【初夢】記憶屋クリス

マスター:cr

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2016/01/06 19:00
完成日
2016/01/13 23:54

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 油断するな。
 迷わず撃て。
 弾を切らすな。
 ヴォイドには手を出すな。

 ――ストリートの警句――


 極彩色のレーザー光線が酸性雨の降りしきる夜空を照らす。連中は色鮮やかな光に希望や夢、それから富を生み出すことを求めているんだろうが、縁のないこっち側にとってはただ悪趣味なだけだよな。
 ハロー、チューマ(相棒)、あるいはまた会ったか? このクソッタレな世界にようこそ。
 人類の生み出した科学技術は確かに発達した。一昔前の様に情報にアクセスしようと思ったら“パーソナルコンピューター”を立ち上げ“キーボード”を用いてアクセスするためのワードを文字通り打ち込み、現れる情報の候補から的確に見て探すなんてことは今時ありえない。
 今は情報を知りたいと思えば、体内に埋め込まれたナノマシンがワードを拾って勝手に広いサイバースペースの海を泳いで拾い集め、ちょうど必要な情報を出してくれる。もはやサイバースペースとマンデイン(現実空間)は継ぎ目のない、一枚の板みたいなもんだ。ああ、確かに科学技術は発達した。俺たちは皆つながっている。だが……つながれたままの俺達は本当に自由だと言えるのか?


 色鮮やかに輝く空と違い、アスファルトを酸性雨が濡らすスラムの片隅、そこを若い女が走っていた。後ろからは同じ服装の男たちが追いかけてくる。顔は判を押したように皆一緒。見た目は人間だが、中には人を百回殺してお釣りが来るだけの各種武装が仕込まれている。だが、その武装を今回は全面的に解放することはなく、女の足元に牽制の銃が一発発射される。
「おい! 注意しろ! 脳には当てるなよ!」
 別の男が叫ぶ。どうやらこの女の、正しくはこの女の脳内にある情報が連中の目当ての品だった。そのために男たちは脚部に仕込まれた油圧ジャッキを起動する。スプリングが縮み、爆発的な加速をもたらそうとする。その時だった。
 けたたましく銃声がなる。スコールのように撃ちだされた弾丸は女ではなく、男たちの体を的確にスナイプしていった。


「今回ハンターの皆さんをお呼びしたのは他でもありません。一つ仕事をしていただきたます」
 管理情報を消し、もしくは失い、存在しない人間となった者達。それをハンターと呼ぶ。そうさ、お前達のことだ。メガコーポ同士の戦争、コーポレートウォーにおいて金次第で駒として動く、サイバネティックス手術を施したプロフェッショナル達。それがお前たちハンターだ。
 そんなお前達をいつものように“ミス・ジョンソン”と名乗る女が呼び集めた。いつもの通り幾ばくかの金と引き換えに無茶を要求されるのだろう。だが、今回のビズはその中でもとびきり危険度が高かった。
「彼女の名前はクリスティーナ・カルディナーレ。彼女の脳内にある情報を引き出して下さい」
 ミス・ジョンソンの手によってクリスと呼ばれた少女が紹介された。怯えた目つきで震える彼女は、よくこの世界で生きてこれたな、と思うだろう。だが、それには理由があった。全てのコンピューターがサイバースペースでつながっているこの時代において、そこに置かれた情報はどうやってもハッカー達の手から逃れることは出来ない。そのため本当に重要な情報は人の脳内に記録される。そうやって記録し、情報を守り運ぶ連中のことを“記憶屋”と呼ぶ。そしてクリスもその記憶屋だった。
「ただしこの情報は通常の手段ではアクセスできません。サイコロックがかかっており、適切なキー無くしては引き出せないばかりか、自壊するようになっています」
 言わずもがなのことなのでミス・ジョンソンは言ってくれなかったが、記憶が自壊したらついでにクリスの脳もぶっ壊れる様にできている。いつも思うがこのシステムを考えた連中は相当性格が悪いよな。
「キーは5分間毎に定期的に変更されるようになっています。つまり、クリスさんをこの研究所内にある端末の元まで連れて行き、到着したタイミングに合わせてキーを取得して受け渡す必要があります」
 そうやってミス・ジョンソンが示したホログラフはメガコーポの中でも『ヴォイド』と呼ばれるトップ7社の一つ、ピグマリオ社の研究所の一つだった。
 ヴォイドとのドンパチ、相変わらず無茶をさせると思いつつ、たまには少女の笑顔のためにヒーロー気取りで働くってのも悪くない。そう思わないかい? チューマ。

リプレイ本文


「記憶屋……ですか。クリスさんの秘めた記憶、どの様な波紋を広げる一投石になるのか? 興味はありますね」
 ミス・ジョンソンとクリスに向き合っていた6人のハンター達、彼らがゆっくりと顔を向ける。一人、目を伏せ何かを考えていたような天央 観智(ka0896)はそう、つぶやいた。
 そして再び目を伏せ、もう一度思案を巡らせる天央。いや、彼の瞼の裏には電脳空間の映像が広がっていた。首筋のLANポートから光の速さで行き来する情報を瞬時に判断していく。
 彼はハッカーである。そんな彼にとって、何よりのごちそうは情報だった。どんな美味しい食べ物より、彼には自分の知的好奇心を満たす情報の方が腹を膨らませる。最も最小限とはいえサイバースペースに特化して義体化している彼には食事はあまり意味をなさないのだが。
 そして天央は他の5人を値踏みするように見つめる。その視線を感じて、まず一人の男が口を開いた。
「俺の事は《薬屋》とでも呼んでくれ。毎日“調合”ばかりで退屈してた処だ。それにキャンディと2人分の生活費が要るんでね」
 《薬屋》と名乗った男の名はエアルドフリス(ka1856)。カヴァーはヴァーチャルドラッグの調合師、裏の顔は……自分とご同輩。天央の視界には彼の姿と並んでサイバースペースから拾ってきた情報が重ねあわせて表示される。
「はいはーい、お手伝いなら任せて♪」
 そしてその視界にキャンディと呼ばれた少女の姿が映った。通称《甘い弾丸》(キャンディ・バレット)、本名ジュード・エアハート(ka0410)。見た目は何処にでも居る少女の姿だが、両目と四股はサイバーウェアに換装済み。《薬屋》のバディであり、身も心も彼に捧げているバディ以上の関係。その実際の性別は……これ以上は大した意味のある情報じゃない。今の御時世、見た目の性別にどれだけの意味があるんだい? 腕を組みいちゃつき始める二人から、天央はすっと視界を外す。
「いたいけな少女の笑顔を奪うとは……ヴォイドめ! ゆ゛・る゛・さ゛・ん゛」
 そこに居たのはバルバロス(ka2119)だった。年齢は七、八十だろうか。今の時代に見た目の年齢なんぞ何の意味もないのだが、その肉体年齢にあまりにも不釣り合いな身の丈2メートルの筋骨隆々の姿は嫌が上でも視線を止める。さらに、天央の興味を引く“情報”がもう一つ乗っかっていた。
「バルバロスさん。あなたの肉体にはサイバーパーツが入ってませんよね」
「そんな強化はいかん! やはり己の肉体を強化していかなければならん」
「ということは……全部バイオパーツということですか?」
 サイバーパーツと同じ、時にはそれ以上の効果を遺伝子操作と肉体そのものの強化で実現する技術、バイオケミカルによって彼の肉体は生み出されていた。拒否反応とは無縁のこの技術だが、当然費用は桁が違う。それだけ趣味性の高い技術ということだ。それだけで構成されているということは
「聞いたことが有ります。金属や機械に頼る安直な強化を嫌い、己の肉体を実験台に極限まで強化したという科学者」
「ああ、それはワシのことじゃ。見てみろ、この上腕二頭筋はまず遺伝子配列のうち……」
 自分の人となりを言い当てられ、バルバロスの心に火が付いた。自らの肉体が何によって構成されているかを饒舌にプレゼンし始めるその声をBGMに、別の男が口を開いた。
「ヴォイドとドンパチか。無茶なことをしていると思うが……」
 通称《笛吹き》、本名鞍馬 真(ka5819)。先ほどのバルバロスとは対照的に何処にでも居る、いや、むしろどちらかと言えば小柄で細身の部類に入る男である。過去の遺産の蒐集、そのうち特に楽器を好むことからこう呼ばれる彼はいわゆる“サムライ”と呼ばれる人種だった。サムライなんてとっくの昔に無くなっちまっただろうって? ならもうちょっと待ちな。サムライと呼ばれる理由が嫌でもわかるぜ。
「とても愉しいな」
 そう言葉を続け、鮫のように笑う《笛吹き》。こいつはこんなナリをしているが、その皮膚一枚下には爪の先までサイバーウェアがぎっしりだ。それもこれも全部、己の戦闘力を強化するためだ。サイバーウェアを使えば、バルバロスと並ぶ戦闘力をこの肉体で手に入れることができる。そしてその代償の狂気すれすれの笑顔、これが“サムライ”さ。
「さあて、そろそろ始めようか」
 そして最後に天央が目を向けた先に居たのは大柄で筋肉質な体躯の女性。通称《猟犬》、本名ボルディア・コンフラムス(ka0796)、一度食らい付いたら喉笛引き裂くまで追いかけるという評判のハンターの、その胸は豊満だった。
「仕事は下準備が肝心、とね」
 そんな《猟犬》のスタートの合図を先回りして、《薬屋》は一仕事済ませていた。すぐさまホログラフが展開し、研究所内の見取り図、想定されるトラップ、予想されるサーバ構成にノード数、ついでに研究員のランチの中身にパンツの色……そういったビズを済ませるのに必要な情報から必要でない情報まで全部まとめて引き上げてくる。その情報を全員がインストールし、一夜の仕事(ミッドナイト・ラン)が始まった。


 ミス・ジョンソンが用意してくれたリガーは大した腕の持ち主だったみたいだ。
「わあ! まるでクルーズ気分! ねえ、クリスさん、これ食べる?」
 《甘い弾丸》は一人車内ではしゃぎながら、止まらない震えを必死に押しとどめようとした少女に派手な色をした合成キャンディを差し出しつつ、《薬屋》に体をくっつけてまたはしゃぐ。しかし、実際この道程は彼女の言葉通りだった。
 きっちりセキュリティが張られているはずの研究所までの道のりも、ファーストクラスの快適な空の旅って奴だった。そして今、ハンター達とクリスの前には研究所の巨大な扉が立っている。無機質な冷たい肌をしたこいつはうんともすんとも言わない。
「さて……肩慣らしに一つ潜ってきますか?」
「いや、この刀で行ける」
「ワシに任せろ!」
 ハンター達の話し合いを問答無用で遮って、バルバロスが動く。何の工夫もなくおもむろに扉に手をかけると力を込める。それだけであれだけ分厚かった扉はスラムのガキ共が舐めている合成キャンディ・バーのようにグニャグニャと曲がり、7人をお出迎えしてくれた。ついでに揃いも揃って同じ顔をしたクローン兵士たちもな。
 兵士たちは最新鋭のマシンガンを取り出し弾丸のシャワーをバルバロスに浴びせる。その鉛弾は無慈悲にその赤褐色の肌を捉え、そして跳ね返された。己の肉体を戦闘兵器と変えた男の皮膚は鋼より強固で、カーボンチューブより強靭だった。ついでに言えば、もし多少傷ついたとしても気づく前に自己再生が終わっている。サイエンティストというよりアーティスト(こだわり屋)が作ったその肉体の前に、弾丸は何の意味もなさず、あとは男がたった今引き曲げた扉をぶんと振るうだけで兵士の3分の1がひしゃげるだけだった。
 じゃあ残りの3分の2は? そいつらはマシンガンをこちらに構えて立っている。だが突っ立ったままだ。トリガーに力を入れる様子も、殺意を向けてくる様子もない。
 そして兵士たちの向こうには《笛吹き》が刀を手に立っていた。音一つならなかった。その体を動かした様子も見えなかった。瞬間転移なんていうペーパーバックの陳腐な魔法なんか現実に使える訳がない。《笛吹き》はただ、足音を立てず動いただけだった。その動きがクローン兵士達の視神経の伝達スピードよりも早かった、それだけの話だった。
 《笛吹き》が刀を鞘に納める、それと残り3分の2のクローン兵士たちの体が上と下に分かれる、それは全く同じタイミングだった。
「おっと、お嬢さんはこっちだ」
 目の前で繰り広げられる、ハンター達によるイリュージョン・ショウ。それを呆然と見つめるクリスを、《薬屋》がエスコートする。ハンター達とクリスの本当の探し物はこの先にあるのだから。


「さて、スピード勝負という訳だ」
 目的の部屋に飛び込むと、そこに静かな青い顔をして端末は鎮座していた。外部から遮断されたスタンドアローンネットワーク、その先にクリスの記憶を紐解く魔法のキーはある。
 だが、《薬屋》の言うとおりハンター達には時間が無い。いつ、クローン兵士たちが補充され害を成してくるとも限らない。バルバロスと《笛吹き》がハンター達とクリスを守るべく所定の位置に立ち、残りのハンター達がジャックイン、そして没入(ダイブ)した。
 そこに広がったのは0と1の電子の海。その水面に一輪の花が咲く。咲いた椿の花弁の上に、青い鳥の翼を生やした少女が乗る。これは《甘い弾丸》のアイコンだった。この姿を取っているのはかつて手足を、そして光を奪われた籠の中の鳥だった自分に対する皮肉なのだろうか。さておき、花弁が舞い散るとその一枚一枚がこれから現れるICE達を感知してハンター達に知らせていく。
「楽させてくれるのは有難いが、無茶するなよ、キャンディ」
 そんな少女に雨雲を纏った蛇が話しかける。これは《薬屋》のアイコンだ。二人は肉体から解放されたこの場所でも、常に二人でくっついていた。そんな中でも《薬屋》は愛を語るのにうつつを抜かすわけでなく、プロセスの大半をノードの解析に傾ける。かかった時間はきっかり2秒。それで目指すキーが置かれたノードを探り当てた。
「中々……厄介そうなノードですね、面白い……隠しているモノ全て、見せていただきましょうか?」
 そのノードをチェックして、精霊を象った天央のアイコンがメッセージを発する。それと虚空に黄色いガスが発生したのは同じタイミングだった。そのガスにまるで誘われるように、ノードからわらわらと現れたICE達が吸い込まれ、そして次々と動きを止めていく。天央特製のサスペンドプログラム、その前に為す術はない。
「他のヤツラがどうやってるかは知らねぇが……こんなのはリアルでもネットでもぶち壊せば済む話なんだよ!」
 ここまで来ればあとは《猟犬》の出番だ。ただ振り回す。それだけで巨大な紅蓮の炎のイメージが意思を持って動き、一体を屠っていくように見える。
「第一障壁クリア――第二第三第四第五第六第七第八障壁、オールクリア。ケッ、歯応えがねぇ」
 吐き捨てるように《猟犬》が吠えた。あとは何一つ残らない。転がっているキーを拾えば仕事は終了だ。
 だが、トラップはもう一枚仕掛けられていた。敵の神経を焼ききることに特化した防壁プログラム、通称黒氷(ブラックアイス)が突如としてポップアップした。その黒い立方体は、無慈悲に《猟犬》に襲いかかる。
 天央はすかさず防御プログラムを走らせる。すると大昔の、俺達が資料の中でしか見たことのないような大理石仕立ての石壁が現れICEを止める。しかしそれとて持って一秒だった。もう間に合わない――
 《猟犬》は群がる黒氷に飲み込まれていく。フラットライン(脳死)。そのバイタル反応を確認した時だった。
 未だ群がったままのICE達の山に突然天へと登る巨大な火柱が現れた。その圧倒的な炎は黒い立方体を次々と溶かしていく。後に残ったのはただひとつ、元の姿に戻った《猟犬》だった。
 これこそが彼女が得た力だった。
 ヴォイド七社のうちの一つ、アイテルカイト社。そこが行った新型兵士製造の為のプロジェクト。身体能力の劇的向上と耐久性をコンセプトに開発した初期実験作。それが彼女だった。
 実験の結果はどうなったかって? そんなもの今ハンターとしてここに居ることを見ればわかるだろ? 身体中隅々まで弄り倒されてあとはダストシュートへ直行。そこに倫理観なんて吹けば飛ぶ塵のようなものはこれっぽちも無かった。
「ヤツラがクソみてぇな実験で俺にくれたクソみてぇな贈り物だが――こういう時には役に立つ」
 焼き切れたはずの脳神経は綺麗に再生していた。


 このサーバに仕込まれたICEはしつこかった。その大半を《猟犬》が炎で焼き尽くしたとしても、次から次へと新手が現れる。だが、それに対するハンター達の動きも実に鮮やかなものだった。
「均衡の裡に理よ路を変えよ。天から降りて地を奔り天に還るもの、恩恵と等しき災禍を齎せ」
 まずは《薬屋》がそう唱える。蛇の周囲に集まった雨粒は集まって弾丸と化し、立方体を綺麗に弾き飛ばしていく。
 そして翼を生やした少女が電子の海を舞う。その手には二丁の拳銃。そこからリズミカルに銃弾――こいつは一つ一つが攻撃用プログラムだ――が発射され、それが立方体へと吸い込まれると綺麗な結晶と化して崩れていく。
 さらに二丁の拳銃に青白い円環状の光が現れる。絶対零度の冷気と共にその光は一条の筋へと化し、氷達を撫でる。それでピタリと動きが止まった。システムフリーズ。
「甘い甘いあまーい。キャンディに舐められちゃうなんて激甘過ぎー」
 《甘い弾丸》がまとめて止めると、60分の1秒後に天央が指を弾く。その乾いた音と共に現れた小さな火の球は動きを止めたモノリスへと吸い込まれ、一瞬の静寂の後に大爆発、まとめて大きな穴を開ける。あとはそこに《猟犬》が飛び込み、キーを拾う。
「避けてくれ。巻き込まれると脳が吹っ飛ぶぞ」
「わかった。ちょっと他のデータも抜かせてくれ。いつか――この体の借りを返す時に役立つかもしれねぇ」
 あとは最後の仕上げだった。二人がログアウトし、やや遅れて《猟犬》が退避して準備が整う。
「空、風、樹、地、結ぶは水。天地均衡の下、巡れ」
 全ての情報が《薬屋》の元へと流れこむ。溢れる情報の渦が彼の脳神経を焼き切ろうとしたその瞬間
「我均衡を以て均衡を破らんと欲す。理に叛く代償の甘受を誓約せん――灰燼に帰せ!」
 全ノードをまとめてシャットダウン。そしてブラックアウト。


「なかなか愉快な退屈凌ぎだった。また宜しく、ミス・ジョンソン」
 ビズを終わらせたハンター達の関係はそこで終わる、一夜の夢の様に彼らはまた別の道を歩んでいく。だが
「あなたもハンターなら依頼に対する礼儀作法は心得ているはずです。《薬屋》さん、あなたほどの人が何を嗅ぎまわっているのですか?」
 ミス・ジョンソンは冷たくそう宣告した。
「クリス嬢から抜いた情報の行先は知りたいね。内容は――知りたくないが」
「急いては事を仕損じる――昔からの警句だそうです。86400秒待てば全てわかりますよ」
 《薬屋》は両手を上げ、理解したことを示す。そして二人は別れる。これでもう少女とも赤の他人だ。
 それからぴったり24時間後。新型細菌兵器を丸ごと無効化するワクチンが発見され、莫大な富を生み出すはずだった一つの商品がガラクタへと化したわけだが、それとハンター達の毎日は交わることがあったのだろうか。どう思う? 相棒(チューマ)。

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MVP一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハートka0410
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリスka1856

重体一覧

参加者一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 狂戦士
    バルバロス(ka2119
    ドワーフ|75才|男性|霊闘士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ミス・ジョンソンに質問
エアルドフリス(ka1856
人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/01/05 08:32:37
アイコン ヴォイドには手を出すな
エアルドフリス(ka1856
人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/01/05 22:01:01
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/01/03 00:18:33