ゲスト
(ka0000)
クス餅の逆襲
マスター:ミノリアキラ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/07 12:00
- 完成日
- 2015/11/16 08:47
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●クス餅を求めて
むきだしの土を踏む、車輪と蹄の音。
農作業をする村人たちの姿がちらほら見える。
見渡す限り、牧歌的な風景が続いている。
馬車の荷台に揺られながら、大きな荷物を背負った旅人はお礼を言った。
「乗せてくれてありがとうございました。助かりました」
「いやいや。それにしてもあんた、どうしてこんな田舎に来たのさ?」
「実は、クス餅というお菓子を探しに来たのです」
村人は不審そうな顔つきをしていた。
なんであんな当たり前の菓子を? とでも言いたげな顔だった。
クス餅、というどこかで聞き覚えのある菓子についての話を耳にしたのは、クリムゾンウェストでも秋が深まりはじめた頃のことだった。
それは、クスという植物の根から作られる透明な餅に砂糖を煮とかした蜜を入れたもので、今から向かう村の特産品でもある。
夏場に湧き水で冷やしたものがとくに好まれるのだそうだ。
「時期が遅くなってしまったので、まだ作っているかどうか、不安だったのですが」
「そんなら心配ねえよ。うちの村はあれがほんとに好きでよう、最近は、冬でもよく作ってるからな」
一晩、外に置いて、かちこちに凍ったのを暖炉の前で食べるのが流行しているのだそうだ。
(リアルブルーで言うところの……こたつに入ってアイスを食べる、みたいな感覚かな)
ぜひ、そのクス餅とやらを食べてみたい。
その一心で旅人は目的地を変更したのだった。
●招かれざる魔物
ちょうど馬車が村に入ったときのことだ。
旅人は女性たちの悲鳴を聞いて、馬車を下りた。
村の中央にある共同の水場から村の女性が逃げてくる。
旅人はひとりを捕まえて、事情をきいた。
「できたばかりのクス餅を冷やそうとしていたら、魔物が出たの!」
「なんですって、それは大変だ!」
旅人は荷物を下ろすと、その水場に走った。
広場の中央に石でできた大きな長方形の水盤が三つ、並んでいる。
湧き水をここまで引いてきて水を溜めているようだ。
それぞれの水盤には、ごみや雨水が入らないように屋根がついていた。
その近くに、ぶよぶよとした透明な体を震わせた生き物がいるのが見えた。
「あれは……スライムだ……。いやな予感がします」
その数は五体以上。
さほど強い魔法生物ではないが、数がそろえば厄介な上、個体差があり地域によっては特殊な能力を持つ個体も存在する。
ふるふると震えながら水盤のまわりにまとわりついている。
何をしているのか、ぶるりと体をよじらせる。
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
「分裂した……!」
スライムたちは二つに分かれながら、どんどん小さくなっていく。
ちょうど片手に収まるくらいのサイズになると、いっせいに水盤の中に飛び込んだ。
「まさか!!!」
慌てて水盤に駆け寄ると、そこには……。
水の中で冷たく冷やされた、大量のクス餅があった。
透明で丸い餅と同じ大きさになったスライムは判別ができない。
せめてクス餅の中身がリアルブルーで定番の甘味、アンコであったなら……。
しかし、クス餅の中に入っているのは砂糖を煮溶かした蜜で、ほとんど無色透明なのであった。
そのとき、背後に人の気配を感じて旅人は振り返る。
「旅人さ~ん! 大丈夫ですか~!?」
振り返ると、たくましい男性が農具を抱えて走って来るのが見えた。
旅人がひとり魔物がでた水場に向かったときいて、心配して駆けつけてくれた親切な村人だろう。
が、しかし。
「あっ、こんなところに作りたてのクス餅がア――――!」
不運としか言いようがない。
たまたま落ちていたクス餅が、男性の靴の下で弾けたのだ。
スッテーン!
プルプルとした餅に足をとられ、男性は勢いよくあおむけに倒れた。
「誰か止めて――!」
ドロリとした蜜によって摩擦を失った体が地面の上を勢いよく滑走する。
両足を天に向けたおっさんがギュンギュンと回転しながら水場のすぐそばに到着。
最後の締めといわんばかりに水盤から飛び出したクス餅……ではなく、スライムが、体全体に粘液を吐きかけた。
「アアッ―――――!!」
粘液を浴びた服は、ドロドロに溶け落ちる。
農作業で鍛え抜かれた逞しい胸筋、蜜と粘液の絡みついた体が、白日の下に晒け出された。
地獄絵図の完成である。
(やっぱり、そっち系だったか……)
一部始終を白い目で見守っていた旅人は、困り顔で首をひねる。
「うーん……どうしたものかな」
ハンターズソサエティに連絡するのは決まっているとして、擬態した敵がお菓子の中に紛れ込むとは。
あたかも、これまで人に食べられるだけの菓子に過ぎなかったクス餅が、反逆し牙をむいたかのような光景だ。
そのとき、旅人は発見した。
「あれは……?」
スライムとクス餅の入りまじった水盤の上に、恐るべき変化が現れていたのであった。
むきだしの土を踏む、車輪と蹄の音。
農作業をする村人たちの姿がちらほら見える。
見渡す限り、牧歌的な風景が続いている。
馬車の荷台に揺られながら、大きな荷物を背負った旅人はお礼を言った。
「乗せてくれてありがとうございました。助かりました」
「いやいや。それにしてもあんた、どうしてこんな田舎に来たのさ?」
「実は、クス餅というお菓子を探しに来たのです」
村人は不審そうな顔つきをしていた。
なんであんな当たり前の菓子を? とでも言いたげな顔だった。
クス餅、というどこかで聞き覚えのある菓子についての話を耳にしたのは、クリムゾンウェストでも秋が深まりはじめた頃のことだった。
それは、クスという植物の根から作られる透明な餅に砂糖を煮とかした蜜を入れたもので、今から向かう村の特産品でもある。
夏場に湧き水で冷やしたものがとくに好まれるのだそうだ。
「時期が遅くなってしまったので、まだ作っているかどうか、不安だったのですが」
「そんなら心配ねえよ。うちの村はあれがほんとに好きでよう、最近は、冬でもよく作ってるからな」
一晩、外に置いて、かちこちに凍ったのを暖炉の前で食べるのが流行しているのだそうだ。
(リアルブルーで言うところの……こたつに入ってアイスを食べる、みたいな感覚かな)
ぜひ、そのクス餅とやらを食べてみたい。
その一心で旅人は目的地を変更したのだった。
●招かれざる魔物
ちょうど馬車が村に入ったときのことだ。
旅人は女性たちの悲鳴を聞いて、馬車を下りた。
村の中央にある共同の水場から村の女性が逃げてくる。
旅人はひとりを捕まえて、事情をきいた。
「できたばかりのクス餅を冷やそうとしていたら、魔物が出たの!」
「なんですって、それは大変だ!」
旅人は荷物を下ろすと、その水場に走った。
広場の中央に石でできた大きな長方形の水盤が三つ、並んでいる。
湧き水をここまで引いてきて水を溜めているようだ。
それぞれの水盤には、ごみや雨水が入らないように屋根がついていた。
その近くに、ぶよぶよとした透明な体を震わせた生き物がいるのが見えた。
「あれは……スライムだ……。いやな予感がします」
その数は五体以上。
さほど強い魔法生物ではないが、数がそろえば厄介な上、個体差があり地域によっては特殊な能力を持つ個体も存在する。
ふるふると震えながら水盤のまわりにまとわりついている。
何をしているのか、ぶるりと体をよじらせる。
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
「分裂した……!」
スライムたちは二つに分かれながら、どんどん小さくなっていく。
ちょうど片手に収まるくらいのサイズになると、いっせいに水盤の中に飛び込んだ。
「まさか!!!」
慌てて水盤に駆け寄ると、そこには……。
水の中で冷たく冷やされた、大量のクス餅があった。
透明で丸い餅と同じ大きさになったスライムは判別ができない。
せめてクス餅の中身がリアルブルーで定番の甘味、アンコであったなら……。
しかし、クス餅の中に入っているのは砂糖を煮溶かした蜜で、ほとんど無色透明なのであった。
そのとき、背後に人の気配を感じて旅人は振り返る。
「旅人さ~ん! 大丈夫ですか~!?」
振り返ると、たくましい男性が農具を抱えて走って来るのが見えた。
旅人がひとり魔物がでた水場に向かったときいて、心配して駆けつけてくれた親切な村人だろう。
が、しかし。
「あっ、こんなところに作りたてのクス餅がア――――!」
不運としか言いようがない。
たまたま落ちていたクス餅が、男性の靴の下で弾けたのだ。
スッテーン!
プルプルとした餅に足をとられ、男性は勢いよくあおむけに倒れた。
「誰か止めて――!」
ドロリとした蜜によって摩擦を失った体が地面の上を勢いよく滑走する。
両足を天に向けたおっさんがギュンギュンと回転しながら水場のすぐそばに到着。
最後の締めといわんばかりに水盤から飛び出したクス餅……ではなく、スライムが、体全体に粘液を吐きかけた。
「アアッ―――――!!」
粘液を浴びた服は、ドロドロに溶け落ちる。
農作業で鍛え抜かれた逞しい胸筋、蜜と粘液の絡みついた体が、白日の下に晒け出された。
地獄絵図の完成である。
(やっぱり、そっち系だったか……)
一部始終を白い目で見守っていた旅人は、困り顔で首をひねる。
「うーん……どうしたものかな」
ハンターズソサエティに連絡するのは決まっているとして、擬態した敵がお菓子の中に紛れ込むとは。
あたかも、これまで人に食べられるだけの菓子に過ぎなかったクス餅が、反逆し牙をむいたかのような光景だ。
そのとき、旅人は発見した。
「あれは……?」
スライムとクス餅の入りまじった水盤の上に、恐るべき変化が現れていたのであった。
リプレイ本文
●村は大騒ぎ
スライムの体液によってけがをした村長は、胸の周りにまだ新しい包帯を巻き、自宅のベッドに寝かされていた。
隣には、もうひとりの依頼人である旅人がいる。
「えっ、全員、女性ですか?」
若者は驚いた表情を浮かべた。
スライム退治のためにソサエティから派遣されたハンターは五人。
それぞれがタイプの違う、けれども美しく若い女性である。
「女性だと、何か問題でもあるのかしら」
ユピテール・オーク(ka5658)は自身ありげな笑みで答えた。
実力に不安がある、という意味に聞こえたのだと気がつき、若者は曖昧に言葉を濁した。
「いいえ、そういうことではありませんが……」
彼の視線の先には、窓という窓、扉からこちらを見つめている村人たちの視線があった。
寂しい田舎の町なので、日ごろから娯楽に飢えているのだろう。
鈴なりになって、こちらを見つめている。
ユピテールがそちらをちらりと見ただけで、男たちは歓声を上げた。
苦笑いを浮かべるしかない。
「戦闘のあいだ、厳重な戸締りを呼びかけるというユピテールさんの案は、名案ですね」
「あられもない姿を見せながら戦うのはごめんだしね……でも」
「でも?」
「いえ、なんでもないわ」
ユピテールは、もしかしたらいいものが見れるかもしれない、そう続くはずの言葉を飲み込んだ。
●ツッコミは不在のようです。
各家の雨戸は閉めきられ、村は閑散としている。
ときおり、風に吹かれた木の葉がカラカラと音を立てながら街路を渡っていく。
石づくりの水場はしんと静まり返り、いっそう寒々しい。
ハンターたちはそれぞれ用意した衣装に着替え、人目がなくなったのを確認して外に出た。
太陽の下、ユピテールはトレンチコートを着込んでいた。
「囮役になるという話だったけれど、それだと露出が少なすぎるのではないかしら」
巌 技藝(ka5675)が少し心配そうに言った。トレンチコートからはすらりとした足が覗いているが、スライムが反応するかどうかは不安が残る。
「大丈夫よ……ちゃんと準備はしてきているわ」
彼女はコートの前を大きく肌蹴てみせた。
男がやったならば春先に出て来る変態だが、中から現れるのはビキニ水着を着たユピテールだ。女性的な軟らかさを残しつつ、引き締まるところは引き締まった肉体、手入れが行き届いた溌剌とした肌に対する感想はひとつ。
「なんて美しい……」
巌は感嘆を素直に口にする。
この体をつくり上げ、維持するには日々のたゆまぬ努力が必要なはずだと直感したのだ。
「巌さんも……凄いわよ」
巌の着ているのは、肌色の全身タイツ……いわゆる肉襦袢だった。だが、鍛え上げられた肉体のようすはタイツで隠せるものでもない。
ある意味、ビキニ水着より凄いかもしれない。もしかしたら、ツッコミ待ちなのかもしれないが。どちらかというと面白い肉襦袢と、隙や無駄のない肉体美、美を愛するユピテールの中で何かが複雑に揺れていた。
「やっぱり、もう少し脱がないとだめなんでしょうか」
二人の傍らで、仮面の巫女、瑞葉 美奈(ka5691)はそう言った。
彼女は着物を脱ぎ、半裸姿である。
「かくなる上は……全裸しかありませんね……」
普段は晒すことのない清らかな肉体を屋外で晒しているのは、背徳的な妖しい美しさがある。
「顔が隠れていれば……体が見えても平気ということを! ご存知でしょうか!」
下着に手がかかるが、やはり恥ずかしさが先に立ち、脱げない。
さすがに誰かが止めてくれるはずという期待があるのだ。
ちらりと顔を上げると、仮面越しに少し期待しているようなユピテールのきらきらした表情があった。
さて、大きな水盤には清水が湛えられ、籠に入れられたクス餅が浸かっている。
手のひらサイズの餅は透明感たっぷりで、数は50個はある。
「偵察はニンジャにおまかせなのです!」
水盤の影からぴょこん、とカラフルな帽子が現れる。
自称ニンジャキャプター・ルンルンことルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)だ。
「これが今日の晩ごはんかな? おいしそ~」
ルンルンの隣で、伝統的なプール掃除スタイルの女性が切なげにお腹を鳴らした。
まとったTシャツの胸には大きな字で『りゅみあ』。
敵の様子を見にきたリュミア・ルクス(ka5783)であった。
「どれがクス餅なのか、ぜんぜん見分けがつかないね……」
「それは囮役にお任せなのです!」
「え?」
リュミアは首を傾げた。
ルンルンは忍者らしく忍ぶだけ……のはずが、彼女の周囲のクス餅が、ぽっと桜色に染まっていた。
●VS手のひらピンクスライム
美とは何なのだろう……。
肉体が自ずから放つ光なのか、それとも深宇宙の何処から現れて偶然に宿る福音なのか……。
努力と研鑽の末にそれを手に入れる者がいる傍ら、生まれながらにして輝きを手にする者がいるのは何故なのか……。
時折、美とはかけ離れたところにあると考えられていたものが見る角度を違えるだけで思わぬ輝きを放つのはどうしてなのか。
そんなことを魔法生物が考えているかどうかは不明だが、とにかくこの魔法生物は、魅力的な裸体を前にすると桜色に染まるのである。
そしてそこに男女の差はない。極めて平等なのである。
羞恥なのか、単なる習性なのかもわからないが、水着からこぼれ落ちそうな裸体に水盤の上のスライムは桜色に染まった。
ビキニアーマーをまとった少女の肉体にも、その効果は現れた。
半裸の巫女にも。
肉襦袢は……少し時間を置いて、桜色に染まったり、透明に戻ったりしながら、透明に落ち着いた。
全身タイツに包まれているものの、魅力的であることには変わりない肉体、というのはスライムには少し難しすぎたようだ。
ハンターたちに気がついたスライムは、水の中から飛び出して襲いかかる。
中には逃げ出そうとする個体もいるが、魅力的な肉体に後ろ髪を引かれているらしくその足は鈍い。
あたりはピンクの丸いものが二十体ほど乱舞する、非日常の空間となった。
戦いの火蓋は、機導師の放つ電撃によって切られた。
「さあ、行くわよ。少しは楽しませてくれるかしら?」
手近なところにいた一体が、震えながら水に落ちて行った。
生きてはいるようだが、エレクトリックショックの効果で身動きがとれないのだ。
「触ったら、溶けてしまいそうですね」
構えを取りつつ、瑞葉の脳裏には包帯を巻いた村長の姿が浮かんでいた。
彼女の前に、スライムが飛び込んでくる。
瑞葉は反射的にそれを受け止め、地面に叩きつけた。敵が小さすぎて、ボール投げのようになっているが、最小限の力で最大限の効果を生む攻撃だった。
柔能制剛、投げ技の応用だ。
「いけない……」
慌ててスライムに触れてしまった両手を見るが、溶けた様子はなく、ほっとした。おそらくは、吐きかけてくるという体内の液だけが酸性なのだろう。
「ぬるぬるしているようですが、触っても大丈夫みたいです」
それは同じ格闘士である巌にとっても重要な情報だ。
巌は偶然もたらされた情報を聞き、瑞葉に頷いてみせた。
続いてリュミアが逃げた個体にアースバレットをはなつ。
が、スライムは地面をぽんぽんと跳ね、石つぶてを避けてしまった。
「まかせて! ドロー!!」
ルンルンが勢いよく三枚の符を引き抜く。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法三雷神の術!」
投げた符が雷と化し、逃げ出したスライムを激しく撃つ。
水分が蒸発し、スライムたちは消し炭となってしまった。
多数の敵に囲まれている状況で、大きく数を減らせる貴重な攻撃だ。
「はっ!」
素早く踏みこみ、巌が震撃を放つ。素早い打撃がスライムを吹き飛ばす。
ハンター達が一通り攻撃をし終わっても、あたりをぴょんぴょん跳ねまわっているピンクスライムの数が減っているようには見えない。
そして、一斉にハンターたちに粘液を吐きかけてきた。
「きゃっ!」
ルンルンは胴に粘液を受けた。本人は気がついていないようだが、丈の短いパンツが少しだけ破け、肌が露出する。
その足元で、桜色に染まったスライムが恥じらうようにぷるぷると身をよじった。
ユピテールはよけようとしたが、覆うものの少ない腕に粘液が降りかかりそうになり……。
「くっ……防御障壁!」
光の障壁が現れ、ダメージを減らす。
一体あたりの攻撃は大したことはないし、狙いも定かとは言えないが、何しろ数が多いので全てを回避することは難しいのだ。
長期戦は不利と言える。
「それでも、着実に一つずつ潰していけば勝てるはずよ」
巌が呼びかける。
ユピテールがナックルで切り刻み、瑞葉が錬気を使って一体ずつ消滅させる。リュミアは水盤に残ったスライムを刀で潰して、ついでに隣のクス餅を口の中に放り込む。
「甘い! おいしい~」
ルンルンは足りない符をリロードする。
そして巌が肉襦袢を躍らせ、仕込み杖で切り裂いた。
その間もスライムは酸性の液体を吐きかけてくる。
巌の足に液体がかかり、衣装から煙が上がった。
小さな標的に手元が狂うのか、それともスライムが意外と素早いのか……ハンターたちは苦心しながら攻撃を続ける。
二回目のルンルン忍法三雷神の術が決まり、残り十体となった頃。
このまま押切りたい、というハンターたちの気持ちを察知したのかどうかは知らないが、スライム達に異変が起きた。
ぶるん!
ハンターたちの目の前で、残ったスライムが二つに分裂して行ったのである。
あっという間に、スライムの数は元の数に戻ってしまった。
●疲労困憊
「これで最後よ……!」
ユピテールが叩きつけるようにナックルの刃をスライムに突き刺した。
残されたのは、スライムの体液によってどろどろになった水場と、ハンターたちの姿だけだった。
「やっと、終わりました……」と、頬を赤らめて喘ぐ瑞葉。
「もう食べられないよ……」とおなかを撫でさする、リュミア。
スライムは全て倒したはずだが、分裂する力をまだ残していたことと範囲攻撃が不足したことが災いし、太陽はすっかり傾きかけていた。
「みなさん、大丈夫ですか?」
戦闘が長引いていることを心配した依頼人の若者が水場を訪れる。
しかし、そこに広がっている光景を前に頬を赤らめて、慌てて後ろを向いた。
「村長さんの家に、お湯の用意ができています! 風邪を引かないうちに使ってください」
それだけ言うと、元来た道を駆けて行く。
彼が去って行った後には、透明な体液に塗れ、長期に渡る戦闘での疲労で荒い息を吐いている五人の女性たちが残されていた。
幸い、酸性の液のあたりどころが悪く大きく肌が露出することはなかったものの、瑞葉やリュミアといった露出度が少なかったメンバーも、Tシャツや着物がぐっしょりと濡れてボディラインが露わになっている。
「ある意味、全裸よりも艶っぽいかもしれないわね……」
ユピテールはその光景を見ながら、苦笑を浮かべた。
その後、お湯を使ってどろどろを洗い流したハンターたちを、依頼人二人が待っていた。
報告を聞き、旅人は眉をひそめる。
「クス餅が無い……!?」
水場にあるクス餅は、スライムの酸を浴び、無事なものもリュミアがほとんど食べてしまっていた。
「スライムたちがクス餅を盾にしたからしかたなく……」
「食べてしまったんですね。みなさんが無事で何よりではありますが……。ぜひとも、この、僕が『思考錯誤』して作ったキナコモドキとマッチャモドキをかけて食べてみたかったんだけどなあ……」
旅人は、クリムゾンウェスト育ちには聞きなれない言葉の、薄い茶色と緑色の粉末状の調味料らしいものを取り出し、がっくりと肩を落とした。
おそらく故郷で親しんでいた食べ物に違いない。
そのとき、居間にエプロンをつけ、大きな皿を持った女性たちが現れた。
「みなさん、お疲れさま。これはあたしらから、気持ちばかりのものですけど……」
作り立てのクス餅の差し入れだった。
戦闘が終わった後はスライムの体液を浴びてしまい、あまりおいしそうには見えなかったクス餅だが、出来立てのクス餅は暖炉の火を浴びて輝いていた。
「きれいね、宝石みたい」と、ユピテールは掌に載せて、餅を鑑賞する。
一口かじると、もちっとしてぷるっと弾ける独特の感触の餅の皮から、とろりと甘い蜜が流れ出てくる。
「ん、甘い……蜜から花の香りがするわ。香料が入っているのね」
巌も隣で目を細めている。
「この、ジャムを練り込んだクス餅も、目先が変わっていくつでも食べられそうです」
毛布にくるまりながら、リュミアは次から次に餅に手を伸ばす。
「疲れが飛んでいくみたいです~」
風雷陣が大活躍したルンルンは、甘いものを頬張って幸せそうだ。
瑞葉もルンルンの隣で仮面をずらし、餅を食べている。
旅人も無事にクス餅にありつけたようだ。
そのあいだに、おかみさんたちは破れたハンターたちの装備を洗い、きれいに修繕してくれた。
ただ、巌のタイツだけは「変わった服だねえ……」と不思議そうに首を傾げていたという。
スライムの体液によってけがをした村長は、胸の周りにまだ新しい包帯を巻き、自宅のベッドに寝かされていた。
隣には、もうひとりの依頼人である旅人がいる。
「えっ、全員、女性ですか?」
若者は驚いた表情を浮かべた。
スライム退治のためにソサエティから派遣されたハンターは五人。
それぞれがタイプの違う、けれども美しく若い女性である。
「女性だと、何か問題でもあるのかしら」
ユピテール・オーク(ka5658)は自身ありげな笑みで答えた。
実力に不安がある、という意味に聞こえたのだと気がつき、若者は曖昧に言葉を濁した。
「いいえ、そういうことではありませんが……」
彼の視線の先には、窓という窓、扉からこちらを見つめている村人たちの視線があった。
寂しい田舎の町なので、日ごろから娯楽に飢えているのだろう。
鈴なりになって、こちらを見つめている。
ユピテールがそちらをちらりと見ただけで、男たちは歓声を上げた。
苦笑いを浮かべるしかない。
「戦闘のあいだ、厳重な戸締りを呼びかけるというユピテールさんの案は、名案ですね」
「あられもない姿を見せながら戦うのはごめんだしね……でも」
「でも?」
「いえ、なんでもないわ」
ユピテールは、もしかしたらいいものが見れるかもしれない、そう続くはずの言葉を飲み込んだ。
●ツッコミは不在のようです。
各家の雨戸は閉めきられ、村は閑散としている。
ときおり、風に吹かれた木の葉がカラカラと音を立てながら街路を渡っていく。
石づくりの水場はしんと静まり返り、いっそう寒々しい。
ハンターたちはそれぞれ用意した衣装に着替え、人目がなくなったのを確認して外に出た。
太陽の下、ユピテールはトレンチコートを着込んでいた。
「囮役になるという話だったけれど、それだと露出が少なすぎるのではないかしら」
巌 技藝(ka5675)が少し心配そうに言った。トレンチコートからはすらりとした足が覗いているが、スライムが反応するかどうかは不安が残る。
「大丈夫よ……ちゃんと準備はしてきているわ」
彼女はコートの前を大きく肌蹴てみせた。
男がやったならば春先に出て来る変態だが、中から現れるのはビキニ水着を着たユピテールだ。女性的な軟らかさを残しつつ、引き締まるところは引き締まった肉体、手入れが行き届いた溌剌とした肌に対する感想はひとつ。
「なんて美しい……」
巌は感嘆を素直に口にする。
この体をつくり上げ、維持するには日々のたゆまぬ努力が必要なはずだと直感したのだ。
「巌さんも……凄いわよ」
巌の着ているのは、肌色の全身タイツ……いわゆる肉襦袢だった。だが、鍛え上げられた肉体のようすはタイツで隠せるものでもない。
ある意味、ビキニ水着より凄いかもしれない。もしかしたら、ツッコミ待ちなのかもしれないが。どちらかというと面白い肉襦袢と、隙や無駄のない肉体美、美を愛するユピテールの中で何かが複雑に揺れていた。
「やっぱり、もう少し脱がないとだめなんでしょうか」
二人の傍らで、仮面の巫女、瑞葉 美奈(ka5691)はそう言った。
彼女は着物を脱ぎ、半裸姿である。
「かくなる上は……全裸しかありませんね……」
普段は晒すことのない清らかな肉体を屋外で晒しているのは、背徳的な妖しい美しさがある。
「顔が隠れていれば……体が見えても平気ということを! ご存知でしょうか!」
下着に手がかかるが、やはり恥ずかしさが先に立ち、脱げない。
さすがに誰かが止めてくれるはずという期待があるのだ。
ちらりと顔を上げると、仮面越しに少し期待しているようなユピテールのきらきらした表情があった。
さて、大きな水盤には清水が湛えられ、籠に入れられたクス餅が浸かっている。
手のひらサイズの餅は透明感たっぷりで、数は50個はある。
「偵察はニンジャにおまかせなのです!」
水盤の影からぴょこん、とカラフルな帽子が現れる。
自称ニンジャキャプター・ルンルンことルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)だ。
「これが今日の晩ごはんかな? おいしそ~」
ルンルンの隣で、伝統的なプール掃除スタイルの女性が切なげにお腹を鳴らした。
まとったTシャツの胸には大きな字で『りゅみあ』。
敵の様子を見にきたリュミア・ルクス(ka5783)であった。
「どれがクス餅なのか、ぜんぜん見分けがつかないね……」
「それは囮役にお任せなのです!」
「え?」
リュミアは首を傾げた。
ルンルンは忍者らしく忍ぶだけ……のはずが、彼女の周囲のクス餅が、ぽっと桜色に染まっていた。
●VS手のひらピンクスライム
美とは何なのだろう……。
肉体が自ずから放つ光なのか、それとも深宇宙の何処から現れて偶然に宿る福音なのか……。
努力と研鑽の末にそれを手に入れる者がいる傍ら、生まれながらにして輝きを手にする者がいるのは何故なのか……。
時折、美とはかけ離れたところにあると考えられていたものが見る角度を違えるだけで思わぬ輝きを放つのはどうしてなのか。
そんなことを魔法生物が考えているかどうかは不明だが、とにかくこの魔法生物は、魅力的な裸体を前にすると桜色に染まるのである。
そしてそこに男女の差はない。極めて平等なのである。
羞恥なのか、単なる習性なのかもわからないが、水着からこぼれ落ちそうな裸体に水盤の上のスライムは桜色に染まった。
ビキニアーマーをまとった少女の肉体にも、その効果は現れた。
半裸の巫女にも。
肉襦袢は……少し時間を置いて、桜色に染まったり、透明に戻ったりしながら、透明に落ち着いた。
全身タイツに包まれているものの、魅力的であることには変わりない肉体、というのはスライムには少し難しすぎたようだ。
ハンターたちに気がついたスライムは、水の中から飛び出して襲いかかる。
中には逃げ出そうとする個体もいるが、魅力的な肉体に後ろ髪を引かれているらしくその足は鈍い。
あたりはピンクの丸いものが二十体ほど乱舞する、非日常の空間となった。
戦いの火蓋は、機導師の放つ電撃によって切られた。
「さあ、行くわよ。少しは楽しませてくれるかしら?」
手近なところにいた一体が、震えながら水に落ちて行った。
生きてはいるようだが、エレクトリックショックの効果で身動きがとれないのだ。
「触ったら、溶けてしまいそうですね」
構えを取りつつ、瑞葉の脳裏には包帯を巻いた村長の姿が浮かんでいた。
彼女の前に、スライムが飛び込んでくる。
瑞葉は反射的にそれを受け止め、地面に叩きつけた。敵が小さすぎて、ボール投げのようになっているが、最小限の力で最大限の効果を生む攻撃だった。
柔能制剛、投げ技の応用だ。
「いけない……」
慌ててスライムに触れてしまった両手を見るが、溶けた様子はなく、ほっとした。おそらくは、吐きかけてくるという体内の液だけが酸性なのだろう。
「ぬるぬるしているようですが、触っても大丈夫みたいです」
それは同じ格闘士である巌にとっても重要な情報だ。
巌は偶然もたらされた情報を聞き、瑞葉に頷いてみせた。
続いてリュミアが逃げた個体にアースバレットをはなつ。
が、スライムは地面をぽんぽんと跳ね、石つぶてを避けてしまった。
「まかせて! ドロー!!」
ルンルンが勢いよく三枚の符を引き抜く。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法三雷神の術!」
投げた符が雷と化し、逃げ出したスライムを激しく撃つ。
水分が蒸発し、スライムたちは消し炭となってしまった。
多数の敵に囲まれている状況で、大きく数を減らせる貴重な攻撃だ。
「はっ!」
素早く踏みこみ、巌が震撃を放つ。素早い打撃がスライムを吹き飛ばす。
ハンター達が一通り攻撃をし終わっても、あたりをぴょんぴょん跳ねまわっているピンクスライムの数が減っているようには見えない。
そして、一斉にハンターたちに粘液を吐きかけてきた。
「きゃっ!」
ルンルンは胴に粘液を受けた。本人は気がついていないようだが、丈の短いパンツが少しだけ破け、肌が露出する。
その足元で、桜色に染まったスライムが恥じらうようにぷるぷると身をよじった。
ユピテールはよけようとしたが、覆うものの少ない腕に粘液が降りかかりそうになり……。
「くっ……防御障壁!」
光の障壁が現れ、ダメージを減らす。
一体あたりの攻撃は大したことはないし、狙いも定かとは言えないが、何しろ数が多いので全てを回避することは難しいのだ。
長期戦は不利と言える。
「それでも、着実に一つずつ潰していけば勝てるはずよ」
巌が呼びかける。
ユピテールがナックルで切り刻み、瑞葉が錬気を使って一体ずつ消滅させる。リュミアは水盤に残ったスライムを刀で潰して、ついでに隣のクス餅を口の中に放り込む。
「甘い! おいしい~」
ルンルンは足りない符をリロードする。
そして巌が肉襦袢を躍らせ、仕込み杖で切り裂いた。
その間もスライムは酸性の液体を吐きかけてくる。
巌の足に液体がかかり、衣装から煙が上がった。
小さな標的に手元が狂うのか、それともスライムが意外と素早いのか……ハンターたちは苦心しながら攻撃を続ける。
二回目のルンルン忍法三雷神の術が決まり、残り十体となった頃。
このまま押切りたい、というハンターたちの気持ちを察知したのかどうかは知らないが、スライム達に異変が起きた。
ぶるん!
ハンターたちの目の前で、残ったスライムが二つに分裂して行ったのである。
あっという間に、スライムの数は元の数に戻ってしまった。
●疲労困憊
「これで最後よ……!」
ユピテールが叩きつけるようにナックルの刃をスライムに突き刺した。
残されたのは、スライムの体液によってどろどろになった水場と、ハンターたちの姿だけだった。
「やっと、終わりました……」と、頬を赤らめて喘ぐ瑞葉。
「もう食べられないよ……」とおなかを撫でさする、リュミア。
スライムは全て倒したはずだが、分裂する力をまだ残していたことと範囲攻撃が不足したことが災いし、太陽はすっかり傾きかけていた。
「みなさん、大丈夫ですか?」
戦闘が長引いていることを心配した依頼人の若者が水場を訪れる。
しかし、そこに広がっている光景を前に頬を赤らめて、慌てて後ろを向いた。
「村長さんの家に、お湯の用意ができています! 風邪を引かないうちに使ってください」
それだけ言うと、元来た道を駆けて行く。
彼が去って行った後には、透明な体液に塗れ、長期に渡る戦闘での疲労で荒い息を吐いている五人の女性たちが残されていた。
幸い、酸性の液のあたりどころが悪く大きく肌が露出することはなかったものの、瑞葉やリュミアといった露出度が少なかったメンバーも、Tシャツや着物がぐっしょりと濡れてボディラインが露わになっている。
「ある意味、全裸よりも艶っぽいかもしれないわね……」
ユピテールはその光景を見ながら、苦笑を浮かべた。
その後、お湯を使ってどろどろを洗い流したハンターたちを、依頼人二人が待っていた。
報告を聞き、旅人は眉をひそめる。
「クス餅が無い……!?」
水場にあるクス餅は、スライムの酸を浴び、無事なものもリュミアがほとんど食べてしまっていた。
「スライムたちがクス餅を盾にしたからしかたなく……」
「食べてしまったんですね。みなさんが無事で何よりではありますが……。ぜひとも、この、僕が『思考錯誤』して作ったキナコモドキとマッチャモドキをかけて食べてみたかったんだけどなあ……」
旅人は、クリムゾンウェスト育ちには聞きなれない言葉の、薄い茶色と緑色の粉末状の調味料らしいものを取り出し、がっくりと肩を落とした。
おそらく故郷で親しんでいた食べ物に違いない。
そのとき、居間にエプロンをつけ、大きな皿を持った女性たちが現れた。
「みなさん、お疲れさま。これはあたしらから、気持ちばかりのものですけど……」
作り立てのクス餅の差し入れだった。
戦闘が終わった後はスライムの体液を浴びてしまい、あまりおいしそうには見えなかったクス餅だが、出来立てのクス餅は暖炉の火を浴びて輝いていた。
「きれいね、宝石みたい」と、ユピテールは掌に載せて、餅を鑑賞する。
一口かじると、もちっとしてぷるっと弾ける独特の感触の餅の皮から、とろりと甘い蜜が流れ出てくる。
「ん、甘い……蜜から花の香りがするわ。香料が入っているのね」
巌も隣で目を細めている。
「この、ジャムを練り込んだクス餅も、目先が変わっていくつでも食べられそうです」
毛布にくるまりながら、リュミアは次から次に餅に手を伸ばす。
「疲れが飛んでいくみたいです~」
風雷陣が大活躍したルンルンは、甘いものを頬張って幸せそうだ。
瑞葉もルンルンの隣で仮面をずらし、餅を食べている。
旅人も無事にクス餅にありつけたようだ。
そのあいだに、おかみさんたちは破れたハンターたちの装備を洗い、きれいに修繕してくれた。
ただ、巌のタイツだけは「変わった服だねえ……」と不思議そうに首を傾げていたという。
依頼結果
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ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)
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くす餅スライムの倒し方 ユピテール・オーク(ka5658) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/11/07 08:36:01 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/07 07:31:10 |