ゲスト
(ka0000)
道を踏み外した小説家
マスター:水

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/12/25 19:00
オープニング
●スランプに陥った小説家
「ぐわああああああ! 新作の内容が思いつきませんわ! このままでは……このままでは私は路頭に迷い白骨化してしまいますわ!」
椅子から転げ落ちた上品な女性。彼女はまだ名は知られていないものの、一部の物好きの間では話題沸騰の小説家として注目されている。
その物好きの中には貴族や富豪も混じっており、彼女の創作活動をサポートするために出資する者もいるのだが、快進撃の末に彼女を待っていたのはそれ以上のクオリティを満たした新作だった。
基本的に彼女が物語を紡ぐ原動力としているのは人生経験。中でも五度ほどの失恋を経験した彼女は恋愛ジャンルが得意だった。
失恋を経験しているのに恋愛ジャンルとは、と疑問に思うかもしれないが、その失恋をフィクションの中で成就させる事でヒットを重ねていったのだ。
しかし、立場上生半可な気持ちで小説を書けなくなった今となっては、どうしてもヒットさせなければならないという強迫観念からスランプに陥っていたのだ。
「ぐあっ……あ、頭を打ちましたわ。痛いですわぁ」
頭を押さえて立ち上がると、とりあえず出来たたんこぶを冷やす為に一度部屋を後にする。
気分転換に外へ出た彼女、自宅の郵便受けに号外と書かれた新聞のようなものが乱雑にねじ込まれていた。そのねじ込まれ方からすると、配達員は相当焦っていたのかもしれない。
「全く、乱雑な扱いをするのですね最近の配達員は……どれどれ」
ねじ込まれていた紙を取り、広げると、どうやら最近起きた宝石店強盗事件とそれを解決したハンター達の事が一面記事として取り上げられていた。
それを読んだ彼女は、ある事を思いつく。
「ハンターズソサエティ……これですわ! どうせこのままでは書けないのですから、何か新しい刺激を貰いに行きましょう!」
何かを思いついたのか、ゴミ箱代わりにしている暖炉へその紙を放り込むと、本棚を退かした先にある隠し扉を開け、中へと入っていく。
その中には、彼女が稼いだ印税で護身用にと買い込んだ武器や防具が大量に鎮座していたのだ。
「恋人の命と形見の結婚指輪を悪徳銀行に奪われ、それを取り返す孤独な復讐鬼の物語が誕生ですわね」
●真夜中の銀行
見張りを縛り上げ、その口を布で塞ぎ、それを誰にも見られない場所へと隠しつつ、金庫の材質を確認する。
パピヨンマスクで顔を隠した女性は行き詰ってしまった余り自らの手で罪を犯し、ハンター達に懲らしめてもらおうという迷惑極まりない行為に出たのだ。常識的に考えれば非常に身勝手で理解出来る範疇を超えた行為であるのは説明するまでも無いのだが、今の彼女はそんな事は抜けており、悲劇の余り復讐に走ってしまった主人公を演じる事しか考えられなかったのだ。
銀行の規模はそこまで大きくはないが、彼女にとって銀行の規模や得られる最大金額はどうでもよかった。ただ破った金庫を漁り、適当な指輪とついでの現金を袋詰めし、脱出に差し掛かろうとした時の事だった。
誰かが縛り上げられた警備員を見つけ通報したのか、ロビーの方から複数の足音が聞こえてきたのだ。思わず女性は身を屈め、深呼吸する。
「すぅーっ、はぁーっ」
もしかすると、通報を受けてハンターが派遣されたのかもしれない。この時になって初めて、女性の心臓は緊張によって高鳴りはじめ、それと同時に人生最大の恐怖と興奮に包まれた。
ハンターを敵に回して無事でいられるわけがないのは、今朝届いた号外記事で解っている。だから彼女は震えが収まらず、自然と深呼吸して震えを抑えようと試みていたのだ。
「いよいよクライマックスですわね。分の悪い賭けがこんなに辛くて楽しいのは、新人賞以来かしら」
自分の半生を振り返り、それでもなお今が楽しいと感じてしまう彼女は、意を決して武器を構え脱出の為に金庫を飛び出したのだった。
「ぐわああああああ! 新作の内容が思いつきませんわ! このままでは……このままでは私は路頭に迷い白骨化してしまいますわ!」
椅子から転げ落ちた上品な女性。彼女はまだ名は知られていないものの、一部の物好きの間では話題沸騰の小説家として注目されている。
その物好きの中には貴族や富豪も混じっており、彼女の創作活動をサポートするために出資する者もいるのだが、快進撃の末に彼女を待っていたのはそれ以上のクオリティを満たした新作だった。
基本的に彼女が物語を紡ぐ原動力としているのは人生経験。中でも五度ほどの失恋を経験した彼女は恋愛ジャンルが得意だった。
失恋を経験しているのに恋愛ジャンルとは、と疑問に思うかもしれないが、その失恋をフィクションの中で成就させる事でヒットを重ねていったのだ。
しかし、立場上生半可な気持ちで小説を書けなくなった今となっては、どうしてもヒットさせなければならないという強迫観念からスランプに陥っていたのだ。
「ぐあっ……あ、頭を打ちましたわ。痛いですわぁ」
頭を押さえて立ち上がると、とりあえず出来たたんこぶを冷やす為に一度部屋を後にする。
気分転換に外へ出た彼女、自宅の郵便受けに号外と書かれた新聞のようなものが乱雑にねじ込まれていた。そのねじ込まれ方からすると、配達員は相当焦っていたのかもしれない。
「全く、乱雑な扱いをするのですね最近の配達員は……どれどれ」
ねじ込まれていた紙を取り、広げると、どうやら最近起きた宝石店強盗事件とそれを解決したハンター達の事が一面記事として取り上げられていた。
それを読んだ彼女は、ある事を思いつく。
「ハンターズソサエティ……これですわ! どうせこのままでは書けないのですから、何か新しい刺激を貰いに行きましょう!」
何かを思いついたのか、ゴミ箱代わりにしている暖炉へその紙を放り込むと、本棚を退かした先にある隠し扉を開け、中へと入っていく。
その中には、彼女が稼いだ印税で護身用にと買い込んだ武器や防具が大量に鎮座していたのだ。
「恋人の命と形見の結婚指輪を悪徳銀行に奪われ、それを取り返す孤独な復讐鬼の物語が誕生ですわね」
●真夜中の銀行
見張りを縛り上げ、その口を布で塞ぎ、それを誰にも見られない場所へと隠しつつ、金庫の材質を確認する。
パピヨンマスクで顔を隠した女性は行き詰ってしまった余り自らの手で罪を犯し、ハンター達に懲らしめてもらおうという迷惑極まりない行為に出たのだ。常識的に考えれば非常に身勝手で理解出来る範疇を超えた行為であるのは説明するまでも無いのだが、今の彼女はそんな事は抜けており、悲劇の余り復讐に走ってしまった主人公を演じる事しか考えられなかったのだ。
銀行の規模はそこまで大きくはないが、彼女にとって銀行の規模や得られる最大金額はどうでもよかった。ただ破った金庫を漁り、適当な指輪とついでの現金を袋詰めし、脱出に差し掛かろうとした時の事だった。
誰かが縛り上げられた警備員を見つけ通報したのか、ロビーの方から複数の足音が聞こえてきたのだ。思わず女性は身を屈め、深呼吸する。
「すぅーっ、はぁーっ」
もしかすると、通報を受けてハンターが派遣されたのかもしれない。この時になって初めて、女性の心臓は緊張によって高鳴りはじめ、それと同時に人生最大の恐怖と興奮に包まれた。
ハンターを敵に回して無事でいられるわけがないのは、今朝届いた号外記事で解っている。だから彼女は震えが収まらず、自然と深呼吸して震えを抑えようと試みていたのだ。
「いよいよクライマックスですわね。分の悪い賭けがこんなに辛くて楽しいのは、新人賞以来かしら」
自分の半生を振り返り、それでもなお今が楽しいと感じてしまう彼女は、意を決して武器を構え脱出の為に金庫を飛び出したのだった。
解説
・スランプが過ぎて道を踏み外してしまった小説家を更生させてあげましょう。きちんと反省させる意味合いも兼ねて、なるだけ生きたまま確保してください。
・銀行は一階建てで、ロビーからカウンターを越えた先の通路に彼女が漁った金庫室があります。出入り口はセキュリティの関係上ロビーのみとなっています。
・装備は接近戦用のショートソードに遠距離から威嚇する為の猟銃、そして頑丈な鎧と重武装とさることながら、作品を作る上での資料として一対多数で戦う為の術を心得ています。狭い通路へ誘い込もうとするので、その誘いを逆手に取りましょう。兜の代わりに趣味でパピヨンマスクを装着していますので、峰討ちで狙うのも手です。
・彼女はロビーからの脱出を目論み、奇襲と強行突破を狙ってきます。ロビーからカウンターを超えて金庫室へ向かう際は死角に対して細心の注意を払ってください。
・縛られた警備員は既に解放され、避難も完了しています。皆様は戦う事に集中してください。
・銀行は一階建てで、ロビーからカウンターを越えた先の通路に彼女が漁った金庫室があります。出入り口はセキュリティの関係上ロビーのみとなっています。
・装備は接近戦用のショートソードに遠距離から威嚇する為の猟銃、そして頑丈な鎧と重武装とさることながら、作品を作る上での資料として一対多数で戦う為の術を心得ています。狭い通路へ誘い込もうとするので、その誘いを逆手に取りましょう。兜の代わりに趣味でパピヨンマスクを装着していますので、峰討ちで狙うのも手です。
・彼女はロビーからの脱出を目論み、奇襲と強行突破を狙ってきます。ロビーからカウンターを超えて金庫室へ向かう際は死角に対して細心の注意を払ってください。
・縛られた警備員は既に解放され、避難も完了しています。皆様は戦う事に集中してください。
マスターより
何かを作る、あるいは創る事や考えると言う事に必ず付いてくるものがあります。それはスランプです。水です。
今回はスランプに陥った作家に、皆様の力でインスピレーションを与えてあげましょう。簡単です、皆様が普段雑魔や犯罪者を退治している事と同じ事をすればいいのです。
皆様が何気なく行っている事も、他人にとってみればそれで救われる。その事を改めて考えていただければ幸いです。
今回はスランプに陥った作家に、皆様の力でインスピレーションを与えてあげましょう。簡単です、皆様が普段雑魔や犯罪者を退治している事と同じ事をすればいいのです。
皆様が何気なく行っている事も、他人にとってみればそれで救われる。その事を改めて考えていただければ幸いです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/23 02:15
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/15 16:37:54 |
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相談卓 五光 莢(ka5713) 人間(リアルブルー)|18才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2015/12/15 21:38:36 |