希望への『宣言』

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
6~6人
サポート
0~10人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2015/12/29 09:00
完成日
2016/01/07 16:59

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●王国北西部ブルダズルダの街
 エクラ教会の鐘塔の中、小さい一室があった。
 壁には小さい格子窓が備え付けてあるだけ。家具は古めかしいベッドのみ。
 扉は分厚い木製に鉄板が張ってあって石壁は冷たさを感じさせている。
「……」
 緑髪の少女――ノゾミ――は、そんな部屋の中で微動だにせずにいた。
 救助が来るとは思えない。歪虚ズールは人を助けるような性格はしていないし、オキナは王国北部へと行っているはずだから。
(ネル・ベル様……)
 祈るように両手を組んで、主である名を心の中で呼んだ。
 捕われてから、かなりの日数が経過している。
 拷問はなかった。罪人というのに、その待遇も悪くなかった。父と過ごした絶望の日々を思えば、むしろ、楽な暮らしだ。

 ドンドンドン――ガチャガチャ――

 扉から音が響く。
 名を呼ばれているが、敢えて返事はしなかった。間もなく扉が開くと、女性騎士と数人の兵士達の姿が見えた。
「貴方達は、下で待っていて」
 女性騎士は振り返って兵士達に命令する。
 兵士達は各々承知の声をあげると、降りて行った。
「初めまして……いえ、お久しぶりというべきかしら?」
 扉を閉めながら、女性騎士は少女に向かって言った。
 続けて、姿勢を正し、この騎士は少女に名乗る。
「第13独立小隊国内潜伏歪虚追跡調査隊『アルテミス』の小隊長ソルラ・クートです。ノゾミさんですよね。色々、話を伺っていいですか?」

●二人
「ノゾミさん。貴方には、歪虚への協力行為、雑魔等の危険体の取り扱い、自殺ほう助、殺人協力等、少なくとも5つ以上の嫌疑がかけられています」
 ソルラの言葉に少女は無表情のままだ。
 まるで人形の様……そんな風に、ソルラは思う。
「答えてもらっていいですか? 雑魔をどういう手段で手に入れたのか、歪虚ネル・ベルとの関係は?」
 返事はない。
 黙秘を続けるノゾミに、ソルラは思わず溜め息をついた。
「……配下の兵達の言う通りね。私はできれば、手荒なマネをしたくないの……ノゾミさんとも縁のあるハンターの方々と知り合いですし……」
 石像の様に動かなかったノゾミが、その台詞でピクっと動いた気がした。
「ノゾミさん……」
「……拷問したかったらすればいいのです。でも、それは絶望には成り得ません」
 やっと口を開いたと思ったら、この言葉だ。
「やっぱり、その声、古都で私を捕まえた人ですね」
「……」
 再び黙りこむノゾミ。
「ノゾミさん、聞いて下さい。このままでは王都に連行され、本当に拷問になってしまいます。ノゾミさんが助かる手段は一つ。貴女が知っている事を教えてくれれば、それでいいのです」
 脅迫する様な言い方だが、今のソルラにはこれが精一杯だった。
「…………助かって、どうなるのですか?」
 長い沈黙の後に、ノゾミがボソっと口を開いた。
「苦しい拷問を受ける事もなければ、命を失う事もないのですよ」
「それが、どうかしましたか? もし、その時、助かっても、その後、どうなるか、知っていますか?」
「それは……けど、生きてさえいれば」
 違うはずだと。
 きっと、なにかできる。新しく一歩を踏み出す事ができるはず。
「甘いです。そんな言葉」
 冷たい雰囲気を発しながら緑髪の少女は目を見開いた。
「『貴方達』はいつも、そうです。綺麗な言葉を並べるだけで、後は知らない振り、見ない振り。しまいには、門前払いで話しも聞いてくれない……」
 ノゾミの言葉は静かにだったが、その言葉の一句一句に力が感じられた。
 その瞳は――怒りで満ちている。
「そんな事はないです。私達は苦しい人々の為の救済も忘れたりはしません」
「だったら……なんで、『あの人達』を助けてくれなかったのですか」
「そ、それは……」
 ソルラには分かっていた。
 社会の理不尽の中に、埋もれてしまった全ての人を救う事は、不可能に近い事を。救う側も人であり、資源や時間にも限りがある以上、越えられない諸事が存在する。
 救われた人と、救われない人との間に生じてしまった差は、埋めようにも埋められないのだ。
 そして……ソルラには、為政者として回答する言葉を持っていなかった……。

●苦悩
 川の土手でソルラが座り込んでいた。
 夕日は沈み、黄昏の時が静かに流れていく。
「私は甘い……のですね……」
 先の事を見通す想像力に欠けていると、リアルブルーから転移してきた人にも言われた事があった。
 まったくその通りだ。あの少女は、自分では経験もしない絶望を体験しているのだろう。
「どうすればいいのですか……」
 少女を助けるつもりでいた。
 歪虚に操られている可哀想な少女だと思っていた。
 けれど、実際は違った。頑なに黙秘を続けていたのは、主である歪虚の為だったのだから。
「私には……分かりません……」
 こんな時、システィーナ姫だったらどうしただろう。想い守る為に成せる事を行うのだろうか。
 エリオット団長はどうしただろうか。厳しい表情を浮かべたまま、騎士としての行動を取るのだろうか。
 あるいは、皇帝陛下だったら――己の信じる道を勇気を持って突き進むのだろうか。

 ――そのいずれも、今のソルラには無かった。
 緑髪の少女ノゾミは、いずれ、ブルダズルダの街の領主に身柄を移され、その後、王都へと連行される。
 苛辣な拷問が待ちうけているはずだ。そして、最後、歪虚の仲間として極刑が待っている。
 ある人は言うだろう。

 それが、罪の償い方だと。

「でも、私には……」
 少女は悪人だったのだろうか。
 その少女を生んだのは、誰なのか……王国なのか、社会なのか、それとも、関わっていた人なのか、無関心な人だったのか。

●再会
「力を貸してやってもいいぞ、王国の騎士よ」
 不意に背後から声を響き、慌てて振り返る。
「……ネル・ベル」
 ソルラは絶句した。まさか、こんな所で出逢うとは。
 咄嗟に、剣の柄に手をかけた。
「歪虚なんかの手など借りない!」
「威勢が良いな。だが、冷静に考えてみろ。私なら、我が従者を容易く救い出せるのだぞ」
 不敵に笑う歪虚。
 一瞬、その言葉に魅かれそうな自分がいた事にソルラは怒りを覚えた。
「信用できません! そもそも、歪虚という存在がいなければ、こんな事にはならないのに!」
 誘惑を振り払うようにソルラは叫び声をあげた。
 歪虚は大げさに両手を上げて見せる。
「なら、私は立ち去ろうとしよう。だが、私の力が必要になった時、逢いに来るといい。私には分かる。貴様は必ず、私の力が必要となるとな」
 それだけ言い残し、歪虚は瞬時に消え失せた。


★連動シナリオ「傲慢からの誘い」のオープニングに続きます★

リプレイ本文

●厳しさと希望の狭間
 重々しく扉が開いた。
 窓際に腰掛けて外に見える景色を眺めている緑髪の少女が一人。
「……ノゾミ」
 ヴァイス(ka0364)が少女の名を呼んだ。
 久しぶりの再会だ。そして、場合によっては最後の出逢いだ。
 ポーカーフェイスで挑んでいるが、今の俺はどんな顔をしているのだろうかと心配になる。
「ヴァイス様、Uisca様……」
 ノゾミが二人の姿を見て名前を口にする。
 もう二度と逢う事はないだろうと思っていたのか、その表情は、嬉しさや悲しみが入り混じった複雑な心境を表していた。
「なぜ、ここに来たのですか? ソルラ様に代わって、尋問ですか?」
「ただの面会だ。俺達の後にも、二組待っている」
 隠しもせずにヴァイスは告げた。
 その言葉の後、続けるようにUisca Amhran(ka0754)が話し掛けながらノゾミに近付く。
「ノゾミちゃん、体調はどう?」
 同時に負のマテリアルの影響がないか観察する。
「強い歪虚は、周囲を汚染するらしいの。だから、生身の人はずっと傍に居られないって……本にあった」
「……その通りです。さすが、ですね」
 少女は素直な感想を口にした。
 強さの大小や個体性などあるが、概ね、その様に言われている。
「だから、逢えるのは月2回位しかなかったです。一緒に居られる日なんて……」
 遠くを見つめる。少女の視線はなにを見ようとしているのか。
「イケメンさんを好きな事には反対しないよ。それが貴方の本当の望みなら、ただ、今の状態はダメ」
「どうしてですか?」
「唯の従属は恋愛とは違う。それは貴方とお父さんの関係と同じだから。恋愛なら相手と対等にね」
 最後の単語を繰り返すノゾミ。
 そして、諦めたように両肩を落とした。
「私があの方と対等なんて……とても……」
「難しくないよ。ノゾミちゃんが自立して、身体も心も強くなればいいのだから」
 もっとも、相手も日々成長を続けているに違いない。
 そんな相手と対等でいるというのは、相当な努力が必要だろう。
「でも、今更……」
 実力をよく知っているからこそ、ノゾミは埋められない差に頭を垂らした。
「ノゾミ、お前は何をしたかったんだ?」
 あの歪虚が好きで言われた事をしていたのか。それとも、なにかしたかった事があったのか。
「願いを叶えたかった。私と同じように、救われない人達の」
「お前のその願望が、沢山の人を『殺した』。その事実は変わらない」
 少女が願いを叶えた人達と、巻き添えを受けて死んだ人の数は、悲しみを受けた人の数は、重みは、計りしれない。
「あの人達の命が助かって、その後、どうなっていますか? 絶望し続けるだけの人生なん……」
「違う!」
 少女の言葉を遮るようにヴァイスが否定した。
 脳裏に過る、生まれ故郷の事。失った大切な存在。
「俺も笑う事なんてできなかった。憎み、力を求めることしか出来なかった。でも、今は仲間達と共に笑うことができる」
 大勢の仲間達がいる。
 今もこの瞬間、この街で起こっている騒ぎに仲間のハンター達が向かっているのだ。この街だけじゃない。辺境で、同盟で、帝国で、東方で信頼する仲間達がいる。
「ノゾミ……お前はあの時から幸せだと感じる時はなかったのか?」
 少女は静かに首を横に振った。
「お前自身が『生きて』その大切な気持ちを得たのに、お前は『死』しか与える事のない救いに、何も感じなかったのか?」
 ヴァイスの言葉は続く。
 死に至る事を願った人達。その人達を救えない社会。それは、過去でも未来でも答えがない問題だろう。それでも彼は伝えたかった。
「何か一つでも欠けていたら、あの時死んでいたか、お前が『殺した』『あの人達』と同じになっていただろう。それでも、お前と俺は、全てを救えない『綺麗事』によって救われている……その事実を無視するな」
 だからこそ、人は優しく、時に厳しくできるはずだ。
 小さく頷いたノゾミにUiscaが声をかける。
「望みを叶えた事が人の中で、私が話した人は、死ぬ前に『満足してない』と言ってた……」
「私が行っていた事は、結局、『殺した』だけだったのですね」
 死を持ってしても救えない。望みを叶えられない。
「本当の望みって人に授けたり、貰ったりする物ではなく、自ら掴み取る物だよ。だから、ノゾミちゃんの罪は、罪だけど、その償い方は、人それぞれでいいと思う」
「いいのでしょうか?」
「貴方にはまだ無限の未来が広がってる。私はそれを尊重するよ」
 ニッコリと笑ったUiscaと静かに穏やかな表情で頷くヴァイスを交互に見て、ノゾミは小さい声で言った。
「救われたのは、これで二度目になりますね。ヴァイス様、Uisca様、ありがとうございました」
 微笑を浮かべたノゾミはいつか見た、あの日と同じ笑顔をしていた。

●称賛と期待
「ノゾミちゃん、久しぶり。お姉さん二人組みで来たわよ」
「そう『お姉さん』よね」
 アルラウネ(ka4841)が部屋に明るく入って来た。その後ろにはNon=Bee(ka1604)が続く。
 少女ノゾミは困ったような顔を浮かべていた。それは、嬉しさも混じった、どうしていいか分からないという顔だ。
「私は、期待してるのよ、色々とね」
 ポンポンとノゾミの肩を叩くアルラウネ。
 その反動で揺れる。なにがとは言わないが揺れてる。
 少女から、羨望の視線を感じたような感じてないような。
「期待……ですか?」
「ノゾミちゃん、今までやってきた事の理由は何かしら? 大好きな恩人の為? ノゾミを叶えたい人の手助けの為? ……どっちにしても、あなたは優しいと思うわ。方向性はともかく、ね」
 結果的には『人を死に至る』事をしてきたのだが、その根底には、ノゾミなりの優しさがあるとアルラウネは思っていた。
 なにか理由があるからこそ、救いの手を差しのべたかったのだろう。無関心だったり非情であれば、そもそも人と関わったりはしないし、救おうと思わないはずだ。
「献身的だと、私達みんなが評価してる。だからこそ、あなたの恋愛を誰一人否定しないんだよ」
「好きでいてもいいのでしょうか?」
 普通なら真っ向から否定される事だ。
 それでも、少女の事を知る、ここに集まったハンター達は否定しなかった。
「でも、今のままだとダメよ。ノゾミちゃんが成長する事が必要だと思うわ」
 目に見える力も、折れない心も必要だろう。
「成長……」
 しゅんと視線を落とすノゾミ。
 オキナからは筋が良いと言われていたが、まだまだというのが評価だった。
「どこかに修行に行くのもいいかもね。それに、ノゾミちゃんなら、覚醒者としても女性としても、まだまだ期待できるわ」
 豊かなそれを強調する様に胸を張るアルラウネ。
 それだけで、弾むそれに、ノゾミは思わず生唾を飲み込む。
「ほ、本当に、大きくなるのでしょうか?」
 そして、胸に手を当てた。
 少し……不満だ。
「そうねぇ……適度な栄養の摂取と……好きな人に揉んでもらう、とか?」
 アルラウネが少し顔を赤く染めながら、お姉さんぶった。
「も、揉んで……」
 ノゾミも顔が真っ赤だ。
「それも、期待できるんじゃないかしら? お姉さん、こう見えてもノゾミちゃんと、それなりに歳離れてるしね」
「できる……のであれば……」
 一瞬、瞳を輝かせたノゾミであったが、急に思い出して弱気になった。
 そこへNonが励ます様に声をかける。
「ノゾミ。あたしは、人は自由でなければならないと思うの」
 種族も性別もしきたりも過去も、生き様を縛れやしない。自由に生きて、その先で死ぬなら、それはそれでとNonは続けた。
 でなければ、『彼女』のような人は生きていくのに辛いはずだ。
「あたしは誰かに従うつもりはないわ。あなたにもそうしろなんて言えない。でもね、『それ』を叶えてあげることが、必ずしも、その人の為になるとは限らない」
「はい……」
 先の面会で自分のしてきた事の罪を知った今だからこそ、ノゾミはうな垂れた。
「人は間違うことがあるものだから。だから、母は子を叱るのよ」
「母?」
「希望があるから、背中を押す事ができるのよ。愛するからこそ、見極めて正しく導かなければならない時もある。それはとても苦しく、難しいわ」
 叱ってくれる人がいる。
 それは、そうしてくれる人から見たら、簡単な事ではないだろう。
「それを、人は『優しさ』と呼ぶの」
「今なら分かる気が、します……」
 厳しく言ってくれた先の二人を思い出す。
「そしてね、ノゾミ。ノゾミもまた、愛する人へ従うだけでなくて、愛ある厳しさを以って、時にぶつかれる子であって欲しいわ」
「はい……でも、もう時間がないかもしれませんが」
 先程から悲しい表情を見せていたのはそれだったようだ。ノゾミも分かっている。歪虚の仲間がどのような裁きに遭うのかを。
「貴女には生きていて欲しい……貴女の名前、『希』って書くの」
 それは、昨年、王都郊外で少女につけた名。
「希望って意味なんだけど。『こいねがう』って言ってね。リアルブルーでは祈るという意味もあるらしいわぁ。希望はいつだって願うところから始まる、というのは甘いかしら」
 Nonの言葉にノゾミは首を横に振った。
「でも……」
「……諦めちゃ駄目よ。あたしは諦めないわ」
 強い意思の眼差しでNonはノゾミを見つめた。
「最後まで付き合うつもりよ」
 ガシっと力強く少女の手を握るNon。そこに、アルラウネも手を重ねた。
「私だって、たまには、元気なノゾミちゃんに会いたいわ」
「はい。ありがとうございます、 Non様、アルラウネ様」
 先程までの悲哀はなく、ノゾミは精一杯の笑顔を向けた。

●希望への宣言
 壊れるかもって勢いで扉がバーンと開いた。
「やっほーノゾミ! 遅くなってごめん! 会いに来たよん」
 小鳥遊 時雨(ka4921)だった。
 緑髪の少女はその勢いに面喰っていたようだ。
「ノゾミさん、お久しぶりです」
 時雨の後を苦笑を浮かべながら入ったのはマヘル・ハシバス(ka0440)だ。
「いやーさー。ノゾミが罰せられるなら、知ってて止めず報告せず依頼そっちのけで川遊びした私も嫌疑がいっぱいでさ!」
 大袈裟な手振りで入ってくるなり説明する時雨。
「重罪だー! 裁かれちゃう! ってことで、一緒に連行されて罰を受けなきゃ」
「時雨さんって、いつも、楽しいですね」
 プッと笑ったノゾミに向かって時雨が頬を膨らませる。
「って、心境なワケ。ちょっとは分かってくれた?」
「はい。たぶん」
 大分と表情が良い。
 二人の少女のやり取りを見てマヘルは、そう感じた。
 これなら、訊ねようと思った事を答えてくれるかもしれない。
「ノゾミさん。私は貴女が壺を渡した人の最後を見てきました……呪うように死んでいった男や残忍な笑顔を浮かべながら死んでいった女の顔を……私は、人にそんな顔をさせたくない、人にそんな顔をさせる事が正しいとは思えません」
 少女が重ねてきた罪を前置きしてからもマヘルは言葉を続ける。
「シャルさんが言っていました。今でも、ネル・ベルの事が正しく思えてならないと。今の貴女も、その状態なのではありませんか」
「……そうなのです……あの人は言っていました。『全ては、システィーナ様を王位に就かせる為の事』だと」
 自らが成した行動の積み重ねがそうなると思う。
 それが、正しく思えてならないのだ。
「まぁ、ネル・ベルの所へ戻りたいって願うなら、一緒についてくし。御眼鏡に適うか別として、堕落者としての素質は私もあると思う。ズールよか役立つはずだし?」
「時雨さん! それじゃ、面会に来た意味がないじゃないですか」
「例えだよー。つまり、どんなノゾミにだって、私は最後まで付き合うって事」
 時雨とマヘルの二人のやり取りを楽しそうにノゾミは見守っていた。
 その視線に気が付き、コホンと一区切りをつけて、マヘルは言った。
「チャンスがあるなら、一度逃げて、身を隠して欲しいです。本当の自分が楽しいと思える場所にたどり着いてほしいと思います」
 そんな事ができるのかどうか。
 それに、今夜、王都への移送は決定している。王都へ移送されてしまえば、逃げる事など不可能だろう。
「ネル・ベルの影響を受けない所で、もう一度自分を見直してほしいです。その上でネル・ベルにつくのなら仕方がない事です」
「なんで、マヘルさんは、そこまで?」
「幸せが似合わない人なんていないはずです。全ての人を助けるなんて、できません。けど、私はこの力で、できる限りの事をしていこうと思っています」
 その視線は、ノゾミと……時雨に向けられていた。
 怪訝な顔付きで時雨に顔を向けるノゾミ。
「どういう事なんですか? 時雨さん?」
「……ずっと、意味を探してた。欲しかった。こんな私でも、何ができるか残せるかって」
 自身の両手を見つめる時雨。
「私は途中リタイアだけど、ノゾミはずっと先までいけるから」
「リタイアって、それは……なんで?」
「私ね……」
 そっと、ノゾミの耳元で囁いた。自分の事を。先の事を。
 ノゾミは目を見開いた。聞いた事が信じられないという事ではない。
「まぁ、だから、ノゾミの未来を見せて欲しい。その為なら、いい。私の“ノゾミ”を叶えてくれる?」
「そんな! それじゃ、時雨さんは、先が無いの承知で!」
 振り乱すノゾミを落ち着かせるように、マヘルが穏やかな口調で告げた。
「先が無いとしても、人は必ず絶望するわけじゃないのですよ。むしろ、その逆です」
「マヘル様は、知っていて、それを」
「だから、私は、できる限りの事をしていくと決めたんです」
 覚悟を決めた真剣な表情のマヘルの台詞に、ノゾミは崩れるようにベッドに腰を落とした。
 その横に時雨は座る。
「後向きに前向きでも、ほんの少し上を見上げてみよっかなって、今は、そう思えるんだ」
「……なら、私も、私も、生きます」
 涙を流しながら浮かべたノゾミの笑顔を見て、その笑顔でこれからも居て欲しいなと時雨は思った。
「それが、今の私の“ノゾミ”。一緒に生きよ? ノゾミ」
 時雨の言葉に声にならない返事をして、緑髪の少女は抱きついた。
 例え一瞬でも、先がどんなに短くとも、絶望しないで最後まで生きると誓いながら。

●面会を終えて
「全員終わったか……」
 目を真っ赤にした時雨がマヘルに寄りかかりながら階段を降りてきたのを見てから、ヴァイスが窓の方を向きながら呟いた。
 面会はこれで終わりだ。そして、今日にはこの街から王都へ向かって移送される。その意味がどういう事なのか、全員、理解している。
「ヴァイスちゃん、ここで、男が泣かないの」
 背中しか見えないので、泣いているかどうか分からない。
 だが、そんな気がしてNonは声をかけた。
 言いたい事、伝えたい事、沢山ある。全てが届いたかどうか分からない。
 できれば、助かって欲しい。
 だが、罪は罪だ。あの少女は、然るべき裁きを受ける事になるだろう。
「そういえば、街の方は大丈夫かしら」
 重たい空気の流れを変えるようにアルラウネが言った。
 この街は今、歪虚の勢力によって大混乱している。仲間のハンター達が対応に追われているはずだ。
 ちょうどマヘルの持つトランシーバーに連絡が入る。
「ズールを討伐ですか!」
 その連絡に思わずマヘルは声を出した。
 堕落者ズールを討伐したようだ。これで、騎士シャルの無念は晴らせただろう。
「……分かりました」
 連絡を切ったマヘルが全員を見渡す。
「歪虚ネル・ベルの居場所が判明したようです。今から仲間のハンターが案内しに来てくれるとの事です」
「あ……武器持ってきてない!」
 愕然とする時雨。
 戦闘は予定していなかったので、武器を持ってくる事は無かったからだ。
 武器を持たない猟撃士で何ができるだろうかと必死に考える時雨。そこに、教会の入口が開かれる。
「お貸ししますよ」
 そう言って入って来たのは、アルテミス小隊の小隊長ソルラ・クート(kz0096)だった。
「さすがに、これだけ走るのは、怪我人にはきついのじゃ」
「揃っているようだね」
 その後ろには、ハンターが二人。
 街で活動していた二人が、ソルラを見つけて来たのだ。
「この街の治安維持は、私達に任せて、皆さんは、ネル・ベルが発見された場所へ!」
「なら、もうひと頑張りしようかしらね」
 Nonが腕まくりをする。
 その本気にUiscaも頷いた。重い怪我を負っているが、数のうちには入る事ができるだろう。
「キララ姉さま、行ってきます!」
 ハンター達は街へと向かって走り出した。


 こうして、緑髪の少女との面会は終わった。
 ハンター達はその後、街中を走りまわって治安の回復に臨むのであった。


 おしまい。


 ――移送車が揺れている。
 警護しているのは、街の兵士らであった。目立たないように二人しかいないが、歪虚勢力を撃退した以上、問題はない。
 しかし、人手は不足しており、たった二人での移送となってしまった。
「まったく、こんな時にめんどくせぇ事になって」
「ほんとだぜ」
 悪態を付きながら二人の兵士は、寒さに震える。
 真っ暗な闇の中、ランタンの明かりだけ。周囲は静まりかえっている。
「おい、小娘はどうだ?」
「静かにしているみたいだぜ」
「ちげぇよ! この罪人、これから王都で取り締まりだろ? だったら、俺らがちょっと手を出してもよくねぇか?」
 下品な顔を浮かべる同僚に、兵士も同じような表情をした。なかなか可愛い小娘だった。
「それもそうだな! どうせ、真っ暗で見ている奴もいねぇし!」
「へへへ。楽しみだぜ。どこかで馬車を止めるか」
 思わず出たよだれを乱暴に拭いた時だった。
 街道のど真ん中に老人が立っていたのを兵士を見つける。
「おら、どけ! 爺! 轢いちまうぞ」
 兵士は言葉通り、速度を下げる事なく、そのまま街道を走る。
 老人は深い溜め息をついて、右手を掲げた。
「まったく、なってらんのう……」
 刹那、光り輝く三角錐が現れると、各頂点から光が迸った。

●物語は終わらない
 混乱の喧騒は夜中になっても、所々で続いている。
 区切りがついた所で、ハンター達は宿に戻っていた。治安もある程度回復し、寝るだけなら問題はない。
「ノゾミちゃん、どうしてるかな」
 アルラウネがベッドに転がりながら独りで呟いた。
 今頃、移送されているはずなので、王都へ向かう街道のどこかだろうか。
 寒くはないだろうか。馬車酔いしていないだろうか。そんな事を思っていたら、扉から男の声が響いた。
「起きてるか? アルラウネ」
「……ヴぁっくん、夜這い?」
 ベッドで横になりながら、声の主に質問で返した。
「ち、違う。断じて、違う」
 慌てているのが手に取るように分かる。
 コホンと咳払いをしてから、もう一度、ヴァイスの声が聞こえた。
「全員でこっそり、街の外に集合だ」
「あたしも一緒よ」
 続いてNonの声も聞こえてきた。
 なにか始まろうとしているのだろうか。ちょっとしたワクワク感で、アルラウネは跳ね起きて扉を開けた。
「よし、いく……って、マテマテ! 服着ろ!」
「あらら。服ぐらい着た方がいいわよ」
 二人の反応に、アルラウネはあっけらかんとした口調で言った。
「大丈夫よ。暗くて見えないし」

 街道を走るハンター達。
「他のハンターには、私から連絡しておきました」
 Uiscaが別の依頼で負った傷口を抑えながら必死に走る。
 仲間だけではなく、街に滞在していたハンター達にも声をかけた。
「送り主はオキナでしたが、本人とは限りませんけど」
 マヘルが一通の手紙を手にする。
 それは、そっと届けられた手紙だった。中には、オキナからのメッセージが入っていた。
「でも、街道のある場所だけ記してあるって、すっごく、謎」
 そんな感想を言ったのは時雨である。
 もっと分かりやすく用件が書かれていれば予想ができるのだが……。
「オキナさんが居るという事は、やっぱり、ノゾミさん絡みでしょうか」
「私もそうだと思う」
 マヘルの疑問にUiscaは頷いた。
 これまで姿が見えなかったのが不自然な方だ。
「あのオキナだから、きっと、なにかある!」
 時雨が目指す視線の先。
 そこにオキナは待っているはずだった。

●未来へと続く旅路
 月灯りの中、ハンター達を待っていたのは、オキナと一人の少女だった。
 少女は今までの青黒いドレス姿ではなく、フリルが可愛いゴシックドレスを纏っていた。
「ノゾミぃぃぃ!」
 時雨が少女に飛びかかる様に抱きついた。
 移送されたはずじゃないのか。オキナはどこから湧いたのか。
 色々と疑問はあったが、そんな事は関係ない。今、ここに、ノゾミが居る。それが嬉しかった。
「感動の再会の所、悪いんじゃが、嬢ちゃん」
 オキナの言葉で、しぶしぶノゾミから離れる時雨。
 改めて、全員が揃った所で、少女は姿勢を正し、深く頭を下げた。
「皆様……本当に、ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「いいのよ。ノゾミ」
 Nonが優しく声をかけた。
 今更、謝罪なんて少女に似合わない。こうして、無事な姿をまた見られる。それだけでも十分だった。
「これは、どういう事なんだ?」
 鋭い視線をオキナに向けるヴァイス。
 ノゾミは確かに、移送されていたはずだ。なぜ、オキナがここに少女と共にいるのか。
 街道の外れに、オキナが乗っていたのだろうか。特殊な形をした荷台の馬車が見える。
「儂は言ったはずじゃが」
 確かに、ハンター達は言われた。ノゾミを頼むと。
 だが、この状況を説明するにはそれでは足らなさ過ぎる。
「ノゾミ嬢ちゃんの罪は、確かに罪じゃ。だが、一つ、考慮しないといけない点があるはずじゃ」
「【強制】の事かァ」
 オキナの言葉に、一人のハンターが応える。
 傲慢の歪虚が持つ能力の一つ、【強制】。それは、対象者を意のままに操る強力な力だ。
 実際に、この場に集まったハンター達の中にも、その力を行使された者もいるだろう。
「そういう事じゃ。この力は、ちょっと特殊でな」
「命ざれた通りの事を行うだけではないのか?」
 長大な刀を今でも抜けるように警戒を続けながら別のハンターが訊ねた。
「【強制】には様々な力の形がある。その内に一つに、対象を限定する代わりに、『正しいと思いこませる』力の掛け方があるのじゃ」
「それなら、自分も似たような出来事を聞いた気がします」
 一人のハンターが思い当たる事があったのか、考える。
 オキナの説明は更に続く。
「しかも、その能力は、【強制】から解除されても続く。定期的にそれを受けていたら……どう思うかの?」
 想像は安易についた。
「『そうする事が正しい』と思い込んだまま……」
「自らが、起こす、行動に、疑問を、抱かなくなる」
 それが事実であれば、操られているのと同義ではないだろうか。
「やっかいな力ですね」
「私の忍術より強力です」
 そんな感想がハンター達の中から聞こえる。
 その反応に何度もオキナは頷いた。
 そして、人差し指を立てて結論を述べる。
「つまりじゃ、ノゾミ嬢ちゃんには、情状酌量の余地があるという事じゃ」
「まさか、騎士シャルが言っていた『今でも正しいと思う』というのは……」
 シャルの仇を取った刀の鞘を握り締めながら言ったハンターの言葉を肯定するオキナ。
「間違いなく、【強制】の力じゃな」
 王国騎士であるシャルが、歪虚の甘美な言葉の誘惑と共に、【強制】の力に屈し、歪虚と契約するに至った理由はそれなのだろう。
 でなければ、誇り高き騎士が歪虚と契約に至る事などあり得ないだろう。
「これから、どうするつもりなのですか?」
 マヘルの質問はもっともだ。
 歪虚の力によってノゾミが操られていたとしても、少女が持つ罪が完全に消え去るというわけではない。
 これから先の事……それは、オキナではなく、ノゾミ自身が答えた。
「私は……私のできる方法で、罪を償いたいです。そして、この先の未来を知りたいです」
 このまま王都に移送されて罪を償うという選択を少女は覚悟していた。
 だけど、もし、他の選択が許されるのであれば――それが、命が惜しいからと見られても、今、ノゾミにとって成したい事をやりたいと思った。
 そう思えたのは、最後に沢山話してくれたハンター達のおかげである。
「具体的には、どうするのです?」
 Uiscaが首を傾げる。
 このままだと、単なる脱走した犯罪者である。王国としても放置する事はできないだろう。
「まぁ、詳しくは言えないのじゃが、この世から、ノゾミ嬢ちゃんがいなくなれば、追いかける方も体面が保たれるというものじゃろ?」
「偽装工作か」
 キリッとした表情のヴァイス。
「ノゾミさんを死んだことにする、そういうことですか」
 マヘルが考えるように口元に手をやる。
 オキナは否定も肯定もせずに、ニヤッと笑った。
「ノゾミちゃん亡くなっちゃっうのね……そうなると、新しい名前が必要かな」
「私もそう思うわ」
 名前を考え始めたUiscaとアルラウネ。
 ポンと、Uiscaが手を叩く。
「ツムギ、なんてどう? いつかの、亜人の時の様に人と、歪虚の縁さえ紡ぐ……そんな希望と期待をもって」
「儂に言われてものぅ」
 ポリポリと頭を掻くオキナ。
 一方のノゾミはちゃっかりとメモに書いている。
 その姿を見て、Uiscaは思い出した。少女が来ているドレスの事だ。
「そのドレス! 去年のあの時のですか?」
「はい。初めてハンターの皆さんと出逢った時に頂いたものです」
「感慨深いわね」
 Nonがそんな感想を言いながら、優しく、ノゾミを抱擁する。
 一年前、ただの少女であった子が、こんなにも成長するとは思いもしなかった。
 この一年間は激動だっただろう。この子の人生にとって、とてもかけがえのない体験だったはずだ。
「Non様の言った通りでしたね」
 ノゾミが耳元で言った。
「ん? どうしたの?」
「だって、諦めたちゃ駄目って言ってたから」
「……そうね」
 抱擁する腕に力を込める。
 良かった。本当に――と。
 旅立つ子を見送る母という気持ちはこういうものだろうかと、ふと、思う。
 抱擁から解放されたと思ったノゾミだったが、次の瞬間、柔らかいなにかに顔が包まれた。
「大きく育ってね、ノゾミちゃん」
「は、はひ、アルラウネ様みたいに大きくなりたい、です」
 色々な意味でだが。
「アルラウネ様、その、一つ聞いてもいいですか?」
「なぁに?」
「本当に、揉まれて大きくなるのですか?」
 その質問に、見守っていたヴァイスが噴き出した。
「ヴぁっくんったら、また、変な想像した?」
「してない! 断じてしてないぞ!」
 暗くてよく分からないが、きっと、彼の顔は真っ赤なはずだ。
 ポーカーフェイスとやらはどこかに行ってしまったのか。暗闇の中にあったのは幸いだったかもしれない。
「ヴァイス様、本当に、ありがとうございました」
「な、なに、気にするな。俺も、気が付く事が多かったからな」
 実際にストレートに解決できない問題は多い。
 それでも、大切な事は、なにか。それを感じられたと思う。
「ヴァイス様……その……」
 モジモジとするノゾミ。
「どうした?」
「あの……その……ヴァイス様みたいなお父さんが居たら、良かったなって」
 その言葉に一瞬、空気の流れが止まり――次の瞬間、周囲から驚きや笑い声が響いた。
「ノ、ノゾミ、せめて、『お兄さん』にしてくれないか」
「ご、ごめんなさい。なんだか、『お父さん』っていう気がして」
 少女が弁明するが弁明になっていない。
「似合ってると思うよ、『お父さん』♪」
 時雨のからかうような言葉に「勘弁してくれ」と言わんばかりのヴァイス。
 しかし、楽しそうな笑顔を見せたノゾミに、彼も笑顔を見せた。
「なんだか、急な展開だけど、良い方向に行きそうで良かったよ!」
 胸を張って自信有り気に宣言する時雨にノゾミは抱きついた。
「時雨さん、まだ、終わってませんよ」
「そりゃ……そうかも、しれないけど、さ」
「一緒に生きるって誘ったのは、時雨さんの方ですからね! ずっと、ですよ!」
 これから先の事は誰にも分からない。
 また逢えるという保障はどこにもない。
 だけど、この世界のどこかにいる限り、『一緒に生きている』事に変わりはないはずだ。
「絶対ですからね」
 ノゾミの押しに笑って返そうとした時雨だったが、ぎこちない笑顔になってしまった。
 透き通った綺麗な涙が頬を流れているからだった。




 ――数日後――
 ブルダズルダの街から王都イルダーナに向かう街道から外れた林の中に1人の少女と思われる遺体が発見された。
 遺体の損傷が激しいが、青黒いドレス姿である事は確認され、調査に当たっていたアルテミス小隊は、移送中に行方不明になった少女ノゾミと断定した。
 それ以上の調査は行われず、少女の死は書類に記録されただけで……やがて、膨大な資料の束の中に消えていった。


 リゼリオのある屋敷にソルラは戻ってきた。
 歪虚との熾烈な戦闘が帝国領内で繰り広げられている大事な時期ではあったが、だからこそ、今が好機と見たからだ。
 なぜなら、王国内も、ハンターズソサエティも多忙なのだから。
「ノゾミさん、どうかしたのですか?」
 ソルラが少女に訊ねた。
 少女は先程から、なにか祈っていたからだ。
「……大切な人が無事でいますようにと願っていました」
 その相手が誰なのか、ソルラは問い詰める事はしなかった。
 例え、問い詰めても解決はできないだろう。少女自身か、もしくは、誰かがいずれ、解決する事だと思う。
「ノゾミさん、知っていますか? 私達の祈りや願いは、マテリアルの繋がりを生み出すと言われているんですよ」
「素敵、ですね。この世界が、そんな繋がりで満たされたら」
 少女は笑顔で言うと、再び両手を組んだ。
 この祈りが赤き世界のどこまでにも届きますようにと。

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    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 憧れのお姉さん
    マヘル・ハシバス(ka0440
    人間(蒼)|22才|女性|機導師
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • Beeの一族
    Non=Bee(ka1604
    ドワーフ|25才|男性|機導師
  • 甘えん坊な奥さん
    アルラウネ(ka4841
    エルフ|24才|女性|舞刀士

  • 小鳥遊 時雨(ka4921
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/12/24 01:26:55
アイコン 【相談卓】ノゾミへの『宣言』
Uisca=S=Amhran(ka0754
エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/12/29 08:50:57
アイコン 質問卓 ~まるごと☆ねるべる~
ネル・ベル(kz0082
歪虚|22才|男性|歪虚(ヴォイド)
最終発言