ゲスト
(ka0000)
クス餅の逆襲
マスター:ミノリアキラ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/11/07 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/11/16 12:00
オープニング
●クス餅を求めて
むきだしの土を踏む、車輪と蹄の音。
農作業をする村人たちの姿がちらほら見える。
見渡す限り、牧歌的な風景が続いている。
馬車の荷台に揺られながら、大きな荷物を背負った旅人はお礼を言った。
「乗せてくれてありがとうございました。助かりました」
「いやいや。それにしてもあんた、どうしてこんな田舎に来たのさ?」
「実は、クス餅というお菓子を探しに来たのです」
村人は不審そうな顔つきをしていた。
なんであんな当たり前の菓子を? とでも言いたげな顔だった。
クス餅、というどこかで聞き覚えのある菓子についての話を耳にしたのは、クリムゾンウェストでも秋が深まりはじめた頃のことだった。
それは、クスという植物の根から作られる透明な餅に砂糖を煮とかした蜜を入れたもので、今から向かう村の特産品でもある。
夏場に湧き水で冷やしたものがとくに好まれるのだそうだ。
「時期が遅くなってしまったので、まだ作っているかどうか、不安だったのですが」
「そんなら心配ねえよ。うちの村はあれがほんとに好きでよう、最近は、冬でもよく作ってるからな」
一晩、外に置いて、かちこちに凍ったのを暖炉の前で食べるのが流行しているのだそうだ。
(リアルブルーで言うところの……こたつに入ってアイスを食べる、みたいな感覚かな)
ぜひ、そのクス餅とやらを食べてみたい。
その一心で旅人は目的地を変更したのだった。
●招かれざる魔物
ちょうど馬車が村に入ったときのことだ。
旅人は女性たちの悲鳴を聞いて、馬車を下りた。
村の中央にある共同の水場から村の女性が逃げてくる。
旅人はひとりを捕まえて、事情をきいた。
「できたばかりのクス餅を冷やそうとしていたら、魔物が出たの!」
「なんですって、それは大変だ!」
旅人は荷物を下ろすと、その水場に走った。
広場の中央に石でできた大きな長方形の水盤が三つ、並んでいる。
湧き水をここまで引いてきて水を溜めているようだ。
それぞれの水盤には、ごみや雨水が入らないように屋根がついていた。
その近くに、ぶよぶよとした透明な体を震わせた生き物がいるのが見えた。
「あれは……スライムだ……。いやな予感がします」
その数は五体以上。
さほど強い魔法生物ではないが、数がそろえば厄介な上、個体差があり地域によっては特殊な能力を持つ個体も存在する。
ふるふると震えながら水盤のまわりにまとわりついている。
何をしているのか、ぶるりと体をよじらせる。
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
「分裂した……!」
スライムたちは二つに分かれながら、どんどん小さくなっていく。
ちょうど片手に収まるくらいのサイズになると、いっせいに水盤の中に飛び込んだ。
「まさか!!!」
慌てて水盤に駆け寄ると、そこには……。
水の中で冷たく冷やされた、大量のクス餅があった。
透明で丸い餅と同じ大きさになったスライムは判別ができない。
せめてクス餅の中身がリアルブルーで定番の甘味、アンコであったなら……。
しかし、クス餅の中に入っているのは砂糖を煮溶かした蜜で、ほとんど無色透明なのであった。
そのとき、背後に人の気配を感じて旅人は振り返る。
「旅人さ~ん! 大丈夫ですか~!?」
振り返ると、たくましい男性が農具を抱えて走って来るのが見えた。
旅人がひとり魔物がでた水場に向かったときいて、心配して駆けつけてくれた親切な村人だろう。
が、しかし。
「あっ、こんなところに作りたてのクス餅がア――――!」
不運としか言いようがない。
たまたま落ちていたクス餅が、男性の靴の下で弾けたのだ。
スッテーン!
プルプルとした餅に足をとられ、男性は勢いよくあおむけに倒れた。
「誰か止めて――!」
ドロリとした蜜によって摩擦を失った体が地面の上を勢いよく滑走する。
両足を天に向けたおっさんがギュンギュンと回転しながら水場のすぐそばに到着。
最後の締めといわんばかりに水盤から飛び出したクス餅……ではなく、スライムが、体全体に粘液を吐きかけた。
「アアッ―――――!!」
粘液を浴びた服は、ドロドロに溶け落ちる。
農作業で鍛え抜かれた逞しい胸筋、蜜と粘液の絡みついた体が、白日の下に晒け出された。
地獄絵図の完成である。
(やっぱり、そっち系だったか……)
一部始終を白い目で見守っていた旅人は、困り顔で首をひねる。
「うーん……どうしたものかな」
ハンターズソサエティに連絡するのは決まっているとして、擬態した敵がお菓子の中に紛れ込むとは。
あたかも、これまで人に食べられるだけの菓子に過ぎなかったクス餅が、反逆し牙をむいたかのような光景だ。
そのとき、旅人は発見した。
「あれは……?」
スライムとクス餅の入りまじった水盤の上に、恐るべき変化が現れていたのであった。
むきだしの土を踏む、車輪と蹄の音。
農作業をする村人たちの姿がちらほら見える。
見渡す限り、牧歌的な風景が続いている。
馬車の荷台に揺られながら、大きな荷物を背負った旅人はお礼を言った。
「乗せてくれてありがとうございました。助かりました」
「いやいや。それにしてもあんた、どうしてこんな田舎に来たのさ?」
「実は、クス餅というお菓子を探しに来たのです」
村人は不審そうな顔つきをしていた。
なんであんな当たり前の菓子を? とでも言いたげな顔だった。
クス餅、というどこかで聞き覚えのある菓子についての話を耳にしたのは、クリムゾンウェストでも秋が深まりはじめた頃のことだった。
それは、クスという植物の根から作られる透明な餅に砂糖を煮とかした蜜を入れたもので、今から向かう村の特産品でもある。
夏場に湧き水で冷やしたものがとくに好まれるのだそうだ。
「時期が遅くなってしまったので、まだ作っているかどうか、不安だったのですが」
「そんなら心配ねえよ。うちの村はあれがほんとに好きでよう、最近は、冬でもよく作ってるからな」
一晩、外に置いて、かちこちに凍ったのを暖炉の前で食べるのが流行しているのだそうだ。
(リアルブルーで言うところの……こたつに入ってアイスを食べる、みたいな感覚かな)
ぜひ、そのクス餅とやらを食べてみたい。
その一心で旅人は目的地を変更したのだった。
●招かれざる魔物
ちょうど馬車が村に入ったときのことだ。
旅人は女性たちの悲鳴を聞いて、馬車を下りた。
村の中央にある共同の水場から村の女性が逃げてくる。
旅人はひとりを捕まえて、事情をきいた。
「できたばかりのクス餅を冷やそうとしていたら、魔物が出たの!」
「なんですって、それは大変だ!」
旅人は荷物を下ろすと、その水場に走った。
広場の中央に石でできた大きな長方形の水盤が三つ、並んでいる。
湧き水をここまで引いてきて水を溜めているようだ。
それぞれの水盤には、ごみや雨水が入らないように屋根がついていた。
その近くに、ぶよぶよとした透明な体を震わせた生き物がいるのが見えた。
「あれは……スライムだ……。いやな予感がします」
その数は五体以上。
さほど強い魔法生物ではないが、数がそろえば厄介な上、個体差があり地域によっては特殊な能力を持つ個体も存在する。
ふるふると震えながら水盤のまわりにまとわりついている。
何をしているのか、ぶるりと体をよじらせる。
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
「分裂した……!」
スライムたちは二つに分かれながら、どんどん小さくなっていく。
ちょうど片手に収まるくらいのサイズになると、いっせいに水盤の中に飛び込んだ。
「まさか!!!」
慌てて水盤に駆け寄ると、そこには……。
水の中で冷たく冷やされた、大量のクス餅があった。
透明で丸い餅と同じ大きさになったスライムは判別ができない。
せめてクス餅の中身がリアルブルーで定番の甘味、アンコであったなら……。
しかし、クス餅の中に入っているのは砂糖を煮溶かした蜜で、ほとんど無色透明なのであった。
そのとき、背後に人の気配を感じて旅人は振り返る。
「旅人さ~ん! 大丈夫ですか~!?」
振り返ると、たくましい男性が農具を抱えて走って来るのが見えた。
旅人がひとり魔物がでた水場に向かったときいて、心配して駆けつけてくれた親切な村人だろう。
が、しかし。
「あっ、こんなところに作りたてのクス餅がア――――!」
不運としか言いようがない。
たまたま落ちていたクス餅が、男性の靴の下で弾けたのだ。
スッテーン!
プルプルとした餅に足をとられ、男性は勢いよくあおむけに倒れた。
「誰か止めて――!」
ドロリとした蜜によって摩擦を失った体が地面の上を勢いよく滑走する。
両足を天に向けたおっさんがギュンギュンと回転しながら水場のすぐそばに到着。
最後の締めといわんばかりに水盤から飛び出したクス餅……ではなく、スライムが、体全体に粘液を吐きかけた。
「アアッ―――――!!」
粘液を浴びた服は、ドロドロに溶け落ちる。
農作業で鍛え抜かれた逞しい胸筋、蜜と粘液の絡みついた体が、白日の下に晒け出された。
地獄絵図の完成である。
(やっぱり、そっち系だったか……)
一部始終を白い目で見守っていた旅人は、困り顔で首をひねる。
「うーん……どうしたものかな」
ハンターズソサエティに連絡するのは決まっているとして、擬態した敵がお菓子の中に紛れ込むとは。
あたかも、これまで人に食べられるだけの菓子に過ぎなかったクス餅が、反逆し牙をむいたかのような光景だ。
そのとき、旅人は発見した。
「あれは……?」
スライムとクス餅の入りまじった水盤の上に、恐るべき変化が現れていたのであった。
解説
山間ののどかな村に多数のスライムが発生し、駆除の依頼が届いています。
このスライムは村の特産物、クス餅に擬態しています。
ですが、たまたま居合わせた旅人によって、ある特徴が発見されました。
すなわち『露出した人肌を前にすると体全体が桜色に色づき、行動が鈍くなる』という特徴です。
これを利用して全てのスライムを排除してください。
なお、この依頼はクス餅を目当てに当地を訪れた旅人と、村側の連名によって出されています。
【敵の情報】
・分裂し、小型になったスライムが最低でも二十体います。
・スライムはクス餅に擬態しており、じっとしていると見分けがつきません。ただし、魅力的な裸体を前にすると、体全体がほんのりピンク色に染まります。※男性でも女性でも、裸体であれば同様の効果を及ぼします。
・酸性の体液による攻撃は、命中すると身に着けている装備(防具・衣服)を溶かす特殊能力があります。
【水場の情報】
・広場(20スクエア)の中央にあります。周囲は民家に囲まれています。
・水盤には湧き水が引かれています。ここの水は、クス餅を冷やすためだけに使われています。
・水盤のサイズは2スクエアほどのものが三つあります。石でできており高さは腰のところまでありますが、深さはせいぜい三十センチほどです。
【依頼人からの要望】
・依頼はスライムの駆除だけですが、依頼人(旅人)は可能であればクス餅を無事に取り返してほしいと考えています。
・村側は、小型になったスライムが逃げ出してしまう可能性を危惧しています。無事に駆除が終われば、クス餅は食べてもいいそうです。
依頼人たちは、できることがあれば可能な限り協力するとのことです。
このスライムは村の特産物、クス餅に擬態しています。
ですが、たまたま居合わせた旅人によって、ある特徴が発見されました。
すなわち『露出した人肌を前にすると体全体が桜色に色づき、行動が鈍くなる』という特徴です。
これを利用して全てのスライムを排除してください。
なお、この依頼はクス餅を目当てに当地を訪れた旅人と、村側の連名によって出されています。
【敵の情報】
・分裂し、小型になったスライムが最低でも二十体います。
・スライムはクス餅に擬態しており、じっとしていると見分けがつきません。ただし、魅力的な裸体を前にすると、体全体がほんのりピンク色に染まります。※男性でも女性でも、裸体であれば同様の効果を及ぼします。
・酸性の体液による攻撃は、命中すると身に着けている装備(防具・衣服)を溶かす特殊能力があります。
【水場の情報】
・広場(20スクエア)の中央にあります。周囲は民家に囲まれています。
・水盤には湧き水が引かれています。ここの水は、クス餅を冷やすためだけに使われています。
・水盤のサイズは2スクエアほどのものが三つあります。石でできており高さは腰のところまでありますが、深さはせいぜい三十センチほどです。
【依頼人からの要望】
・依頼はスライムの駆除だけですが、依頼人(旅人)は可能であればクス餅を無事に取り返してほしいと考えています。
・村側は、小型になったスライムが逃げ出してしまう可能性を危惧しています。無事に駆除が終われば、クス餅は食べてもいいそうです。
依頼人たちは、できることがあれば可能な限り協力するとのことです。
マスターより
食欲の秋、そしてスライムの秋。
ということで、スライムが増殖してしまった村からハンターさんたちにSOSが届きました。
敵は妙な生態を持った特殊なスライムのようです。
皆さま、遠慮なく日頃の鍛錬の成果を、いろんな形で見せつけてください。
そろそろ夜間の冷え込みが冬のものになって参りました。
風邪にだけはお気をつけて。
ということで、スライムが増殖してしまった村からハンターさんたちにSOSが届きました。
敵は妙な生態を持った特殊なスライムのようです。
皆さま、遠慮なく日頃の鍛錬の成果を、いろんな形で見せつけてください。
そろそろ夜間の冷え込みが冬のものになって参りました。
風邪にだけはお気をつけて。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/11/16 08:47
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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くす餅スライムの倒し方 ユピテール・オーク(ka5658) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/11/07 08:36:01 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/07 07:31:10 |