ゲスト
(ka0000)
こいつはちょろい
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2015/10/05 22:00
- 完成日
- 2015/10/11 01:12
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
なりたてほやほやの新米クルセイダーカチャ・タホは、ハンターオフィスに来ていた。
クルセイダーと言いつつも彼女の格好は、あまりそれっぽくない。というか全然それっぽくない。防護ベスト+上下揃ってのトレーニングウェア姿だ。
これは彼女の本意ではない。本当ならもっとクルセイダーらしい、騎士と聖職者のいいとこどりみたいな服を着たかったのである。
だけどギルドショップで一目ぼれして買い込んだ華麗な銀の錫杖が、三年越しのローンを組まなくてはならないほど高かったため、残りの装備を、ワゴンセール放出品で賄うしかなくなってしまったのである。
一度は両親に追加援助を願おうかとしたのだが、きっぱり断られた。
父はともかく母の態度は辺境に聳える長城のように揺るぎなかった。
ローン保証人の欄へ勝手に自分たちの名前を書き込んできた娘に、優しくこう諭したのである。
『カチャ……働きなさい。馬車馬のように』
ちなみにそこまでして手に入れた銀の錫杖は、今回持ってきていない。不慣れな依頼で壊したりしたらと思うと、そうする気になれなかったのだ。
しかし装備がないと不安。
というわけで、これまたワゴンセールで入手した竹刀(中古品)を手にしている由。
本末転倒と言えば本末転倒な行いであるが、本人はそうと認識していない。
とにもかくにも彼女は、前以て先輩たちからアドバイスを受けたとおり、無理のない依頼選びを心掛けた。
たとえ報酬が低めでも、必ず倒せると見込んだ依頼から着手する。
そして選んだのは、以下の依頼書であった。
『依頼主:マテリアル工房 緊急度:なるべく早めに 詳細:低級歪虚発生。形状はナメクジに似ている。工房に保管している原材料を食い荒らし損害を与えている』
ナメクジ。ナメクジであれば動きはのろいはず。倒すにも手間はかからないはず。
「よしっ、私、がんばるっ!」
かくしてカチャは、意気揚々現場に向かった。
●
マテリアル工房の倉庫には、うずたかく鋼の板が積まれている。これから剣や鎧、盾になる原材料だ。
ナメクジはそれに張り付き、嘗めるように食べている。
「……あれ?」
カチャは目をこすった。
(……ナメクジって……あんなに大きかったっけ……)
本当のナメクジではなくて歪虚なのだから、実物大の大きさをしていなくても特別不可解ではない。
とはいうものの大型犬位の大きさがあるとなれば、さすがに違和感の方が先立つ。
ナメクジは全身メタリックな紫色。つるつるしている。本当につるつる。周囲の景色が映りこむくらいにつるつる。
そのせいで、生き物という感じが余りしない(もとより生き物ではないと言われてしまえばそれまでだが)。どちらかというと機械っぽい。
とはいえ、動きはのろくさしている。
これなら攻撃するのはたやすいに違いない。
気を取り直したカチャは、前衛の人々に呼びかけた。
「回復はバッチリ受け持ちますので! 何なら攻撃も出来ますのでご安心ください!」
クルセイダーと言いつつも彼女の格好は、あまりそれっぽくない。というか全然それっぽくない。防護ベスト+上下揃ってのトレーニングウェア姿だ。
これは彼女の本意ではない。本当ならもっとクルセイダーらしい、騎士と聖職者のいいとこどりみたいな服を着たかったのである。
だけどギルドショップで一目ぼれして買い込んだ華麗な銀の錫杖が、三年越しのローンを組まなくてはならないほど高かったため、残りの装備を、ワゴンセール放出品で賄うしかなくなってしまったのである。
一度は両親に追加援助を願おうかとしたのだが、きっぱり断られた。
父はともかく母の態度は辺境に聳える長城のように揺るぎなかった。
ローン保証人の欄へ勝手に自分たちの名前を書き込んできた娘に、優しくこう諭したのである。
『カチャ……働きなさい。馬車馬のように』
ちなみにそこまでして手に入れた銀の錫杖は、今回持ってきていない。不慣れな依頼で壊したりしたらと思うと、そうする気になれなかったのだ。
しかし装備がないと不安。
というわけで、これまたワゴンセールで入手した竹刀(中古品)を手にしている由。
本末転倒と言えば本末転倒な行いであるが、本人はそうと認識していない。
とにもかくにも彼女は、前以て先輩たちからアドバイスを受けたとおり、無理のない依頼選びを心掛けた。
たとえ報酬が低めでも、必ず倒せると見込んだ依頼から着手する。
そして選んだのは、以下の依頼書であった。
『依頼主:マテリアル工房 緊急度:なるべく早めに 詳細:低級歪虚発生。形状はナメクジに似ている。工房に保管している原材料を食い荒らし損害を与えている』
ナメクジ。ナメクジであれば動きはのろいはず。倒すにも手間はかからないはず。
「よしっ、私、がんばるっ!」
かくしてカチャは、意気揚々現場に向かった。
●
マテリアル工房の倉庫には、うずたかく鋼の板が積まれている。これから剣や鎧、盾になる原材料だ。
ナメクジはそれに張り付き、嘗めるように食べている。
「……あれ?」
カチャは目をこすった。
(……ナメクジって……あんなに大きかったっけ……)
本当のナメクジではなくて歪虚なのだから、実物大の大きさをしていなくても特別不可解ではない。
とはいうものの大型犬位の大きさがあるとなれば、さすがに違和感の方が先立つ。
ナメクジは全身メタリックな紫色。つるつるしている。本当につるつる。周囲の景色が映りこむくらいにつるつる。
そのせいで、生き物という感じが余りしない(もとより生き物ではないと言われてしまえばそれまでだが)。どちらかというと機械っぽい。
とはいえ、動きはのろくさしている。
これなら攻撃するのはたやすいに違いない。
気を取り直したカチャは、前衛の人々に呼びかけた。
「回復はバッチリ受け持ちますので! 何なら攻撃も出来ますのでご安心ください!」
リプレイ本文
● 一同集合
「はじめまして、アルケミストのムーシカだよ。私もこれが初めての依頼になるんだ。いっしょにがんばろうね!」
「わ、あなたも初めてなんですか! よかった、なんだか心強いです!」
ムーシカ・ノルドポル(ka5464)の手を握りぶんぶん振るカチャ。
そんな彼女に天竜寺 舞(ka0377)も挨拶した。
「初めまして、よろしく」
「……えっと……先日お会いしましたか?」
「ああ、それ妹じゃないかな。あたし達双子だから」
「あ、そうなんですか。よく似てられますねえ」
榊 兵庫(ka0010)は会話に立ち入らず、半眼でカチャを見下ろす。
(……なんやかやとアドバイスした以上、そのまま放置も出来ないと思って参加してみたが……)
上下ジャージ、防弾チョッキ、竹刀。それが彼女の装備のすべて。
(どう見てもクルセイダーじゃないよなあ……報酬ゲットの為に一肌脱ぐとしようか)
と彼は思うのだが、当のクルセイダーであるエメラルド・シルフィユ(ka4678)はさしてカチャの格好を気に止めず、何も突っ込まなかった。
「クルセイダーのエメラルドだ。私もまだまだ駆け出しの身。よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
並木 怜(ka3388)と時音 ざくろ(ka1250)は、歪虚を倒そうと燃えている。
「マテリアル工房を襲う行為、決して許しません」
「金属食べられたら工房大損害だもんね」
それはそれとして、まだ全員集合ではない。
「そういえばあいつは、まだ来てないのか?」
兵庫が呟いたときバイクが走ってきた――最後の一人、葛城 ゆい(ka5405)だ。
「ごめんごめん遅くなっちゃって!」
● 移動中
「報告によれば、幸い歪虚の動きは鈍そうだ。全力で攻撃すれば倒すことは十分可能だろう。が、油断は禁物だ。今回は初心者もいる。いざ現場に着いたとき慌てなくてすむよう、今のうち、配置を決めておかないか? ひとまず俺は前衛に回る」
兵庫の言葉に続き、舞がさっと手を挙げた。
「じゃあたしも前衛に回ろう。これでもベテランのつもりだからね」
ざくろも手を挙げる。
「ざくろもそれなりに依頼数をこなしてるから、前に行くよ」
伶、エメラルドもポジション表明。
「伶さんは……中衛から後衛になりますね。射撃一択ですから」
「私は前に行こう。まだ駆け出しだが、闇を祓うこそ我が使命だ」
ゆいは、中指と人差し指で挟んだカードを振る。
「私も伶と似たようなものかしら? 近接じゃカードの真価は発揮出来ないから」
ムーシカは腕組みし宙を睨む。
「私は砲撃担当だけど……バットも持ってきてるから……まあ、臨機応変に」
カチャは迷った。自分はどこに行ったらいいのだろう、と。
その頭に、兵庫がぽんと手を乗せる。
「……敵とどう向き合うかも戦いのうちだ。何事も経験のうちと思ってよく聞いておくんだな。ひとまず自分がどういう戦い方が出来るのか把握しなくちゃな……その武器では十分なダメージは与えられそうにない。今回は後衛で怪我人が出た際の【ヒール】の使用を念頭に待機しておいてくれ」
「は、はいっ」
そこでムーシカが口を挟んできた。
「兵庫さん兵庫さん、私いいこと思いついちゃったんだけど、言っちゃっていいかなぁ?」
「おお、いいぞ。何だ」
「先に工房からナメクジを運び出しちゃえば? 私、ちょうど毛布を持ってきてるから――それで包んで皆で引っ張ったら楽にやれそうじゃない? 外なら攻撃するにも周りを気遣わなくていいし」
実現可能そうな案であったので、兵庫以下全員が賛成する。
「じゃあ、あたしが引っぺがし役をやろう」
舞は荷物から手袋を引き出す。歪虚を、そしてナメクジを、直に触ることはしたくなかったので。
● 現場到着
倉庫に入ったとたん歪虚の姿が目に入った。
積み重なる鉄板にぺたりと張り付く銀色の不定形物。
ゆいは目をこする。
「あれっ、これってもしかしてメタルスラッ……」
疑惑を口にした瞬間、不定形からにゅっと触覚が。
「うわあっ! なにこのナメクジ、気持ち悪っ」
金属的であるにもかかわらず、動きだけは有機的。エメラルドは、ぞわぞわするものを覚える。こういった類いの生き物を拡大してはいけないと強く思う。
(……あの姿と動き……何かこう生理的に……む、無論仕事は仕事なのだが……)
直視したくなくて視点を鉄板へとずらす。それは虫に食われたキャベツのように、穴だらけとなっていた。損害はいくばかりか。
「良かった、銀色だけどちゃんとナメクジだ……ざくろ、戦車が出てきたらどうしようかと」
ざくろは相手が自分が予想していたよりもましな姿をしていたので、ほっとしている所。
ムーシカは思わず知らず後退り。後ろにいた伶にぶつかる。
「きゃっ。ムーシカさん、どうしたの?」
「え、ちょっと大きいかなってあはは。ううん、ビビってなーい、ビビってなんかないしぃ? 初仕事で失敗はやな感じだしぃ?」
兵庫は周囲を見回し、歪虚が隠れられそうな場所がないことを確認する。
舞は早速腕まくりし、指を鳴らす。
「お喋りしてる間にナメクジが材料食べちゃうね。早く排除しないと……さて、あたしは前に出てナメクジに攻撃するから援護よろしくね!」
舞からの言葉を受け、カチャは、鼻息荒く頷いた。
「回復はバッチリ受け持ちますので! 何なら攻撃も出来ますのでご安心ください!」
ざくろはそんな彼女の様を、微笑ましく思った。
「うん、回復はよろしくね、ざくろその分、ガンガン攻撃しちゃうから。もちろん、後ろにも通さないよ」
そこにゆいの声。
「後列から攻撃支援はまかせて! だから前衛はまかせたわ!」
なんだか声が遠いと思ったら、いつのまにかカチャの更に後方へ移動している。
多少そのことに引っ掛かりを覚え、眉をひそめるエメラルド。
伶は味方に当たらぬよう射線を確保。ムーシカは毛布を床の上に広げる。
これで準備万端だ。
舞と兵庫は正面からナメクジに近づいて行く。
ナメクジは顔を上げ口をもごもごさせる。ハンターの経験と直感に従い両者は、反射的に跳び下がった。直後ナメクジがツバを吐いた。
しゅうう……と床から薄い煙が上がる。
「あぶなー。隠し技持ってるなら最初から言えっての」
口を尖らせるも舞は、余裕を保っていた。ツバはともかくナメクジ自体の動きはのろくさしている。振り向くことも不可能な体型。脇に回れば攻撃らしい攻撃を受けずにすんでしまう。
腕を回して抱えてみると、つるんと堅く冷たかった。
「よーいしょ!」
そのまま1分……2分……3分。
舞はいったん手を放す。
「……よーし分かった。ここからが本気だからな!」
舞の額と腕に筋が浮く。ナメクジの体にも筋が浮く。
「にぎぎぎぎ……」
力比べにストップをかけたのは兵庫だった。
「待て。このままやってもくっついてる鉄板が一緒になって曲がるだけだ。まずこの場で弱らせたほうがいい」
言いながら十文字槍をかまえ、突き。
ガチィイン。
小気味いい音を立て、槍の穂先が跳ね返った。
ムーシカはアルケミストタクトを掲げる。
「さあ戦うよ! 受けてみよ、私の最大火力機導砲!」
一条の光が真っすぐナメクジに向かい――それきり。何の変化もない。
そのことに彼女は、少なからぬショックを受けた。
「……あれ、効いてない? 私が駆け出しだから?」
自信が揺らいだところ、ナメクジがぺっとツバを吐く。
離れたところにいるので当たらなかったが、かなり屈辱的な気分。
「ナメクジまで私のことバカにするぅ、もういやパパママお姉ちゃん帰りたぃ……」
弱音を吐き膝をつくムーシカ。
続いてエメラルドが挑戦した。
(ホーリーライトだけでは難しそうだ。やはり、近づかなくては)
本当は軟体生物に近寄りたくなどなかったが、己を叱咤し嫌悪の壁を越える。
「え、ええい! 修業が足りんぞエメラルド!! 軟体動物ごとき、臆するに値しない!」
腰を若干引かせつ歩み寄ってくる彼女に、ナメクジはツバを吐き飛ばした。
ざくろが防御障壁でガードする。
「溶けさせたりはしないもん!……って、あっ、別変な事想像したわけじゃ」
顔を赤くしてわたわた。つい本音が出てしまった模様。
それはそれとしてナメクジは、ロングソードにも耐えた。
「くっ、凹凸がなさ過ぎて刃が滑る」
今度は伶が挑戦してみる。
「皆さん、いったん離れてください、撃ってみますので」
狂乱せしアルコルが火を吹いた。当たった弾は跳ね返る。
天井からアンカーでぶら下がるゆいが、真上から攻撃を仕掛けた。手裏剣のように飛ぶスローイングカード――むろん跳ね返る。
ゆいは、非難とも驚嘆ともつかない罵倒を投げつけた。
「かっちかちじゃない!」
ムーシカは、ちょっと自信を取り戻す。
「あ、私が弱いというよりナメクジが堅すぎるんだね。皆の攻撃も効いてないみたいだし」
ざくろは構えた盾の後ろで舌を巻く。
「ほんとに固い……毒ばり決まれば一発なのかな?」
ところでカチャはというと、後方からエールを送り続けている。
「かっせーかっせーフレーフレー!」
それを目にしたエメラルドは、なんだか複雑な気分になった。人手も足りているし後衛にいてもらっていいはずなのだが。
(「お前も殴れ」と言いたくなってきてしまう……うーんこの……いや、いかん私こそ修業中の身。人の事をとやかく言っている場合ではない)
頭を振ってもやもやを振り払ったエメラルドは松明を取り出し、火をつける。熱いものを押し当ててみれば、少しは反応するかもしれないと思って。
火を近づけられたナメクジは餌から引きはがされそうになった時と同様、触覚と目を引っ込めてしまった。ダメージを受けているのかは不明だが、不快さを感じているらしい。
これなら安全かとムーシカは、ナメクジに近づいた。食われる心配がある金属製のアルケミストタクトをしまい、バットを取り出す。ナメクジの後方からぼこぼこ殴りつける。
鉄の塊を殴っているに等しい感触。腕に痺れが上ってくる。
一人ではらちが明かないと見て応援要請。
「カチャも手伝って! 後ろからなら多分大丈夫だから!」
「あ、はいっ」
兵庫は前からの攻撃を仕掛ける。ナメクジが応戦してきたとき、ムーシカらに注意が向かないように。
「多少硬かろうとも、俺の全力の攻撃ならばダメージは通るはず。一撃でダメでも二撃三撃と叩き込んでいけば倒せぬ事はないはずだ」
先程突きを入れた場所へ、正確に第二撃第三撃を加える。
舞も一点を決め、執拗に殴り続ける。
エメラルドもそれに習い、強化したロングソードで同じ箇所を斬りつけ続ける。
ざくろの機動剣と伶の機動銃もまた、一点集中を心掛ける。
結も跳ね返ってきたカードを拾っては投げ拾っては投げを繰り返す。
「ぜえぜえ、もうちょっと安全でなくていいから攻撃力高い手段が欲しいわ!」
ナメクジの体に変化が起きてきた。汗だくのムーシカが声を上げる。
「あっ、なんだかちょっと凹みが出てきたみたい!」
フルボッコの甲斐があったか、ナメクジの一部が少し宙に浮く。
ムーシカはその隙間にバットを突っ込み、てこの原理で動かそうとする。
「うん、しょ!」
意図を察したカチャも急いで竹刀を突っ込み、押し上げる。危機感を感じただろうか、ナメクジは急に、ぬっと上半身を持ち上げた。そして、立て続けにツバを吐き散らした。
伶はカチャとナメクジの間へ割って入った。
ざくろがすかさず防御障壁を発動する。
「危ない!」
宙に浮いた障壁が砕け散る。
「大丈夫? 肌荒れとかしたら大変だもんね」
ナメクジは相当頭に来ているらしい。口を震わせ右左に頭を振り動かし(超遅いが)絶え間無くツバを吐き続ける。ハンターらはいったん射程距離から離れた。鉄板へ、倉庫の床へ、また新たに穴があく。
やはり早いところ外へ持って行った方が良い。
ということで舞は、床に敷かれた毛布を取り広げる。
「転がってこないなら、簀巻きにする!」
跳躍し、ナメクジの頭から毛布を被せる。
皆で一斉に飛びかかり押し包み、引きずっていく。
ナメクジは抵抗した。中でツバを吐き続けている。毛布が煙を上げ破れていく。でろんとはみ出た体の一部がねろねろ動く。触ってしまったムーシカは顔を引きつらせた。
「いやあああああナメクジいやああああああああ水銀の感触がするいやあああ」
ツバが腕にかかってしまった舞は、焼けるような嫌みを覚え、逆上した。
「乙女の玉の肌に何してくれてんのよ!」
しかし毛布を持つ手は放さない。外まで引きずり出してから、フルボッコの先頭に立つ。剣を叩きつけ蹴りを入れた。誰よりも激しく。
金属疲労が頂点に達したナメクジは、粉々に砕け散った。
● 事後
火傷も治り怒りが治まった舞は、ヒーリングを施したカチャに言う。
「さて、報酬でもう少しまともな装備を揃えないとね」
「そうしたいんですけど……ローン返済の方が先なので……」
濁る語尾。
エメラルドが突っ込む。
「ローン、とは?」
カチャは高額アイテム購入の顛末について、説明する羽目となってしまう。
「ああ、わかるわかる、これって装備見つけたらそこにお金かけたくなるもんね……あっ、でも、壊れるからって使わないのは勿体ないよ、きっと錫杖も泣いてると思う」
「うう、でもざくろさん、それが勿体なくて」
語尾を濁すカチャ。
ムーシカは彼女に、えへ、と笑いかける。
「私は汗まみれだけど爽快な気分だよ。また一緒に冒険できるとうれしいな。それと……持ってこなくて良かったね、銀の錫杖。食べられちゃったかもしれないから」
「ですよねですよね。私もそういうことが起きるのが心配で……ローンも払い終わらないうちに壊れたら多分私泣いても泣き切れないです……」
ゆいはふと、我が身を省みる。
「思えば私も、高額絵画を盗めていた時より、ずいぶん貧乏になっちゃったわー……」
伶はおっとり首を傾げ、尋ねた。
「泥棒されてたんですか?」
「いいえ違うわ泥棒じゃないわ怪盗よ。二つは似て非なるものよ……働かなきゃ……馬車馬のように……」
兵庫はカチャの背を押す。
「まあ、とりあえずショップに行こう」
渋る彼女を店まで連れて行った彼は、装備品コーナーで、一着のローブを買い込む。お値段40000Gなり。
「……前回言ったように防具は何より大切だ。今回の報酬で今よりマシな防具に買い換えるべきと思う。が、まあ、あの錫杖の支払いもあるだろうし、顔見知りがしくじって死なれるのもあまり気分が良いものじゃないからな。これを貸してやるから、当分これを使うと良い。これなら聖導士らしく見える、しな」
「あ……ありがとうございますっ! このご恩はけして忘れませんのでっ! いつか必ずお返ししますので!」
「いや、そこまでしなくていいって。とにかく早く一人前になれよ、カチャ」
「はじめまして、アルケミストのムーシカだよ。私もこれが初めての依頼になるんだ。いっしょにがんばろうね!」
「わ、あなたも初めてなんですか! よかった、なんだか心強いです!」
ムーシカ・ノルドポル(ka5464)の手を握りぶんぶん振るカチャ。
そんな彼女に天竜寺 舞(ka0377)も挨拶した。
「初めまして、よろしく」
「……えっと……先日お会いしましたか?」
「ああ、それ妹じゃないかな。あたし達双子だから」
「あ、そうなんですか。よく似てられますねえ」
榊 兵庫(ka0010)は会話に立ち入らず、半眼でカチャを見下ろす。
(……なんやかやとアドバイスした以上、そのまま放置も出来ないと思って参加してみたが……)
上下ジャージ、防弾チョッキ、竹刀。それが彼女の装備のすべて。
(どう見てもクルセイダーじゃないよなあ……報酬ゲットの為に一肌脱ぐとしようか)
と彼は思うのだが、当のクルセイダーであるエメラルド・シルフィユ(ka4678)はさしてカチャの格好を気に止めず、何も突っ込まなかった。
「クルセイダーのエメラルドだ。私もまだまだ駆け出しの身。よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
並木 怜(ka3388)と時音 ざくろ(ka1250)は、歪虚を倒そうと燃えている。
「マテリアル工房を襲う行為、決して許しません」
「金属食べられたら工房大損害だもんね」
それはそれとして、まだ全員集合ではない。
「そういえばあいつは、まだ来てないのか?」
兵庫が呟いたときバイクが走ってきた――最後の一人、葛城 ゆい(ka5405)だ。
「ごめんごめん遅くなっちゃって!」
● 移動中
「報告によれば、幸い歪虚の動きは鈍そうだ。全力で攻撃すれば倒すことは十分可能だろう。が、油断は禁物だ。今回は初心者もいる。いざ現場に着いたとき慌てなくてすむよう、今のうち、配置を決めておかないか? ひとまず俺は前衛に回る」
兵庫の言葉に続き、舞がさっと手を挙げた。
「じゃあたしも前衛に回ろう。これでもベテランのつもりだからね」
ざくろも手を挙げる。
「ざくろもそれなりに依頼数をこなしてるから、前に行くよ」
伶、エメラルドもポジション表明。
「伶さんは……中衛から後衛になりますね。射撃一択ですから」
「私は前に行こう。まだ駆け出しだが、闇を祓うこそ我が使命だ」
ゆいは、中指と人差し指で挟んだカードを振る。
「私も伶と似たようなものかしら? 近接じゃカードの真価は発揮出来ないから」
ムーシカは腕組みし宙を睨む。
「私は砲撃担当だけど……バットも持ってきてるから……まあ、臨機応変に」
カチャは迷った。自分はどこに行ったらいいのだろう、と。
その頭に、兵庫がぽんと手を乗せる。
「……敵とどう向き合うかも戦いのうちだ。何事も経験のうちと思ってよく聞いておくんだな。ひとまず自分がどういう戦い方が出来るのか把握しなくちゃな……その武器では十分なダメージは与えられそうにない。今回は後衛で怪我人が出た際の【ヒール】の使用を念頭に待機しておいてくれ」
「は、はいっ」
そこでムーシカが口を挟んできた。
「兵庫さん兵庫さん、私いいこと思いついちゃったんだけど、言っちゃっていいかなぁ?」
「おお、いいぞ。何だ」
「先に工房からナメクジを運び出しちゃえば? 私、ちょうど毛布を持ってきてるから――それで包んで皆で引っ張ったら楽にやれそうじゃない? 外なら攻撃するにも周りを気遣わなくていいし」
実現可能そうな案であったので、兵庫以下全員が賛成する。
「じゃあ、あたしが引っぺがし役をやろう」
舞は荷物から手袋を引き出す。歪虚を、そしてナメクジを、直に触ることはしたくなかったので。
● 現場到着
倉庫に入ったとたん歪虚の姿が目に入った。
積み重なる鉄板にぺたりと張り付く銀色の不定形物。
ゆいは目をこする。
「あれっ、これってもしかしてメタルスラッ……」
疑惑を口にした瞬間、不定形からにゅっと触覚が。
「うわあっ! なにこのナメクジ、気持ち悪っ」
金属的であるにもかかわらず、動きだけは有機的。エメラルドは、ぞわぞわするものを覚える。こういった類いの生き物を拡大してはいけないと強く思う。
(……あの姿と動き……何かこう生理的に……む、無論仕事は仕事なのだが……)
直視したくなくて視点を鉄板へとずらす。それは虫に食われたキャベツのように、穴だらけとなっていた。損害はいくばかりか。
「良かった、銀色だけどちゃんとナメクジだ……ざくろ、戦車が出てきたらどうしようかと」
ざくろは相手が自分が予想していたよりもましな姿をしていたので、ほっとしている所。
ムーシカは思わず知らず後退り。後ろにいた伶にぶつかる。
「きゃっ。ムーシカさん、どうしたの?」
「え、ちょっと大きいかなってあはは。ううん、ビビってなーい、ビビってなんかないしぃ? 初仕事で失敗はやな感じだしぃ?」
兵庫は周囲を見回し、歪虚が隠れられそうな場所がないことを確認する。
舞は早速腕まくりし、指を鳴らす。
「お喋りしてる間にナメクジが材料食べちゃうね。早く排除しないと……さて、あたしは前に出てナメクジに攻撃するから援護よろしくね!」
舞からの言葉を受け、カチャは、鼻息荒く頷いた。
「回復はバッチリ受け持ちますので! 何なら攻撃も出来ますのでご安心ください!」
ざくろはそんな彼女の様を、微笑ましく思った。
「うん、回復はよろしくね、ざくろその分、ガンガン攻撃しちゃうから。もちろん、後ろにも通さないよ」
そこにゆいの声。
「後列から攻撃支援はまかせて! だから前衛はまかせたわ!」
なんだか声が遠いと思ったら、いつのまにかカチャの更に後方へ移動している。
多少そのことに引っ掛かりを覚え、眉をひそめるエメラルド。
伶は味方に当たらぬよう射線を確保。ムーシカは毛布を床の上に広げる。
これで準備万端だ。
舞と兵庫は正面からナメクジに近づいて行く。
ナメクジは顔を上げ口をもごもごさせる。ハンターの経験と直感に従い両者は、反射的に跳び下がった。直後ナメクジがツバを吐いた。
しゅうう……と床から薄い煙が上がる。
「あぶなー。隠し技持ってるなら最初から言えっての」
口を尖らせるも舞は、余裕を保っていた。ツバはともかくナメクジ自体の動きはのろくさしている。振り向くことも不可能な体型。脇に回れば攻撃らしい攻撃を受けずにすんでしまう。
腕を回して抱えてみると、つるんと堅く冷たかった。
「よーいしょ!」
そのまま1分……2分……3分。
舞はいったん手を放す。
「……よーし分かった。ここからが本気だからな!」
舞の額と腕に筋が浮く。ナメクジの体にも筋が浮く。
「にぎぎぎぎ……」
力比べにストップをかけたのは兵庫だった。
「待て。このままやってもくっついてる鉄板が一緒になって曲がるだけだ。まずこの場で弱らせたほうがいい」
言いながら十文字槍をかまえ、突き。
ガチィイン。
小気味いい音を立て、槍の穂先が跳ね返った。
ムーシカはアルケミストタクトを掲げる。
「さあ戦うよ! 受けてみよ、私の最大火力機導砲!」
一条の光が真っすぐナメクジに向かい――それきり。何の変化もない。
そのことに彼女は、少なからぬショックを受けた。
「……あれ、効いてない? 私が駆け出しだから?」
自信が揺らいだところ、ナメクジがぺっとツバを吐く。
離れたところにいるので当たらなかったが、かなり屈辱的な気分。
「ナメクジまで私のことバカにするぅ、もういやパパママお姉ちゃん帰りたぃ……」
弱音を吐き膝をつくムーシカ。
続いてエメラルドが挑戦した。
(ホーリーライトだけでは難しそうだ。やはり、近づかなくては)
本当は軟体生物に近寄りたくなどなかったが、己を叱咤し嫌悪の壁を越える。
「え、ええい! 修業が足りんぞエメラルド!! 軟体動物ごとき、臆するに値しない!」
腰を若干引かせつ歩み寄ってくる彼女に、ナメクジはツバを吐き飛ばした。
ざくろが防御障壁でガードする。
「溶けさせたりはしないもん!……って、あっ、別変な事想像したわけじゃ」
顔を赤くしてわたわた。つい本音が出てしまった模様。
それはそれとしてナメクジは、ロングソードにも耐えた。
「くっ、凹凸がなさ過ぎて刃が滑る」
今度は伶が挑戦してみる。
「皆さん、いったん離れてください、撃ってみますので」
狂乱せしアルコルが火を吹いた。当たった弾は跳ね返る。
天井からアンカーでぶら下がるゆいが、真上から攻撃を仕掛けた。手裏剣のように飛ぶスローイングカード――むろん跳ね返る。
ゆいは、非難とも驚嘆ともつかない罵倒を投げつけた。
「かっちかちじゃない!」
ムーシカは、ちょっと自信を取り戻す。
「あ、私が弱いというよりナメクジが堅すぎるんだね。皆の攻撃も効いてないみたいだし」
ざくろは構えた盾の後ろで舌を巻く。
「ほんとに固い……毒ばり決まれば一発なのかな?」
ところでカチャはというと、後方からエールを送り続けている。
「かっせーかっせーフレーフレー!」
それを目にしたエメラルドは、なんだか複雑な気分になった。人手も足りているし後衛にいてもらっていいはずなのだが。
(「お前も殴れ」と言いたくなってきてしまう……うーんこの……いや、いかん私こそ修業中の身。人の事をとやかく言っている場合ではない)
頭を振ってもやもやを振り払ったエメラルドは松明を取り出し、火をつける。熱いものを押し当ててみれば、少しは反応するかもしれないと思って。
火を近づけられたナメクジは餌から引きはがされそうになった時と同様、触覚と目を引っ込めてしまった。ダメージを受けているのかは不明だが、不快さを感じているらしい。
これなら安全かとムーシカは、ナメクジに近づいた。食われる心配がある金属製のアルケミストタクトをしまい、バットを取り出す。ナメクジの後方からぼこぼこ殴りつける。
鉄の塊を殴っているに等しい感触。腕に痺れが上ってくる。
一人ではらちが明かないと見て応援要請。
「カチャも手伝って! 後ろからなら多分大丈夫だから!」
「あ、はいっ」
兵庫は前からの攻撃を仕掛ける。ナメクジが応戦してきたとき、ムーシカらに注意が向かないように。
「多少硬かろうとも、俺の全力の攻撃ならばダメージは通るはず。一撃でダメでも二撃三撃と叩き込んでいけば倒せぬ事はないはずだ」
先程突きを入れた場所へ、正確に第二撃第三撃を加える。
舞も一点を決め、執拗に殴り続ける。
エメラルドもそれに習い、強化したロングソードで同じ箇所を斬りつけ続ける。
ざくろの機動剣と伶の機動銃もまた、一点集中を心掛ける。
結も跳ね返ってきたカードを拾っては投げ拾っては投げを繰り返す。
「ぜえぜえ、もうちょっと安全でなくていいから攻撃力高い手段が欲しいわ!」
ナメクジの体に変化が起きてきた。汗だくのムーシカが声を上げる。
「あっ、なんだかちょっと凹みが出てきたみたい!」
フルボッコの甲斐があったか、ナメクジの一部が少し宙に浮く。
ムーシカはその隙間にバットを突っ込み、てこの原理で動かそうとする。
「うん、しょ!」
意図を察したカチャも急いで竹刀を突っ込み、押し上げる。危機感を感じただろうか、ナメクジは急に、ぬっと上半身を持ち上げた。そして、立て続けにツバを吐き散らした。
伶はカチャとナメクジの間へ割って入った。
ざくろがすかさず防御障壁を発動する。
「危ない!」
宙に浮いた障壁が砕け散る。
「大丈夫? 肌荒れとかしたら大変だもんね」
ナメクジは相当頭に来ているらしい。口を震わせ右左に頭を振り動かし(超遅いが)絶え間無くツバを吐き続ける。ハンターらはいったん射程距離から離れた。鉄板へ、倉庫の床へ、また新たに穴があく。
やはり早いところ外へ持って行った方が良い。
ということで舞は、床に敷かれた毛布を取り広げる。
「転がってこないなら、簀巻きにする!」
跳躍し、ナメクジの頭から毛布を被せる。
皆で一斉に飛びかかり押し包み、引きずっていく。
ナメクジは抵抗した。中でツバを吐き続けている。毛布が煙を上げ破れていく。でろんとはみ出た体の一部がねろねろ動く。触ってしまったムーシカは顔を引きつらせた。
「いやあああああナメクジいやああああああああ水銀の感触がするいやあああ」
ツバが腕にかかってしまった舞は、焼けるような嫌みを覚え、逆上した。
「乙女の玉の肌に何してくれてんのよ!」
しかし毛布を持つ手は放さない。外まで引きずり出してから、フルボッコの先頭に立つ。剣を叩きつけ蹴りを入れた。誰よりも激しく。
金属疲労が頂点に達したナメクジは、粉々に砕け散った。
● 事後
火傷も治り怒りが治まった舞は、ヒーリングを施したカチャに言う。
「さて、報酬でもう少しまともな装備を揃えないとね」
「そうしたいんですけど……ローン返済の方が先なので……」
濁る語尾。
エメラルドが突っ込む。
「ローン、とは?」
カチャは高額アイテム購入の顛末について、説明する羽目となってしまう。
「ああ、わかるわかる、これって装備見つけたらそこにお金かけたくなるもんね……あっ、でも、壊れるからって使わないのは勿体ないよ、きっと錫杖も泣いてると思う」
「うう、でもざくろさん、それが勿体なくて」
語尾を濁すカチャ。
ムーシカは彼女に、えへ、と笑いかける。
「私は汗まみれだけど爽快な気分だよ。また一緒に冒険できるとうれしいな。それと……持ってこなくて良かったね、銀の錫杖。食べられちゃったかもしれないから」
「ですよねですよね。私もそういうことが起きるのが心配で……ローンも払い終わらないうちに壊れたら多分私泣いても泣き切れないです……」
ゆいはふと、我が身を省みる。
「思えば私も、高額絵画を盗めていた時より、ずいぶん貧乏になっちゃったわー……」
伶はおっとり首を傾げ、尋ねた。
「泥棒されてたんですか?」
「いいえ違うわ泥棒じゃないわ怪盗よ。二つは似て非なるものよ……働かなきゃ……馬車馬のように……」
兵庫はカチャの背を押す。
「まあ、とりあえずショップに行こう」
渋る彼女を店まで連れて行った彼は、装備品コーナーで、一着のローブを買い込む。お値段40000Gなり。
「……前回言ったように防具は何より大切だ。今回の報酬で今よりマシな防具に買い換えるべきと思う。が、まあ、あの錫杖の支払いもあるだろうし、顔見知りがしくじって死なれるのもあまり気分が良いものじゃないからな。これを貸してやるから、当分これを使うと良い。これなら聖導士らしく見える、しな」
「あ……ありがとうございますっ! このご恩はけして忘れませんのでっ! いつか必ずお返ししますので!」
「いや、そこまでしなくていいって。とにかく早く一人前になれよ、カチャ」
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/05 18:18:12 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/10/04 16:11:16 |