ゲスト
(ka0000)
ひこうきとヤマアラシ
マスター:尾仲ヒエル
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/11 22:00
- 完成日
- 2015/09/18 03:13
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
木もれ日の揺れる森の中、まだら模様の光を浴びながら小道を行く人影があった。
リュックを背負い、ツルハシを肩にかついだ5人のドワーフたちだ。
「今日も晴れてよかったなあ」
「ああ、仕事もはかどりそうだ」
「儂らが掘り出したマテリアルが、えーと、なんだ。『ひこうき』って奴に使われるんじゃろ?」
「ああ、なんだかよく分からんが、『ひこうき』の餌になるらしいな」
「噂じゃドラゴンみたいに飛ぶらしいじゃないか」
「いや、儂はワイバーンみたいに飛ぶと聞いたぞ」
わいわいと噂に興じながらドワーフたちが目指すのは、良質の鉱物性マテリアルが採れる採石場だ。
しばらくすると、地面がごつごつとした灰色になってきた。
鉱物性マテリアルを採掘中の崖が見えてくると、仕事好きのドワーフたちの足が自然と早まる。
「ん?」
崖の手前に建てた物置小屋が見えてきた時、先頭のドワーフが急に足を止めた。
すぐ後ろに続いていたドワーフたちがたたらを踏む。
「なんだ」
「どうした」
「あぶないぞ」
「……静かに。何か聞こえないか」
言われてみれば、小鳥の鳴き声に交じって、何か聞きなれない音が響いていた。
ゴリゴリゴリゴリ。
岩を削るようなその音は、崖のほうから聞こえてくる。
小屋の影から5つの顔が揃って覗いた。
「なんじゃ、ありゃあ」
驚きの声を上げたドワーフたちの視線の先には、大きな生き物がうずくまっていた。
ヤマアラシに似たその生き物の体は、灰色の長い針におおわれている。
生き物は、鉱物性マテリアルの塊を前足で器用に掴むと、口元に運んだ。
真っ赤な口が開き、ずらりと並んだ鋭い牙が、やすやすと、まるで歯ごたえを楽しむかのようにマテリアルを噛み砕いていく。
ゴリゴリゴリゴリ。
「食ってる」
「なんてこった……大切なマテリアルを」
「ど、どうする」
「儂らじゃどうにもならんだろう。ここはハンターに……」
5人が、ひそひそと話し合いを始めた時、風の向きが変わった。
ドワーフたちの匂いを嗅ぎとったのか、生き物はぎらりと小屋に目を向けた。
「まずい。気付かれた」
逃げ出そうとしたドワーフたちは、慌てたせいで、ばたばたと折り重なって倒れてしまった。
「うわわわ」
体の針を逆立てた生き物の近付いてくる気配を感じながら、ドワーフたちは必死に小屋の影に身を転がした。
生き物は小屋の近くまで来ると、くるりと体の向きを変えた。
ジャラジャラジャラジャラ。
小屋にお尻を向けた生き物の体から、不穏な音が響いた数秒後。
びゅっと風を切る音がして、生き物の体から鋭い針が飛んだ。
タタタタタ。
乾いた音がして、小屋の板壁に針が突き立つ。
「ひゃあ!」
壁が針だらけになった小屋を背に、ドワーフたちは命からがら逃げ出した。
リュックを背負い、ツルハシを肩にかついだ5人のドワーフたちだ。
「今日も晴れてよかったなあ」
「ああ、仕事もはかどりそうだ」
「儂らが掘り出したマテリアルが、えーと、なんだ。『ひこうき』って奴に使われるんじゃろ?」
「ああ、なんだかよく分からんが、『ひこうき』の餌になるらしいな」
「噂じゃドラゴンみたいに飛ぶらしいじゃないか」
「いや、儂はワイバーンみたいに飛ぶと聞いたぞ」
わいわいと噂に興じながらドワーフたちが目指すのは、良質の鉱物性マテリアルが採れる採石場だ。
しばらくすると、地面がごつごつとした灰色になってきた。
鉱物性マテリアルを採掘中の崖が見えてくると、仕事好きのドワーフたちの足が自然と早まる。
「ん?」
崖の手前に建てた物置小屋が見えてきた時、先頭のドワーフが急に足を止めた。
すぐ後ろに続いていたドワーフたちがたたらを踏む。
「なんだ」
「どうした」
「あぶないぞ」
「……静かに。何か聞こえないか」
言われてみれば、小鳥の鳴き声に交じって、何か聞きなれない音が響いていた。
ゴリゴリゴリゴリ。
岩を削るようなその音は、崖のほうから聞こえてくる。
小屋の影から5つの顔が揃って覗いた。
「なんじゃ、ありゃあ」
驚きの声を上げたドワーフたちの視線の先には、大きな生き物がうずくまっていた。
ヤマアラシに似たその生き物の体は、灰色の長い針におおわれている。
生き物は、鉱物性マテリアルの塊を前足で器用に掴むと、口元に運んだ。
真っ赤な口が開き、ずらりと並んだ鋭い牙が、やすやすと、まるで歯ごたえを楽しむかのようにマテリアルを噛み砕いていく。
ゴリゴリゴリゴリ。
「食ってる」
「なんてこった……大切なマテリアルを」
「ど、どうする」
「儂らじゃどうにもならんだろう。ここはハンターに……」
5人が、ひそひそと話し合いを始めた時、風の向きが変わった。
ドワーフたちの匂いを嗅ぎとったのか、生き物はぎらりと小屋に目を向けた。
「まずい。気付かれた」
逃げ出そうとしたドワーフたちは、慌てたせいで、ばたばたと折り重なって倒れてしまった。
「うわわわ」
体の針を逆立てた生き物の近付いてくる気配を感じながら、ドワーフたちは必死に小屋の影に身を転がした。
生き物は小屋の近くまで来ると、くるりと体の向きを変えた。
ジャラジャラジャラジャラ。
小屋にお尻を向けた生き物の体から、不穏な音が響いた数秒後。
びゅっと風を切る音がして、生き物の体から鋭い針が飛んだ。
タタタタタ。
乾いた音がして、小屋の板壁に針が突き立つ。
「ひゃあ!」
壁が針だらけになった小屋を背に、ドワーフたちは命からがら逃げ出した。
リプレイ本文
森の中を進む5つの人影があった。
「ヤマアラシか。とげとげで、もぐらみたいなやつだよな」
先頭を行くリュー・グランフェスト(ka2419)が後ろを振り返る。
「燃料を食べるなんて! 飛ぶのを邪魔する奴は絶対許さないよ!」
桃色のツインテールを揺らしながらウーナ(ka1439)が力説した。
「ああ。航空機開発のための鉱石とあらば、是が非でも取り戻さないとな」
大空への憧れに、サーシャ・V・クリューコファ(ka0723)の声にも力がこもる。
「幸い一体だけのようだし、皆で小屋のある側の隅に追い込んで逃げ場を無くさせるのはどうかな」
ザレム・アズール(ka0878)の提案に、白銀の髪をなびかせてルナリリル・フェルフューズ(ka4108)が頷く。
「そうだな。『次』に繋げるためにも、ここは確実に敵を片付けねばなるまい。私はバイクで距離を取りつつ、魔導銃で狙撃しよう」
「いいね。前衛は俺だけみたいだし、近接攻撃は任せてくれ」
力強く言い切って、リューが手にした日本刀と菱形の盾をかざして見せると、ウーナが好奇心に顔を輝かせる。
「面白そう! じゃあ、あたしは威嚇射撃で追い込むよ。正面にはリューもいるし、逃げて欲しい方向を空けていれば自然に誘導されるんじゃないかな?」
「良い案だ。私も後方から射撃で支援しよう」
言葉少なに賛成するサーシャの背中で、長く伸ばされた三つ編みが歩みに合わせて小さく跳ねている。
「相談なんかより早く早く! マテリアルがなくなっちゃうでしょ!」
ウーナに急かされるようにハンターたちは採石場に急ぐ。
採石場の手前に到着すると、不意打ちを警戒したリューが木々の間から様子を窺った。
「いた。だが、随分と微妙な位置にいるな」
採石場のちょうど真ん中あたり。
そこに横向きにうずくまったヤマアラシ型の雑魔がいた。
鉱物性マテリアルを食べることに夢中になっているようで、ゴリゴリという音が辺りに響いている。
「射撃で攻撃する者は来てくれ」
サーシャは、ウーナ、ザレム、ルナリリルの3人を呼び寄せると攻性強化をかけた。
準備を終えると、ハンターたちは盾を手にしたリューを先頭に、半円形の陣を組む。
ヤマアラシへの最初の一撃は、流線型のフォルムが特徴的なバイクのハンドルの上、ルナリリルの銃から放たれた。
「ギャウ!」
サーシャによって攻撃力を高められた銃弾は、ヤマアラシの腹部、左側面の針を大きく抉った。
銀色に変化した瞳で着弾を確認したルナリリルが、砂埃を上げてバイクを発進させる。
雑魔から大きく距離を取り、次の狙撃ポイントへと移動する構えだ。
不意打ちを受けたヤマアラシは、ぐるりと体を回転させ、ハンターたちのいる方向に向き直った。
ヤマアラシは怒りと驚きに染まった赤い目で周囲を見渡し、武器を構えたハンターたちに囲まれていることを知った。
背中の長い針が、ざっと逆立つ。
「さあ、いい子だから角のほうに行ってくれよ」
瞳を真紅に染めたザレムが前足に向けて銃を放つと、ヤマアラシは予定とは逆の方向に走り出そうとした。
「そっちじゃないよ!」
すかさずウーナの威嚇射撃が雑魔の行く手を阻む。
目の前に舞い上がる砂埃と破裂音に驚いて、ヤマアラシが急停止する。
盾を構えたリューを中心に、ハンターたちが包囲網をじわじわと縮めた時、巨体がくるりと方向転換した。
ハンターたちにお尻を向けたヤマアラシの体から、ジャラジャラジャラ、と針の擦れ合わさる音が響き始める。
「来る!」
ルナリリルのバイクが発進したのを皮切りに、ハンターたちは素早く針の射程範囲から退避した。
ひゅん、と勢いよく発射された針先は、乾いた音を立てて誰もいない地面に虚しく散らばった。
「魅力的なお尻だけど、そういうのは同族に向けてくれ、ヤマアラシ君」
金色の目をすがめ、サーシャが軽口と共に銃を放った。
銃弾はヤマアラシのお尻に当たり、針を弾き飛ばす。
「近接は俺一人だからな、遠慮はしないぜ!」
ヤマアラシの真横から、リューが刀を振り下ろした。
そのまま刺し貫こうとした刃は、雑魔の体を覆う長い針に阻まれる。
「ちっ。さすがに硬いな」
一度退いたリューが反撃される前に、バイクを止めたルナリリルが狙撃する。
「ふむ……。一々止まって銃を構えるとなると、速射ができないのが難点だな」
振り向いたヤマアラシは、退避行動によって崩れた包囲網に視線を走らせた。
「気を付けろ! 破れかぶれに逃げ出すつもりだ!」
サーシャが声を上げたのと、ヤマアラシが突破を図ろうと走り出したのは同時だった。
地面を揺らし、針山のような巨体が走る。
「うわ。こっち来る」
ウーナは武器をオートマチック拳銃に持ち替えると、威嚇射撃を試みた。
雑魔とウーナから遠い位置にいたザレムとルナリリルは、なんとか突進を止めようと銃を放つ。
「止めてみせる」
一番近くにいたサーシャは防御障壁を発動し、ヤマアラシとウーナの間に光の壁を作り出した。
銃弾を浴びながら光の壁に突っ込むかと思われたヤマアラシは、防御障壁すれすれのところで急旋回して向きを変えた。
ヤマアラシの次の標的となったのは、一番近いサーシャ。
「なっ」
仲間を守ることに集中していたために、サーシャの反応がわずかに遅れた。
丸太を思わせる巨大な腕が振り上げられ、鋭利な刃物を思わせる爪が銀色に光る。
防御障壁を発動して、いや、間に合わない。
まずは致命傷を避けることに集中するべきか。
目まぐるしく頭を働かせていたとき、サーシャの目の前に黒い影が飛び込んできた。
ぎいん、と、金属同士がぶつかり合うような鋭い音が響き渡る。
ヤマアラシの爪を受け止めていたのは、リューの手にした菱形の盾だった。
爪による攻撃が防がれたと知ったヤマアラシは一度後ろに下がると、牙を剥き出してリューに突進した。
守りの構えを発動してなんとか受け止めたものの、さすがに巨体の衝撃は凄まじく、リューの踏ん張った両足は、ずりずりと後ろに押し下げられていく。
「ぐうっ」
両足より先に、両の手が限界を迎えた。
盾を掴む両手の指から、じわりと血がにじむ。
それでもリューは盾から手を離そうとしない。
「リュー!」
仲間たちの悲鳴のような声が響く。
「加勢する!」
援護射撃が続く中、円形の盾を手にしたザレムが駆けつけた。
「このまま……押し返す!」
「了解!」
焔のように赤い燐光を纏ったリューと、背中に黒い竜のような羽を広げたザレムが盾を並べ、2人がかりでヤマアラシの大きな頭を押し返す。
息詰まるような攻防の末、ヤマアラシの動きはようやく止まった。
反撃と逃走を防がれたヤマアラシは、ハンターたちを睨みながら、じりじりと後ずさりをはじめた。
しかし、進む先には崖がそびえている。
もう下がることができなくなると、ヤマアラシはくるりと方向転換し、採石場の中央より少し左寄りの崖に頭をくっつけるようにしてうずくまった。
こちらにお尻を向けた雑魔の手足は引っ込められ、ハンターたちからは針の逆立った背中が見えるばかりだ。
「これでもう逃げられないね!」
楽しげに言ってウーナが構えた銃の先からは、弾の軌道を示すように光の線が一本伸びている。
放たれた弾丸は、光線が示す通りに一度崖に当たり、跳ね返ってからヤマアラシの肩付近に命中した。
「的がでかい分、離れていても狙いやすくはあるな」
ルナリリルが再装填を終えた魔導銃を放つ。
ハンターたちの狙撃は背中の針を確実に削り取ってはいるものの、雑魔の息の根を止めるには時間がかかりそうだった。
「このままだと長引きそうだな」
射撃の合間にサーシャが呟く。
「俺に考えがある。合図するまで、そのまま攻撃を続けてくれ」
ザレムはそう言い残すと地面を蹴った。
足の裏から噴き出したマテリアルがザレムの体を空中に運び、ドワーフたちの物置小屋に導く。
ザレムは小屋の扉を開けると、中からドワーフたちが採石に使っている荷車を引き出した。
「なになに? 何か面白いことするの?」
ウーナが興味津々といった様子で振り返る。
荷車を押して、ヤマアラシの左側の崖の前に陣取ったザレムは、残りの者たちに声をかけた。
「今からそちらに向かう!」
荷車を構えたザレムは、ヤマアラシの側面を目がけて突撃した。
狙ったのは、ルナリリルの狙撃によって大きく針が削られていた左側面だ。
ザレムの巧みな荷車さばきによって、荷台がヤマアラシの体の下に入り込んだ。
「テコの原理ってやつだ!」
そう叫んだザレムが、荷車の牽き手に全体重を乗せる。
「グアウ!?」
ぐうっと、ヤマアラシの巨体が持ち上がった。
ザレムが牽き手を地面に押しつけると、ずうん、と重々しい物音と共に、ヤマアラシの体がひっくり返った。
針のない無防備な腹部が丸見えになる。
「いいね。最高」
ウーナの唇が、にいい、と笑みの形に吊り上がる。
「一気に行くぜ!」
ぶうん、と低い振動音をたてる日本刀を手に、リューが地面を蹴った。
白い腹に、金色の光を纏った刃が深々と突き立てられる。
「ギャウウ!」
ひっくり返ったヤマアラシは悲鳴を上げ、なんとか身を起こそうともがいた。
「おっと。そのまま寝ていてくれよ」
ザレムが脇腹にエレクトリックショックを撃ちこむと、雑魔の動きはぴたりと止まった。
「さっき驚かされたお返しだ」
サーシャがライフルの引き金を引くと、その横で瞳を鮮やかな赤紫に変化させながらルナリリルが笑みを浮かべた。
「これはまた、でかい的だ」
銃弾の雨が降り注ぐ中、幾何学的な模様が赤く光る腕を伸ばし、ウーナがくるりと一回転した。
「ねえねえ、あたしと踊ろうよ!」
軽やかなステップと共に、銃が連射される。
その様子はまるで踊っているかのようだ。
一撃ちするごとに、ふわりと桃色の髪が舞った。
「そらそら、踊れ踊れ!」
容赦のない攻撃はヤマアラシが動かなくなっても止むことを知らず、やがてヤマアラシの体が赤い霧と化し、跡形もなく消え去るまで続いた。
戦闘のあと、静けさを取り戻した採石場で、リューがルナリリルによるマテリアルヒーリングで治療を受けていた。
治療を終えたリューに複雑な表情をしたサーシャが近付く。
「あんなに無茶をしてまで、どうして私をかばった」
「……信念、みたいなものかな」
短く答えてリューは微笑んだ。
採石場の入り口には、安全を知らされたドワーフたちが到着し、にぎやかに採石が再開されようとしていた。
ハンターたちもそれぞれ採石の手伝いをはじめる。
「これで『ひこうき』のためのマテリアルは確保できそうじゃな」
「よかったのう」
自前のスコップで荷車に鉱物性マテリアルを運び入れていたザレムは、ドワーフたちの少々怪しげなアクセントに気が付いた。
「『ひこうき』っていうのは、鳥に似た飛行機械のことで、『飛行機』と書くんだ」
ザレムは説明と共に、スコップの先で地面に文字を書いてみせる。
「採掘作業に使えないかと持ってきたのだけど、どうだろうか? 特別硬い岩盤とかには有効だと思うのだけど」
そう言いながらサーシャが取り出したのは円錐形のドリルだ。
「なんじゃなんじゃ」
「とがってるのう」
見慣れぬ道具に興味を持ったドワーフたちが、サーシャの周りにわらわらと寄ってくる。
「ドリルという魔導機械だ。ここを握ると、マテリアルで高速回転する」
そう説明をしながらサーシャがドリルを握り、崖の露出した部分に当てると、ゴガガガガ、と軽快な音を立てて岩石が削れた。
初めて見る機械にドワーフたちから感嘆の声が上がる。
「こっちじゃ。こっちにやたらと硬い岩盤があってな、困っておったんじゃよ」
「次はあっちも頼めるかのう」
サーシャは興奮したドワーフたちに引っ張り回されながら、岩盤に次々ドリルを当てていく。
「力仕事なら任せとけ!」
崖の手前では、腕まくりをしたリューが、ドワーフたちには届きにくい高さのでっぱりにツルハシを打ちこんでいた。
「鍛えてっからな。力ならドワーフにも負けないつもりだぜ!」
「ほう」
背後でそれを聞いていたルナリリルの目が妖しく光った。
採石のかたわら、休憩時間には飛行機の話題に花が咲いた。
「ついこの間、試作機に乗ったぞ。なかなか癖のある代物だったが、面白い経験だった」
「あたしも! あたしも乗ったよ! 鳥みたいにびゅーんって飛んで、どかーんって爆発したの」
ルナリリルが試作機に乗った経験を語れば、ウーナも身振り手振りを交えて説明した。
「飛行機コンテストにも参加したぞ。……ちょっと」
ルナリリルは話しているうちに気分が乗ってきたらしく、急に立ち上がったかと思うと、リューを手招きした。
しばらくごそごそ相談していたかと思うと、ルナリリルがすっと両手を伸ばした。
「どうして俺がこんなことを……」
黒子役となり、下からルナリリルの体を支えることになったリューがぶつぶつ呟く。
「バイクをベースにした複葉機でな。こんな感じで飛んだんだ」
「……って、なんか軽すぎないか? うおっと!」
支えた体の軽さに驚いたリューが、勢いあまって実際にルナリリルの体を飛ばしそうになるアクシデントはあったが、飛行機コンテストはなんとか無事に再現される。
リューに支えられたルナリリルは実際に飛んでいるかのように両腕を広げ、気持ちよさそうに目を閉じた。
頭頂部にぴょこんと跳ねた毛が、ふよふよと風にそよぐ。
ドワーフたちと仲間のハンターたちから、やんやの喝采が起こった。
「なるほどなあ。空飛ぶ機械じゃったのか」
曖昧だったイメージはずいぶんと具体的になったようで、ドワーフの1人が納得したように頷く。
「空に飛ぶなんてロマンじゃのう」
「ああ、ロマンじゃのう」
鳥のように大空を自在に飛ぶというまだ見ぬ機械に、ドワーフたちはうっとりと目を細める。
日が暮れはじめた頃、採石場ではドワーフたちが見送りに立っていた。
「流石はハンター。おかげで雑魔もいなくなったし、採石もずいぶんとはかどった」
「『飛行機』の話も楽しかったぞ」
「『ドリル』もな」
口々に礼を述べるドワーフたちに、ハンターたちは笑顔で応える。
「ひこうき」改め、「飛行機」に少しだけ詳しくなったドワーフたちに見送られ、依頼を終えたハンターたちは採石場を後にした。
「ヤマアラシか。とげとげで、もぐらみたいなやつだよな」
先頭を行くリュー・グランフェスト(ka2419)が後ろを振り返る。
「燃料を食べるなんて! 飛ぶのを邪魔する奴は絶対許さないよ!」
桃色のツインテールを揺らしながらウーナ(ka1439)が力説した。
「ああ。航空機開発のための鉱石とあらば、是が非でも取り戻さないとな」
大空への憧れに、サーシャ・V・クリューコファ(ka0723)の声にも力がこもる。
「幸い一体だけのようだし、皆で小屋のある側の隅に追い込んで逃げ場を無くさせるのはどうかな」
ザレム・アズール(ka0878)の提案に、白銀の髪をなびかせてルナリリル・フェルフューズ(ka4108)が頷く。
「そうだな。『次』に繋げるためにも、ここは確実に敵を片付けねばなるまい。私はバイクで距離を取りつつ、魔導銃で狙撃しよう」
「いいね。前衛は俺だけみたいだし、近接攻撃は任せてくれ」
力強く言い切って、リューが手にした日本刀と菱形の盾をかざして見せると、ウーナが好奇心に顔を輝かせる。
「面白そう! じゃあ、あたしは威嚇射撃で追い込むよ。正面にはリューもいるし、逃げて欲しい方向を空けていれば自然に誘導されるんじゃないかな?」
「良い案だ。私も後方から射撃で支援しよう」
言葉少なに賛成するサーシャの背中で、長く伸ばされた三つ編みが歩みに合わせて小さく跳ねている。
「相談なんかより早く早く! マテリアルがなくなっちゃうでしょ!」
ウーナに急かされるようにハンターたちは採石場に急ぐ。
採石場の手前に到着すると、不意打ちを警戒したリューが木々の間から様子を窺った。
「いた。だが、随分と微妙な位置にいるな」
採石場のちょうど真ん中あたり。
そこに横向きにうずくまったヤマアラシ型の雑魔がいた。
鉱物性マテリアルを食べることに夢中になっているようで、ゴリゴリという音が辺りに響いている。
「射撃で攻撃する者は来てくれ」
サーシャは、ウーナ、ザレム、ルナリリルの3人を呼び寄せると攻性強化をかけた。
準備を終えると、ハンターたちは盾を手にしたリューを先頭に、半円形の陣を組む。
ヤマアラシへの最初の一撃は、流線型のフォルムが特徴的なバイクのハンドルの上、ルナリリルの銃から放たれた。
「ギャウ!」
サーシャによって攻撃力を高められた銃弾は、ヤマアラシの腹部、左側面の針を大きく抉った。
銀色に変化した瞳で着弾を確認したルナリリルが、砂埃を上げてバイクを発進させる。
雑魔から大きく距離を取り、次の狙撃ポイントへと移動する構えだ。
不意打ちを受けたヤマアラシは、ぐるりと体を回転させ、ハンターたちのいる方向に向き直った。
ヤマアラシは怒りと驚きに染まった赤い目で周囲を見渡し、武器を構えたハンターたちに囲まれていることを知った。
背中の長い針が、ざっと逆立つ。
「さあ、いい子だから角のほうに行ってくれよ」
瞳を真紅に染めたザレムが前足に向けて銃を放つと、ヤマアラシは予定とは逆の方向に走り出そうとした。
「そっちじゃないよ!」
すかさずウーナの威嚇射撃が雑魔の行く手を阻む。
目の前に舞い上がる砂埃と破裂音に驚いて、ヤマアラシが急停止する。
盾を構えたリューを中心に、ハンターたちが包囲網をじわじわと縮めた時、巨体がくるりと方向転換した。
ハンターたちにお尻を向けたヤマアラシの体から、ジャラジャラジャラ、と針の擦れ合わさる音が響き始める。
「来る!」
ルナリリルのバイクが発進したのを皮切りに、ハンターたちは素早く針の射程範囲から退避した。
ひゅん、と勢いよく発射された針先は、乾いた音を立てて誰もいない地面に虚しく散らばった。
「魅力的なお尻だけど、そういうのは同族に向けてくれ、ヤマアラシ君」
金色の目をすがめ、サーシャが軽口と共に銃を放った。
銃弾はヤマアラシのお尻に当たり、針を弾き飛ばす。
「近接は俺一人だからな、遠慮はしないぜ!」
ヤマアラシの真横から、リューが刀を振り下ろした。
そのまま刺し貫こうとした刃は、雑魔の体を覆う長い針に阻まれる。
「ちっ。さすがに硬いな」
一度退いたリューが反撃される前に、バイクを止めたルナリリルが狙撃する。
「ふむ……。一々止まって銃を構えるとなると、速射ができないのが難点だな」
振り向いたヤマアラシは、退避行動によって崩れた包囲網に視線を走らせた。
「気を付けろ! 破れかぶれに逃げ出すつもりだ!」
サーシャが声を上げたのと、ヤマアラシが突破を図ろうと走り出したのは同時だった。
地面を揺らし、針山のような巨体が走る。
「うわ。こっち来る」
ウーナは武器をオートマチック拳銃に持ち替えると、威嚇射撃を試みた。
雑魔とウーナから遠い位置にいたザレムとルナリリルは、なんとか突進を止めようと銃を放つ。
「止めてみせる」
一番近くにいたサーシャは防御障壁を発動し、ヤマアラシとウーナの間に光の壁を作り出した。
銃弾を浴びながら光の壁に突っ込むかと思われたヤマアラシは、防御障壁すれすれのところで急旋回して向きを変えた。
ヤマアラシの次の標的となったのは、一番近いサーシャ。
「なっ」
仲間を守ることに集中していたために、サーシャの反応がわずかに遅れた。
丸太を思わせる巨大な腕が振り上げられ、鋭利な刃物を思わせる爪が銀色に光る。
防御障壁を発動して、いや、間に合わない。
まずは致命傷を避けることに集中するべきか。
目まぐるしく頭を働かせていたとき、サーシャの目の前に黒い影が飛び込んできた。
ぎいん、と、金属同士がぶつかり合うような鋭い音が響き渡る。
ヤマアラシの爪を受け止めていたのは、リューの手にした菱形の盾だった。
爪による攻撃が防がれたと知ったヤマアラシは一度後ろに下がると、牙を剥き出してリューに突進した。
守りの構えを発動してなんとか受け止めたものの、さすがに巨体の衝撃は凄まじく、リューの踏ん張った両足は、ずりずりと後ろに押し下げられていく。
「ぐうっ」
両足より先に、両の手が限界を迎えた。
盾を掴む両手の指から、じわりと血がにじむ。
それでもリューは盾から手を離そうとしない。
「リュー!」
仲間たちの悲鳴のような声が響く。
「加勢する!」
援護射撃が続く中、円形の盾を手にしたザレムが駆けつけた。
「このまま……押し返す!」
「了解!」
焔のように赤い燐光を纏ったリューと、背中に黒い竜のような羽を広げたザレムが盾を並べ、2人がかりでヤマアラシの大きな頭を押し返す。
息詰まるような攻防の末、ヤマアラシの動きはようやく止まった。
反撃と逃走を防がれたヤマアラシは、ハンターたちを睨みながら、じりじりと後ずさりをはじめた。
しかし、進む先には崖がそびえている。
もう下がることができなくなると、ヤマアラシはくるりと方向転換し、採石場の中央より少し左寄りの崖に頭をくっつけるようにしてうずくまった。
こちらにお尻を向けた雑魔の手足は引っ込められ、ハンターたちからは針の逆立った背中が見えるばかりだ。
「これでもう逃げられないね!」
楽しげに言ってウーナが構えた銃の先からは、弾の軌道を示すように光の線が一本伸びている。
放たれた弾丸は、光線が示す通りに一度崖に当たり、跳ね返ってからヤマアラシの肩付近に命中した。
「的がでかい分、離れていても狙いやすくはあるな」
ルナリリルが再装填を終えた魔導銃を放つ。
ハンターたちの狙撃は背中の針を確実に削り取ってはいるものの、雑魔の息の根を止めるには時間がかかりそうだった。
「このままだと長引きそうだな」
射撃の合間にサーシャが呟く。
「俺に考えがある。合図するまで、そのまま攻撃を続けてくれ」
ザレムはそう言い残すと地面を蹴った。
足の裏から噴き出したマテリアルがザレムの体を空中に運び、ドワーフたちの物置小屋に導く。
ザレムは小屋の扉を開けると、中からドワーフたちが採石に使っている荷車を引き出した。
「なになに? 何か面白いことするの?」
ウーナが興味津々といった様子で振り返る。
荷車を押して、ヤマアラシの左側の崖の前に陣取ったザレムは、残りの者たちに声をかけた。
「今からそちらに向かう!」
荷車を構えたザレムは、ヤマアラシの側面を目がけて突撃した。
狙ったのは、ルナリリルの狙撃によって大きく針が削られていた左側面だ。
ザレムの巧みな荷車さばきによって、荷台がヤマアラシの体の下に入り込んだ。
「テコの原理ってやつだ!」
そう叫んだザレムが、荷車の牽き手に全体重を乗せる。
「グアウ!?」
ぐうっと、ヤマアラシの巨体が持ち上がった。
ザレムが牽き手を地面に押しつけると、ずうん、と重々しい物音と共に、ヤマアラシの体がひっくり返った。
針のない無防備な腹部が丸見えになる。
「いいね。最高」
ウーナの唇が、にいい、と笑みの形に吊り上がる。
「一気に行くぜ!」
ぶうん、と低い振動音をたてる日本刀を手に、リューが地面を蹴った。
白い腹に、金色の光を纏った刃が深々と突き立てられる。
「ギャウウ!」
ひっくり返ったヤマアラシは悲鳴を上げ、なんとか身を起こそうともがいた。
「おっと。そのまま寝ていてくれよ」
ザレムが脇腹にエレクトリックショックを撃ちこむと、雑魔の動きはぴたりと止まった。
「さっき驚かされたお返しだ」
サーシャがライフルの引き金を引くと、その横で瞳を鮮やかな赤紫に変化させながらルナリリルが笑みを浮かべた。
「これはまた、でかい的だ」
銃弾の雨が降り注ぐ中、幾何学的な模様が赤く光る腕を伸ばし、ウーナがくるりと一回転した。
「ねえねえ、あたしと踊ろうよ!」
軽やかなステップと共に、銃が連射される。
その様子はまるで踊っているかのようだ。
一撃ちするごとに、ふわりと桃色の髪が舞った。
「そらそら、踊れ踊れ!」
容赦のない攻撃はヤマアラシが動かなくなっても止むことを知らず、やがてヤマアラシの体が赤い霧と化し、跡形もなく消え去るまで続いた。
戦闘のあと、静けさを取り戻した採石場で、リューがルナリリルによるマテリアルヒーリングで治療を受けていた。
治療を終えたリューに複雑な表情をしたサーシャが近付く。
「あんなに無茶をしてまで、どうして私をかばった」
「……信念、みたいなものかな」
短く答えてリューは微笑んだ。
採石場の入り口には、安全を知らされたドワーフたちが到着し、にぎやかに採石が再開されようとしていた。
ハンターたちもそれぞれ採石の手伝いをはじめる。
「これで『ひこうき』のためのマテリアルは確保できそうじゃな」
「よかったのう」
自前のスコップで荷車に鉱物性マテリアルを運び入れていたザレムは、ドワーフたちの少々怪しげなアクセントに気が付いた。
「『ひこうき』っていうのは、鳥に似た飛行機械のことで、『飛行機』と書くんだ」
ザレムは説明と共に、スコップの先で地面に文字を書いてみせる。
「採掘作業に使えないかと持ってきたのだけど、どうだろうか? 特別硬い岩盤とかには有効だと思うのだけど」
そう言いながらサーシャが取り出したのは円錐形のドリルだ。
「なんじゃなんじゃ」
「とがってるのう」
見慣れぬ道具に興味を持ったドワーフたちが、サーシャの周りにわらわらと寄ってくる。
「ドリルという魔導機械だ。ここを握ると、マテリアルで高速回転する」
そう説明をしながらサーシャがドリルを握り、崖の露出した部分に当てると、ゴガガガガ、と軽快な音を立てて岩石が削れた。
初めて見る機械にドワーフたちから感嘆の声が上がる。
「こっちじゃ。こっちにやたらと硬い岩盤があってな、困っておったんじゃよ」
「次はあっちも頼めるかのう」
サーシャは興奮したドワーフたちに引っ張り回されながら、岩盤に次々ドリルを当てていく。
「力仕事なら任せとけ!」
崖の手前では、腕まくりをしたリューが、ドワーフたちには届きにくい高さのでっぱりにツルハシを打ちこんでいた。
「鍛えてっからな。力ならドワーフにも負けないつもりだぜ!」
「ほう」
背後でそれを聞いていたルナリリルの目が妖しく光った。
採石のかたわら、休憩時間には飛行機の話題に花が咲いた。
「ついこの間、試作機に乗ったぞ。なかなか癖のある代物だったが、面白い経験だった」
「あたしも! あたしも乗ったよ! 鳥みたいにびゅーんって飛んで、どかーんって爆発したの」
ルナリリルが試作機に乗った経験を語れば、ウーナも身振り手振りを交えて説明した。
「飛行機コンテストにも参加したぞ。……ちょっと」
ルナリリルは話しているうちに気分が乗ってきたらしく、急に立ち上がったかと思うと、リューを手招きした。
しばらくごそごそ相談していたかと思うと、ルナリリルがすっと両手を伸ばした。
「どうして俺がこんなことを……」
黒子役となり、下からルナリリルの体を支えることになったリューがぶつぶつ呟く。
「バイクをベースにした複葉機でな。こんな感じで飛んだんだ」
「……って、なんか軽すぎないか? うおっと!」
支えた体の軽さに驚いたリューが、勢いあまって実際にルナリリルの体を飛ばしそうになるアクシデントはあったが、飛行機コンテストはなんとか無事に再現される。
リューに支えられたルナリリルは実際に飛んでいるかのように両腕を広げ、気持ちよさそうに目を閉じた。
頭頂部にぴょこんと跳ねた毛が、ふよふよと風にそよぐ。
ドワーフたちと仲間のハンターたちから、やんやの喝采が起こった。
「なるほどなあ。空飛ぶ機械じゃったのか」
曖昧だったイメージはずいぶんと具体的になったようで、ドワーフの1人が納得したように頷く。
「空に飛ぶなんてロマンじゃのう」
「ああ、ロマンじゃのう」
鳥のように大空を自在に飛ぶというまだ見ぬ機械に、ドワーフたちはうっとりと目を細める。
日が暮れはじめた頃、採石場ではドワーフたちが見送りに立っていた。
「流石はハンター。おかげで雑魔もいなくなったし、採石もずいぶんとはかどった」
「『飛行機』の話も楽しかったぞ」
「『ドリル』もな」
口々に礼を述べるドワーフたちに、ハンターたちは笑顔で応える。
「ひこうき」改め、「飛行機」に少しだけ詳しくなったドワーフたちに見送られ、依頼を終えたハンターたちは採石場を後にした。
依頼結果
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面白かった! | 4人 |
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MVP一覧
- 幻獣王親衛隊
ザレム・アズール(ka0878)
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 サーシャ・V・クリューコファ(ka0723) 人間(リアルブルー)|15才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/09/11 21:10:55 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/11 07:39:46 |