ゲスト
(ka0000)
【闇光】少年、無聊慰めに贈り物
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/10/26 09:00
- 完成日
- 2015/10/31 20:38
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●仮装
「トリック・オア・トリート! お菓子くれないといたずらするぞっ!」
プエル(kz0127)がエクエスを脅した。
エクエスは彼の格好の方が気になったが「はいはい」と言いながら、バスケットから焼きたての南瓜入りマフィンを渡した。
「……」
プエルは受け取った南瓜入りマフィンを口に放り込み、咀嚼後「違う」と訴える。
「そういうお祭りがあるらしいんだ! 僕も参加したい、じゃなかった……何か面白いことできるかもしれないじゃないか!」
その祭りについてプエルは説明し、レチタティーヴォみたいに悲劇の演出ができるかもしれないと力説する。
「だから仮装しているんですね?」
プエルの格好は「南瓜王子」と思わず呼びたくなる格好だった。白いブラウスにカボチャ色のスカーフにカボチャ色のボレロジャケット、カボチャのように膨れた膝までのズボンに白いタイツ。帽子はカボチャにツバが付いた形で、靴の先にもカボチャがついている。手には棒の先に顔が彫られた南瓜がつけられている。
「大変可愛らし……」
口を滑らせたエクエスをプエルは睨み付け、ハリセンで叩いた。
「うっ、痛くはないですね……いえ、あ、お似合いですよ、可愛らし……ぐふっ」
言い直したくせに同じことを言ったためプエルが膝を叩きこむ。エクエスは蹴られたところを抑え、前かがみで耐えた。
(女には見えないが……かっこいいとは程遠いだろうがっ!)
エクエスは必死に痛みに耐えつつ無言で文句を言う。
「あと、ジャック・オ・ランタンを用意したぞ」
プエルはエクエスを気にせず箪笥を開ける。そこから南瓜が5個転がり出た。それはプエルがステッキを振るとふわりと浮かぶ。
「マントも付けたんだ、かっこいいだろう」
胸を張るプエルに、エクエスはうなずいておいた。下手に可愛いと言えば、またどこを蹴られるか分からない。
「そういえば、こういった情報を得たと受け取りましたが」
「うん?」
手渡された手紙を読み始めたプエルの表情はみるみる曇った。
「あ、う、うう……レチタティーヴォ様がお怪我されたって、僕、どうしよう! 人間殺してマテリアル奪えばいいのかな、それともおそばに行って看病すればいいの? 無聊を慰めるために、こう何か仕掛け作れば……? そんな時間ないし。あ、でも、レチタティーヴォ様はお強いもの、だから、僕行かなくてもいいのかな。行っても何もできないし、あ、あう……どうしよう、どうしよう」
右往左往するプエルからエクエスは手紙を掠め取り読む。
「それは……」
行かなくていいと思います、とエクエスは応えようとしたが、プエルが飛び付いて彼の胸に顔をうずめる。
「……僕、レチタティーヴォ様がいなくなったら耐えられないよぉ」
涙が浮かびすすり泣き始める。
「あ、そうだ、僕、行ってくる」
「はい? え? 夢幻城ですか」
「うん。クロフェドとラトスに頼んでみる」
「ちょ、待ってくださいっ! その服装で……服装で……まあ、いいでしょう」
プエルは名案とばかりに部屋を飛び出した。
残されたエクエスは旅立つ準備を始める。
プエルのペットである憤怒の歪虚はおとなしく猫耳カチューシャを付けていたが、すでに仮装はいらないと知ったらしくそれを炭に変身させた。
●墜落
「うわああああああああああああああああああ」
プエルは高い所から落ちていた。人間のキャンプも見えるため、色々と面倒臭いことがよぎる。
(絶対、この荷物はレチタティーヴォ様に届けるんだ!)
ボスッ。
雪深い所に落ち、大きな怪我はしないで済んだ。
「……うわぁ……どうしよう」
夢幻城につくはずだったのだ。
「あれ? モフリとエクエスは?」
雪だまりから出て道に出た。荷物もきちんと持っている。
目の前には人間の兵士たちがいる。見回りでもしていたのだろうか。
「なんか落ちてきたと思ったが子どもか」
もこもこのコートを着て、フードをかぶっているために姿がよく見えないのが災いだった。
「坊や? ハンターだったら悪いな。落ちて来てた理由は分からないが、キャンプはあっちだよ」
親切に教えてくれるが、プエルは黙っている。
荷物を持ったままキャンプ地とは逆に足を向ける。
「そっちに行くと汚染地域になるから」
ポンと肩に触れる。
「離せ、余に気安く触るな」
荷物を足元に置いたプエルは背中に負った大剣を引き抜き、兵士たちを叩き斬る。
一人逃げようとしたため、大剣を地面に突き刺してから魔法を紡ぎ矢として射放った。
人間が気付きやってくる。
「……むう……こんなこともあろうかと!」
プエルが落ちていたあたりからジャック・オ・ランタンが現れる。
「あ、エクエス!」
汚染区域に見えるエクエスとモフリに向かって、プエルは剣をしまい荷物を持って走り出した。
「余は急がないといけない! レチタティーヴォ様のためにっ!」
「トリック・オア・トリート! お菓子くれないといたずらするぞっ!」
プエル(kz0127)がエクエスを脅した。
エクエスは彼の格好の方が気になったが「はいはい」と言いながら、バスケットから焼きたての南瓜入りマフィンを渡した。
「……」
プエルは受け取った南瓜入りマフィンを口に放り込み、咀嚼後「違う」と訴える。
「そういうお祭りがあるらしいんだ! 僕も参加したい、じゃなかった……何か面白いことできるかもしれないじゃないか!」
その祭りについてプエルは説明し、レチタティーヴォみたいに悲劇の演出ができるかもしれないと力説する。
「だから仮装しているんですね?」
プエルの格好は「南瓜王子」と思わず呼びたくなる格好だった。白いブラウスにカボチャ色のスカーフにカボチャ色のボレロジャケット、カボチャのように膨れた膝までのズボンに白いタイツ。帽子はカボチャにツバが付いた形で、靴の先にもカボチャがついている。手には棒の先に顔が彫られた南瓜がつけられている。
「大変可愛らし……」
口を滑らせたエクエスをプエルは睨み付け、ハリセンで叩いた。
「うっ、痛くはないですね……いえ、あ、お似合いですよ、可愛らし……ぐふっ」
言い直したくせに同じことを言ったためプエルが膝を叩きこむ。エクエスは蹴られたところを抑え、前かがみで耐えた。
(女には見えないが……かっこいいとは程遠いだろうがっ!)
エクエスは必死に痛みに耐えつつ無言で文句を言う。
「あと、ジャック・オ・ランタンを用意したぞ」
プエルはエクエスを気にせず箪笥を開ける。そこから南瓜が5個転がり出た。それはプエルがステッキを振るとふわりと浮かぶ。
「マントも付けたんだ、かっこいいだろう」
胸を張るプエルに、エクエスはうなずいておいた。下手に可愛いと言えば、またどこを蹴られるか分からない。
「そういえば、こういった情報を得たと受け取りましたが」
「うん?」
手渡された手紙を読み始めたプエルの表情はみるみる曇った。
「あ、う、うう……レチタティーヴォ様がお怪我されたって、僕、どうしよう! 人間殺してマテリアル奪えばいいのかな、それともおそばに行って看病すればいいの? 無聊を慰めるために、こう何か仕掛け作れば……? そんな時間ないし。あ、でも、レチタティーヴォ様はお強いもの、だから、僕行かなくてもいいのかな。行っても何もできないし、あ、あう……どうしよう、どうしよう」
右往左往するプエルからエクエスは手紙を掠め取り読む。
「それは……」
行かなくていいと思います、とエクエスは応えようとしたが、プエルが飛び付いて彼の胸に顔をうずめる。
「……僕、レチタティーヴォ様がいなくなったら耐えられないよぉ」
涙が浮かびすすり泣き始める。
「あ、そうだ、僕、行ってくる」
「はい? え? 夢幻城ですか」
「うん。クロフェドとラトスに頼んでみる」
「ちょ、待ってくださいっ! その服装で……服装で……まあ、いいでしょう」
プエルは名案とばかりに部屋を飛び出した。
残されたエクエスは旅立つ準備を始める。
プエルのペットである憤怒の歪虚はおとなしく猫耳カチューシャを付けていたが、すでに仮装はいらないと知ったらしくそれを炭に変身させた。
●墜落
「うわああああああああああああああああああ」
プエルは高い所から落ちていた。人間のキャンプも見えるため、色々と面倒臭いことがよぎる。
(絶対、この荷物はレチタティーヴォ様に届けるんだ!)
ボスッ。
雪深い所に落ち、大きな怪我はしないで済んだ。
「……うわぁ……どうしよう」
夢幻城につくはずだったのだ。
「あれ? モフリとエクエスは?」
雪だまりから出て道に出た。荷物もきちんと持っている。
目の前には人間の兵士たちがいる。見回りでもしていたのだろうか。
「なんか落ちてきたと思ったが子どもか」
もこもこのコートを着て、フードをかぶっているために姿がよく見えないのが災いだった。
「坊や? ハンターだったら悪いな。落ちて来てた理由は分からないが、キャンプはあっちだよ」
親切に教えてくれるが、プエルは黙っている。
荷物を持ったままキャンプ地とは逆に足を向ける。
「そっちに行くと汚染地域になるから」
ポンと肩に触れる。
「離せ、余に気安く触るな」
荷物を足元に置いたプエルは背中に負った大剣を引き抜き、兵士たちを叩き斬る。
一人逃げようとしたため、大剣を地面に突き刺してから魔法を紡ぎ矢として射放った。
人間が気付きやってくる。
「……むう……こんなこともあろうかと!」
プエルが落ちていたあたりからジャック・オ・ランタンが現れる。
「あ、エクエス!」
汚染区域に見えるエクエスとモフリに向かって、プエルは剣をしまい荷物を持って走り出した。
「余は急がないといけない! レチタティーヴォ様のためにっ!」
リプレイ本文
悲鳴を聞きつけたハンターたちは白いもこもことしたコートとブーツの少年らしい人影を見るが、ジャック・オ・ランタンに行く手を遮られる。
「距離は問題ありませんね……行きますっ」
ミオレスカ(ka3496)はマテリアルを活性化し、矢を放った。矢を縫って避けるジャック・オ・ランタンもいるが、動きを阻害された物もある。
(可愛らしいなりをしていてもやはり歪虚だな。全力をもって狩る)
現場に倒れた兵士を見て、アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)はゴースロンの手綱を握る。ミオレスカの矢を合図に敵と距離を詰めるべく馬を進める。
「優男と毛玉……ジャック・オ・ランタンの間にいるもこもこしたのは……」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)はこれまでプエルが殺した幾人かを見てきている。今を逃せば、倒す機会を逸するかもしれない。
「箱? なんだろう、何もっているんだろう? すっごく見たい……近くまで乗せて!」
リンカ・エルネージュ(ka1840)はちらりと見えた歪虚の持つ木箱に好奇心がうずいた。まずはジャック・オ・ランタンを狙うべき魔法を使おうとするが、移動時間を考え馬を持つ人に頼む。
近くにいたレイオスが手を差し出しその馬に乗せた。
「こんなところに出て来るとは」
ロニ・カルディス(ka0551)は眉をひそめると馬を駆る。
(知性があるのは、それなりに位のある歪虚ということ。ならば、その実力も楽しめる相手ということ。さあ! わしを楽しませろぉ!)
バルバロス(ka2119)は目をらんらんと輝かせつも、仲間の動向を意識して行動をする。
●南瓜祭り
必死に走ることとなったプエル。
「魔導バイク持って来ればよかった!」
ブツブツ言っても仕方がないため、少しでも距離を稼ぎ、歪虚には有利に働く地域に入ろうとする。
「邪魔だっ!」
まず接敵したアルトがジャック・オ・ランタンを一体撃破する。そして、そのまま先に向かうため、馬を向けた。それに続くようにバルバロスが馬を止めずにジャック・オ・ランタンの間を抜けていく。
ジャック・オ・ランタンもじっとはしておらず、動けるものがファイアアローを放った。アルトは難なく避けたが、レイオスに向かった炎の矢は鋭く回避ができなかった。
●恐怖より楽しさを
追いつかれてはいないが、背後に迫る馬の音が恐ろしい。
「レチタティーヴォ様にトリック・オア・トリートと言ったらどうなるだろうか」
楽しいことを考えて全力でプエルは走る。
「お前らなんかに用はねぇ! 飾りなら飾りらしく道の端で燃えてやがれ」
レイオスは接敵後、ジャック・オ・ランタンを薙ぎ払う。
「ライトニングボルト」
まだ先があるので馬に乗ったままリンカが魔法を放つ。いい位置ではないが一直線の雷撃はジャック・オ・ランタンを巻き込む。
「南瓜は今が旬ではあるが、敵にしてもいささか見飽きたな」
ロニはジャック・オ・ランタンの中心ともいえる場所で、サイズをくるりと回し石突で地面を付いた。光がパッと広がり、ジャック・オ・ランタンを包んだ。
これらの攻撃により4体のジャック・オ・ランタンは塵になり消えた。
三人は仲間を追いかける。
●位置は微妙
前に割り込んだアルトにプエルは足を止めざるを得なかった。
彼女は馬を止めると下馬し、馬に逃げるようにと指示を出す。汚染地域に覚醒者でもない馬にはつらい。アルトはその間、プエルからもちろん目を離さない。
プエルも必死に迂回して逃げようとする。
「レチタティーヴォと聞こえたが、あの腰抜けの部下か? 戦いもせずに逃げた!」
アルトのあざける声にプエルは反応した。もこもこフードの下で怒りの形相を作る。
「レチタティーヴォ様を愚弄するなっ!」
「プエル様、何簡単な挑発にかかっているんですか!」
エクエスは忠告しつつ、アルトに向かってボウガンを放つが回避される。その際、矢の向きがプエルに向かう危険性を察知し冷や汗をかく。
「荷物、嫌な気がするし」
アルトは武器を構えると攻撃を仕掛ける。
プエルは間一髪で避けるところだったが、荷物がそれを受けてしまった。
粉々になって落ちる木片と南瓜のような塊。
「また雑魔でも増やそうとしていたか?」
プエルは大剣を引き抜き、アルトの後方に周りこむように動いた。
「余が彫ったただのジャック・オ・ランタンだ! 上手くできたから見せようと思って、レチタティーヴォ様のために一つ取っていたのにっ!」
キンとした声がところどころで混じる。
怒っているのも分かるが、何か拍子抜けするような言葉である。もちろん、額面通りの言葉ではなく、別の道具で凶悪な武器に代わるかもしれない。
●攻防
アルトとプエルが対峙してから、仲間が追いつく。
「あの、あなたたちは何をしているのですか?」
ミオレスカは銃で攻撃する位置を取るため移動しつつ尋ねる。人間を攻撃するならキャンプ地に下りればいいのだが、変なところに来てすぐに外に向かって逃げる不可解に思う。
「余はただ、レチタティーヴォ様の無聊を慰めるために向かっているだけだ! 人間に興味はない!」
プエルは律儀に答えつつも、周囲に目を向け逃げようとしている。
「ここでお前が滅べば、慰められるだろう」
アルトは余裕を持って攻撃をするが、プエルは睨み付け回避する。
「そんなにレチタなんとかは怪我をしたのか? オレがブチ当てた矢は予想以上に効いていたようだな」
レイオスは北方での初戦を思い出しつつ、挑発し攻撃をした。残念なことに大して効いていなかったとは手ごたえのなさで本人がよく分かっていた。
「なんだって! お前のような……者に?」
驚きでいっぱいの顔のプエルは鋭い突きを軽くステップを踏んで避けた。
「雪合戦っ! とはいかないけれど……」
リンカはマテリアルを紡ぎ水の塊を投げつける。
「冷たいから不要だっ!」
プエルをかすってそれは飛んだ。
「神よ」
「神なんてまやかしだ、祈っても……う、うわっ」
ロニのセイクリッドフラッシュにプエルは悲鳴を上げる。
「うおぉぉぉぉ」
気迫一杯にバルバロスが武器を振るう。
「うあああ」
プエルは声に気を取られ、矢継ぎ早の攻撃に回避が乱れた。バルバロスの強力な一撃は、体が粉砕されるほど痛みが走る。
怒りに震えるプエルは大剣を引き抜きざまに攻撃をした。当たりも避けられもして、むっとした顔でプエルは汚染地域に足を向ける。
エクエスは境界をまたいで近づく、さすがにこのままでは危険だと判断したからだ。
モフリは汚染地域にとどまりじっとしている、炎を噴き上げ怒っているようだがいつものことともいえる。
「逃がしませんよ」
ミオレスカの攻撃をプエルは避けるが、他のハンターの猛攻を食らう。
プエルはとうとう膝を地面に付けた。諦められない、後少しで汚染地域だ、優位にことは運ぶ場所だ。
プエルの目が焦点を失うのを、前で攻撃を見ていたアルトとレイオスそしてバルバロスは見た。一気にたたみかけるべきだが、半瞬足がすくんだ。
小さい体に収まっていたとは思えない負のマテリアルを感じたからだった。目に見えるならプエルを中心にそれは渦巻いている、そう感じた。
「……父上……僕は独りなの? ……レチタティーヴォ様……僕は……」
か細い声が漏れるが明瞭ではない部分が多く、何を言っているの分からない。
「プエル様っ! こちらにっ」
エクエスの声が鋭く迫る。
この声はプエルを正気に戻し、負のマテリアルに気を取られていたハンターをも現実に戻した。
「その荷物、気になるっ」
リンカはエクエスに向かってウォーターシュートをぶつけるが、回避される。
ロニが放つ魔法は必死のプエルがエクエスの方に逃げるように回避してしまった。プエルは大剣を引きずったまま転がるように。
「エクエス……」
「だから言ったではないですか、行く必要はない、と」
無駄に怪我をするだけ、危険に陥るだけなのだから。
「嫌だよ……余は、レチタティーヴォ様に褒めてもらいたいのに……もっと、余は……レチタティーヴォ様に……見捨てられたくないよぉ……」
プエルは泣いた、敵であるハンターがいるにも関わらず。気丈にふるまうだけの力はなかった。
エクエスは前方に向かって武器を振るった。前に出ていた者たちに対し、鋭い衝撃波のようなものが来る。
プエルは鞘に大剣を収めた後、汚染地域まで転がるように走る。
必然、エクエスに対して攻撃をハンターは行う。ただ、弱っているプエルを逃すつもりもなく、汚染地域でも遠くに行かないならそこで攻撃すればいいとも考える。
「どうです、ひとまず……これを差し上げますから見逃してくれませんか?」
エクエスはにやりと笑いながら告げる。トランクを気にしているハンターの視線も感じていたから刺激するように。
「どうせ、ロクな物じゃないだろう」
アルトは武器を構えてプエルとエクエスの動きを見る。
「そうですね、ロクな物ではないですよ」
エクエスは苦笑しつつ応じた。
「それも置いてお前の歪虚としての命も置いて行けよ」
「それは欲をかきすぎですよ。プエル様からの援護もありますし」
レイオスは内心舌打ちをする。まだ味方の体力にも技も問題ないのは分かっているので畳み掛けられるのだが、中身が分からないのも気持ちが悪い。
「見たい……何が入っているのかな」
「それをお見せいたしますから、どうか見逃してください」
リンカにエクエスはにこやかに話かける。
「詐欺師ぽいが」
ロニは引く気はないが、欲をかくとろくなことにならないのも事実であり、追い出すだけでもまずは良しと考える。
「じりじりと下がるな、貴様を殺せば、歪虚の戦力は減るわけだ」
バルバロスは武器を振りかぶる準備に入る。
「……私のような弱い歪虚を倒したところで戦況が変わるとは思えませんが」
エクエスはトランクを前に出している。
「エクエス、渡したら駄目だから」
先程までの攻撃の仕返しとばかりに、プエルはバルバロスに魔法の矢を放った。
「そうですね、置いて行ってください」
ミオレスカはエクエスに銃を向けたまま告げる。
「プエルには攻撃当たっていましたが、どうやらこの方は元気すぎて避けられてばかりです」
「運が強いってこと」
アルトは納得いかないとばかりにエクエスに攻撃を仕掛けた。マテリアルを込めた全力の攻撃に、エクエスは回避しきれず大損傷する。
「うわぁあ、エクエス!」
プエルが悲鳴を上げ、近づきかかるが自分の状況を考えて踏みとどまる。
この後に続いた攻撃は切り抜け、エクエスは荷物を放り投げて逃げた。
「ちょっ!」
エクエスが放ったトランクは偶然にアルトに向かって行く。これを剣で受けるのも恐ろしく、全力で避けた。
追い打ちをかけるにも逃げると決めた歪虚たちは早く、雪景色の中に紛れて行った。
「城がある方向……か」
ロニはつぶやいた。歪虚が夢幻城を目指すのは、拠点の一つと考えると納得できた。
●箱の中身は?
何の変哲もないトランクが一つ転がっている。
「開けるにしても……」
ミオレスカは不安気に見つめる。歪虚の持つ物がまともなはずはないとは思っているが、壊れた箱と南瓜を見ると何も害がない物だったのではと思えてしまう。
「そっとしておく?」
リンカは好奇心とは別に、放置するのも問題だとは分かっているが尋ねる。
「こうしていてもらちが飽かない。離れて」
兵士たちが生きているなら、手当もしたいと考え、時間が惜しかったアルトは、仲間に距離を置くように言う。
ハンターたちはリンカが作ったアースウォールに隠れる。
ロニはいつでも回復魔法を唱えられるようにじっとアルトを見つめる。
気合を入れて開けたアルトは沈黙した。
かたずをのむ仲間は何か精神に関する魔法でもかけられたのかと不安にも思った。
「アルト、大丈夫か」
レイオスが警戒しつつもアルトに向かう。
「これ、何!」
アルトは手元にあった南瓜が付いた靴を放り投げた。それと、グラズヘイムの貴族の子息が着るような服が手に握られる。
「呪われているとか!」
リンカが緊張して尋ねるが、アルトは首をかしげる。
「追撃して戦力をそぐべきだった」
バルバロスは怒りとも平常とも取れるつぶやきを漏らした。
「……ただの服だな……」
ロニはうんざりした顔でカボチャの帽子などハロウィンの名残りを眺めた。プエルのコートの下も南瓜色だった。
「なんか気の毒なことをしました……」
「それはないよ、ほら、これが実はすごい物だったら」
ミオレスカはリンカに突っ込まれてうなずいた。
ハンターたちは馬で戻り、兵士たちの状況を確認する。
さすがに歪虚の攻撃は防げていなかったようだ。彼らを埋葬するため、キャンプ地に戻ことになる。
「……手ごたえはあった」
レイオスはこれまで煮え湯を飲まされるような思いを積み重ねて来ていたが、今回は撃破できる道を見つけた。
「強いと言っていたけど弱いじゃない?」
アルトは豪語するが当たらなければ意味はないと痛感はしている。
「久しぶりの仕事……なんとか終わりました」
ほっとリンカは息を付いた。
「良かったですね……これ以上、被害は出したくないです」
ミオレスカは渋面になった。
「物足りん」
バルバロスはあと一歩で追い詰められたと言う感触を手に、どこか嬉しそうではあった。
「城にいるかもしれんが……もっと強い歪虚がいるんだろう……」
ロニはざわつく気持ちで、空を見上げた。
●汚染地域
「エクエス、怪我は?」
プエルはとぼとぼと歩く。エクエスのコートを羽織っているが、寒さが心を弱くさせる。
「心配には及びません」
「もっと強くなりたいよ……どうして人間は強くなるのに僕はなれないの?」
「すでに……」
エクエスは何かを言いかけて口をつぐんだ。
「モフリ、お前は無事で良かったよ」
エクエスはモフリを見て舌打ちをして睨み付ける。
モフリはエクエスを一瞥した後、愛らしくプエルにすり寄った。
「距離は問題ありませんね……行きますっ」
ミオレスカ(ka3496)はマテリアルを活性化し、矢を放った。矢を縫って避けるジャック・オ・ランタンもいるが、動きを阻害された物もある。
(可愛らしいなりをしていてもやはり歪虚だな。全力をもって狩る)
現場に倒れた兵士を見て、アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)はゴースロンの手綱を握る。ミオレスカの矢を合図に敵と距離を詰めるべく馬を進める。
「優男と毛玉……ジャック・オ・ランタンの間にいるもこもこしたのは……」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)はこれまでプエルが殺した幾人かを見てきている。今を逃せば、倒す機会を逸するかもしれない。
「箱? なんだろう、何もっているんだろう? すっごく見たい……近くまで乗せて!」
リンカ・エルネージュ(ka1840)はちらりと見えた歪虚の持つ木箱に好奇心がうずいた。まずはジャック・オ・ランタンを狙うべき魔法を使おうとするが、移動時間を考え馬を持つ人に頼む。
近くにいたレイオスが手を差し出しその馬に乗せた。
「こんなところに出て来るとは」
ロニ・カルディス(ka0551)は眉をひそめると馬を駆る。
(知性があるのは、それなりに位のある歪虚ということ。ならば、その実力も楽しめる相手ということ。さあ! わしを楽しませろぉ!)
バルバロス(ka2119)は目をらんらんと輝かせつも、仲間の動向を意識して行動をする。
●南瓜祭り
必死に走ることとなったプエル。
「魔導バイク持って来ればよかった!」
ブツブツ言っても仕方がないため、少しでも距離を稼ぎ、歪虚には有利に働く地域に入ろうとする。
「邪魔だっ!」
まず接敵したアルトがジャック・オ・ランタンを一体撃破する。そして、そのまま先に向かうため、馬を向けた。それに続くようにバルバロスが馬を止めずにジャック・オ・ランタンの間を抜けていく。
ジャック・オ・ランタンもじっとはしておらず、動けるものがファイアアローを放った。アルトは難なく避けたが、レイオスに向かった炎の矢は鋭く回避ができなかった。
●恐怖より楽しさを
追いつかれてはいないが、背後に迫る馬の音が恐ろしい。
「レチタティーヴォ様にトリック・オア・トリートと言ったらどうなるだろうか」
楽しいことを考えて全力でプエルは走る。
「お前らなんかに用はねぇ! 飾りなら飾りらしく道の端で燃えてやがれ」
レイオスは接敵後、ジャック・オ・ランタンを薙ぎ払う。
「ライトニングボルト」
まだ先があるので馬に乗ったままリンカが魔法を放つ。いい位置ではないが一直線の雷撃はジャック・オ・ランタンを巻き込む。
「南瓜は今が旬ではあるが、敵にしてもいささか見飽きたな」
ロニはジャック・オ・ランタンの中心ともいえる場所で、サイズをくるりと回し石突で地面を付いた。光がパッと広がり、ジャック・オ・ランタンを包んだ。
これらの攻撃により4体のジャック・オ・ランタンは塵になり消えた。
三人は仲間を追いかける。
●位置は微妙
前に割り込んだアルトにプエルは足を止めざるを得なかった。
彼女は馬を止めると下馬し、馬に逃げるようにと指示を出す。汚染地域に覚醒者でもない馬にはつらい。アルトはその間、プエルからもちろん目を離さない。
プエルも必死に迂回して逃げようとする。
「レチタティーヴォと聞こえたが、あの腰抜けの部下か? 戦いもせずに逃げた!」
アルトのあざける声にプエルは反応した。もこもこフードの下で怒りの形相を作る。
「レチタティーヴォ様を愚弄するなっ!」
「プエル様、何簡単な挑発にかかっているんですか!」
エクエスは忠告しつつ、アルトに向かってボウガンを放つが回避される。その際、矢の向きがプエルに向かう危険性を察知し冷や汗をかく。
「荷物、嫌な気がするし」
アルトは武器を構えると攻撃を仕掛ける。
プエルは間一髪で避けるところだったが、荷物がそれを受けてしまった。
粉々になって落ちる木片と南瓜のような塊。
「また雑魔でも増やそうとしていたか?」
プエルは大剣を引き抜き、アルトの後方に周りこむように動いた。
「余が彫ったただのジャック・オ・ランタンだ! 上手くできたから見せようと思って、レチタティーヴォ様のために一つ取っていたのにっ!」
キンとした声がところどころで混じる。
怒っているのも分かるが、何か拍子抜けするような言葉である。もちろん、額面通りの言葉ではなく、別の道具で凶悪な武器に代わるかもしれない。
●攻防
アルトとプエルが対峙してから、仲間が追いつく。
「あの、あなたたちは何をしているのですか?」
ミオレスカは銃で攻撃する位置を取るため移動しつつ尋ねる。人間を攻撃するならキャンプ地に下りればいいのだが、変なところに来てすぐに外に向かって逃げる不可解に思う。
「余はただ、レチタティーヴォ様の無聊を慰めるために向かっているだけだ! 人間に興味はない!」
プエルは律儀に答えつつも、周囲に目を向け逃げようとしている。
「ここでお前が滅べば、慰められるだろう」
アルトは余裕を持って攻撃をするが、プエルは睨み付け回避する。
「そんなにレチタなんとかは怪我をしたのか? オレがブチ当てた矢は予想以上に効いていたようだな」
レイオスは北方での初戦を思い出しつつ、挑発し攻撃をした。残念なことに大して効いていなかったとは手ごたえのなさで本人がよく分かっていた。
「なんだって! お前のような……者に?」
驚きでいっぱいの顔のプエルは鋭い突きを軽くステップを踏んで避けた。
「雪合戦っ! とはいかないけれど……」
リンカはマテリアルを紡ぎ水の塊を投げつける。
「冷たいから不要だっ!」
プエルをかすってそれは飛んだ。
「神よ」
「神なんてまやかしだ、祈っても……う、うわっ」
ロニのセイクリッドフラッシュにプエルは悲鳴を上げる。
「うおぉぉぉぉ」
気迫一杯にバルバロスが武器を振るう。
「うあああ」
プエルは声に気を取られ、矢継ぎ早の攻撃に回避が乱れた。バルバロスの強力な一撃は、体が粉砕されるほど痛みが走る。
怒りに震えるプエルは大剣を引き抜きざまに攻撃をした。当たりも避けられもして、むっとした顔でプエルは汚染地域に足を向ける。
エクエスは境界をまたいで近づく、さすがにこのままでは危険だと判断したからだ。
モフリは汚染地域にとどまりじっとしている、炎を噴き上げ怒っているようだがいつものことともいえる。
「逃がしませんよ」
ミオレスカの攻撃をプエルは避けるが、他のハンターの猛攻を食らう。
プエルはとうとう膝を地面に付けた。諦められない、後少しで汚染地域だ、優位にことは運ぶ場所だ。
プエルの目が焦点を失うのを、前で攻撃を見ていたアルトとレイオスそしてバルバロスは見た。一気にたたみかけるべきだが、半瞬足がすくんだ。
小さい体に収まっていたとは思えない負のマテリアルを感じたからだった。目に見えるならプエルを中心にそれは渦巻いている、そう感じた。
「……父上……僕は独りなの? ……レチタティーヴォ様……僕は……」
か細い声が漏れるが明瞭ではない部分が多く、何を言っているの分からない。
「プエル様っ! こちらにっ」
エクエスの声が鋭く迫る。
この声はプエルを正気に戻し、負のマテリアルに気を取られていたハンターをも現実に戻した。
「その荷物、気になるっ」
リンカはエクエスに向かってウォーターシュートをぶつけるが、回避される。
ロニが放つ魔法は必死のプエルがエクエスの方に逃げるように回避してしまった。プエルは大剣を引きずったまま転がるように。
「エクエス……」
「だから言ったではないですか、行く必要はない、と」
無駄に怪我をするだけ、危険に陥るだけなのだから。
「嫌だよ……余は、レチタティーヴォ様に褒めてもらいたいのに……もっと、余は……レチタティーヴォ様に……見捨てられたくないよぉ……」
プエルは泣いた、敵であるハンターがいるにも関わらず。気丈にふるまうだけの力はなかった。
エクエスは前方に向かって武器を振るった。前に出ていた者たちに対し、鋭い衝撃波のようなものが来る。
プエルは鞘に大剣を収めた後、汚染地域まで転がるように走る。
必然、エクエスに対して攻撃をハンターは行う。ただ、弱っているプエルを逃すつもりもなく、汚染地域でも遠くに行かないならそこで攻撃すればいいとも考える。
「どうです、ひとまず……これを差し上げますから見逃してくれませんか?」
エクエスはにやりと笑いながら告げる。トランクを気にしているハンターの視線も感じていたから刺激するように。
「どうせ、ロクな物じゃないだろう」
アルトは武器を構えてプエルとエクエスの動きを見る。
「そうですね、ロクな物ではないですよ」
エクエスは苦笑しつつ応じた。
「それも置いてお前の歪虚としての命も置いて行けよ」
「それは欲をかきすぎですよ。プエル様からの援護もありますし」
レイオスは内心舌打ちをする。まだ味方の体力にも技も問題ないのは分かっているので畳み掛けられるのだが、中身が分からないのも気持ちが悪い。
「見たい……何が入っているのかな」
「それをお見せいたしますから、どうか見逃してください」
リンカにエクエスはにこやかに話かける。
「詐欺師ぽいが」
ロニは引く気はないが、欲をかくとろくなことにならないのも事実であり、追い出すだけでもまずは良しと考える。
「じりじりと下がるな、貴様を殺せば、歪虚の戦力は減るわけだ」
バルバロスは武器を振りかぶる準備に入る。
「……私のような弱い歪虚を倒したところで戦況が変わるとは思えませんが」
エクエスはトランクを前に出している。
「エクエス、渡したら駄目だから」
先程までの攻撃の仕返しとばかりに、プエルはバルバロスに魔法の矢を放った。
「そうですね、置いて行ってください」
ミオレスカはエクエスに銃を向けたまま告げる。
「プエルには攻撃当たっていましたが、どうやらこの方は元気すぎて避けられてばかりです」
「運が強いってこと」
アルトは納得いかないとばかりにエクエスに攻撃を仕掛けた。マテリアルを込めた全力の攻撃に、エクエスは回避しきれず大損傷する。
「うわぁあ、エクエス!」
プエルが悲鳴を上げ、近づきかかるが自分の状況を考えて踏みとどまる。
この後に続いた攻撃は切り抜け、エクエスは荷物を放り投げて逃げた。
「ちょっ!」
エクエスが放ったトランクは偶然にアルトに向かって行く。これを剣で受けるのも恐ろしく、全力で避けた。
追い打ちをかけるにも逃げると決めた歪虚たちは早く、雪景色の中に紛れて行った。
「城がある方向……か」
ロニはつぶやいた。歪虚が夢幻城を目指すのは、拠点の一つと考えると納得できた。
●箱の中身は?
何の変哲もないトランクが一つ転がっている。
「開けるにしても……」
ミオレスカは不安気に見つめる。歪虚の持つ物がまともなはずはないとは思っているが、壊れた箱と南瓜を見ると何も害がない物だったのではと思えてしまう。
「そっとしておく?」
リンカは好奇心とは別に、放置するのも問題だとは分かっているが尋ねる。
「こうしていてもらちが飽かない。離れて」
兵士たちが生きているなら、手当もしたいと考え、時間が惜しかったアルトは、仲間に距離を置くように言う。
ハンターたちはリンカが作ったアースウォールに隠れる。
ロニはいつでも回復魔法を唱えられるようにじっとアルトを見つめる。
気合を入れて開けたアルトは沈黙した。
かたずをのむ仲間は何か精神に関する魔法でもかけられたのかと不安にも思った。
「アルト、大丈夫か」
レイオスが警戒しつつもアルトに向かう。
「これ、何!」
アルトは手元にあった南瓜が付いた靴を放り投げた。それと、グラズヘイムの貴族の子息が着るような服が手に握られる。
「呪われているとか!」
リンカが緊張して尋ねるが、アルトは首をかしげる。
「追撃して戦力をそぐべきだった」
バルバロスは怒りとも平常とも取れるつぶやきを漏らした。
「……ただの服だな……」
ロニはうんざりした顔でカボチャの帽子などハロウィンの名残りを眺めた。プエルのコートの下も南瓜色だった。
「なんか気の毒なことをしました……」
「それはないよ、ほら、これが実はすごい物だったら」
ミオレスカはリンカに突っ込まれてうなずいた。
ハンターたちは馬で戻り、兵士たちの状況を確認する。
さすがに歪虚の攻撃は防げていなかったようだ。彼らを埋葬するため、キャンプ地に戻ことになる。
「……手ごたえはあった」
レイオスはこれまで煮え湯を飲まされるような思いを積み重ねて来ていたが、今回は撃破できる道を見つけた。
「強いと言っていたけど弱いじゃない?」
アルトは豪語するが当たらなければ意味はないと痛感はしている。
「久しぶりの仕事……なんとか終わりました」
ほっとリンカは息を付いた。
「良かったですね……これ以上、被害は出したくないです」
ミオレスカは渋面になった。
「物足りん」
バルバロスはあと一歩で追い詰められたと言う感触を手に、どこか嬉しそうではあった。
「城にいるかもしれんが……もっと強い歪虚がいるんだろう……」
ロニはざわつく気持ちで、空を見上げた。
●汚染地域
「エクエス、怪我は?」
プエルはとぼとぼと歩く。エクエスのコートを羽織っているが、寒さが心を弱くさせる。
「心配には及びません」
「もっと強くなりたいよ……どうして人間は強くなるのに僕はなれないの?」
「すでに……」
エクエスは何かを言いかけて口をつぐんだ。
「モフリ、お前は無事で良かったよ」
エクエスはモフリを見て舌打ちをして睨み付ける。
モフリはエクエスを一瞥した後、愛らしくプエルにすり寄った。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/10/24 16:32:52 |
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雪道のハロウィン ロニ・カルディス(ka0551) ドワーフ|20才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/10/26 03:16:08 |