ゲスト
(ka0000)
暗黒次元殺法紅蓮之極!(※必殺技募集)
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/30 09:00
- 完成日
- 2015/10/06 04:39
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
▼
皆さんは、こんな経験がないだろうか。
「ばーりや!」
「そのばりやをやぶる、ひっさつわざをくらえー」
「どんなの? なまはんかな必殺技じゃあ、ばりあを破れないよ」
「ふっふっふ」
不敵な笑みを浮かべながら、友人はポーズを決める。
「鳳凰十字グレートランチャー斬り!」
「すげー! やぶられたーっ!」
おおよそこんな経験である。
むず痒い経験、思い出したくない黒歴史、懐かしさ……。
感じるものは、ひとによって違うだろうが、誰しも「必殺技」にあこがれていた。
ここに、一人。
必殺技について、思い悩む男がいた……。
●
「先生、次の原稿はまだ出来上がらないのですか!」
「……一朝一夕でできたら、苦労はしないねぇ」
少女のがなる声に煙たそうな表情を浮かべ、先生はパイプを置いた。
目の前には薄茶色の紙が何枚も広げられている。
黒いインクのシミが、紙の上に散らされているが、まとまりはない。構想を練っている作家は、紙を大量に消費すると揶揄されたことがある。この先生と呼ばれる人物も多分に漏れず、書き散らすタイプであった。
「何がそんなに決まらないのですか?」
「シャヤカ殿、このクライマックス。ドラゴンを倒すのに地味すぎないかねぇ」
「そうですか?」
シャヤカと呼ばれた少女は、小首をかしげて原稿を読む。
最後の場面、英雄たちは村を焼き払い続けていたドラゴンの棲家にたどり着く、
生け贄を断ち切り、負の連鎖を止めるためのセリフは饒舌で、かっこいい。
「ふむふむ」
だが、肝心のドラゴンとの立ち回りがいまいち盛り上がりに欠ける。
テキトーな技名を叫び、テキトーに剣を振るう……そんなイメージだ。
「ガキか」
ぽそりと漏らした後、シャヤカはハッとした。
慌てて先生を見れば、漬物石のように椅子の上で丸まっていた。ぼそぼそと呟く言葉を聞いてみれば、才能がないのだ、書きたくないのだ、おかあちゃん、と泣き言を言っている。
「先生。これは先生の責任だけではないですよ」
「んむ?」
「考えても見てください。恋愛悲喜劇を得意とする先生に、無理やり英雄譚をお願いしたのはうちの劇場なんですから」
「そ、そうか。そうだよな。誰にでも……得手不得手があるわけだからねぇ」
「でも、締め切りは迫ってます」
「……書かなくちゃ、だめ?」
おっさんの上目遣いに、シャヤカは背筋が寒くなる。ここで代筆を立てることも出来る。だが、先生を甘やかすと他の仕事のときにも影響が出るかもしれない。
心を鬼にしなくては!
「書いてください」
最高の笑顔で、断じた。
先生は泣きそうだった。
「……わかりました。こういうときは、イメージをインプットするのがいいんです」
「インプット?」
「えぇ、実際に必殺技を打つ場面を見せてもらいましょう」
「ほう」
先生は興味ありげに体勢を立て直した。パイプを片手に、話を聞くモードに入る。
ここで挫けさせてはいけない。
慎重に先生の興味を惹かなくては……。
「ハンターをご存知ですよね」
もちろん、と先生は答えた。劇作家という立場上、耳目は広くしておかなければな、と満足気に語る。
ハンターが歪虚と闘っていること。覚醒状態に入り、多様な業を持っていること……。
ここまで語れば、先生もわかったらしい。
「後学のためだ。よろしい、すぐに手配してくれたまえ」
「実際の戦闘に見学に行くのは、危険なので見立てになりますが」
「それでも、よい。なんならシチュエーションは用意しておこう」
「わかりました。役者も手配しておきますね」
帰り際、シャヤカはふと思いつく。
これはこれで、いい興行になりそうではないか。
「儲け話。いただきました」
早速、劇場のオーナーに話を通し、大々的に告知を打つ。
その名も、
第一回
俺の右腕が囁くんだ! 闇に抱かれて燃え落ちろ!
必殺技選手権!
開場は街の外側にある、草原だ。チケットは完売。会場設営お手の物、
あとは当日を待つのみである。
▼
開催概要
1)シチュエーションを選んで、必殺技を使え!
※シチュエーションに合わせて演技して
2)参加は1~5名のグループで可能。
3)とくに優勝等はなく、「俺の必殺技を見ろ!」という猛者募集!
さあ、滾る諸君よ。
私たちは君の必殺技を待っているぞ!
皆さんは、こんな経験がないだろうか。
「ばーりや!」
「そのばりやをやぶる、ひっさつわざをくらえー」
「どんなの? なまはんかな必殺技じゃあ、ばりあを破れないよ」
「ふっふっふ」
不敵な笑みを浮かべながら、友人はポーズを決める。
「鳳凰十字グレートランチャー斬り!」
「すげー! やぶられたーっ!」
おおよそこんな経験である。
むず痒い経験、思い出したくない黒歴史、懐かしさ……。
感じるものは、ひとによって違うだろうが、誰しも「必殺技」にあこがれていた。
ここに、一人。
必殺技について、思い悩む男がいた……。
●
「先生、次の原稿はまだ出来上がらないのですか!」
「……一朝一夕でできたら、苦労はしないねぇ」
少女のがなる声に煙たそうな表情を浮かべ、先生はパイプを置いた。
目の前には薄茶色の紙が何枚も広げられている。
黒いインクのシミが、紙の上に散らされているが、まとまりはない。構想を練っている作家は、紙を大量に消費すると揶揄されたことがある。この先生と呼ばれる人物も多分に漏れず、書き散らすタイプであった。
「何がそんなに決まらないのですか?」
「シャヤカ殿、このクライマックス。ドラゴンを倒すのに地味すぎないかねぇ」
「そうですか?」
シャヤカと呼ばれた少女は、小首をかしげて原稿を読む。
最後の場面、英雄たちは村を焼き払い続けていたドラゴンの棲家にたどり着く、
生け贄を断ち切り、負の連鎖を止めるためのセリフは饒舌で、かっこいい。
「ふむふむ」
だが、肝心のドラゴンとの立ち回りがいまいち盛り上がりに欠ける。
テキトーな技名を叫び、テキトーに剣を振るう……そんなイメージだ。
「ガキか」
ぽそりと漏らした後、シャヤカはハッとした。
慌てて先生を見れば、漬物石のように椅子の上で丸まっていた。ぼそぼそと呟く言葉を聞いてみれば、才能がないのだ、書きたくないのだ、おかあちゃん、と泣き言を言っている。
「先生。これは先生の責任だけではないですよ」
「んむ?」
「考えても見てください。恋愛悲喜劇を得意とする先生に、無理やり英雄譚をお願いしたのはうちの劇場なんですから」
「そ、そうか。そうだよな。誰にでも……得手不得手があるわけだからねぇ」
「でも、締め切りは迫ってます」
「……書かなくちゃ、だめ?」
おっさんの上目遣いに、シャヤカは背筋が寒くなる。ここで代筆を立てることも出来る。だが、先生を甘やかすと他の仕事のときにも影響が出るかもしれない。
心を鬼にしなくては!
「書いてください」
最高の笑顔で、断じた。
先生は泣きそうだった。
「……わかりました。こういうときは、イメージをインプットするのがいいんです」
「インプット?」
「えぇ、実際に必殺技を打つ場面を見せてもらいましょう」
「ほう」
先生は興味ありげに体勢を立て直した。パイプを片手に、話を聞くモードに入る。
ここで挫けさせてはいけない。
慎重に先生の興味を惹かなくては……。
「ハンターをご存知ですよね」
もちろん、と先生は答えた。劇作家という立場上、耳目は広くしておかなければな、と満足気に語る。
ハンターが歪虚と闘っていること。覚醒状態に入り、多様な業を持っていること……。
ここまで語れば、先生もわかったらしい。
「後学のためだ。よろしい、すぐに手配してくれたまえ」
「実際の戦闘に見学に行くのは、危険なので見立てになりますが」
「それでも、よい。なんならシチュエーションは用意しておこう」
「わかりました。役者も手配しておきますね」
帰り際、シャヤカはふと思いつく。
これはこれで、いい興行になりそうではないか。
「儲け話。いただきました」
早速、劇場のオーナーに話を通し、大々的に告知を打つ。
その名も、
第一回
俺の右腕が囁くんだ! 闇に抱かれて燃え落ちろ!
必殺技選手権!
開場は街の外側にある、草原だ。チケットは完売。会場設営お手の物、
あとは当日を待つのみである。
▼
開催概要
1)シチュエーションを選んで、必殺技を使え!
※シチュエーションに合わせて演技して
2)参加は1~5名のグループで可能。
3)とくに優勝等はなく、「俺の必殺技を見ろ!」という猛者募集!
さあ、滾る諸君よ。
私たちは君の必殺技を待っているぞ!
リプレイ本文
●
町外れにある草原は、劇場によって荘厳な舞台に作り変えられていた。
大道具が作り上げたドラゴンは、禍々しいオーラを纏っていると見紛うばかりである。
「本日は、ご来場ありがとうございます……当会場の注意を……」
舞台上では、司会が諸注意をしている。
舞台裏で待機するセリス・アルマーズ(ka1079)は、司会の声を聞きながら、ぐっと拳を握る。
「なにか胸が熱くなるわね!」
握られた拳には、聖印の施されたナックルが嵌められていた。
するりと見渡せば、同じドラゴン退治の部門にはエルフの姉妹。そして、白一点のエクラ教神父が参加していた。
神父ことエルディン(ka4144)は、セリスたちを見極めるようにしげしげと観察していた。
「何か用かしら?」
「いえ、実は私の必殺技というのがですね……」
支援系であることを告げると、セリスは強く頷いた。
「神の加護なら、私と一緒に行くわよ」
「いいのでしょうか」
「えぇ、私にいい考えがあるわ」
セリスが快活に嗤う。
その後ろでは、一番手が準備に入っていた。
●
最初の参加者は、エルフ姉こと星輝 Amhran(ka0724)である。
脚元まで伸びる白い髪。
白いファーの上に黒竜をかたどった銅板があしらわれた、黒の道行コート。その内側は対照的に、黒い生地に白い龍が描かれた着物をまとっていた
白黒のコントラストが映える彼女は、頭にも黒く鳥を模した兜をかぶっていた。
彼女の周囲には、霧の黒龍が渦を巻く。
「この虚屠りの龍巫女から、土産に華を贈ろうぞ……」
特異な姿で登場した星輝の第一声は、静かに放たれた。
壇上に降り立った彼女からは、静謐さを孕んだ殺気が漏れ出ていた。思わず、ドラゴン役の男が唸り声を上げそうになる。
観客もまた、これが劇であることを忘れそうになるほど、彼女の殺気は練り上げられていた。
「……最も、冥土の土産じゃがな……?」
そういって、星輝はにやりと笑みを浮かべる。
顔上半分を覆う小町の能面とあいまって、妖しげな雰囲気を醸していた。
そうして三秒の間。
後、刀を振るってドラゴンと退治する。ドラゴンは爪の部分を金属に作り上げ、外装にも所々金属片を仕込んでいる。
ゆえに打ち合いになれば、刻みよく音が響く。
シャンと一合、爪と相対し、シャシャンと二合、両の首筋を打ち据える。
奏楽と合わさる金属音が、星輝の姿と相まって、何らかの儀式のようにも見えた。
一際強く鋭い音が響くと、星輝が大きく後ろへと跳ねた。
同時に音楽がより拍子の早いものへと変わっていく。ドラゴンの頭が振り上げられ、慟哭が発せられる。
「ふっ」と一息に星輝は、地を蹴った。
前へと捻りを加えた宙返り、空中で静止したかと思えば、円形に手裏剣を撒く。
一糸乱れぬ動きでドラゴンを絡めとるように、手裏剣が刺さっていく。
「流れる白尾、此れまさしく雪の如し」
着弾と同時に、再び高く跳び上がる。
空中で回転し、降下しながら刃を斬り入れる。
「描く銀閃……」
地に足をつけたかとおもいきや、反動を利用しての後ろ宙返り。
合わせるように二の太刀を斬り上げる。
「即ち、闇夜を照らす双の満ち月」
舞い降りたかと思えば、間髪入れず、舞台上を駆け抜ける。
相当の重みがあるはずのドラゴンの体が、先の一撃にのけぞっていた。
星輝の刀は今、鞘に収まっている。
「曼珠沙羅、その身に咲かす」
一閃。
「死出の香……」
目にも留まらぬ速さで繰り広げられた居合、その名を「穂垂」。
気がつけば、頸を落とし血を噴出するドラゴンの姿があった。
星輝は納めた刀の柄から手を離し、降り注ぐ血の雨に身体を濡らす。
「流派禍断 戦神楽黒連舞『乱れ雪月花』……」
技名を告げ、ドラゴンに一瞥をくべる。
「最後の壱刻に誠綺麗な華に抱かれて逝けるのじゃ……これ以上無い手向けじゃろぅ?」
視線をドラゴンから観客に向け、狂気に満ちた笑みを口元に浮かべた。
そうして、能面を外せば、艶やかな少女の顔が現れる。
「くく……」と彼女が声を上げれば、音楽が演舞を締めくくった。
拍手を背に受けながら、星輝は舞台袖へと引き下がる。
●
「暖かなご声援、ありがとうございます。誠に申し訳ございませんが、舞台整備のため……」
聞こえてくる淡々とした司会者の声、そして、大道具のドラゴン修繕のために慌てふためく姿が星輝の目に飛び込んできた。
舞台上での姿とは打って変わって、狼狽の表情を見せる。
「や、やりすぎたかのう」
「きっと大丈夫よ、キララ姉さま。お客さんも喜んでたしね」
「そうか。イスカがそういうのなら、問題ないのじゃろう」
妹Uisca Amhran(ka0754)の言葉に、星輝は落ち着きを取り戻す。
ここで修繕を果たしたドラゴンが、再び舞台袖へと移動していった。
「さて、続いての登場は……」
●
「わかっているわね、エルディン君」
「はい」
目配せをして、エルディンとセリスは舞台へ上がる。
ドラゴンは、修繕による継ぎ接ぎが、異様な雰囲気を演出していた。
「あら、もってこいね」
ちいさく笑みを浮かべると、セリスは堂々と出で立ち、拳をドラゴンへと突き立てた。
「さぁ、ドラゴン……いいえ、竜の形を借りた歪虚!」
セリスは力強く言い放ち、舞台設定を披露する。
ただのドラゴンでは、必殺技をぶつける対象には足り得ない。そう、セリスにとって敵とは歪虚なのである。そして、歪虚に対してならば彼女は容赦がない。
「エクラ教の光の前に、消し飛ぶがいいわ!」
「セリスさん、少し落ち着きましょう」
物腰柔らかに、エルディンは告げる。
興奮気味のセリスに比べれば、落ち着き払った印象を受ける。
「エクラ教の教えを信じ、信仰を篤くする私達の前にはあれぐらい敵ではありません」
やや誇張気味に観客に向けて語りかける。
もちろんよ、とセリスは大手を振ってドラゴン側へ躍り出た。
「さあ、行きなさい。光は常に私達とあります」
聖儀杖を掲げ、エルディンが告げる。
舞台上を力強い足取りでセリスは進み、ドラゴンが吐き出す演出上の煙や光にも堂々たる姿を見せていた。彼女の瞳にあるのは、確固たる意志だ。
星輝の演舞を、一種の神がかり的な民俗的儀式とするならば。
セリスとエルディンは、宗教劇だ。ドラゴンの咆哮すら、セリスを惹き立てるための要素にすらしてしまう。スポットライトはないが、観客の視線は二人の動向に釘付けである。
「ドラゴンに立ち向かうものよ」
エルディンはカッと聖儀杖を打ち鳴らし、自身へと注意を惹く。
見ればエルディンの頭には、天使の輪。背中に純白の翼が、幻影として立ち現われていた。観客にいた熱心なエクラ教信者等は、涙を流しそうな勢いでその姿を眺めていた。
一種のトランス状態である。
「今こそ光の神の加護を授けましょう」
一つ翼を羽ばたかせ、光の粒子を舞い上げる。
「……神よ。我らを導きたまえ。悪しきドラゴンへ挑む者に力を与えたまえ」
厳かな口調で告げると、再び杖を打ち鳴らす。
粒子がふわりとセレスの下へ、降りていき、光のベールとなる。
「さあ、神があなたを見守っています。その光り輝く拳が勝利をもたらすでしょう」
人々の視線がセレスへと移る。
光をその身に纏う中、右の拳が一際光り輝いていた。
「エルディン君……神様の息吹を確かに感じるわ」
確かめるように手を何度か握り直す。力強い拳を作ると、セリスは右腕を天へと向けて突き上げた。
次第に光が増していく。セリスの手は、白い輝きの中へ飲み込まれていった。最高潮に達した時、セリスは息を深く吸い込んだ。
「聖なる拳が光って唸る! 歪虚を倒せと輝き叫ぶ!」
セリスの声が轟き、会場の空気を震わせた。
あまりの眩しさに目をそらすものがいる中、セリスはドラゴンへと駆け出す。
「信仰奥義!」
一度引いた腕を、ドラゴンの鼻先へ突き出す。
「ゴッド! セイクリッド! スマーーーーッシュ!!」
セリスの声が観客の耳をつんざく。そして、視界は白に染まった。
ドラゴンを飲み込んだ光の本流は、舞台裏にまで届く。光自体が竜の尾のように、長くたなびいていた。
光が収束し、視界が元に戻る。
観客は、ドラゴンが舞台上から消え去ったことにまばらに気づく。少しずつ拍手が大きくなり、セリスとエルディンは調子のいい音に笑顔を見せた。
「歪虚は神の光の前に、滅ぶものよ」
「これぞ、エクラ信仰奥義。皆様の信仰があってこそでございます」
●
舞台裏では、大道具班の緊急会議が行われていた。
予想以上の威力によって、ドラゴンはズタボロになっていたのだ。これ以上は修繕を施しても舞台に上げることはできない。
「やりすぎた……かしら?」
少しセリスが心配そうに、大道具に近づく。
「こんなこともあろうかと」と一人が立ち上がり、何やら大きな物体を運んできた。
それは、第二のドラゴンであった。
「準備がいいのね」
「心なしか、私達のものより一回り大きくないでしょうか」
そう、新たなドラゴンはより堅牢な姿をしていたのである。
曰く、あまりに作り込み過ぎたので耐久性が高過ぎると下げていたのだ。
「うぅむ、しかしのう」
「どうかしたのかしら、星輝君?」
「最後はイスカ……じゃな」
木製魔導バイクに跨るウィスカの姿を、星輝は心配そうに見守るのだった。
●
最後のドラゴン討伐者は、バイクの駆動音とともに現れた。
その姿はさながら伝説のユニコーンに騎乗する戦乙女の如く、バイクの音ですら馬の嘶きに聞こえるほどであった。
「あれが、ドラゴンですね」
一度バイクを止め、少し距離をとってドラゴンを見やる。
一陣の風が、ウィスカの髪を広がらせる。さながら、翼のようであった。
もう一度エンジンを入れ、バイクを走らせる彼女の背にはまだ翼があった。伝説に残る白竜を思わせる、淡い光の翼である。
舞台上に二匹の竜が対峙していた。
舞台奥に鎮座するドラゴンは、立ち向かう竜の戦乙女へと炎を吹く。ウィスカの希望により、魔法を利用した正真正銘の炎である。
「どうか、加護を……」
祈るような声で盾を取り出し、ウィスカがいう。
盾は蒼を基調とした本体から、森を思わせる深い緑色の光を放つ。一目見て、何らかの力を持ったものであることが知れた。
大霊堂の石柱を削りだした盾としてエルフの一族に代々受け継がれてきたのだという。
「それしきの炎で、私は止まりません!」
力強い言葉に、拍手が起こる。
ウィスカの演舞は、まさしくショーパフォーマンスであった。
続いて取り出したるは、魔法の杖。祈りを捧げ、白竜の魔力を込めていく。
「光になりなさい!」
次第に杖は黄金の聖剣へと、その姿を変える。あまりの神々しさに観客は彼女の聖剣を直視することはできない。
このとき、ドラゴンの中の人は直感で脱出を計っていた。
不動のドラゴン。
観客の目には、堂々とウィスカの攻撃を待ち構えているように見える。
「レタル・カンナカムイ・エペタムッ! 龍撃粉砕ー!!」
白龍神に捧げし聖剣の祈り。
振りかざされた聖剣が、一手に振り下ろされる。何かがひび割れる音とともに、光が満ちていく。ドラゴンは咆哮を上げるように、身体を軋ませた。
ウィスカ曰く、十三魔の一撃にも匹敵し、並の歪虚では耐えることは出来ないという。
その一撃を受け、ドラゴンは崩壊した。
各部のパーツが綻び、欠落していく。支柱が折れ、自重に耐え切れず、ついには潰れてしまう。
「……」
あとに残ったのは、残骸の山であった。
「えと……」
その光景にウィスカは固まった。
司会が慌てて、ウィスカの一撃によりドラゴンが倒されたのだという語りを入れる。沸き起こる拍手を背に受けながら、ウィスカは残骸を見下ろす。
「はわわ、また全てを消し飛ばしてしまいました……」
その言葉通り、ウィスカが降りると同時に舞台自体がぐらつき、崩れるのであった。
●
「万策尽きた―!」
舞台裏で大道具が叫び、司会がショーの終了をアナウンスする。
その光景に、意気消沈するウィスカを星輝が慰めていた。
「観客は満足したようじゃし、心配なかろう」
「キララ姉さまがおっしゃるのでしたら、大丈夫なのかしら」
二人から少し離れ、セリスは見事に崩壊したドラゴンを眺めていた。
「いやぁ、見事なものね」
「そうですね……と、おや?」
随伴していたエルディンは、一人の人物が近づいてくるのに気づいた。
非常に興奮した様子で、駆け寄ってくるのは事件の発端である先生であった。
「いやぁ、素晴らしかったよキミたち!」
「恐縮です」
握手を求められ、エルディンが応じる。
ハグしかねないほど興奮する先生に、柔和な対応を心がけていた。
三者三様のドラゴン退治。
先生はよいインスピレーションを受けたとしきりに語る。
「それじゃあ、私は執筆の仕事があるから。ぜひ、完成したら見に来てくれたまえ!」
さっそうと去っていく先生の背中を見送り、星輝は「うむ」と声を上げた。
「わしの言ったとおりじゃろ? 問題ないのじゃ」
「そ、そのようね」
安心したようにウィスカが微笑む。
閉幕を正式に告げる司会の言葉に、今一度盛大な拍手が巻き起こっていた。
後日行われた、本番の舞台は本格的な戦闘シーンが目玉となり成功を納めたという。
特にエクラ教信者が観劇者に多くいたというが……真偽は定かではない。
町外れにある草原は、劇場によって荘厳な舞台に作り変えられていた。
大道具が作り上げたドラゴンは、禍々しいオーラを纏っていると見紛うばかりである。
「本日は、ご来場ありがとうございます……当会場の注意を……」
舞台上では、司会が諸注意をしている。
舞台裏で待機するセリス・アルマーズ(ka1079)は、司会の声を聞きながら、ぐっと拳を握る。
「なにか胸が熱くなるわね!」
握られた拳には、聖印の施されたナックルが嵌められていた。
するりと見渡せば、同じドラゴン退治の部門にはエルフの姉妹。そして、白一点のエクラ教神父が参加していた。
神父ことエルディン(ka4144)は、セリスたちを見極めるようにしげしげと観察していた。
「何か用かしら?」
「いえ、実は私の必殺技というのがですね……」
支援系であることを告げると、セリスは強く頷いた。
「神の加護なら、私と一緒に行くわよ」
「いいのでしょうか」
「えぇ、私にいい考えがあるわ」
セリスが快活に嗤う。
その後ろでは、一番手が準備に入っていた。
●
最初の参加者は、エルフ姉こと星輝 Amhran(ka0724)である。
脚元まで伸びる白い髪。
白いファーの上に黒竜をかたどった銅板があしらわれた、黒の道行コート。その内側は対照的に、黒い生地に白い龍が描かれた着物をまとっていた
白黒のコントラストが映える彼女は、頭にも黒く鳥を模した兜をかぶっていた。
彼女の周囲には、霧の黒龍が渦を巻く。
「この虚屠りの龍巫女から、土産に華を贈ろうぞ……」
特異な姿で登場した星輝の第一声は、静かに放たれた。
壇上に降り立った彼女からは、静謐さを孕んだ殺気が漏れ出ていた。思わず、ドラゴン役の男が唸り声を上げそうになる。
観客もまた、これが劇であることを忘れそうになるほど、彼女の殺気は練り上げられていた。
「……最も、冥土の土産じゃがな……?」
そういって、星輝はにやりと笑みを浮かべる。
顔上半分を覆う小町の能面とあいまって、妖しげな雰囲気を醸していた。
そうして三秒の間。
後、刀を振るってドラゴンと退治する。ドラゴンは爪の部分を金属に作り上げ、外装にも所々金属片を仕込んでいる。
ゆえに打ち合いになれば、刻みよく音が響く。
シャンと一合、爪と相対し、シャシャンと二合、両の首筋を打ち据える。
奏楽と合わさる金属音が、星輝の姿と相まって、何らかの儀式のようにも見えた。
一際強く鋭い音が響くと、星輝が大きく後ろへと跳ねた。
同時に音楽がより拍子の早いものへと変わっていく。ドラゴンの頭が振り上げられ、慟哭が発せられる。
「ふっ」と一息に星輝は、地を蹴った。
前へと捻りを加えた宙返り、空中で静止したかと思えば、円形に手裏剣を撒く。
一糸乱れぬ動きでドラゴンを絡めとるように、手裏剣が刺さっていく。
「流れる白尾、此れまさしく雪の如し」
着弾と同時に、再び高く跳び上がる。
空中で回転し、降下しながら刃を斬り入れる。
「描く銀閃……」
地に足をつけたかとおもいきや、反動を利用しての後ろ宙返り。
合わせるように二の太刀を斬り上げる。
「即ち、闇夜を照らす双の満ち月」
舞い降りたかと思えば、間髪入れず、舞台上を駆け抜ける。
相当の重みがあるはずのドラゴンの体が、先の一撃にのけぞっていた。
星輝の刀は今、鞘に収まっている。
「曼珠沙羅、その身に咲かす」
一閃。
「死出の香……」
目にも留まらぬ速さで繰り広げられた居合、その名を「穂垂」。
気がつけば、頸を落とし血を噴出するドラゴンの姿があった。
星輝は納めた刀の柄から手を離し、降り注ぐ血の雨に身体を濡らす。
「流派禍断 戦神楽黒連舞『乱れ雪月花』……」
技名を告げ、ドラゴンに一瞥をくべる。
「最後の壱刻に誠綺麗な華に抱かれて逝けるのじゃ……これ以上無い手向けじゃろぅ?」
視線をドラゴンから観客に向け、狂気に満ちた笑みを口元に浮かべた。
そうして、能面を外せば、艶やかな少女の顔が現れる。
「くく……」と彼女が声を上げれば、音楽が演舞を締めくくった。
拍手を背に受けながら、星輝は舞台袖へと引き下がる。
●
「暖かなご声援、ありがとうございます。誠に申し訳ございませんが、舞台整備のため……」
聞こえてくる淡々とした司会者の声、そして、大道具のドラゴン修繕のために慌てふためく姿が星輝の目に飛び込んできた。
舞台上での姿とは打って変わって、狼狽の表情を見せる。
「や、やりすぎたかのう」
「きっと大丈夫よ、キララ姉さま。お客さんも喜んでたしね」
「そうか。イスカがそういうのなら、問題ないのじゃろう」
妹Uisca Amhran(ka0754)の言葉に、星輝は落ち着きを取り戻す。
ここで修繕を果たしたドラゴンが、再び舞台袖へと移動していった。
「さて、続いての登場は……」
●
「わかっているわね、エルディン君」
「はい」
目配せをして、エルディンとセリスは舞台へ上がる。
ドラゴンは、修繕による継ぎ接ぎが、異様な雰囲気を演出していた。
「あら、もってこいね」
ちいさく笑みを浮かべると、セリスは堂々と出で立ち、拳をドラゴンへと突き立てた。
「さぁ、ドラゴン……いいえ、竜の形を借りた歪虚!」
セリスは力強く言い放ち、舞台設定を披露する。
ただのドラゴンでは、必殺技をぶつける対象には足り得ない。そう、セリスにとって敵とは歪虚なのである。そして、歪虚に対してならば彼女は容赦がない。
「エクラ教の光の前に、消し飛ぶがいいわ!」
「セリスさん、少し落ち着きましょう」
物腰柔らかに、エルディンは告げる。
興奮気味のセリスに比べれば、落ち着き払った印象を受ける。
「エクラ教の教えを信じ、信仰を篤くする私達の前にはあれぐらい敵ではありません」
やや誇張気味に観客に向けて語りかける。
もちろんよ、とセリスは大手を振ってドラゴン側へ躍り出た。
「さあ、行きなさい。光は常に私達とあります」
聖儀杖を掲げ、エルディンが告げる。
舞台上を力強い足取りでセリスは進み、ドラゴンが吐き出す演出上の煙や光にも堂々たる姿を見せていた。彼女の瞳にあるのは、確固たる意志だ。
星輝の演舞を、一種の神がかり的な民俗的儀式とするならば。
セリスとエルディンは、宗教劇だ。ドラゴンの咆哮すら、セリスを惹き立てるための要素にすらしてしまう。スポットライトはないが、観客の視線は二人の動向に釘付けである。
「ドラゴンに立ち向かうものよ」
エルディンはカッと聖儀杖を打ち鳴らし、自身へと注意を惹く。
見ればエルディンの頭には、天使の輪。背中に純白の翼が、幻影として立ち現われていた。観客にいた熱心なエクラ教信者等は、涙を流しそうな勢いでその姿を眺めていた。
一種のトランス状態である。
「今こそ光の神の加護を授けましょう」
一つ翼を羽ばたかせ、光の粒子を舞い上げる。
「……神よ。我らを導きたまえ。悪しきドラゴンへ挑む者に力を与えたまえ」
厳かな口調で告げると、再び杖を打ち鳴らす。
粒子がふわりとセレスの下へ、降りていき、光のベールとなる。
「さあ、神があなたを見守っています。その光り輝く拳が勝利をもたらすでしょう」
人々の視線がセレスへと移る。
光をその身に纏う中、右の拳が一際光り輝いていた。
「エルディン君……神様の息吹を確かに感じるわ」
確かめるように手を何度か握り直す。力強い拳を作ると、セリスは右腕を天へと向けて突き上げた。
次第に光が増していく。セリスの手は、白い輝きの中へ飲み込まれていった。最高潮に達した時、セリスは息を深く吸い込んだ。
「聖なる拳が光って唸る! 歪虚を倒せと輝き叫ぶ!」
セリスの声が轟き、会場の空気を震わせた。
あまりの眩しさに目をそらすものがいる中、セリスはドラゴンへと駆け出す。
「信仰奥義!」
一度引いた腕を、ドラゴンの鼻先へ突き出す。
「ゴッド! セイクリッド! スマーーーーッシュ!!」
セリスの声が観客の耳をつんざく。そして、視界は白に染まった。
ドラゴンを飲み込んだ光の本流は、舞台裏にまで届く。光自体が竜の尾のように、長くたなびいていた。
光が収束し、視界が元に戻る。
観客は、ドラゴンが舞台上から消え去ったことにまばらに気づく。少しずつ拍手が大きくなり、セリスとエルディンは調子のいい音に笑顔を見せた。
「歪虚は神の光の前に、滅ぶものよ」
「これぞ、エクラ信仰奥義。皆様の信仰があってこそでございます」
●
舞台裏では、大道具班の緊急会議が行われていた。
予想以上の威力によって、ドラゴンはズタボロになっていたのだ。これ以上は修繕を施しても舞台に上げることはできない。
「やりすぎた……かしら?」
少しセリスが心配そうに、大道具に近づく。
「こんなこともあろうかと」と一人が立ち上がり、何やら大きな物体を運んできた。
それは、第二のドラゴンであった。
「準備がいいのね」
「心なしか、私達のものより一回り大きくないでしょうか」
そう、新たなドラゴンはより堅牢な姿をしていたのである。
曰く、あまりに作り込み過ぎたので耐久性が高過ぎると下げていたのだ。
「うぅむ、しかしのう」
「どうかしたのかしら、星輝君?」
「最後はイスカ……じゃな」
木製魔導バイクに跨るウィスカの姿を、星輝は心配そうに見守るのだった。
●
最後のドラゴン討伐者は、バイクの駆動音とともに現れた。
その姿はさながら伝説のユニコーンに騎乗する戦乙女の如く、バイクの音ですら馬の嘶きに聞こえるほどであった。
「あれが、ドラゴンですね」
一度バイクを止め、少し距離をとってドラゴンを見やる。
一陣の風が、ウィスカの髪を広がらせる。さながら、翼のようであった。
もう一度エンジンを入れ、バイクを走らせる彼女の背にはまだ翼があった。伝説に残る白竜を思わせる、淡い光の翼である。
舞台上に二匹の竜が対峙していた。
舞台奥に鎮座するドラゴンは、立ち向かう竜の戦乙女へと炎を吹く。ウィスカの希望により、魔法を利用した正真正銘の炎である。
「どうか、加護を……」
祈るような声で盾を取り出し、ウィスカがいう。
盾は蒼を基調とした本体から、森を思わせる深い緑色の光を放つ。一目見て、何らかの力を持ったものであることが知れた。
大霊堂の石柱を削りだした盾としてエルフの一族に代々受け継がれてきたのだという。
「それしきの炎で、私は止まりません!」
力強い言葉に、拍手が起こる。
ウィスカの演舞は、まさしくショーパフォーマンスであった。
続いて取り出したるは、魔法の杖。祈りを捧げ、白竜の魔力を込めていく。
「光になりなさい!」
次第に杖は黄金の聖剣へと、その姿を変える。あまりの神々しさに観客は彼女の聖剣を直視することはできない。
このとき、ドラゴンの中の人は直感で脱出を計っていた。
不動のドラゴン。
観客の目には、堂々とウィスカの攻撃を待ち構えているように見える。
「レタル・カンナカムイ・エペタムッ! 龍撃粉砕ー!!」
白龍神に捧げし聖剣の祈り。
振りかざされた聖剣が、一手に振り下ろされる。何かがひび割れる音とともに、光が満ちていく。ドラゴンは咆哮を上げるように、身体を軋ませた。
ウィスカ曰く、十三魔の一撃にも匹敵し、並の歪虚では耐えることは出来ないという。
その一撃を受け、ドラゴンは崩壊した。
各部のパーツが綻び、欠落していく。支柱が折れ、自重に耐え切れず、ついには潰れてしまう。
「……」
あとに残ったのは、残骸の山であった。
「えと……」
その光景にウィスカは固まった。
司会が慌てて、ウィスカの一撃によりドラゴンが倒されたのだという語りを入れる。沸き起こる拍手を背に受けながら、ウィスカは残骸を見下ろす。
「はわわ、また全てを消し飛ばしてしまいました……」
その言葉通り、ウィスカが降りると同時に舞台自体がぐらつき、崩れるのであった。
●
「万策尽きた―!」
舞台裏で大道具が叫び、司会がショーの終了をアナウンスする。
その光景に、意気消沈するウィスカを星輝が慰めていた。
「観客は満足したようじゃし、心配なかろう」
「キララ姉さまがおっしゃるのでしたら、大丈夫なのかしら」
二人から少し離れ、セリスは見事に崩壊したドラゴンを眺めていた。
「いやぁ、見事なものね」
「そうですね……と、おや?」
随伴していたエルディンは、一人の人物が近づいてくるのに気づいた。
非常に興奮した様子で、駆け寄ってくるのは事件の発端である先生であった。
「いやぁ、素晴らしかったよキミたち!」
「恐縮です」
握手を求められ、エルディンが応じる。
ハグしかねないほど興奮する先生に、柔和な対応を心がけていた。
三者三様のドラゴン退治。
先生はよいインスピレーションを受けたとしきりに語る。
「それじゃあ、私は執筆の仕事があるから。ぜひ、完成したら見に来てくれたまえ!」
さっそうと去っていく先生の背中を見送り、星輝は「うむ」と声を上げた。
「わしの言ったとおりじゃろ? 問題ないのじゃ」
「そ、そのようね」
安心したようにウィスカが微笑む。
閉幕を正式に告げる司会の言葉に、今一度盛大な拍手が巻き起こっていた。
後日行われた、本番の舞台は本格的な戦闘シーンが目玉となり成功を納めたという。
特にエクラ教信者が観劇者に多くいたというが……真偽は定かではない。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/09/29 14:02:39 |