ゲスト
(ka0000)
恐怖の毒針 ~廃墟の集落~
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/10/09 07:30
- 完成日
- 2015/10/14 22:25
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
グラズヘイム王国・古都【アークエルス】東方の森には、かつてナガケと呼ばれる集落が存在した。
集落の主な産業は豚、牛、馬を育てる畜産だった。しかし幻獣の獅子鷹『メニュヨール』によって崩壊してしまう。家畜の仔攫いが激増したからだ。
ナガケ集落は解散の憂き目に遭い、青年ガローア・ラグアは父親のマガンタと共に放浪の身となる。
父が亡くなってからも根無し草な生き方を続けてきたガローアだが覚悟を決めた。ハンターの力を借りてメニュヨール退治に成功する。
その後、ガローアは古都でドワーフの青年『ベッタ』と出会う。意気投合した二人は集落復興に動きだす。
まずはベッタの故郷周辺に棲息している幻獣をハンターに捕まえてもらった。
幻の青と呼ばれていた幻獣の肉質はとても素晴らしい。リアルブルーの高級和牛霜降り肉を彷彿とさせる。そこで幻の青の名を改めて『シモフリ』と呼称することとなった。
シモフリ六頭を放牧場の柵内に放つとオークの樹木に登って棲みついてくれる。
当初樹木の上から滅多に下りないと考えられていたが、危険がなければ地表で暮らすことがわかった。また好物は木の実に間違いないが、玉蜀黍の粒にも旺盛な食欲をみせる。
シモフリ六頭の他に乳牛一頭と鶏の雌鳥六羽も飼うことにした。これで毎日新鮮な牛乳と鶏卵が手に入るようになる。
木の実不足に備えて玉蜀黍畑を開墾しようとガローアとベッタが相談していた矢先、修理したばかりの柵が壊される事件が発生した。
犯人は紅の兎のような幻獣二体。二人は紅い兎と名付けて捕まえようとしたが失敗してしまう。頭がよいようで罠を仕掛けても引っかからなかった。
日中のナガケ集落。
「参ったね……」
ガローアは玄翁片手に広い放牧場を眺めながらため息をつく。
紅い兎による柵の破壊は収束していた。紅い兎が何処かに姿を消してしまったからだ。
しかし未だシモフリ六頭は怖がっている。地表へ下りるのは真夜中に水を飲むときだけに留まっていた。
「手、止まっとるで」
「ああ、すまない」
ベッタにいわれてガローアは柵の修理を再開する。
三日間で終わらせて、次は荒れ地を開墾して畑を作らなければならない。春からシモフリ飼育用の玉蜀黍を育てるためだ。木の実だけが不足したときの事前の策である。
翌日、柵修理の続きをしようと小屋の外へでた。しばらくしてガローアはベッタに頭を抑えられる。無理矢理に茂みの中へ押し込められた。
「なにする……」
「静かにするんや。蜂や。ばかでかい蜂を見かけたんや」
二人してそっと茂みの中から頭をだす。ベッタの言うとおり蜂が放牧場上空を飛んでいた。
(でかい。なんだあれ!)
蜂というにはあまりに巨大で全長二十センチメートルはある。ガローアが蜂の動きを目で追う。
(そこはシモフリが棲んでいるオークの木)
幸いなことに蜂はシモフリに気づかずに通り過ぎる。シモフリのナマケモノな習性が功を奏したようだ。
それからガローアとベッタはこっそりと蜂を追いかける。そしてナガケ集落から五キロメートル先の森の中で蜂の巣を発見した。
蜂の巣は樹木の一部を取り込んでいる。歪ながら直径六メートルはある巨大なものだ。
「幻獣やろか?」
「どうだろう? 雑魔かも知れない」
どちらにしろ脅威には違いなかった。蜂の巣の位置を覚えた二人は急いでナガケ集落へと戻る。
一般的な蜂ならばともかく二人で退治するには相手が悪すぎた。
翌日、ガローアが古都へと買い物へと出かける際にハンターズソサエティー支部に立ち寄る。
「あの、巨大蜂を倒してほしいんです。普通じゃないんですよ」
知り得たすべてを支部職員に説明。巨大蜂退治を依頼したガローアであった。
集落の主な産業は豚、牛、馬を育てる畜産だった。しかし幻獣の獅子鷹『メニュヨール』によって崩壊してしまう。家畜の仔攫いが激増したからだ。
ナガケ集落は解散の憂き目に遭い、青年ガローア・ラグアは父親のマガンタと共に放浪の身となる。
父が亡くなってからも根無し草な生き方を続けてきたガローアだが覚悟を決めた。ハンターの力を借りてメニュヨール退治に成功する。
その後、ガローアは古都でドワーフの青年『ベッタ』と出会う。意気投合した二人は集落復興に動きだす。
まずはベッタの故郷周辺に棲息している幻獣をハンターに捕まえてもらった。
幻の青と呼ばれていた幻獣の肉質はとても素晴らしい。リアルブルーの高級和牛霜降り肉を彷彿とさせる。そこで幻の青の名を改めて『シモフリ』と呼称することとなった。
シモフリ六頭を放牧場の柵内に放つとオークの樹木に登って棲みついてくれる。
当初樹木の上から滅多に下りないと考えられていたが、危険がなければ地表で暮らすことがわかった。また好物は木の実に間違いないが、玉蜀黍の粒にも旺盛な食欲をみせる。
シモフリ六頭の他に乳牛一頭と鶏の雌鳥六羽も飼うことにした。これで毎日新鮮な牛乳と鶏卵が手に入るようになる。
木の実不足に備えて玉蜀黍畑を開墾しようとガローアとベッタが相談していた矢先、修理したばかりの柵が壊される事件が発生した。
犯人は紅の兎のような幻獣二体。二人は紅い兎と名付けて捕まえようとしたが失敗してしまう。頭がよいようで罠を仕掛けても引っかからなかった。
日中のナガケ集落。
「参ったね……」
ガローアは玄翁片手に広い放牧場を眺めながらため息をつく。
紅い兎による柵の破壊は収束していた。紅い兎が何処かに姿を消してしまったからだ。
しかし未だシモフリ六頭は怖がっている。地表へ下りるのは真夜中に水を飲むときだけに留まっていた。
「手、止まっとるで」
「ああ、すまない」
ベッタにいわれてガローアは柵の修理を再開する。
三日間で終わらせて、次は荒れ地を開墾して畑を作らなければならない。春からシモフリ飼育用の玉蜀黍を育てるためだ。木の実だけが不足したときの事前の策である。
翌日、柵修理の続きをしようと小屋の外へでた。しばらくしてガローアはベッタに頭を抑えられる。無理矢理に茂みの中へ押し込められた。
「なにする……」
「静かにするんや。蜂や。ばかでかい蜂を見かけたんや」
二人してそっと茂みの中から頭をだす。ベッタの言うとおり蜂が放牧場上空を飛んでいた。
(でかい。なんだあれ!)
蜂というにはあまりに巨大で全長二十センチメートルはある。ガローアが蜂の動きを目で追う。
(そこはシモフリが棲んでいるオークの木)
幸いなことに蜂はシモフリに気づかずに通り過ぎる。シモフリのナマケモノな習性が功を奏したようだ。
それからガローアとベッタはこっそりと蜂を追いかける。そしてナガケ集落から五キロメートル先の森の中で蜂の巣を発見した。
蜂の巣は樹木の一部を取り込んでいる。歪ながら直径六メートルはある巨大なものだ。
「幻獣やろか?」
「どうだろう? 雑魔かも知れない」
どちらにしろ脅威には違いなかった。蜂の巣の位置を覚えた二人は急いでナガケ集落へと戻る。
一般的な蜂ならばともかく二人で退治するには相手が悪すぎた。
翌日、ガローアが古都へと買い物へと出かける際にハンターズソサエティー支部に立ち寄る。
「あの、巨大蜂を倒してほしいんです。普通じゃないんですよ」
知り得たすべてを支部職員に説明。巨大蜂退治を依頼したガローアであった。
リプレイ本文
●
ここは古都東方の森にあるナガケ集落。午後一時頃、ハンター一行がガローアとベッタが暮らす小屋を訪ねる。
「五回ぐらいかな。この辺りまで飛んできたのは」
「こんなにでかいんや。刺されたら死んでしまうがな」
二人は巨大蜂に纏わるこれまでの経緯を説明してくれた。
「そんなに大きい蜂がいたら安心して暮らせないね」
リューリ・ハルマ(ka0502)がベッタが差しだした掌の間隔を測る。巨大蜂の全長は二十cmといったところだ。
「シモフリに危害が及ぶ前に、駆除しましょう」
「シモフリが痩せてしまったらどうしようもないものな」
ミオレスカ(ka3496)とザレム・アズール(ka0878)が心配したシモフリとは樹木の上に棲む変わった家畜である。このままではシモフリの飼育に影響が及んでしまう。
「蜂、ですか……紅い兎の被害もさることながら、前途は中々、多難のようですね」
「それなりに離れたところなのが不幸中の幸いやな」
レイ・T・ベッドフォード(ka2398)の言葉にベッタが何度も頷いた。
「キラービー…というものでしょうか。災いの芽はここで絶ちます」
「その通り。多少大きかろうとやることは変わらない。害虫駆除をするとしようか」
話しを一通り聞いたところで、並木 怜(ka3388)とロニ・カルディス(ka0551)が腰を上げる。
ベッタは集落で留守番。蜂の巣までの道案内はガローアの役目となった。
まずは巨大蜂の正体を見極める必要がある。それに巣周辺の状況を確認しておかないと作戦の細部が決められなかった。
集落を出発して一時間が経過。巣までの距離が一kmを切る。
「ここから先は背を低くしてついてきてくださいね」
ガローアを真似て全員が屈みながら歩く。茂みの隙間を縫うようにして進むと、やがて凄まじい羽音を立てながら飛び回る巨大蜂が見えてくる。
リューリが戦槍で一突きして木の幹に巨大蜂を縫い止めた。レイがアックスで叩きつぶして仕留めきる。
「これで幻獣の線は消えたな」
「思っていたよりもでかいな」
ザレムとロニの目前で巨大蜂が塵のように砕けて消えていく。巨大蜂の正体は雑魔で間違いなかった。
巣に近づくにつれ雑魔蜂を見かける回数が増えていく。すべてやり過ごして丘陵の茂みから拓けた土地に聳える杉の樹木を観察する。百mほど離れていたが、その大きさ故に蜂の巣ははっきりと見えた。太枝を取り込むようにして巣は作られている。直径はおそらく六m前後だ。
観察が終わった後は一旦撤退。事前の相談で退治は朝方と決めていた。巣から二kmほど離れた位置にある洞穴で休憩をとる。
「ちょうど茂みが洞窟の入り口を隠してくれますね」
「蜂が近くを飛んでいても大丈夫だね」
レイとリューリが地面に置いた荷物の中身は古都で購入した鶏ガラと除虫菊だ。鶏ガラ肉はハンター所有の蜂蜜と合わせて雑魔蜂のおびき寄せに使う。ちなみに代替品の蜂蜜を購入する代金は後日ガローアが支払った。
ハンター達は現地の状況を鑑みた上で作戦に修正を加えていく。ガローアはオブザーバーとして意見を述べる。
「にしても、どうして歪虚のしもべである雑魔が。どこかに、負のマテリアルをきたすような原因があるのでしょうか? ガローアさまは何かご存じで」
「残念ながら。蜂の習性そのものなら女王と雄が遠くから飛んできて巣を作ったのかも知れないね」
レイの疑問はもっともなのだが、ガローアに心当たりはなかった。
「雑魔の存在そのものが負のマテリアルといってもよいだろう」
「巣の形でそれを濃密にしているのかも知れないな。新たな雑魔を生むために」
巣をこのままにしておくのは危ないとロニとザレムが怪しんだ。
「蜂の巣は、中に何が残っているかわからないので、焼却したいです」
「それが一番です。残しておいてはいけませんね」
ミオレスカの意見に並木怜が速攻で賛成する。巣の正体がなんであれ、燃やして処分することとなった。
作戦が修正されて話し合いは終了。焚き火用の落ち枝が集められる。リューリは夕食の準備のために包丁を握った。
「明日の戦いに備えてお腹いっぱいにしないとね」
「食材は揃っています」
ガローアが調理を手伝う。リューリが作ろうとしていたのはシチュー。香草で風味をだしつつ具材は根野菜、子牛肉、茸類である。
「♪」
リューリが焚き火にかけた鍋の中身をお玉で回す。牛乳に葡萄酒も加えた本格的なビーフシチューが完成した。
「あったまります♪」
日が暮れて夕食の時間。ミオレスカがシチューを頬張って笑顔を浮かべた。
「あの耳障りな羽音がしなくなったような」
「夜間は巣に帰るのなら、蜂にそっくりな習性も期待できますね」
ロニと並木怜が耳を澄ます。聞こえてくるのは秋の虫の鳴き声のみ。雑魔蜂の甲高い羽音は聞こえてこない。
食べ終わってすぐに就寝。夜明けの二時間前に全員が目を覚ました。服の隙間に布を詰める等、準備を整えてから洞窟を出発するのだった。
●
予備のLEDライトを仲間達に貸したザレムは一人別行動をとる。
目指したのは巣の風上。五十mほど離れたところに小川の中州があった。そこで焚き火を熾す。生木や雑草、除虫菊をくべると煙が風下に流れていく。
「風向きはいい感じだな。これで蜂が少しでも弱体化してくれると助かるんだが」
急いで仲間の元に戻るザレムである。
リューリとミオレスカも戦いを有利に運ぶための妙案を実行していた。
「つやつやのお肉はこれでOKだね」
「これを点けたら大急ぎで離れないと」
蜂蜜を塗った鶏ガラ肉を巣から十数m先に置いておく。それを岩の上に置いたLEDライトで照らして闇から浮かび上がらせた。
夜とはいえ雑魔蜂は完全に閉じこもってはいない。巣を中心にして半径十mの範囲を飛び交っている。ライトで闇に浮かぶ餌につられて飛行距離を伸ばしていった。
餌に反応してくれたことにハンターの何人かはほっと胸をなで下ろす。雑魔によっては無反応でもおかしくないからである。
更なる引きつけ役はロニとレイが交代で行う。巣から二段階でおびき寄せることによって雑魔蜂の数は絞りやすくなっていた。
(習性は通常と同じで有ることを祈ろう)
黒い服装に身を包んだロニが少しずつ餌に集る雑魔蜂へと近づいていく。
一体の雑魔蜂が気づいて宙に浮かぶ。計三体の雑魔蜂が反転したロニを追いかける。
(これならフォールシュートは温存するべきですね)
ミオレスカが構える魔導拳銃のサイトが雑魔蜂を捉えた。銃爪が絞られた瞬間、叩き込まれた銃弾によって右の羽根が千切れ飛ぶ。止めに二発目の銃弾を撃ち込んでおく。
「ガローアさんはそこに隠れててね」
「は、はい」
ガローアに一声をかけたリューリが茂みから飛びだした。甲高い羽音を立てながら迫る雑魔蜂に戦槍を見舞う。大きく踏み込み、クラッシュブロウの勢いを乗せて一撃で塵へと還す。
雑魔蜂が旋回しながら毒針を露出させて並木怜に迫る。
「毒針ですか。もっと恐いものを私は見たことがありますよ」
恐怖心を煽る羽音は彼女には効かなかった。下から上へとユナイテッド・ドライブ・ソードの刃が胸部と腹部を切断。地面に転がる二つの身体。針から毒液を垂らしながら雑魔蜂が静かに消えていく。
できれば夜明けまでにけりをつけたいので時間が惜しかった。次の囮であるレイが雑魔蜂を誘いだそうとする。
(雑魔になる前は普通の蜂だったのかも知れませんね)
レイが腰からぶら下げていた鶏ガラ肉に雑魔蜂が気づく。襲ってきた一体をアックスの炎のような刃で叩き切ると他の雑魔蜂も寄ってきた。
その数二十体弱。先程の小手調べで雑魔蜂の強さは把握済み。仲間が待機するキャンプ地まで誘い込む。そして大立ち回りが始まった。
「こいつでどうだっ!」
ザレムが魔導拳銃を介してファイアスローワーを発動。扇状に広がる炎が雑魔蜂をまとめて焦がす。
「これだけ群れると厄介だな……普通にやり合うならばだが」
ロニが得物の石突で地面を叩くと光が広がった。それはセイクリッドフラッシュの輝き。光の波動を浴びた何体かの雑魔蜂が衝撃に耐えきれず破裂する。
「まだ動いている蜂がいますね」
範囲攻撃の締めくくりはミオレスカのフォールシュート。銃弾の雨を背中に浴びた雑魔蜂が次々と地面へ叩き落とされた。
毒針に刺されないためには一気に倒すのが一番である。
「毒針に注意してと」
「これで最後です」
リューリと並木怜が刃を振るう。泥まみれで藻掻く死にかけの雑魔蜂に止めを刺すのだった。
●
巣の周囲はほんのりと煙かった。焚いた除虫菊のおかげなのか、少しずつ雑魔蜂が外へ這いだしている。ハンター達による退治は順調に進んでいた。
多くの場合、十から二十の雑魔蜂を誘いだして離れたキャンプ地で倒す。不意を突かれて毒針に刺されたときには、解毒薬かロニのキュアで治療が行われる。戦闘力はそれほどでもない雑魔蜂だが、毒針の液には非常に凶悪な効果が秘められていた。
倒した総計が九十体を越えた頃には空が白みだす。
(そろそろ夜明けですね)
ガローアが茂みの中から見上げた。太陽が地平線から昇るまでもうすぐである。
「でてこないな」
「ですね」
囮役のロニは蜂蜜が塗られた鶏ガラ肉の位置を越えて巣へと近づく。すでに雑魔蜂は巣の周辺を飛んでいなかった。
「巣の中に蜂が残っているかも知れないが……燃やしてしまうのはどうかな?」
ザレムがガローアに預けておいた除虫菊入りの粘土を受け取る。
「そのまま燃えてしまえば楽ですし、耐えられなくなったら巣からでてくるはずです」
真っ先にミオレスカが賛成。全員がその案に乗った。
幸いなことに巣のある杉の樹木は周辺の草木から孤立している。少しだけ茂みを除くことで延焼は防げそうだった。草刈りはロニとレイが担当する。
「……これだけ見事な巣でしたら蜂蜜も一杯あったでしょうに……でも、歪虚でしたね……」
レイが小さくため息をついた。
「よいしょ」
「次はこれを」
ミオレスカが巣の穴に枝や枯れ草を突っ込む。そしてザレムが粘土で塞ぐ。更にガローアが持ってきたランタン用の油を振りかけておいた。
リューリと並木怜が巣の下に枯れた草木を積んで火を熾す。巣の火付きはとてもよかった。瞬く間に燃え広がって火球と化す。離れて見守るハンター達の影を揺らした。
「割れる? いえ、そうではなさそうです」
並木怜が巣の異変に気がついた。燃えて崩れるように見えて、実は内部から何かが這い出そうとしている。
身構えるハンター達。まるで日の出に合わせるかのように巣がバラバラに崩れ落ちていく。その瞬間、何人かのハンターが攻撃を仕掛けた。
ロニのセイクリッドフラッシュによる光の波動。ザレムのファイアスローワーが巣に纏わりつく炎を増大させる。巣から飛びだしたばかりの雑魔蜂に多大な損傷が与えられた。
ミオレスカによるフォールシュートの銃弾が降り注ぐ。攻撃に転じられず巣から飛びだした瞬間に消え去る数体の雑魔蜂。しかしそれらの攻撃にも耐えて羽ばたく個体がいる。
「あれはもしかして女王蜂?」
ミオレスカが注目した雑魔蜂は他の個体よりも二回り大きかった。取り巻きの三体も雑魔女王蜂よりは小柄だが、これまでの個体よりも大柄だ。
「早めに片付けないとね!」
「同感ですね」
左右に分かれたリューリとレイが危険を覚悟して敵との間合いを一気に詰める。全身のバネ力を戦槍とアックスに預けてラウンドスウィングが放たれた。二つの刃が四体すべての雑魔蜂へ届く。
護衛雑魔蜂二体が消滅。地面で暴れていた護衛雑魔蜂一体は並木怜が止めを刺す。毒針におかされたリューリ、レイ、並木怜は治療のために後方へと下がる。
残るは雑魔女王蜂だけとなった。
ミオレスカの高加速射撃による銃弾が右複眼に命中。空中でふらつく雑魔女王蜂だが戦闘力はまだ衰えていない。
これまで以上の羽音による高周波がハンター達に浴びせかけられる。それでも一同は攻撃の手を緩めなかった。
ザレムが魔導大剣を握りしめて前にでる。
「アルケミは遠近両用……ってなあ!」
毒針で狙われたザレムの腹部を光の防御障壁が砕けながら守ってくれた。魔導大剣の刃が宙を切り裂く。左羽根の一部を失った雑魔女王蜂は高く飛べなくなる。
リューリ、レイ、並木怜も戻って一気に叩く。
レイが打ち込んだアックスを引き抜くと雑魔女王蜂は息絶えていた。まもなく塵となって消えていく。
巨大な巣が枝ごと燃えて地面へと落ちる。完全に炭となって消え去るまで一同はその場で見守り続けたのだった。
●
「もしやと思っていましたら」
集落までの帰り道、並木怜が立ち止まって遠くを指さす。
「そんな季節ですね」
ガローアだけでなくその他のハンターも立ち止まってしばし眺める。森の一部が色づいて紅葉の景色が広がっていた。
集落へ戻るとベッタが出迎えてくれる。
「うまくいったんか! さすがはハンターのみなさんやで。こうなると思うて、古都まで足を伸ばして準備しといたんや。シモフリの肉を奢りたい気分なんやが、まだまだ育てなあかん。それは勘弁してや」
小屋のテーブルにはたくさんの食材が並んでいた。新鮮な肉に野菜といろいろである。
「そうだ。せっかくなら」
ガローアの思いつきに全員が賛成してくれる。食材と調理道具を抱えて紅葉の一帯を目指す。そこでリアルブルー風のバーベキューパーティが開かれた。
「なかなかの味だな」
「この肉、美味いな」
ロニとザレムが網焼き肉を頬張る。
「これでもう安心だね。焼きトウモロコシ美味しそうだよ!」
「タレに蜂蜜をいれてみました」
リューリとミオレスカも頂く。一仕事した後の美味しい料理は格別であった。
「あの蜂の巣がもっと育っていたとしたら、この集落だけの被害ではすまなかったでしょうね」
「そう思います。被害が広がらないうちに仕留められてよかったです」
レイと並木怜が串焼きを食べながら天を見上げる。紅く染まった楓の葉がゆらりゆらりと落ちてきた。
「本格的な秋か」
「畑は急がんとあかんな」
ガローアとベッタの頬を冷たい風が触っていく。まもなく森の広葉樹に紅葉が広がることだろう。冬の訪れはもうすぐであった。
ここは古都東方の森にあるナガケ集落。午後一時頃、ハンター一行がガローアとベッタが暮らす小屋を訪ねる。
「五回ぐらいかな。この辺りまで飛んできたのは」
「こんなにでかいんや。刺されたら死んでしまうがな」
二人は巨大蜂に纏わるこれまでの経緯を説明してくれた。
「そんなに大きい蜂がいたら安心して暮らせないね」
リューリ・ハルマ(ka0502)がベッタが差しだした掌の間隔を測る。巨大蜂の全長は二十cmといったところだ。
「シモフリに危害が及ぶ前に、駆除しましょう」
「シモフリが痩せてしまったらどうしようもないものな」
ミオレスカ(ka3496)とザレム・アズール(ka0878)が心配したシモフリとは樹木の上に棲む変わった家畜である。このままではシモフリの飼育に影響が及んでしまう。
「蜂、ですか……紅い兎の被害もさることながら、前途は中々、多難のようですね」
「それなりに離れたところなのが不幸中の幸いやな」
レイ・T・ベッドフォード(ka2398)の言葉にベッタが何度も頷いた。
「キラービー…というものでしょうか。災いの芽はここで絶ちます」
「その通り。多少大きかろうとやることは変わらない。害虫駆除をするとしようか」
話しを一通り聞いたところで、並木 怜(ka3388)とロニ・カルディス(ka0551)が腰を上げる。
ベッタは集落で留守番。蜂の巣までの道案内はガローアの役目となった。
まずは巨大蜂の正体を見極める必要がある。それに巣周辺の状況を確認しておかないと作戦の細部が決められなかった。
集落を出発して一時間が経過。巣までの距離が一kmを切る。
「ここから先は背を低くしてついてきてくださいね」
ガローアを真似て全員が屈みながら歩く。茂みの隙間を縫うようにして進むと、やがて凄まじい羽音を立てながら飛び回る巨大蜂が見えてくる。
リューリが戦槍で一突きして木の幹に巨大蜂を縫い止めた。レイがアックスで叩きつぶして仕留めきる。
「これで幻獣の線は消えたな」
「思っていたよりもでかいな」
ザレムとロニの目前で巨大蜂が塵のように砕けて消えていく。巨大蜂の正体は雑魔で間違いなかった。
巣に近づくにつれ雑魔蜂を見かける回数が増えていく。すべてやり過ごして丘陵の茂みから拓けた土地に聳える杉の樹木を観察する。百mほど離れていたが、その大きさ故に蜂の巣ははっきりと見えた。太枝を取り込むようにして巣は作られている。直径はおそらく六m前後だ。
観察が終わった後は一旦撤退。事前の相談で退治は朝方と決めていた。巣から二kmほど離れた位置にある洞穴で休憩をとる。
「ちょうど茂みが洞窟の入り口を隠してくれますね」
「蜂が近くを飛んでいても大丈夫だね」
レイとリューリが地面に置いた荷物の中身は古都で購入した鶏ガラと除虫菊だ。鶏ガラ肉はハンター所有の蜂蜜と合わせて雑魔蜂のおびき寄せに使う。ちなみに代替品の蜂蜜を購入する代金は後日ガローアが支払った。
ハンター達は現地の状況を鑑みた上で作戦に修正を加えていく。ガローアはオブザーバーとして意見を述べる。
「にしても、どうして歪虚のしもべである雑魔が。どこかに、負のマテリアルをきたすような原因があるのでしょうか? ガローアさまは何かご存じで」
「残念ながら。蜂の習性そのものなら女王と雄が遠くから飛んできて巣を作ったのかも知れないね」
レイの疑問はもっともなのだが、ガローアに心当たりはなかった。
「雑魔の存在そのものが負のマテリアルといってもよいだろう」
「巣の形でそれを濃密にしているのかも知れないな。新たな雑魔を生むために」
巣をこのままにしておくのは危ないとロニとザレムが怪しんだ。
「蜂の巣は、中に何が残っているかわからないので、焼却したいです」
「それが一番です。残しておいてはいけませんね」
ミオレスカの意見に並木怜が速攻で賛成する。巣の正体がなんであれ、燃やして処分することとなった。
作戦が修正されて話し合いは終了。焚き火用の落ち枝が集められる。リューリは夕食の準備のために包丁を握った。
「明日の戦いに備えてお腹いっぱいにしないとね」
「食材は揃っています」
ガローアが調理を手伝う。リューリが作ろうとしていたのはシチュー。香草で風味をだしつつ具材は根野菜、子牛肉、茸類である。
「♪」
リューリが焚き火にかけた鍋の中身をお玉で回す。牛乳に葡萄酒も加えた本格的なビーフシチューが完成した。
「あったまります♪」
日が暮れて夕食の時間。ミオレスカがシチューを頬張って笑顔を浮かべた。
「あの耳障りな羽音がしなくなったような」
「夜間は巣に帰るのなら、蜂にそっくりな習性も期待できますね」
ロニと並木怜が耳を澄ます。聞こえてくるのは秋の虫の鳴き声のみ。雑魔蜂の甲高い羽音は聞こえてこない。
食べ終わってすぐに就寝。夜明けの二時間前に全員が目を覚ました。服の隙間に布を詰める等、準備を整えてから洞窟を出発するのだった。
●
予備のLEDライトを仲間達に貸したザレムは一人別行動をとる。
目指したのは巣の風上。五十mほど離れたところに小川の中州があった。そこで焚き火を熾す。生木や雑草、除虫菊をくべると煙が風下に流れていく。
「風向きはいい感じだな。これで蜂が少しでも弱体化してくれると助かるんだが」
急いで仲間の元に戻るザレムである。
リューリとミオレスカも戦いを有利に運ぶための妙案を実行していた。
「つやつやのお肉はこれでOKだね」
「これを点けたら大急ぎで離れないと」
蜂蜜を塗った鶏ガラ肉を巣から十数m先に置いておく。それを岩の上に置いたLEDライトで照らして闇から浮かび上がらせた。
夜とはいえ雑魔蜂は完全に閉じこもってはいない。巣を中心にして半径十mの範囲を飛び交っている。ライトで闇に浮かぶ餌につられて飛行距離を伸ばしていった。
餌に反応してくれたことにハンターの何人かはほっと胸をなで下ろす。雑魔によっては無反応でもおかしくないからである。
更なる引きつけ役はロニとレイが交代で行う。巣から二段階でおびき寄せることによって雑魔蜂の数は絞りやすくなっていた。
(習性は通常と同じで有ることを祈ろう)
黒い服装に身を包んだロニが少しずつ餌に集る雑魔蜂へと近づいていく。
一体の雑魔蜂が気づいて宙に浮かぶ。計三体の雑魔蜂が反転したロニを追いかける。
(これならフォールシュートは温存するべきですね)
ミオレスカが構える魔導拳銃のサイトが雑魔蜂を捉えた。銃爪が絞られた瞬間、叩き込まれた銃弾によって右の羽根が千切れ飛ぶ。止めに二発目の銃弾を撃ち込んでおく。
「ガローアさんはそこに隠れててね」
「は、はい」
ガローアに一声をかけたリューリが茂みから飛びだした。甲高い羽音を立てながら迫る雑魔蜂に戦槍を見舞う。大きく踏み込み、クラッシュブロウの勢いを乗せて一撃で塵へと還す。
雑魔蜂が旋回しながら毒針を露出させて並木怜に迫る。
「毒針ですか。もっと恐いものを私は見たことがありますよ」
恐怖心を煽る羽音は彼女には効かなかった。下から上へとユナイテッド・ドライブ・ソードの刃が胸部と腹部を切断。地面に転がる二つの身体。針から毒液を垂らしながら雑魔蜂が静かに消えていく。
できれば夜明けまでにけりをつけたいので時間が惜しかった。次の囮であるレイが雑魔蜂を誘いだそうとする。
(雑魔になる前は普通の蜂だったのかも知れませんね)
レイが腰からぶら下げていた鶏ガラ肉に雑魔蜂が気づく。襲ってきた一体をアックスの炎のような刃で叩き切ると他の雑魔蜂も寄ってきた。
その数二十体弱。先程の小手調べで雑魔蜂の強さは把握済み。仲間が待機するキャンプ地まで誘い込む。そして大立ち回りが始まった。
「こいつでどうだっ!」
ザレムが魔導拳銃を介してファイアスローワーを発動。扇状に広がる炎が雑魔蜂をまとめて焦がす。
「これだけ群れると厄介だな……普通にやり合うならばだが」
ロニが得物の石突で地面を叩くと光が広がった。それはセイクリッドフラッシュの輝き。光の波動を浴びた何体かの雑魔蜂が衝撃に耐えきれず破裂する。
「まだ動いている蜂がいますね」
範囲攻撃の締めくくりはミオレスカのフォールシュート。銃弾の雨を背中に浴びた雑魔蜂が次々と地面へ叩き落とされた。
毒針に刺されないためには一気に倒すのが一番である。
「毒針に注意してと」
「これで最後です」
リューリと並木怜が刃を振るう。泥まみれで藻掻く死にかけの雑魔蜂に止めを刺すのだった。
●
巣の周囲はほんのりと煙かった。焚いた除虫菊のおかげなのか、少しずつ雑魔蜂が外へ這いだしている。ハンター達による退治は順調に進んでいた。
多くの場合、十から二十の雑魔蜂を誘いだして離れたキャンプ地で倒す。不意を突かれて毒針に刺されたときには、解毒薬かロニのキュアで治療が行われる。戦闘力はそれほどでもない雑魔蜂だが、毒針の液には非常に凶悪な効果が秘められていた。
倒した総計が九十体を越えた頃には空が白みだす。
(そろそろ夜明けですね)
ガローアが茂みの中から見上げた。太陽が地平線から昇るまでもうすぐである。
「でてこないな」
「ですね」
囮役のロニは蜂蜜が塗られた鶏ガラ肉の位置を越えて巣へと近づく。すでに雑魔蜂は巣の周辺を飛んでいなかった。
「巣の中に蜂が残っているかも知れないが……燃やしてしまうのはどうかな?」
ザレムがガローアに預けておいた除虫菊入りの粘土を受け取る。
「そのまま燃えてしまえば楽ですし、耐えられなくなったら巣からでてくるはずです」
真っ先にミオレスカが賛成。全員がその案に乗った。
幸いなことに巣のある杉の樹木は周辺の草木から孤立している。少しだけ茂みを除くことで延焼は防げそうだった。草刈りはロニとレイが担当する。
「……これだけ見事な巣でしたら蜂蜜も一杯あったでしょうに……でも、歪虚でしたね……」
レイが小さくため息をついた。
「よいしょ」
「次はこれを」
ミオレスカが巣の穴に枝や枯れ草を突っ込む。そしてザレムが粘土で塞ぐ。更にガローアが持ってきたランタン用の油を振りかけておいた。
リューリと並木怜が巣の下に枯れた草木を積んで火を熾す。巣の火付きはとてもよかった。瞬く間に燃え広がって火球と化す。離れて見守るハンター達の影を揺らした。
「割れる? いえ、そうではなさそうです」
並木怜が巣の異変に気がついた。燃えて崩れるように見えて、実は内部から何かが這い出そうとしている。
身構えるハンター達。まるで日の出に合わせるかのように巣がバラバラに崩れ落ちていく。その瞬間、何人かのハンターが攻撃を仕掛けた。
ロニのセイクリッドフラッシュによる光の波動。ザレムのファイアスローワーが巣に纏わりつく炎を増大させる。巣から飛びだしたばかりの雑魔蜂に多大な損傷が与えられた。
ミオレスカによるフォールシュートの銃弾が降り注ぐ。攻撃に転じられず巣から飛びだした瞬間に消え去る数体の雑魔蜂。しかしそれらの攻撃にも耐えて羽ばたく個体がいる。
「あれはもしかして女王蜂?」
ミオレスカが注目した雑魔蜂は他の個体よりも二回り大きかった。取り巻きの三体も雑魔女王蜂よりは小柄だが、これまでの個体よりも大柄だ。
「早めに片付けないとね!」
「同感ですね」
左右に分かれたリューリとレイが危険を覚悟して敵との間合いを一気に詰める。全身のバネ力を戦槍とアックスに預けてラウンドスウィングが放たれた。二つの刃が四体すべての雑魔蜂へ届く。
護衛雑魔蜂二体が消滅。地面で暴れていた護衛雑魔蜂一体は並木怜が止めを刺す。毒針におかされたリューリ、レイ、並木怜は治療のために後方へと下がる。
残るは雑魔女王蜂だけとなった。
ミオレスカの高加速射撃による銃弾が右複眼に命中。空中でふらつく雑魔女王蜂だが戦闘力はまだ衰えていない。
これまで以上の羽音による高周波がハンター達に浴びせかけられる。それでも一同は攻撃の手を緩めなかった。
ザレムが魔導大剣を握りしめて前にでる。
「アルケミは遠近両用……ってなあ!」
毒針で狙われたザレムの腹部を光の防御障壁が砕けながら守ってくれた。魔導大剣の刃が宙を切り裂く。左羽根の一部を失った雑魔女王蜂は高く飛べなくなる。
リューリ、レイ、並木怜も戻って一気に叩く。
レイが打ち込んだアックスを引き抜くと雑魔女王蜂は息絶えていた。まもなく塵となって消えていく。
巨大な巣が枝ごと燃えて地面へと落ちる。完全に炭となって消え去るまで一同はその場で見守り続けたのだった。
●
「もしやと思っていましたら」
集落までの帰り道、並木怜が立ち止まって遠くを指さす。
「そんな季節ですね」
ガローアだけでなくその他のハンターも立ち止まってしばし眺める。森の一部が色づいて紅葉の景色が広がっていた。
集落へ戻るとベッタが出迎えてくれる。
「うまくいったんか! さすがはハンターのみなさんやで。こうなると思うて、古都まで足を伸ばして準備しといたんや。シモフリの肉を奢りたい気分なんやが、まだまだ育てなあかん。それは勘弁してや」
小屋のテーブルにはたくさんの食材が並んでいた。新鮮な肉に野菜といろいろである。
「そうだ。せっかくなら」
ガローアの思いつきに全員が賛成してくれる。食材と調理道具を抱えて紅葉の一帯を目指す。そこでリアルブルー風のバーベキューパーティが開かれた。
「なかなかの味だな」
「この肉、美味いな」
ロニとザレムが網焼き肉を頬張る。
「これでもう安心だね。焼きトウモロコシ美味しそうだよ!」
「タレに蜂蜜をいれてみました」
リューリとミオレスカも頂く。一仕事した後の美味しい料理は格別であった。
「あの蜂の巣がもっと育っていたとしたら、この集落だけの被害ではすまなかったでしょうね」
「そう思います。被害が広がらないうちに仕留められてよかったです」
レイと並木怜が串焼きを食べながら天を見上げる。紅く染まった楓の葉がゆらりゆらりと落ちてきた。
「本格的な秋か」
「畑は急がんとあかんな」
ガローアとベッタの頬を冷たい風が触っていく。まもなく森の広葉樹に紅葉が広がることだろう。冬の訪れはもうすぐであった。
依頼結果
参加者一覧
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 リューリ・ハルマ(ka0502) エルフ|20才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/10/09 00:59:02 |
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質問卓 リューリ・ハルマ(ka0502) エルフ|20才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/10/08 18:37:25 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/07 20:38:00 |