【初夢】クロウとハンターのくず鉄戦争

マスター:植田誠

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/01/08 12:00
完成日
2016/01/20 00:48

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

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オープニング


 24時間年中無休でお馴染みの帝国軍第5師団師団長ロルフ・シュトライト。彼は、気付くと暗い霧の中にいた。
 周囲に人影は無い。そもそも自分はベッドで寝ていたはずなのだからこんなとろこにいるはずもない。
「……ん?」
 やがて霧が晴れていき、ロルフは自分が建物の中……見知らぬ工場にいることに気が付いた。
「ちょっとどいてくれねぇか」
 背後から聞こえた声に振り向くロルフ。その手は愛用の剣を探り……諦める。寝ていたのに武器を持っているはずは無かった。それに、警戒はしているが、その声には聞き覚えがあった。だが、そこには誰もいない。
「下。下だよ」
 そう言われて目線を下に。そこにいたのは……
「……クロウさん?」
 ロルフが目にしたのは、錬金術師組合のクロウ……にしては異常に小さな生き物。恰好をそのままに2頭身まで縮小化した……そんな感じだ。
「どいてくれって、仕事の邪魔だぜ」
「え、あ……すまないね」
 あっけにとられたロルフが道を開けると小さなクロウは小走りで駆けていった。
「……ん? あれは僕の……」
 ロルフは小さなクロウが自分の愛用する双剣を抱えているのに気が付いた。そう言えば、クロウはハンター向けに装備の強化を請け負っているのだと思い出す。
「でも、僕は強化の依頼なんて出したことは無いはずだけど……」
「待てぇッ!!」
 一瞬考え込むロルフだったが、ハッと声のした方を見る。そこには……
「……クロウさん?」
 先程と同じ、小さなクロウが走ってきている。
「そこの人! そいつを捕まえてください!」
 走ってきている小さなクロウがそう言った。どうしたものか、ロルフは再び考え込もうと……
「そいつは『くず鉄の妖精』です! その剣がくず鉄にされてしまう!」
「くず鉄の……妖精?」
 くず鉄……そう言えばクロウは強化を行う時に修復できない状態までバラバラにしてしまい、結果くず鉄にすることがあるという。
「それはまずいね、さすがに……」
 ロルフはクロウを追いかけると、後ろから蹴り飛ばす。衝撃にクロウは剣を取りこぼし、それをロルフは危なげなく拾い上げる。
 蹴り飛ばされた尻を抑えて走り去る小さなクロウ。ロルフはその背を見送った。
「ありがとうございます! お陰でまた一つくず鉄になるアイテムを減らすことができました!」
 そう言ったのは先程追いかけてきていた小さなクロウ。言葉づかいが妙に丁寧なことから蹴り飛ばしたクロウとは少し違うようだ。
「えーと……君はクロウさん……じゃないのかい?」
「違います。私はこの工場でアイテム強化のお手伝いをしている妖精です」
 妖精と名乗った小さなクロウは男に説明してくれた。ここは錬成工場。ハンターたちが日々依頼してくるアイテム強化を一手に請け負う工場。そして、この小さなクロウたちは工場の妖精。実際に強化などを行っているのは彼ららしい。
「ですが、妖精にも色々種類がいまして。例えば、私は『錬成安定化装置の妖精』です。そして、さっきのは『くず鉄の妖精』と言います」
 錬成安定化装置の妖精を始めとした『補助の妖精』たちと違い、くず鉄の妖精たちはアイテムを何でもくず鉄にしてしまうそうだ。
「普段は私や他の妖精たちが止めているんですが……最近、何故かくず鉄の妖精が大量発生していまして、手が回っていない状態なのです……どうかお願いします。このままくず鉄の妖精駆除を手伝ってください。くず鉄になるアイテムを一つでも多く救うために!」
「ん~……僕はハンターじゃないんだけどなぁ」
 そう言いつつ、ロルフはその依頼を了承した。
「ありがとうございます! でも、妖精には通常兵器の攻撃は効果がありません。その武器を使ってください」
 気付くと、ロルフの手には『屑鉄絶許』と書かれたハリセンが握られていた。
「それで妖精をしばき倒して頂けると、妖精は消滅します。すでに他のハンターさん方も参戦しているようなので、よろしくお願いします!」
 しばく……消滅……なかなか物騒な話ではあるが、とにかくやってみようとロルフはハリセンを握りしめる。
 こうして、ハンターVSクr……くず鉄の妖精との戦いが始まったのだった。

リプレイ本文


 くず鉄の妖精を処理するために集められた……というか気付いたらこの場にいたハンターたち。
「いつもはお世話になってるけど、くず鉄だけはちょっと許せないかな……!」
 ステラ=ライムライト(ka5122)はハリセンを手に呟く。先日も装備をロストさせられたばかりだ。怒るのも当然だろう。
「ふ、ふふ……そうですか、私の強化を邪魔していたのは……これだったんですね」
 非常に高いレベルまで強化した装備。それを複数持つリリティア・オルベール(ka3054)。それ故リリティアは強化の理不尽を誰より目の当たりにしてきた。
「ここは錬成工房ではなさそうですけど……誰も止めないで下さいね」
「もちろんだ。それに、ここがどこだろうと関係ねぇさ」
 リリティアに対しエヴァンス・カルヴィ(ka0639)がそう答える。彼の境遇も似たようなものらしい。手に持つハリセンに力が入る。
「なるほど、これはこれで興味深い案件だが……新年早々に君の顔を見るとはな」
「ふふ……腕がなります……」
 三里塚 一(ka5736)はハリセンを手に黒耀 (ka5677)を見る。黒耀の方はというと……どこか鬼気迫るような表情でハリセンの素振りをしている。
「……黒耀君?」
「大丈夫。決して個人的恨みではございませんよ?」
 聞かれてもいないのに応える黒耀。
「ええ牡丹灯籠を葬ってくれたお礼をしようなど、欠片も考えたりしてませんよ」
 あ、これ駄目な奴だ。
(……無差別に襲いかねん。注意を払うべきか)
 やれやれと言った様子で溜息を吐く三里塚。
「くず鉄の妖精が大量、か……で、このハリセンなら効果があると……」
 クリスティン・ガフ(ka1090)は顎に手を当て状況を見ていた。
(つまりこの依頼中に意図的にくず鉄を作らせそれを確保しておけば……)
「……くず鉄マイスターを狙いつつハリセンでしばくことでストレス解消も図れる。いいじゃないか」
 対してくず鉄に対し恨みがなさそうなクリスティンはしばしの思考でそう結論づけたようだ。
「積極的にしばき倒したいとは、どうしても思えませんが……」
 ハリセンを手に立ち尽くしているのはメトロノーム・ソングライト(ka1267)。
 自身の不運についてはすでに大悟の境地。それ故クロウに含むところは無い。とはいえ、頼んでいないものまで勝手にくず鉄にしてしまうというのであれば、何とかする必要がある。
 このように彼らのテンションには若干の差はみられるが、とりあえずは妖精を退治する方針に固まったようだ……というより他にやることがない。
「目指せ! 全員の妖精さんにご挨拶、なの!」
 訂正する。一人だけ……ディーナ・フェルミ(ka5843)だけは、皆とは違う道を辿るようだった。


「はい、くず鉄の妖精、手ぇ上げてぇ!」
 エヴァンスが自らも手を上げる素振りを見せながら周囲の妖精に呼びかける。
「おぉ、なんか用か!」
「強化か? 任せろ!」
 その声に呼応して幾人かの妖精が挙手していく。言葉尻から、彼らがいかに勤勉なのかが分かる。
「……よし、お前らか……」
 だが、だからこそ……エヴァンスは彼らを許し難い。
 手に持つのは大剣のような長さのハリセン。刃は無いが、エヴァンスが普段使っている得物と同じぐらいの長さだ。
 エヴァンスはそれを笑顔で振るった。
「な、何しやが……」
「勤勉だろうがなぁ!」
 非難の声を上げようとしたクr……ではなく妖精であったが、それもすぐにハリセンではたかれ消滅する。
「失敗すりゃ!! 許されるわけが!!! ねぇんだよぉっっっ!!!!」
 その怒りは留まるところを知らず。連撃を受け妖精が昇天していく。
「待ってぇ!」
「ん?」
 さて次の妖精に、と身構えていたところに悲鳴が。ステラの声だ。
 見ると、ステラの持っていた武器を持って走っていくくず鉄の妖精が。
「ステラの武器を破壊たぁ……いい度胸じゃねぇか!」
 すぐさま駆けつけハリセンでスライディングをかまし、ステラの武器を取り戻す。
「あ、ありがとうエヴァンスさん! もう、許さないんだから……」
 倒れた妖精に対し、ハリセンを居合の要領で叩きつけるステラ……だが、空振り。
「って、あれれ?」
「……悪くはないが、もっと武器の長さを計算して振った方が当たるぜ?」
 近接攻撃型を目指すステラ。それを知っているのか、エヴァンスはその動きにアドバイスを行う。
「んっと、それじゃこんな感じ……で振ればいいのかな?」
「そうそう……それじゃ、実際に試してみよう」
 ガシッと、逃げようとしていた妖精の頭を掴むエヴァンス。妖精殲滅の場が妖精を標的とした演習場に変わった瞬間である。
 エヴァンスはハリセンを使い振りおろし、斬り上げ、薙ぎ払いと華麗にコンボを決めていく。くらった妖精の方はボールのごとく振り回され弾き飛ばされていく。
 それを見たステラもまた動きを学習していく。
「1、2、3!」
 切り上げ、刺突、そこから地面に叩きつけ反動で浮かせる。
「4連撃、いっけぇ!!」
 止めはエヴァンスと同じ横方向の薙ぎ払い。憐れな妖精は吹き飛ばされ空中で爆発四散した。
「その調子だ、このままいくぜステラ!」
「了解だよエヴァンスさん!」
 こうして2人の快進撃は続いていく。


「貴方は何の妖精ですか?」
「あ? 俺はくzヒデブ!?」
 妖精がくと言った時点で黒耀のハリセンは妖精をしばき倒していた。黒耀は手持ちのルミナちゃん人形をぶら下げ、近寄ってきた妖精に各荷をとってからブッ飛ばす。そういう作戦をとっていた。この作戦が功を奏し妖精をサクサクと倒せている。
「これで10体目。順調だな」
 それを後ろから見ているのは三里塚。良くも悪くも彼ら妖精の世話になったことが無い三里塚は他の者と比べても特に恨みなどは無い。あくまで放置すれば厄介だからという理由で動いている。だが、黒耀の方はそうでもなさそうだ。 
「外見が変わらぬというのはなかなかに厄介なものですね……いっそ片っ端から叩いた方いいのでしょうか」
「いや、それでは他の妖精も……」
「いいのでしょうね! その方が私の鬱憤が晴らs……いえいえ、効率がいいに違いありません」
 そうまくしたてる黒耀。
(危惧していたとおりか……)
 傍目には多分分からなかったであろう。だが三里塚が見る限り、黒耀は完全に恨みを晴らす方に思考がシフトしている。もうこうなれば無差別に襲いかねないだろう。一応、三里塚は注意を促してみる。
「まぁ、待て。くず鉄の妖精か否かはこちらで判断してやろう。だから私のように紳士的に落ち着きたまえ」
「何をいうのです三里塚。そのように引き止めずとも分かっていますよ……殲滅すればいいのでしょう?」
 この時点で、もはや言葉は意味をなさないと悟った三里塚は、離れたところを歩く妖精を指差す。
「……あれはくず鉄の妖精だぞ」
「分かりました。今殲滅しますよ!」
 嬉々として向かっていく黒耀。
「……やれやれまったく、これでは淑女には程遠いな」
 溜息を吐きながら、三里塚はその後に着いていった。


「しかし、皆意外と精力的に倒していくんだね」
「まぁ日頃から色々と鬱憤が溜まっていますから」
 様子を見ていたロルフに話しかけてきたのはクリスティンだ。クリスティンはロルフにフリッツ・バウアーの件で少し話を行ってから、妖精処理のための協力を仰いだ。
「……よし、こんなものでいいだろう」
 軽く額の汗をぬぐったクリスティン。目の前には、クリスティンが持っていた装備の山。そして手には愛用の斬魔刀……を主軸にして多数のハリセンをつなげたビッグハリセンが握られている。
「……それではロルフ殿」
「了解した……勤勉ですぐに強化してくれる真面目な妖精よ! 物品はそこの山だ!」
 ロルフの声が工場に響く。それに釣られて妖精が集まってきた。そう、あの装備の山は撒き餌だ。そして、これに釣られてやってきた妖精たちを最短ルートで待ち構え叩く作戦。
「けど、これではどの妖精も関係なく叩いてしまわないかい?」
「問題は無いロルフ殿。勤勉な妖精は必ず最短の道のりでやってくる。逆に言えば、迂回していくものやのろのろと来るものはそれ以外の妖精となる」
「なるほど……」
 見ると、確かに最短ルートでやってきた妖精がいる。手にはくず鉄をもっている。すでに別の何かをくず鉄にしたところなのだろう。
「そして、最短で来たこの妖精が、くず鉄妖精だ!」
 それに対し容赦なく振り回されるハリセン。スパンキングアンドスパンキングの精神で、妖精を屠る。
 そして、残ったのは1人……やや大きい妖精。これが大成功の妖精という奴だろう。それに対し走り込んでいくクリスティン。そして……
「間違い依頼した斬魔刀12にしてくれてありがとう。クソ御世話になりました!」
 ここは過つことなくジャンピング土下座を敢行。よほどこの強化成功が嬉しかったのだろう。この辺りがクリスティンから妖精への恨みが薄い要因なのかもしれない。
 対し、どの妖精に対しても態度が変わらないのはリリティアだ。
「言葉も不要……問いかけも不要です」
怒りはあるが、いたぶるのは趣味じゃない。だから、見つけて追い詰め即撃破。サーチアンドデストロイの精神で妖精……いや、獲物を狩っていく。
 補助の妖精もそこにはいただろう。だが、倒す。
(変異しない、補助という名の搾取は悉く敵である)
 成功、大成功の妖精もいただろう。だが、倒す。
(成功? 君らが仕事しないから失敗するんだよ。大成功なら? いや、彼らは太刀に魔法攻撃という大成功を付ける愚者)
 くず鉄の妖精……言うまでもない。敵だ。倒す。
(無能な働き者は消さなければ……消さなければならない!)
 リリティアはそうして、片っ端から妖精を始末していく。そして、何十という妖精たちの屍の上で、リリティアは慟哭した。
「何十回の失敗の後に、一回成功してドヤ顔するのが気に入らないんですよぉっっ!!!!」
 工場内に響いたリリティアの声。それは、魂……あるいは、財布が泣き叫ぶ声でもあったかもしれない。


「ふわわ、妖精さんがいっぱいいるの……頑張っててすごいの~」
 見た目クロウばかりだからその点はちょっと残念そうなディーな。とはいえ、妖精に変わりはない。
 そこに一人のクロウ……ではなく妖精が歩いてきた。
「こんにちは」
「っ! な、なんだあんた! あんたも俺達をしばきに来たのか!?」
「ち、違うの! 私はディーナ・フェルミというの」
 そう言ってクッキーを差し出すディーナ。妖精はおずおずとその手を伸ばし、クッキーを取る。
「……うまい」
「それは良かったの……ところで貴方は何の妖精さんなの?」
「俺か? 俺はくず鉄の……ハッ!」
 しまったという顔をした妖精。これではしばき倒されて……
「そっか……頑張ってるのは凄いと思うの」
 だが、そうはならなかった。笑いかけたディーナは妖精をなでる。
「な、なんで……」
「だって、方向性はともかく頑張ってるのを叩いちゃうのは可哀想かなって」
 まさに地獄に舞い降りた天使といったところだ。気付くと幾人もの妖精が集まってきていた。
「貴方は強化の妖精? いつもありがとうなの。突然変異の妖精が貴方? まだ1度もお世話になったことないけど、そのうちお願いするの」
 こうして、ディーナは当初の目的だった妖精とのご挨拶を順調に行っていった。
「……そうですよね」
 その様子を離れたところで見つめていたのはメトロノーム。
 1人1人にきちんと確認しながら、くず鉄の妖精だけを倒してきた。もっとも、妖精の種類、その豊富さに感心することしきりで、やや本来の目的を見失いかけてはいたが。
「ですが、彼らは自らの仕事をこなしているだけ……成功の妖精は強化の成功を。くず鉄の妖精はくず鉄にする。それだけです……」
 では、本当に悪いのは何なのか。メトロノームは考えていた。


 気付くと工場の中心部当たりにハンターたちは集まっていた。
「これで大体は処理できたかな」
「た、多分大丈夫なの!」
 くず鉄の妖精がしばかれないようにバックパックがわりにもってきた毛布にかくまっているディーナは慌ててごまかす。
「……まだ近くにいそうな気がするんですけどね……」
「あぁ、その通りだ」
「少し近くを探してみましょうかねぇ」
 血気に逸るリリティアなどは、どこかに妖精の気配を感じ取っているようで周囲を見回している。これはエヴァンスや黒耀も同様か。くず鉄のなんと業の深い事であろうか。
「そうですね……まだ終わってはいません」
 そう言ってユラリと前に進み出たのはメトロノーム。妖精退治に積極的ではなかった彼女が率先して動くのは意外だった。だがその手に握られているのはハリセンではなく剣。ハンターたちの間に若干の緊張が走る。
「何をする気だ? それに、通常武器?」
「ハリセンじゃないと妖精には効果が無いんじゃ……」
 不思議そうな目をしてクリスティンとステラが言った。
「違います。私が戦うべきは妖精さんではありません」
 それに対しメトロノームはそう答えると剣を虚空へと向ける。
「真に倒すべきはこのような強化のシステム! それを作り出した世界です!」
 歌が響く。メトロノームが奏でる熾天歌【灼翼】、次いで雷臨歌【虎咆】。炎の羽と工場の屋根を破壊し、続けて放たれた雷光がそのあま宙を飛び、空を貫いた。
 空には雷光によって亀裂が生じ……やがてパリンと音を立てて割れる。そして、そこにあったのは……
「鉱山、グリフォン、そして……芋?」
 みんなが声をそろえていった。リアルブルーの日本においては一富士二鷹三茄子と言ったものだが、これは、それと似たようなものだろう。
「……もう、なんでもありだな」
 その様子を見た三里塚がぽつりとつぶやいた。
「もうお別れみてぇだな」
「妖精さん!」
 ディーナがかくまっていた妖精が降り、さらに他の妖精も集まってきていた。
「時間のようですね。それではみなさん、参りましょう」
 こうして、メトロノームの歌に導かれ、ハンターたちは天へと還っていく。それを妖精たちは涙ながらに見守っていた。
「……感動の場面っぽい演出だけど、こんなのでいいのかな?」
 ロルフの呟き。だが、それに対する答えは誰からも得られなかった。
 こうして、ハンターたちは夢から覚める。くず鉄の妖精を多数倒し、錬成工場に平和が訪れた……はずだ。
 だが、錬成工房では今日もくず鉄が生産され、微妙な部分に大成功ボーナスが付く。世界はそう簡単に変わることは無い。ただ、何の生協もハンターたちは与えられなかったのであろうか。
「……しかし、年始からどうも体の節々が痛いんだよな……年なのかねぇ」
 錬成工房で仕事をしていたクロウは、一人そう呟いたのだった。

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参加者一覧

  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • 天に届く刃
    クリスティン・ガフ(ka1090
    人間(紅)|19才|女性|闘狩人
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • The Fragarach
    リリティア・オルベール(ka3054
    人間(蒼)|19才|女性|疾影士
  • 甘苦スレイヴ
    葛音 ステラ(ka5122
    人間(蒼)|19才|女性|舞刀士
  • 千の符を散らして
    黒耀 (ka5677
    鬼|25才|女性|符術師
  • 白羽の盾
    三里塚 一(ka5736
    人間(蒼)|27才|男性|符術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士

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アイコン くず鉄相談卓(クズ鉄再利用製)
クリスティン・ガフ(ka1090
人間(クリムゾンウェスト)|19才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/01/07 18:45:57
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/01/06 19:21:18