紅葉とシモフリ ~廃墟の集落~

マスター:天田洋介

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2015/11/17 15:00
完成日
2015/11/25 05:05

みんなの思い出

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オープニング

 グラズヘイム王国・古都【アークエルス】東方の森に、かつてナガケと呼ばれる集落が存在した。
 集落の主な産業は豚、牛、馬を育てる畜産だったのだが、幻獣の獅子鷹『メニュヨール』によって崩壊してしまう。家畜の仔攫いが激増したからだ。
 ナガケ集落は解散の憂き目に遭い、青年ガローア・ラグアは父親のマガンタと共に放浪の身となる。
 父が亡くなってからも根無し草な生き方を続けてきたガローア。だが覚悟を決めた彼はハンターの力を借りてメニュヨール退治に成功した。
 その後、ガローアは古都でドワーフの青年『ベッタ』と出会う。意気投合した二人は集落復興に動きだす。
 ベッタの故郷周辺に棲息していた幻の青と呼ばれていた幻獣の肉質はとても素晴らしかった。リアルブルーの高級和牛霜降り肉を彷彿とさせる。そこで幻の青の名を改めて『シモフリ』と呼称することとなった。
 シモフリ六頭を放牧場に連れて帰り、オークの樹木が並ぶ放牧場に放つ。しばらくは森での生活と同じように樹木の上で棲みついた。だが危険がなければ地表で暮らすことがわかる。また好物は木の実だが、玉蜀黍の粒にも旺盛な食欲をみせた。
 シモフリ六頭の他に乳牛一頭と鶏の雌鳥六羽も飼うことにする。これで毎日新鮮な牛乳と鶏卵が手に入るようになった。
 木の実不足に備えて春からの玉蜀黍畑の開墾を開始。その頃、紅の兎のような幻獣二体に柵を壊される事態が発生した。それが過ぎ去ったかと思えば雑魔の巨大蜂が飛来する。
 雑魔蜂はハンター達の知恵と行動力によって巣ごと退治されるのだった。


 青年ガローアはナガケ集落の留守をドワーフの青年ベッタに任せて古都に買い物へ出かける。
「えっ? 集落の周辺はどうといわれましても……いたって普通ですよ」
 ハムの品定めの途中、ガローアは肉屋の主人に訊ねられた。
「そういった意味じゃないんだよ。森は色づいて綺麗なのかい?」
「あ、そういうことで。とても綺麗ですよ。紅葉に染まっています。ベッタは風で飛んできた落ち葉を掃くのが大変だってぼやいてましたけど」
 ナガケ集落付近もすっかり秋めいている。
「それはよかった。いや、ちょっとお願いしたいことがあるんだが」
「何でしょう?」
「実はな。うちのお得意様で紅葉がとても好きなご家族がいるんだ。その方々を一週間ほど集落で世話してもらえないだろうか? 以前に仲介していたところがダメになってしまってね」
「単に泊めるだけなら何とかなると思いますが……持て成すとなるとちょっと」
「充分な対価はだそう。準備の費用も含めてだ。だからできる限りで構わないから料理だけは、それなりのものをだして欲しい」
 その金額はかなりのもので提示された瞬間、ガローアは眼を見開いた。
(これだけの好機だ。ベッタも許してくれるだろう)
 畜産で商売をしていく以上、肉屋との繋がりは重要である。それに紅葉が好きな家族は手広くやっている大商人のようだ。将来の商いに繋がる可能性も高い。
 大商人の家族は四名とのことだ。四十路の父母と二十歳を過ぎの息子夫婦である。
「わかりました」
 ガローアは主人の願いを引き受けた。店を後にして目指したのはハンターズソサエティーの支部である。
(私とベッタだとありきたりの料理しかできないし。ここはハンターのみなさんの知恵と力を借りてみよう)
 自分達だけでは力足らずになるのが目に見えている。大商人の家族の世話をハンターにも手伝ってもらおうとガローアは考えるのだった。

リプレイ本文


 ここはナガケ集落北方の森。ミオレスカ(ka3496)と火艶 静 (ka5731)は野生のシモフリを狩るべくベッタの故郷周辺にいた。
「野生のシモフリは一日に一回か二回、木から下りてこっそりと水を飲みに行くんです」
「落ち葉で足跡がわかりにくいですね」
 ナガケほどではないがここも色づいた紅葉に包まれている。二人は足跡や排泄物を確認して紅葉に混じる青い存在を発見。ミオレスカが弓矢で足を打ち、火艶静が刀で止めを刺す。
 肉の味をよくするために血抜きだけは欠かさなかった。運びやすい大きさに切り分けて荷車へと載せる。
「今から帰れば」
「夕食に間に合いますね」
 ミオレスカの愛馬に荷車を牽かせて二人は森の帰り道を急ぐのだった。


 遠方でシモフリが狩られた頃、ナガケ集落に一両の馬車が到着した。肉屋の主人が大商人一行を案内したのである。
「すばらしい紅葉ですな。ここに至る森の道でも愛でさせて頂きました。初めまして、しばらく厄介になるミリオナ・ベンジャミンと申します」
「こちらこそガローア・ラグアです」
 ミリオナとガローアが代表してそれぞれの側を紹介し合う。ミリオナの妻の名はナンシー。若者は息子のタリアナ。息子の嫁はユーナといった。
「御飯、すごく美味しいお肉でオススメだから、楽しみにしててね。……してて下さいね」
「ほう……!」
 丁寧に言い直したリューリ・ハルマ(ka0502)の話にミリオナがとても興味を示す。
「こっちやで」
 ベッタが一家を住居へと案内した。ガローアとハンター六名は馬車に積まれた野菜等の食材を調理場へと運び込んだ。
 薪割りや水汲みの他にもシモフリの肉が届くまでにやるべきことはたくさんある。
「小川の水で綺麗に洗うんですぅ」
 星野 ハナ(ka5852)は落ち葉の中から綺麗な紅葉を選んで拾い集めた。綺麗な葉はバランの代わりとして料理に色を添えるために使う。それ以外の使い道も星野ハナは心得ていた。
「この葉なんて見事ですね」
 ヴェンティ・クアドリフォーリョ(ka5776)もテーブルに飾る花の代わりに色づいた落ち葉を拾った。本日のテーブルセッティングは彼女の役目である。
 ベリャコフ・ヴェロニーカ(ka5493)とエレンジア・アーヴァイン(ka5584)は調理場で総点検をしていた。
「ふむ、偶にはこういうのもいいな。このお茶会用の食器はよいものだ」
「これだけあれば足りるかしら。小麦粉はもう少し欲しいところですわ」
 足りない食材や料理道具は古都へ戻る肉屋の主人に頼んでおく。数日後にまた来る予定なのでその際に持ってきてもらうためだ。
 入手が難しい調味料はすでにリゼリオから持ち込んでいる。後はシモフリ肉の到着を待つばかりであった。
 暮れなずむ頃、狩りの二人が戻ってくる。大急ぎで肉が調理場へと運び込まれた。
「やわらかくて細かなサシが美味しそうだね!」
 リューリがトントンと包丁でシモフリ肉を細切りにする。骨で出汁をとりつつ湯を沸かし、ジャガイモ等の野菜類を茹でた。そこへシモフリ肉を投入。味付けは塩胡椒のみでまとめる。
「これならすぐにできあがりますぅ」
 主菜として星野ハナがカツを揚げた。
 ガローア特製の焼きたてパンと一緒にシモフリ肉のカツとスープがテーブルに運ばれる。窓辺から見える夕暮れ時の紅葉を眺めながら一家の晩御飯が始まった。
「この柔らかさと味は一体……」
「食べたことがありませんの」
 一口食べたあとでタリアナとユーナがしばらく料理の皿を見つめている。料理はどちらも好評で紅葉を愛でながら舌鼓が打たれた。
 一家の世話が後で一同もゆっくりと晩御飯を頂く。
「そう、これこれ。今はナガケでしか味わえないからな」
「スープもう一杯頂けますか?」
 ザレム・アズール(ka0878)とミオレスカが目を瞑ってシモフリ肉の味を堪能する。
「気に入ってもらえてよかった!」
 リューリも久しぶりのシモフリ肉を噛みしめた。
 初めてシモフリ肉を味わった多くの者が味の桃源郷の虜に。肉と表現してよいのか迷うほどのお肉。それがシモフリ肉であった。


 そして二日目。
「私としては朝食は軽めの方がよろしいかと思いますわ」
「それは私が塗ろう」
 エレンジアの案で朝食には紅茶とトーストが並べられた。ベリャコフと一緒に作ったフレッシュなバターがパンの味を寄り引き立てる。
 食後は散歩しながらの紅葉狩り。ザレム、リューリ、ヴェンティがお供として一家につき合う。
 そよ風で葉がざわめき、枯れ葉として舞い散る。
 色とりどりな銀杏や紅葉の木々を誰もが眺めた。やがて放牧場に生えている落葉のオークの木にも気がつく。
「いくら何でも青いなんて……?」
 タリアナが色づいている枝葉の中に青い何かを見つける。
「木の上に棲む臆病なシモフリという家畜です。幻の青と言われた”極めて珍しい獣”で、”飼育してるのは此処だけ”ですね」
「昨晩食べた料理の肉はもしかして」
「はい。今は増やしている段階なので、野生肉を提供させて頂きました」
「なるほど」
 ザレムの説明にタリアナが何度も頷いていた。
 まもなくシモフリの一体が地面へと下りてくる。ひょこひょこと歩いて小川で水を飲んでから日向ぼっこを始めた。
「野生のときもそうでしたが、連れてきてしばらくはずっと木の上に棲んでいたんです。今はこうして慣れて地面でいることも多くなりました! そもそもこの集落は一度、放棄されたんですよ。ガローアさんとベッタさん、それにみんなが頑張ったんですっ!」
「失礼ながら壊れている建物が気になっておりました。道理で」
 リューリは復興からこれまでの経緯を掻い摘まんでタリアナに話す。
 ナンシーが地面に寝ているシモフリに近づいた。いつもなら逃げだすのだが、今日に限ってそのそぶりはなかった。
「やっぱりこのお腹。子供がいるんじゃないかしら」
「その通りですね」
 ナンシーと一緒にヴェンティもシモフリのお腹を触る。元々がまん丸体型なのでわかりにくいのだが、確かに仔を宿していた。
 実はヴェンティ、子供達の世話をしようと依頼に参加したのだが想像していたよりも息子のタリアナが大きくて予定が狂ってしまう。そこでシモフリの世話を買ってでる。
 荷車にシモフリを載せて家畜小屋に連れて行く。新しい藁を敷いてそこで休ませた。お腹の張り具合からいって出産は近そうである。
 この日の晩御飯はザレムが腕を振るう。
「これがソース役になるんだよ」
 茹でたシモフリの背骨から骨髄を抜き取る。デミグラスソースと赤葡萄酒で煮てからミンチ肉の中に忍ばせておく。俵型にし、金串へと刺して下準備は完了。実演のために火を通すのは野外で行う。炭火で炙られていくうちに、齧りつきたくなるようなにおいが漂いだす。
「熱いうちに召し上がってくださいね」
 ザレムがハンバーグが盛られた皿を窓から提供した。室内で受け取ったベリャコフがテーブルに並べられる。
「これはまた昨日とは違った味だ。しかも味わい深い……」
「特に肉汁が素晴らしいわね」
 一家だけでなくハンター仲間やガローア達からも好評を博す。
「俵ハンバーグ、おいしいのですぅ」
 星野ハナも堪能する。そして明日の晩御飯は彼女に託されるのだった。


 低めの気温のおかげで肉が熟成していく。とはいえさすがに一頭分の肉は多すぎた。
「結構、肉が残りましたわね。保存できるようにするのはいかがでしょう」
「塩漬けにされることで旨味が足されることもあるからな」
 エレンジアとベリャコフは一部の肉を塩に漬ける。
「こうすれば美味しいかも」
 ミオレスカは木箱を用意して燻製を試した。味を優先しての温燻と保存優先の冷燻の両方を試す。ちなみに簡易なハム作りにも挑戦してみた。
 星野ハナも塩を使っていたが、漬けていたのは何と紅葉である。
「紅葉の衣揚げは今回は無理ですぅ。でも今作り始めれば来年食べられますしぃ。そのうちここの名産になると思いますぅ。他と一緒にレシピ残しときますからぁ」
「そ、そないなことができるんか!」
 説明を聞いたベッタが目を丸くして驚いていた。
 星野ハナの本気はこれだけではない。
 晩御飯として用意されたのが肉と野菜の揚げびたし。紅葉型のトマトケチャップを添えたオムライス。コンソメスープも紅葉の形をした飾り麩が入っている。熱々の肉巻きフライもテーブルに並べられた。当然、使われたのはすべてシモフリ肉である。
「コンソメってこんなに美味しいのか。これが時間と手間がかけた味なのか」
「オムライスもええで。鶏、飼っといてよかったわ」
 一家にも楽しんでもらえたが、それ以上に喜んでくれたのがガローアとベッタだった。
「この村の食材だけならこれからガローアさんも作れますぅ。村おこしですぅ」
「ありがとう。紅葉の衣揚げってこうやって作るんだ」
 星野ハナはガローアにすべてが書かれたレシピを手渡す。
 そして深夜、寝ていた全員が突然の鳴き声で叩き起こされた。鳴き声の発生源は家畜小屋。シモフリが産気づいたのである。
「大丈夫です。体力は充分ですからねっ」
 ヴェンティが頭を撫でるとシモフリが呻るように鳴いた。彼女は園芸の知識を生かして食欲がないシモフリに元気がでそうな野草や木の実を食べさせてきた。
「新しい藁を持ってくればいいのね。よしっ!」
「食べ物のことはきっちり勉強したい性質なのでぇ、こういう機会は逃せません~」
 リューリと星野ハナはベッタの指示を聞いてテキパキと動く。
 シモフリの出産は初めてだが牛馬の経験ならガローアもある。大商人一家も協力的で大変な作業も率先して手伝ってくれた。
 お湯を沸かすタイミングはわからないが、どのみち水は必要である。
「えっと……お水汲んできます!」
 ミオレスカが慌てながら小屋から飛びだす。出産の瞬間を見逃したくないようで、信じられない早さで戻ってきた。
 四日目の朝が来ても現状維持。午後になってようやく兆候があって、それからわずかな時間で仔が次々と産まれる。
「立った。立ちました!」
 ミオレスカは両腕を挙げて大喜び。仔のシモフリはとても小柄だった。なんと全部で十頭を数える。
 初乳を飲んだ仔シモフリをヴェンティとリューリとがぬるま湯でやさしく身体を洗ってあげる。ザレムは最初の一頭をタオルにくるんで一家の元へと連れて行った。
「可愛いですね、目もクリクリで……」
「本当にっ!」
 ザレムが見せるとナンシーが溶けるような顔をして夢中になる。
 一段落着いた頃、ベッタの腹の虫が小屋中に響いた。こうして多くの者がろくに食べていなかったことを思いだす。
「今、御飯を炊いています。少しだけ待って頂けると幸いです」
 火艶静は数日前からカレーの準備をしてきた。
 数々の香辛料はリゼリオで入手したもの。骨で出汁取り、丁寧にアク取りをしながら筋などの部位と香味野菜をコトコトと煮込んである。昨日のうちに仕上げて寝かしてあった鍋を火にかけた。御飯が炊けてまもなくカレーライスが完成する。
「久しぶりに身体を動かしたせいか、塩気が強い料理がとても美味しく感じられるな」
「何だかこの料理、心が温かくなります」
 親子であるミリオナとタリアナが並んで座りながらカレーを頂く。その日は誰もが疲れていて早めに就寝したのだった。


 出産の雰囲気は五日目も続く。この日から全員が一緒に晩御飯を頂くこととなる。
 まったりとした気分の中、ミオレスカが用意した晩御飯は鍋であった。
「これはいい。シンプルだからこそ飽きないな」
 一口食べたミリオナが頬を綻ばせる。
 大根や白菜と一緒にシモフリ肉を厚手の鍋で蒸し煮にしたもの。水は一切使わないその味は単純な故に飽きない美味さに仕上がっていた。
「寒い冬にちょうどええな。わい、これ好きやで」
 この鍋はベッタのお気に入りとなる。先に聞いて希望を聞いて興味を持った者にはシモフリ肉の刺身も並べられた。
「舌の上で脂がふわっと消えていくような。そんな味だ」
 刺身を味わったタリアナが絶賛する。最初は嫌がっていたユーナだが夫の様子を見て興味がそそられた。
「一口だけ……」
 その後は充分に刺身を堪能していた。
 紅葉を愛でながらの野外茶会の席はエレンジアとベリャコフが準備を整えてくれる。
「まるで紅葉を写しているかのようですね」
「仲間が丹精込めて作ってくれたものです。アールグレイでよろしいですか?」
 ベリャコフとエレンジアのおかげで一家は優雅な一時を過ごす。この日のお茶菓子は星野ハナ発案の紅葉菓子である。カステラを紅葉の形にして揚げたものだ。
「この世の景色ではないみたい」
「幻想的ですね。お母様」
 ナンシーとユーナは紅葉の絨毯が敷かれた世界で長くお喋りを楽しんだのだった。


 最終日は野外でのバーベキューパーティと相成る。
「あの高台が綺麗だよっ」
 場所はガローアとベッタから聞いた候補を参考にしてリューリが選んだ。
 すでに夕暮れ時。日が落ちても楽しめるようにランタンが灯される。
 炭火の上に被された網の上で極上のシモフリ肉が焼かれていく。
「なかなかのお味だ……」
「……よく熟成されていますわ」
 ベリャコフとエレンジアがその味に感嘆する。
 誰も食べ始めてしばらくは口数が少なくなった。それほどにシモフリの極上肉は美味い。
「これなら日持ちするし、味もいい感じですね」
 ミオレスカが軽く炙った燻製肉を頬張る。脂身の少ない肉を有効活用するにはちょうどよい調理法だ。
「シモフリの仔が無事産まれてよかったです」
 焼きそばを食べながらユーナがしみじみと呟く。
「デザートはどうだろうか?」
「食事以外にお菓子などもいかがでしょうか?」
 ベリャコフとエレンジアが用意したのはカスタードプリンだ。ヴェンティも手伝ったもので、その味は最終日を締めくくるのに相応しいものとなった。
(お肉も残っていませんし、楽しんでもらえたようですね)
 火艶静はバーベキューの立役者である。最後の焼きそばを頂いてからカスタードプリンを味わう。
「父と話し合ったのですが、シモフリの肉を出荷する際にはうちに声をかけてもらえないでしょうか」
「それはとても助かります」
 タリアナの申し出にガローアはとても喜んだ。ただこの場では決めず、後日ゆっくりとした場で条件を煮詰めることとなる。その様子を遠くから眺めていたザレムとリューリは小さくガッツポーズを決めた。
「将来はちょっと贅沢って辺りで誰もが食べられるようにしたいね」
「ええ線や。まずは仰山増やさなあかんな」
 ナガケ集落の規模からいって当分の間、シモフリ肉の出荷量はどうしても限定的になる。しかし二人ともそれで終わるつもりはない。
 ガローアとベッタの夢はまだ始まったばかりであった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • Pクレープ隊員
    ベリャコフ・ヴェロニーカ(ka5493
    人間(紅)|20才|女性|猟撃士
  • アマリリス商会
    エレンジア・アーヴァイン(ka5584
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 森の主を討ち果たせし者
    火艶 静 (ka5731
    人間(紅)|35才|女性|舞刀士
  • 世話焼きシスター
    ヴェンティ・クアドリフォーリョ(ka5776
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
エレンジア・アーヴァイン(ka5584
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/11/17 13:21:38
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/11/17 09:09:43