ゲスト
(ka0000)
超軽いのよ
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2015/10/15 22:00
- 完成日
- 2015/10/22 01:13
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ここはのどかな田園地帯、ジェオルジ。放牧された羊が転々と秋の丘に散っている。
食欲の秋。皆丸まると肥えている。
干し草の陰からそれを恨めしそうに眺めているのは、1匹のコボルド、通称コボちゃん。
先程羊のお尻をひと齧りしようと挑戦したが蹴飛ばされ、そのうえ大きな牧羊犬に追い回され、食欲を満たす試みを断念したばかり。
大きさといい外見といい二足歩行のプードルそっくりな彼は、クリムゾンウェストのあちこちを、単独で放浪している。
目下悩んでいるのは、『おやぶん』がいないということ。
確かに『おやぶん』がいなくても生きてはいけるが、でもそれだけだと物足りない。頼りない。
立派な『おやぶん』が欲しい。ドワーフやハンターなんかに負けない『おやぶん』が欲しい。
そんな切実な思いを抱いている彼は、ぴくんとたれ耳を立て丘の向こうに視線を向けた。
牧羊犬もそちらを向く。散らばっていた羊たちも草を食べるのを止め、不審そうに頭をもたげる。
と、そのとき、巨大な怪獣が現れた。
高さはざっと6メートル位だが、腹回りがよく太っているので、それ以上の大きさに見える。
後ろ足が太く、前足が小さい。二足歩行している。
目は真っ赤。口は耳まで裂け、声はまるで雷のよう。
ぎゃろおおおおんん
羊も牧羊犬も肝を潰し、一目散に逃げて行く。
物音を聞き付け農場主が来たが、これもまた悲鳴を上げ、あわてふためき逃げ去った。
コボちゃんは目を輝かせる。
これぞ理想の『おやぶん』ではないかと、怪獣の後ろについていく。
相手は明らかに歪虚なのだが、そこのところはあんまり気にしていない。コボルドは、歪虚の存在をタブーと見なす傾向が弱いのだ。ゴブリンもそうである。自分たちを率いてくれる(利用する)歪虚が現れれば、進んでついて行くことも珍しくない。
「わし、わし、わしっ!」
親しげに吠えかけてくるコボちゃんについて、歪虚は……無視していた。
あまり耳はよくないらしい。
追い払われることがなかったのでコボちゃんは気を大きくした。ますます距離を縮める。
「わしっ、わしっ、わしっ!」
そのとき強い風が吹いてきた。
怪獣が大きく傾いた。
太い尻尾を地面に打ち付けバランスを取り、どうにか姿勢を立て直す。
ぐるるるぎゃろおおおん
威勢のいい雄叫びを轟かせ再び歩き始める怪獣。
その後にはコボちゃんがのびていた。運悪く尻尾の真下にいたのである。
しかし不幸中の幸いというか、この歪虚体格に比して、ひどく軽い。なので、被害は気絶するだけに止まった。
●
同時刻。
5キロ離れた地点で開催されている秋祭り会場は大騒ぎになっていた。昨日設置したはずの怪獣型エアドームが、朝になったら忽然と消えていたのである。
「エアドームはどこに行ったんだエアドームは! 借り物なんだぞあれは!」
「昨晩は風が強かったですから、飛んだんじゃ」
「そんな馬鹿なことあるか、ロープで固定してたんだぞ!」
ひと騒ぎしているそこへ、血相変えた関係者が駆け込んでくる。
「おい、大変だ! エアドームが歪虚になって、放牧地で暴れてるらしいぞ!」
「な、なんだってー!?」
うろたえる主催者たちはここに至って、とあることに思い至る。
「そういえば……昨日あのエアドームを膨らませるの、誰がやったんだ?」
「え……いえ、さあ……私じゃないですね」
「私でもないです」
「……気が付いたら、すでに空気を詰められて設置されてたような」
食欲の秋。皆丸まると肥えている。
干し草の陰からそれを恨めしそうに眺めているのは、1匹のコボルド、通称コボちゃん。
先程羊のお尻をひと齧りしようと挑戦したが蹴飛ばされ、そのうえ大きな牧羊犬に追い回され、食欲を満たす試みを断念したばかり。
大きさといい外見といい二足歩行のプードルそっくりな彼は、クリムゾンウェストのあちこちを、単独で放浪している。
目下悩んでいるのは、『おやぶん』がいないということ。
確かに『おやぶん』がいなくても生きてはいけるが、でもそれだけだと物足りない。頼りない。
立派な『おやぶん』が欲しい。ドワーフやハンターなんかに負けない『おやぶん』が欲しい。
そんな切実な思いを抱いている彼は、ぴくんとたれ耳を立て丘の向こうに視線を向けた。
牧羊犬もそちらを向く。散らばっていた羊たちも草を食べるのを止め、不審そうに頭をもたげる。
と、そのとき、巨大な怪獣が現れた。
高さはざっと6メートル位だが、腹回りがよく太っているので、それ以上の大きさに見える。
後ろ足が太く、前足が小さい。二足歩行している。
目は真っ赤。口は耳まで裂け、声はまるで雷のよう。
ぎゃろおおおおんん
羊も牧羊犬も肝を潰し、一目散に逃げて行く。
物音を聞き付け農場主が来たが、これもまた悲鳴を上げ、あわてふためき逃げ去った。
コボちゃんは目を輝かせる。
これぞ理想の『おやぶん』ではないかと、怪獣の後ろについていく。
相手は明らかに歪虚なのだが、そこのところはあんまり気にしていない。コボルドは、歪虚の存在をタブーと見なす傾向が弱いのだ。ゴブリンもそうである。自分たちを率いてくれる(利用する)歪虚が現れれば、進んでついて行くことも珍しくない。
「わし、わし、わしっ!」
親しげに吠えかけてくるコボちゃんについて、歪虚は……無視していた。
あまり耳はよくないらしい。
追い払われることがなかったのでコボちゃんは気を大きくした。ますます距離を縮める。
「わしっ、わしっ、わしっ!」
そのとき強い風が吹いてきた。
怪獣が大きく傾いた。
太い尻尾を地面に打ち付けバランスを取り、どうにか姿勢を立て直す。
ぐるるるぎゃろおおおん
威勢のいい雄叫びを轟かせ再び歩き始める怪獣。
その後にはコボちゃんがのびていた。運悪く尻尾の真下にいたのである。
しかし不幸中の幸いというか、この歪虚体格に比して、ひどく軽い。なので、被害は気絶するだけに止まった。
●
同時刻。
5キロ離れた地点で開催されている秋祭り会場は大騒ぎになっていた。昨日設置したはずの怪獣型エアドームが、朝になったら忽然と消えていたのである。
「エアドームはどこに行ったんだエアドームは! 借り物なんだぞあれは!」
「昨晩は風が強かったですから、飛んだんじゃ」
「そんな馬鹿なことあるか、ロープで固定してたんだぞ!」
ひと騒ぎしているそこへ、血相変えた関係者が駆け込んでくる。
「おい、大変だ! エアドームが歪虚になって、放牧地で暴れてるらしいぞ!」
「な、なんだってー!?」
うろたえる主催者たちはここに至って、とあることに思い至る。
「そういえば……昨日あのエアドームを膨らませるの、誰がやったんだ?」
「え……いえ、さあ……私じゃないですね」
「私でもないです」
「……気が付いたら、すでに空気を詰められて設置されてたような」
リプレイ本文
ティリル(ka5672)は額へ手を当て、怪獣を仰ぎ見る。
「あらら、これはまた大惨事ですねー。子供の夢を壊してはいけないのですよ!」
傾斜した丘によって体部分が隠れてしまっているので、頭から下が見えないのだが――ざっと6メートル位あるのではないだろうか、とザレム・アズール(ka0878)は睨んだ。
「流石にあれだけ大きいのは初めてだよ」
しかし大きいとは言っても、恐ろしいという印象は全然ない。なにしろ外見がエアドームのままなのだ。
エルバッハ・リオン(ka2434)が呟く。
「エアドーム怪獣ですか。変な歪虚が出てきましたね。まあ、依頼主からの要望もありますし、できる限り無傷で回収するようにしますか」
面倒だな、とノーマン・コモンズ(ka0251)は頭をかいた。歪虚化を解除し回収する方がただ倒すより数倍難しいことは、いうまでもなし。
「でかいですねえ、喉笛掻っ切れば静かになるんでしょうが――それはやっちゃだめってのも難しいですねえ」
ボルドー(ka5215)も、もとより険しい顔をさらに険しくし、ぼやいている。
「倒したらダメというのがまたやっかいだのう。あれだけ的が大きければ、弓もよく当たるだろうに」
しかし依頼者の意向には逆うことは出来ない。よって、万が一にも刺さらないよう弓矢の鏃を布で幾重にもくるみ、丸いボール状にしておく。これなら当たっても破れることはない。
「エアドームだ。なつかしいな、私も小さなころ遊んだことがあるよ」
残してきた世界の思い出にしばし浸るムーシカ・ノルドポル(ka5464)。
怪獣が鳴いた。声だけは強そうだ。
ぎゃおおおおん
(誰ですかね? エアドームにいたずらをした人は?)
天央 観智(ka0896)は、その点が引っ掛かってしょうがない。祭り関係者の誰に聞いても、これはという情報は得られなかった。いくら人の出入りが多い場所だからとはいっても、あれだけ大きいものを勝手に設営し、しかも誰にも見とがめられないとは……。
「しかし……瘴気、ですか? 負のマテリアル……なのでしょうね……瘴気って……燃えますかね? 外に出した後、放っておく訳にもいきませんけれど……浄化手段も思いつきませんし」
アルマ・アニムス(ka4901)は、目下危機的状況が引き起こされてもいないこともあって、普段と変わらずおっとり構えている。
「わぁ、こんなものまで歪虚に……」
丘を登るにつれ怪獣の全身が見えてきた。中に人を入れ遊ばせる遊具であるがため、お腹回りが樽のよう。頭と手足が生えたフーセンと言ってもけして言い過ぎではない。
「もういっそなんでもあr……」
アルマが急に顔色を変え固まったについて、ムーシカは全く気づかなかった。怪獣の尻尾のあたりでうろちょろしている未知の生物を注視していたので。
その生物は二本足で歩き、全身巻き毛で覆われており、かん高い声で吠えている。
「わしっわしっわしっ」
ついでに服も着ている。
「んー……あの変な生き物はなんだろ……」
やたらかわいい外見だが、もしやいっしょに歪虚化したぬいぐるみであろうか。
そんなふうに推理していたら、止まっていたアルマが急に動きだした。
「!? ちょ、こんなところで何やってるんですか大丈夫です!?」
直後強い風が前方から吹いてきた。
怪獣の片足が持ち上がり、今にも倒れそうになった。が、尻尾を地面に叩きつけ支えにし、なんとか持ちこたえる。
くっついていた小さな生き物は尻尾の一撃に巻き込まれ、動かなくなる。
「これは……退治以前に飛んでいかないようにすることのほうが、先決事項であるようです」
エルバッハはとりあえずスリープクラウドを打ち込んでみる。が、目立った反応はなし。怪獣は知らん顔し、歩き続けるだけである。
「うわあああ! 大丈夫ですかしっかり傷は浅いですよーっ!」
伸びている生き物に駆け寄り抱き起こすアルマ。
生き物は目を覚ました。気絶していただけだったのだ。アルマの顔を見るや顎をしゃくれさせ、歯を剥いた。あまり友好的とは言えない表情である。
しかしアルマは露ほども頓着しない。無事を喜び胸を撫で下ろし、唸る生き物の頭に湿布を当ててやる。
「よかった、大事無くて……」
ムーシカは好奇心をもって近づいた。
至近距離で見てもやっぱりなんの生き物なのかよく分からない。ので、アルマに直接尋ねてみるとする。
「アルマさん、これ、何?」
「コボルドですよ」
「え、コボルドなの?」
「ええ、コボルドのコボちゃんです」
「へー、コボちゃんって言うんだ。カリアゲじゃないんだねー。初めまして、かわいいね、触ってもいい?」
言いつつもう触っているムーシカ。
ティリルも多大な興味を持ち、変なコボルドに歩み寄った。
「コボちゃんは干し肉や干物は食べますかー?」
あれこれいじくられコボちゃんの顎、ますますしゃくれる。でもくれる食べ物は貰っておく。
こんなときイレギュラーにいて欲しくはないが、知っている人間が相手をしているのならまあよかろうと、放置を決めるザレム。
「えーと、動きを止めて空気を抜く方針……で良いよな? 俺は正面から足止めするから、ボルドー、囮になってくれるか? このまま風に任せて歩かせておくと、人家の近くにまで行きかねないからな。進路変更させないと」
「よかろう」
●
観智とノーマンは怪獣から距離を取った。ザレムらによって足止めがなされたら、すぐ仕掛ける所存で。
「最悪……修理可能な範囲で、空気穴を上に開ける……手も、あるんでしょうけれど……穏便に、栓を開けて取り返したい……ですよね」
「そうですね。要は瘴気が原因なんでしょうから、それさえ追い出せれば……」
怪獣はやや速足になってきた。本人が意図し速度を上げているのではない。追い風が吹いているからである。
踏ん張りがきかないため、自分で速度調節出来ないのだ。
ザレムは馬をせきたて、怪獣の前に回った。巨大化させたパドルロッドを横にかざし、進路をふさぐ。
「はいはい、バックバック」
中身がほとんど無いとはいえ大きなものがぶつかってくるのだ。それなりの衝撃はある。防護障壁でカバーするものの、乗っている馬が少しよろけた。
「おっと、踏ん張れー」
馬の耳に励ましを吹き入れつつ、さらに押す。
あんぎゃあああ
怪獣は吠えながら、ふわあっと横にずれた。空気を入れたボールが打たれ弾むように。
「あ、違う違うこっちじゃありませんよ」
エルバッハは急ぎアースウォールを立て進路を塞ぎ、横滑りを防いだ。だく足で併走しているボルドーが怪獣の顔目がけ、矢を放つ。矢は思惑どおりドームを突き破る事なく跳ね返り、地面に落ちる。
怪獣は刺激に反応した。ボルドーを追いかけていく。
ぎゃおおおおおお
声は勇ましいが動きが今一つ。速度もさほどでない上に、右にゆらゆら左にゆらゆら。
●
ティリルから貰った餌を食い漁っているコボちゃんを、アルマは、その場において行くことにした。
「いいですか、ここで大人しくしているんですよ……いい子にしてないと躾けちゃいますよ?」
台詞後半部分が効いたのか、不満たらたらな表情をしていたコボちゃんは、びしっと背筋を伸ばした。
この分なら大丈夫と見てアルマは、その場にツナ缶、干し肉、パン、牛乳を置き、ジェットブーツの加速をつけ走りだす。コボちゃんを尻尾で踏むという暴挙を行った歪虚に向かって。
「……たかだか一つ幾らのオモチャの癖に、この子に何してくれちゃってるんですかねェ? いい度胸してますね本当!」
彼は怒っていた。口調が変わるほど怒っていた。そもそもコボちゃんが後ろにいたから踏まれたのだという事実は無視して。
●
怪獣には重みがないのでいまいち動きが定まらず、確保しづらい。
それを解消するために、ムーシカは、自分が中に入ることを思いついた。
「ああやってお腹にちゃんと入り口がついているから、簡単だと思うんだよね」
「え? 大丈夫ですかねえ……中に瘴気が詰まっている可能性もありますし……」
「だいじょぶだいじょぶ、防性強化があるから」
ティリルへ自信満満言い放ったムーシカは、怪獣の視界に入らないようにしつつ、至近距離まで接近。
「近くで見るとおっきいなー……」
歩く動きに合わせ上下する腹にえいっと飛びつき潜り込む。すぐさま楽しそうな声が聞こえてきた。
「わー、これすっごく弾むー! わーいわーい!」
ひとまず問題なかったようだ。
腹の中でムーシカが動き回るせいで、怪獣の足取りが鈍った。ザレムは馬の速度を落とし、肝腎要の空気穴を捜す。
「えーと、大抵こういうのはケツに……あった!」
尻尾の付け根、目立たない場所にそれが見えた。間違いないか再度確認し、回りに呼びかける。
「中で押さえる隙に栓を頼んだぞ。ムーシカだけだと重さが足りないようだからな!」
馬から飛び降り怪獣の腹に入るザレム。
怪獣は完全に足を止め右に傾いた。倒れまいと尻尾も動員し踏ん張る。そこへ観智がウィンドガストを発動させ、左側から風をぶつける。
ティリルはますます傾いてきた怪獣を囲むよう、結界を張った。詰め込まれている瘴気がいくらかでも緩和出来るかもしれないと期待して。
そこへアルマが真横から突っ込んでくる。
「天誅-!!」
全身全霊を込めてのヤクザ蹴り。たださえ斜めっていた怪獣はこの一撃でついに引っ繰り返る。
「うわわわ!?」
「おわっ!?」
内側にも結構な衝撃が伝わったらしい。ムーシカとザレムの叫び声がした。
それはさておき千載一遇のチャンス。
ノーマンは素早く接近し、空気穴の栓に手をかける。観智とエルバッハは、向かい合う形でアースウォールを作り上げた。ちょうど真ん中に怪獣が挟み込まれてしまうように。
起き上がれず足をバタバタさせる怪獣。
ムーシカはその中からはい出し、借りてきたロープとペグを手に、更なる固定を試みる。
「ボルドーさん、ロープかけるの手伝ってー」
「おお、分かった。こっちに端を投げろ」
御伽噺の巨人のように紐をかけられた怪獣の空気穴から、すぽんと栓が抜かれた。
漏れだしてきたのは、ぼんやり灰色がかった気体。煙ではない。風の向きと反対方向に漂い、逃げて行こうとするのだから。
(浄化される様なものなら良いけれど……)
もしかしたら可燃性かも知れないので、観智は、気体がある程度怪獣本体を離れるまで待つ。それから、ファイアーボールをぶつけてみた。
ポンと軽い音を立て、火花が散った。
さしたる威力ではないと確認出来たので、今度はもっと近いところから浄化を行う。一連の作業を繰り返しているうち瘴気はどんどん薄くなり――やがて、完全に消えてしまった。
エルバッハは感慨深げに呟く。
「いろんな歪虚との交戦経験はありますが、エアドームというのは初めてでしたね」
一件落着。後は片付けだけ。だがティリルはなんとなく、釈然としなかった。
「しかし、誰がこんな悪さをしたのでしょうか? 何か術の痕跡のようなものがあればいいのですけどー」
占術を使い、ちょっと占ってみる。結果は、はなはだ漠然としたものだった。
「『北より来る』?」
ところで怪獣の中にはまだザレムがいた。
相手が完全に動かなくなるまで待った結果、空気がどんどん抜けてしまい、くたくたになった狭い空間に閉め込まれてしまったのである。
「袋詰めにされた気分だな……」
零しつつ出口に向け身をよじり、進む。
外では残りのメンバーが、早く全体の空気が抜け切ってしまうよう、怪獣のあちこちを押したり引いたり。ムーシカは上を歩き回り、膨らんだ部分を踏んで平らにのしていく。
「いてっ。誰だよおい今踏んだのは」
「あ、ごめんごめん。ザレムさんだったんだ。てっきり空気が残ってるのかなと思っちゃって」
「気をつけてくれよ」
早く出なくてはと焦るものの、方向感覚がつかめず、もだもだするザレム。
ノーマンはボルドー、エルバッハと協力し、彼が出てきやすいように、入り口のところを三方向から引っ張り開けてやった。
「おーい、出口はこっちですよ、こっち」
「お、ありがとな。いやー、久しぶりにエアドームに入ったよ」
苦笑しつつ出てきたザレムは、うー、という唸り声を聞く。
そちらに顔を向けてみれば歯を剥いているトイプードル、もといコボちゃん。口の周りにチーズと干し魚とパンとツナ缶と干し肉の食べかすをくっつけている。
「わわわわわしっ、わしっ、わしっ」
何か気に入らないことでもあるのか、吠え続けている。
「追い払っておくか」
躊躇いなく矢をつがえるボルドーを、エルバッハが手で制した。
「スリープクラウドで眠らせましょう。歪虚には効きませんでしたがこれになら、確実に効くはずです」
それをザレムが止めた。
「いやいや待て待て」
彼はポケットを探り、クッキーを出す。
「ほーら、これをやるから向こうに行っててくれ」
言って大きく振りかぶり、クッキーを投げる。
コボちゃんは真っすぐ食べ物を追いかけていった。
側で一連の流れを見ていた観智は、頬をかく。
「……あれだとすぐ戻ってくる気がしますが」
彼が言うとおり、コボちゃんはすぐさまクッキーを食べ尽くし戻ってきた。だけど再度の邪魔は出来なかった。アルマに捕まってしまったので。
彼はコボちゃんを(ハンターの力で)ぺちっとやり、肩を掴んで正座させた。
「歪虚に近寄ったら絶対にダメですッ! どれだけ心配したと思ってるんですか!?」
続けて涙ながら(ハンターの力で)揺すぶる。
「……今回は無事で良かったですけど。君の事、狩らせないでくださいよ、お願いですから……!」
激しい上下運動にコボちゃんの目はぐーるぐる。
「わわわわわわしししししし」
やっと離してもらえたコボちゃんを、今度はティリルがとっ捕まえる。
「コボちゃん、コボちゃん。他人に迷惑をかけてご飯を食べるのはめっ! ですよ ご飯がほしいならお手伝いすれば分けてもらえます」
毛むくじゃらな手を引き、走りだす。怪獣騒ぎによって散らばった羊たちを呼び戻すために。
「羊さん達を追い回しても食べちゃダメです。柵の中に追い込めば美味しいものがもらえますよ。追いかけっこゲームでご飯がもらえるんです! さあ、頑張りましょう!」
「わし!? わしいいいぃぃぃぃぃぃ」
ムーシカは平面になった怪獣を端から畳んで行く手を休め、ため息をつくアルマに尋ねた。
「どうするの? あのコボルド」
「可能ならソサエティに保護してもらう等対策とりたいんですけどね……歪虚に目をつけてしまったら流石に放置できませんし。聞き届けてもらえるかどうか分かりませんが……」
ノーマンは引きずられて行くコボルドの姿を見送り、肩をすくめる。
「興味は持ってもらえるんじゃないですかね。コボルドにしても、随分珍しい姿形してますから」
「あらら、これはまた大惨事ですねー。子供の夢を壊してはいけないのですよ!」
傾斜した丘によって体部分が隠れてしまっているので、頭から下が見えないのだが――ざっと6メートル位あるのではないだろうか、とザレム・アズール(ka0878)は睨んだ。
「流石にあれだけ大きいのは初めてだよ」
しかし大きいとは言っても、恐ろしいという印象は全然ない。なにしろ外見がエアドームのままなのだ。
エルバッハ・リオン(ka2434)が呟く。
「エアドーム怪獣ですか。変な歪虚が出てきましたね。まあ、依頼主からの要望もありますし、できる限り無傷で回収するようにしますか」
面倒だな、とノーマン・コモンズ(ka0251)は頭をかいた。歪虚化を解除し回収する方がただ倒すより数倍難しいことは、いうまでもなし。
「でかいですねえ、喉笛掻っ切れば静かになるんでしょうが――それはやっちゃだめってのも難しいですねえ」
ボルドー(ka5215)も、もとより険しい顔をさらに険しくし、ぼやいている。
「倒したらダメというのがまたやっかいだのう。あれだけ的が大きければ、弓もよく当たるだろうに」
しかし依頼者の意向には逆うことは出来ない。よって、万が一にも刺さらないよう弓矢の鏃を布で幾重にもくるみ、丸いボール状にしておく。これなら当たっても破れることはない。
「エアドームだ。なつかしいな、私も小さなころ遊んだことがあるよ」
残してきた世界の思い出にしばし浸るムーシカ・ノルドポル(ka5464)。
怪獣が鳴いた。声だけは強そうだ。
ぎゃおおおおん
(誰ですかね? エアドームにいたずらをした人は?)
天央 観智(ka0896)は、その点が引っ掛かってしょうがない。祭り関係者の誰に聞いても、これはという情報は得られなかった。いくら人の出入りが多い場所だからとはいっても、あれだけ大きいものを勝手に設営し、しかも誰にも見とがめられないとは……。
「しかし……瘴気、ですか? 負のマテリアル……なのでしょうね……瘴気って……燃えますかね? 外に出した後、放っておく訳にもいきませんけれど……浄化手段も思いつきませんし」
アルマ・アニムス(ka4901)は、目下危機的状況が引き起こされてもいないこともあって、普段と変わらずおっとり構えている。
「わぁ、こんなものまで歪虚に……」
丘を登るにつれ怪獣の全身が見えてきた。中に人を入れ遊ばせる遊具であるがため、お腹回りが樽のよう。頭と手足が生えたフーセンと言ってもけして言い過ぎではない。
「もういっそなんでもあr……」
アルマが急に顔色を変え固まったについて、ムーシカは全く気づかなかった。怪獣の尻尾のあたりでうろちょろしている未知の生物を注視していたので。
その生物は二本足で歩き、全身巻き毛で覆われており、かん高い声で吠えている。
「わしっわしっわしっ」
ついでに服も着ている。
「んー……あの変な生き物はなんだろ……」
やたらかわいい外見だが、もしやいっしょに歪虚化したぬいぐるみであろうか。
そんなふうに推理していたら、止まっていたアルマが急に動きだした。
「!? ちょ、こんなところで何やってるんですか大丈夫です!?」
直後強い風が前方から吹いてきた。
怪獣の片足が持ち上がり、今にも倒れそうになった。が、尻尾を地面に叩きつけ支えにし、なんとか持ちこたえる。
くっついていた小さな生き物は尻尾の一撃に巻き込まれ、動かなくなる。
「これは……退治以前に飛んでいかないようにすることのほうが、先決事項であるようです」
エルバッハはとりあえずスリープクラウドを打ち込んでみる。が、目立った反応はなし。怪獣は知らん顔し、歩き続けるだけである。
「うわあああ! 大丈夫ですかしっかり傷は浅いですよーっ!」
伸びている生き物に駆け寄り抱き起こすアルマ。
生き物は目を覚ました。気絶していただけだったのだ。アルマの顔を見るや顎をしゃくれさせ、歯を剥いた。あまり友好的とは言えない表情である。
しかしアルマは露ほども頓着しない。無事を喜び胸を撫で下ろし、唸る生き物の頭に湿布を当ててやる。
「よかった、大事無くて……」
ムーシカは好奇心をもって近づいた。
至近距離で見てもやっぱりなんの生き物なのかよく分からない。ので、アルマに直接尋ねてみるとする。
「アルマさん、これ、何?」
「コボルドですよ」
「え、コボルドなの?」
「ええ、コボルドのコボちゃんです」
「へー、コボちゃんって言うんだ。カリアゲじゃないんだねー。初めまして、かわいいね、触ってもいい?」
言いつつもう触っているムーシカ。
ティリルも多大な興味を持ち、変なコボルドに歩み寄った。
「コボちゃんは干し肉や干物は食べますかー?」
あれこれいじくられコボちゃんの顎、ますますしゃくれる。でもくれる食べ物は貰っておく。
こんなときイレギュラーにいて欲しくはないが、知っている人間が相手をしているのならまあよかろうと、放置を決めるザレム。
「えーと、動きを止めて空気を抜く方針……で良いよな? 俺は正面から足止めするから、ボルドー、囮になってくれるか? このまま風に任せて歩かせておくと、人家の近くにまで行きかねないからな。進路変更させないと」
「よかろう」
●
観智とノーマンは怪獣から距離を取った。ザレムらによって足止めがなされたら、すぐ仕掛ける所存で。
「最悪……修理可能な範囲で、空気穴を上に開ける……手も、あるんでしょうけれど……穏便に、栓を開けて取り返したい……ですよね」
「そうですね。要は瘴気が原因なんでしょうから、それさえ追い出せれば……」
怪獣はやや速足になってきた。本人が意図し速度を上げているのではない。追い風が吹いているからである。
踏ん張りがきかないため、自分で速度調節出来ないのだ。
ザレムは馬をせきたて、怪獣の前に回った。巨大化させたパドルロッドを横にかざし、進路をふさぐ。
「はいはい、バックバック」
中身がほとんど無いとはいえ大きなものがぶつかってくるのだ。それなりの衝撃はある。防護障壁でカバーするものの、乗っている馬が少しよろけた。
「おっと、踏ん張れー」
馬の耳に励ましを吹き入れつつ、さらに押す。
あんぎゃあああ
怪獣は吠えながら、ふわあっと横にずれた。空気を入れたボールが打たれ弾むように。
「あ、違う違うこっちじゃありませんよ」
エルバッハは急ぎアースウォールを立て進路を塞ぎ、横滑りを防いだ。だく足で併走しているボルドーが怪獣の顔目がけ、矢を放つ。矢は思惑どおりドームを突き破る事なく跳ね返り、地面に落ちる。
怪獣は刺激に反応した。ボルドーを追いかけていく。
ぎゃおおおおおお
声は勇ましいが動きが今一つ。速度もさほどでない上に、右にゆらゆら左にゆらゆら。
●
ティリルから貰った餌を食い漁っているコボちゃんを、アルマは、その場において行くことにした。
「いいですか、ここで大人しくしているんですよ……いい子にしてないと躾けちゃいますよ?」
台詞後半部分が効いたのか、不満たらたらな表情をしていたコボちゃんは、びしっと背筋を伸ばした。
この分なら大丈夫と見てアルマは、その場にツナ缶、干し肉、パン、牛乳を置き、ジェットブーツの加速をつけ走りだす。コボちゃんを尻尾で踏むという暴挙を行った歪虚に向かって。
「……たかだか一つ幾らのオモチャの癖に、この子に何してくれちゃってるんですかねェ? いい度胸してますね本当!」
彼は怒っていた。口調が変わるほど怒っていた。そもそもコボちゃんが後ろにいたから踏まれたのだという事実は無視して。
●
怪獣には重みがないのでいまいち動きが定まらず、確保しづらい。
それを解消するために、ムーシカは、自分が中に入ることを思いついた。
「ああやってお腹にちゃんと入り口がついているから、簡単だと思うんだよね」
「え? 大丈夫ですかねえ……中に瘴気が詰まっている可能性もありますし……」
「だいじょぶだいじょぶ、防性強化があるから」
ティリルへ自信満満言い放ったムーシカは、怪獣の視界に入らないようにしつつ、至近距離まで接近。
「近くで見るとおっきいなー……」
歩く動きに合わせ上下する腹にえいっと飛びつき潜り込む。すぐさま楽しそうな声が聞こえてきた。
「わー、これすっごく弾むー! わーいわーい!」
ひとまず問題なかったようだ。
腹の中でムーシカが動き回るせいで、怪獣の足取りが鈍った。ザレムは馬の速度を落とし、肝腎要の空気穴を捜す。
「えーと、大抵こういうのはケツに……あった!」
尻尾の付け根、目立たない場所にそれが見えた。間違いないか再度確認し、回りに呼びかける。
「中で押さえる隙に栓を頼んだぞ。ムーシカだけだと重さが足りないようだからな!」
馬から飛び降り怪獣の腹に入るザレム。
怪獣は完全に足を止め右に傾いた。倒れまいと尻尾も動員し踏ん張る。そこへ観智がウィンドガストを発動させ、左側から風をぶつける。
ティリルはますます傾いてきた怪獣を囲むよう、結界を張った。詰め込まれている瘴気がいくらかでも緩和出来るかもしれないと期待して。
そこへアルマが真横から突っ込んでくる。
「天誅-!!」
全身全霊を込めてのヤクザ蹴り。たださえ斜めっていた怪獣はこの一撃でついに引っ繰り返る。
「うわわわ!?」
「おわっ!?」
内側にも結構な衝撃が伝わったらしい。ムーシカとザレムの叫び声がした。
それはさておき千載一遇のチャンス。
ノーマンは素早く接近し、空気穴の栓に手をかける。観智とエルバッハは、向かい合う形でアースウォールを作り上げた。ちょうど真ん中に怪獣が挟み込まれてしまうように。
起き上がれず足をバタバタさせる怪獣。
ムーシカはその中からはい出し、借りてきたロープとペグを手に、更なる固定を試みる。
「ボルドーさん、ロープかけるの手伝ってー」
「おお、分かった。こっちに端を投げろ」
御伽噺の巨人のように紐をかけられた怪獣の空気穴から、すぽんと栓が抜かれた。
漏れだしてきたのは、ぼんやり灰色がかった気体。煙ではない。風の向きと反対方向に漂い、逃げて行こうとするのだから。
(浄化される様なものなら良いけれど……)
もしかしたら可燃性かも知れないので、観智は、気体がある程度怪獣本体を離れるまで待つ。それから、ファイアーボールをぶつけてみた。
ポンと軽い音を立て、火花が散った。
さしたる威力ではないと確認出来たので、今度はもっと近いところから浄化を行う。一連の作業を繰り返しているうち瘴気はどんどん薄くなり――やがて、完全に消えてしまった。
エルバッハは感慨深げに呟く。
「いろんな歪虚との交戦経験はありますが、エアドームというのは初めてでしたね」
一件落着。後は片付けだけ。だがティリルはなんとなく、釈然としなかった。
「しかし、誰がこんな悪さをしたのでしょうか? 何か術の痕跡のようなものがあればいいのですけどー」
占術を使い、ちょっと占ってみる。結果は、はなはだ漠然としたものだった。
「『北より来る』?」
ところで怪獣の中にはまだザレムがいた。
相手が完全に動かなくなるまで待った結果、空気がどんどん抜けてしまい、くたくたになった狭い空間に閉め込まれてしまったのである。
「袋詰めにされた気分だな……」
零しつつ出口に向け身をよじり、進む。
外では残りのメンバーが、早く全体の空気が抜け切ってしまうよう、怪獣のあちこちを押したり引いたり。ムーシカは上を歩き回り、膨らんだ部分を踏んで平らにのしていく。
「いてっ。誰だよおい今踏んだのは」
「あ、ごめんごめん。ザレムさんだったんだ。てっきり空気が残ってるのかなと思っちゃって」
「気をつけてくれよ」
早く出なくてはと焦るものの、方向感覚がつかめず、もだもだするザレム。
ノーマンはボルドー、エルバッハと協力し、彼が出てきやすいように、入り口のところを三方向から引っ張り開けてやった。
「おーい、出口はこっちですよ、こっち」
「お、ありがとな。いやー、久しぶりにエアドームに入ったよ」
苦笑しつつ出てきたザレムは、うー、という唸り声を聞く。
そちらに顔を向けてみれば歯を剥いているトイプードル、もといコボちゃん。口の周りにチーズと干し魚とパンとツナ缶と干し肉の食べかすをくっつけている。
「わわわわわしっ、わしっ、わしっ」
何か気に入らないことでもあるのか、吠え続けている。
「追い払っておくか」
躊躇いなく矢をつがえるボルドーを、エルバッハが手で制した。
「スリープクラウドで眠らせましょう。歪虚には効きませんでしたがこれになら、確実に効くはずです」
それをザレムが止めた。
「いやいや待て待て」
彼はポケットを探り、クッキーを出す。
「ほーら、これをやるから向こうに行っててくれ」
言って大きく振りかぶり、クッキーを投げる。
コボちゃんは真っすぐ食べ物を追いかけていった。
側で一連の流れを見ていた観智は、頬をかく。
「……あれだとすぐ戻ってくる気がしますが」
彼が言うとおり、コボちゃんはすぐさまクッキーを食べ尽くし戻ってきた。だけど再度の邪魔は出来なかった。アルマに捕まってしまったので。
彼はコボちゃんを(ハンターの力で)ぺちっとやり、肩を掴んで正座させた。
「歪虚に近寄ったら絶対にダメですッ! どれだけ心配したと思ってるんですか!?」
続けて涙ながら(ハンターの力で)揺すぶる。
「……今回は無事で良かったですけど。君の事、狩らせないでくださいよ、お願いですから……!」
激しい上下運動にコボちゃんの目はぐーるぐる。
「わわわわわわしししししし」
やっと離してもらえたコボちゃんを、今度はティリルがとっ捕まえる。
「コボちゃん、コボちゃん。他人に迷惑をかけてご飯を食べるのはめっ! ですよ ご飯がほしいならお手伝いすれば分けてもらえます」
毛むくじゃらな手を引き、走りだす。怪獣騒ぎによって散らばった羊たちを呼び戻すために。
「羊さん達を追い回しても食べちゃダメです。柵の中に追い込めば美味しいものがもらえますよ。追いかけっこゲームでご飯がもらえるんです! さあ、頑張りましょう!」
「わし!? わしいいいぃぃぃぃぃぃ」
ムーシカは平面になった怪獣を端から畳んで行く手を休め、ため息をつくアルマに尋ねた。
「どうするの? あのコボルド」
「可能ならソサエティに保護してもらう等対策とりたいんですけどね……歪虚に目をつけてしまったら流石に放置できませんし。聞き届けてもらえるかどうか分かりませんが……」
ノーマンは引きずられて行くコボルドの姿を見送り、肩をすくめる。
「興味は持ってもらえるんじゃないですかね。コボルドにしても、随分珍しい姿形してますから」
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/15 19:27:38 |
|
![]() |
作戦相談卓 ノーマン・コモンズ(ka0251) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/10/15 19:34:01 |