ゲスト
(ka0000)
【裏節V】チョコより闇鍋だろJK
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2016/02/17 15:00
- 完成日
- 2016/02/25 16:16
このシナリオは1日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
※画像はイメージです。
実際の闇鍋とは異なる場合がございます。
●
クリムゾンウェスト某所。
その集会所には、数十人の人々が食材を手に集まっていた。10人前後のグループの前には、一つの大鍋が火にかけられている。
集会所前方に設けられた舞台の上で、黒い頭巾で顔を隠した男が立っていた。全身も黒のローブで覆い隠す男は、一つ咳払いをすると滔々と語り出す。
「諸君、知っての通り世間はバレンタインデーなる行事にうつつを抜かしている」
大鍋の熱気に負けぬ熱が、男の声には込められていた。
「リアルブルーより持ち込まれた、この悪しき風習。チョコレイトという甘ったるいお菓子にあてられた、甘ったるいカップルどものための風習。我々は、これに断じて対抗せねばならん!」
手を振り上げ、声を荒げる。会場内のボルテージが少しずつ高まっているのを肌で感じていた。
「我々は、対抗手段として……ここに闇鍋行事を開催する!」
男の宣言に巻き起こった拍手を、手でおさめる。
出汁の匂いが会場内に充満してきた。鼻孔をくすぐられ、男が腹を押さえる仕草をする。
「さぁ、諸君。食べようではないか! ハイル、闇鍋!」
男の声に呼応して、集会所の人々も「ハイル、闇鍋」と声を上げた。
しかし、闇鍋といえども何もかもが許されるわけではない。
集会所の端では、一人の青年が両脇を黒頭巾に抱えられ退出させられていた。
「貴様は食せないものを食材と偽り持ち込んだ!」
「これは重大な闇鍋規律違反である!」
青年は何事か声を荒げ、両手足を動かして抵抗するが無駄である。黒頭巾の全身は、とても質のいい筋肉で覆われていた。引きずられるように退出させられた青年の行方は……わからない。
「あのように、規律を乱すものは退出が求められる。今一度、闇鍋規律を思いだそうではないか」
男がこれみよがしに、規律の確認を始める。
闇鍋規律とは以下のものだ。必ず確認されたい。
一つ、必ず食べられる食材を提出すること。
一つ、一度箸をつけた食材は必ず食すこと。
一つ、気分が悪くなった場合は速やかに申し出ること。
一つ、運営委員会は各闇鍋の内容に関していかなる責任も取らない。
「以上だ。今回は鶏ガラスープの鍋と魚介ベースの鍋を用意した。各テーブルごとに確認してくれた前……健闘を祈る」
男が舞台を降りると同時に、再び盛大な拍手が起こった。
つまり、闇鍋開始である。
集会所に設けられていた窓が閉められ、カーテンが降ろされる。明かりが全て消され、闇に包まれる。ただし、大鍋に敷設された火が灯り代わりとなって、参加者たちのみを薄く映し出す。
バレンタインデーに対抗するものは、この集会所に集合せよ!
リプレイ本文
●
クリムゾンウェスト某所。
異様な熱気に包まれる会場内で、ハンターたちは大鍋を囲んでた。アンチバレンタインと叫ぶグループもある中、天竜寺 舞(ka0377)は肩をすくめる。
「闇鍋って聞いてみれば、バレンタインに対抗してだったのか。ま、あたし達もチョコあげる男いないけどね」
「言わないでよ~」
舞の言葉に、天竜寺 詩(ka0396)が隣から肩を揺らす。
「十六にもなってそういう人いないの気にしてるのに」
「あはは」
舞は笑い声を上げてみるが、最後は詩と二人でため息をつく。
目の前の煮えたぎる鍋を見つめて、舞はうんと気合を入れる。
「ま、気を取り直して鍋食べよう」
鍋から沸き立つ湯気は、鳥がらベースの汁気を吸っていた。吸い込めば吸い込むほどに、胃の辺りが主張を強める。
「鍋は好きだ」
ザレム・アズール(ka0878)は、すっと口角を上げて呟く。
対面では、央崎 枢(ka5153)がザレムに頷きを返す。
「冬の醍醐味だね」
「鳥の出汁なら、あまり魚系は入れない方が美味しいかな」
ザレムの発言を、枢はそういうものなのかと聞き入る。鍋奉行チックな人がいれば、進行が楽だなとも思うのだった。
流れのまま、ザレムが具材を入れようと告げる。異論なくザレムに従って具材が投入される中、あきらかに匂いに変化がもたらされた。それもだし汁自体に変化が生じているらしかった。
「……誰か溶け込むものをいれた?」
枢が首をかしげる中、鵤(ka3319)がくつくつと笑っていた。
闇鍋が始まる少し前、
「あらぁ、ルカちゃんじゃないのぉ」
「あんたか」
鵤はロス・バーミリオン(ka4718)と出会い、力ない笑みを浮かべていた。
知り合いの姿に安堵しつつも警戒を強める。互いに何かを仕掛けそうな雰囲気を持っていたのだ。
「今日は鍋を楽しみましょう」
「お互いにな」
牽制するように笑い合いながら、二人は席についた。
あの瞬間の鵤を思い出しながら、ロゼは尋ねる。
「ねぇ、ルカちゃん。あなた、何入れたの?」
ロゼの問いかけに、鵤は「んー」と言葉を濁す。
闇鍋で何を入れたのかを取る前に語るのは、興をそぐような気もする。
「カレー?」
ぽつりと声を漏らしたのは、ザレムだった。いち早く匂いの正体に気づいた。
「そうそう、カレー粉。万能調味料らしいぜぇ」
「味が変わっちゃうじゃない」
「それも一つの醍醐味だよ」
唇をとがらせるロゼに、鵤は笑いかけた。
一方で枢は別の匂いに気がついた。
「甘い匂いもあるね」
「隠し味にチョコを入れてみた。チョコだけにちょこっとな」
鵤の発言に、会場内からチョコだとという声があがる。
「万能調味料らしいぜぇ」
「あー、もう諦めるわ。とりあえず、味が変わっちゃったけど、大丈夫?」
ロゼがため息混じりに告げ、全員に問いかける。大鍋を煮立たせる火の明かりの中で、頷く気配が感じられた。
「さぁ、戦いの火蓋は切って落とされたよ!」
舞の声を合図にして、実食が開始された。
●
鍋はすっかりと匂いが変わったが、それでも臭いわけではない。むしろカレー風味なのは、食欲へは良い方向へ作用する。
「それじゃあ、さっそく」
先陣を行くのは、合図を出した舞だ。ぽちゃっと箸を鍋の中に入れて、探るように動かす。楽しげな表情を浮かべているが、箸の動きは真剣そのものだ。
一度掴んだ食材は、食べなければならない。
それが、闇鍋のルールだ。
「……じゃあ、これかな?」
選び出した食材をおたまも使って、お椀へと運ぶ。固めだと思っていたのに、途中、崩れかけた食材だ。
適度な大きさに箸に切って、口へ運ぶ。口の中でも、簡単に崩れていく食感には覚えがあった。カレー風味の出汁を外側に纏っていたが、それもすぐに消えていく。
そして、現れたるは豆の味。豆、大豆、懐かしい味。
「この優しい味は……豆腐?」
「あぁ、俺が用意した豆腐だな」
ちなみに絹ごしだった。なめらかな食感が鍋にはよく合う。
「あったり~。日頃の行いの賜だね」
リアルブルーにいた頃に慣れ親しんだ味だ。ほくほくと熱い豆腐を食べきって舞はVサインを作る。だが、暗闇では誰にもわからなかった。
「次は私が……戦闘開始、だよ」
舞に続いて、詩がおずおずと箸を伸ばして具材を探る。よほど変なものは入っていないと祈るような面持ちで、掴んだ何かをお椀に入れる。
詩が掴んだ食材は、崩れることなく、すっと運ぶことができた。やや固め、形状はおそらく棒状、葉っぱみたいなものも付いている。
「お野菜かな?」
口に運べば少し固めの茎の食感。よく煮えている繊維が噛むことで解ける。舌の上で転がせば、カレー風味の中に微かな苦味があった。
これもまた、懐かしい味わい。
「なんだっけ……えーと」
すっと名前が出てこず、味わいながらやや上向く。咀嚼すればするほど、ほろ苦さを感じる。ただし、エグみは少ない。少し花のような香りも混じっている。
「あ」
飲み込んだところで、思い至った。
「春菊かな?」
「それも俺が持ってきた食材だな」
ザレムが微笑み混じりに肯定する。
「ラッキー。全部こんなのだといいな」
「俺は、鍋らしい食材を持ってきたからね」
「全員がそうだといいな」
枢がザレムの発言を拾って、やや遠い目をしていた。
鍋はまだまだ具材の宝庫である。あるいは……墓場かもしれないが。
「さて、次は俺の番だな」
自分の食材を連続で食べられてしまった以上、ザレム自身が挑戦せねばならない。箸を突き入れて間髪入れず、おたまを手にとった。迷うことなく最初に行き当たった食材を掬いあげる。
いささかドロッとした食材だと思われる。親しい食材があるとすれば、モチか。
モチなら、当たりだろうと期待を込めて口に運ぶ。
案の定モチの食感、と安心した瞬間――口の中で甘い味が広がった。
「……大福か」
ぽつりと呟いて黙々と食す。
想像してみよう。
大福の餅部分はしっかりとカレー風味の出汁を吸収していた。まずは講師料ベースの味わいが口の中に広がる。そこへ、内側からあんこによる強襲が発生するのだ。
リアルブルーには、あんこ入り餅を雑煮なる汁物に入れる地方があるという。風のうわさに聞いた程度だが、それに近いだろうか。
もっとも、雑煮は決してカレー風味ではないのだが。
「普通かな」
簡単に感想を述べてもきゅもきゅと食べていく。
淡々としたザレムの反応に、舞が「んー」と声を漏らす。
「驚かないね。もう少し、インパクトがあると思ったんだけどな」
「チョコも入っているから、マイルドなカレーと全く合わないわけじゃないさ」
ただし、美味しいともいってない。舞が持ってきた材料とわかったところで、次へ移る。
「それじゃあ、食べるとするかねぇ」
満を持して鵤が箸を打ち鳴らした。
できれば酒のアテになるものがいいなぁ、などと呟きながら探りを入れる。しばらく箸を鍋の中に潜らせて、鵤はつぶやいた。
「む、取れない……」
「おたま使う?」
ロゼの言葉に鵤は首をふる。
「いや、こう、鍋の端に寄せて……っと」
小さな水音がして、鵤が食材を取れたことがわかった。箸でつかみにくい丸っこい食材だった。大きさはさほど大きくない、固いところから考えうるに、銀杏やうずら卵だろうか。
口に運び転がし持って噛んでみれば、ねっとりとした固めの食感だった。
「なんだこれ?」
からすみのような気もするが、からすみにしては肉っぽい。どちらかと言えば、鶏卵に近いだろうか。だが、ここまで固くはない。
「なんだっけなぁ、これ」
とりあえず、酒には合う。
「……普通にうめぇんだが、もやっとする」
「ねぇ、どんな具なのよ?」
いっこうに思い至らない鵤に、ロゼが業を煮やして尋ねる。
一通り説明を終えた時、詩が「私の食材」とカミングアウトした。
「えと、きんかんっていうの」
「あぁ、きんかんか。食ったことがあるような、ないような……」
きんかん。
鶏卵として産まれる前の卵黄のことである。卵と違って、固めの食感が特徴。本来は甘辛く煮付けて食す。
「出汁がそこまで悪くないし、どんな化学反応したのかねぇ。やだぁーつまんなぁーい」
つまんないといいながら、きんかんをツマミとして酒を呑む。
「ほれ、次はおたくの番だよ」
鵤はもう一つきんかんをお椀へ移すと、一息ついてバトンをロゼへと渡す。
こうしてロゼへ闇鍋の順番が渡ったのであるが、
「…………?」
またしても疑問を呈していた。
「えと、これ何かしら。ルカちゃん、教えてくれない?」
「自分で取ったものぐらい当てて欲しいねぇ」
自分のことを棚上げして、鵤はロゼのお椀から小さな何かを口に運ぶ。甘酸っぱい感触がカレー風味の中から立ち現れる。
「あー……ドライフルーツ?」
「そうよね。ドライフルーツよね」
微妙に自身がないのは汁を吸って潤ってしまったからだ。カレーの隠し味みたいな食材が増えたことになる。
「まぁ、美味しい方かしらねぇ」
「酸味が増すから、入れてみたのだが」
持ち寄ったのは枢だった。可もなく不可もなく、そろそろドライフルーツの味も出汁に染みてくる頃だ。
「ここまで順調よねぇ。そろそろ……かしら?」
「何がそろそろなにか、聞きたいところだな。だが、そうはいかない」
結果。
「かふっ」
ひとくち食べて、倒れそうになった。この味を何と例えたら良いのだろうか。一つ思い当たるのは、健康的になりそうな不味さというやつ。苦味とエグみが全面的に押し出されたような……そう漢方薬だ。
「いや、食べられないわけではない。ここで調味料使えばいいのか!」
「何を食べたの?」
「漢方薬、みたいな」
舞に問われ、枢は曖昧に応える。間髪入れずロゼが、
「あ、私のね。滋養強壮に効くわよぉ?」
と笑い声を含めて答えた。
「まぁ、食べられるものでよかった……のか」
味の上塗りとして、傍にあったゴマダレに浸して飲み込む。ここまで調味料をつけて漢方を食すのは、果たして健康的といえるのかは不明だ。
不味いものを調味料でごまかす。
そんな食べ方をどこかでしたような……と思い巡らし、気づく。
「英国だ……これ」
フィッシュ・アンド・チップスを始めとした英国式料理を思い出す。いささか懐かしさが込みあげ、遠い目をする枢であった。
●
ひとまず一巡を終え、再び舞と詩へ戻ってくる。順番については、先に行きたいものがいれば、行くぐらいの軽い感じになった。
「というわけで、俺が先に行かせてもらうよ」
次のアテが欲しい鵤が、先手を打つ。大鍋をまさぐって固い何かを取り出す。
発酵臭とでもいうべき匂いが、箸の先から漂ってきた。酒とチーズを混ぜたような、芳醇な香りだ。人によっては苦手な匂いだが、鵤にとっては持って来いだ。
「いいねぇ。発酵食品は、お酒によく合う」
「あ、このニオイは……」
「どうしたの詩?」
反応を示した詩に、舞が尋ねる。
「多分、これは私が持ってきた豆腐ようかな」
「おたく、いい趣味してるねぇ」
缶ビールを片手に、豆腐ようをついばむ、
満足のいく具材であったが、美味しいものばかりというのも、
「つまらんねぇ」と笑みをこぼすのだった。
続いてロゼが取ったのは、何やらぶよっとした感触の具材だった。
おたまもつかってすくい上げ、口へと運ぶ。
「とろっとして美味しいわねぇ。白子かしら?」
吐息を漏らしつつ、ゆっくりと味わう。しかし、白子にしては獣っぽい匂いもある。
はて、と小首を傾げたところで舞がロゼにそっと囁く。
「……ちょっとぉ! ルカちゃんなんてもの入れてんのよ!!」
「待て待て待て。今、別のやつが答え教えてたんじゃねぇのかい?」
気配を察していた鵤が反論し、ロゼは「そうなんだけどねぇ」と言葉を濁す。
言っていいものか迷いつつ、舞に目配せする。
「えーと、羊の脳だよ」
できるだけ茶目っ気を含んで、舞が正解を述べる。ややざわついたが、
「食べる地域もあるし、美味しいんだよ?」
「お子様たちに変なもの持ってこさせるんじゃないわよ! ルカちゃんが変なもの持ってこないからよ」
「とんだトバッチリだなぁ、おい」
からからと笑いながら、鵤は酒を飲む。
互いに言い合える仲で鍋を突くのも、一興である。
クセのある食材を持ち込んだ舞と詩の姉妹は、次に取った具材に微妙な顔をしていた。餅のような感触に舞が持ち込んだ大福かと思ったが、中から出てきたのは熱された甘汁であった。
汁はカカオ風味で憎いあいつだった。
「チョコあつぃ」
「ひゅん……あふぃ」
舞たちは二人して舌を軽くやけどしていた。水を飲みながら熱を冷ます。
枢がチョコもちを持ってきたのは、自分だと宣言した。
「男子からチョコというのも粋なものだろ?」
「ふぉーね。ふぇも、別の形で食べればもっと美味しいかも」
熱が冷め切っていない舞が、額に手を当て笑みをこぼした。
「薬草食べるといいわよぉ」
横からロゼが口を出す。その言に従って、薬草を探し当てたのだが……。
「あたしにこんなもの食べさせるとは、いい度胸だ―!」
舞は思わず絶叫した。一方で詩はなめらかに、
「私は何も食べなかった。今何も起こらなかった」と現実逃避しようとした。
「お、本当に火傷が落ち着いたよ」
「何も食べてないのに不思議だよね」
予想以上の味に戸惑うも、効果は抜群だった。
「もし、火傷が酷いようなら後でちゃんと見せなさいよ?」
ロゼは優しく二人に告げるのであった。
●
「……む」
次の具材を取ったザレムは一瞬表情を曇らせた。
大鍋の火を明かりに、ちらりと見えた具材は極彩色だったのだ。悩ましげなのは、恐怖からではない。どんな味なのだろうという好奇心からだった。
「ふむ」
ゆっくりとじっくりと、口に運ぶ。見た目はアレだが、芳醇な木の香りが口中に広がる。香りが鼻に抜け、しっかりとした旨味が現れる。
「これはなかなか。美味だな」
「あ、もしかして私が持ってきたキノコね。色はやばいけど普通に食べられるから安心して」
「……おたく、人のこと言えないよねぇ」
ロゼの持ち寄った食材に、鵤は苦言を呈するのだった。
一方で枢は微妙な顔をしていた。
「鵤さん、チョコレート余ってないっすか」
「どうした?」
「苺なのでチョコが欲しいかなぁって」
カレー風味の出汁の染みこんだ苺は、美味しいというより微妙な味がした。しかも、苺ゆえポン酢やゴマダレでは分が悪い。そこで思い至ったのが、チョコレートであった。
「あ、私が持ってきました」
カミングアウトは詩だった。
普通に食べたかったと思いながら、甘々なチョコレートに苺を浸す。デザートにはまだ早いなと思いつつ、流しこむ。
鍋も半ばを過ぎ、具材も減ってきた。
「んー、これは新しいやつだねぇ。鶏肉かねぇ?」
今まで出てこなかった具材も少しずつ表出してくる。鵤が口にした鶏肉はロゼが持ってきたものだった。
「えぇ、鶏肉……お肉よ?」
「なんか含みがあるねぇ。まぁ、肉には違いないか」
あえて深くは突っ込まず、鵤は暫定鶏肉を頬張る。
酒もだいぶ空いてきたところで、出汁がよりカオスになっていることに気づく。
「これは……大福やチョコもちが溶けてきたな」
「食パンがいい感じに汁が染みてきたね」
枢が持ち寄った食パンをザレムが食す。大福やチョコもちの中身が溶け出し、カレー風味を甘みが凌駕しだした。ここまでくると、舞や詩もやや苦笑いを浮かべていた。
「く、例えどんなにカオスになってもあたしは負けない。最後まで食べきって、闇鍋界の覇者になってやるよ!」
「そろそろシメかな。すごく闇スープだけど」
枢が不穏なことをいう。ご飯でもあればと思ったところで、ぽちゃんと水音がした。
「シメだな。用意してある」
ザレムの言葉に、枢が恐る恐る問いかける。
「シメは何を?」
「うどんだ」
甘い味とほのかなカレー風味。最初の鶏ガラの味は、もはや誰にもわからない。
闇スープをふんだんに含んだうどんを食べながら、詩は呟く。
「次は普通に水炊きとか食べたいな」
わりと身も蓋もなかった。
詩の呟きに苦笑しつつ、舞は気になっていたことを尋ねる。
「ところで、誰か大根食べた?」
舞の問いに全員が答えられなかった。舞が持ち込んだはずの大根は、露と消えたのである。これは闇鍋界に残る謎として記録されることとなるのだった。
クリムゾンウェスト某所。
異様な熱気に包まれる会場内で、ハンターたちは大鍋を囲んでた。アンチバレンタインと叫ぶグループもある中、天竜寺 舞(ka0377)は肩をすくめる。
「闇鍋って聞いてみれば、バレンタインに対抗してだったのか。ま、あたし達もチョコあげる男いないけどね」
「言わないでよ~」
舞の言葉に、天竜寺 詩(ka0396)が隣から肩を揺らす。
「十六にもなってそういう人いないの気にしてるのに」
「あはは」
舞は笑い声を上げてみるが、最後は詩と二人でため息をつく。
目の前の煮えたぎる鍋を見つめて、舞はうんと気合を入れる。
「ま、気を取り直して鍋食べよう」
鍋から沸き立つ湯気は、鳥がらベースの汁気を吸っていた。吸い込めば吸い込むほどに、胃の辺りが主張を強める。
「鍋は好きだ」
ザレム・アズール(ka0878)は、すっと口角を上げて呟く。
対面では、央崎 枢(ka5153)がザレムに頷きを返す。
「冬の醍醐味だね」
「鳥の出汁なら、あまり魚系は入れない方が美味しいかな」
ザレムの発言を、枢はそういうものなのかと聞き入る。鍋奉行チックな人がいれば、進行が楽だなとも思うのだった。
流れのまま、ザレムが具材を入れようと告げる。異論なくザレムに従って具材が投入される中、あきらかに匂いに変化がもたらされた。それもだし汁自体に変化が生じているらしかった。
「……誰か溶け込むものをいれた?」
枢が首をかしげる中、鵤(ka3319)がくつくつと笑っていた。
闇鍋が始まる少し前、
「あらぁ、ルカちゃんじゃないのぉ」
「あんたか」
鵤はロス・バーミリオン(ka4718)と出会い、力ない笑みを浮かべていた。
知り合いの姿に安堵しつつも警戒を強める。互いに何かを仕掛けそうな雰囲気を持っていたのだ。
「今日は鍋を楽しみましょう」
「お互いにな」
牽制するように笑い合いながら、二人は席についた。
あの瞬間の鵤を思い出しながら、ロゼは尋ねる。
「ねぇ、ルカちゃん。あなた、何入れたの?」
ロゼの問いかけに、鵤は「んー」と言葉を濁す。
闇鍋で何を入れたのかを取る前に語るのは、興をそぐような気もする。
「カレー?」
ぽつりと声を漏らしたのは、ザレムだった。いち早く匂いの正体に気づいた。
「そうそう、カレー粉。万能調味料らしいぜぇ」
「味が変わっちゃうじゃない」
「それも一つの醍醐味だよ」
唇をとがらせるロゼに、鵤は笑いかけた。
一方で枢は別の匂いに気がついた。
「甘い匂いもあるね」
「隠し味にチョコを入れてみた。チョコだけにちょこっとな」
鵤の発言に、会場内からチョコだとという声があがる。
「万能調味料らしいぜぇ」
「あー、もう諦めるわ。とりあえず、味が変わっちゃったけど、大丈夫?」
ロゼがため息混じりに告げ、全員に問いかける。大鍋を煮立たせる火の明かりの中で、頷く気配が感じられた。
「さぁ、戦いの火蓋は切って落とされたよ!」
舞の声を合図にして、実食が開始された。
●
鍋はすっかりと匂いが変わったが、それでも臭いわけではない。むしろカレー風味なのは、食欲へは良い方向へ作用する。
「それじゃあ、さっそく」
先陣を行くのは、合図を出した舞だ。ぽちゃっと箸を鍋の中に入れて、探るように動かす。楽しげな表情を浮かべているが、箸の動きは真剣そのものだ。
一度掴んだ食材は、食べなければならない。
それが、闇鍋のルールだ。
「……じゃあ、これかな?」
選び出した食材をおたまも使って、お椀へと運ぶ。固めだと思っていたのに、途中、崩れかけた食材だ。
適度な大きさに箸に切って、口へ運ぶ。口の中でも、簡単に崩れていく食感には覚えがあった。カレー風味の出汁を外側に纏っていたが、それもすぐに消えていく。
そして、現れたるは豆の味。豆、大豆、懐かしい味。
「この優しい味は……豆腐?」
「あぁ、俺が用意した豆腐だな」
ちなみに絹ごしだった。なめらかな食感が鍋にはよく合う。
「あったり~。日頃の行いの賜だね」
リアルブルーにいた頃に慣れ親しんだ味だ。ほくほくと熱い豆腐を食べきって舞はVサインを作る。だが、暗闇では誰にもわからなかった。
「次は私が……戦闘開始、だよ」
舞に続いて、詩がおずおずと箸を伸ばして具材を探る。よほど変なものは入っていないと祈るような面持ちで、掴んだ何かをお椀に入れる。
詩が掴んだ食材は、崩れることなく、すっと運ぶことができた。やや固め、形状はおそらく棒状、葉っぱみたいなものも付いている。
「お野菜かな?」
口に運べば少し固めの茎の食感。よく煮えている繊維が噛むことで解ける。舌の上で転がせば、カレー風味の中に微かな苦味があった。
これもまた、懐かしい味わい。
「なんだっけ……えーと」
すっと名前が出てこず、味わいながらやや上向く。咀嚼すればするほど、ほろ苦さを感じる。ただし、エグみは少ない。少し花のような香りも混じっている。
「あ」
飲み込んだところで、思い至った。
「春菊かな?」
「それも俺が持ってきた食材だな」
ザレムが微笑み混じりに肯定する。
「ラッキー。全部こんなのだといいな」
「俺は、鍋らしい食材を持ってきたからね」
「全員がそうだといいな」
枢がザレムの発言を拾って、やや遠い目をしていた。
鍋はまだまだ具材の宝庫である。あるいは……墓場かもしれないが。
「さて、次は俺の番だな」
自分の食材を連続で食べられてしまった以上、ザレム自身が挑戦せねばならない。箸を突き入れて間髪入れず、おたまを手にとった。迷うことなく最初に行き当たった食材を掬いあげる。
いささかドロッとした食材だと思われる。親しい食材があるとすれば、モチか。
モチなら、当たりだろうと期待を込めて口に運ぶ。
案の定モチの食感、と安心した瞬間――口の中で甘い味が広がった。
「……大福か」
ぽつりと呟いて黙々と食す。
想像してみよう。
大福の餅部分はしっかりとカレー風味の出汁を吸収していた。まずは講師料ベースの味わいが口の中に広がる。そこへ、内側からあんこによる強襲が発生するのだ。
リアルブルーには、あんこ入り餅を雑煮なる汁物に入れる地方があるという。風のうわさに聞いた程度だが、それに近いだろうか。
もっとも、雑煮は決してカレー風味ではないのだが。
「普通かな」
簡単に感想を述べてもきゅもきゅと食べていく。
淡々としたザレムの反応に、舞が「んー」と声を漏らす。
「驚かないね。もう少し、インパクトがあると思ったんだけどな」
「チョコも入っているから、マイルドなカレーと全く合わないわけじゃないさ」
ただし、美味しいともいってない。舞が持ってきた材料とわかったところで、次へ移る。
「それじゃあ、食べるとするかねぇ」
満を持して鵤が箸を打ち鳴らした。
できれば酒のアテになるものがいいなぁ、などと呟きながら探りを入れる。しばらく箸を鍋の中に潜らせて、鵤はつぶやいた。
「む、取れない……」
「おたま使う?」
ロゼの言葉に鵤は首をふる。
「いや、こう、鍋の端に寄せて……っと」
小さな水音がして、鵤が食材を取れたことがわかった。箸でつかみにくい丸っこい食材だった。大きさはさほど大きくない、固いところから考えうるに、銀杏やうずら卵だろうか。
口に運び転がし持って噛んでみれば、ねっとりとした固めの食感だった。
「なんだこれ?」
からすみのような気もするが、からすみにしては肉っぽい。どちらかと言えば、鶏卵に近いだろうか。だが、ここまで固くはない。
「なんだっけなぁ、これ」
とりあえず、酒には合う。
「……普通にうめぇんだが、もやっとする」
「ねぇ、どんな具なのよ?」
いっこうに思い至らない鵤に、ロゼが業を煮やして尋ねる。
一通り説明を終えた時、詩が「私の食材」とカミングアウトした。
「えと、きんかんっていうの」
「あぁ、きんかんか。食ったことがあるような、ないような……」
きんかん。
鶏卵として産まれる前の卵黄のことである。卵と違って、固めの食感が特徴。本来は甘辛く煮付けて食す。
「出汁がそこまで悪くないし、どんな化学反応したのかねぇ。やだぁーつまんなぁーい」
つまんないといいながら、きんかんをツマミとして酒を呑む。
「ほれ、次はおたくの番だよ」
鵤はもう一つきんかんをお椀へ移すと、一息ついてバトンをロゼへと渡す。
こうしてロゼへ闇鍋の順番が渡ったのであるが、
「…………?」
またしても疑問を呈していた。
「えと、これ何かしら。ルカちゃん、教えてくれない?」
「自分で取ったものぐらい当てて欲しいねぇ」
自分のことを棚上げして、鵤はロゼのお椀から小さな何かを口に運ぶ。甘酸っぱい感触がカレー風味の中から立ち現れる。
「あー……ドライフルーツ?」
「そうよね。ドライフルーツよね」
微妙に自身がないのは汁を吸って潤ってしまったからだ。カレーの隠し味みたいな食材が増えたことになる。
「まぁ、美味しい方かしらねぇ」
「酸味が増すから、入れてみたのだが」
持ち寄ったのは枢だった。可もなく不可もなく、そろそろドライフルーツの味も出汁に染みてくる頃だ。
「ここまで順調よねぇ。そろそろ……かしら?」
「何がそろそろなにか、聞きたいところだな。だが、そうはいかない」
結果。
「かふっ」
ひとくち食べて、倒れそうになった。この味を何と例えたら良いのだろうか。一つ思い当たるのは、健康的になりそうな不味さというやつ。苦味とエグみが全面的に押し出されたような……そう漢方薬だ。
「いや、食べられないわけではない。ここで調味料使えばいいのか!」
「何を食べたの?」
「漢方薬、みたいな」
舞に問われ、枢は曖昧に応える。間髪入れずロゼが、
「あ、私のね。滋養強壮に効くわよぉ?」
と笑い声を含めて答えた。
「まぁ、食べられるものでよかった……のか」
味の上塗りとして、傍にあったゴマダレに浸して飲み込む。ここまで調味料をつけて漢方を食すのは、果たして健康的といえるのかは不明だ。
不味いものを調味料でごまかす。
そんな食べ方をどこかでしたような……と思い巡らし、気づく。
「英国だ……これ」
フィッシュ・アンド・チップスを始めとした英国式料理を思い出す。いささか懐かしさが込みあげ、遠い目をする枢であった。
●
ひとまず一巡を終え、再び舞と詩へ戻ってくる。順番については、先に行きたいものがいれば、行くぐらいの軽い感じになった。
「というわけで、俺が先に行かせてもらうよ」
次のアテが欲しい鵤が、先手を打つ。大鍋をまさぐって固い何かを取り出す。
発酵臭とでもいうべき匂いが、箸の先から漂ってきた。酒とチーズを混ぜたような、芳醇な香りだ。人によっては苦手な匂いだが、鵤にとっては持って来いだ。
「いいねぇ。発酵食品は、お酒によく合う」
「あ、このニオイは……」
「どうしたの詩?」
反応を示した詩に、舞が尋ねる。
「多分、これは私が持ってきた豆腐ようかな」
「おたく、いい趣味してるねぇ」
缶ビールを片手に、豆腐ようをついばむ、
満足のいく具材であったが、美味しいものばかりというのも、
「つまらんねぇ」と笑みをこぼすのだった。
続いてロゼが取ったのは、何やらぶよっとした感触の具材だった。
おたまもつかってすくい上げ、口へと運ぶ。
「とろっとして美味しいわねぇ。白子かしら?」
吐息を漏らしつつ、ゆっくりと味わう。しかし、白子にしては獣っぽい匂いもある。
はて、と小首を傾げたところで舞がロゼにそっと囁く。
「……ちょっとぉ! ルカちゃんなんてもの入れてんのよ!!」
「待て待て待て。今、別のやつが答え教えてたんじゃねぇのかい?」
気配を察していた鵤が反論し、ロゼは「そうなんだけどねぇ」と言葉を濁す。
言っていいものか迷いつつ、舞に目配せする。
「えーと、羊の脳だよ」
できるだけ茶目っ気を含んで、舞が正解を述べる。ややざわついたが、
「食べる地域もあるし、美味しいんだよ?」
「お子様たちに変なもの持ってこさせるんじゃないわよ! ルカちゃんが変なもの持ってこないからよ」
「とんだトバッチリだなぁ、おい」
からからと笑いながら、鵤は酒を飲む。
互いに言い合える仲で鍋を突くのも、一興である。
クセのある食材を持ち込んだ舞と詩の姉妹は、次に取った具材に微妙な顔をしていた。餅のような感触に舞が持ち込んだ大福かと思ったが、中から出てきたのは熱された甘汁であった。
汁はカカオ風味で憎いあいつだった。
「チョコあつぃ」
「ひゅん……あふぃ」
舞たちは二人して舌を軽くやけどしていた。水を飲みながら熱を冷ます。
枢がチョコもちを持ってきたのは、自分だと宣言した。
「男子からチョコというのも粋なものだろ?」
「ふぉーね。ふぇも、別の形で食べればもっと美味しいかも」
熱が冷め切っていない舞が、額に手を当て笑みをこぼした。
「薬草食べるといいわよぉ」
横からロゼが口を出す。その言に従って、薬草を探し当てたのだが……。
「あたしにこんなもの食べさせるとは、いい度胸だ―!」
舞は思わず絶叫した。一方で詩はなめらかに、
「私は何も食べなかった。今何も起こらなかった」と現実逃避しようとした。
「お、本当に火傷が落ち着いたよ」
「何も食べてないのに不思議だよね」
予想以上の味に戸惑うも、効果は抜群だった。
「もし、火傷が酷いようなら後でちゃんと見せなさいよ?」
ロゼは優しく二人に告げるのであった。
●
「……む」
次の具材を取ったザレムは一瞬表情を曇らせた。
大鍋の火を明かりに、ちらりと見えた具材は極彩色だったのだ。悩ましげなのは、恐怖からではない。どんな味なのだろうという好奇心からだった。
「ふむ」
ゆっくりとじっくりと、口に運ぶ。見た目はアレだが、芳醇な木の香りが口中に広がる。香りが鼻に抜け、しっかりとした旨味が現れる。
「これはなかなか。美味だな」
「あ、もしかして私が持ってきたキノコね。色はやばいけど普通に食べられるから安心して」
「……おたく、人のこと言えないよねぇ」
ロゼの持ち寄った食材に、鵤は苦言を呈するのだった。
一方で枢は微妙な顔をしていた。
「鵤さん、チョコレート余ってないっすか」
「どうした?」
「苺なのでチョコが欲しいかなぁって」
カレー風味の出汁の染みこんだ苺は、美味しいというより微妙な味がした。しかも、苺ゆえポン酢やゴマダレでは分が悪い。そこで思い至ったのが、チョコレートであった。
「あ、私が持ってきました」
カミングアウトは詩だった。
普通に食べたかったと思いながら、甘々なチョコレートに苺を浸す。デザートにはまだ早いなと思いつつ、流しこむ。
鍋も半ばを過ぎ、具材も減ってきた。
「んー、これは新しいやつだねぇ。鶏肉かねぇ?」
今まで出てこなかった具材も少しずつ表出してくる。鵤が口にした鶏肉はロゼが持ってきたものだった。
「えぇ、鶏肉……お肉よ?」
「なんか含みがあるねぇ。まぁ、肉には違いないか」
あえて深くは突っ込まず、鵤は暫定鶏肉を頬張る。
酒もだいぶ空いてきたところで、出汁がよりカオスになっていることに気づく。
「これは……大福やチョコもちが溶けてきたな」
「食パンがいい感じに汁が染みてきたね」
枢が持ち寄った食パンをザレムが食す。大福やチョコもちの中身が溶け出し、カレー風味を甘みが凌駕しだした。ここまでくると、舞や詩もやや苦笑いを浮かべていた。
「く、例えどんなにカオスになってもあたしは負けない。最後まで食べきって、闇鍋界の覇者になってやるよ!」
「そろそろシメかな。すごく闇スープだけど」
枢が不穏なことをいう。ご飯でもあればと思ったところで、ぽちゃんと水音がした。
「シメだな。用意してある」
ザレムの言葉に、枢が恐る恐る問いかける。
「シメは何を?」
「うどんだ」
甘い味とほのかなカレー風味。最初の鶏ガラの味は、もはや誰にもわからない。
闇スープをふんだんに含んだうどんを食べながら、詩は呟く。
「次は普通に水炊きとか食べたいな」
わりと身も蓋もなかった。
詩の呟きに苦笑しつつ、舞は気になっていたことを尋ねる。
「ところで、誰か大根食べた?」
舞の問いに全員が答えられなかった。舞が持ち込んだはずの大根は、露と消えたのである。これは闇鍋界に残る謎として記録されることとなるのだった。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/16 21:02:28 |