• 闇光

【闇光】笑顔を、再び

マスター:香月丈流

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/01/15 19:00
完成日
2016/01/26 01:42

このシナリオは2日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 鳴り響く轟音に、立ち昇る黒煙と黒炎。襲い来る異形が、日常の光景を壊していく。
 ゾンネンシュトラール帝国に降り注ぐ『破壊の爪跡』は、全てを蹂躙した。家屋を、食糧を、動物を、人を、夢を、命を、平和を……有形無形に関係無く。
 否が応でも、人々は己の無力を悔やむしかなかった。
 その一方で、人的被害は驚くほどに少ない。これは、ハンター達が迅速に活動し、帝国との協力体制を築けたからだろう。歪虚の侵攻を水際で防ぎ、民間人の安全を確保したのだから。
 そして、人類は『一方的に攻められるだけの存在』ではない。大規模な反抗作戦が、静かに始まろうとしていた。

 しかし……。

「家も無い。土地も無い。お金も財産も無い。これから、どうやって生活すれば……」
「こんな事になるなら、北狄なんて放置すりゃ良かったんだ!」
 歪虚の強襲に始まり、立て続けに起こった『負の連鎖』。命の危険に晒され、住み慣れた土地から避難し、見通しの立たない避難生活が始まり、故郷は歪虚に荒らされ……人々の心労は溜まる一方である。
 避難民達も大変だが、彼らを受け入れたマーフェルスの住民達も、大小様々な悩みを抱えていた。人口増加に伴う食糧の調達に、避難所や生活必需品の確保、炊き出しに配給……仕事を挙げたらキリが無い。
「おい、知ってるか? ヴィルヘルミナ様……いや、ヴィルヘルミナが歪虚に寝返ったらしいぞ!」
 混乱に追い打ちを掛けたのは、ヴィルヘルミナ皇帝の件だろう。良くも悪くも、噂が広まるのは早い。それが悪評なら、尚更に。
 知っての通り、彼女は上位歪虚に憑依されて敵の尖兵と化している。この事実を知らない一般人は多く、ヴィルヘルミナが本気で裏切ったと勘違いしているのだ。
「馬鹿言うな! ヴィルヘルミナ皇帝が歪虚に従うワケないだろ!」
「いや……北狄出兵の頃から、裏切る前提だったんじゃないか? 人類側の戦力を削るために無茶な行軍をした、とか」
「どっちでもイイわ……戦争が終わってくれるなら、何でも」
 皇帝を信じる者、疑う者、無気力状態で関心を示さない者、市民達の反応は大きく分かれている。普段なら『些細な口論』で治まる事だが、今の状況で精神的余裕のある者は少ない。ごく小さな火種は、消えるどころか激しく燃えそうになっている。
「お前、避難民のクセにヴィルヘルミナ様を馬鹿にすんなよ?」
「あぁ!? 避難民とか関係ねぇだろ。テメェこそ、ヴィルヘルミナみてぇに裏切る気か!?」
 売り言葉に買い言葉。この日を境に、マーフェルスはピリピリした空気が流れ始めた。全員が喧嘩腰……というワケではないが、小競り合いも増えている。このままでは、大規模な衝突や暴動が起きても不思議ではない。
 一触即発の状況を救うため、ハンターに白羽の矢が立った。

リプレイ本文


 その日、ケイ・R・シュトルツェ(ka0242)達はマーフェルスの町を歩き回っていた。大量の避難民を受け入れた町は、どこか元気が無い。避難してきた者も、元から住んでいた者も、大半が疲れた顔をしている。
 元気そうなのは、無邪気な子供達くらいだろう。今日も町の広場に集まり、無邪気に遊んでいる。子供だけでなく、広場は数少ない憩いの場。年齢や性別に関係なく、50人近い人達が集まっていた。
 ケイは仲間達に視線で合図を送り、広場の中央に移動。大きく息を吸い、唐突に歌声を響かせた。
 包み込むように優しく、透明感のある声が周囲に広がっていく。どこまでも響くような歌声が人々の興味を引き、彼女に注目が集まり始めた。
 大抵の者は好意的な視線を向けているが……そうでない者も少なくない。歌声は綺麗だが、見ず知らずの若い女性が突然歌った事で、警戒心や不信感を抱いているようだ。
「驚かせて、ごめんなさい。私達、ハンターなの。決して怪しい者じゃないわ」
 複雑な表情をしている一般人に、リンカ・エルネージュ(ka1840)が小声で声を掛ける。今のマーフェルスには、精神的に弱っている者が多い。そういう人達の不安やモヤモヤを解消するため、リンカは自分達の素性を明かしたのだろう。
 同様に、シェルミア・クリスティア(ka5955)は子供達に声を掛けていた。
「少しだけ、あのお姉さんの歌を聞いてみて? きっと、笑顔になれるから」
 しゃがんで視線を合わせ、微笑みながらケイを指差す。シェルミアの言葉に、子供達は大きく頷いて視線と耳を向けた。
(荒んだ人の心は、逆巻く風のよう……この風は暫くは途絶えないけど、一刻でも暖かい気持ちになってくれたら……)
 歌がサビに突入し、ケイの想いが強まる。優しさの中にも力強さがあり、人々の弱さも受け止め、明日への希望を願う気持ち。それが周囲に伝わったのか、もう彼女を疑っている者は1人も居ない。
 『優しさ』という風が、人々の心に吹き込んだ。
 歌い終えたケイが、軽く頭を下げる。と同時に、周囲から拍手が降り注いだ。歓声や褒め言葉も送られているが、あまりにも多過ぎて巧く聞き取れない。それだけ、彼女の歌声が人々の心を打ったのだろう。
「ありがとう。これでも私、リアルブルーでは『歌姫』なんて呼ばれてたのよ?」
 そう言って、笑顔を返すケイ。本当に『良い歌』は、国や年齢、人種を越えて受け入れられる。蒼界の歌姫は、こちらの世界でも健在のようだ。
 興奮冷めやらぬ子供達の視界で、小さな紙人形達がピョコピョコと動き回る。まるで踊っているような、こちらを誘っているような、軽快な動きで。子供達が紙人形を追い掛けると、その先にはルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)が待っていた。
「私と遊ぶ人、この指と~まれっ!」
 無邪気に微笑み、元気良く叫ぶルンルン。さっきの紙人形は、子供達の興味を引くために彼女が作り出したのだ。ルンルンの式神作戦が成功したのか、10人近い少年少女が押し寄せた。
「よ~し、だったら簡単なカードゲームで勝負です! チャンピオンの私に勝てるかな?」
 言いながら、ルンルンがカードを取り出す。転送前、彼女はこのゲームのチャンピオンとして君臨していた。再びカードで戦えるのが嬉しいのか、緑の瞳がキラキラと輝いている。
「ケッケッケ、どーしたどーした! 2人3人じゃ当たらねーぜ?」
 悪役のようなセリフを言っているのは、ジャック・エルギン(ka1522)。彼も子供を集め、一緒に遊んでいた。木の枝を振り回す子供達に、それを避けるジャック。どうやら、彼が歪虚役を演じ、ハンター役の子供達がジャックを倒す『ごっこ遊び』のようだ。
 2人が相手をしているお陰で、子供達は普段よりも元気な声を上げている。シェルミアも交ざり、大人しい子供達とトランプで遊んでいる。その様子を眺めながら、嬉しそうに微笑む大人達。時折、リンカやケイと言葉を交わし、愚痴や相談をしている。
 その傍らで、ロジー・ビィ(ka0296)は園芸用のシャベルを使い、花壇の土を耕していた。
「エルフのお姉ちゃん、何してるの?」
 ロジーに興味を持ったのか、小さな女の子が花壇を覗き込む。ロジーは手を止め、微笑みながら言葉を返した。
「土を柔らかくしていますの。これから、お花でも植えようかと思いまして……」
 説明しつつ、花壇を見せるロジー。合戦のゴタゴタで手入れが出来なかったのか、花は枯れて雑草だらけになっていた。それを1人で整備し、新しく種を植える準備を進めていたのだ。
 除草と土ならしを終えると、ロジーは近くの人々に声を掛けた。
「宜しければ、皆さんも一緒に植えませんこと? 種なら沢山ありますわ」
 年齢を問わず、園芸が好きな女性は多い。長い避難生活の中、花と触れ合う機会は無かっただろう。数分もしないうちに、10人近い希望者が集まった。
 ロジーは彼女達にコテを渡し、荷物から小さな紙袋を取り出す。封を開け、手の平の上で袋を傾けると、小さな小さな種が転がり出てきた。
「これはガーベラという花ですの。春には白い花が咲きますよ」
 そう説明し、種を分けるロジー。敢えて口にしなかったが……白いガーベラの花言葉は『希望』。今の状況なら、人々に最も必要な言葉だろう。
 今は分からなくても、ガーベラの意味に気付く時が必ず来る。花が枯れても、時が過ぎれば再び咲く。たくさんの希望と共に『笑顔』という花も咲いて欲しい……そんな想いを込めて、ロジーはガーベラを選んだのかもしれない。
「痛っ! 新手か。よーし……ハンター共め、かかってこーい!」
 ジャックのハンターごっこは、人数を増やして続いていた。何度か木で叩かれたが、怒るどころか子供達を煽っている。あくまでも、これは『遊び』。本気で怒ったら大人げないし、子供達が楽しんでいるなら問題ない。
「遊ぶのは良いけど、怪我には注意してね? もちろん、ジャックさんも!」
 念のために、リンカが注意を促す。彼女の言葉に、元気良く返事をする子供達。振り回した枝がジャックの膝を直撃し、短い悲鳴が零れた。
「歌のオネーサン! もう1回歌って~!」
「歌って歌って~♪」
 大人達と話していたケイに、数人の子供達が駆け寄る。それだけ、彼女の歌が気に入ったのだろう。
「ええ、良いわよ。何かリクエストはあるかしら?」
 笑顔を返し、軽く背筋を伸ばすケイ。子供達の視線を受け止めながら、彼女は再び歌声を響かせた。絶望や不安に負けず、希望の明日へ踏み出せるよう、想いを込めて。
 歌で心を潤し、遊ぶ事を楽しみ、花の開花を待ち遠しく思う人々。気付いた時には、広場は笑顔で埋め尽くされていた。
「皆の笑顔の為に、わたしも頑張るからね」
 仲間と一般人の笑顔を眺めながら、決意を新たにするシェルミア。そんな彼女の表情も、柔らかく微笑んでいた。


 ハンター達が居るのは、広場だけではない。避難所となっている学校にも数人が派遣されていた。彼らは大量の荷物を輸送し、学校に到着。荷物の9割は校庭で降ろし、3人のハンターが残り1割を持って、校内に入って行った。
 校外に残った者達は、校庭の隅に仮設の調理場を設置。荷物から食材を取り出し、炊き出しを始めた。
 避難民と住民を含め、マーフェルスの人口は300人近い。その全員に料理を渡せるか分からないが、出来るだけ多くの人に食べて貰えるよう、大量の食材を調理していく。
 慣れた手つきで野菜を刻んでいるのは、柊 真司(ka0705)。時折、手を止めて記憶を掘り起こし、前に食べた蒼界の家庭料理『ポトフ』を再現している。食材を切り終えると、大きな鍋を火にかけて油を引いた。
 真司とは逆に、九竜 諒斗(ka1290)は最初から鍋でお湯を沸かしている。昆布やシイタケで出汁を取り、市販のカレー粉を投入。味とトロみを整え、鍋物用の野菜や肉を入れて蓋をした。
 鼻歌混じりにネギを切っているのは、星野 ハナ(ka5852)。野菜と豚肉は鍋で煮込み、味噌で味付けしている。あとは具材に火が通れば、食べる直前にネギを散らして豚汁の完成である。
「人は誰しも、温かい食事に幸せを感じるものです。こういう時こそ、温かい食事が必要不可欠ですね」
 カレー鍋を掻き混ぜながら、想いを口にする諒斗。彼は昔、サルヴァトーレ・ロッソでメカニックを担当していた。主にCAMの整備を担当していたが、CAMを操縦して民間人の救助に向かった事もある。もしかしたら、困っている人を見捨てておけないタイプなのかもしれない。
「私も、その通りだと思いますぅ。リアルブルーには『衣食足りて礼節を知る』って諺がありますしぃ。おなかの中からあったまれば、人って笑顔になると思いますぅ」
 ブリッ子口調のハナだが、言っている事は至極真っ当。温かい料理だけでなく、彼女の人懐こい笑みを見たら、自然と笑みが零れるだろう。
「なら、俺達の料理で身も心も温まって貰いましょう。って……何人分の材料ですか、ソレ」
 塩胡椒を入れていた真司は、ハナの調理台を見て疑問を口にした。調理に集中していた時は気付かなかったが、彼女の調理台の下には、大量の木箱が残っている。その表面には『豚肉』や『人参』の文字。これは、食材で間違いないだろう。
「ん~? どうせなら、ぱぁーっとイッパイ作った方が良いかと思ってぇ。二百人分をお願いしましたぁ♪」
 そう言って、ニコヤカに微笑むハナ。作る量が多いため、ギルドに人手も手配している。タイミング良く、補充人員を乗せた馬車が校庭に到着。荷台から更に食材と調理器具を降ろし、大規模な調理が始まった。
 予想外の状況に、茫然とハナ達を眺める真司と諒斗。そのまま互いに視線を合わせると、思わず笑みが零れた。
 校庭から食欲を刺激する匂いが漂い始めた頃、校内ではエイル・メヌエット(ka2807)が避難民の診察をしていた。
 彼女は幼少期から医学を学び、医療の資格も持っている。避難所は『他人同士』が大勢集まるため、衛星環境の維持が大変だし、心身の調子を崩し易い。こういう状態の時こそ医者が必要だと、エイルは考えていた。。
「随分と疲れた顔ね。寝不足なら、カモミールティーをお勧めするわ。えっと……」
「エイル様、お探しの物はこれでしょうか?」
 荷物を探していたエイルに、シルウィス・フェイカー(ka3492)が紅茶のビンを差し出す。シルウィスは避難所のボランティアを手伝いながら、荷物の整理もしていた。だから、探し物がどこにあるか分かったのだろう。
 シルウィスからビンを受け取り、笑顔で礼を述べるエイル。彼女の前には、まだ長蛇の列が並んでいる。全ての患者を癒すため、エイルは避難民達と向き合った。
「大丈夫。国もハンターも、皆さんの事を忘れてないわ。一緒に、この状況を乗り越えましょう?」
 患者の手を握り、力強く励ます。体調が優れないと、気分は晴れない。暗い気持ちが続けば、体調も治らなくなる。エイルは患者と寄り添い、心も体も癒そうとしていた。
 診察の終わった人達をリラックスさせるため、鞍馬 真(ka5819)が横笛を鳴らす。楽器演奏の趣味が高じて、腕前はプロ顔負け。落ち着いた旋律が室内に広がり、子供や女性が周囲に集まり始めた。
(やはり……子供は元気に笑っているのが一番良いな)
 娯楽が少なく、厳しい生活を続けていたら、一番最初に耐えられなくなるのは、小さな子供達。その子供が元気を失えば、大人達の気持ちも沈んでしまう。真自身、少年少女の笑顔を見て、心が癒されるのを感じていた。
 エイルの診察を待つ者に、真の演奏を楽しんでいる人々……この避難所には、多くの難民が集まっている。その世話をするのは、並大抵の苦労ではないだろう。改めて、シルウィスはボランティア達の大変さを痛感していた。
「これだけ人数が多いと、日常のお世話だけでも重労働ですね。毎日、お疲れ様です」
 言葉と共に、深々と頭を下げる。予想外の行動に、ボランティアスタッフは驚きを隠せなかった。
 シルウィスはハンターとして戦う事が出来るが、長期間のボランティアは難しい。今のような不安定な戦時なら、尚更に。だから……守るべき民のため、無償で働いているスタッフ達に、感謝の気持ちを伝えたかったのだ。
 彼女の想いが通じたのか、スタッフ達が照れ臭そうに微笑む。その奥では、拍手と歓声が湧き上がっていた。どうやら、真の演奏が終わって喝采が起きているようだ。
「今度は一緒に演奏するかい? 食事まで時間もあるし、歌うのも良いね」
 集まった人達に、優しく語り掛ける真。荷物から予備の横笛を取り出すと、少年が真っ先に手を伸ばした。真は吹き方を説明し、簡単な曲を2人で演奏。それに合わせて、老若男女が歌いだした。
 お世辞にも『巧い』とは言えない者も居たが、娯楽は大勢で共有する事も重要である。楽しい時間は、ゆるやかに過ぎていった。


「お待たせしました。こちら、ご注文の料理になります♪」
 酒場に響く、花厳 刹那(ka3984)の元気な声。彼女は給仕係として、店で働いていた。飲酒可能な年齢ではないが、手伝いだけなら問題無い。『黒髪の美少女が居る』という噂が広まり、客足が増えて店側も助かっていた。
 加えて、『赤服の美女』も噂になっている。
「なるほどのう……おんし等も、色々と苦労したようじゃな。愚痴は吐き出した方が良いぞ?」
 真紅の衣服を身に纏い、一般人達と酒を呑み交わす蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009)。酒の席というのは、愚痴や弱音を話し易い。蜜鈴は煙管を片手に、酔っ払いの言葉に耳を傾けていた。ちなみに、煙管は持っているが煙草は吸っていない。
 元々酒場には人が集まっていたが、今日は刹那と蜜鈴の噂が流れた効果で、集客は2割増し。満席状態で営業している。日中から酒場が混雑しているのは、色んな意味で問題だが……先の見えない不安定な状況を考えると、仕方ない事かもしれない。
 酒を飲んでいる事に対し、批判的なハンターは1人も居ない。むしろ、人々の心を癒すためにサーシャ・V・クリューコファ(ka0723)は酒場のステージに上がった。長い銀髪を三つ編みに纏め、アイドル顔負けのフリフリ衣装で。
「諸君、私の美声を聞き給え!」
 大声で叫んで視線を集め、ギター片手に弾き語りを披露。サーシャの歌声はケイとは違い、元気で弾けるような勢いがある。山を、空を、銀河を震わせるような勢いが。
 彼女の歌声に、酒場の客達が湧き上がる。サーシャは胸周りが若干寂しいが……それを差し引いても、充分過ぎるほどに可愛らしい。骨太の歌声と、外見のギャップがウケているようだ。
(皇帝という光が強すぎて、皆色々見失ってる。大丈夫、彼女は君達の味方だよ)
 ありったけの想いを込め、サーシャの歌声が響き渡る。酒に溺れるのも、歌に熱狂するのも、『逃避』という点では同じだと彼女は思っている。だったら、笑顔と憩いの時間を与える歌の方が良い。
 サーシャの熱い想いが歌声に乗り、室内に広がっていく。客を盛り上げるため、ギターを激しく掻き鳴らした。
 直後。
 ステージにグラスが投げ込まれ、破片と中身が飛び散る。グラスだけでなく、酒瓶や皿も数個。盛り上がっていた熱気が一気に醒め、瞬間的に静寂が訪れた。
「やめろヤメろ! そんな歌、酒がマズくならぁ!」
「能天気に歌いやがって……俺達の何が分かんだよ!」
 酒場の後方から聞こえてくる、口汚いヤジ。そこに居たのは、明らかに悪酔いした連中だった。顔は赤く、酒臭い息を吐きながら、尚も酒を煽っている。その中の1人が、更に酒瓶を投げた。
 酔って力加減を忘れているのか、全力過ぎる一投。それが、サーシャの顔面を目掛けて飛んで来ている。
 酒瓶が彼女に命中するより早く、Gacrux(ka2726)はステージに上がってビンをキャッチ。周囲から感嘆の声が上がる中、Gacruxは黒い三白眼を酔っ払い達に向けた。
「俺は、分かりたくもないですね。自分では何もせず、飲んだくれてる輩の気持ちは」
 静かな雰囲気ながらも、刺すような鋭さを秘めた一言。酔っ払いが荒れる気持ちは、ある程度理解してる。が……だからと言って、暴れるのを許しているワケではない。
 彼と同様に、酔っ払いの行為を見過ごせない男女が、あと4人。紫吹(ka5868)とザレム・アズール(ka0878)は席を立ち、悪酔い連中に歩み寄った。
「アンタ達……家族を思い出してみな。それと、今のアンタ達を振り返ってみな」
 色っぽい花魁のような容姿からは想像も出来ない、紫吹の厳しい一言。美しさと艶やかさを兼ね備えているため、こんな状況でなければ誰もが見惚れていた事だろう。
「このままで、死んだ奴に顔向けできるのか? 家族の前で胸を張れるのか?」
 ザレムの青い瞳と、真っ直ぐな言葉が連中を射抜く。彼の言葉は正論ではあるが、酔った者に常識は通じない。面倒臭そうに舌打ちし、溜息と共に言葉を吐き出した。
「っせぇな……説教は聞き飽きてんだよ!」
「どうせ、お前らもヴィルヘルミナの手下なんだろ? ハンター『様』よぉ!」
 恐らく、紫吹とザレムの言った事は図星だったのだろう。だからこそ……素直に納得できないし、納得する気もない。話を誤魔化すようにゲラゲラと笑い、挑発的な視線を向けている。
 あまりにも大人げない態度に、フィルメリア・クリスティア(ka3380)は大きく溜息を吐いた。コップの水を飲み干し、勢い良くテーブルに叩き付ける。硬いグラスの音が室内に響き渡り、全員の注目が彼女に集まった。
「全く……いい大人がみっともない。喧嘩したいのなら、外へどうぞ。私も相手になってあげますから」
 挑発に対して挑発を返し、出入り口に向かって歩いて行く。途中で青い長髪を掻き上げ、余裕のある態度を見せて煽る事も忘れない。
 彼女が扉を開けようとした瞬間、ボルディア・コンフラムス(ka0796)が戸を押し開けた。拳を軽く鳴らし、チョイチョイと手招きして酔っ払い達を挑発。その反応を見る事なく、彼女はフィルメリアと一緒に外に出た。
「怖いなら、無理にとは言いませんよ? 吠えるのは、あんた達の自由ですから」
 更に、Gacruxが挑発的なセリフをサラリと残し、そのまま外に移動。酔っ払い達はハンター達の言動で逆上し、20人前後が勢い良く飛び出した。
 ザレムは店内に悪酔いしている者が居ない事を確認し、一足遅れて仲間達を追い掛ける。その様子を眺めながら、紫吹は残念そうに溜息を吐いた。
「出来れば、荒事にしたくなかったんだけどねぇ……厄介だねぇ、酒ってぇのは」
 思わず、口から弱音が零れる。一般人との衝突は避けたかったが、酔っ払い達の泥酔ぶりを見る限り、平和的解決は難しい。疑心暗鬼や懐疑心……酒は時として、悪しきモノも引き寄せるのだ。
「じゃが、酒に頼らねば心を守れる時もある。後の事はGacruxに任せて、妾達は呑み直そうかの?」
 紫吹を慰めるように、蜜鈴がグラスを差し出す。荒事が始まった以上、後は仲間を信じて待つしかない。紫吹は苦笑いを浮かべつつ、グラスを受け取って席に座った。
「蜜鈴さんも如何ですか? 蒼界の日本料理ですが、お酒に合うと思いますよ♪」
 呑み直そうとしていた蜜鈴達に、刹那が2枚の皿を差し出す。盛り付けられていたのは、天ぷらと刺身。『向こうの世界』の料理だが、酒との相性は抜群である。
「そこのカワイイ嬢ちゃ~ん。仕事なんざ止めて、俺達と一緒に飲もうぜ?」
 ホロ酔いの中年男性が、刹那に呼び掛ける。悪酔い……というワケではないが、こういうオッサンも厄介である。刹那が反応を迷っていると、彼女を庇うように蜜鈴が立ち上がった。
「待て。刹那は妾のツレじゃ。手を出してくれるで無いぞ?」
 クツリと笑い、扇で中年男性を差す。表情は柔らかいが、手を出したら『大変な事』になるのは間違いないだろう。男性が苦笑いを浮かべながら謝ると、刹那は蜜鈴に憧憬の眼差しを向けた。
「可愛い嬢ちゃんや美味い料理も良いけど、私の歌も忘れないでくれよ?」
 店内の状況が落ち着いたのを見計らい、サーシャがライブを再開。昼時になっても、彼女の歌声と歓声が止む事は無かった。

 正午を過ぎた頃、避難所の校庭には大勢の人が集まっていた。お目当ては、ハンター達が作った料理。避難民も住人達もボランティアも、腹を空かせて列を作り、料理を貰うのを待っている。
「いっぱい遊んだら、お腹減ったね~。お、何だかイイ匂いがするよ~!」
 広場に居たルンルン達も、避難所で合流。食欲を刺激する匂いに、子供達の腹が鳴った。
「お、いいトコに来たな。みんなで飯にしようぜ?」
「『病は気から』。しっかり食べて英気を養う事も大切なのよ?」
 真司とエイルの言葉に、誰もが微笑む。早速、広場に居た人達も列に並び、それぞれの料理を受け取った。
「辛みの少ない物も準備しています。ご飯や麺、パンはお好みで召し上がって下さい」
 諒斗はカレー鍋を盛り分けながら、付け合せも勧めている。鍋と言ったら、締めの麺やご飯は欠かせないだろう。中には、丼飯にカレー鍋をかけている者も居るが、ウマそうに笑顔で頬張っている。
(少しでも、皆さんの助けになれて良かったです……)
 人々の笑顔を見て、諒斗はホッと胸を撫で下ろした。彼は、自分に人助けが出来るか不安に思っていたのだ。その不安が解消され、彼はようやく笑顔を浮かべた。
 食事で笑顔になっている者は多いが……物陰や敷地の隅で座り込んでいる者も少なくない。恐らく、食欲が湧かないくらい精神的に落ち込んでいるのだろう。孤立している青年を見付けた真司は、ポトフを持って彼の隣に座った。
「ほら、遠慮しないで食えよ。飯でも食って落ち着いてから、ゆっくり立ち直れば良いさ」
 出来るだけ優しく声を掛け、皿を差し出す。気力を失っている者を、無理に立ち上がらせても意味は無い。先ずは心と頭を落ち着かせ、冷静になる事が大切である。真司の気持ちが通じたのか、男性はポトフを受け取ってスープを口に運んだ。
「差し出がましいようですが……感情を溜め込むのは、良くない事です。私で良ければ、話を聞かせて下さいませんか?」
 シルウィスも、老若男女を問わず元気の無い人に話し掛けている。避難所に来てから、彼女は手伝いをしながら色んな人と会話していた。淑やかで穏やかな雰囲気だから話し易いのか、既に何人もの愚痴を聞いている。
「吐き出せば楽になる事もあるだろう? 今日くらいは、我慢しないでくれ」
 若干固い笑みを浮かべながらも、気さくに話し掛ける真。横笛の演奏を終えてから、彼は大人達と言葉を交わしていた。聞き役に徹する事で、元気な人からも不満や不安を聞き出せた。彼が、人々のストレス発散に貢献したのは間違いない。
 同じように、シェルミアは成人女性と話していたが、相手が戦いに巻き込まれる不安を暴露。それを聞いたシェルミアは、女性の手を強く握って真っ直ぐな視線を向けた。
「大丈夫、荒事は『私達が』引き受けるから。私達が守りたい場所の笑顔を、絶やさないで欲しいな……」
 彼女は戦う力を持っているが、子供が明るく過ごせる場所を作る事は出来ない。『自分達が出来る事を精一杯やって欲しい』……そんな想いを、シェルミアは伝えたかったのだろう。
「そういう事だ。戦いは俺らが終わらすからよ、いつか同盟の海を見に来な?」
 シェルミアに同意しつつ、ジャックが笑顔で言葉を告げる。基本的には子供の相手をしているが、大人への対応も忘れていない。が、すぐに子供に捕まり、遊び相手として連行されてしまった。
「ご飯が終わったら、今度は公園に行かない? ちょっとした『遊び』を準備してきたからさ」
 ポトフを食べながら、リンカが子供達を誘う。大人しそうな外見とは裏腹に、彼女は外で走り回ったり、ワイワイ遊ぶ方が得意だったりする。公園には水場があるし、それを利用して『ウォーターウォーク』をしようと考えていた。
 リンカの提案に、元気よく賛成する子供達。キラキラと眩しい笑顔は、合戦が始まってから見ていなかった表情である。
「どんなに不安でも、笑顔でいようよ。こんな時だからこそ……不安を伝播させないのも『大人の務め』だよね」
 大人が不安にしていたら、子供達の笑顔も曇ってしまう。シェルミアの言葉は間違っていないが、かなり難しいだろう。それでも、保護者達は力強く頷いた。
「直ぐに、とは言いません。口に出せば気分転換になりますから、前向きになれると思いますよ」
 彼女をフォローするように、シルウィスが言葉を付け加える。子供を不安にさせないためにも、まずは大人達が前向きになる事が重要だろう。子供の相手はリンカ達に任せ、保護者一同はシルウィス達に様々な悩みや愚痴を打ち明けた。


 拳が顔面や腹部に命中し、薄っすらと血が流れる。酒場の外は、激しい殴り合いが展開されていた。
 と言っても、ハンター達は手出しをしていない。ボルディアとザレムは酔っ払いの攻撃を受けているが、Gacruxは拳撃の大半を腕で防御。フィルメリアは華麗な動きで避け、カスリ傷すら負っていない。
 最初は威勢の良かった酔っ払い達だったが、スタミナが切れたのか動きが鈍っている。店内から様子を見ていた刹那と紫吹は、バケツに水を汲んで外に運び出した。
「あの……Gacruxさん、フィルメリアさん。お水の準備が出来ました」
 刹那に名前を呼ばれ、2人は酔っ払いを避けて素早く移動。バケツを受け取り、集団に目掛けて水をブッ掛けた。1杯だけでなく、2人で2杯ずつ。
 冷や水を全身に浴び、酔っ払い連中の動きが止まった。
「やれやれ……少しは発散出来ましたか?」
「どうです? 少しは頭が冷えましたか?」
 Gacruxとフィルメリアが問い掛けるが、返事は無い。さっきまでの好戦的な勢いはドコへやら。酔いが完全に醒め、冷静になったようだ。
 ボルディアは苛立ちを隠さず、後頭部をガリガリと掻く。口元に滲んだ血を手の甲で拭い、軽く溜息を吐いた。
「皇帝が歪虚になったとかいう噂があるらしいな? まあ、間違っちゃいねぇよ」
 彼女の衝撃的な一言に、連中から驚きの声が上がった。『憑依されただけ』と強調して付け加えたが、騒ぎは治まりそうにない。
「皇帝も、歪虚と戦っているんだ。これ以上の事は話せないが……」
 誤解を解くため、必死に訴えるザレム。一旦言葉を切り、地面に両膝を突いた。
「けど、信じてくれ。俺達を、皇帝を……!」
 その言葉と共に、両手も突いて頭を下げる。五体投地……蒼界で言うところの、土下座。言葉だけでなく、行動でも気持ちを伝えるため、ザレムは頭を下げる事を選んだ。
「一つ聞くが、悪ぃのは皇帝か?」
 唐突に、ボルディアが質問を投げ掛ける。言葉の意図が分からなかったのか、答えを口にする者は1人も居ない。数秒の沈黙の後、ボルディアはゆっくりと口を開いた。
「だとしたら……トップが間違ってンならよ、それを正すのは国民の役目だろ!」
 怒りの籠った言葉に、周囲の空気が震える。ずっと、彼女は怒りを押し殺していたのだ。誰にも言わず、独りで。
「皇帝は歪虚に憑依されて、自分の意志に関係なく『守るべき国民』に剣を向けてんだぞ? その気持ちも考えねぇで、被害者ヅラしやがって……!」
 怒りと共に、ボルディアが叫ぶ。彼女自身、今は迷いの中に在る。自分が何をしたいのか、どの道を進めば良いか、答えは出ていない。それでも、彼女は『前』に進む。その目に映る者を守るために。
 そんな状態だからこそ……状況に流されていた酔っ払い達が許せなかったのかもしれない。
「不安や恐怖は誰だって同じです。ですが、それを払拭する為に『自分が出来る事』を懸命にしている人もいるんですよ?」
 説教するように、フィルメリアが強い口調で話す。彼女は感情をあまり外に出さないが、今回は熱が入っている。表情は普段と変わらないが、連中に対して多少は怒りを覚えているようだ。
 反論の余地が無いと悟ったのか、酔っていた者達は口を開こうとしない。恐らく、後悔や様々な感情が、胸の中で渦巻いているのだろう。
「イイオトコ同士で争うだなんて、無粋も良いトコだよ。アンタ達自ら、希望に為れるってのに……」
 憂いを帯びた表情で、紫吹が語り掛ける。それは、慰めやお世辞ではなく、彼女の本心。人は元気に生きているだけで、他人の希望になれる……それを伝えたかったのだ。
 だが……。
「だからって……どうすりゃ良いんだよ!」
「何もかも失ったんだぞ!? 家も金も、家族も残ってねぇ。希望なんざ、持てるワケがねぇ……」
 絞り出すような、悲鳴に近い怒鳴り声。彼らも様々な悩みを抱え、限界ギリギリだったようだ。問題を解決する方法が分からず、期待に応える術を知らず、酒に逃げるしかなかったのだろう。
「それがどうした!」
 大地を揺るがすような、ザレムの叫び。そのまま勢い良く立ち上がり、拳を握った。
「君達は生きてるじゃないか! 命には『無限の可能性』がある。全てを失ったなら……ここから『新たな一歩』を始められるじゃないか」
 綺麗事のような、青臭い主張にも聞こえるが、その言葉は力強い。きっと……ザレムは信じているのだ。彼らなら、この逆境を乗り越えて『一歩』を踏み出せると。
「どうやら、丸く治まったようだね。では、改めて……私の美声を聞き給え!」
 話を聞いていたサーシャが、今度は店の外で歌声を響かせる。その声は、耳だけでなく心まで伝わり、ようやく酒場にも『笑顔の花』が咲いた。

依頼結果

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MVP一覧

  • まないた(ほろり)
    サーシャ・V・クリューコファka0723
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムスka0796
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズールka0878
  • 愛にすべてを
    エイル・メヌエットka2807
  • 平穏を望む白矢
    シルウィス・フェイカーka3492
  • 符術剣士
    シェルミア・クリスティアka5955

重体一覧

参加者一覧

  • 夢を魅せる歌姫
    ケイ・R・シュトルツェ(ka0242
    人間(蒼)|21才|女性|猟撃士
  • もふもふ もふもふ!
    ロジー・ビィ(ka0296
    エルフ|25才|女性|闘狩人
  • オールラウンドプレイヤー
    柊 真司(ka0705
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • まないた(ほろり)
    サーシャ・V・クリューコファ(ka0723
    人間(蒼)|15才|女性|機導師
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • ナガケ集落の功労者
    九竜 諒斗(ka1290
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 青炎と銀氷の魔術師
    リンカ・エルネージュ(ka1840
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 愛にすべてを
    エイル・メヌエット(ka2807
    人間(紅)|23才|女性|聖導士
  • 世界より大事なモノ
    フィルメリア・クリスティア(ka3380
    人間(蒼)|25才|女性|機導師
  • 平穏を望む白矢
    シルウィス・フェイカー(ka3492
    人間(紅)|28才|女性|猟撃士
  • 紅花瞬刃
    花厳 刹那(ka3984
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • ヒトとして生きるもの
    蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009
    エルフ|22才|女性|魔術師
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 艶やかに妖しく
    紫吹(ka5868
    人間(紅)|26才|女性|符術師
  • 符術剣士
    シェルミア・クリスティア(ka5955
    人間(蒼)|18才|女性|符術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 笑顔を取り戻すために
サーシャ・V・クリューコファ(ka0723
人間(リアルブルー)|15才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/01/14 08:13:38
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/01/14 23:18:25