顔で見つめる。目だけは怖かった。
「ごめん。ドラゴンってつくなら、なんでもいいと思って」
「んなわけ、あるか」
片手で詫びるアルにイチカは激情した。
私のワクワクどきどきを返せとがなる。
「ほら、見てイチカ。あのトンボの羽、宝石みたいじゃない。綺麗だよねー」
「確かに」
アルに言われ、じっとトンボを伺う。
羽の部分は宝石を薄く伸ばしたように、光に反射してきらめいていた。
見ればトンボの身体も木の軸のように見える。
「まるで、魔法使いの杖ね」
「イチカは詩的だなぁ」
「で、そんなことで私の怒りは収まらないわよ?」
アルは露骨に舌打ちした。そして、イチカの拳にふっとばされた。
アルが起き上がったとき、イチカは剣を構えていた。
「え、他の皆は待たないの?」
イチカとアルは、勇み足が過ぎ、早くつきすぎていた。
残りのハンターは、まだ来ていない。
「たかがトンボ。本物のドラゴンに比べれば、どうってことないわ!」
切っ先をトンボに向けて、堂々たる宣言。
無論、本物のドラゴンなんぞイチカは見たことがない。
「……止めはしないけど」
「止めてくれるな! 私は今、怒りに燃えているっ!」
アカラサマに正常な判断ができていなかった。
そのまま突っ込んでいくイチカを諦め、ヒールの準備をするアルであった。
結論から言おう。
イチカは依頼を出した村の宿で、ベッドに横たわっていた。
「た、たどり着けさえシなかった……だと!?」
「敵影の数ぐらい把握しなよ」
そう、まず敵数が少なくとも五はあった。
そして、それぞれが近づこうとするイチカに魔法を放ってきたのである。
いや、純粋な魔法であるかは定かでないが、風刃やエネルギーの矢のようなものがイチカを襲っていた。
「く、悔しい」
「ドラゴン討伐は夢のまた夢、だねぇ」
重体にこそ陥ったがアルのおかげで、村まで戻ってこれた。
「足場が悪かったのが原因だ!」
「戦場を把握するのも、戦士の大事な勤めだよ?」
ぐぅ正論にイチカは押し黙る。
そう、戦場は長雨の影響で非常にぬかるんでいたのだ。
村に来るまでに天候は気にしていたはずなのに、失念していた。
いくつもの油断。悔やんでも悔やみきれない。
「ちくせう~~~!!」
「後続に託すしか、ないなぁ」
イチカとアル。二人の依頼は失敗した。
残るメンバーにトンボの雑魔退治は託されたのであるっ!!
ドラゴン……。
その言葉の響きに胸躍る冒険者もいれば、恐れおののく冒険者もいる。
だが、心の奥底ではあこがれを感じているのではないだろうか?
イチカ・アスタラビスタもまた、ドラゴンに夢をはせる少女である。
ドラゴン退治の依頼と聞いて、飛び出してきた口だ。
「……で、何アレ?」
「何って、トンボだよな」
イチカは乙女らしからぬ表情で、敵影を眺めていた。
四枚の薄い羽、ひょろ長い身体、わきわきとした脚。
どこからどうみても、トンボである。
ただし、人間大ぐらいの大きさがある、巨大トンボだ。
「トンボって、別名ドラゴンフライなんだって」
「……それで……?」
「ドラゴンフライ退治って依頼だったよ」
「…………」
イチカにこの依頼を薦めてきたのは、相棒のアルベルトだった。
アルの顔をイチカは、真顔で見つめる。目だけは怖かった。
「ごめん。ドラゴンってつくなら、なんでもいいと思って」
「んなわけ、あるか」
片手で詫びるアルにイチカは激情した。
私のワクワクどきどきを返せとがなる。
「ほら、見てイチカ。あのトンボの羽、宝石みたいじゃない。綺麗だよねー」
「確かに」
アルに言われ、じっとトンボを伺う。
羽の部分は宝石を薄く伸ばしたように、光に反射してきらめいていた。
見ればトンボの身体も木の軸のように見える。
「まるで、魔法使いの杖ね」
「イチカは詩的だなぁ」
「で、そんなことで私の怒りは収まらないわよ?」
アルは露骨に舌打ちした。そして、イチカの拳にふっとばされた。
アルが起き上がったとき、イチカは剣を構えていた。
「え、他の皆は待たないの?」
イチカとアルは、勇み足が過ぎ、早くつきすぎていた。
残りのハンターは、まだ来ていない。
「たかがトンボ。本物のドラゴンに比べれば、どうってことないわ!」
切っ先をトンボに向けて、堂々たる宣言。
無論、本物のドラゴンなんぞイチカは見たことがない。
「……止めはしないけど」
「止めてくれるな! 私は今、怒りに燃えているっ!」
アカラサマに正常な判断ができていなかった。
そのまま突っ込んでいくイチカを諦め、ヒールの準備をするアルであった。
結論から言おう。
イチカは依頼を出した村の宿で、ベッドに横たわっていた。
「た、たどり着けさえシなかった……だと!?」
「敵影の数ぐらい把握しなよ」
そう、まず敵数が少なくとも五はあった。
そして、それぞれが近づこうとするイチカに魔法を放ってきたのである。
いや、純粋な魔法であるかは定かでないが、風刃やエネルギーの矢のようなものがイチカを襲っていた。
「く、悔しい」
「ドラゴン討伐は夢のまた夢、だねぇ」
重体にこそ陥ったがアルのおかげで、村まで戻ってこれた。
「足場が悪かったのが原因だ!」
「戦場を把握するのも、戦士の大事な勤めだよ?」
ぐぅ正論にイチカは押し黙る。
そう、戦場は長雨の影響で非常にぬかるんでいたのだ。
村に来るまでに天候は気にしていたはずなのに、失念していた。
いくつもの油断。悔やんでも悔やみきれない。
「ちくせう~~~!!」
「後続に託すしか、ないなぁ」
イチカとアル。二人の依頼は失敗した。
残るメンバーにトンボの雑魔退治は託されたのであるっ!!
リプレイ本文
▼
泥状の地面の先、複数のきらめく光が見える。
光は棒きれのようなものにくっついて、はためいていた。
「ドラゴンフライ……」
光のついた棒きれの名を呼び、レイ・T・ベッドフォード(ka2398)は思案する。
それは、まさにトンボであるが、
「ふむ、ドラゴンということはアレは、強欲の歪虚ですか」
レイは勘違いしていた。知っているものと大きく異る姿に、疑問はあるのだが。
「いやはや、歪虚も中々奥深いですね……」
「……不吉な虫だと一部ではいわれているらしいからな」
レイの傍で、オルドレイル(ka0621)がつぶやく。
先日の戦いで重傷を負った彼女は、ライフルの調子を確かめていた。
「ここまで巨大だと、不吉というより害悪だな」
銃口を向けた先、トンボたちは悠長に飛んでいる。
こんなコンディションでも、やることをやらねばオルドレイルは気がすまない。
「無茶はなさらないでくださいね」
「無論だ。ここで死んでは元も子もないからな」
レイの気遣いに、オルドレイルはすっぱりと答えた。
思い出されるのは、無謀に散った二人だった。
「……生きて帰れただけでも素晴らしい。すごいことですよ」
真顔でレイは、イチカたちへ賛辞の言葉を口にしていた。
無論、ドラゴンが相手だと思ってのことである。
仇を取るといって去っていったレイのあと、
「無茶無謀、ドラゴンフライ程度でなければ死んでいたかもしれないですよ」
雨月彩萌(ka3925)が静かに告げる。
それでも情報はきっちりともらい、現場へ向かう。
「わたしの正常を証明するために、異常を排除します」
●
目前の異常、トンボの歪虚を彩萌は冷静に見定めていた。
隣りでは、ナナセ・ウルヴァナ(ka5497)が気を落としていた。
「ドラゴンフライって、飛竜のことじゃあなかったんですね」
討伐依頼をオフィスで探してもらったナナセは、てっきり竜退治だと思っていた。
だが、よくよく考えれば、実績のない自分に竜退治を勧めるわけがない。
「やー、おかしいと思ったんですよね」
「ドラゴンだろうが、ドラゴンフライだろうが、歪虚ならば滅する、それだよけよ」
片側ではセリス・アルマーズ(ka1079)が装備を固め、歪虚を睨めつけていた。
セリスの意識が届くところに、歪虚が存在すること。それ自体が、許せないのだ。
「そうですよね。大物討伐にも挑んでみたいですけど、そのためには実績の積み重ねですね!」
前向きにナナセは弓を構える。
「今回の依頼、ばっちり解決しちゃいますよ!」
ナナセの気合に呼応するように、別の場所でも気合を入れている者がいた。
ゲルト・フォン・B(ka3222)である。
「ドラゴン退治の依頼と聞いたぞ! ドラゴンを退治するといえば騎士の夢に決まっている! まさか村でそんな依頼を受けられるとは思わなかったぞ!」
切っ先を敵に向け、ゲルトは声を張る……のだが。
「さあドラゴン、この私の剣の錆びに……」
剣を持った腕が、しょげる。
そして、恐る恐る事実を確認する。
「あれっ? あそこに飛んでるの……ドラゴンフライ……」
「ドラゴンフライっていうから、小さいドラゴンを想像したけど、トンボなんだね」
「ドラゴンなんて大変そうだと思いましたが……トンボですか。よかった」
一方で少し安堵の表情を浮かべるのが、陽山 神樹(ka0479)と月架 尊(ka0114)だ。
尊はトンボを見ながら、
「……懐かしいですね。故郷ではよくトンボをからかって遊んだものです」
「そうそう、やんちゃな頃は羽根をもぎ取ってカマキリの前に置いて」
応える神樹は、少年時代の所業を告白し、
「……って! なんかヒーローらしくないな!」
一人苦悶していた。
さすがにそこまではしてないだろう、尊も幼心を思い出していた。
「もしこれが過去からの復讐ならば、受けて立つまでだ! 機導陽神ファイライザー出撃!」
気合を入れなおし、神樹は覚醒する。
私も行きます、とビキニアーマーに変じたゲルトも剣を構える。
「さぁ、どこからでもかかってきなさい!」
▼
駈け出した神樹をゲルトと尊が追う。
トンボたちの視線はわかりづらいが、数匹が泥の跳ねる音に反応していた。
「……こういうときは匍匐前進って習いましたが……そんな余裕はないですね」
足元が悪い、だけではない。
予想以上にトンボたちの射程は長いようだ。
「うっ」と神樹は、足首までぬかるみに取られたようだった。
抜け目なく二匹のトンボが続けざまに風刃を放つ。
これしき、と耐える神樹の横並びに、ゲルトが来る。
「いたいけな村人を襲い蹂躙するドラゴン……フライ……どもよ!」
あくまでドラゴンを強調し、フライを小さくつぶやく。
「この私ゲルト・フォン・ブラウンシュヴァイクが相手だ! 後世までの語り草にするがいい!」
だが、名乗りは堂々たるもので、おまけにビキニアーマー。
露出の多さは、敵に狙われやすくするためだ。野生の勘か、それとも名乗りの声に反応したか。別な二匹がゲルトを狙う。
風刃の一つは頬を撫でつけ、一つはアーマーによって弾かれた。
胸部装甲は伊達じゃない。
「さぁ、私は逃げも隠れもしませんよ」
さらに踏み込むゲルトの後ろに、尊が追いつく。
尊は、トランシーバーで別働隊に合図を送っていた。
●
「始まったようね」
トランシーバーから耳を離し、セリスはトンボたちへと近づいていく。
歩くわけではないが、駆けるわけでもない。
「雑魔も堕落者も信奉者も、私の信じる世界には不要」
語りながら進むさまは、重みがあった。
「エラクの光のもとに、穢れしモノに神罰を……」
エイメンと唱え、進みゆくセリスに彩萌が続く。
彩萌は自身に防御を固めるエネルギーを流し込み、体勢を整えていた。
「さて、作戦開始ですね」
「ご武運を!」
前進する二人に対して、ナナセは右側へと大きく動いた。
射線を確保するとともに、別方向から仕掛けるためだ。
「ふ、ふぁわっ!?」
だが、焦りは禁物。
柔らかな地面は踏み出したナナセの足を見事に滑らせた。耐えようと力む努力もやむなく、べしゃりと転げるのだった。
ぬかるんだ地面だとわかっていたはずなのに、とゆっくり立ち上がり体勢を整える。
「あれ?」
立ち上がったナナセは、視界の変化に気づく。
五匹だったトンボが、六匹に増えていたのだ。
別働隊のもう一方、オルドレイルたちも気づいていた。
「どうやら、飛び立ったみたいだな」
冷静にオルドレイルは分析する。
茶色の体に透明の羽根、泥に塗れた状態なら擬態にもなるだろう。
それが羽ばたき、泥を落とせば、突然現れるように見えるだけのこと。
「焦る必要はない。予想の範疇だ」
ゆっくりと感付かれないよう、トンボを射程内に納めに行く。
馬でくることも考えたが、この泥の場では、重荷になると考えて置いてきた。
「一気に、行きますよ」
対して、同じ地点にいたレイはナナセに告げると、駆け出していた。
彼は囮に意識が向いているトンボの側面に狙いを付けていた。
半包囲となるようにセリスたちの動きも気にかけ、駆ける。
見れば、囮班は早くも戦端を開こうとしていた。
▼
「その程度……!」
目の前の風刃を見とめ、尊は体にマテリアルを流し込む。
アクロバティックな動きで、その風刃をかわす。本来であれば、ここで距離を取る。だが、尊はあえて相手の側へと飛び込んだ。
ぬかるんだ地面を転がるように、懐へ入る。
「戦闘、開始します」
トランシーバーで手早く、それだけを告げる。
紫電を構え、飛んでいる相手へ上段から斬撃を放つ。双眸がより紅く、目の前のトンボだけを睨んでいた。
刃がトンボの背に叩きつけられ、羽根の一部を破壊した。
「長い分、当たりやすいはず」
尊は積極的に体の部分を狙いをつけていた。返すように放たれた風刃は、疾く駆けて躱す。
顔を上げれば光の筋が、トンボたちへ伸びていた。
「魔法には力をっていうけど、近づかなきゃ意味ないよね……それ! ライザーデルタレイ!」
技名を宣言し、神樹がデルタレイを放っていた。
光の三角形から伸びた筋は、二匹に避けられ、一匹を貫く。
貫かれたトンボは神樹に狙いを付けていた。
「無茶はしないでほしいな」
ゲルトが追い抜きざまに、神樹の傷を柔らかな光で癒やす。
接近しつつ、ゲルトは続けざまに光弾を放っていた。
「さぁ、私が相手だ!」
●
戦いの合図に、彩萌は冷静にセリスへと目配せをしていた。
彼女たちの視線の先には、こちらを見る二匹のトンボがいた。
「こちらの想定通りに事が運ぶとは限らない。現実は甘くないですね」
盾を構えて進みながら、彩萌はいう。
「わたしが盾になるので、その間に行ってください」
「いや、気づかれたところで、大して問題はない」
火力が集中するから接近が危うくなる。
バラけているのなら、問題はないのだとセリスはいう。
「では、後ろに攻撃がいかないよう、盾になります」
セリスと彩萌と違って、ナナセはあまり前線には出ない。そちらが狙われないよう、引きつけるべく二人はもう少し距離を詰める。
放たれた風刃を捌き、セリスはお返しとばかりに光弾を飛ばす。
さらに前へ出るセリスの後ろで、彩萌は銃を構えた。
「牽制します。流れ弾に当たりたくなければ、速やかに行動してください」
いうやいなや、引き金を引く。
承知とばかりに、セリスはもう一発光弾を放って、泥を蹴った。
「私も頑張らないと」
ナナセは前へ出る二人の背中を見届け、マテリアルを込めて矢をつがえた。
強く引き絞りながら、光弾を浴びたばかりのトンボを望む。
「よし」
小さく頷くナナセの視線の先で、矢がトンボの羽根を一枚射抜いた。
煌めく破片が風に流されて、消えていく。
反対側では、オルドレイルが状況を確認していた。
まだ倒れたトンボはいないものの、敵戦力はいい具合に散っていた。
オルドレイルもまた、牽制するように射撃音を響かせる。
「当たる当たらないは、期待しないで欲しい」
戦闘前に、そう述べていた通り、弾丸は地面を抉る。
状態が状態だ。誰もがそれを承諾していた。
オルドレイルが放った弾丸の着弾点近くで、レイはハルバートを振るう。
それが目印であるかのように、彼の近くに味方の影はない。
「……その魔法」
風刃を避けながら、レイは静かに告げる。
「その牙が人を傷つけるのであれば、私は貴方達を討ちます」
側面から肉薄したレイに対応できたのは、二匹。うち、一匹は神樹のデルタレイを受けていた。
ハルバートを大きく振り回し、自身も回転して軌道に力を乗せる。
鋭い風の音が耳に聞こえた先で、ドッと何かを叩く感触がした。
「まだ、終わりませんよ」
打ち据えたのは、無傷だった方だ。
反撃とばかりに威嚇するトンボへ、続けざまに大きく得物を振りぬく。
一撃目、避けられた。
風刃が飛来し、これを躱す。
二撃目、オルドレイルの射撃音がトンボの注意を引いていた。祖霊の力が篭った斬撃が、トンボの身体を大きく裂いた。
「……おっ」
崩れ落ちたトンボの向こうで、何かがはじけていた。
▼
弾けたのは、セリスだった。
厳密に言えば、セリスのセイクリッドフラッシュだ。彼女を中心に放たれた光の波動が、トンボたちへと襲いかかったのである。
「神罰を……受けよ」
力強く踏み出すと同時に、瀕死だったトンボは崩れていった。
巻き込まれたのは、もう一匹。
「敵を射程に捉えました」
こいつは、彩萌が放った機動砲、一筋の光にも飲み込まれていた。
「殲滅戦に移行する時が訪れた、という事です」
彩萌は、さばけた口調で言ってのける。
「速やかに異常を殲滅しましょう」
もちろん、と力強く頷くセリス。指向性の違いはあれど、どこか行動は似ていた。
そんな二人を遠目に見ながら、ナナセは次の矢を放つ。
「確実に……」
セリスと彩萌が崩した相手は、一撃で沈みそうだった。
マテリアルを瞳に込め、撃ち漏らさないように確実に仕留める。セリスへ飛んだトンボの頭は、その牙が届く前に射止められるのであった。
神樹はデルタレイを放ちながら、接近を果たすと
「トンボが魔法なんて似合わないよ! 羽音で攻撃も嫌だけどね!」
力強くいいながら、電撃を放っていた。枝状の体が反り返り、トンボが攻撃するのを阻害する。
動きの鈍ったところへ神樹は、それそれそれ、と小気味よく光の剣をふるった。
「少しでも切れれば、機動力を封じられるかも!」
狙うのは小うるさい透明な羽、狙いをつけて切り落とす。
トンボの動きが乱れ、地面へ激突しそうになった。
そこで奇跡が起こる。オルドレイルが放った弾丸が、吸い込まれるようにトンボを穿ったのだ。
二回転して転がっていく、トンボは、まだ息の音があった。
「せめて、安らかに」と復讐にきた体で、神樹は介錯する。
その後ろでは、尊は最後の一撃を放っていた。
斬撃と回避……二つの動きに集中し、尊は一気に攻め立てた。
途中、雄叫びを上げて注意を引きつつ、こいつだけはと引きつけ続けたのだ。
撹乱とまではいかなかったものの、囮としての任は果たせていた。
「いや、まだです」
まだ一匹残っている。
視線の先では、
「……っせい!」
ゲルトが気合を入れて盾を押し込み、最後の一匹を縫い止めているところだった。
他のトンボは地に落ち、綺麗な羽根ごと崩れ去っていた。
「残るは貴殿のみ。ドラゴン……フライ、討伐させてもらう!」
頑なにフライを小さく言い続け、ゲルトが改めて宣言する。
多勢に無勢、決着はすぐについたのだった。
「強欲の歪虚は、高位であればあるほどに竜に近づいていくそうですが――」
消えていく歪虚へ餞のように、レイは告げた。
「貴方達の敗因は、良き爪を持つに至れなかったことですね」
▼
「目標は達成だ」とオルドレイルがいう。
「村に帰ったら、紅茶でも飲もう」
セリスは全員の治癒を終えると、続けて告げた。
ナナセが戦いの後の一杯、とにわかに反応していた。
「村に戻ったら、正直に依頼を出すように注意しないと」
神樹は、村人へ忠告をしようと考えていた。
「今回の依頼も見方を変えると龍の天ぷら」になってしまう。
名前は、やはり大事である。
「……竜になりそこねたものだと、倒したら如何に呼ばれるのでしょうね……」
レイの言葉に、ゲルトがピンと反応する。
「それでも、ドラゴン、フライ、スレイヤーじゃないかな」
フライはやはり小声だった。
「……確かに綺麗でしたね」
最後についていきながら、尊はふと呟く。
倒れ、砕けていったトンボの羽根は、輝いているように見えた。
美しくも、異常は正され、村には平穏が戻る。
だが、ドラゴンへのあこがれがある限り、今日もどこかでドラゴン(?)討伐依頼があることだろう。
その異常も、いずれ正される日が来るのかもしれない。
泥状の地面の先、複数のきらめく光が見える。
光は棒きれのようなものにくっついて、はためいていた。
「ドラゴンフライ……」
光のついた棒きれの名を呼び、レイ・T・ベッドフォード(ka2398)は思案する。
それは、まさにトンボであるが、
「ふむ、ドラゴンということはアレは、強欲の歪虚ですか」
レイは勘違いしていた。知っているものと大きく異る姿に、疑問はあるのだが。
「いやはや、歪虚も中々奥深いですね……」
「……不吉な虫だと一部ではいわれているらしいからな」
レイの傍で、オルドレイル(ka0621)がつぶやく。
先日の戦いで重傷を負った彼女は、ライフルの調子を確かめていた。
「ここまで巨大だと、不吉というより害悪だな」
銃口を向けた先、トンボたちは悠長に飛んでいる。
こんなコンディションでも、やることをやらねばオルドレイルは気がすまない。
「無茶はなさらないでくださいね」
「無論だ。ここで死んでは元も子もないからな」
レイの気遣いに、オルドレイルはすっぱりと答えた。
思い出されるのは、無謀に散った二人だった。
「……生きて帰れただけでも素晴らしい。すごいことですよ」
真顔でレイは、イチカたちへ賛辞の言葉を口にしていた。
無論、ドラゴンが相手だと思ってのことである。
仇を取るといって去っていったレイのあと、
「無茶無謀、ドラゴンフライ程度でなければ死んでいたかもしれないですよ」
雨月彩萌(ka3925)が静かに告げる。
それでも情報はきっちりともらい、現場へ向かう。
「わたしの正常を証明するために、異常を排除します」
●
目前の異常、トンボの歪虚を彩萌は冷静に見定めていた。
隣りでは、ナナセ・ウルヴァナ(ka5497)が気を落としていた。
「ドラゴンフライって、飛竜のことじゃあなかったんですね」
討伐依頼をオフィスで探してもらったナナセは、てっきり竜退治だと思っていた。
だが、よくよく考えれば、実績のない自分に竜退治を勧めるわけがない。
「やー、おかしいと思ったんですよね」
「ドラゴンだろうが、ドラゴンフライだろうが、歪虚ならば滅する、それだよけよ」
片側ではセリス・アルマーズ(ka1079)が装備を固め、歪虚を睨めつけていた。
セリスの意識が届くところに、歪虚が存在すること。それ自体が、許せないのだ。
「そうですよね。大物討伐にも挑んでみたいですけど、そのためには実績の積み重ねですね!」
前向きにナナセは弓を構える。
「今回の依頼、ばっちり解決しちゃいますよ!」
ナナセの気合に呼応するように、別の場所でも気合を入れている者がいた。
ゲルト・フォン・B(ka3222)である。
「ドラゴン退治の依頼と聞いたぞ! ドラゴンを退治するといえば騎士の夢に決まっている! まさか村でそんな依頼を受けられるとは思わなかったぞ!」
切っ先を敵に向け、ゲルトは声を張る……のだが。
「さあドラゴン、この私の剣の錆びに……」
剣を持った腕が、しょげる。
そして、恐る恐る事実を確認する。
「あれっ? あそこに飛んでるの……ドラゴンフライ……」
「ドラゴンフライっていうから、小さいドラゴンを想像したけど、トンボなんだね」
「ドラゴンなんて大変そうだと思いましたが……トンボですか。よかった」
一方で少し安堵の表情を浮かべるのが、陽山 神樹(ka0479)と月架 尊(ka0114)だ。
尊はトンボを見ながら、
「……懐かしいですね。故郷ではよくトンボをからかって遊んだものです」
「そうそう、やんちゃな頃は羽根をもぎ取ってカマキリの前に置いて」
応える神樹は、少年時代の所業を告白し、
「……って! なんかヒーローらしくないな!」
一人苦悶していた。
さすがにそこまではしてないだろう、尊も幼心を思い出していた。
「もしこれが過去からの復讐ならば、受けて立つまでだ! 機導陽神ファイライザー出撃!」
気合を入れなおし、神樹は覚醒する。
私も行きます、とビキニアーマーに変じたゲルトも剣を構える。
「さぁ、どこからでもかかってきなさい!」
▼
駈け出した神樹をゲルトと尊が追う。
トンボたちの視線はわかりづらいが、数匹が泥の跳ねる音に反応していた。
「……こういうときは匍匐前進って習いましたが……そんな余裕はないですね」
足元が悪い、だけではない。
予想以上にトンボたちの射程は長いようだ。
「うっ」と神樹は、足首までぬかるみに取られたようだった。
抜け目なく二匹のトンボが続けざまに風刃を放つ。
これしき、と耐える神樹の横並びに、ゲルトが来る。
「いたいけな村人を襲い蹂躙するドラゴン……フライ……どもよ!」
あくまでドラゴンを強調し、フライを小さくつぶやく。
「この私ゲルト・フォン・ブラウンシュヴァイクが相手だ! 後世までの語り草にするがいい!」
だが、名乗りは堂々たるもので、おまけにビキニアーマー。
露出の多さは、敵に狙われやすくするためだ。野生の勘か、それとも名乗りの声に反応したか。別な二匹がゲルトを狙う。
風刃の一つは頬を撫でつけ、一つはアーマーによって弾かれた。
胸部装甲は伊達じゃない。
「さぁ、私は逃げも隠れもしませんよ」
さらに踏み込むゲルトの後ろに、尊が追いつく。
尊は、トランシーバーで別働隊に合図を送っていた。
●
「始まったようね」
トランシーバーから耳を離し、セリスはトンボたちへと近づいていく。
歩くわけではないが、駆けるわけでもない。
「雑魔も堕落者も信奉者も、私の信じる世界には不要」
語りながら進むさまは、重みがあった。
「エラクの光のもとに、穢れしモノに神罰を……」
エイメンと唱え、進みゆくセリスに彩萌が続く。
彩萌は自身に防御を固めるエネルギーを流し込み、体勢を整えていた。
「さて、作戦開始ですね」
「ご武運を!」
前進する二人に対して、ナナセは右側へと大きく動いた。
射線を確保するとともに、別方向から仕掛けるためだ。
「ふ、ふぁわっ!?」
だが、焦りは禁物。
柔らかな地面は踏み出したナナセの足を見事に滑らせた。耐えようと力む努力もやむなく、べしゃりと転げるのだった。
ぬかるんだ地面だとわかっていたはずなのに、とゆっくり立ち上がり体勢を整える。
「あれ?」
立ち上がったナナセは、視界の変化に気づく。
五匹だったトンボが、六匹に増えていたのだ。
別働隊のもう一方、オルドレイルたちも気づいていた。
「どうやら、飛び立ったみたいだな」
冷静にオルドレイルは分析する。
茶色の体に透明の羽根、泥に塗れた状態なら擬態にもなるだろう。
それが羽ばたき、泥を落とせば、突然現れるように見えるだけのこと。
「焦る必要はない。予想の範疇だ」
ゆっくりと感付かれないよう、トンボを射程内に納めに行く。
馬でくることも考えたが、この泥の場では、重荷になると考えて置いてきた。
「一気に、行きますよ」
対して、同じ地点にいたレイはナナセに告げると、駆け出していた。
彼は囮に意識が向いているトンボの側面に狙いを付けていた。
半包囲となるようにセリスたちの動きも気にかけ、駆ける。
見れば、囮班は早くも戦端を開こうとしていた。
▼
「その程度……!」
目の前の風刃を見とめ、尊は体にマテリアルを流し込む。
アクロバティックな動きで、その風刃をかわす。本来であれば、ここで距離を取る。だが、尊はあえて相手の側へと飛び込んだ。
ぬかるんだ地面を転がるように、懐へ入る。
「戦闘、開始します」
トランシーバーで手早く、それだけを告げる。
紫電を構え、飛んでいる相手へ上段から斬撃を放つ。双眸がより紅く、目の前のトンボだけを睨んでいた。
刃がトンボの背に叩きつけられ、羽根の一部を破壊した。
「長い分、当たりやすいはず」
尊は積極的に体の部分を狙いをつけていた。返すように放たれた風刃は、疾く駆けて躱す。
顔を上げれば光の筋が、トンボたちへ伸びていた。
「魔法には力をっていうけど、近づかなきゃ意味ないよね……それ! ライザーデルタレイ!」
技名を宣言し、神樹がデルタレイを放っていた。
光の三角形から伸びた筋は、二匹に避けられ、一匹を貫く。
貫かれたトンボは神樹に狙いを付けていた。
「無茶はしないでほしいな」
ゲルトが追い抜きざまに、神樹の傷を柔らかな光で癒やす。
接近しつつ、ゲルトは続けざまに光弾を放っていた。
「さぁ、私が相手だ!」
●
戦いの合図に、彩萌は冷静にセリスへと目配せをしていた。
彼女たちの視線の先には、こちらを見る二匹のトンボがいた。
「こちらの想定通りに事が運ぶとは限らない。現実は甘くないですね」
盾を構えて進みながら、彩萌はいう。
「わたしが盾になるので、その間に行ってください」
「いや、気づかれたところで、大して問題はない」
火力が集中するから接近が危うくなる。
バラけているのなら、問題はないのだとセリスはいう。
「では、後ろに攻撃がいかないよう、盾になります」
セリスと彩萌と違って、ナナセはあまり前線には出ない。そちらが狙われないよう、引きつけるべく二人はもう少し距離を詰める。
放たれた風刃を捌き、セリスはお返しとばかりに光弾を飛ばす。
さらに前へ出るセリスの後ろで、彩萌は銃を構えた。
「牽制します。流れ弾に当たりたくなければ、速やかに行動してください」
いうやいなや、引き金を引く。
承知とばかりに、セリスはもう一発光弾を放って、泥を蹴った。
「私も頑張らないと」
ナナセは前へ出る二人の背中を見届け、マテリアルを込めて矢をつがえた。
強く引き絞りながら、光弾を浴びたばかりのトンボを望む。
「よし」
小さく頷くナナセの視線の先で、矢がトンボの羽根を一枚射抜いた。
煌めく破片が風に流されて、消えていく。
反対側では、オルドレイルが状況を確認していた。
まだ倒れたトンボはいないものの、敵戦力はいい具合に散っていた。
オルドレイルもまた、牽制するように射撃音を響かせる。
「当たる当たらないは、期待しないで欲しい」
戦闘前に、そう述べていた通り、弾丸は地面を抉る。
状態が状態だ。誰もがそれを承諾していた。
オルドレイルが放った弾丸の着弾点近くで、レイはハルバートを振るう。
それが目印であるかのように、彼の近くに味方の影はない。
「……その魔法」
風刃を避けながら、レイは静かに告げる。
「その牙が人を傷つけるのであれば、私は貴方達を討ちます」
側面から肉薄したレイに対応できたのは、二匹。うち、一匹は神樹のデルタレイを受けていた。
ハルバートを大きく振り回し、自身も回転して軌道に力を乗せる。
鋭い風の音が耳に聞こえた先で、ドッと何かを叩く感触がした。
「まだ、終わりませんよ」
打ち据えたのは、無傷だった方だ。
反撃とばかりに威嚇するトンボへ、続けざまに大きく得物を振りぬく。
一撃目、避けられた。
風刃が飛来し、これを躱す。
二撃目、オルドレイルの射撃音がトンボの注意を引いていた。祖霊の力が篭った斬撃が、トンボの身体を大きく裂いた。
「……おっ」
崩れ落ちたトンボの向こうで、何かがはじけていた。
▼
弾けたのは、セリスだった。
厳密に言えば、セリスのセイクリッドフラッシュだ。彼女を中心に放たれた光の波動が、トンボたちへと襲いかかったのである。
「神罰を……受けよ」
力強く踏み出すと同時に、瀕死だったトンボは崩れていった。
巻き込まれたのは、もう一匹。
「敵を射程に捉えました」
こいつは、彩萌が放った機動砲、一筋の光にも飲み込まれていた。
「殲滅戦に移行する時が訪れた、という事です」
彩萌は、さばけた口調で言ってのける。
「速やかに異常を殲滅しましょう」
もちろん、と力強く頷くセリス。指向性の違いはあれど、どこか行動は似ていた。
そんな二人を遠目に見ながら、ナナセは次の矢を放つ。
「確実に……」
セリスと彩萌が崩した相手は、一撃で沈みそうだった。
マテリアルを瞳に込め、撃ち漏らさないように確実に仕留める。セリスへ飛んだトンボの頭は、その牙が届く前に射止められるのであった。
神樹はデルタレイを放ちながら、接近を果たすと
「トンボが魔法なんて似合わないよ! 羽音で攻撃も嫌だけどね!」
力強くいいながら、電撃を放っていた。枝状の体が反り返り、トンボが攻撃するのを阻害する。
動きの鈍ったところへ神樹は、それそれそれ、と小気味よく光の剣をふるった。
「少しでも切れれば、機動力を封じられるかも!」
狙うのは小うるさい透明な羽、狙いをつけて切り落とす。
トンボの動きが乱れ、地面へ激突しそうになった。
そこで奇跡が起こる。オルドレイルが放った弾丸が、吸い込まれるようにトンボを穿ったのだ。
二回転して転がっていく、トンボは、まだ息の音があった。
「せめて、安らかに」と復讐にきた体で、神樹は介錯する。
その後ろでは、尊は最後の一撃を放っていた。
斬撃と回避……二つの動きに集中し、尊は一気に攻め立てた。
途中、雄叫びを上げて注意を引きつつ、こいつだけはと引きつけ続けたのだ。
撹乱とまではいかなかったものの、囮としての任は果たせていた。
「いや、まだです」
まだ一匹残っている。
視線の先では、
「……っせい!」
ゲルトが気合を入れて盾を押し込み、最後の一匹を縫い止めているところだった。
他のトンボは地に落ち、綺麗な羽根ごと崩れ去っていた。
「残るは貴殿のみ。ドラゴン……フライ、討伐させてもらう!」
頑なにフライを小さく言い続け、ゲルトが改めて宣言する。
多勢に無勢、決着はすぐについたのだった。
「強欲の歪虚は、高位であればあるほどに竜に近づいていくそうですが――」
消えていく歪虚へ餞のように、レイは告げた。
「貴方達の敗因は、良き爪を持つに至れなかったことですね」
▼
「目標は達成だ」とオルドレイルがいう。
「村に帰ったら、紅茶でも飲もう」
セリスは全員の治癒を終えると、続けて告げた。
ナナセが戦いの後の一杯、とにわかに反応していた。
「村に戻ったら、正直に依頼を出すように注意しないと」
神樹は、村人へ忠告をしようと考えていた。
「今回の依頼も見方を変えると龍の天ぷら」になってしまう。
名前は、やはり大事である。
「……竜になりそこねたものだと、倒したら如何に呼ばれるのでしょうね……」
レイの言葉に、ゲルトがピンと反応する。
「それでも、ドラゴン、フライ、スレイヤーじゃないかな」
フライはやはり小声だった。
「……確かに綺麗でしたね」
最後についていきながら、尊はふと呟く。
倒れ、砕けていったトンボの羽根は、輝いているように見えた。
美しくも、異常は正され、村には平穏が戻る。
だが、ドラゴンへのあこがれがある限り、今日もどこかでドラゴン(?)討伐依頼があることだろう。
その異常も、いずれ正される日が来るのかもしれない。
依頼結果
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作戦相談所 雨月彩萌(ka3925) 人間(リアルブルー)|20才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/08/28 00:58:23 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/26 22:09:16 |