ゲスト
(ka0000)
道を踏み外した小説家
マスター:水

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/12/16 19:00
- 完成日
- 2015/12/23 02:15
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●スランプに陥った小説家
「ぐわああああああ! 新作の内容が思いつきませんわ! このままでは……このままでは私は路頭に迷い白骨化してしまいますわ!」
椅子から転げ落ちた上品な女性。彼女はまだ名は知られていないものの、一部の物好きの間では話題沸騰の小説家として注目されている。
その物好きの中には貴族や富豪も混じっており、彼女の創作活動をサポートするために出資する者もいるのだが、快進撃の末に彼女を待っていたのはそれ以上のクオリティを満たした新作だった。
基本的に彼女が物語を紡ぐ原動力としているのは人生経験。中でも五度ほどの失恋を経験した彼女は恋愛ジャンルが得意だった。
失恋を経験しているのに恋愛ジャンルとは、と疑問に思うかもしれないが、その失恋をフィクションの中で成就させる事でヒットを重ねていったのだ。
しかし、立場上生半可な気持ちで小説を書けなくなった今となっては、どうしてもヒットさせなければならないという強迫観念からスランプに陥っていたのだ。
「ぐあっ……あ、頭を打ちましたわ。痛いですわぁ」
頭を押さえて立ち上がると、とりあえず出来たたんこぶを冷やす為に一度部屋を後にする。
気分転換に外へ出た彼女、自宅の郵便受けに号外と書かれた新聞のようなものが乱雑にねじ込まれていた。そのねじ込まれ方からすると、配達員は相当焦っていたのかもしれない。
「全く、乱雑な扱いをするのですね最近の配達員は……どれどれ」
ねじ込まれていた紙を取り、広げると、どうやら最近起きた宝石店強盗事件とそれを解決したハンター達の事が一面記事として取り上げられていた。
それを読んだ彼女は、ある事を思いつく。
「ハンターズソサエティ……これですわ! どうせこのままでは書けないのですから、何か新しい刺激を貰いに行きましょう!」
何かを思いついたのか、ゴミ箱代わりにしている暖炉へその紙を放り込むと、本棚を退かした先にある隠し扉を開け、中へと入っていく。
その中には、彼女が稼いだ印税で護身用にと買い込んだ武器や防具が大量に鎮座していたのだ。
「恋人の命と形見の結婚指輪を悪徳銀行に奪われ、それを取り返す孤独な復讐鬼の物語が誕生ですわね」
●真夜中の銀行
見張りを縛り上げ、その口を布で塞ぎ、それを誰にも見られない場所へと隠しつつ、金庫の材質を確認する。
パピヨンマスクで顔を隠した女性は行き詰ってしまった余り自らの手で罪を犯し、ハンター達に懲らしめてもらおうという迷惑極まりない行為に出たのだ。常識的に考えれば非常に身勝手で理解出来る範疇を超えた行為であるのは説明するまでも無いのだが、今の彼女はそんな事は抜けており、悲劇の余り復讐に走ってしまった主人公を演じる事しか考えられなかったのだ。
銀行の規模はそこまで大きくはないが、彼女にとって銀行の規模や得られる最大金額はどうでもよかった。ただ破った金庫を漁り、適当な指輪とついでの現金を袋詰めし、脱出に差し掛かろうとした時の事だった。
誰かが縛り上げられた警備員を見つけ通報したのか、ロビーの方から複数の足音が聞こえてきたのだ。思わず女性は身を屈め、深呼吸する。
「すぅーっ、はぁーっ」
もしかすると、通報を受けてハンターが派遣されたのかもしれない。この時になって初めて、女性の心臓は緊張によって高鳴りはじめ、それと同時に人生最大の恐怖と興奮に包まれた。
ハンターを敵に回して無事でいられるわけがないのは、今朝届いた号外記事で解っている。だから彼女は震えが収まらず、自然と深呼吸して震えを抑えようと試みていたのだ。
「いよいよクライマックスですわね。分の悪い賭けがこんなに辛くて楽しいのは、新人賞以来かしら」
自分の半生を振り返り、それでもなお今が楽しいと感じてしまう彼女は、意を決して武器を構え脱出の為に金庫を飛び出したのだった。
「ぐわああああああ! 新作の内容が思いつきませんわ! このままでは……このままでは私は路頭に迷い白骨化してしまいますわ!」
椅子から転げ落ちた上品な女性。彼女はまだ名は知られていないものの、一部の物好きの間では話題沸騰の小説家として注目されている。
その物好きの中には貴族や富豪も混じっており、彼女の創作活動をサポートするために出資する者もいるのだが、快進撃の末に彼女を待っていたのはそれ以上のクオリティを満たした新作だった。
基本的に彼女が物語を紡ぐ原動力としているのは人生経験。中でも五度ほどの失恋を経験した彼女は恋愛ジャンルが得意だった。
失恋を経験しているのに恋愛ジャンルとは、と疑問に思うかもしれないが、その失恋をフィクションの中で成就させる事でヒットを重ねていったのだ。
しかし、立場上生半可な気持ちで小説を書けなくなった今となっては、どうしてもヒットさせなければならないという強迫観念からスランプに陥っていたのだ。
「ぐあっ……あ、頭を打ちましたわ。痛いですわぁ」
頭を押さえて立ち上がると、とりあえず出来たたんこぶを冷やす為に一度部屋を後にする。
気分転換に外へ出た彼女、自宅の郵便受けに号外と書かれた新聞のようなものが乱雑にねじ込まれていた。そのねじ込まれ方からすると、配達員は相当焦っていたのかもしれない。
「全く、乱雑な扱いをするのですね最近の配達員は……どれどれ」
ねじ込まれていた紙を取り、広げると、どうやら最近起きた宝石店強盗事件とそれを解決したハンター達の事が一面記事として取り上げられていた。
それを読んだ彼女は、ある事を思いつく。
「ハンターズソサエティ……これですわ! どうせこのままでは書けないのですから、何か新しい刺激を貰いに行きましょう!」
何かを思いついたのか、ゴミ箱代わりにしている暖炉へその紙を放り込むと、本棚を退かした先にある隠し扉を開け、中へと入っていく。
その中には、彼女が稼いだ印税で護身用にと買い込んだ武器や防具が大量に鎮座していたのだ。
「恋人の命と形見の結婚指輪を悪徳銀行に奪われ、それを取り返す孤独な復讐鬼の物語が誕生ですわね」
●真夜中の銀行
見張りを縛り上げ、その口を布で塞ぎ、それを誰にも見られない場所へと隠しつつ、金庫の材質を確認する。
パピヨンマスクで顔を隠した女性は行き詰ってしまった余り自らの手で罪を犯し、ハンター達に懲らしめてもらおうという迷惑極まりない行為に出たのだ。常識的に考えれば非常に身勝手で理解出来る範疇を超えた行為であるのは説明するまでも無いのだが、今の彼女はそんな事は抜けており、悲劇の余り復讐に走ってしまった主人公を演じる事しか考えられなかったのだ。
銀行の規模はそこまで大きくはないが、彼女にとって銀行の規模や得られる最大金額はどうでもよかった。ただ破った金庫を漁り、適当な指輪とついでの現金を袋詰めし、脱出に差し掛かろうとした時の事だった。
誰かが縛り上げられた警備員を見つけ通報したのか、ロビーの方から複数の足音が聞こえてきたのだ。思わず女性は身を屈め、深呼吸する。
「すぅーっ、はぁーっ」
もしかすると、通報を受けてハンターが派遣されたのかもしれない。この時になって初めて、女性の心臓は緊張によって高鳴りはじめ、それと同時に人生最大の恐怖と興奮に包まれた。
ハンターを敵に回して無事でいられるわけがないのは、今朝届いた号外記事で解っている。だから彼女は震えが収まらず、自然と深呼吸して震えを抑えようと試みていたのだ。
「いよいよクライマックスですわね。分の悪い賭けがこんなに辛くて楽しいのは、新人賞以来かしら」
自分の半生を振り返り、それでもなお今が楽しいと感じてしまう彼女は、意を決して武器を構え脱出の為に金庫を飛び出したのだった。
リプレイ本文
●下準備
誰も居ない深夜の銀行に、今回の依頼を引き受けた六人が足を踏み入れる。
「一体何を考えたらこういう事を起こそうと思うのか……分からん」
その内の一人である恭牙(ka5762)は、ため息を吐きながら閑散とする銀行内を眺めた。見た所、ロビーは派手に荒らされた形跡が無く、誰でも動かせそうなテーブルや椅子がそのままの状態で置かれていた。
「さぁ? 私が思うに、悪党ごっこで悦に浸りたいだけでしょ。あなたが納得するような答えは永遠に得られないわ」
そう言うのは葛葉 莢(ka5713)、彼女は手近な椅子や机をバリケード代わりに入口へ並べ、その内の一つに腰かけた。
「ま、予定通り私達はここでのんびり獲物が来るのを待ってれば良いのよ」
「そうだな。だが、すんなり捕まってくれれば良いのだが……」
「それだったら、もっと頑丈なバリケードを用意すれば良い。相手の心を折るつもりで挑むんだ」
座っている莢と腕を組んで話していた恭牙に割り込むように、町田紀子(ka5895)は言うと、全身を光り輝かせた彼女はいきなりブルドーザースキルを用いて床を引きはがし、瓦礫の山というバリケードを作り出す。
「机や椅子だけでは不安だったのでな」
「最高のバリケードをありがとう。これで犯人は捕まったも同然ね」
莢は椅子に座り、既に仕事が終わったも同然といった態度で体を伸ばしてリラックスする。
「そんなに気を抜いていては、不覚を取るのではないか? 相手は一人と言えど武装した強盗だぞ」
リラックスしている莢を見て呆れた恭牙は、そのまま眠ってしまうのではないかと不安に思ったのか莢に注意を促すも、楽観した態度を崩さない莢は改めてバリケード制作に協力してくれた紀子に礼を言い、少なからず逃亡が図られるような事は無くなった事を確信した恭牙も後を追うように紀子へ礼を言った。
二人のお礼を受け取った紀子は、助けが要るなら何時でもと一言告げた後、ホワイトラビット(ka5692)と共に先行したPetra Rodenwald(ka5833)と月叢 虎刃(ka5897)の近くへ待機する。
「強行突破をするなら、私が盾になろうか?」
「その必要はない、これを投げて様子を見る」
虎刃はそう言うと、袂からキャンディを一つ取り出し、それを金庫室へ向かう通路の死角へ向けて放り投げる。硬質な物同士がぶつかり合うような音が響くが、そこからの反応が無い。
「もう少し先へ進んで投げてみようか?」
ラビットは虎刃の傍でそう提案する。
「そうだな、ラビットと紀子は此処で待っていてくれ。私とPetraで先行して様子を見てくる。Petra、構わないだろう?」
「了解、さっさと終わらせるわよ」
そう虎刃はPetraに言った後、Petraは顔を合わせて頷き、慎重に通路を進んでいく。
「Denn noch stehen wir hier,und schoepfen letzte kraft der feind ist grausam fuer den nachsten kampg(敵は残酷な輩、ゆえに私たちは最後の一人になってでも戦う、さあ戦争の始まりだ)」
虎刃と共に慎重に進む中、彼女は自分の愛銃が火を噴く予感を感じたのか、小声で呟きながらグリップを握り直した。
虎刃は途中、開けっ放しになっている金庫室のドアから光が漏れているのを見つけるが、迂闊に様子を窺うと危険だと感じ、もう一個袂からキャンディを取り出すと部屋へ向けて放り投げた。
キャンディが金庫室で転がる音の後に、二発の銃声が金庫室から響き、更にその後走ってくるような足音が聞こえてきた。すかさず金庫室に籠っている敵の位置を確認するために飛び出し、突入する。
虎刃は確認出来た女性の姿が消えた物陰へ接近すると、突然剣を振り上げたパピヨンマスクの女性が姿を現した。
女性は一言も喋る事無く剣を振り下ろそうとするが、その直前にPetraが行った制圧射撃がその一撃を躊躇わせる。
「大丈夫?」
「平気だ」
Petraのカバーのお陰で傷を負わずに済んだが、制圧射撃から逃れるように金庫室を支える柱へと女性は身を隠してしまう。
二人は挟み討ちをするように各々の武器を構えゆっくりと女性の隠れた柱へ近づく。
挟み討ちの態勢が整った直後、虎刃が飛び出し、女性の手元へ向けて引き金を引く。
咄嗟に女性は背を向けて、虎刃の居ない反対方向へ向き逃亡を図ろうとするが、その先にはPetraが構えており、容赦なく引き金を引く。
「強盗しようっていう根性を叩き直してあげるわ、銃弾の雨でね!」
Petraは敢て女性の足元を狙い、今度は威圧射撃により戦意を奪う手に出る。
「無駄ですわ! その程度の攻撃で、この復習鬼を止めることなど愚の骨頂!」
女性はPetraの威圧射撃にも怯む事無く、そして虎刃へ攻撃を加えるような事もせず虎刃の横を素早くすり抜け、出口へと走り去る。
しかし、虎刃はその隙を見逃さなかった。練気で体内を循環させるように気を練り、逃げる女性に向かって震撃を放つ。
「ぐほっ」
いくら頑丈な鎧で身を固めていても、十分に練られた気から放たれる打撃を吸収しきれず、僅かながらに咽てしまう。
それでも女性は懸命に頭部を守るように転がると、そのままの勢いで立ち上がり金庫室を後にしてしまう。
しかし、二人は特に慌てる事無く女性の後を追うように金庫室を後にする。その先には別の仲間が待ち構えているからだ。
●追い込み漁
虎刃の震撃により吹き飛ばされこそするものの、上手く倒れこむ事により余計な負荷を逃がし体勢を整えつつ起き上がった女性は、そのまま虎刃とPetraに背を向けて走り出す。
「一時はどうなるかと思いましたが……おや?」
金庫室を抜けた直後、物凄い勢いで地面を這う何かを見つけた女性は、反射的に引き金を引く。
しかし、命中はせず、代わりに女性の関節に一発当たった音が廊下に響いた。
「いぇーい、まずは一発!」
嬉しそうにくるりと回り、ジンガのポーズを取るのはラビット。ラビットは変則的な動きで鎧ではどうしても防御を固められない関節部分を狙い蹴りを入れていたのだ。
「やりますわね。ですが、私もこの距離は得意ですのよ!」
女性はショートソードを用いてラビットの目の前で小刻みに動かす。いきなり突き刺したり切りつけて来ない女性に戸惑いながらも、ラビットが次の攻めを模索していたときのことだった。
「ラビット! その場から離れろ!」
突然響く紀子の声、反射的にラビットがバク宙で距離を取った直後、椅子や机が飛び、壁にぶつかり粉々に砕けていく。
「犯人に告ぐ、今すぐ投降しなさい!」
紀子はそう告げると、床のタイル一枚を引き剥がし、これ見よがしに見せ付ける。投降しないともう一度投げるぞと脅迫しているのだ。
しかし、そんな紀子の説得も虚しく、女性は躊躇う事無く猟銃の引き金を引いたのだった。
ところが、紀子はいつの間にかブルドーザースキルで持ち運んでいた銀行カウンターを放り投げると、女性が撃った銃弾はそのカウンターに命中し、粉々に砕ける。
「銃でヒーローが倒せると思うな……創作に関わる者なら人に迷惑をかけずに自分でスランプから脱しろ! 戦うべきは私たちじゃなくて自分自身じゃないのか!?」
「その言い方ですと、貴女には解らないでしょうね。その世界を訪れて初めて見えてくる様々な事……、迷惑をかけられた人間がどのような感情を抱くのか、知りえる良い切っ掛けではありません事?」
「聞く耳を持たぬか……少なくとも私は自分の弱さと戦ってきたつもりだ。それが口だけでない事を今から見せてやる」
紀子は女性の言い分に怒りを覚え、力づくで更生させようと試みるために距離を詰める。
「フフッ、この距離では猟銃は役に立ちませんわねぇ、さすが覚醒者ですわ!」
一気に距離を詰めてきた紀子に関心を抱きながらも、女性は慌てることなくショートソードを構え迎撃の態勢を整える。ところが、そんな女性に想定外の事態が発生した。
「ぴょんぴょん! ねえ、ボクの事忘れてない?」
紀子が距離を詰めた直後、ラビットは地を這うように動き、女性と、そして味方である紀子にも気づかれないように女性の後ろへ回り込んでいたのだ。
「しまった!」
と、女性が不利を悟った時にはもう遅く、ラビットの鋭い蹴りでバランスを崩した所へ紀子の体落としによって仲間が控えているロビーへと投げ飛ばされる。
「あら、抜けてきたのね。おとなしくあっちで捕まってれば怖い目見ずに済んだのに」
その様子を何か勘違いしたのか、莢は座っていた椅子からゆっくりと立ち上がる。
「あーあ、折角楽して稼げると思ったのに、結局働くのね」
「私としては、少し退屈していた所だ、丁度良いじゃないか」
ぼやく莢に対して、やる気十分と言った様子の恭牙は、指の骨を鳴らしながらゆっくりと女性に近づく。
「くっ、分が悪い上に出口も塞がれていますわね、もはやこれまで……」
女性は奥歯を噛みながらも、この状況を打破するための方法を考えるが、一向に考えが纏まらない間にも莢と恭牙は近づいてくる。
「ハンターがヒーロー戦隊だけとでも思った? 悪いけど、私は悪党なのよ」
その一瞬、莢から放たれた尋常じゃない殺気に女性の額から冷汗が流れる。
この女ハンターは、味方を巻き添えにしてでも自分を殺すつもりだ。
そんな正気じゃない雰囲気が、彼女の手を震わせる。だが、身を守る為にできる事は一つだけだ。
「参りますわ! 私の作家人生全てを捧げたこの一撃を!」
女性は莢の放つ殺気を拭い切れていないものの、どの道このままでは死んでしまうと悟り、捨て身で莢へショートソードを突き出す。
しかし、莢からしてみればそんな見え切った攻撃を受けるわけもなく、寸前の所で柔能制剛によって投げ倒す。
それでも女性は上手く受け身を取り、立ち上がり再びショートソードを構えた直後、今度は怪力無双によって筋力を爆発的に増加させた恭牙が女性の背後から打撃を加える。
「生憎、そういう風に怪我をさせるような事をする輩に手加減する拳は持ち合わせていないのでな、少し痛い目にあって貰うぞ」
打撃とは言え、覚醒後で手加減の無いその一撃により、女性の纏っていた鎧は大きく凹み、壁へ吹き飛ばされる。
「これでもう、動こうとは思うまい。莢、直ぐに捕縛するんだ」
「いやぁ、助かっちゃった。動かれると面倒だからどうしようか悩んでいたところだったのよ」
恭牙の活躍により全身に衝撃が走り、意識が朦朧としている所へ、これ以上動かれても面倒だと感じていた莢はロープを取り出し、女性の手足を縛りあげた。
「何でこんなことしようと思ったの?」
先ほどまでの殺気を引っ込めた莢は、縛りあげながら、彼女に犯行の動機を尋ねるも、女性はその動機についてすぐに答えず、どうして命を奪わないのかを逆に尋ねた。
「そういう貴女こそ、殺すつもりで私と対峙していたのでしょう? それがどうですか、動けなくなったのを良い事に、ロープで縛りあげるなんて」
「殺す訳ないでしょうが。悪党であっても無法者じゃないんだし」
自分の誇りを馬鹿にされた気分になった莢は、盛大にため息をつきつつも、改めて動機を訪ねる。
自分がスランプに陥り、偶然ハンター達の活躍が書かれた新聞を読み咄嗟に犯行を思いついたこと。
捕まっても何かしら良いスパイスになるだろうと信じていた為、金品よりもこの行為自体が目的である事を告げると、いつの間にか集合していた他のハンターともども盛大にため息をついた。
「一体なにがしたいんだ……」
「……てかそれ、依頼で適当なハンター呼んで経験談聞きゃよかったんじゃないの? 生半な気持ちで悪党ごっこなんかするもんじゃないわよ。癖になる前に直しときなさい」
●説教
塞がれた出入り口を、紀子のブルドーザーによって解放し、身柄を引き渡す準備を終えた後、ハンター達による説教が始まった。
特に虎刃は自身も小説家として活動していた為か思う処があるようで、彼女の悩みを深く理解した上で彼女に説教する。
「私もリアルブルーで小説家をやっていたが、此度の貴様の言動は同業者として情けない。斯様な事をし、良作が出来上がったとしよう。貴様はそれで本当に満足か? 罪を犯し、その経験を『我が子』たる作に落とし込んで、それで本当に満足か? 私は書きたいものを書き、世に出すため小説家になった。売れはしなかったが……そうだな、幸せだった。狂人と蔑まれようともな。因みに、君には才能がある。無理に売れようとしなくとも、書きたいものを書くのだ。皆、それを期待しているのではないか?」
そこまで言った後、虎刃は立ち上がり、その直後忘れたとばかりにまた口を開く。
「因みに、殴ったことに関してだが、きみが女でなければもう二、三発殴っているところだ」
彼はそう言うが、女性としては口にはしないがもう二、三発殴られれば新しい世界が見えてくるのかもしれないと考えていたのは秘密だ。
「それはそうと、あなた、ビールは飲むの?」
Petraによる突然の質問に、女性は首をかしげるも、どちらかはっきりしろと言わんばかりの態度に押された女性はうっかり飲むと答えたうえでPetraは続ける。
「何、人に迷惑かけてくれてんのよ! スランプになったならビールでも浴びるほど飲んで暴れて友達にでも当たり散らしてればそのうちなんとかなったかもしれないじゃない!」
「そうだな、当たり散らすのは流石に考え物だが……、酒が入れば本音で話せる。そういう相手が今のおぬしには必要だろう」
Petraの怒鳴り散らすような説教に補足するように、恭牙は女性に対して必要だと感じた事を伝える。
「ボクもそう思うな、一人で背負い込みすぎたんじゃないの?」
ラビットは縛られた女性の近くでしゃがみつつ、純粋に思った事を口にする。
「そうかもしれないな、自分の弱さを隠す為に、卑怯な事をする者が後を絶たぬ。今回の事をきっかけに、自分の弱さと見つめあってみてはどうだ?」
そんな一言を聞いた紀子は、女性に対して今後どうすべきか、自身の経験を元にアドバイスした。
「……皆さん、迷惑をかけて、本当に申し訳ありませんでした」
女性はここで初めて、自分の犯した過ちに気づき、涙を流し始める。
自分の作品が軌道に乗ると同時に、相談できるような相手も減っていったが、女性は気にする事無く日々を過ごしていた事を告白した。
「そして、こんな私に一言お声掛けいただき、本当にありがとうございます」
女性は荒っぽくも親身になってくれたハンター達にお礼を言うと、身柄を護送するための馬車が銀行に到着し、彼女は縛られているが故にハンター達に支えられながら馬車へと乗せられていった。
誰も居ない深夜の銀行に、今回の依頼を引き受けた六人が足を踏み入れる。
「一体何を考えたらこういう事を起こそうと思うのか……分からん」
その内の一人である恭牙(ka5762)は、ため息を吐きながら閑散とする銀行内を眺めた。見た所、ロビーは派手に荒らされた形跡が無く、誰でも動かせそうなテーブルや椅子がそのままの状態で置かれていた。
「さぁ? 私が思うに、悪党ごっこで悦に浸りたいだけでしょ。あなたが納得するような答えは永遠に得られないわ」
そう言うのは葛葉 莢(ka5713)、彼女は手近な椅子や机をバリケード代わりに入口へ並べ、その内の一つに腰かけた。
「ま、予定通り私達はここでのんびり獲物が来るのを待ってれば良いのよ」
「そうだな。だが、すんなり捕まってくれれば良いのだが……」
「それだったら、もっと頑丈なバリケードを用意すれば良い。相手の心を折るつもりで挑むんだ」
座っている莢と腕を組んで話していた恭牙に割り込むように、町田紀子(ka5895)は言うと、全身を光り輝かせた彼女はいきなりブルドーザースキルを用いて床を引きはがし、瓦礫の山というバリケードを作り出す。
「机や椅子だけでは不安だったのでな」
「最高のバリケードをありがとう。これで犯人は捕まったも同然ね」
莢は椅子に座り、既に仕事が終わったも同然といった態度で体を伸ばしてリラックスする。
「そんなに気を抜いていては、不覚を取るのではないか? 相手は一人と言えど武装した強盗だぞ」
リラックスしている莢を見て呆れた恭牙は、そのまま眠ってしまうのではないかと不安に思ったのか莢に注意を促すも、楽観した態度を崩さない莢は改めてバリケード制作に協力してくれた紀子に礼を言い、少なからず逃亡が図られるような事は無くなった事を確信した恭牙も後を追うように紀子へ礼を言った。
二人のお礼を受け取った紀子は、助けが要るなら何時でもと一言告げた後、ホワイトラビット(ka5692)と共に先行したPetra Rodenwald(ka5833)と月叢 虎刃(ka5897)の近くへ待機する。
「強行突破をするなら、私が盾になろうか?」
「その必要はない、これを投げて様子を見る」
虎刃はそう言うと、袂からキャンディを一つ取り出し、それを金庫室へ向かう通路の死角へ向けて放り投げる。硬質な物同士がぶつかり合うような音が響くが、そこからの反応が無い。
「もう少し先へ進んで投げてみようか?」
ラビットは虎刃の傍でそう提案する。
「そうだな、ラビットと紀子は此処で待っていてくれ。私とPetraで先行して様子を見てくる。Petra、構わないだろう?」
「了解、さっさと終わらせるわよ」
そう虎刃はPetraに言った後、Petraは顔を合わせて頷き、慎重に通路を進んでいく。
「Denn noch stehen wir hier,und schoepfen letzte kraft der feind ist grausam fuer den nachsten kampg(敵は残酷な輩、ゆえに私たちは最後の一人になってでも戦う、さあ戦争の始まりだ)」
虎刃と共に慎重に進む中、彼女は自分の愛銃が火を噴く予感を感じたのか、小声で呟きながらグリップを握り直した。
虎刃は途中、開けっ放しになっている金庫室のドアから光が漏れているのを見つけるが、迂闊に様子を窺うと危険だと感じ、もう一個袂からキャンディを取り出すと部屋へ向けて放り投げた。
キャンディが金庫室で転がる音の後に、二発の銃声が金庫室から響き、更にその後走ってくるような足音が聞こえてきた。すかさず金庫室に籠っている敵の位置を確認するために飛び出し、突入する。
虎刃は確認出来た女性の姿が消えた物陰へ接近すると、突然剣を振り上げたパピヨンマスクの女性が姿を現した。
女性は一言も喋る事無く剣を振り下ろそうとするが、その直前にPetraが行った制圧射撃がその一撃を躊躇わせる。
「大丈夫?」
「平気だ」
Petraのカバーのお陰で傷を負わずに済んだが、制圧射撃から逃れるように金庫室を支える柱へと女性は身を隠してしまう。
二人は挟み討ちをするように各々の武器を構えゆっくりと女性の隠れた柱へ近づく。
挟み討ちの態勢が整った直後、虎刃が飛び出し、女性の手元へ向けて引き金を引く。
咄嗟に女性は背を向けて、虎刃の居ない反対方向へ向き逃亡を図ろうとするが、その先にはPetraが構えており、容赦なく引き金を引く。
「強盗しようっていう根性を叩き直してあげるわ、銃弾の雨でね!」
Petraは敢て女性の足元を狙い、今度は威圧射撃により戦意を奪う手に出る。
「無駄ですわ! その程度の攻撃で、この復習鬼を止めることなど愚の骨頂!」
女性はPetraの威圧射撃にも怯む事無く、そして虎刃へ攻撃を加えるような事もせず虎刃の横を素早くすり抜け、出口へと走り去る。
しかし、虎刃はその隙を見逃さなかった。練気で体内を循環させるように気を練り、逃げる女性に向かって震撃を放つ。
「ぐほっ」
いくら頑丈な鎧で身を固めていても、十分に練られた気から放たれる打撃を吸収しきれず、僅かながらに咽てしまう。
それでも女性は懸命に頭部を守るように転がると、そのままの勢いで立ち上がり金庫室を後にしてしまう。
しかし、二人は特に慌てる事無く女性の後を追うように金庫室を後にする。その先には別の仲間が待ち構えているからだ。
●追い込み漁
虎刃の震撃により吹き飛ばされこそするものの、上手く倒れこむ事により余計な負荷を逃がし体勢を整えつつ起き上がった女性は、そのまま虎刃とPetraに背を向けて走り出す。
「一時はどうなるかと思いましたが……おや?」
金庫室を抜けた直後、物凄い勢いで地面を這う何かを見つけた女性は、反射的に引き金を引く。
しかし、命中はせず、代わりに女性の関節に一発当たった音が廊下に響いた。
「いぇーい、まずは一発!」
嬉しそうにくるりと回り、ジンガのポーズを取るのはラビット。ラビットは変則的な動きで鎧ではどうしても防御を固められない関節部分を狙い蹴りを入れていたのだ。
「やりますわね。ですが、私もこの距離は得意ですのよ!」
女性はショートソードを用いてラビットの目の前で小刻みに動かす。いきなり突き刺したり切りつけて来ない女性に戸惑いながらも、ラビットが次の攻めを模索していたときのことだった。
「ラビット! その場から離れろ!」
突然響く紀子の声、反射的にラビットがバク宙で距離を取った直後、椅子や机が飛び、壁にぶつかり粉々に砕けていく。
「犯人に告ぐ、今すぐ投降しなさい!」
紀子はそう告げると、床のタイル一枚を引き剥がし、これ見よがしに見せ付ける。投降しないともう一度投げるぞと脅迫しているのだ。
しかし、そんな紀子の説得も虚しく、女性は躊躇う事無く猟銃の引き金を引いたのだった。
ところが、紀子はいつの間にかブルドーザースキルで持ち運んでいた銀行カウンターを放り投げると、女性が撃った銃弾はそのカウンターに命中し、粉々に砕ける。
「銃でヒーローが倒せると思うな……創作に関わる者なら人に迷惑をかけずに自分でスランプから脱しろ! 戦うべきは私たちじゃなくて自分自身じゃないのか!?」
「その言い方ですと、貴女には解らないでしょうね。その世界を訪れて初めて見えてくる様々な事……、迷惑をかけられた人間がどのような感情を抱くのか、知りえる良い切っ掛けではありません事?」
「聞く耳を持たぬか……少なくとも私は自分の弱さと戦ってきたつもりだ。それが口だけでない事を今から見せてやる」
紀子は女性の言い分に怒りを覚え、力づくで更生させようと試みるために距離を詰める。
「フフッ、この距離では猟銃は役に立ちませんわねぇ、さすが覚醒者ですわ!」
一気に距離を詰めてきた紀子に関心を抱きながらも、女性は慌てることなくショートソードを構え迎撃の態勢を整える。ところが、そんな女性に想定外の事態が発生した。
「ぴょんぴょん! ねえ、ボクの事忘れてない?」
紀子が距離を詰めた直後、ラビットは地を這うように動き、女性と、そして味方である紀子にも気づかれないように女性の後ろへ回り込んでいたのだ。
「しまった!」
と、女性が不利を悟った時にはもう遅く、ラビットの鋭い蹴りでバランスを崩した所へ紀子の体落としによって仲間が控えているロビーへと投げ飛ばされる。
「あら、抜けてきたのね。おとなしくあっちで捕まってれば怖い目見ずに済んだのに」
その様子を何か勘違いしたのか、莢は座っていた椅子からゆっくりと立ち上がる。
「あーあ、折角楽して稼げると思ったのに、結局働くのね」
「私としては、少し退屈していた所だ、丁度良いじゃないか」
ぼやく莢に対して、やる気十分と言った様子の恭牙は、指の骨を鳴らしながらゆっくりと女性に近づく。
「くっ、分が悪い上に出口も塞がれていますわね、もはやこれまで……」
女性は奥歯を噛みながらも、この状況を打破するための方法を考えるが、一向に考えが纏まらない間にも莢と恭牙は近づいてくる。
「ハンターがヒーロー戦隊だけとでも思った? 悪いけど、私は悪党なのよ」
その一瞬、莢から放たれた尋常じゃない殺気に女性の額から冷汗が流れる。
この女ハンターは、味方を巻き添えにしてでも自分を殺すつもりだ。
そんな正気じゃない雰囲気が、彼女の手を震わせる。だが、身を守る為にできる事は一つだけだ。
「参りますわ! 私の作家人生全てを捧げたこの一撃を!」
女性は莢の放つ殺気を拭い切れていないものの、どの道このままでは死んでしまうと悟り、捨て身で莢へショートソードを突き出す。
しかし、莢からしてみればそんな見え切った攻撃を受けるわけもなく、寸前の所で柔能制剛によって投げ倒す。
それでも女性は上手く受け身を取り、立ち上がり再びショートソードを構えた直後、今度は怪力無双によって筋力を爆発的に増加させた恭牙が女性の背後から打撃を加える。
「生憎、そういう風に怪我をさせるような事をする輩に手加減する拳は持ち合わせていないのでな、少し痛い目にあって貰うぞ」
打撃とは言え、覚醒後で手加減の無いその一撃により、女性の纏っていた鎧は大きく凹み、壁へ吹き飛ばされる。
「これでもう、動こうとは思うまい。莢、直ぐに捕縛するんだ」
「いやぁ、助かっちゃった。動かれると面倒だからどうしようか悩んでいたところだったのよ」
恭牙の活躍により全身に衝撃が走り、意識が朦朧としている所へ、これ以上動かれても面倒だと感じていた莢はロープを取り出し、女性の手足を縛りあげた。
「何でこんなことしようと思ったの?」
先ほどまでの殺気を引っ込めた莢は、縛りあげながら、彼女に犯行の動機を尋ねるも、女性はその動機についてすぐに答えず、どうして命を奪わないのかを逆に尋ねた。
「そういう貴女こそ、殺すつもりで私と対峙していたのでしょう? それがどうですか、動けなくなったのを良い事に、ロープで縛りあげるなんて」
「殺す訳ないでしょうが。悪党であっても無法者じゃないんだし」
自分の誇りを馬鹿にされた気分になった莢は、盛大にため息をつきつつも、改めて動機を訪ねる。
自分がスランプに陥り、偶然ハンター達の活躍が書かれた新聞を読み咄嗟に犯行を思いついたこと。
捕まっても何かしら良いスパイスになるだろうと信じていた為、金品よりもこの行為自体が目的である事を告げると、いつの間にか集合していた他のハンターともども盛大にため息をついた。
「一体なにがしたいんだ……」
「……てかそれ、依頼で適当なハンター呼んで経験談聞きゃよかったんじゃないの? 生半な気持ちで悪党ごっこなんかするもんじゃないわよ。癖になる前に直しときなさい」
●説教
塞がれた出入り口を、紀子のブルドーザーによって解放し、身柄を引き渡す準備を終えた後、ハンター達による説教が始まった。
特に虎刃は自身も小説家として活動していた為か思う処があるようで、彼女の悩みを深く理解した上で彼女に説教する。
「私もリアルブルーで小説家をやっていたが、此度の貴様の言動は同業者として情けない。斯様な事をし、良作が出来上がったとしよう。貴様はそれで本当に満足か? 罪を犯し、その経験を『我が子』たる作に落とし込んで、それで本当に満足か? 私は書きたいものを書き、世に出すため小説家になった。売れはしなかったが……そうだな、幸せだった。狂人と蔑まれようともな。因みに、君には才能がある。無理に売れようとしなくとも、書きたいものを書くのだ。皆、それを期待しているのではないか?」
そこまで言った後、虎刃は立ち上がり、その直後忘れたとばかりにまた口を開く。
「因みに、殴ったことに関してだが、きみが女でなければもう二、三発殴っているところだ」
彼はそう言うが、女性としては口にはしないがもう二、三発殴られれば新しい世界が見えてくるのかもしれないと考えていたのは秘密だ。
「それはそうと、あなた、ビールは飲むの?」
Petraによる突然の質問に、女性は首をかしげるも、どちらかはっきりしろと言わんばかりの態度に押された女性はうっかり飲むと答えたうえでPetraは続ける。
「何、人に迷惑かけてくれてんのよ! スランプになったならビールでも浴びるほど飲んで暴れて友達にでも当たり散らしてればそのうちなんとかなったかもしれないじゃない!」
「そうだな、当たり散らすのは流石に考え物だが……、酒が入れば本音で話せる。そういう相手が今のおぬしには必要だろう」
Petraの怒鳴り散らすような説教に補足するように、恭牙は女性に対して必要だと感じた事を伝える。
「ボクもそう思うな、一人で背負い込みすぎたんじゃないの?」
ラビットは縛られた女性の近くでしゃがみつつ、純粋に思った事を口にする。
「そうかもしれないな、自分の弱さを隠す為に、卑怯な事をする者が後を絶たぬ。今回の事をきっかけに、自分の弱さと見つめあってみてはどうだ?」
そんな一言を聞いた紀子は、女性に対して今後どうすべきか、自身の経験を元にアドバイスした。
「……皆さん、迷惑をかけて、本当に申し訳ありませんでした」
女性はここで初めて、自分の犯した過ちに気づき、涙を流し始める。
自分の作品が軌道に乗ると同時に、相談できるような相手も減っていったが、女性は気にする事無く日々を過ごしていた事を告白した。
「そして、こんな私に一言お声掛けいただき、本当にありがとうございます」
女性は荒っぽくも親身になってくれたハンター達にお礼を言うと、身柄を護送するための馬車が銀行に到着し、彼女は縛られているが故にハンター達に支えられながら馬車へと乗せられていった。
依頼結果
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面白かった! | 4人 |
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依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/15 16:37:54 |
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相談卓 五光 莢(ka5713) 人間(リアルブルー)|18才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/12/15 21:38:36 |