ゲスト
(ka0000)
砂浜の平穏を取り戻せ!
マスター:笹村工事

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 6~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/08/10 19:00
- 完成日
- 2014/08/14 14:46
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
港湾都市「ポルトワール」。
王国と帝国への海の玄関口として機能する自由都市同盟最大の港湾都市であり、その名の通り海に面した都市である。
そのとある一角、ポルトワールから南に位置する村の浜辺、一言でいえば田舎な砂浜に、夏の暑い日差しが照り付け潮風が涼風となって吹き抜ける。
思わず水着でも着込んで海に飛び込み遊びたい、そんな気持ちになる、とある日のとある砂浜。
行楽気分真っ盛りになれるその場所が、奇怪にして歪な代物のお蔭で台無しになっていた。
カサ、カサカサ、カサササッ
デッカイ船虫である。数は3匹、大きさは人間の成人男性よりも少し大きい。めっちゃキモい。
キモさはそれに留まらず、体の半身はミッチリと詰まった触手で出来ている。それもタコやイカの物ではなく、近い物を上げればウミウシがそのまま引き伸ばされて出来たかのような触手である。
歪虚、それも狂気の七眷属と呼ばれる、雑魚歪虚である雑魔とは段違いの強さを誇る代物であった。
それが砂浜を駆け回っている。走っては止まり急に向きを変えてまた走っては止まりそこからまた走り出す、を繰り返している。
完全に砂浜を占拠され、物凄く邪魔であった。
それを離れた安全な場所で見ながら、十五歳になる双子の少女達が困っていた。
「どうする、アレ。このままじゃ、ここでイベント開けねぇぞ」
「そやね~、困るわ~」
双子の内、黒髪ショートな姉であるカタリーナはハキハキと、白髪ロングな妹であるビアンカはおっとりと声を上げる。
二人が困っているのには訳がある。
二人はクルキャット商連合と呼ばれる団体に属しているのだが、そのクルキャット商連合は、お祭りのようなイベントのプロデュースをする事があり、今回二人は歪虚が占拠している砂浜で地元の食材を生かした食事を出す屋台などを展開し、それを目玉に海水浴客を引き寄せる、というイベントを任されていた。
プロデューサーとして他人の助けを借りない、初めて二人だけで行うよう任されたイベント仕事だというのに、現地に来た途端これである。
「先輩たちが居てくれはったら、えかったんやけどね~。他の所に駆り出されたらしいし、ホンマ困るわ~」
「先輩たちに頼ろうとしたらあかんやん、ビビ。アタシらが任されたんやから、アタシらでどうにかせないけんやん」
「キティ、がんばりさんやね~。あとで先輩たちに褒めて貰いたいん?」
「なっ、なに言うてんねん! 余計なこと言う口はこうしたる」
「ひはひ~、ひゃへへ~」
むにぅ、とカタリーナはビアンカの頬をつまみ引っ張る。仲の良い姉妹であった。
そんな感じに戯れ合うような真似をしていた二人ではあったが、
「このままじゃ、どうしょうもないよな。アタシらでアレ倒しちまうか?」
カタリーナは砂浜を徘徊し続ける歪虚に厳しい眼差しを向ける。それにビアンカは、
「無理やわ~、ウチら先輩たちみたいに強くあらへんもん」
ビアンカに引っ張られた頬を両手で撫でながら言葉を返す。
カタリーナとビアンカの所属しているクルキャット商連合の中心となるクルキャット商会は、元々がハンターとしての戦闘力を背景とした陸上輸送業者として始まった為、現在でもハンターでもある人員が数多く所属している。カタリーナとビアンカの二人もそうであったが、いかんせんつい最近覚醒者として精霊と契約をしたばかりの超初心者ハンターであった為、ハッキリ言って弱かった。
そのことを自覚しているカタリーナは一瞬言葉に詰まるが、
「弱いからって諦める訳にはいかねぇだろ」
食い下がるように言い返す。それに、生まれた時から共に居た双子の妹は、
「勇気と無謀はちゃうんよ~、キティ。それに、ウチらのお仕事はあの砂浜でイベントする事やもん。機材や食材の準備に地元の人らへの挨拶回り、他にもせぇへんといけん事は色々あるんよ。そっちの方は、どないするん?」
慣れたように理詰めで説得する。それにカタリーナは言葉を詰まらせ、そのタイミングを逃さずビアンカは更に畳み掛けるように言う。
「それに、あんな歪虚が出た砂浜で、あの歪虚居らんようなったから言うて、すぐにイベントする訳にはあかんやん。
どのみち今回のイベントは、延期にせぇへんといけんもん。そういうのも、今回のイベントに関わってくれた人らに説明しに行かんといけんやん。ウチらだけやと、人手が足らへんよ。
やから、キティ。ウチらみたいなんやのうて、ちゃんとしたハンターの人達に助けて貰おう」
この言葉にカタリーナは何か言い返そうとしたが、それを封じる魔法の言葉を出してビアンカは説得した。
「キティ、アラゴのおじいちゃんも言うとったやん、他人の力を借りれるようになるのも商人の大事な資質やって」
孤児になってしまった二人を引き取って育ててくれたクルキャット商会の商主の言葉を借りた呼び掛けに、カタリーナは少しだけ黙っていたが、やがて悔しそうに涙を滲ませながら頷くと、砂浜を走り回る歪虚を見詰めながら、
「絶対リベンジしてやるからな! お前ら居らんようなって全部後始末終わったら、絶対絶対イベント成功させたるからな!」
当分先になるであろうイベントの成功を願いながら、カタリーナは決意を口にした。
そんなことがあってすぐ、双子の姉妹はハンターズソサエティに依頼を出しました。
依頼内容は、砂浜を徘徊する歪虚を砂浜から排除して欲しいという物でした。
対象となる歪虚は狂気の七眷属と見られ、戦いとなれば決して逃げだすことが無く滅びるまで戦い続ける為、依頼は対象となる歪虚の完全殲滅になります。
雑魔などよりもよほど強い歪虚三体の殲滅依頼、この依頼内容を見た貴方達は――?
王国と帝国への海の玄関口として機能する自由都市同盟最大の港湾都市であり、その名の通り海に面した都市である。
そのとある一角、ポルトワールから南に位置する村の浜辺、一言でいえば田舎な砂浜に、夏の暑い日差しが照り付け潮風が涼風となって吹き抜ける。
思わず水着でも着込んで海に飛び込み遊びたい、そんな気持ちになる、とある日のとある砂浜。
行楽気分真っ盛りになれるその場所が、奇怪にして歪な代物のお蔭で台無しになっていた。
カサ、カサカサ、カサササッ
デッカイ船虫である。数は3匹、大きさは人間の成人男性よりも少し大きい。めっちゃキモい。
キモさはそれに留まらず、体の半身はミッチリと詰まった触手で出来ている。それもタコやイカの物ではなく、近い物を上げればウミウシがそのまま引き伸ばされて出来たかのような触手である。
歪虚、それも狂気の七眷属と呼ばれる、雑魚歪虚である雑魔とは段違いの強さを誇る代物であった。
それが砂浜を駆け回っている。走っては止まり急に向きを変えてまた走っては止まりそこからまた走り出す、を繰り返している。
完全に砂浜を占拠され、物凄く邪魔であった。
それを離れた安全な場所で見ながら、十五歳になる双子の少女達が困っていた。
「どうする、アレ。このままじゃ、ここでイベント開けねぇぞ」
「そやね~、困るわ~」
双子の内、黒髪ショートな姉であるカタリーナはハキハキと、白髪ロングな妹であるビアンカはおっとりと声を上げる。
二人が困っているのには訳がある。
二人はクルキャット商連合と呼ばれる団体に属しているのだが、そのクルキャット商連合は、お祭りのようなイベントのプロデュースをする事があり、今回二人は歪虚が占拠している砂浜で地元の食材を生かした食事を出す屋台などを展開し、それを目玉に海水浴客を引き寄せる、というイベントを任されていた。
プロデューサーとして他人の助けを借りない、初めて二人だけで行うよう任されたイベント仕事だというのに、現地に来た途端これである。
「先輩たちが居てくれはったら、えかったんやけどね~。他の所に駆り出されたらしいし、ホンマ困るわ~」
「先輩たちに頼ろうとしたらあかんやん、ビビ。アタシらが任されたんやから、アタシらでどうにかせないけんやん」
「キティ、がんばりさんやね~。あとで先輩たちに褒めて貰いたいん?」
「なっ、なに言うてんねん! 余計なこと言う口はこうしたる」
「ひはひ~、ひゃへへ~」
むにぅ、とカタリーナはビアンカの頬をつまみ引っ張る。仲の良い姉妹であった。
そんな感じに戯れ合うような真似をしていた二人ではあったが、
「このままじゃ、どうしょうもないよな。アタシらでアレ倒しちまうか?」
カタリーナは砂浜を徘徊し続ける歪虚に厳しい眼差しを向ける。それにビアンカは、
「無理やわ~、ウチら先輩たちみたいに強くあらへんもん」
ビアンカに引っ張られた頬を両手で撫でながら言葉を返す。
カタリーナとビアンカの所属しているクルキャット商連合の中心となるクルキャット商会は、元々がハンターとしての戦闘力を背景とした陸上輸送業者として始まった為、現在でもハンターでもある人員が数多く所属している。カタリーナとビアンカの二人もそうであったが、いかんせんつい最近覚醒者として精霊と契約をしたばかりの超初心者ハンターであった為、ハッキリ言って弱かった。
そのことを自覚しているカタリーナは一瞬言葉に詰まるが、
「弱いからって諦める訳にはいかねぇだろ」
食い下がるように言い返す。それに、生まれた時から共に居た双子の妹は、
「勇気と無謀はちゃうんよ~、キティ。それに、ウチらのお仕事はあの砂浜でイベントする事やもん。機材や食材の準備に地元の人らへの挨拶回り、他にもせぇへんといけん事は色々あるんよ。そっちの方は、どないするん?」
慣れたように理詰めで説得する。それにカタリーナは言葉を詰まらせ、そのタイミングを逃さずビアンカは更に畳み掛けるように言う。
「それに、あんな歪虚が出た砂浜で、あの歪虚居らんようなったから言うて、すぐにイベントする訳にはあかんやん。
どのみち今回のイベントは、延期にせぇへんといけんもん。そういうのも、今回のイベントに関わってくれた人らに説明しに行かんといけんやん。ウチらだけやと、人手が足らへんよ。
やから、キティ。ウチらみたいなんやのうて、ちゃんとしたハンターの人達に助けて貰おう」
この言葉にカタリーナは何か言い返そうとしたが、それを封じる魔法の言葉を出してビアンカは説得した。
「キティ、アラゴのおじいちゃんも言うとったやん、他人の力を借りれるようになるのも商人の大事な資質やって」
孤児になってしまった二人を引き取って育ててくれたクルキャット商会の商主の言葉を借りた呼び掛けに、カタリーナは少しだけ黙っていたが、やがて悔しそうに涙を滲ませながら頷くと、砂浜を走り回る歪虚を見詰めながら、
「絶対リベンジしてやるからな! お前ら居らんようなって全部後始末終わったら、絶対絶対イベント成功させたるからな!」
当分先になるであろうイベントの成功を願いながら、カタリーナは決意を口にした。
そんなことがあってすぐ、双子の姉妹はハンターズソサエティに依頼を出しました。
依頼内容は、砂浜を徘徊する歪虚を砂浜から排除して欲しいという物でした。
対象となる歪虚は狂気の七眷属と見られ、戦いとなれば決して逃げだすことが無く滅びるまで戦い続ける為、依頼は対象となる歪虚の完全殲滅になります。
雑魔などよりもよほど強い歪虚三体の殲滅依頼、この依頼内容を見た貴方達は――?
リプレイ本文
●戦闘前会議
砂浜を徘徊する歪虚3体の殲滅。それを依頼されたハンター達は歪虚達を見下ろす堤防の前で戦闘前会議をしていた。
「左からABCでナンバリングするってのはどうだ?」
堤防の上に立ち眼下の歪虚達を見下ろし紫煙をくゆらせながら、シガレット=ウナギパイ(ka2884)は他のハンター達に提案する。
「先ほどの見極めから考えれば、歪虚達には積極的な交戦の意志はない模様。此方から仕掛けますか?」
依頼場所に来ると同時に歪虚達が積極的に動くかどうかを確認していたセレスタ・レネンティア(ka0874)が、提案するように返す。
「良いと思うぜ、右のCから順に処理していこう。歪虚達の連携があるかは分からないけど、その時は足止めに動くつもりだ。他の皆はどうする?」
柊 恭也(ka0711)が補足するように応え、更に他のハンター達に呼び掛けた。
「俺様のデスブラックフレイムなら一瞬で終わるが……あまりも威力が強すぎて砂浜ごと蒸発しちまうからな、今回は封印するしかねぇな。グハハ!」
デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)が勢い良く返し、更に続ける。
「あとは平民共が汗水垂らして作り上げた海岸堤防、壊れても仕方ねぇとはとても言えねぇからな。そちらにフナムシ共が行かないように射撃援護も俺様がしてやるぜ!」
その言葉に賛同するようにエヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)は、後天的な理由により声を出せないためスケッチブックに、
『私も、歪虚達が堤防を傷付けるのを防ぎたいので、堤防に歪虚が突っ込んできたりした時はストーンアーマーを使ってでも防ぐつもりです。それと他の人の壁役も、状況に応じてするつもりです』
他者への気遣いを感じさせる言葉を記した。それを皆が見終わったのを確認するような間を空けて、
「なら自分は、スキルを使い能力を上げた上で接近戦を。Cとの戦闘中にABが向かってきたらBを攻撃して引き付けるつもりです」
如月 鉄兵(ka1142)が自身の行動指針を告げる。
「なら俺も接近戦で。水中銃があるから遠距離もやれるけど、後衛役の人の壁役もしたいから」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)が他のハンター達の事を気遣うように言葉を続けた。
「基本は『1体に集中して倒したら次』の動きですね。私も接近戦で出ますけど、皆さんと集中攻撃する時は、大きな攻撃にだけ気をつけて果敢に攻め立てます!」
今までの話をまとめるように、美作さくら(ka2345)が強気な意思を込め告げる。
そうして皆がそれぞれの行動指針を確認し合い準備を整えてから、戦闘配置へと就いた。
●戦闘
(……あんまり絵の良い題材にはならなそう、フナムシが嫌いってわけじゃないんだけど)
歪虚の徘徊する砂浜に下り立ち、遊撃役であるエヴァは絵描きならではの感想を抱く。けれどそれと同時にハンターとしてストーンアーマーを使い防御を高めると、近接役として歪虚に近付く皆との連携も考えながら戦闘配置の準備に就く。
そのように自身の役割に応じた動きを見せるのは他のハンター達も例外ではなかった。
近接役であるシガレット・柊・如月・レイオス・美作は、一番手前の歪虚への攻撃と、後方に居る歪虚達が連携して襲い掛かって来た時に対処できる位置へと即座に辿り着けるよう準備をしている。
その一方、遊撃役に就いているデスドクロは、近接役の皆の動きを見ながら動けるように準備をしていた。
そうして各々が配置に就き、戦闘への意識が高まったタイミングを見計らうようにして、
「……戦闘配置に就きました、いつでも撃てます」
セレスタの戦闘準備完了の声と共に、皆は一斉に動き出した。
近接戦闘役の内、シガレット・柊・如月は、一番手前以外の歪虚が一斉に動き出した時に即座に対応できるようやや奥に向かって、レイオスと美作はセレスタの射撃の邪魔にならないよう気を付けながら、一番手前の歪虚へと距離を詰める。
その間にデスドクロとエヴァは堤防の防衛や仲間達の援護に回れるよう動いていた。
それぞれが動く中、一番最初に攻撃したのは、後衛で射撃準備をすませていたセレスタだった。
猟銃を構え狙撃に意識を向ける。その瞬間、脳裏に浮かんだのは武運と安全を祈るような友人や知人の顔だった。
それが、どこか励まされるような気持ちを湧かせ、余分な力みのない最適な狙撃への助けとなる。
強弾を使用し撃ち放たれた一撃は歪虚の半身、船虫部分の目に当たる箇所に命中。正のマテリアルの込められたそれは、負のマテリアルの塊である歪虚に大ダメージを与えた。
だが攻撃を食らった歪虚はそれにも関わらず苦痛の声すら上げず、自身に攻撃を加えたセレスタに平然と体を向けると、虫の脚と触手を砂浜に食い込ませ突撃の為に力を溜める。
それを防ぐように、近接役の一部と遊撃役が距離を詰めた。
その途端、歪虚は半身を構成する触手をほどくようにして砂浜に突っ込ませ砂を掴むと、自身に向かってきたハンター達に次々に攻撃しようとする。
「キモいんだよゴキブリ野郎!」
「三枚におろして海にポイしてあげます!」
攻撃されたのは、歪虚まであと一歩の距離まで詰めていたレイオスと美作である。だが二人は気合の声を上げながら、今から食らう歪虚の攻撃が低いと見極め、自身の攻撃へと繋げるためにあえて回避を避け、そのまま突っ込む。
レイオスは踏込と強打のスキルを併用し、歪虚が投げつけてきた砂の痛みを無視し間合いを一気に詰めると太刀の一撃を放つ。
それは運悪く歪虚の最も硬い部分である頭部に当たったが、それでも一瞬とはいえ歪虚の動きを止めるだけのダメージは与えた。それと同時に、
「こっちだゴキブリもどき!」
自分に歪虚の注意が向く危険を顧みず自身へと引き付ける為に声を上げた。
それにより注意がレイオスへと向かった瞬間、動かざるものを使って防御力を高めた美作は、歪虚の砂による攻撃を受けながらも更に間合いを詰めると、薙刀による一撃を加える。
それにより歪虚は倒されるまであと一歩のダメージを食らう。そして、
「万民を統べる絶対王者として、華麗に砂浜の掃除を終わらせるぜ!」
追撃をかける形で放たれたデスドクロの機導砲の一撃により殲滅された。
それを確認した、残った2体の歪虚が連携して襲い掛かって来た場合に備えていたシガレット・柊・如月の3人は仲間が近づいてくるのを待ってから戦闘を開始する。
(海水浴に来る方々や商売人の人達の為にも歪虚を何とかしないとな)
まずは如月が、既にかけていた闘心昂揚と筋力充填の効果が残っている間に、クラッシュブロウをかけたテブテジュ「海魔」の一撃を叩き込む。その一撃により無秩序に動き回っていた歪虚は動きを止める。
「プロテクション掛けるぜ!」
「助かる!」
歪虚に向かって駆けていく最中、シガレットによりプロテクションをかけられ防御力が上がった状態で、柊は果敢に歪虚に向かった。
「さて、簡単に抜けると思うなよ?」
それは他の仲間の所に歪虚が下手に行かないよう足止めする意図もあった。
そうして自身に突撃してくる柊に気付いた歪虚は、無数の触手により掴んだ砂による連撃を放とうとした。
その瞬間、柊の脳裏に自分を気に掛ける友人の顔が浮かぶ。
それに苦笑するような気安さを覚えた柊は、戦闘中であってなお心の余裕が生まれ、それが歪虚の攻撃を見極める力へと繋がり、歪虚の攻撃の最も薄い場所へと踏み込ませた。
そして僅かなダメージと引き換えに歪虚の元に辿り着いた柊が渾身の一撃を与えようと機導剣を振るおうとした瞬間、先ほどとは異なる知人の顔が浮かぶ。
が、何故か祈ったりすることもなく平然としている顔が浮かぶだけ……
それが却って渾身の一撃に繋がったのか、普段以上の勢いで機導剣は振り下ろされる。それは歪虚の殻の一部を破壊するほどの威力を見せた。
その瞬間、攻撃を受けた歪虚は体の向きを一気に変えると、柊に向かって突進する。
予備動作が大きい事もあり危なげもなく柊は避けるが、突進の動きは止まらずそのまま進み堤防へと向かおうとした。
それを防ぐように、堤防の防衛も考えて動いていたエヴァがその進路に立ちはだかる。
(させない)
心の中で決意の声を上げながらストーンアーマーを使い立ちはだかると、攻撃範囲に入って来た歪虚にアースバレットを放つ。
それにより一撃を受けた歪虚は動きが弱まり、エヴァの背後からはズレた地点の堤防に向かう。それを止めるように動いていたのはレイオスだ。
踏込により一気に歪虚との距離を詰めたレイオスは更に追い抜くと、堤防の壁を使って三角飛びの要領で船虫の上を取り、体重を乗せた一撃を叩き込む。
「害虫らしく潰れやがれっ!」
それにより瀕死一歩手前のダメージを受けた歪虚は、追撃をかけたセレスタのスキルを使用した一撃により撃ち滅ぼされた。
そして残る歪虚は1体となる。だというのに、その歪虚はただひたすらに砂浜を駆け回っていた。
仲間を滅ぼされ次は自分の番だというのに何も変わらないその姿は、得体のしれない気持ち悪さをハンター達に与える。
けれどそれを打ち払うような勢いで、それまで仲間の防御と援護に集中していたシガレットは残り1体の歪虚殲滅に走り、近くにいた美作は他の仲間達が駆けつけるまでの時間稼ぎも考えながらシガレットの援護に走る。
先ほどまで仲間の防御や援護に動いていたシガレットを見ていた美作は、
「ひょっとして、強面だけど根はいい人? シガレットさん」
戦闘で強気になった意識のまま、リラックスさせるように声をかける。
それに苦笑しながら、余分な力みのない自然体で歪虚の元へと辿り着いたシガレットは、
「食らいな、必殺歪虚割りスペシャル!」
メイスファイティングを使いながら、こだわりのある木刀によるジャンピングアタックを放った。
それによりダメージを受け動きを止めた歪虚は触手を砂へと突っ込ませると、無数の連撃を仕掛ける。
その瞬間、シガレットは自らが吸ったタバコの残り香を感じ取り、それが同じギルドの仲間の事を思い出させる。
(帰ったら、一緒に煙草でも吹かして今回の戦いの話でもしたいもんだな)
今ではなく更にその先を意識できたシガレットは、そこへと辿り着くために最適な動きをする。
攻撃により飛び上がり着地した瞬間、歪虚の攻撃に合わせ体を這うように沈め攻撃の大半をかわす。それにより歪虚からのダメージは最小に抑えられた。
そんなシガレットに歪虚は更なる攻撃を加えようとするが、
「させません!」
美作の援護を兼ねた薙刀の攻撃によりダメージと牽制を受ける。
そしてその隙に体勢を整えたシガレットが美作と連携を取り合い時間を稼ぐ間に、駆け付けた仲間のハンター達の攻撃により砂浜を占拠していた狂気の歪虚は全てが殲滅された。
●戦闘終了後
(他に歪虚が居ないか周囲を回ったけど、居なかったな。でも、念の為に海に機導砲を数発撃ちこんどくか。案外、海の中にもう1体とか割とある話だしな)
戦闘が終わり、他の仲間と共に周囲を調べていた柊は、万が一の可能性も考え動いていた。
それはハンターとして事後の事も考えた、プロというべき行動だった。
そういった動きは他のハンター達も例外でなく、如月が仲間や砂浜の状態を見て依頼条件が守られたかを調べれば、デスドクロは堤防の状態を念の為に確認する。
そういった動きを補足するように、セレスタや美作も動いていた。
それと同時に、エヴァが戦闘で乱れた砂浜の状態を整え、それをレイオスが手伝う。
そうして確認と作業が終わる中、他の仲間と同じく戦闘後のアフターケアをし、そして終わったシガレットは堤防の上に一人座り込み砂浜を眺めると、戦闘の熱を冷ますように一服した。
そうして戦闘後の確認が終わる頃、依頼主である双子の2人が依頼の確認と礼を言う為に砂浜に訪れた。
「ありがとうな、助かったわ~。やっぱ、慣れたハンターの人らは凄いな~」
「ほんまやね。みんな凄いんやね」
イベント延期の説明行脚のせいで精神的な気疲れを見せていた双子の二人ではあったが、依頼の成功と内容を聞いて、まだまだ卵の殻の取れていない超新米ハンターでもある二人は、きらっきらとした輝きを見せる眼差しを見せながらハンター達に礼を告げる。
それに苦笑するような気配が流れる中、レイオスが、
「イベント、今回は中止になったのは残念だけど、いつかするんだろ? その時は機会があったら参加させて貰うな。屋台の食べ歩きとか、楽しみだからさ」
励ますように声を掛ける。そして、
『イベント開催、頑張ってください。その時によろしければ、私の所属している芸術系ギルド、七色の細腕でも展覧会や歌劇などのイベント興行など行う場合があるので、お声を掛けて下さい』
エヴァは双子を励ますように、それと同時に自分の所属しているギルドの売り込みも行った。
その時の言葉が、今回よりも更に先で、双子の行動に影響を与えるかどうかはまだ分からなかったが、双子の心に残ったのは確かな事だった。
こうして今回の依頼は終わった。
敵の戦力と性質を見極めそれぞれのハンターが各々の役割を果たした上で敵を倒し、更に堤防などの周囲への被害に気を配りアフターケアも行いながら、それでいて敵から大したダメージを受けなかった今回の依頼は、大成功と言えた。
そんな彼らと彼女達の更なる依頼が今後どういう結末を辿るかはこの時は分からなかったが、この先もきっと今回と同様に完遂するのであろう、そう思えるような依頼であった。
砂浜を徘徊する歪虚3体の殲滅。それを依頼されたハンター達は歪虚達を見下ろす堤防の前で戦闘前会議をしていた。
「左からABCでナンバリングするってのはどうだ?」
堤防の上に立ち眼下の歪虚達を見下ろし紫煙をくゆらせながら、シガレット=ウナギパイ(ka2884)は他のハンター達に提案する。
「先ほどの見極めから考えれば、歪虚達には積極的な交戦の意志はない模様。此方から仕掛けますか?」
依頼場所に来ると同時に歪虚達が積極的に動くかどうかを確認していたセレスタ・レネンティア(ka0874)が、提案するように返す。
「良いと思うぜ、右のCから順に処理していこう。歪虚達の連携があるかは分からないけど、その時は足止めに動くつもりだ。他の皆はどうする?」
柊 恭也(ka0711)が補足するように応え、更に他のハンター達に呼び掛けた。
「俺様のデスブラックフレイムなら一瞬で終わるが……あまりも威力が強すぎて砂浜ごと蒸発しちまうからな、今回は封印するしかねぇな。グハハ!」
デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)が勢い良く返し、更に続ける。
「あとは平民共が汗水垂らして作り上げた海岸堤防、壊れても仕方ねぇとはとても言えねぇからな。そちらにフナムシ共が行かないように射撃援護も俺様がしてやるぜ!」
その言葉に賛同するようにエヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)は、後天的な理由により声を出せないためスケッチブックに、
『私も、歪虚達が堤防を傷付けるのを防ぎたいので、堤防に歪虚が突っ込んできたりした時はストーンアーマーを使ってでも防ぐつもりです。それと他の人の壁役も、状況に応じてするつもりです』
他者への気遣いを感じさせる言葉を記した。それを皆が見終わったのを確認するような間を空けて、
「なら自分は、スキルを使い能力を上げた上で接近戦を。Cとの戦闘中にABが向かってきたらBを攻撃して引き付けるつもりです」
如月 鉄兵(ka1142)が自身の行動指針を告げる。
「なら俺も接近戦で。水中銃があるから遠距離もやれるけど、後衛役の人の壁役もしたいから」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)が他のハンター達の事を気遣うように言葉を続けた。
「基本は『1体に集中して倒したら次』の動きですね。私も接近戦で出ますけど、皆さんと集中攻撃する時は、大きな攻撃にだけ気をつけて果敢に攻め立てます!」
今までの話をまとめるように、美作さくら(ka2345)が強気な意思を込め告げる。
そうして皆がそれぞれの行動指針を確認し合い準備を整えてから、戦闘配置へと就いた。
●戦闘
(……あんまり絵の良い題材にはならなそう、フナムシが嫌いってわけじゃないんだけど)
歪虚の徘徊する砂浜に下り立ち、遊撃役であるエヴァは絵描きならではの感想を抱く。けれどそれと同時にハンターとしてストーンアーマーを使い防御を高めると、近接役として歪虚に近付く皆との連携も考えながら戦闘配置の準備に就く。
そのように自身の役割に応じた動きを見せるのは他のハンター達も例外ではなかった。
近接役であるシガレット・柊・如月・レイオス・美作は、一番手前の歪虚への攻撃と、後方に居る歪虚達が連携して襲い掛かって来た時に対処できる位置へと即座に辿り着けるよう準備をしている。
その一方、遊撃役に就いているデスドクロは、近接役の皆の動きを見ながら動けるように準備をしていた。
そうして各々が配置に就き、戦闘への意識が高まったタイミングを見計らうようにして、
「……戦闘配置に就きました、いつでも撃てます」
セレスタの戦闘準備完了の声と共に、皆は一斉に動き出した。
近接戦闘役の内、シガレット・柊・如月は、一番手前以外の歪虚が一斉に動き出した時に即座に対応できるようやや奥に向かって、レイオスと美作はセレスタの射撃の邪魔にならないよう気を付けながら、一番手前の歪虚へと距離を詰める。
その間にデスドクロとエヴァは堤防の防衛や仲間達の援護に回れるよう動いていた。
それぞれが動く中、一番最初に攻撃したのは、後衛で射撃準備をすませていたセレスタだった。
猟銃を構え狙撃に意識を向ける。その瞬間、脳裏に浮かんだのは武運と安全を祈るような友人や知人の顔だった。
それが、どこか励まされるような気持ちを湧かせ、余分な力みのない最適な狙撃への助けとなる。
強弾を使用し撃ち放たれた一撃は歪虚の半身、船虫部分の目に当たる箇所に命中。正のマテリアルの込められたそれは、負のマテリアルの塊である歪虚に大ダメージを与えた。
だが攻撃を食らった歪虚はそれにも関わらず苦痛の声すら上げず、自身に攻撃を加えたセレスタに平然と体を向けると、虫の脚と触手を砂浜に食い込ませ突撃の為に力を溜める。
それを防ぐように、近接役の一部と遊撃役が距離を詰めた。
その途端、歪虚は半身を構成する触手をほどくようにして砂浜に突っ込ませ砂を掴むと、自身に向かってきたハンター達に次々に攻撃しようとする。
「キモいんだよゴキブリ野郎!」
「三枚におろして海にポイしてあげます!」
攻撃されたのは、歪虚まであと一歩の距離まで詰めていたレイオスと美作である。だが二人は気合の声を上げながら、今から食らう歪虚の攻撃が低いと見極め、自身の攻撃へと繋げるためにあえて回避を避け、そのまま突っ込む。
レイオスは踏込と強打のスキルを併用し、歪虚が投げつけてきた砂の痛みを無視し間合いを一気に詰めると太刀の一撃を放つ。
それは運悪く歪虚の最も硬い部分である頭部に当たったが、それでも一瞬とはいえ歪虚の動きを止めるだけのダメージは与えた。それと同時に、
「こっちだゴキブリもどき!」
自分に歪虚の注意が向く危険を顧みず自身へと引き付ける為に声を上げた。
それにより注意がレイオスへと向かった瞬間、動かざるものを使って防御力を高めた美作は、歪虚の砂による攻撃を受けながらも更に間合いを詰めると、薙刀による一撃を加える。
それにより歪虚は倒されるまであと一歩のダメージを食らう。そして、
「万民を統べる絶対王者として、華麗に砂浜の掃除を終わらせるぜ!」
追撃をかける形で放たれたデスドクロの機導砲の一撃により殲滅された。
それを確認した、残った2体の歪虚が連携して襲い掛かって来た場合に備えていたシガレット・柊・如月の3人は仲間が近づいてくるのを待ってから戦闘を開始する。
(海水浴に来る方々や商売人の人達の為にも歪虚を何とかしないとな)
まずは如月が、既にかけていた闘心昂揚と筋力充填の効果が残っている間に、クラッシュブロウをかけたテブテジュ「海魔」の一撃を叩き込む。その一撃により無秩序に動き回っていた歪虚は動きを止める。
「プロテクション掛けるぜ!」
「助かる!」
歪虚に向かって駆けていく最中、シガレットによりプロテクションをかけられ防御力が上がった状態で、柊は果敢に歪虚に向かった。
「さて、簡単に抜けると思うなよ?」
それは他の仲間の所に歪虚が下手に行かないよう足止めする意図もあった。
そうして自身に突撃してくる柊に気付いた歪虚は、無数の触手により掴んだ砂による連撃を放とうとした。
その瞬間、柊の脳裏に自分を気に掛ける友人の顔が浮かぶ。
それに苦笑するような気安さを覚えた柊は、戦闘中であってなお心の余裕が生まれ、それが歪虚の攻撃を見極める力へと繋がり、歪虚の攻撃の最も薄い場所へと踏み込ませた。
そして僅かなダメージと引き換えに歪虚の元に辿り着いた柊が渾身の一撃を与えようと機導剣を振るおうとした瞬間、先ほどとは異なる知人の顔が浮かぶ。
が、何故か祈ったりすることもなく平然としている顔が浮かぶだけ……
それが却って渾身の一撃に繋がったのか、普段以上の勢いで機導剣は振り下ろされる。それは歪虚の殻の一部を破壊するほどの威力を見せた。
その瞬間、攻撃を受けた歪虚は体の向きを一気に変えると、柊に向かって突進する。
予備動作が大きい事もあり危なげもなく柊は避けるが、突進の動きは止まらずそのまま進み堤防へと向かおうとした。
それを防ぐように、堤防の防衛も考えて動いていたエヴァがその進路に立ちはだかる。
(させない)
心の中で決意の声を上げながらストーンアーマーを使い立ちはだかると、攻撃範囲に入って来た歪虚にアースバレットを放つ。
それにより一撃を受けた歪虚は動きが弱まり、エヴァの背後からはズレた地点の堤防に向かう。それを止めるように動いていたのはレイオスだ。
踏込により一気に歪虚との距離を詰めたレイオスは更に追い抜くと、堤防の壁を使って三角飛びの要領で船虫の上を取り、体重を乗せた一撃を叩き込む。
「害虫らしく潰れやがれっ!」
それにより瀕死一歩手前のダメージを受けた歪虚は、追撃をかけたセレスタのスキルを使用した一撃により撃ち滅ぼされた。
そして残る歪虚は1体となる。だというのに、その歪虚はただひたすらに砂浜を駆け回っていた。
仲間を滅ぼされ次は自分の番だというのに何も変わらないその姿は、得体のしれない気持ち悪さをハンター達に与える。
けれどそれを打ち払うような勢いで、それまで仲間の防御と援護に集中していたシガレットは残り1体の歪虚殲滅に走り、近くにいた美作は他の仲間達が駆けつけるまでの時間稼ぎも考えながらシガレットの援護に走る。
先ほどまで仲間の防御や援護に動いていたシガレットを見ていた美作は、
「ひょっとして、強面だけど根はいい人? シガレットさん」
戦闘で強気になった意識のまま、リラックスさせるように声をかける。
それに苦笑しながら、余分な力みのない自然体で歪虚の元へと辿り着いたシガレットは、
「食らいな、必殺歪虚割りスペシャル!」
メイスファイティングを使いながら、こだわりのある木刀によるジャンピングアタックを放った。
それによりダメージを受け動きを止めた歪虚は触手を砂へと突っ込ませると、無数の連撃を仕掛ける。
その瞬間、シガレットは自らが吸ったタバコの残り香を感じ取り、それが同じギルドの仲間の事を思い出させる。
(帰ったら、一緒に煙草でも吹かして今回の戦いの話でもしたいもんだな)
今ではなく更にその先を意識できたシガレットは、そこへと辿り着くために最適な動きをする。
攻撃により飛び上がり着地した瞬間、歪虚の攻撃に合わせ体を這うように沈め攻撃の大半をかわす。それにより歪虚からのダメージは最小に抑えられた。
そんなシガレットに歪虚は更なる攻撃を加えようとするが、
「させません!」
美作の援護を兼ねた薙刀の攻撃によりダメージと牽制を受ける。
そしてその隙に体勢を整えたシガレットが美作と連携を取り合い時間を稼ぐ間に、駆け付けた仲間のハンター達の攻撃により砂浜を占拠していた狂気の歪虚は全てが殲滅された。
●戦闘終了後
(他に歪虚が居ないか周囲を回ったけど、居なかったな。でも、念の為に海に機導砲を数発撃ちこんどくか。案外、海の中にもう1体とか割とある話だしな)
戦闘が終わり、他の仲間と共に周囲を調べていた柊は、万が一の可能性も考え動いていた。
それはハンターとして事後の事も考えた、プロというべき行動だった。
そういった動きは他のハンター達も例外でなく、如月が仲間や砂浜の状態を見て依頼条件が守られたかを調べれば、デスドクロは堤防の状態を念の為に確認する。
そういった動きを補足するように、セレスタや美作も動いていた。
それと同時に、エヴァが戦闘で乱れた砂浜の状態を整え、それをレイオスが手伝う。
そうして確認と作業が終わる中、他の仲間と同じく戦闘後のアフターケアをし、そして終わったシガレットは堤防の上に一人座り込み砂浜を眺めると、戦闘の熱を冷ますように一服した。
そうして戦闘後の確認が終わる頃、依頼主である双子の2人が依頼の確認と礼を言う為に砂浜に訪れた。
「ありがとうな、助かったわ~。やっぱ、慣れたハンターの人らは凄いな~」
「ほんまやね。みんな凄いんやね」
イベント延期の説明行脚のせいで精神的な気疲れを見せていた双子の二人ではあったが、依頼の成功と内容を聞いて、まだまだ卵の殻の取れていない超新米ハンターでもある二人は、きらっきらとした輝きを見せる眼差しを見せながらハンター達に礼を告げる。
それに苦笑するような気配が流れる中、レイオスが、
「イベント、今回は中止になったのは残念だけど、いつかするんだろ? その時は機会があったら参加させて貰うな。屋台の食べ歩きとか、楽しみだからさ」
励ますように声を掛ける。そして、
『イベント開催、頑張ってください。その時によろしければ、私の所属している芸術系ギルド、七色の細腕でも展覧会や歌劇などのイベント興行など行う場合があるので、お声を掛けて下さい』
エヴァは双子を励ますように、それと同時に自分の所属しているギルドの売り込みも行った。
その時の言葉が、今回よりも更に先で、双子の行動に影響を与えるかどうかはまだ分からなかったが、双子の心に残ったのは確かな事だった。
こうして今回の依頼は終わった。
敵の戦力と性質を見極めそれぞれのハンターが各々の役割を果たした上で敵を倒し、更に堤防などの周囲への被害に気を配りアフターケアも行いながら、それでいて敵から大したダメージを受けなかった今回の依頼は、大成功と言えた。
そんな彼らと彼女達の更なる依頼が今後どういう結末を辿るかはこの時は分からなかったが、この先もきっと今回と同様に完遂するのであろう、そう思えるような依頼であった。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/07 23:19:39 |
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戦闘相談室 シガレット=ウナギパイ(ka2884) 人間(クリムゾンウェスト)|32才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/08/10 18:55:12 |