ゲスト
(ka0000)
知追う者、鬼が来ぬ不安を醸し出す
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/12/01 19:00
- 完成日
- 2015/12/06 19:33
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●出かけたい
復興の槌音響くエトファリカ連邦国天ノ都で、大江 紅葉(kz0163)は自宅の縁側でぼんやりと西の方角を眺めていた。
「出かけたい……」
怨嗟の呻きのような声でつぶやく。
本来なら家臣を安心させるための護衛や屋敷警護のための人員を雇って、仕事以外の外出三昧を送るつもりだった。
その行動が失敗したため、知り合いである武人の松永光頼やハンターたちを巻き込んでしまった。こっぴどく叱られたのは言うまでもない。
もちろん、家臣は宗主である紅葉を頭ごなしに怒ったりはしないが、古くからの人達は淡々と現実を述べて紅葉を黙らせた。
彼らが心配する理由は良くわかる。一族を支えていたのは彼らであり、宗家の彼女は微々たるもの。
「それにしてもあの人たち遅いですねぇ」
雇った鬼の三人は一度天ノ都に来ていた。三人や家臣の反応を見つつ、正式に雇うかを保留にしていた。
結果、正式に住み込みで働いてもらうこととなる。一度、里に戻って家族に話をするということで三人を見送った。
帰ってくるはずだったのだが、帰ってこない。
「……嫌われたんですかねぇ?」
紅葉は寂しくなった。
「感触は悪くないと思ったんですけど……」
確認に行くにも一人で行けば、再び周りに心配をかける為、ハンターに依頼しようと考えた。
●依頼
ハンターズソサエティ支部にて紅葉は依頼を出す。
仕事帰りであり、きちんとした服を纏っていたため、役人来たという印象がオフィス内に緊張感を漂わせた。
もちろん中立を是非としているため、役人が来ようと平等に扱えばいいだけの話なのだが、職員は緊張もする。
「……お願いです、私の家のどこが嫌だったのか、鬼の里まで行って善木さんと五来さん、テユカさんに話を聞いてきてください」
紅葉は淡々と依頼を述べる。
職員は淡々とはいえ、悲しそうな表情の紅葉に同情の念が湧いた。
(本当に雇うと思っているし、鬼を役人さんが雇うって相当面倒だよね、気持ち的に。あれ、この人……)
職員は紅葉の名乗りに噂と事実を思い出す。
(前の戦いの時に妖怪に与しようとしたとか、第二の山本になるかもしれないとかいろいろ悪口叩かれた巫子じゃない? う、うわ、普通の人だ)
勝手な想像で、悪女からはかなげな美女まで様々噂は飛び交っていたが、目の前にいる紅葉は普通だった。
(近所にこういうお姉さんがいたら、小さい頃一緒に遊んでもらえそうな雰囲気?)
職員は依頼を受理しつつ、想像する。
「それにしても、どうして帰ってこないのか? 家の人が怪我したとか病気したとか? でも、あの里、往復可能だよね、その日のうちに」
交通手段が徒歩、馬、バイクなど差があれど、平均速度で歩ければ往復可能である。先に戻れるなら戻ってきてその旨を誰かが告げてもいいはずだ。
もちろん、道中が絶対安全とは限らないため、テユカ一人で行き来は絶対させないだろうが。
「大江様の所に戻りたいけれど戻れないならいいけれど」
職員は紅葉の焦燥が移ったようにそわそわした。
●道がふさがった?
「ぬーえー」
「ひーよー」
天ノ都と鬼の里をつなぐ道に、妖怪が現れたのは三日前。最初、ずんぐりむっくりした鵺ぽいものが日向ぼっこしており、その後、これぞ鵺というものが現れてにらみ合いが続いている。
五来と善木とテユカ、だけではなく、鬼の里からも数人確認のために来ていた。。
戦うにしても、相手がどういう連携を取ってくるのか、それ以外に何がいるのか分からないため動けないでいた。
「うわあああああん、お姉さんの所に行きたいよぉぉぉ」
テユカが発作のように泣いた。都に向えず、何度目かの涙。
「うんうん、あの通りをふさぐ妖怪をどうにかしないと危なくていけねぇよ?」
善木が溜息を洩らした。戦うことができるとはいえ、里の戦力でどうにかなるか分からないが、二匹が何を思って対峙しているのか。
「運よく、都からの人が来れば、ハンターに頼むと言った協力もできるのだがな」
五来は里の者を眺め首をひねる。
「一番来そうなのが我らが主となるご宗主様なんだが?」
「……来てもらうと困る人でもある」
「松永殿がおれば、問題なし」
先日見た限りでは、武人でも良識と現実をきちんと見つめる人物に見えた。
「それはそうと……どうしたものか?」
五来は眺める。
「このまま、にらみ合いを見ているわけにもなぁ」
善木はこの横をすり抜けて、都に行ってみようかと提案を行った。
「いいが……危険だぞ?」
「危険じゃないかもしれねぇよ? ほれ、あいつら自分たちの事でいっぱいだし。
「むぅ、分かった」
五来は身軽な善木を見送る。
テユカは「独りで行かないでよぉ」と泣いて手を振って見送っていた。
復興の槌音響くエトファリカ連邦国天ノ都で、大江 紅葉(kz0163)は自宅の縁側でぼんやりと西の方角を眺めていた。
「出かけたい……」
怨嗟の呻きのような声でつぶやく。
本来なら家臣を安心させるための護衛や屋敷警護のための人員を雇って、仕事以外の外出三昧を送るつもりだった。
その行動が失敗したため、知り合いである武人の松永光頼やハンターたちを巻き込んでしまった。こっぴどく叱られたのは言うまでもない。
もちろん、家臣は宗主である紅葉を頭ごなしに怒ったりはしないが、古くからの人達は淡々と現実を述べて紅葉を黙らせた。
彼らが心配する理由は良くわかる。一族を支えていたのは彼らであり、宗家の彼女は微々たるもの。
「それにしてもあの人たち遅いですねぇ」
雇った鬼の三人は一度天ノ都に来ていた。三人や家臣の反応を見つつ、正式に雇うかを保留にしていた。
結果、正式に住み込みで働いてもらうこととなる。一度、里に戻って家族に話をするということで三人を見送った。
帰ってくるはずだったのだが、帰ってこない。
「……嫌われたんですかねぇ?」
紅葉は寂しくなった。
「感触は悪くないと思ったんですけど……」
確認に行くにも一人で行けば、再び周りに心配をかける為、ハンターに依頼しようと考えた。
●依頼
ハンターズソサエティ支部にて紅葉は依頼を出す。
仕事帰りであり、きちんとした服を纏っていたため、役人来たという印象がオフィス内に緊張感を漂わせた。
もちろん中立を是非としているため、役人が来ようと平等に扱えばいいだけの話なのだが、職員は緊張もする。
「……お願いです、私の家のどこが嫌だったのか、鬼の里まで行って善木さんと五来さん、テユカさんに話を聞いてきてください」
紅葉は淡々と依頼を述べる。
職員は淡々とはいえ、悲しそうな表情の紅葉に同情の念が湧いた。
(本当に雇うと思っているし、鬼を役人さんが雇うって相当面倒だよね、気持ち的に。あれ、この人……)
職員は紅葉の名乗りに噂と事実を思い出す。
(前の戦いの時に妖怪に与しようとしたとか、第二の山本になるかもしれないとかいろいろ悪口叩かれた巫子じゃない? う、うわ、普通の人だ)
勝手な想像で、悪女からはかなげな美女まで様々噂は飛び交っていたが、目の前にいる紅葉は普通だった。
(近所にこういうお姉さんがいたら、小さい頃一緒に遊んでもらえそうな雰囲気?)
職員は依頼を受理しつつ、想像する。
「それにしても、どうして帰ってこないのか? 家の人が怪我したとか病気したとか? でも、あの里、往復可能だよね、その日のうちに」
交通手段が徒歩、馬、バイクなど差があれど、平均速度で歩ければ往復可能である。先に戻れるなら戻ってきてその旨を誰かが告げてもいいはずだ。
もちろん、道中が絶対安全とは限らないため、テユカ一人で行き来は絶対させないだろうが。
「大江様の所に戻りたいけれど戻れないならいいけれど」
職員は紅葉の焦燥が移ったようにそわそわした。
●道がふさがった?
「ぬーえー」
「ひーよー」
天ノ都と鬼の里をつなぐ道に、妖怪が現れたのは三日前。最初、ずんぐりむっくりした鵺ぽいものが日向ぼっこしており、その後、これぞ鵺というものが現れてにらみ合いが続いている。
五来と善木とテユカ、だけではなく、鬼の里からも数人確認のために来ていた。。
戦うにしても、相手がどういう連携を取ってくるのか、それ以外に何がいるのか分からないため動けないでいた。
「うわあああああん、お姉さんの所に行きたいよぉぉぉ」
テユカが発作のように泣いた。都に向えず、何度目かの涙。
「うんうん、あの通りをふさぐ妖怪をどうにかしないと危なくていけねぇよ?」
善木が溜息を洩らした。戦うことができるとはいえ、里の戦力でどうにかなるか分からないが、二匹が何を思って対峙しているのか。
「運よく、都からの人が来れば、ハンターに頼むと言った協力もできるのだがな」
五来は里の者を眺め首をひねる。
「一番来そうなのが我らが主となるご宗主様なんだが?」
「……来てもらうと困る人でもある」
「松永殿がおれば、問題なし」
先日見た限りでは、武人でも良識と現実をきちんと見つめる人物に見えた。
「それはそうと……どうしたものか?」
五来は眺める。
「このまま、にらみ合いを見ているわけにもなぁ」
善木はこの横をすり抜けて、都に行ってみようかと提案を行った。
「いいが……危険だぞ?」
「危険じゃないかもしれねぇよ? ほれ、あいつら自分たちの事でいっぱいだし。
「むぅ、分かった」
五来は身軽な善木を見送る。
テユカは「独りで行かないでよぉ」と泣いて手を振って見送っていた。
リプレイ本文
●現場に行ってみよう
ハンターたちは道をゆく。途中で紅葉が待つ鬼たちに出会うかもしれないし、事件に遭遇するかもしれないと急ぎつつも周囲には目を配る。
「先日の様子や話に聞いた限りでは、来たくないというわけではなさそうですが」
ミオレスカ(ka3496)はポツリつぶやく。紅葉と来る予定という鬼たちに面識がある者は同様にうなずく。
「何かあったのかは分からねぇが、俺達鬼に問題が発生しているなら、ちょうどいい機会だ理由を突き止めよう」
百鬼 雷吼(ka5697)は鬼の里に住んでいるわけではないが、同胞として純粋に気になる。天ノ都に向かおうとしていた三人や鬼だけの問題にとどまらないかも知れない。
「おう。前に会った時、アイツらも心ン底から喜んでいるように見えた。何かのっぴきならねぇ事情があったのか、聞かねぇと居心地悪いぜ」
キリエ(ka5695)は依頼主のためにも、人類側に復帰した鬼のためにも事実は知りたいところだ。これで鬼に非があってこなかった場合はかばいようがないが、何もわからないよりましだ。
(元気ならそれでいいし……)
エスクラーヴ(ka5688)は考えながら無言で進む。脳裏には先日会ったテユカの天真爛漫な様子が浮かび、状況を聞いて気になった。
雪継・白亜(ka5403)は荷物に入れてあるコーヒーにそっと触れる。
(無事終わったら……紅葉たちに)
何があったのかをまずは確認しないといけないため、気を引き締める。
「さて、この先で鬼が出るか蛇がでるか……いや鬼はいるのだがな」
ロニ・カルディス(ka0551)が思案顔でつぶやいたところ、仲間から「ここにいるって」という声が返ってきたため一行の緊張が適度にほぐれた。
紅葉はこっそり屋敷を抜け出し、天ノ都から鬼の里につながる道を見に行った。
「ハンターの皆さんが行っているのです、安全です」
もちろん、遠くまで行かないつもりはある。自分で行けないからこそハンターに頼んだのだから。
●じわりじわり
真っ直ぐの道に出た瞬間、何があったか分かった。
道に二体の巨大な動物がいる。似ているのに似ていないそれらは対峙しており、正直言って邪魔だ。
距離があるためか他の存在に気付かないでにらみ合う生き物は、明らかに妖怪だと示す外見をしている。二体は頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎という姿で鵺という存在に見えるが、一体はまさに鵺でもう一体は妙にふっくらとして愛嬌のある姿だった。
「あれを見てください、あっちの岩のあたりに誰かいますよ」
ミオレスカが指さす方ところに、小さい目の影と複数の大きい影がある。
「……道の脇にも誰かいるみたいだ」
白亜は手前を指さす。
二か所にいる人影は前回見た鬼たちであり、紅葉が事情を聞きたがっている者たちもいる。
「あー……、これじゃあ話も何も、そもそもお嬢の所に行けないか……原因はあっさりわかっちまったな」
雷吼は遠くを見つつ、あきれるやら溜息をつくやら首を横に振る。
「ずっとこいつらここにいるのか」
キリエは動く気配のない妖怪を見て、あきれた声が出た。仲の悪い妖怪が出会い、互いの力が拮抗しているため何もできないでいるという状況と推測する。
「同じような、違うような……何とも言い難い敵だな。まあ、退治してしまえば同じだろう」
ロニは武器の振るえるように持つ。
「彼がこちらに来るまで待つか?」
白亜は状況を見て仲間に確認する。
歪虚を倒したいのはやまやまだが、下手に刺激してこちらに来ている善木が巻き込まれるのは問題だった。
「少しずつ戦える態勢は整えましょう」
「そうだな、あいつらがおとなしく彼を通してくれればいいが、もしももあり得ないことではない」
ミオレスカとロニがまとめた内容に、特に異論は出なかった。
何かあれば前衛たちが接敵するまで、ミオレスカと白亜が足止めを中心とした攻撃を行う。接敵できたならば、あらかじめ決めておいた一体を中心に攻撃をしていく。
「尻尾は落とした方がいいのか、別の妖怪か?」
ロニは蛇の顔がついているそれを眺め思案する。動物も尻尾は動くこともあるため判断はつかないが、背中にも目がある状態かもしれないし、先に切り落とすことも重要だと考えた。
道を下り、草地を忍び足で歩く善木はハンターに気付いた。さすがにそこで騒ぐような鬼ではなく、安堵はしたが細心の注意を払い進む。
道も半ば、妖怪がいる脇を通る一番危険なところでそれは起る。
パキリ。
何かを踏んだ。冷や汗と共に様子をうかがうが、妖怪たちは動かなかった。
そんな中、じわじわと近づくハンターたち。
前衛から中衛となるキリエ、ロニ、エスクラーヴそして雷吼が、歩調を合わせて進む。
距離を見て、飛び道具を持つミオレスカと白亜が続く。こちらは何かあれば攻撃できるように意識する。
岩の陰で様子を見ていた五来とテユカ、里の者はハンターを見て安堵の色が浮かぶ。道をふさぐものをどけてくれると考えたから。
「うわーい、お姉ちゃんたち」
大人の気が抜けた瞬間を見計らったかのように、テユカが飛び出した。
「こら、テユカっ!」
五来が慌てて捕まえたが、妖怪がいる方向に結構進んでおり、威嚇される事態になった。テユカは怯え、五来は刀に手を掛けて待機する。
ひいぃぃーよぉぃー。
ぬぅぅぅーえぇぇー。
鋭い鵺と間が抜ける鵺もどきの威嚇が響き渡った。
ハンターたちは一気に間合いを詰めるために移動をする。
「援護を開始します」
宣言をして、マテリアルを解放してミオレスカは矢を放った。複数射られた矢は妖怪たちの足止めと敵がいる事を知ら示すのに十分威力を発揮する。
「こっちに来い」
白亜は善木に声をかけつつ、弾丸を鵺にたたきこむ。
防御姿勢だった善木はハンターの到着を待ちながら、敵から目をそむけずじりじりと移動を続けた。
●鵺ヌエ
仲間が接敵しつつあるのを見て、ミオレスカはマテリアルを込め矢を鵺もどきに放った。それに続き白亜が鵺に銃弾を叩きこむ。
近くに善木がいることを考え、ロニは『レクイエム』を歌う。
エスクラーヴは動きが鈍っているだろう鵺に対し、気を引くように鋭い攻撃を仕掛ける。
鵺はエスクラーヴに向き攻撃を仕掛けるが思うように動かない。その尻尾は善木に向かって牙をむいた。
鵺もどきはこれ幸いとばかりに、鵺に攻撃をしている。
敵対する鵺もどきに攻撃されたためか、鵺の行動が早かった。勢いを付けるかのように一瞬前足を上げてから、地面に付いたと同時に口を開こうとした。
何か特殊な攻撃をするのでは、と白亜は感じ取り鵺の気を逸らすように引き金を絞る。
攻撃の行動を中断させられた鵺は、怒りの咆哮と共に弾丸が来た方を睨み付けた。距離があるために攻撃を仕掛けに行けない。
鵺もどきは電撃を放った。妖怪を中心に四方八方に飛び、周りにいたモノたちすべてに向かう。回避してしまえば問題ないが、当たった瞬間ビリッと電気が走った。
「つうぅ」
戦いの準備をしていない善木は顔をしかめる。
「お前は下がれ」
「君もだよ」
気を遣ったエスクラーヴに善木も声をかける、彼女も電撃をまともに食らっていたから。
なお、鵺と鵺もどきの尻尾は近づいたために互いに攻撃をしていた。
仲間を守るように放たれたミオレスカの矢が鵺もどきに向かう。仲間に余裕があるようなら、近づいて拳銃に切り替えたいと考えるが、現在の位置をキープする。
「ここまで近いなら一気に両方に行ける」
ロニは祈りの力を攻撃魔法とし、武器の石突きを地面に付いたとき光が広がった。セイクリッドフラッシュを食らった鵺は怒りの声を上げた、一方、鵺もどきは軽やかに避けていた。
鵺に対して、エスクラーヴは基本に忠実に、確実に攻撃をこなす。前衛をするには戦いに慣れていないが、まだ引くことはできないと考え力を叩きこむことを選んだ。
「調子こいた妖怪どもがよ、鬼に喰われてェってんだな?」
キリエは不敵な笑みを浮かべ、片鎌槍を鵺もどきに突き刺す。
「後顧の憂いをなくすために狩らせてもらうぜ……急急如律令」
雷吼は札に素早くマテリアルを込め、火炎符を使用した。
ハンターたちの攻撃は妖怪たちの生命力を削り、妖怪たちの攻撃は思うように当たらない。ハンターたちに当たっても、運が悪く防御の固い所に当たるため、妖怪たちは互いを攻撃するよりも共通の敵に対する攻撃に集中する。
ハンターたちが攻撃を仕切った後に、妖怪たちは電撃を放ち、炎を吐き出した。巻き込まれた者は避けるしかない。
「後一息です」
距離があるため観察が可能なミオレスカの号令下、ハンターたちは技のすべてを叩きこみ、妖怪たちを塵に帰した。
「助かった」
善木がほっと息を付く。
「これでいいだろう」
ロニはエスクラーヴと善木に傷を癒すための魔法を使った。
「これで行けるんだね!」
「はい、都に行けますよ」
ミオレスカが答えると、テユカは飛び跳ねて喜ぶ。
「そうだな、紅葉殿は結構さびしがり屋のようでな、早く貴殿らと会いたがっているぞ」
白亜は淡く笑いながら告げた。
「連絡できなかったから……」
面目ないと五来は頭を下げる。
「俺達はあくまで状況の確認だ。謝るなら……」
「ご宗主殿だな」
ロニの言葉を継ぎ五来がうなずいた。
「里の者だな? 問題なければ通れるようになったと伝えてくれるといい」
雷吼に言われて、里に住む鬼たちはうなずいた。里の者たちは安堵した顔でお礼を述べ、立ち去る。
彼らにテユカは手を振って別れを告げる。
「早く行こう!」
テユカが走り出しそうになったため、エスクラーヴが手を掴んで止める。
「落ち着け。都も紅葉も逃げないから」
エスクラーヴの手を引っ張りながら、テユカは進む。
「オレ達をここに越させた人だから、首を長くして待ってる」
キリエは同胞であり、未来の一歩を踏み出す彼らをまぶしく見つめた。
●こっそり
ハンターたちは天ノ都に戻るついでに三人と行動する。
後少しで天ノ都というところの茂みでエスクラーヴとキリエがはっとして足を止める。武器に手をやり、殺気はないが何かいるらしいところを見る。
ハンターは三人を守るようにそちらを見る。
殺気がないからといって悪意がある者がいないとは限らない。
「おい、出てこい」
キリエがどすを効かせた声をかけた。
「う、攻撃しないでください」
両手を上げて泣きそうな顔で紅葉が現れた。
「……」
「……」
「……」
「……おいっ」
雷吼があきれた声を出したことで、緊張から変わった沈黙の空間が破られた。
「お、お姉さん」
テユカが突進して紅葉に抱きつき、吹き飛ばした。
「だから、お前、それ、何度やるんだ!」
エスクラーヴは苦笑しながらテユカをたしなめる。テユカの行動は可愛いいが、迷惑この上ない。
転がった紅葉を白亜とミオレスカが起こし、怪我をしていないかなど尋ね。
「ご、ごめんなさい」
テユカが謝りつつ突進しかかるが、エスクラーヴが止めた。
「すまない、元気があり余ってしまってなぁ」
善木が頭を下げる。
「いいえ、私こそ避ければいいのですが」
「いや、そこで避けようとするのもなんというか……」
紅葉のまじめな答えに、ロニは何か違うと感じる。
「報告しないといけないんだよな」
「そうだな。まあ、見ての通り三人とも来たぞ、お嬢」
キリエが頭を掻き言葉を探している間に、雷吼が結論を先に言ってしまう。
「はいそうです……みなさんのおかげです……が、何があったんですか?」
紅葉は見回す。
「路上に妖怪がずっと居座っていて通れず……」
五来が説明し、ハンターが補足する。
「良かったです、来ていただけて」
紅葉は優しく微笑み、テユカを抱きしめる。
「道は一つしかないのか? これだと何か起こると大変だ」
「そうですね。街道がしっかりしていればもっと行き来しやすくなるかもしれません」
ロニとミオレスカに言われ、紅葉は思案顔になる。
「上に掛け合わないといけませんね……。まずは都や他の整備が優先でしょうが」
大江家の財力がたかが知れていることは、財布のひもを握っていなくても紅葉は把握はしている。
「個人的だと難しいかもしれませんが、何か手はあるかもしれませんよ。それに松永さんも手伝ってくれますよ?」
ミオレスカはおずおずとしつつも、にこにこと紅葉の反応を見つめる。
ここで松永光頼の名がでたことで紅葉は不思議そうな顔になる。
「そうですね……松永殿、親切ですから。でも、甘えてはいけないと思います」
(……あら? あれ? これはどう解釈していいんでしょうか)
ミオレスカは紅葉のまじめな回答に首をかしげた。
「その……紅葉がよければ、紅葉たちにコーヒーを飲んでもらいたいと思って持ってきたんだ」
白亜は荷物から丁寧に密封された豆を取り出す、自分が喫茶をやっていることを説明しながら。
紅葉は驚き、目を輝かせる。
「話には聞いたことがありますが、実際には見たことがありません」
「心も身も温かくなるぞ」
「へぇ」
香りを嗅いで紅葉はニコリと笑う。
「では、皆さまがよろしければ、私の家にいらっしゃいませんか?」
ハンターたちは申し出を受け一緒に屋敷に向かう。
「ヒトと鬼、アンタを見てっと楽しみになってきた」
キリエが楽しげに笑って言うと、紅葉は足を止めてきょとんと見つめる。
紅葉は手をつないだテユカに振り回されるように前に進み始める。なお、テユカの反対の手にはエスクラーヴがつながれている。
「どうなることやら」
鬼と人の未来よりも、目の前の出来事に雷吼は苦笑した。
「落ち着くことを知るべきだと思う」
テユカに振り回されているエスクラーヴの言葉に、紅葉が小さく笑い声を立てた。
ハンターたちは道をゆく。途中で紅葉が待つ鬼たちに出会うかもしれないし、事件に遭遇するかもしれないと急ぎつつも周囲には目を配る。
「先日の様子や話に聞いた限りでは、来たくないというわけではなさそうですが」
ミオレスカ(ka3496)はポツリつぶやく。紅葉と来る予定という鬼たちに面識がある者は同様にうなずく。
「何かあったのかは分からねぇが、俺達鬼に問題が発生しているなら、ちょうどいい機会だ理由を突き止めよう」
百鬼 雷吼(ka5697)は鬼の里に住んでいるわけではないが、同胞として純粋に気になる。天ノ都に向かおうとしていた三人や鬼だけの問題にとどまらないかも知れない。
「おう。前に会った時、アイツらも心ン底から喜んでいるように見えた。何かのっぴきならねぇ事情があったのか、聞かねぇと居心地悪いぜ」
キリエ(ka5695)は依頼主のためにも、人類側に復帰した鬼のためにも事実は知りたいところだ。これで鬼に非があってこなかった場合はかばいようがないが、何もわからないよりましだ。
(元気ならそれでいいし……)
エスクラーヴ(ka5688)は考えながら無言で進む。脳裏には先日会ったテユカの天真爛漫な様子が浮かび、状況を聞いて気になった。
雪継・白亜(ka5403)は荷物に入れてあるコーヒーにそっと触れる。
(無事終わったら……紅葉たちに)
何があったのかをまずは確認しないといけないため、気を引き締める。
「さて、この先で鬼が出るか蛇がでるか……いや鬼はいるのだがな」
ロニ・カルディス(ka0551)が思案顔でつぶやいたところ、仲間から「ここにいるって」という声が返ってきたため一行の緊張が適度にほぐれた。
紅葉はこっそり屋敷を抜け出し、天ノ都から鬼の里につながる道を見に行った。
「ハンターの皆さんが行っているのです、安全です」
もちろん、遠くまで行かないつもりはある。自分で行けないからこそハンターに頼んだのだから。
●じわりじわり
真っ直ぐの道に出た瞬間、何があったか分かった。
道に二体の巨大な動物がいる。似ているのに似ていないそれらは対峙しており、正直言って邪魔だ。
距離があるためか他の存在に気付かないでにらみ合う生き物は、明らかに妖怪だと示す外見をしている。二体は頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎という姿で鵺という存在に見えるが、一体はまさに鵺でもう一体は妙にふっくらとして愛嬌のある姿だった。
「あれを見てください、あっちの岩のあたりに誰かいますよ」
ミオレスカが指さす方ところに、小さい目の影と複数の大きい影がある。
「……道の脇にも誰かいるみたいだ」
白亜は手前を指さす。
二か所にいる人影は前回見た鬼たちであり、紅葉が事情を聞きたがっている者たちもいる。
「あー……、これじゃあ話も何も、そもそもお嬢の所に行けないか……原因はあっさりわかっちまったな」
雷吼は遠くを見つつ、あきれるやら溜息をつくやら首を横に振る。
「ずっとこいつらここにいるのか」
キリエは動く気配のない妖怪を見て、あきれた声が出た。仲の悪い妖怪が出会い、互いの力が拮抗しているため何もできないでいるという状況と推測する。
「同じような、違うような……何とも言い難い敵だな。まあ、退治してしまえば同じだろう」
ロニは武器の振るえるように持つ。
「彼がこちらに来るまで待つか?」
白亜は状況を見て仲間に確認する。
歪虚を倒したいのはやまやまだが、下手に刺激してこちらに来ている善木が巻き込まれるのは問題だった。
「少しずつ戦える態勢は整えましょう」
「そうだな、あいつらがおとなしく彼を通してくれればいいが、もしももあり得ないことではない」
ミオレスカとロニがまとめた内容に、特に異論は出なかった。
何かあれば前衛たちが接敵するまで、ミオレスカと白亜が足止めを中心とした攻撃を行う。接敵できたならば、あらかじめ決めておいた一体を中心に攻撃をしていく。
「尻尾は落とした方がいいのか、別の妖怪か?」
ロニは蛇の顔がついているそれを眺め思案する。動物も尻尾は動くこともあるため判断はつかないが、背中にも目がある状態かもしれないし、先に切り落とすことも重要だと考えた。
道を下り、草地を忍び足で歩く善木はハンターに気付いた。さすがにそこで騒ぐような鬼ではなく、安堵はしたが細心の注意を払い進む。
道も半ば、妖怪がいる脇を通る一番危険なところでそれは起る。
パキリ。
何かを踏んだ。冷や汗と共に様子をうかがうが、妖怪たちは動かなかった。
そんな中、じわじわと近づくハンターたち。
前衛から中衛となるキリエ、ロニ、エスクラーヴそして雷吼が、歩調を合わせて進む。
距離を見て、飛び道具を持つミオレスカと白亜が続く。こちらは何かあれば攻撃できるように意識する。
岩の陰で様子を見ていた五来とテユカ、里の者はハンターを見て安堵の色が浮かぶ。道をふさぐものをどけてくれると考えたから。
「うわーい、お姉ちゃんたち」
大人の気が抜けた瞬間を見計らったかのように、テユカが飛び出した。
「こら、テユカっ!」
五来が慌てて捕まえたが、妖怪がいる方向に結構進んでおり、威嚇される事態になった。テユカは怯え、五来は刀に手を掛けて待機する。
ひいぃぃーよぉぃー。
ぬぅぅぅーえぇぇー。
鋭い鵺と間が抜ける鵺もどきの威嚇が響き渡った。
ハンターたちは一気に間合いを詰めるために移動をする。
「援護を開始します」
宣言をして、マテリアルを解放してミオレスカは矢を放った。複数射られた矢は妖怪たちの足止めと敵がいる事を知ら示すのに十分威力を発揮する。
「こっちに来い」
白亜は善木に声をかけつつ、弾丸を鵺にたたきこむ。
防御姿勢だった善木はハンターの到着を待ちながら、敵から目をそむけずじりじりと移動を続けた。
●鵺ヌエ
仲間が接敵しつつあるのを見て、ミオレスカはマテリアルを込め矢を鵺もどきに放った。それに続き白亜が鵺に銃弾を叩きこむ。
近くに善木がいることを考え、ロニは『レクイエム』を歌う。
エスクラーヴは動きが鈍っているだろう鵺に対し、気を引くように鋭い攻撃を仕掛ける。
鵺はエスクラーヴに向き攻撃を仕掛けるが思うように動かない。その尻尾は善木に向かって牙をむいた。
鵺もどきはこれ幸いとばかりに、鵺に攻撃をしている。
敵対する鵺もどきに攻撃されたためか、鵺の行動が早かった。勢いを付けるかのように一瞬前足を上げてから、地面に付いたと同時に口を開こうとした。
何か特殊な攻撃をするのでは、と白亜は感じ取り鵺の気を逸らすように引き金を絞る。
攻撃の行動を中断させられた鵺は、怒りの咆哮と共に弾丸が来た方を睨み付けた。距離があるために攻撃を仕掛けに行けない。
鵺もどきは電撃を放った。妖怪を中心に四方八方に飛び、周りにいたモノたちすべてに向かう。回避してしまえば問題ないが、当たった瞬間ビリッと電気が走った。
「つうぅ」
戦いの準備をしていない善木は顔をしかめる。
「お前は下がれ」
「君もだよ」
気を遣ったエスクラーヴに善木も声をかける、彼女も電撃をまともに食らっていたから。
なお、鵺と鵺もどきの尻尾は近づいたために互いに攻撃をしていた。
仲間を守るように放たれたミオレスカの矢が鵺もどきに向かう。仲間に余裕があるようなら、近づいて拳銃に切り替えたいと考えるが、現在の位置をキープする。
「ここまで近いなら一気に両方に行ける」
ロニは祈りの力を攻撃魔法とし、武器の石突きを地面に付いたとき光が広がった。セイクリッドフラッシュを食らった鵺は怒りの声を上げた、一方、鵺もどきは軽やかに避けていた。
鵺に対して、エスクラーヴは基本に忠実に、確実に攻撃をこなす。前衛をするには戦いに慣れていないが、まだ引くことはできないと考え力を叩きこむことを選んだ。
「調子こいた妖怪どもがよ、鬼に喰われてェってんだな?」
キリエは不敵な笑みを浮かべ、片鎌槍を鵺もどきに突き刺す。
「後顧の憂いをなくすために狩らせてもらうぜ……急急如律令」
雷吼は札に素早くマテリアルを込め、火炎符を使用した。
ハンターたちの攻撃は妖怪たちの生命力を削り、妖怪たちの攻撃は思うように当たらない。ハンターたちに当たっても、運が悪く防御の固い所に当たるため、妖怪たちは互いを攻撃するよりも共通の敵に対する攻撃に集中する。
ハンターたちが攻撃を仕切った後に、妖怪たちは電撃を放ち、炎を吐き出した。巻き込まれた者は避けるしかない。
「後一息です」
距離があるため観察が可能なミオレスカの号令下、ハンターたちは技のすべてを叩きこみ、妖怪たちを塵に帰した。
「助かった」
善木がほっと息を付く。
「これでいいだろう」
ロニはエスクラーヴと善木に傷を癒すための魔法を使った。
「これで行けるんだね!」
「はい、都に行けますよ」
ミオレスカが答えると、テユカは飛び跳ねて喜ぶ。
「そうだな、紅葉殿は結構さびしがり屋のようでな、早く貴殿らと会いたがっているぞ」
白亜は淡く笑いながら告げた。
「連絡できなかったから……」
面目ないと五来は頭を下げる。
「俺達はあくまで状況の確認だ。謝るなら……」
「ご宗主殿だな」
ロニの言葉を継ぎ五来がうなずいた。
「里の者だな? 問題なければ通れるようになったと伝えてくれるといい」
雷吼に言われて、里に住む鬼たちはうなずいた。里の者たちは安堵した顔でお礼を述べ、立ち去る。
彼らにテユカは手を振って別れを告げる。
「早く行こう!」
テユカが走り出しそうになったため、エスクラーヴが手を掴んで止める。
「落ち着け。都も紅葉も逃げないから」
エスクラーヴの手を引っ張りながら、テユカは進む。
「オレ達をここに越させた人だから、首を長くして待ってる」
キリエは同胞であり、未来の一歩を踏み出す彼らをまぶしく見つめた。
●こっそり
ハンターたちは天ノ都に戻るついでに三人と行動する。
後少しで天ノ都というところの茂みでエスクラーヴとキリエがはっとして足を止める。武器に手をやり、殺気はないが何かいるらしいところを見る。
ハンターは三人を守るようにそちらを見る。
殺気がないからといって悪意がある者がいないとは限らない。
「おい、出てこい」
キリエがどすを効かせた声をかけた。
「う、攻撃しないでください」
両手を上げて泣きそうな顔で紅葉が現れた。
「……」
「……」
「……」
「……おいっ」
雷吼があきれた声を出したことで、緊張から変わった沈黙の空間が破られた。
「お、お姉さん」
テユカが突進して紅葉に抱きつき、吹き飛ばした。
「だから、お前、それ、何度やるんだ!」
エスクラーヴは苦笑しながらテユカをたしなめる。テユカの行動は可愛いいが、迷惑この上ない。
転がった紅葉を白亜とミオレスカが起こし、怪我をしていないかなど尋ね。
「ご、ごめんなさい」
テユカが謝りつつ突進しかかるが、エスクラーヴが止めた。
「すまない、元気があり余ってしまってなぁ」
善木が頭を下げる。
「いいえ、私こそ避ければいいのですが」
「いや、そこで避けようとするのもなんというか……」
紅葉のまじめな答えに、ロニは何か違うと感じる。
「報告しないといけないんだよな」
「そうだな。まあ、見ての通り三人とも来たぞ、お嬢」
キリエが頭を掻き言葉を探している間に、雷吼が結論を先に言ってしまう。
「はいそうです……みなさんのおかげです……が、何があったんですか?」
紅葉は見回す。
「路上に妖怪がずっと居座っていて通れず……」
五来が説明し、ハンターが補足する。
「良かったです、来ていただけて」
紅葉は優しく微笑み、テユカを抱きしめる。
「道は一つしかないのか? これだと何か起こると大変だ」
「そうですね。街道がしっかりしていればもっと行き来しやすくなるかもしれません」
ロニとミオレスカに言われ、紅葉は思案顔になる。
「上に掛け合わないといけませんね……。まずは都や他の整備が優先でしょうが」
大江家の財力がたかが知れていることは、財布のひもを握っていなくても紅葉は把握はしている。
「個人的だと難しいかもしれませんが、何か手はあるかもしれませんよ。それに松永さんも手伝ってくれますよ?」
ミオレスカはおずおずとしつつも、にこにこと紅葉の反応を見つめる。
ここで松永光頼の名がでたことで紅葉は不思議そうな顔になる。
「そうですね……松永殿、親切ですから。でも、甘えてはいけないと思います」
(……あら? あれ? これはどう解釈していいんでしょうか)
ミオレスカは紅葉のまじめな回答に首をかしげた。
「その……紅葉がよければ、紅葉たちにコーヒーを飲んでもらいたいと思って持ってきたんだ」
白亜は荷物から丁寧に密封された豆を取り出す、自分が喫茶をやっていることを説明しながら。
紅葉は驚き、目を輝かせる。
「話には聞いたことがありますが、実際には見たことがありません」
「心も身も温かくなるぞ」
「へぇ」
香りを嗅いで紅葉はニコリと笑う。
「では、皆さまがよろしければ、私の家にいらっしゃいませんか?」
ハンターたちは申し出を受け一緒に屋敷に向かう。
「ヒトと鬼、アンタを見てっと楽しみになってきた」
キリエが楽しげに笑って言うと、紅葉は足を止めてきょとんと見つめる。
紅葉は手をつないだテユカに振り回されるように前に進み始める。なお、テユカの反対の手にはエスクラーヴがつながれている。
「どうなることやら」
鬼と人の未来よりも、目の前の出来事に雷吼は苦笑した。
「落ち着くことを知るべきだと思う」
テユカに振り回されているエスクラーヴの言葉に、紅葉が小さく笑い声を立てた。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/11/28 21:46:11 |
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相談卓 百鬼 雷吼(ka5697) 鬼|24才|男性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2015/11/30 23:14:53 |