訓練飛行

マスター:植田誠

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/11/02 19:00
完成日
2015/11/14 21:50

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 帝国領海……とはいっても、一般的な航路からはかなり離れた位置に存在する孤島。「グラウネーベル」と名付けられたこの島は、常に周囲を霧に覆われており、たどり着くことすら不可能であった。だが、それもハンターたちの協力により過去の事となり、現在は帝国軍第5師団が島に駐留している。その目的は……この島に多数生息しているグリフォンを捕獲、調教し軍事利用すること。グリフォンがたくさんいるからといっても、元来攻撃性の高い生き物だ。それ自体は困難を究めるだろうと考えられていた。だが、その想定はあっさり崩されることになる。
「意外なほど従順だな」
「えぇ。正直不気味なぐらいです」
 グリフォンの捕獲は驚くほど順調に行った。餌をチラつかせるとあっさりついて来てくれる。
「外敵のいないこの環境がグリフォン達の性格を大らかにしているのかもしれません」
「あるいは、何か仕掛けられたらすぐに返り討ちに出来る……なんて余裕の表れとか」
 この方面の指揮を執っているウェルナー・ブラウヒッチ兵長は冗談めかしてそう言った。だが、先日歪虚に襲撃を受けた時に島へ上陸していたハンターたちを連れて飛んできたグリフォンがいた。そしてハンターは「送らせる。乗るがいい」といった声を聞いたという。
(大幻獣の類がこの島にいて、それらが協力してくれていると考えるとこの状況も納得いかないわけではないが、実際のところはどうなのか……)
 確証が無い分ブラウヒッチ兵長も手放しでは喜べないといった心境ではあるが、四の五の言っていられる状況でないのも事実だ。第5師団のグリフォンは大規模作戦を重ねるごとに減少傾向にある。今迄はフェルゼン・ヴィーゼで生まれた、いわゆる養殖のグリフォンを投入しつつ騙し騙しやってきていたのだが、それもすでに限界にきていた。
「ここにはまだかなりのグリフォンがいるし、少なくとも団員全員に行き渡らせるぐらいの数は確保できるはずだ……輸送を急ぐとしよう」
 後は、これらを調教し戦闘に耐えうる状態に仕上げていく。無論それには多少時間が必要だが。


「……で、どうすりゃいいんだよ」
 一方、南部国境要塞。こちらでは師団長の代理を務めるオットー・アルトリンゲン兵長が二つの手紙を見合わせて頭を抱えていた。
 一通はブラウヒッチ兵長からのもの。もうすぐ新しいグリフォンが大量に到着するので調教の手筈等よろしくといったもの。そしてもう一つは前線にいるロルフからのもの。そこには大規模作戦の展開に対応するためグリフォンキャリアーの準備を行うようにという指示が書かれていた。
 グリフォンキャリアーというのは専用の荷台をグリフォン2頭で前後から挟みこむような形で配置した輸送仕様のことだ。荷台は広い籠の様になっており、通常の輸送以外にもフル装備の覚醒者を6名程。これにグリフォンの御者2名を含む8名程を運ぶことができる。グリフォン自体が戦闘可能ということも合わせて、戦場での空挺作戦や怪我人の後送などにも役立てられる。ただ、グリフォンの数自体が少ないため今まではそんなに数を用意してこなかった。それが、今回のグラウネーベル島の一件により解決方向に向かっている。
「そういう判断なんだろうけどよぉ……今から新しい奴の調教も合わせてやらなきゃいけねぇし。そっちに回すと人手が……」
 キャリアーもなんの準備もいらないというわけではない。荷台などの装備は手配すれば間に合わせるだろうが、問題はグリフォン。覚醒者の輸送等を行うとなると、人見知りなどされると困るので知らない人間にあっても落ち着けるようにするとか……大量の荷物を無理なく運ぶためにスタミナをつけてやったりするとか……
(そんなの知らない団長じゃないだろうし、緊急ってことか? そうなると新しいグリフォンは後回しで……いや、初動訓練は重要だ。放置するわけにもいかねぇ……)
 さんざん考えたあげく……オットーは閃いた。
「……そうだ。ハンターに依頼してみるのはどうだ?」
 さすがに初動訓練を任せるわけにはいかないが、キャリアーとして使うグリフォンはある程度訓練が進んだ個体だ。
「退役してる連中もかき集めて訓練に充てるとして……人手が集まるまでのつなぎとしては悪くないだろ。知らない奴が乗ることになればストレスに耐える訓練になるし」
 そう考えたオットーは、早速依頼書の作成に着手するのだった。

リプレイ本文


「つまり、俺達が訓練するのはある程度訓練が進んでるグリフォンということですか?」
 アルトリンゲン兵長から教わった基礎知識をメモしながらGacrux(ka2726)が尋ねた。フェルゼン・ヴィーゼ中央部。ハンターたちがアルトリンゲン兵長からグリフォンキャリアーの訓練に関して説明を受けていた。
「まぁ簡単に言うと人間は敵ではない、あんまり命令を無視しない程度のことは心得ていると思ってもらっていい」
「そうか。グリフォンに乗るのは初めてだからね。その方がありがたい」
 軍馬の扱いには長けているイーディス・ノースハイド(ka2106)。だが、さすがに王国ではグリフォンは一般的ではないらしい。
「なんにせよ、グリフォンの背中に乗るのは夢だったからね。頑張らせてもらうよ」
 サーシャ・V・クリューコファ(ka0723)は第5師団でも使われているゴーグルを首にかけやる気を見せる。
「それじゃ、グリフォンのとこに案内するぜ」
「いよいよか……責任重大だな」
 央崎 枢(ka5153)は幻獣の中でグリフォンが1番好きだから参加した。だが、戦場での騎乗に留まらず、戦場上空を人や物資の運搬で飛ぶ……戦闘全般に関わることをこなすグリフォン。その調教だ。下手なことはできない。
「この間島で乗せて貰ったグリフォン。また会えたらなって思ってたんだけど……」
「オレも。出来たら縁のある奴がいいなーっと。いないなら仕方ないけどさ」
 時音 ざくろ(ka1250)やレオーネ・インヴェトーレ(ka1441)は以前グリフォンの島……今はグラウネーベル島と名付けられた場所で実際に野生のグリフォンに乗っており、そのグリフォンがいればまた……と考えていた。だが、兵長の話を聞いて少し残念そうな表情を浮かべていた。
「あー、どうだろうな。様子を見るぐらいなら別に構わねぇけど、できれば訓練終わってからのほうがいいかな。そいつがいるのかはわかんねぇけど」
 そうこうしている間に、今回訓練するグリフォンたちのところについた。
「グリフォン……これに乗れるとはな、とても興味深い!」
「こっちに来てから俺が一度でいいからやってみたかったことがある。それは……空を飛ぶことだッ!! それが今叶うって思うとワクワクするぜ!」
 紫炎(ka5268)と岩井崎 旭(ka0234)を始め、ハンターたちは様々な思いを胸にグリフォンの前に立つ。こうして、第5師団員以外による初めての訓練が開始された。


 1日目~2日目は単独での飛行訓練だ。
「まずグリフォンに慣れることだ。最初の2日はそういう意図も含まれてる」
「……そう言えばこいつら名前付いてんの?」
「いや、訓練中だし特に固有名みたいなのはついてねぇかな。この辺りは色々事情が……まぁ面倒なことはいいか。なんかあれば好きに呼んでやってくれ」
「よっしゃ。それならそうだなぁ……お前は目元が鋭いから……酸味が旨味なマリネだ! よろしくな、マリネ!」
 兵長から許可も出たこともあり、旭は早速自分の担当するグリフォンに名前を付け連れ出す。
「ヴィルヒ……とかどうだろう。つむじ風という意味なんだが……」
 気に入ったのか、グリフォンはサーシャに顔を擦り付ける。
「……やっぱり可愛いなぁ」
 にこやかな表情を浮かべ、サーシャは担当のグリフォンを撫でる。
「グリフォンが相当好きなようですね」
「いや待て誤解だ。グリフォンが好きだからじゃ……いや、別に嫌いというわけでは勿論ないけど……」
 Gacruxの言葉に対し若干慌てるサーシャ。一応グリフォンを人間慣れさせるという目的があったらしいが、好きだからという事の方が本当の目的に見えなくもない。
「思っていた以上に大人しいのだな」
 意外そうに呟く紫炎。とはいえ、第5師団員以外の人間に会うことは無いのだ。少し挙動不審にも見える。
「やはり出来るだけ共にあることで友誼を深める……これが最優先だな」
 そう思い紫炎はグリフォンの身体をさすってやった。
 触れ合いを重視し、グリフォンと仲睦まじくやっていくというハンターが多い中、イーディスは少し違う。
「……悪くなさそうだね」
 鋭い目つきでイーディスを睨みつけるグリフォン。ハンターたちにあてがわれたグリフォンはフェルゼン・ヴィーゼで養殖された種だ。紫炎などが思ったように、どちらかといえば大人しい部類に入る。だが、イーディスが担当についてグリフォンは気性が荒そうだ。そして人を近寄らせないような気配……俺が認めた人間以外は乗せたくないという一種のプライドのようなものが感じられる。
「まずはグリフォンに私の事を認めさせるのが一番に行うべきことかな」
 威嚇に怯むことも無くイーディスはグリフォンに近寄る。その視線を逸らすことは無い。
「……よし、いい子だ」
 やがて根競べに負けたかのようにグリフォンは萎縮し頭を垂れた。
「さて、本当はシーザーも連れて来たかったんだけど……喰われたらさすがにな……」
 シーザーというのは旭の馬だ。だが、グリフォンの好物は肉。それも馬肉。訓練がある程度進んでいるとはいえ暴走しないとも限らないので兵長に連れてくるのは止められていた。
「こういう生態とかもちゃんと確認しておかないといけないね……」
「確かにな……まぁでもそれは後だ。先に行くぜ!」
 見送る枢を背に、旭はグリフォンに跨り飛んでいく。その飛行は縛りの無い軽やかなもの。グリフォンの意思を重視し、特に指示などは出していないからか。
「おお、すげぇ! なんだろ、言葉になんねーけど……すっげーーーーっ!」
 グリフォンは空を自由に飛ぶ。旭の意思、空を楽しむということを実行するかのように。
「楽しそうだな……こっちも行こうか」
 続いて飛びあがる枢とグリフォン。こちらもやはりグリフォンに任せてまずは飛んでみようという感じ。
「訓練用の設備は戦闘訓練用のものばっかりで使えなかったけど……これはこれで良かったみたいだね」
 自分を背に乗せ飛ぶグリフォンの様子を見て枢はそう考えた。
「よし、次はもう少し速く飛ぼ……」
 ざくろの言葉に従いグリフォンは速度を上げる。
「そう、いいよ……そこで宙返り」
 タイミング通りいかなければ、あるいは速度が乗っていなければ落ちてしまいかねないような動きだが、ざくろはグリフォンを良く乗りこなした。
「やるなぁ……こっちは、基礎からしっかりやっていこうぜ」
 その様子を見ていたレオーネ。同じように自由に乗りこなせたらと……そう思わないではないが、まずは無理せずじっくりと乗りこなす。グリフォンに乗ったのは例の島での1回きり。騎乗が得意とはいえないレオーネとしては当然の選択肢だった。
「そちらではありませんよ!」
 厳しく躾けているのはGacrux。こちらの指示とは違う方へ向かおうとしたらすぐに騎乗鞭で叱る。
「……っと、意外と難しいものですね」
 叱りつつ、グリフォンの背で態勢がふらつくGacrux。レオーネ同様、他の者と比べて騎乗があまり得意とは言えない様子だ。それを支えるようにグリフォンが空中で軽く動き、立て直す。
「よくやりましたね」
 そう言うと懐から地上から持ってきていた餌を取り出し手を伸ばした。
 一方、地上に留まっていたのはサーシャと紫炎。
「まずは触れ合いを重視して……と思ったんだけど」
「どうも落ち着かないようだな」
 グリフォンとともに地上を歩く。だが、グリフォンの方は忙しなく翼を動かしている。
 地上での速度も決して遅くは無い。だが、本懐はやはり空での動きなのだろう。
「……よし、それじゃ飛んでみようか」
 そう言って2人はグリフォンの背に跨った。
 訓練の後も各自グリフォンに対し様々なアクションを起こす。
「お疲れさん。明日も頑張ろうぜ!」
 旭は服を脱ぐと覚醒の影響で上半身が羽毛に覆われた状態でグリフォンに抱き着く。今日の訓練を労う意図があるようだ。
 サーシャはさっそく餌を与えている。その表情はかなりほころんでいるようだ。餌を上げるという面々は多い。
 枢やGacruxも好物である肉を与えている。こうして過ごす時間を増やすことで信頼関係をしっかりと結びたいところだ。だが、二人とも勝手にえさを取ろうとするとそれを見逃さず叱る。これも調教の一環だ。
「褒める時は褒める……駄目なことは駄目とハッキリさせておかないと……」
 餌を取ろうとしたグリフォンを叱責し、枢は再度餌を与え始めた。
「ほら、食べると良い」
 イーディスの方では餌を上げつつブラッシングを施していく。先ほどまでは終始萎縮していたグリフォンが少しリラックスしてきたように見える。
 こうすることでグリフォンに相手が大事にしてくれていると理解させることで信頼関係を構築しようというつもりだ。こういった調教課程は軍馬に対するものと同様なのかもしれない。
「さて、私は少し休むとするかな」
 餌を一通り上げた紫炎は毛布を手にグリフォンの側で寝転がる。こうして少しでも早く、友好な関係を結びたいということだろう。
「でも……」
 グリフォンにブラッシングをしながら、ざくろはふと目を伏せ考える。このグリフォン達と同じように、あの島にいたグリフォン達も訓練を行うことになるのだろう。その目的は言うまでもない……戦うため、だ。
「あの声の人も、ほんとにそれでいいのかな……」
「どうかしたか?」
「あ、ううん。なんでも……レオーネ、あの時の声。誰の声だったんだろうね……」
「……さぁ。グリフォンの神? 噂の大幻獣とか? わかんねぇな……」
 ざくろの隣でブラッシングをしていたレオーネも耳を傾けていたようで、同様に物思いにふける。


 2日目、Gacruxの提案したグリフォン同士の追いかけっこを経て3日目からはキャリアーとしての訓練。ここからはペアでの飛行となる。
「2頭の息が完璧じゃないとだめだ……って程じゃないけどよ。物をのせて飛ぶわけだからあんまり傾かれても困るぜ。その辺承知しておいてくれ」
 兵長の言葉に耳を傾けながら各々のグリフォンにキャリアー用の荷台を装備させていく。
「そっちは大丈夫か?」
「あぁ。問題無さそうだ」
 旭はイーディスとともに念入りに荷台の取り付け部分をチェックする。
「せっかく運ぶのを手伝ってくれるわけだし、人間側のヘマで飛ぶのが台無しになっちゃ悪いからな」
「いい心がけだね。だが、任務に使うのだから、今日も自由に飛ばせるというわけにはいかないからね」
「そんぐらいは分かってるって……窮屈な飛行になるかもしれないけど、勘弁してくれよ?」
 ざくろはレオーネと組み荷台を取り付ける。
「霧の島での経験もいかして……結果的には女装コンビで組むことになったな、よろしく!」
「お、男の娘でも、女装コンビでもないから! この服は冒険家の正装だもん!」
 レオーネの言葉に慌てふためくざくろ。そんな中準備は着々と進み、終わったものから飛び立っていく
「さぁ、まずは安定して飛ぶことが第一だ。Gacrux、そちらは準備大丈夫か?」
「もちろんです。飛行速度、高度合わせは忘れずにお願いしますよ」
「了解。それじゃ行くとしよう」
 サーシャ、Gacruxも飛び出す。本当はここで餌を付けた竿を使って調教に使おうと考えていたGacruxだが、乗り込む前にグリフォンに捨てられてしまった。その眼は語っていた「それはバカにしすぎだ」と。そのグリフォンの意思通り、順調に2人は空を飛ぶ。
「OK、その調子だよ」
 同様飛んでいるのは枢と紫炎の組。旭、イーディス組と同じく即席だが悪くない。
「ペアでやるのは応用訓練……というつもりだったが、意外と上手くいくものだな」
 この辺りは、これまで……たった2日間という短い短期飛行訓練の間に彼らが上手くグリフォンとの信頼関係を結ぶことが出来たあかしとも言えるだろう。
「後はこの調子で、荷物の重量を増やしていくだけっすね」
「あぁ……ともあれ油断はしないようにしなければな」
 こうして3日目も過ぎていく。4組のグリフォンキャリアーはそれぞれ順調に空を飛ぶ。その様子は兵長の目から見ても満足のいくものだった。


 4日目を終え5日目……最終日。終わりを告げに来た兵長が見たのはそこには重量ギリギリまで荷物を積み飛ぶグリフォン達の姿だった。
 当初は突飛な案かと兵長自身も思っていたが、終わってみれば現役の調教師さながらと言えるレベルまでハンターたちはグリフォンを仕上げていた。
「本当はもう少し色々できたらよかったんだけど……戦闘音に動じないための訓練とか」
「そのあたりは正規の兵に任せるしかないな。この期間ではよくやれた方だろう」
「それならいいんすけどね」
 枢の少し残念そうな言葉に紫炎が返す。
 二人と同じタイミングで地上に降りたのはサーシャと、Gacrux。もうこれで別れなければいけないのが残念そうなサーシャを尻目に、Gacruxはすぐにその場を立ち去ろうとする。
「ちょっと待ちなよ。せめてお別れぐらい……」
「名残惜しいのは確かですが……動物に情は残しません」
 グリフォン達は彼らの乗騎ではない。別の人間が戦場で乗ることになるだろう。自分たちにだけ懐かせるわけにもいかないと、そういう意図も含まれていただろうGacruxの言葉。だが……
「ですが……そうですね」
 振り向き戻ってきたGacruxは最後に一度だけ、グリフォンの頭を撫でる。餌を与える以外での褒美に対し、グリフォンがどう思ったのか……それはグリフォンの表情を見れば言うまでも無かった。
「さて、依頼も終わりだし、例の島から来た奴らを見に行くか?」
「いいの!?」
「まぁ構わねぇさ……今まで乗ってたグリフォンが妬くかもしれねぇがな」
「う、それは……」
 折れてきたところにそう言われ頭を抱えるざくろ。その横からレオーネが兵長に言う。
「今回のことで役に立つってことが分かってもらえたと思うし……このままオレたちのこと雇いません? オレとかAPV所属だし、グリフォン以外でも色々できますよ」
「お、売り込みか? アグレッシブなのは嫌いじゃねぇな」
 だが、兵長は少し考えた後……首を振った。
「でもまぁ……ハンターを辞めるぐらいの覚悟があるなら考えてもいいけど、そうじゃないならちっと難しい……多分団長ならそう言うだろうさ」
「ちぇっ……そう言う事なら団長に直接売り込むか~」
「まぁ頑張ってくれや……後はあいつらで最後か」
 見上げると、丁度降りてきたのは旭とイーディス。
「上手くいったようだね。ペア、どうもありがとう」
「あぁ……訓練じゃなきゃ……」
「ん?」
「訓練じゃなきゃ、どこまで行けんだろーな」
 礼を言うイーディスに、旭はふとそんなことを呟く。
「ヴォイドがいなけりゃ、どこまででも行けそーだな」
 グリフォンの背を撫でながらその眼は遠く空の果てを見つめていた。

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 戦地を駆ける鳥人間
    岩井崎 旭(ka0234
    人間(蒼)|20才|男性|霊闘士
  • まないた(ほろり)
    サーシャ・V・クリューコファ(ka0723
    人間(蒼)|15才|女性|機導師
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 魔導アーマー共同開発者
    レオーネ・インヴェトーレ(ka1441
    人間(紅)|15才|男性|機導師
  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイド(ka2106
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 祓魔執行
    央崎 枢(ka5153
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • 聖盾の騎士
    紫炎(ka5268
    人間(紅)|23才|男性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
イーディス・ノースハイド(ka2106
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/11/02 01:09:02
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/10/30 19:36:01