ゲスト
(ka0000)
ネレイド族の新年会
マスター:とりる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/01/13 22:00
- 完成日
- 2016/01/21 09:46
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ネレイド族のここ数か月は非常に慌ただしく、激しいものだった。
歪虚の侵攻によって汚染された土地の浄化が完了し、避難先の開拓地ホープからネレイド村への帰還の機を窺っていたミサキ・ネレイド(kz0079)達だったが――
その矢先、大規模作戦に連なる大規模戦闘がホープ近くで勃発。ハイルタイと巨人による攻撃。ミサキ達、ネレイド族戦闘部隊は決死の撤退戦に加わった。
結果として勝利を収めたものの、開拓地ホープは少なからず影響を受け、ネレイド族は機を窺うまでもなく必然的に村へ帰還する事となった……。
ネレイド族が村へ帰還してからも歪虚の南下は続いた。そして時を置かず、ハイルタイが軍勢を率いノアーラ・クンタウへ攻撃を仕掛けたのだ。
これを受けミサキは、村の防衛に少数を残し、自らが率いる戦闘部隊の大部分を援軍として参加させる事を決定。……ネレイド族の戦いは続く。
結果、ハンター達の活躍により重大な被害を出すこともなく、ノアーラ・クンタウの防衛に成功。
ミサキ達ネレイド族戦闘部隊もさしたる負傷者を出さずに、再びネレイド村へ無事帰還を果たした……。
***
それからしばらくして。ネレイド村は幸い戦場となる事を免れ、復興も進んでいた。
だが……族長であるミサキにはある懸念があった。
***
年が明けて少し経った頃。族長の家にて――。
「皆、疲れてるよね」
ミサキが床であぐらをかき、頬杖を突いて言った。
ネレイド族の戦闘部隊は皆、現在は家屋の掃除や修復作業に追われていた。
一見すると活気があるように見えるのだが……そこは族長である。ネレイド族の若者達は皆、顔に覇気が無いことは判った……。
ここ数か月の連戦に次ぐ連戦、意図せぬ帰郷。故郷へ戻れた事自体は嬉しいだろうが、長らく放置され、荒れた民家にはそのままでは住めない。
つまり皆、これまで休む暇が無かったのだ。いくら戦闘民族とは言え休養は必要である。
いや、戦闘民族だからこそ、いざという時全力で戦うためにも身体と心を休める時間は必須なのだ。
ミサキ自身もここ数日でようやく熟睡出来るようになったくらい。それまでは神経が昂って十分には眠れなかった。
「どうしようか?」
ミサキは頬杖を突いたまま傍に控える近衛隊隊長、ヴァイン・ネレイドに尋ねてみる。
「ミサキ様……女子がそのような座り方を……せめて女の子座りにしてください」
「えーこのほうが楽なんだもん」
「ダメです」
「はーい」
ミサキは座り直し、
「それで、皆何か良い案は無い?」
と、ヴァイン以外の近衛隊の面々、アリサ・ネレイド、リリレル・ネレイド、ミリレル・ネレイドにも訊いてみる。
「お魚を食べる!」
「それじゃあ私がお寿司っていうのを作ってみるわ!」
「リアルブルーから来た人に聞いたのです」
この三人はまず食い気のようだ。ミサキはじと目になり、
「お魚は私達の主食だよね。毎日食べてるよね。確かに故郷を離れてみて海の恵みの有り難さを痛感したけど……なんか違うなあ。お寿司って言うのは気になるけどさー」
ミサキはぐーっと上に身体を伸ばす。
「皆が疲れてるんだからさ、こう、ぱーっと騒ぎつつ疲労も抜けるようなことは無いかなぁ」
「それならありますよ」
ミサキの言葉にヴァインが答えた。
「ノアーラ・クンタウのテミスです。幸い先の戦いでの被害は軽微でしたし。営業を再開したと耳にしました」
「……!? テミス!」
「テミス!!」
「テミス!!」
「テミス!!」
その名を聞いた途端にミサキ、アリサ、リリレル、ミリレルは目を輝かせた。
「温泉に浸かってゆっくりすればここ数か月の疲れも抜けるのではないでしょうか。いかがです、ミサキ様?」
「温泉! いいね! それだ! それにしよう!」
ミサキは立ち上がって手をグーにして天井に向かって突き上げた。
「そうと決まればさっそくノアーラ・クンタウに行こう! ヴァイン、手配は任せた! アリサとリリレルミリレルは皆に知らせて来て! わーい、温泉だー!!」
ミサキは年齢相応に、無邪気にはしゃぎつつ、着ていた服をばばっと脱ぎ捨てる。すっぽんぽん。女性らしくありつつも引き締まった肉体。艶のある健康的な褐色の肌……。
「ミサキ様!? ここで脱いでどうするのですか!? それに折角新調したお召し物を!」
「ミサキ様ってあたしより年下なのに胸大きいよねー。むぅー」
「私だってすぐ追いつくんだからね!」
「あわわ、大胆なのです」
近衛隊の面々はそれぞれの反応を見せ、ヴァインは慌ててミサキに服を着せ直した。
ちなみにミサキの服装はリアルブルーでいうアオザイに似た民族衣装である。これはネレイド族の冬服だ。他の四人も同様のデザインの服装をしている。
いくら水辺に住まう辺境部族とは言え、年柄年中水着のような衣装を身に纏っている訳では無い。あちらは夏服だ。
「あはは、気が早すぎたね。せっかくだからハンターさんも呼ぼうか。テミス――温泉での新年会!」
そんなわけで、ネレイド族の新年会がノアーラ・クンタウにある温泉、テミスで開かれることになった。
歪虚の侵攻によって汚染された土地の浄化が完了し、避難先の開拓地ホープからネレイド村への帰還の機を窺っていたミサキ・ネレイド(kz0079)達だったが――
その矢先、大規模作戦に連なる大規模戦闘がホープ近くで勃発。ハイルタイと巨人による攻撃。ミサキ達、ネレイド族戦闘部隊は決死の撤退戦に加わった。
結果として勝利を収めたものの、開拓地ホープは少なからず影響を受け、ネレイド族は機を窺うまでもなく必然的に村へ帰還する事となった……。
ネレイド族が村へ帰還してからも歪虚の南下は続いた。そして時を置かず、ハイルタイが軍勢を率いノアーラ・クンタウへ攻撃を仕掛けたのだ。
これを受けミサキは、村の防衛に少数を残し、自らが率いる戦闘部隊の大部分を援軍として参加させる事を決定。……ネレイド族の戦いは続く。
結果、ハンター達の活躍により重大な被害を出すこともなく、ノアーラ・クンタウの防衛に成功。
ミサキ達ネレイド族戦闘部隊もさしたる負傷者を出さずに、再びネレイド村へ無事帰還を果たした……。
***
それからしばらくして。ネレイド村は幸い戦場となる事を免れ、復興も進んでいた。
だが……族長であるミサキにはある懸念があった。
***
年が明けて少し経った頃。族長の家にて――。
「皆、疲れてるよね」
ミサキが床であぐらをかき、頬杖を突いて言った。
ネレイド族の戦闘部隊は皆、現在は家屋の掃除や修復作業に追われていた。
一見すると活気があるように見えるのだが……そこは族長である。ネレイド族の若者達は皆、顔に覇気が無いことは判った……。
ここ数か月の連戦に次ぐ連戦、意図せぬ帰郷。故郷へ戻れた事自体は嬉しいだろうが、長らく放置され、荒れた民家にはそのままでは住めない。
つまり皆、これまで休む暇が無かったのだ。いくら戦闘民族とは言え休養は必要である。
いや、戦闘民族だからこそ、いざという時全力で戦うためにも身体と心を休める時間は必須なのだ。
ミサキ自身もここ数日でようやく熟睡出来るようになったくらい。それまでは神経が昂って十分には眠れなかった。
「どうしようか?」
ミサキは頬杖を突いたまま傍に控える近衛隊隊長、ヴァイン・ネレイドに尋ねてみる。
「ミサキ様……女子がそのような座り方を……せめて女の子座りにしてください」
「えーこのほうが楽なんだもん」
「ダメです」
「はーい」
ミサキは座り直し、
「それで、皆何か良い案は無い?」
と、ヴァイン以外の近衛隊の面々、アリサ・ネレイド、リリレル・ネレイド、ミリレル・ネレイドにも訊いてみる。
「お魚を食べる!」
「それじゃあ私がお寿司っていうのを作ってみるわ!」
「リアルブルーから来た人に聞いたのです」
この三人はまず食い気のようだ。ミサキはじと目になり、
「お魚は私達の主食だよね。毎日食べてるよね。確かに故郷を離れてみて海の恵みの有り難さを痛感したけど……なんか違うなあ。お寿司って言うのは気になるけどさー」
ミサキはぐーっと上に身体を伸ばす。
「皆が疲れてるんだからさ、こう、ぱーっと騒ぎつつ疲労も抜けるようなことは無いかなぁ」
「それならありますよ」
ミサキの言葉にヴァインが答えた。
「ノアーラ・クンタウのテミスです。幸い先の戦いでの被害は軽微でしたし。営業を再開したと耳にしました」
「……!? テミス!」
「テミス!!」
「テミス!!」
「テミス!!」
その名を聞いた途端にミサキ、アリサ、リリレル、ミリレルは目を輝かせた。
「温泉に浸かってゆっくりすればここ数か月の疲れも抜けるのではないでしょうか。いかがです、ミサキ様?」
「温泉! いいね! それだ! それにしよう!」
ミサキは立ち上がって手をグーにして天井に向かって突き上げた。
「そうと決まればさっそくノアーラ・クンタウに行こう! ヴァイン、手配は任せた! アリサとリリレルミリレルは皆に知らせて来て! わーい、温泉だー!!」
ミサキは年齢相応に、無邪気にはしゃぎつつ、着ていた服をばばっと脱ぎ捨てる。すっぽんぽん。女性らしくありつつも引き締まった肉体。艶のある健康的な褐色の肌……。
「ミサキ様!? ここで脱いでどうするのですか!? それに折角新調したお召し物を!」
「ミサキ様ってあたしより年下なのに胸大きいよねー。むぅー」
「私だってすぐ追いつくんだからね!」
「あわわ、大胆なのです」
近衛隊の面々はそれぞれの反応を見せ、ヴァインは慌ててミサキに服を着せ直した。
ちなみにミサキの服装はリアルブルーでいうアオザイに似た民族衣装である。これはネレイド族の冬服だ。他の四人も同様のデザインの服装をしている。
いくら水辺に住まう辺境部族とは言え、年柄年中水着のような衣装を身に纏っている訳では無い。あちらは夏服だ。
「あはは、気が早すぎたね。せっかくだからハンターさんも呼ぼうか。テミス――温泉での新年会!」
そんなわけで、ネレイド族の新年会がノアーラ・クンタウにある温泉、テミスで開かれることになった。
リプレイ本文
●新年会in温泉
要塞都市『ノアーラ・クンタウ』の温泉地『テミス』で開かれるネレイド族の新年会にお呼ばれしたハンター達――。
「……温泉……。……銭湯とは……何が違うのでしょうか……」
青い雨傘を差した、流れる様なしっとりとした長い青髪、潤んだ青い瞳の少女、外待雨 時雨(ka0227)はかくりと首を傾げた。
(……銭湯になら、昔……行った事があるのですが……。温泉には、行った事が無く……)
傘を持っていない方の手を顎に当ててうむむと唸る。
(違いが、今一分かりません……。浸かれば……分かるのでしょうか……)
「ハッハ、新年会へのお招き感謝しますよ、ミサキさん」
恰幅の良い身体つきに、着物に草履姿の米本 剛(ka0320)はネレイド族長、ミサキ・ネレイド(kz0079)に挨拶。
「思えば……我々ハンターも中々に連戦が続いてる気がしますしねぇ。この様な新年会やら温泉は良い機会でしょうからな」
米本の言う通り、ネレイド族と同様にハンターも戦い続きだった。戦士には休養が必要だ。
(……以前、此処の温泉入りに来た時は茸のお陰で酷い目に遭いましたので余計に……)
ついでに米本は紫色の茸の傘を思い出し、一瞬表情をどんよりとさせる。が、すぐに気分を切り替え。
「そんな事より折角の温泉です、ゆったり浸かってのんびり酒でも飲ませて頂きます。他に酒を嗜む方が入ればご一緒するのも一興ですな」
「ん、温泉で新年会……。とっても楽しみです……」
長く美しい銀髪にルビー色の瞳の少女、サクラ・エルフリード(ka2598)も温泉に入るのが待ち遠しい様子。
今回は戦闘時いつも着用している白銀の甲冑は装備しておらず、可愛らしい私服姿だ。
「冬に温泉とは気が利いてるねぇ。おまけに混浴とは嬉しいご褒美じゃないの」
くたびれた白衣にサンダル姿のおじさん……といった印象の鵤(ka3319)。
「かわいこちゃんでも眺めながらのんびり入れりゃ最高だわな」
彼は片手に風呂桶とタオル、もう片方の手には一升瓶をぶら下げていた。
温泉に和風の酒を持ち込んでとことん堪能するつもりの様である。尚、酒は米本も持ち込んでいる。
浅黒い肌の筋骨隆々の青年、No.0(ka4640)――レイヴェンはとあるワードにわたわたしていた。
「新年会……か。色々と騒がしい今、少しのんびりするのも悪くは……温泉? こ、混浴? 混浴??」
硬派そうな容姿の彼は意外とウブな様である。既に想像? 妄想? が始まっているのか鼻元を抑えていた。
「温泉は嬉しいけれど……、どうせならリリスと二人きりの方が良かったかな……」
そう、ぽつりと言葉を漏らしたのはウェグロディ(ka5723)。パッと見美少女な鬼の少年。
「何方にせよ、素敵な場所に変わりは無い。折角の好意だ、楽しませて貰おう」
「私の名前はアマリリス。鬼の符術師よ。宜しくね」
口調から柔和そうな印象を受ける鬼の女性、アマリリス(ka5726)が続けて挨拶。
「最愛の弟と一緒に来たわ。二人で知らない部族の新年会に出席、なんてね。中々面白そうよね?」
そう言ってアマリリスは微笑む。彼女とウェグロディは姉弟だ。
そして最後に。
「溜まった疲れを癒す為、新年会に参加してネレイド族の皆と一緒に温泉を満喫しちゃいます!」
ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)が元気に言った。明るく可愛い彼女は身振りする度に揺れる豊満な胸部装甲が自慢。
「温泉は美容と健康にとっても良いもの……プロカードゲーマー(※ハンターです)としては、応援してくれるファンの為にも、もっと綺麗になっちゃうんだから!」
ルンルンは美と健康の為に意気込み十分。
「皆さん、明けましておめでとうございます! 今日は温泉を思う存分楽しんじゃいましょう♪」
ミサキ達ネレイド族戦闘部隊一同は「宜しくお願いします!」と返し、
「それじゃあ皆、行くよー! テミスに乗り込めー!」
といった調子でミサキが先導し、テミスの中へ移動。ハンター達も続く。
●温泉・序章
営業を再開したばかりのテミス内。一行はまず、男女別に分かれて脱衣場へ。
***
男性側――。
「えーと、えーと……あ、水着かタオル着用なのか……それなら安心だな」
混浴という言葉に激しく動揺していたレイヴェンだったが、流石に全裸という事は無かったのでホッと胸を撫で下ろす。
(まあ……もし緩んでたりしたら、何かが起こる前に教えて直して貰おう……)
自分もぎっちりと水着の紐を結ぶ。
(いやあ、青春ですなあ……)
米本はそわそわした空気を察してニヤリとしつつ、手早く着替え。
自身の格好は男気溢れる褌! レスラー体系の米本が着用すると実に様になる。
鵤は腰にタオルを巻き、風呂桶に酒とぐい飲みを入れて、さっさと風呂場へ。
(果たしてレイヴェン君の運命や如何に……と。くく)
見た目美少女なウェグロディだったが、いざ肌を晒してみると鍛えられた肉体が! 男らしさ九割増し。
そんな彼の格好は墨色に白と灰の和柄が入った水着の上に薄手の羽織。
ネレイド族の男子達も着替えを終え風呂場へ。
***
一方、女性側――。
こちらは開幕から少し騒がしかった。ミサキを初めとした年少組が素っ裸のまま混浴風呂へ突撃しようとしたのだ。
「ちょっと待って! 全裸でいいのは高レベルニンジャだけなんだから、何か着なくちゃ駄目なのです」
慌ててルンルンを初めとするハンターの女性陣とネレイド族近衛隊が制止する。
「おっと、先走っちゃった。てへぺろー☆」
その後ミサキは近衛隊長のヴァインに説教を受けた。
「ふぅ……全く。文化が違うのかと思ったけど流石にね」
ルンルンはタオルをビキニの上下の様に巻き、手裏剣柄の手拭と洗面器を片手に風呂場へ。
「この辺もあまり銭湯と変わりませんね……でも、いよいよ温泉……」
時雨はワンピース型の白地の水着の上にバスタオルをしっかりと巻く。
そしてその顔は湯に入る前なのだが少し火照っていた。
(気恥ずかしくはありますが……決まりである以上、仕方がありません……)
「水着は何か落ち着かないので、恥ずかしいですがタオルを巻いてきましょうかね……」
サクラもバスタオルをしっかりと装備。こちらはその下には何も着けていないが。
アマリリスの格好はウェグロディが用意した露出度が控えめな桜色に薄紅の花柄のシンプルなデザインの水着。
「タオル一枚巻けば良いかと思っていたけれど、弟の気遣いだからね」
「うふふ」と穏やかに笑うアマリリスにサクラは、
「良い弟さんですね……。さあ着替えが済んだら温泉です。ミサキさん達も……」
サクラに促されて、着替えたネレイド族の女子達も風呂場へ……。
***
テミスで一番の大浴場――。
まずお湯で身体を流した一同はお待ちかねの温泉に浸かった。風呂桶の「かぽーん」という音が響く……。
「はふ、とってもいいお湯なのです……。温泉はやはりいいですね……。疲れも取れますし幸せな気分になれます……」
サクラは早速肩までお湯に浸かってゆったり気分。
「これが……温泉……。身体がぽかぽかして……それでいて疲れが抜け出ていく様な……ふぁ~~……」
時雨は初めての温泉に少し驚きを見せつつ心も身体もほっこり。そして少しサクラと言葉を交わす。
「私はこちらの人間なので銭湯との違いは分かりませんが、温泉は天然のお湯を利用した入浴施設ですね……」
「ほほぅ~~……(時雨・ほっこり中)」
「湧き出す場所によってお湯の成分や効能が違うと聞きます……」
「成る程……ありがとうございます……、サクラさん……」
「ホントいいよね、温泉……」
気が付けばルンルンも傍に居た。
「銭湯と温泉の違いはサクラさんの説明で大体合ってると思うよっ」
そのサクラは何故かジト目。視線の先は――やはりタオルに包まれた柔らかそうなルンルンの双丘!
***
米本と鵤は温泉に浸かりつつ、互いに持ち寄った酒を酌み交わしていた。ちなみに米本は熱燗である。
「いやぁ、これぞ心の洗濯ですな」
「いやー眼福眼福ってかぁ?」
「ふむ……それもありますな……」
二人は女性陣へ目をやる。ハンターの女性陣も中々。
そしてネレイド族の女子。下は十二歳と言えど成長期である。ミサキを初めとして既に女性らしい体型をしている者も多い。
何より戦闘部隊だけに丸みを帯びたラインを維持しつつも無駄の無い引き締まった肉体がポイント高い。
「ヒューあの子なかなかいい乳してるなぁおい」
「いやぁ、いいですなぁ」
既に出来上がっている二人であった。
***
レイヴェンは――
「ん……大丈夫の様だな……」
周りを見回し、安心して湯に浸かる。
(何事もなくのんびりできたらいいな)
ふと、近くにネレイド族の少年少女がやって来た。レイヴェンは意を決して話しかける。
「えーと……飲むかい?」
持参した炭酸飲料やジュースを勧めてみると少年少女は「お兄さんありがとう!」と、とても喜んだ様子。
安堵しつつ、事のついでに会話も。そして「お兄さん凄い筋肉だね」と、好奇心旺盛な少女達にぺたぺた身体中を触られ、びくんびくんとするレイヴェン君。
「た、助け……」
「キャーレイヴェン君すてきぃーがんばってぇー?」
身動きの取れないレイヴェンを遠くから囃し立てる鵤でした。
ウェグロディとアマリリスは……ネレイド族から話を聞く前に、騒ぎから少し離れて二人きりで湯を楽しむ。
「水着、とても似合ってるよ、リリス」
「ふふ。ありがと。ロディ」
「……リリスと一緒の温泉、少し夢みたいだ」
二人はお湯の中で手を握り合う……。
●異文化交流
ネレイド族に興味を持っていた時雨、ウェグロディ、アマリリスはミサキ達の方へ移動し質問タイム。
サクラもミサキへ改めて挨拶も兼ねて近くへ。
まずは時雨。
「戦闘民族と呼ばれる方々が、普段……どの様な生活をされているのか。しきたりや礼儀作法など、興味は尽きません」
「しきたりかー。ネレイド族は十二歳以上になると成人の儀っていうのを受けて、それをクリアすると大人として認められるんだよ。ちなみに成人年齢は部族によってまちまちだね」
「ふむふむ。食文化は……確か、お魚をよく食されているのでしたか」
「うん。野菜とかは部族会議で同盟と取引してる」
「どの様な魚料理があるのですか?」
「焼いたり干したり簡単な物だよ。美味しい魚料理があったら今度教えてほしいな」
と、ミサキは笑って見せる。
次はアマリリスとウェグロディ。
「知りたいわ。あなた達の事を。私も知ってほしい。これから仲良くしていく為に。友達になれる様に」
二人は鬼の一族に生まれ、その里で過ごしてきた為に他種族は珍しい様だ。
「うん、同感だね」とミサキは答える。
「今はこちらの方が珍しいのよね。面白い物だわ」
「変わった服装をしていたね。とても素敵だったけれど、生地や製法はどの様に?」
ウェグロディが疑問を口にする。
「生地とかは野菜と同じく同盟との取引だね。後は手縫いで作る」
「どう? 一緒に呑みながらもっと話さない? あなた達の事、聞かせて欲しいわ」
と、アマリリスが言えば……
「ミサキ様、ここは私がお相手しても宜しいでしょうか」
外見年齢二十歳程の、ネレイド族の女性が話しに入る。
「じゃあミレーヌに任せようかな。私だけ話すのも悪いし」
ミレーヌと呼ばれた温和そうな女性はアマリリスの手を引く。
「角、気になるかしら?」と訊けば「うふふ、良い意味で気になります。素敵ですね」と答えた。
そしてサクラ。
「ミサキさん、去年はお世話になりました……。今年もよろしくお願いしますね……。今年もまた忙しい年になりそうな気はしますけど……今だけはまったりと……でしょうか……」
「うん、皆身体だけじゃなく心も疲れてたからね」
「そういえばこの後はどうしていくんでしょうね、ネレイドの人達は……?」
「戦うよ。ネレイド族を立て直すまでは」
●助言とトラブル
(折角の機会ですから……。特に、ネレイド族の方達には……気兼ねなく寛いでいてほしいですし)
話を聴き終えた時雨は瓶等を片付け中。
米本は――何やらネレイド族の男子を集めて話していた。
「おじさ……お兄さんは若い方の青春的な話に飢えているのです。……ごほん、男の子(おのこ)が水着の女子を見てしまうのは恥ずかしい事ではないのですよ? 当然の事です、自分だってそうだ」
ざわざわする男子達。
「男の子は全て変態です、しかし変態が故に紳士たれ! ……自論ですがな。紳士の態度で接し男の子の心を持って青春するのですよ、男の子達!」
酔いもあってか米本は熱弁をふるう。
「……それが青春を終えた者からの助言です」
米本はそう締めくくる。今年はネレイド族の出生率が上がるかもしれない。
***
サクラとルンルンはネレイド族の女子に自己流マッサージ!
「ん、ミサキさん、肩とか凝ってないですか……? マッサージ、してあげましょうか……。プロいう訳では無いですが……」
「ルンルン忍法ニンジャマッサージを続けていれば、綺麗な肌と望みの体系が手に入る事間違い無いんだからっ」
サクラはミサキを揉み揉み、ルンルンは女子達に全身マッサージを教える。
***
一方、アマリリスが戻るとウェグロディが抱き締めた。
「リリス、あまり僕の傍を離れないで欲しいな。心配と寂しさで僕の心の臓が止まってしまう」
「ふふ。甘えん坊ね、ロディ。平気よ。私が貴方から離れる訳無いじゃない」
二人は温もりを確かめ合った後にまたお湯へ。
「今年はどんな年になるのかしらね……」
***
マッサージを終えたサクラとルンルン、
「いい運動になりましたね」
「汗を流してからまた温泉!」
湯船に入るとレイヴェンと鉢合わせ。――その時、神の悪戯か――サクラとルンルンのタオルが、はらりと――落ちた。
マッサージで激しい運動をした為にタオルが緩んでしまっていたのだ!
それを目の当たりにしたレイヴェンは……
「ぶふー!?」
鼻血ぶしゃー! しつつ、湯に落ちたタオルを拾って必死に二人へ押し付けるのだがそこはお胸だー! ふにふに。むにゅんむにゅん。
「な、何を……!!」
「見ちゃ駄目です……っていうか触っちゃダメです! ルンルン忍法お銀さんの術!!」
風呂桶で殴られ様が、お湯をぶっかけられ様がレイヴェンは手を離さない。
「こ、これは違う……そんなつもりは……」(要約:早くタオルを巻いてほしい)
終いには鉄拳制裁が彼を待っていたが致し方あるまい……。
「あいつらもよくやるねぇ」
そんな騒ぎの中、鵤は。
「いやねぇ? 騒ぐのは若い子の特権つーか義務ですからぁ? おっさんはそれを面白おかしく眺められりゃあそれで十分なわけよぉ。つーか風呂位静かに入らせろ」
けらけらと笑い、その後ノックアウトされたレイヴェンを運んであげたそうな。
要塞都市『ノアーラ・クンタウ』の温泉地『テミス』で開かれるネレイド族の新年会にお呼ばれしたハンター達――。
「……温泉……。……銭湯とは……何が違うのでしょうか……」
青い雨傘を差した、流れる様なしっとりとした長い青髪、潤んだ青い瞳の少女、外待雨 時雨(ka0227)はかくりと首を傾げた。
(……銭湯になら、昔……行った事があるのですが……。温泉には、行った事が無く……)
傘を持っていない方の手を顎に当ててうむむと唸る。
(違いが、今一分かりません……。浸かれば……分かるのでしょうか……)
「ハッハ、新年会へのお招き感謝しますよ、ミサキさん」
恰幅の良い身体つきに、着物に草履姿の米本 剛(ka0320)はネレイド族長、ミサキ・ネレイド(kz0079)に挨拶。
「思えば……我々ハンターも中々に連戦が続いてる気がしますしねぇ。この様な新年会やら温泉は良い機会でしょうからな」
米本の言う通り、ネレイド族と同様にハンターも戦い続きだった。戦士には休養が必要だ。
(……以前、此処の温泉入りに来た時は茸のお陰で酷い目に遭いましたので余計に……)
ついでに米本は紫色の茸の傘を思い出し、一瞬表情をどんよりとさせる。が、すぐに気分を切り替え。
「そんな事より折角の温泉です、ゆったり浸かってのんびり酒でも飲ませて頂きます。他に酒を嗜む方が入ればご一緒するのも一興ですな」
「ん、温泉で新年会……。とっても楽しみです……」
長く美しい銀髪にルビー色の瞳の少女、サクラ・エルフリード(ka2598)も温泉に入るのが待ち遠しい様子。
今回は戦闘時いつも着用している白銀の甲冑は装備しておらず、可愛らしい私服姿だ。
「冬に温泉とは気が利いてるねぇ。おまけに混浴とは嬉しいご褒美じゃないの」
くたびれた白衣にサンダル姿のおじさん……といった印象の鵤(ka3319)。
「かわいこちゃんでも眺めながらのんびり入れりゃ最高だわな」
彼は片手に風呂桶とタオル、もう片方の手には一升瓶をぶら下げていた。
温泉に和風の酒を持ち込んでとことん堪能するつもりの様である。尚、酒は米本も持ち込んでいる。
浅黒い肌の筋骨隆々の青年、No.0(ka4640)――レイヴェンはとあるワードにわたわたしていた。
「新年会……か。色々と騒がしい今、少しのんびりするのも悪くは……温泉? こ、混浴? 混浴??」
硬派そうな容姿の彼は意外とウブな様である。既に想像? 妄想? が始まっているのか鼻元を抑えていた。
「温泉は嬉しいけれど……、どうせならリリスと二人きりの方が良かったかな……」
そう、ぽつりと言葉を漏らしたのはウェグロディ(ka5723)。パッと見美少女な鬼の少年。
「何方にせよ、素敵な場所に変わりは無い。折角の好意だ、楽しませて貰おう」
「私の名前はアマリリス。鬼の符術師よ。宜しくね」
口調から柔和そうな印象を受ける鬼の女性、アマリリス(ka5726)が続けて挨拶。
「最愛の弟と一緒に来たわ。二人で知らない部族の新年会に出席、なんてね。中々面白そうよね?」
そう言ってアマリリスは微笑む。彼女とウェグロディは姉弟だ。
そして最後に。
「溜まった疲れを癒す為、新年会に参加してネレイド族の皆と一緒に温泉を満喫しちゃいます!」
ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)が元気に言った。明るく可愛い彼女は身振りする度に揺れる豊満な胸部装甲が自慢。
「温泉は美容と健康にとっても良いもの……プロカードゲーマー(※ハンターです)としては、応援してくれるファンの為にも、もっと綺麗になっちゃうんだから!」
ルンルンは美と健康の為に意気込み十分。
「皆さん、明けましておめでとうございます! 今日は温泉を思う存分楽しんじゃいましょう♪」
ミサキ達ネレイド族戦闘部隊一同は「宜しくお願いします!」と返し、
「それじゃあ皆、行くよー! テミスに乗り込めー!」
といった調子でミサキが先導し、テミスの中へ移動。ハンター達も続く。
●温泉・序章
営業を再開したばかりのテミス内。一行はまず、男女別に分かれて脱衣場へ。
***
男性側――。
「えーと、えーと……あ、水着かタオル着用なのか……それなら安心だな」
混浴という言葉に激しく動揺していたレイヴェンだったが、流石に全裸という事は無かったのでホッと胸を撫で下ろす。
(まあ……もし緩んでたりしたら、何かが起こる前に教えて直して貰おう……)
自分もぎっちりと水着の紐を結ぶ。
(いやあ、青春ですなあ……)
米本はそわそわした空気を察してニヤリとしつつ、手早く着替え。
自身の格好は男気溢れる褌! レスラー体系の米本が着用すると実に様になる。
鵤は腰にタオルを巻き、風呂桶に酒とぐい飲みを入れて、さっさと風呂場へ。
(果たしてレイヴェン君の運命や如何に……と。くく)
見た目美少女なウェグロディだったが、いざ肌を晒してみると鍛えられた肉体が! 男らしさ九割増し。
そんな彼の格好は墨色に白と灰の和柄が入った水着の上に薄手の羽織。
ネレイド族の男子達も着替えを終え風呂場へ。
***
一方、女性側――。
こちらは開幕から少し騒がしかった。ミサキを初めとした年少組が素っ裸のまま混浴風呂へ突撃しようとしたのだ。
「ちょっと待って! 全裸でいいのは高レベルニンジャだけなんだから、何か着なくちゃ駄目なのです」
慌ててルンルンを初めとするハンターの女性陣とネレイド族近衛隊が制止する。
「おっと、先走っちゃった。てへぺろー☆」
その後ミサキは近衛隊長のヴァインに説教を受けた。
「ふぅ……全く。文化が違うのかと思ったけど流石にね」
ルンルンはタオルをビキニの上下の様に巻き、手裏剣柄の手拭と洗面器を片手に風呂場へ。
「この辺もあまり銭湯と変わりませんね……でも、いよいよ温泉……」
時雨はワンピース型の白地の水着の上にバスタオルをしっかりと巻く。
そしてその顔は湯に入る前なのだが少し火照っていた。
(気恥ずかしくはありますが……決まりである以上、仕方がありません……)
「水着は何か落ち着かないので、恥ずかしいですがタオルを巻いてきましょうかね……」
サクラもバスタオルをしっかりと装備。こちらはその下には何も着けていないが。
アマリリスの格好はウェグロディが用意した露出度が控えめな桜色に薄紅の花柄のシンプルなデザインの水着。
「タオル一枚巻けば良いかと思っていたけれど、弟の気遣いだからね」
「うふふ」と穏やかに笑うアマリリスにサクラは、
「良い弟さんですね……。さあ着替えが済んだら温泉です。ミサキさん達も……」
サクラに促されて、着替えたネレイド族の女子達も風呂場へ……。
***
テミスで一番の大浴場――。
まずお湯で身体を流した一同はお待ちかねの温泉に浸かった。風呂桶の「かぽーん」という音が響く……。
「はふ、とってもいいお湯なのです……。温泉はやはりいいですね……。疲れも取れますし幸せな気分になれます……」
サクラは早速肩までお湯に浸かってゆったり気分。
「これが……温泉……。身体がぽかぽかして……それでいて疲れが抜け出ていく様な……ふぁ~~……」
時雨は初めての温泉に少し驚きを見せつつ心も身体もほっこり。そして少しサクラと言葉を交わす。
「私はこちらの人間なので銭湯との違いは分かりませんが、温泉は天然のお湯を利用した入浴施設ですね……」
「ほほぅ~~……(時雨・ほっこり中)」
「湧き出す場所によってお湯の成分や効能が違うと聞きます……」
「成る程……ありがとうございます……、サクラさん……」
「ホントいいよね、温泉……」
気が付けばルンルンも傍に居た。
「銭湯と温泉の違いはサクラさんの説明で大体合ってると思うよっ」
そのサクラは何故かジト目。視線の先は――やはりタオルに包まれた柔らかそうなルンルンの双丘!
***
米本と鵤は温泉に浸かりつつ、互いに持ち寄った酒を酌み交わしていた。ちなみに米本は熱燗である。
「いやぁ、これぞ心の洗濯ですな」
「いやー眼福眼福ってかぁ?」
「ふむ……それもありますな……」
二人は女性陣へ目をやる。ハンターの女性陣も中々。
そしてネレイド族の女子。下は十二歳と言えど成長期である。ミサキを初めとして既に女性らしい体型をしている者も多い。
何より戦闘部隊だけに丸みを帯びたラインを維持しつつも無駄の無い引き締まった肉体がポイント高い。
「ヒューあの子なかなかいい乳してるなぁおい」
「いやぁ、いいですなぁ」
既に出来上がっている二人であった。
***
レイヴェンは――
「ん……大丈夫の様だな……」
周りを見回し、安心して湯に浸かる。
(何事もなくのんびりできたらいいな)
ふと、近くにネレイド族の少年少女がやって来た。レイヴェンは意を決して話しかける。
「えーと……飲むかい?」
持参した炭酸飲料やジュースを勧めてみると少年少女は「お兄さんありがとう!」と、とても喜んだ様子。
安堵しつつ、事のついでに会話も。そして「お兄さん凄い筋肉だね」と、好奇心旺盛な少女達にぺたぺた身体中を触られ、びくんびくんとするレイヴェン君。
「た、助け……」
「キャーレイヴェン君すてきぃーがんばってぇー?」
身動きの取れないレイヴェンを遠くから囃し立てる鵤でした。
ウェグロディとアマリリスは……ネレイド族から話を聞く前に、騒ぎから少し離れて二人きりで湯を楽しむ。
「水着、とても似合ってるよ、リリス」
「ふふ。ありがと。ロディ」
「……リリスと一緒の温泉、少し夢みたいだ」
二人はお湯の中で手を握り合う……。
●異文化交流
ネレイド族に興味を持っていた時雨、ウェグロディ、アマリリスはミサキ達の方へ移動し質問タイム。
サクラもミサキへ改めて挨拶も兼ねて近くへ。
まずは時雨。
「戦闘民族と呼ばれる方々が、普段……どの様な生活をされているのか。しきたりや礼儀作法など、興味は尽きません」
「しきたりかー。ネレイド族は十二歳以上になると成人の儀っていうのを受けて、それをクリアすると大人として認められるんだよ。ちなみに成人年齢は部族によってまちまちだね」
「ふむふむ。食文化は……確か、お魚をよく食されているのでしたか」
「うん。野菜とかは部族会議で同盟と取引してる」
「どの様な魚料理があるのですか?」
「焼いたり干したり簡単な物だよ。美味しい魚料理があったら今度教えてほしいな」
と、ミサキは笑って見せる。
次はアマリリスとウェグロディ。
「知りたいわ。あなた達の事を。私も知ってほしい。これから仲良くしていく為に。友達になれる様に」
二人は鬼の一族に生まれ、その里で過ごしてきた為に他種族は珍しい様だ。
「うん、同感だね」とミサキは答える。
「今はこちらの方が珍しいのよね。面白い物だわ」
「変わった服装をしていたね。とても素敵だったけれど、生地や製法はどの様に?」
ウェグロディが疑問を口にする。
「生地とかは野菜と同じく同盟との取引だね。後は手縫いで作る」
「どう? 一緒に呑みながらもっと話さない? あなた達の事、聞かせて欲しいわ」
と、アマリリスが言えば……
「ミサキ様、ここは私がお相手しても宜しいでしょうか」
外見年齢二十歳程の、ネレイド族の女性が話しに入る。
「じゃあミレーヌに任せようかな。私だけ話すのも悪いし」
ミレーヌと呼ばれた温和そうな女性はアマリリスの手を引く。
「角、気になるかしら?」と訊けば「うふふ、良い意味で気になります。素敵ですね」と答えた。
そしてサクラ。
「ミサキさん、去年はお世話になりました……。今年もよろしくお願いしますね……。今年もまた忙しい年になりそうな気はしますけど……今だけはまったりと……でしょうか……」
「うん、皆身体だけじゃなく心も疲れてたからね」
「そういえばこの後はどうしていくんでしょうね、ネレイドの人達は……?」
「戦うよ。ネレイド族を立て直すまでは」
●助言とトラブル
(折角の機会ですから……。特に、ネレイド族の方達には……気兼ねなく寛いでいてほしいですし)
話を聴き終えた時雨は瓶等を片付け中。
米本は――何やらネレイド族の男子を集めて話していた。
「おじさ……お兄さんは若い方の青春的な話に飢えているのです。……ごほん、男の子(おのこ)が水着の女子を見てしまうのは恥ずかしい事ではないのですよ? 当然の事です、自分だってそうだ」
ざわざわする男子達。
「男の子は全て変態です、しかし変態が故に紳士たれ! ……自論ですがな。紳士の態度で接し男の子の心を持って青春するのですよ、男の子達!」
酔いもあってか米本は熱弁をふるう。
「……それが青春を終えた者からの助言です」
米本はそう締めくくる。今年はネレイド族の出生率が上がるかもしれない。
***
サクラとルンルンはネレイド族の女子に自己流マッサージ!
「ん、ミサキさん、肩とか凝ってないですか……? マッサージ、してあげましょうか……。プロいう訳では無いですが……」
「ルンルン忍法ニンジャマッサージを続けていれば、綺麗な肌と望みの体系が手に入る事間違い無いんだからっ」
サクラはミサキを揉み揉み、ルンルンは女子達に全身マッサージを教える。
***
一方、アマリリスが戻るとウェグロディが抱き締めた。
「リリス、あまり僕の傍を離れないで欲しいな。心配と寂しさで僕の心の臓が止まってしまう」
「ふふ。甘えん坊ね、ロディ。平気よ。私が貴方から離れる訳無いじゃない」
二人は温もりを確かめ合った後にまたお湯へ。
「今年はどんな年になるのかしらね……」
***
マッサージを終えたサクラとルンルン、
「いい運動になりましたね」
「汗を流してからまた温泉!」
湯船に入るとレイヴェンと鉢合わせ。――その時、神の悪戯か――サクラとルンルンのタオルが、はらりと――落ちた。
マッサージで激しい運動をした為にタオルが緩んでしまっていたのだ!
それを目の当たりにしたレイヴェンは……
「ぶふー!?」
鼻血ぶしゃー! しつつ、湯に落ちたタオルを拾って必死に二人へ押し付けるのだがそこはお胸だー! ふにふに。むにゅんむにゅん。
「な、何を……!!」
「見ちゃ駄目です……っていうか触っちゃダメです! ルンルン忍法お銀さんの術!!」
風呂桶で殴られ様が、お湯をぶっかけられ様がレイヴェンは手を離さない。
「こ、これは違う……そんなつもりは……」(要約:早くタオルを巻いてほしい)
終いには鉄拳制裁が彼を待っていたが致し方あるまい……。
「あいつらもよくやるねぇ」
そんな騒ぎの中、鵤は。
「いやねぇ? 騒ぐのは若い子の特権つーか義務ですからぁ? おっさんはそれを面白おかしく眺められりゃあそれで十分なわけよぉ。つーか風呂位静かに入らせろ」
けらけらと笑い、その後ノックアウトされたレイヴェンを運んであげたそうな。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓? No.0(ka4640) 人間(リアルブルー)|20才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/01/10 22:24:29 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/01/10 16:40:16 |