ゲスト
(ka0000)
バチャーレ村開拓記・序
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/03 12:00
- 完成日
- 2016/03/18 00:51
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●移民は廃村を目指す
ジェオルジ領主の館に、その男が来たのは冬のある日のことだった。
「今日はお時間を取って頂きまして、ありがとうございます」
黒い髪、銀縁眼鏡、いつも穏やかな表情を崩さない30歳前後と思われる男はサイモン・オガワといい、サルヴァトーレ・ロッソから降りた移民団のリーダーのひとりだった。
セスト・ジェオルジ(kz0034)が応接室で律義に出迎える。
「いえ。こちらこそ長い間お待たせしていて、すみません。どうぞお座りください」
昨年秋の『郷祭』でサイモンの仲間達はジェオルジの名産品に舌鼓を打ち、好印象を持ったらしい。
いずれ自分たちの移民団はジェオルジに移り住みたい、と訴える手紙を、領主であるセスト・ジェオルジ(kz0034)に幾度も送ってきていた。
セスト自身はぜひ移民を受け入れたいと思っているが、全員を受け入れる村がなかなか見つからないのだ。
各村ごとに耕作に適した作物や畑があり、当然ながら条件のいい場所は既に誰かが使っている。
数家族なら引き受けてもいいという村はあったのだが、移住先をわけられては移民のほうが不安に思うだろう。
セストは色々な条件を検討し、サイモンに手紙を送った。
『全員が移住できる村が見つかったが、少し特殊な場所である。それでもよければ詳しく説明したいので一度お越しいただきたい』
サイモンはソファに掛けると、すぐに話を切り出した。
「全員で一緒に移住できるなら、我々としても有難い。が、何か曰くがありそうですね」
「ええ。その村はバチャーレ村といいますが……」
手を繋ぐという意味の、美しい名前の村は、現在廃村になっている。
セストのお爺さんの、そのまたお爺さんぐらいの記録を見ると、その村の気候は温暖で、冬にも雪が積もらず、小麦は年に2回収穫できるという、素晴らしい耕作地だった。
だがあるとき、その村の大地は穢れ、多くの村人が死に絶えたのだというのだ。
「……不穏な話ですね」
サイモンがさすがに眉をひそめる。
「確かに。ですが村一つが消える程の災害なら、近隣の村に何かしらもっとこう……そう、自分の親戚も被害を受けたとか、そういう記録がないとおかしいと思いませんか」
村々は行き来を断っている訳ではなく、嫁に行ったとか婿を取ったとか、近い村同士ではよくあることだろう。
「そこで僕なりに調べてみたのですが、どうもすこし大げさな噂話の類に思えるのです」
「なるほど。……失礼ながら、このような環境にありながら、領主様はリアリストでいらっしゃるようですね」
ロッソの技師だったという男は、眼鏡の奥の目を僅かに細めた。
セストは表情を崩すことなく、いつも通りの淡々とした調子で話を続ける。
「リアルブルーの皆さんなら、この地域の噂話に惑わされず、事実を受け止めることができると思っただけです。もし良かったら一度現地を調査されますか。その上で移住をご希望でしたら、後は僕のほうで手続きを進めますので」
「そうですね。どちらにせよ、一度見せて頂くことにしましょう。それにしても……」
サイモンがじっとセストの顔を見つめた。
「どうして我々にそこまで心を砕いて下さるんですか? 同情でしょうか?」
「ああ……」
ここで始めて、セストの口元がほころぶ。
「すみません、僕には下心があるんです」
「下心?」
「ええ。皆さんの技術、特に新しい商品作物やロッソ由来の植物栽培方法に興味があるんです。そして良い点は我がジェオルジに取り込み、利用したいと思っています。ですからこれは、投資です」
サイモンが一瞬、目を見張る。それに続いたのは、大笑いだった。
「わかりました、領主様に損はさせないように努力しましょう」
セストはまたいつも通りの表情に戻り、よろしくお願いします、と生真面目に答えた。
それから数日後。
サイモン他2人のロッソ民と、万一の事態に備えて護衛の依頼を受けたハンター達が、バチャーレ村へと向かったのだった。
ジェオルジ領主の館に、その男が来たのは冬のある日のことだった。
「今日はお時間を取って頂きまして、ありがとうございます」
黒い髪、銀縁眼鏡、いつも穏やかな表情を崩さない30歳前後と思われる男はサイモン・オガワといい、サルヴァトーレ・ロッソから降りた移民団のリーダーのひとりだった。
セスト・ジェオルジ(kz0034)が応接室で律義に出迎える。
「いえ。こちらこそ長い間お待たせしていて、すみません。どうぞお座りください」
昨年秋の『郷祭』でサイモンの仲間達はジェオルジの名産品に舌鼓を打ち、好印象を持ったらしい。
いずれ自分たちの移民団はジェオルジに移り住みたい、と訴える手紙を、領主であるセスト・ジェオルジ(kz0034)に幾度も送ってきていた。
セスト自身はぜひ移民を受け入れたいと思っているが、全員を受け入れる村がなかなか見つからないのだ。
各村ごとに耕作に適した作物や畑があり、当然ながら条件のいい場所は既に誰かが使っている。
数家族なら引き受けてもいいという村はあったのだが、移住先をわけられては移民のほうが不安に思うだろう。
セストは色々な条件を検討し、サイモンに手紙を送った。
『全員が移住できる村が見つかったが、少し特殊な場所である。それでもよければ詳しく説明したいので一度お越しいただきたい』
サイモンはソファに掛けると、すぐに話を切り出した。
「全員で一緒に移住できるなら、我々としても有難い。が、何か曰くがありそうですね」
「ええ。その村はバチャーレ村といいますが……」
手を繋ぐという意味の、美しい名前の村は、現在廃村になっている。
セストのお爺さんの、そのまたお爺さんぐらいの記録を見ると、その村の気候は温暖で、冬にも雪が積もらず、小麦は年に2回収穫できるという、素晴らしい耕作地だった。
だがあるとき、その村の大地は穢れ、多くの村人が死に絶えたのだというのだ。
「……不穏な話ですね」
サイモンがさすがに眉をひそめる。
「確かに。ですが村一つが消える程の災害なら、近隣の村に何かしらもっとこう……そう、自分の親戚も被害を受けたとか、そういう記録がないとおかしいと思いませんか」
村々は行き来を断っている訳ではなく、嫁に行ったとか婿を取ったとか、近い村同士ではよくあることだろう。
「そこで僕なりに調べてみたのですが、どうもすこし大げさな噂話の類に思えるのです」
「なるほど。……失礼ながら、このような環境にありながら、領主様はリアリストでいらっしゃるようですね」
ロッソの技師だったという男は、眼鏡の奥の目を僅かに細めた。
セストは表情を崩すことなく、いつも通りの淡々とした調子で話を続ける。
「リアルブルーの皆さんなら、この地域の噂話に惑わされず、事実を受け止めることができると思っただけです。もし良かったら一度現地を調査されますか。その上で移住をご希望でしたら、後は僕のほうで手続きを進めますので」
「そうですね。どちらにせよ、一度見せて頂くことにしましょう。それにしても……」
サイモンがじっとセストの顔を見つめた。
「どうして我々にそこまで心を砕いて下さるんですか? 同情でしょうか?」
「ああ……」
ここで始めて、セストの口元がほころぶ。
「すみません、僕には下心があるんです」
「下心?」
「ええ。皆さんの技術、特に新しい商品作物やロッソ由来の植物栽培方法に興味があるんです。そして良い点は我がジェオルジに取り込み、利用したいと思っています。ですからこれは、投資です」
サイモンが一瞬、目を見張る。それに続いたのは、大笑いだった。
「わかりました、領主様に損はさせないように努力しましょう」
セストはまたいつも通りの表情に戻り、よろしくお願いします、と生真面目に答えた。
それから数日後。
サイモン他2人のロッソ民と、万一の事態に備えて護衛の依頼を受けたハンター達が、バチャーレ村へと向かったのだった。
リプレイ本文
●
馬車に乗る前に、互いに簡単な挨拶をかわす。
「この間のまめしの人なの!」
ウェスペル・ハーツ(ka1065)が嬉しげに近寄ると、サイモンも笑顔を見せた。
「お祭ではお世話になりました。お陰で、ジェオルジに住みたいと思うようになりましたよ」
サイモンは仲間を紹介した。彼らは元々惑星開拓のためにロッソに乗り込んでいた専門家である。
「私は植物、それも人間の食物になる植物栽培が専門です。こちらのアルジュナ・シンは惑星探査、マリナ・リヴェールは地質調査の専門家です」
「よろしくお願いします」
黒髪黒目、浅黒い肌の青年が穏やかに微笑む。
オレンジ色の髪を短く切った若い女は、快活な印象だ。
「あなたたちがハンターさんね、頼りにしてるわ!」
「むずかしいことはわかりませんお、でもお役にたてるようがんばりますお!」
キリリと顔を引き締めるルーキフェル・ハーツ(ka1064)の頭を、マリナは笑いながら撫でまわした。
「ではお気をつけて。良い結果になるよう祈っています」
セストが見送りに顔を出したので、双子の兄弟は馬車の荷台から顔を出して口々に叫んだ。
「しっかりおしごとしてきますお!」
「うーたちに護衛はお任せくださいなの!」
2台の馬車が、のどかな街道へと走り出る。
天王寺茜(ka4080)は街道沿いの光景を複雑な思いで眺めていた。
(こっちの世界に引っ越しすることも考えないといけないんですね)
今は遠く、懐かしい、LH044。いつか必ず帰るという望みを捨てた訳ではないが、手掛かりはまだない。
ロッソも戦いに飛び立ち、ひょっとしたら壊れてしまうかもしれない。
だが目の前にいるロッソの元乗員は、この大地に生きると決めたのだという。
新しい故郷を作りだす、これもひとつの希望の形だろう。
(そう、頑張ってる人がいるんだもの。応援してあげなくちゃ!)
茜は持ち前の明るさで心を前向きに切り替える。
●
地図に示された地点で街道を逸れ、草に覆い隠された道なき道をひたすら進む。
しばらく地図を睨んでいたアルジュナが、かつてのバチャーレ村の外れで馬車を止めるように言った。
「念のために、空気のサンプルを取ります」
一同は緊張の面持ちで見守るが、観測機器をいじっていたアルジュナは、この辺りは人間にとっても植物にとっても問題のない環境であると断言した。
ここを拠点にして、調査を始めることとなる。
トルステン=L=ユピテル(ka3946)は馬車を降り、辺りを見回した。
「行ってみるまでわかんねーって話だったけどよ……」
「……見た感じ、普通に草原ですね。植物はちゃんと育つみたい?」
茜の言うとおり、あっけにとられる程にのどかな光景だった。
だが辺りが畑だったという割には、麦もその他の作物もほとんど見当たらない。
「それにしても『大地は穢れ、多くの村人が死に絶えた』なーんて、おっそろしい話だよな。ホントだったら洒落になんねーけど……」
ソナ(ka1352)は考え深げに目を伏せる。
「穢れは、よくないことの表現とするといろんな意味に取れますね」
自然と共に生きるエルフであるだけでなく、普段から植物を採集し薬を調合することに興味を持っているため、この緑あふれる大地にどんな良くないことがあったのかと思うと、心が痛むようだ。
ウーナ(ka1439)が魔導バイク「ソーペルデュ」 に跨り、じっと辺りの様子を見つめる。
「穢れ……ねー? 穢れって何が穢れなんだろうね?」
事前に聞いていた話から予想していたのは、麦特有の病気による被害、もしくは連作障害により、麦の収量が減ったことをそのように表現した、ということだ。
そこでふと、トルステンが眉をしかめたのに気付く。
「どうしたの?」
「いや、なんか今ちょっと妙な匂いが……風向きが変わったのかね?」
トルステンは何かを思い出そうとするかのように、首を傾げた。
出発前に皆が意見を出し合い、「穢れ」の原因として候補に挙げたものが幾つかあった。
まず麦自体の異変。それから農業に不可欠な水の異変。マテリアルの歪み、獰猛な獣の襲来などもあり得るだろう。
ルーキフェルはサイモンを見上げて尋ねた。
「お水は元気ですかお? お野菜そだてられそうですかお? 飲めますかお?」
「そうですね、水路については少し調べてみる必要があるでしょうね」
ということで、まずは畑だった場所の水路を確認することになる。
「ではわたしは村の跡を調べてみようと思います」
ソナが申し出ると、ウーナも手を上げた。
「地図作りと、以前に住んでいたって人たちの痕跡探しね。あたしも回ってみるわ。水のほうは小川さん、よろしく~」
人が本当に住んでいたなら、時間が経っていても建物の痕跡ぐらいはあるだろう。それが確認できるなら、少なくとも「住める」場所であることはわかる。
「俺もそっち回るとすっかね。護衛と半々、そっち任せていーよな?」
トルステンはルーキフェルとウェスペル、そして茜に確かめる。
ぶっきらぼうな言い方ではあるが、任せるということはちゃんとハンターとして認めているということだ。
「うーたちがご一緒しますなの、護衛はお任せくださいなの!」
ウェスペルは鼻息もあらく、胸をそらした。
●
村の跡地はすぐにわかった。
住民が出て行ったあとは野盗のねぐらにもならなかったようで、建物の土台や、崩れかけたレンガの壁が、雑草や灌木の間に見え隠れしていたのだ。
ウーナは地図を広げ、建物の位置や状態を書きこんで行く。
「うーん……実は古戦場で、畑から死体が出てきてびっくりとかそういう可能性も?」
だがそれ位で村人全員が土地を捨てて逃げ出すことも考えにくい。
「異世界で、しかも百年以上前の人の家か……めっちゃ遠いなチクショー」
ぼやきつつも、トルステンは丹念に家の残骸を覗いて回っている。
外敵の襲来など、突発的な大事件があったのなら、着の身着のまま逃げ出しているはずだ。
そうでなければちゃんと荷物を纏めて引越しという形になるだろう。
痕跡は少ないかもしれないが、可能性が残っている限りは確実に潰しておきたいと思う。
ソナはアルジュナを護衛しながら、マテリアルの歪みがないかにも気を配っていた。
調査については技術者が専門だが、歪虚の対応は難しいだろう。
「うわーっ!!」
「アルジュナさん!?」
突然、建物の陰でアルジュナが悲鳴を上げた。
「大丈夫ですか!」
何かにひっかけたらしく、左腕が赤く染まっている。
「すぐに治療しますね」
「すみません、なにか飛び出したので驚いて……ネズミだったみたいです」
ソナは傷を癒し、微笑みかける。
「大したことがなくて良かったです」
一通り回った所で、ウーナとトルステンが合流した。
「どーも村の連中、ちゃんと引っ越したんじゃないかって思うぜ」
トルステンは建物跡で鍋釜類らしきものすら見つからないのを、そう判断した。
「病気とかもなさそうな感じね」
ウーナが腕組みする。村の外も少し回ってみたが、病気の流行などで大量の死者が出れば、その辺りに骨などが残っていてもおかしくない。だがその痕跡もなかった。
「今日のところは村の地図を完成させて、一度撤収ね」
「そうですね。……トルステンさん?」
あらぬほうを睨むように見つめているトルステンを、ソナが気遣う。
「ああ、なんでもねー。それより今日の晩飯、まともな材料があるんだろうな?」
どこか気を取り直すように、トルステンは肩をすくめた。
●
サイモンとマリナを、ウェスペルとルーキフェルが間に挟むように歩く。その後ろに茜が続く。
「長い間、誰も寄り付いてないって話ですし。危険な獣とかが居ないと良いけど」
注意深く辺りを見回し、草むらの様子に注意を払う。
「でも獣はおにくぅにもなりますお。おにくぅ大事ですお」
ルーキフェルは今にも美味しそうな獣が飛び出してくるんじゃないかと思っているようだ。
「そうですね。家畜の数がある程度揃うまでは、狩りもしなくちゃなりません」
「サイモンは狩られないように気をつけなくちゃね」
マリナがからかうように笑った。
ウェスペルは拾った棒で辺りの草むらを叩きながら先頭を歩く。
「こうして大きな音を立てたら、ふつうの獣は逃げますなの。それでも来るのは悪い獣か歪虚ですなの」
「へえ、さすがはハンターさんね」
マリナは感心したように頷いた。
広い畑には水路の跡が残っていた。今は雨が降った日に水が流れる程度のようだ。
茜は少し離れた場所で、周囲を警戒にあたる。ときどき鳥が驚いて飛び立つぐらいで、特に危険はなさそうだ。
サイモン達はあちこちで屈みこんで土を採取したり、辺りの葉っぱを調べたり、観測機器の数値を覗き込んだりしている。
「なにもありませんかお? なにかありますかお?」
物珍しげに、ルーキフェルはサイモンの手元を覗き込んだ。
「そうですねえ。断言はできませんが、少し気になることはあります。川の上流を調べてみたいですね」
「それは明日のほうがいいかも。もうすぐ日が暮れますね。そろそろ野営の準備しないと」
茜の言う通り、太陽はもう西に傾きつつあった。
「野営には足りないものがありますお。少しだけ待ってほしいですお」
ルーキフェルはそう言って、ウェスペルと共に草むらを掻き分けて行った。
●
簡易テーブルに並んだ皿に、サイモンが目を細める。
「ご馳走ですね!」
「あるもんでテキトーに作っただけだぜ」
トルステンは馬車にあった材料で、野菜や干し肉の入ったスープを作っていた。
「おにくぅは頂きますして食べるのですお」
ルーキフェルが狩った山鳥は、ウェスペルが見つけた香草を詰め込まれて、こんがり焼き上がっている。
茜が良い匂いを立てる深皿をテーブルに置いた。
「私、レトルトカレー持ってきましたから、良かったらどうぞ!」
「あー、久しぶり! ときどき無性に食べたくなるのよねえ」
マリナがパンを切り分けながら嬉しそうに言った。
ランプの明かりの元で食事を取りながら、お互いの情報を交換する。
「明日はお水を見に行くなの。お水がきれいなら、おいしいお野菜はたくさんできるなの。だから村から人がいなくなった理由は、他にあるってことなの」
ウェスペルがそう言うと、突然トルステンが「あっ」と声を上げた。
「思い出した! あの匂い、硫黄だぜ」
一同の視線が集まる。
「もしかして温泉を掘り当てて硫黄が流出? 温泉水じゃ農業はできねーよな。金属汚染……だと、草原にはなんねーのかな? そのへんが理由ならサイモン達が調べればわかるんじゃねーのか」
今度はサイモンに視線が移る。
「……私も実は、それを考えていました」
今回の廃村の調査からは、どうやら村人たちは慌てて逃げ出したというよりは、荷物を纏めて出て行ったという印象を受ける。
では何故出て行ったのか。考えられるのが、主要な作物である麦の不作である。
連作障害についてはさすがに当時の農民たちも知識はあっただろう。病害虫についても同様だ。それに近隣の村でもその辺りの事情はそう変わることはないはずだ。
「私はこの地で二期作が可能ということは、冬も暖かいのだろうと思っていました。それが何故か、ということをここで確かめたかったのです」
サイモンはそこでにっこり笑った。
「明日は少し遠出になりそうです。早めに休みましょう」
●
翌朝、夜明けを待って、一同は水源を探しに行くことになった。
地図を見比べ、今の畑の様子を確認し、水路の元を辿る。そこから更に行くと、水の流れる音が近づいてくる。
「あれ見て」
ウーナが指さしたほうを見ると、川べりに大きな岩が積み上げられていた。
「自然に転がって来たものではなさそうですね」
「水の流れをせき止めている、ということだよね」
ソナと茜が頷き合う。
そこから川の上流を目指して歩き出す。
「やっぱりくさいですなの」
ウェスペルが顔をしかめた通り、硫黄独特の匂いが強くなってくる。
「つまりこの辺りは、火山の影響を受けてるってーことか」
だが、とトルステンは唸る。
「それならなんでバチャーレ村だけに悪い影響が出たんだ? この川の水は他の村の連中も使ってるんだろう」
川べりの道は次第に傾斜になる。調べたところ、川の水自体は特に問題ないようだ。
「昔には悪い影響があったものが、今は大丈夫なのかもしれないですね」
サイモンがそう言った時だった。
突然の爆発のような音、そして日差しを遮る影が頭上をよぎる。
「伏せて!」
茜がナックルに雷を纏わせながら叫ぶ。ウェスペルがマジックアローを放とうと、身構える。
ルーキフェルとソナはサイモン達技術者を背後に庇った。
見上げた空に舞うそれは、大きな一羽の猛禽だった。
だが鳥はそのままふらふらと高度を下げ、川べりに落ちてしまう。
よく見れば、辺りには鳥や獣の物らしい、白い骨が数えきれない程に落ちているではないか。
「あっちですお!」
「ちょっとみてくるですなの!」
身軽な双子が、川沿いの小道を駆け登り、小高い丘を目指す。
後を追って行った一同が追いつくと、双子はぼうぜんとして突っ立っていた。
「すおいですおー……」
それは激しい勢いで噴き上げる間欠泉だった。
かなり高温の水が人の背の高さほどにも噴き上げ、熱いしぶきを飛ばしていた。
ついでに鼻をつく硫黄の匂いも振りまいている。猛禽はこのガスにやられたようだ。
「水が、流れていく……」
茜が指さす方を見ると、溢れ出た水は流れとなって、真っ直ぐにバチャーレ村へと向かっていたのだった。
●
ジェオルジ領主の館の応接室で、セストは戻った調査隊からそれらの経緯を聞いた。
「成程。その水を村の外に出してはいけないと、川を封じられてしまったわけですね」
本当のところは今となってはわからないが。
ある日噴き出した温泉の水が流れ込み、バチャーレ村の農作物は壊滅的な打撃を受けた。
川を半ばせき止め、大量に水を呼び込めば土は洗い流せるはずだが、下流の村が黙ってはいないだろう。
温泉水の流入により植生が変化し、川べりに転がる生き物の死体が不吉な噂を一層かきたて、遂には住民が消えてしまった……という推測だ。
「では、移住は難しいですね」
セストが顔を曇らせると、意外にもサイモンは明るい声で否定した。
「いえ、何とかなると思います」
硫黄分を含んだ地質を改良し、水路を整備し、作物を実らせる。
それは一朝一夕に叶うことではないが、不可能ではない。
「私たちロッソの乗組員は、空気と水と大地があるだけで御の字だと思っていますから。それに――」
サイモンはセストを、そしてハンター達を見渡す。
「きっとジェオルジの友人たちも手助けしてくれると、信じていますよ」
新たな故郷を、この場所に。
バチャーレ村の新しい歴史が、今から始まる。
<了>
馬車に乗る前に、互いに簡単な挨拶をかわす。
「この間のまめしの人なの!」
ウェスペル・ハーツ(ka1065)が嬉しげに近寄ると、サイモンも笑顔を見せた。
「お祭ではお世話になりました。お陰で、ジェオルジに住みたいと思うようになりましたよ」
サイモンは仲間を紹介した。彼らは元々惑星開拓のためにロッソに乗り込んでいた専門家である。
「私は植物、それも人間の食物になる植物栽培が専門です。こちらのアルジュナ・シンは惑星探査、マリナ・リヴェールは地質調査の専門家です」
「よろしくお願いします」
黒髪黒目、浅黒い肌の青年が穏やかに微笑む。
オレンジ色の髪を短く切った若い女は、快活な印象だ。
「あなたたちがハンターさんね、頼りにしてるわ!」
「むずかしいことはわかりませんお、でもお役にたてるようがんばりますお!」
キリリと顔を引き締めるルーキフェル・ハーツ(ka1064)の頭を、マリナは笑いながら撫でまわした。
「ではお気をつけて。良い結果になるよう祈っています」
セストが見送りに顔を出したので、双子の兄弟は馬車の荷台から顔を出して口々に叫んだ。
「しっかりおしごとしてきますお!」
「うーたちに護衛はお任せくださいなの!」
2台の馬車が、のどかな街道へと走り出る。
天王寺茜(ka4080)は街道沿いの光景を複雑な思いで眺めていた。
(こっちの世界に引っ越しすることも考えないといけないんですね)
今は遠く、懐かしい、LH044。いつか必ず帰るという望みを捨てた訳ではないが、手掛かりはまだない。
ロッソも戦いに飛び立ち、ひょっとしたら壊れてしまうかもしれない。
だが目の前にいるロッソの元乗員は、この大地に生きると決めたのだという。
新しい故郷を作りだす、これもひとつの希望の形だろう。
(そう、頑張ってる人がいるんだもの。応援してあげなくちゃ!)
茜は持ち前の明るさで心を前向きに切り替える。
●
地図に示された地点で街道を逸れ、草に覆い隠された道なき道をひたすら進む。
しばらく地図を睨んでいたアルジュナが、かつてのバチャーレ村の外れで馬車を止めるように言った。
「念のために、空気のサンプルを取ります」
一同は緊張の面持ちで見守るが、観測機器をいじっていたアルジュナは、この辺りは人間にとっても植物にとっても問題のない環境であると断言した。
ここを拠点にして、調査を始めることとなる。
トルステン=L=ユピテル(ka3946)は馬車を降り、辺りを見回した。
「行ってみるまでわかんねーって話だったけどよ……」
「……見た感じ、普通に草原ですね。植物はちゃんと育つみたい?」
茜の言うとおり、あっけにとられる程にのどかな光景だった。
だが辺りが畑だったという割には、麦もその他の作物もほとんど見当たらない。
「それにしても『大地は穢れ、多くの村人が死に絶えた』なーんて、おっそろしい話だよな。ホントだったら洒落になんねーけど……」
ソナ(ka1352)は考え深げに目を伏せる。
「穢れは、よくないことの表現とするといろんな意味に取れますね」
自然と共に生きるエルフであるだけでなく、普段から植物を採集し薬を調合することに興味を持っているため、この緑あふれる大地にどんな良くないことがあったのかと思うと、心が痛むようだ。
ウーナ(ka1439)が魔導バイク「ソーペルデュ」 に跨り、じっと辺りの様子を見つめる。
「穢れ……ねー? 穢れって何が穢れなんだろうね?」
事前に聞いていた話から予想していたのは、麦特有の病気による被害、もしくは連作障害により、麦の収量が減ったことをそのように表現した、ということだ。
そこでふと、トルステンが眉をしかめたのに気付く。
「どうしたの?」
「いや、なんか今ちょっと妙な匂いが……風向きが変わったのかね?」
トルステンは何かを思い出そうとするかのように、首を傾げた。
出発前に皆が意見を出し合い、「穢れ」の原因として候補に挙げたものが幾つかあった。
まず麦自体の異変。それから農業に不可欠な水の異変。マテリアルの歪み、獰猛な獣の襲来などもあり得るだろう。
ルーキフェルはサイモンを見上げて尋ねた。
「お水は元気ですかお? お野菜そだてられそうですかお? 飲めますかお?」
「そうですね、水路については少し調べてみる必要があるでしょうね」
ということで、まずは畑だった場所の水路を確認することになる。
「ではわたしは村の跡を調べてみようと思います」
ソナが申し出ると、ウーナも手を上げた。
「地図作りと、以前に住んでいたって人たちの痕跡探しね。あたしも回ってみるわ。水のほうは小川さん、よろしく~」
人が本当に住んでいたなら、時間が経っていても建物の痕跡ぐらいはあるだろう。それが確認できるなら、少なくとも「住める」場所であることはわかる。
「俺もそっち回るとすっかね。護衛と半々、そっち任せていーよな?」
トルステンはルーキフェルとウェスペル、そして茜に確かめる。
ぶっきらぼうな言い方ではあるが、任せるということはちゃんとハンターとして認めているということだ。
「うーたちがご一緒しますなの、護衛はお任せくださいなの!」
ウェスペルは鼻息もあらく、胸をそらした。
●
村の跡地はすぐにわかった。
住民が出て行ったあとは野盗のねぐらにもならなかったようで、建物の土台や、崩れかけたレンガの壁が、雑草や灌木の間に見え隠れしていたのだ。
ウーナは地図を広げ、建物の位置や状態を書きこんで行く。
「うーん……実は古戦場で、畑から死体が出てきてびっくりとかそういう可能性も?」
だがそれ位で村人全員が土地を捨てて逃げ出すことも考えにくい。
「異世界で、しかも百年以上前の人の家か……めっちゃ遠いなチクショー」
ぼやきつつも、トルステンは丹念に家の残骸を覗いて回っている。
外敵の襲来など、突発的な大事件があったのなら、着の身着のまま逃げ出しているはずだ。
そうでなければちゃんと荷物を纏めて引越しという形になるだろう。
痕跡は少ないかもしれないが、可能性が残っている限りは確実に潰しておきたいと思う。
ソナはアルジュナを護衛しながら、マテリアルの歪みがないかにも気を配っていた。
調査については技術者が専門だが、歪虚の対応は難しいだろう。
「うわーっ!!」
「アルジュナさん!?」
突然、建物の陰でアルジュナが悲鳴を上げた。
「大丈夫ですか!」
何かにひっかけたらしく、左腕が赤く染まっている。
「すぐに治療しますね」
「すみません、なにか飛び出したので驚いて……ネズミだったみたいです」
ソナは傷を癒し、微笑みかける。
「大したことがなくて良かったです」
一通り回った所で、ウーナとトルステンが合流した。
「どーも村の連中、ちゃんと引っ越したんじゃないかって思うぜ」
トルステンは建物跡で鍋釜類らしきものすら見つからないのを、そう判断した。
「病気とかもなさそうな感じね」
ウーナが腕組みする。村の外も少し回ってみたが、病気の流行などで大量の死者が出れば、その辺りに骨などが残っていてもおかしくない。だがその痕跡もなかった。
「今日のところは村の地図を完成させて、一度撤収ね」
「そうですね。……トルステンさん?」
あらぬほうを睨むように見つめているトルステンを、ソナが気遣う。
「ああ、なんでもねー。それより今日の晩飯、まともな材料があるんだろうな?」
どこか気を取り直すように、トルステンは肩をすくめた。
●
サイモンとマリナを、ウェスペルとルーキフェルが間に挟むように歩く。その後ろに茜が続く。
「長い間、誰も寄り付いてないって話ですし。危険な獣とかが居ないと良いけど」
注意深く辺りを見回し、草むらの様子に注意を払う。
「でも獣はおにくぅにもなりますお。おにくぅ大事ですお」
ルーキフェルは今にも美味しそうな獣が飛び出してくるんじゃないかと思っているようだ。
「そうですね。家畜の数がある程度揃うまでは、狩りもしなくちゃなりません」
「サイモンは狩られないように気をつけなくちゃね」
マリナがからかうように笑った。
ウェスペルは拾った棒で辺りの草むらを叩きながら先頭を歩く。
「こうして大きな音を立てたら、ふつうの獣は逃げますなの。それでも来るのは悪い獣か歪虚ですなの」
「へえ、さすがはハンターさんね」
マリナは感心したように頷いた。
広い畑には水路の跡が残っていた。今は雨が降った日に水が流れる程度のようだ。
茜は少し離れた場所で、周囲を警戒にあたる。ときどき鳥が驚いて飛び立つぐらいで、特に危険はなさそうだ。
サイモン達はあちこちで屈みこんで土を採取したり、辺りの葉っぱを調べたり、観測機器の数値を覗き込んだりしている。
「なにもありませんかお? なにかありますかお?」
物珍しげに、ルーキフェルはサイモンの手元を覗き込んだ。
「そうですねえ。断言はできませんが、少し気になることはあります。川の上流を調べてみたいですね」
「それは明日のほうがいいかも。もうすぐ日が暮れますね。そろそろ野営の準備しないと」
茜の言う通り、太陽はもう西に傾きつつあった。
「野営には足りないものがありますお。少しだけ待ってほしいですお」
ルーキフェルはそう言って、ウェスペルと共に草むらを掻き分けて行った。
●
簡易テーブルに並んだ皿に、サイモンが目を細める。
「ご馳走ですね!」
「あるもんでテキトーに作っただけだぜ」
トルステンは馬車にあった材料で、野菜や干し肉の入ったスープを作っていた。
「おにくぅは頂きますして食べるのですお」
ルーキフェルが狩った山鳥は、ウェスペルが見つけた香草を詰め込まれて、こんがり焼き上がっている。
茜が良い匂いを立てる深皿をテーブルに置いた。
「私、レトルトカレー持ってきましたから、良かったらどうぞ!」
「あー、久しぶり! ときどき無性に食べたくなるのよねえ」
マリナがパンを切り分けながら嬉しそうに言った。
ランプの明かりの元で食事を取りながら、お互いの情報を交換する。
「明日はお水を見に行くなの。お水がきれいなら、おいしいお野菜はたくさんできるなの。だから村から人がいなくなった理由は、他にあるってことなの」
ウェスペルがそう言うと、突然トルステンが「あっ」と声を上げた。
「思い出した! あの匂い、硫黄だぜ」
一同の視線が集まる。
「もしかして温泉を掘り当てて硫黄が流出? 温泉水じゃ農業はできねーよな。金属汚染……だと、草原にはなんねーのかな? そのへんが理由ならサイモン達が調べればわかるんじゃねーのか」
今度はサイモンに視線が移る。
「……私も実は、それを考えていました」
今回の廃村の調査からは、どうやら村人たちは慌てて逃げ出したというよりは、荷物を纏めて出て行ったという印象を受ける。
では何故出て行ったのか。考えられるのが、主要な作物である麦の不作である。
連作障害についてはさすがに当時の農民たちも知識はあっただろう。病害虫についても同様だ。それに近隣の村でもその辺りの事情はそう変わることはないはずだ。
「私はこの地で二期作が可能ということは、冬も暖かいのだろうと思っていました。それが何故か、ということをここで確かめたかったのです」
サイモンはそこでにっこり笑った。
「明日は少し遠出になりそうです。早めに休みましょう」
●
翌朝、夜明けを待って、一同は水源を探しに行くことになった。
地図を見比べ、今の畑の様子を確認し、水路の元を辿る。そこから更に行くと、水の流れる音が近づいてくる。
「あれ見て」
ウーナが指さしたほうを見ると、川べりに大きな岩が積み上げられていた。
「自然に転がって来たものではなさそうですね」
「水の流れをせき止めている、ということだよね」
ソナと茜が頷き合う。
そこから川の上流を目指して歩き出す。
「やっぱりくさいですなの」
ウェスペルが顔をしかめた通り、硫黄独特の匂いが強くなってくる。
「つまりこの辺りは、火山の影響を受けてるってーことか」
だが、とトルステンは唸る。
「それならなんでバチャーレ村だけに悪い影響が出たんだ? この川の水は他の村の連中も使ってるんだろう」
川べりの道は次第に傾斜になる。調べたところ、川の水自体は特に問題ないようだ。
「昔には悪い影響があったものが、今は大丈夫なのかもしれないですね」
サイモンがそう言った時だった。
突然の爆発のような音、そして日差しを遮る影が頭上をよぎる。
「伏せて!」
茜がナックルに雷を纏わせながら叫ぶ。ウェスペルがマジックアローを放とうと、身構える。
ルーキフェルとソナはサイモン達技術者を背後に庇った。
見上げた空に舞うそれは、大きな一羽の猛禽だった。
だが鳥はそのままふらふらと高度を下げ、川べりに落ちてしまう。
よく見れば、辺りには鳥や獣の物らしい、白い骨が数えきれない程に落ちているではないか。
「あっちですお!」
「ちょっとみてくるですなの!」
身軽な双子が、川沿いの小道を駆け登り、小高い丘を目指す。
後を追って行った一同が追いつくと、双子はぼうぜんとして突っ立っていた。
「すおいですおー……」
それは激しい勢いで噴き上げる間欠泉だった。
かなり高温の水が人の背の高さほどにも噴き上げ、熱いしぶきを飛ばしていた。
ついでに鼻をつく硫黄の匂いも振りまいている。猛禽はこのガスにやられたようだ。
「水が、流れていく……」
茜が指さす方を見ると、溢れ出た水は流れとなって、真っ直ぐにバチャーレ村へと向かっていたのだった。
●
ジェオルジ領主の館の応接室で、セストは戻った調査隊からそれらの経緯を聞いた。
「成程。その水を村の外に出してはいけないと、川を封じられてしまったわけですね」
本当のところは今となってはわからないが。
ある日噴き出した温泉の水が流れ込み、バチャーレ村の農作物は壊滅的な打撃を受けた。
川を半ばせき止め、大量に水を呼び込めば土は洗い流せるはずだが、下流の村が黙ってはいないだろう。
温泉水の流入により植生が変化し、川べりに転がる生き物の死体が不吉な噂を一層かきたて、遂には住民が消えてしまった……という推測だ。
「では、移住は難しいですね」
セストが顔を曇らせると、意外にもサイモンは明るい声で否定した。
「いえ、何とかなると思います」
硫黄分を含んだ地質を改良し、水路を整備し、作物を実らせる。
それは一朝一夕に叶うことではないが、不可能ではない。
「私たちロッソの乗組員は、空気と水と大地があるだけで御の字だと思っていますから。それに――」
サイモンはセストを、そしてハンター達を見渡す。
「きっとジェオルジの友人たちも手助けしてくれると、信じていますよ」
新たな故郷を、この場所に。
バチャーレ村の新しい歴史が、今から始まる。
<了>
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セスト君に質問!(質問スレ) ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/03/02 00:23:07 |
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バチャーレ復興会議(相談スレ) ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/03/03 12:01:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/28 21:59:50 |