ゲスト
(ka0000)
バチャーレ村開拓記・序
マスター:樹シロカ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/03/03 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/03/17 12:00
オープニング
●移民は廃村を目指す
ジェオルジ領主の館に、その男が来たのは冬のある日のことだった。
「今日はお時間を取って頂きまして、ありがとうございます」
黒い髪、銀縁眼鏡、いつも穏やかな表情を崩さない30歳前後と思われる男はサイモン・オガワといい、サルヴァトーレ・ロッソから降りた移民団のリーダーのひとりだった。
セスト・ジェオルジ(kz0034)が応接室で律義に出迎える。
「いえ。こちらこそ長い間お待たせしていて、すみません。どうぞお座りください」
昨年秋の『郷祭』でサイモンの仲間達はジェオルジの名産品に舌鼓を打ち、好印象を持ったらしい。
いずれ自分たちの移民団はジェオルジに移り住みたい、と訴える手紙を、領主であるセスト・ジェオルジ(kz0034)に幾度も送ってきていた。
セスト自身はぜひ移民を受け入れたいと思っているが、全員を受け入れる村がなかなか見つからないのだ。
各村ごとに耕作に適した作物や畑があり、当然ながら条件のいい場所は既に誰かが使っている。
数家族なら引き受けてもいいという村はあったのだが、移住先をわけられては移民のほうが不安に思うだろう。
セストは色々な条件を検討し、サイモンに手紙を送った。
『全員が移住できる村が見つかったが、少し特殊な場所である。それでもよければ詳しく説明したいので一度お越しいただきたい』
サイモンはソファに掛けると、すぐに話を切り出した。
「全員で一緒に移住できるなら、我々としても有難い。が、何か曰くがありそうですね」
「ええ。その村はバチャーレ村といいますが……」
手を繋ぐという意味の、美しい名前の村は、現在廃村になっている。
セストのお爺さんの、そのまたお爺さんぐらいの記録を見ると、その村の気候は温暖で、冬にも雪が積もらず、小麦は年に2回収穫できるという、素晴らしい耕作地だった。
だがあるとき、その村の大地は穢れ、多くの村人が死に絶えたのだというのだ。
「……不穏な話ですね」
サイモンがさすがに眉をひそめる。
「確かに。ですが村一つが消える程の災害なら、近隣の村に何かしらもっとこう……そう、自分の親戚も被害を受けたとか、そういう記録がないとおかしいと思いませんか」
村々は行き来を断っている訳ではなく、嫁に行ったとか婿を取ったとか、近い村同士ではよくあることだろう。
「そこで僕なりに調べてみたのですが、どうもすこし大げさな噂話の類に思えるのです」
「なるほど。……失礼ながら、このような環境にありながら、領主様はリアリストでいらっしゃるようですね」
ロッソの技師だったという男は、眼鏡の奥の目を僅かに細めた。
セストは表情を崩すことなく、いつも通りの淡々とした調子で話を続ける。
「リアルブルーの皆さんなら、この地域の噂話に惑わされず、事実を受け止めることができると思っただけです。もし良かったら一度現地を調査されますか。その上で移住をご希望でしたら、後は僕のほうで手続きを進めますので」
「そうですね。どちらにせよ、一度見せて頂くことにしましょう。それにしても……」
サイモンがじっとセストの顔を見つめた。
「どうして我々にそこまで心を砕いて下さるんですか? 同情でしょうか?」
「ああ……」
ここで始めて、セストの口元がほころぶ。
「すみません、僕には下心があるんです」
「下心?」
「ええ。皆さんの技術、特に新しい商品作物やロッソ由来の植物栽培方法に興味があるんです。そして良い点は我がジェオルジに取り込み、利用したいと思っています。ですからこれは、投資です」
サイモンが一瞬、目を見張る。それに続いたのは、大笑いだった。
「わかりました、領主様に損はさせないように努力しましょう」
セストはまたいつも通りの表情に戻り、よろしくお願いします、と生真面目に答えた。
それから数日後。
サイモン他2人のロッソ民と、万一の事態に備えて護衛の依頼を受けたハンター達が、バチャーレ村へと向かったのだった。
ジェオルジ領主の館に、その男が来たのは冬のある日のことだった。
「今日はお時間を取って頂きまして、ありがとうございます」
黒い髪、銀縁眼鏡、いつも穏やかな表情を崩さない30歳前後と思われる男はサイモン・オガワといい、サルヴァトーレ・ロッソから降りた移民団のリーダーのひとりだった。
セスト・ジェオルジ(kz0034)が応接室で律義に出迎える。
「いえ。こちらこそ長い間お待たせしていて、すみません。どうぞお座りください」
昨年秋の『郷祭』でサイモンの仲間達はジェオルジの名産品に舌鼓を打ち、好印象を持ったらしい。
いずれ自分たちの移民団はジェオルジに移り住みたい、と訴える手紙を、領主であるセスト・ジェオルジ(kz0034)に幾度も送ってきていた。
セスト自身はぜひ移民を受け入れたいと思っているが、全員を受け入れる村がなかなか見つからないのだ。
各村ごとに耕作に適した作物や畑があり、当然ながら条件のいい場所は既に誰かが使っている。
数家族なら引き受けてもいいという村はあったのだが、移住先をわけられては移民のほうが不安に思うだろう。
セストは色々な条件を検討し、サイモンに手紙を送った。
『全員が移住できる村が見つかったが、少し特殊な場所である。それでもよければ詳しく説明したいので一度お越しいただきたい』
サイモンはソファに掛けると、すぐに話を切り出した。
「全員で一緒に移住できるなら、我々としても有難い。が、何か曰くがありそうですね」
「ええ。その村はバチャーレ村といいますが……」
手を繋ぐという意味の、美しい名前の村は、現在廃村になっている。
セストのお爺さんの、そのまたお爺さんぐらいの記録を見ると、その村の気候は温暖で、冬にも雪が積もらず、小麦は年に2回収穫できるという、素晴らしい耕作地だった。
だがあるとき、その村の大地は穢れ、多くの村人が死に絶えたのだというのだ。
「……不穏な話ですね」
サイモンがさすがに眉をひそめる。
「確かに。ですが村一つが消える程の災害なら、近隣の村に何かしらもっとこう……そう、自分の親戚も被害を受けたとか、そういう記録がないとおかしいと思いませんか」
村々は行き来を断っている訳ではなく、嫁に行ったとか婿を取ったとか、近い村同士ではよくあることだろう。
「そこで僕なりに調べてみたのですが、どうもすこし大げさな噂話の類に思えるのです」
「なるほど。……失礼ながら、このような環境にありながら、領主様はリアリストでいらっしゃるようですね」
ロッソの技師だったという男は、眼鏡の奥の目を僅かに細めた。
セストは表情を崩すことなく、いつも通りの淡々とした調子で話を続ける。
「リアルブルーの皆さんなら、この地域の噂話に惑わされず、事実を受け止めることができると思っただけです。もし良かったら一度現地を調査されますか。その上で移住をご希望でしたら、後は僕のほうで手続きを進めますので」
「そうですね。どちらにせよ、一度見せて頂くことにしましょう。それにしても……」
サイモンがじっとセストの顔を見つめた。
「どうして我々にそこまで心を砕いて下さるんですか? 同情でしょうか?」
「ああ……」
ここで始めて、セストの口元がほころぶ。
「すみません、僕には下心があるんです」
「下心?」
「ええ。皆さんの技術、特に新しい商品作物やロッソ由来の植物栽培方法に興味があるんです。そして良い点は我がジェオルジに取り込み、利用したいと思っています。ですからこれは、投資です」
サイモンが一瞬、目を見張る。それに続いたのは、大笑いだった。
「わかりました、領主様に損はさせないように努力しましょう」
セストはまたいつも通りの表情に戻り、よろしくお願いします、と生真面目に答えた。
それから数日後。
サイモン他2人のロッソ民と、万一の事態に備えて護衛の依頼を受けたハンター達が、バチャーレ村へと向かったのだった。
解説
●このシナリオについて
『【郷祭】まめしでウェルカム!』の流れを受け、サルヴァトーレ・ロッソの移民と、ジェオルジ民の一部が一緒に暮らす村を作っていく予定です。今回がその第一歩になります。
ショート形式で、1~2ヶ月に1本程度、のんびりペースになる予定です。
途中、ショートでは解決が難しいような問題が出た場合は、シリーズ2~3本を挟む可能性はあります。
●バチャーレ廃村について
(PC情報)
言い伝えでは穢れた不吉な村とされているようです。今はほとんど草原のようになっています。
ジェオルジ民の中でも迷信深い者は名前を聞くのも嫌がりますが、ほとんどの者にとっては「何もないところだからわざわざ行かない」という状態です。
領主の館から馬車で半日ほど行った場所にあります。
本当に何も住んでいないかは行ってみないとわかりません(そのためハンターが雇われました)。
(PL情報)
言い伝えには理由がありますが、住める場所です。
ロッソの技術者が同行しますので、調査内容について提案してみてください。
多少の推理力が必要かと思いますので、難易度は「やや難しい」となっております。
●NPCについて
・サイモン・小川
30代日系男性。長身痩躯の眼鏡の男。ロッソで植物生産プラントを管理していた技術者。
開拓者魂を持った人物だが、職務上ロッソから全員が退艦するまで降りられず、結果的に移民団を率いることになった。
・アルジュナ・シン/マリナ・リヴェール
サイモンの助手。インド系男性と白人女性。いずれもサイモンより少し若い技術者。
・セスト・ジェオルジ
ジェオルジ領主。今回は同行せずお留守番です。
●他
馬車に分乗して現地に到着したところからスタートです。到着は昼ごろ。調査は翌日昼まで。
寝具や食糧など、必要な道具は用意してあります。
出発前の行動もある程度可能ですが、リプレイでの描写は極僅かになります。
『【郷祭】まめしでウェルカム!』の流れを受け、サルヴァトーレ・ロッソの移民と、ジェオルジ民の一部が一緒に暮らす村を作っていく予定です。今回がその第一歩になります。
ショート形式で、1~2ヶ月に1本程度、のんびりペースになる予定です。
途中、ショートでは解決が難しいような問題が出た場合は、シリーズ2~3本を挟む可能性はあります。
●バチャーレ廃村について
(PC情報)
言い伝えでは穢れた不吉な村とされているようです。今はほとんど草原のようになっています。
ジェオルジ民の中でも迷信深い者は名前を聞くのも嫌がりますが、ほとんどの者にとっては「何もないところだからわざわざ行かない」という状態です。
領主の館から馬車で半日ほど行った場所にあります。
本当に何も住んでいないかは行ってみないとわかりません(そのためハンターが雇われました)。
(PL情報)
言い伝えには理由がありますが、住める場所です。
ロッソの技術者が同行しますので、調査内容について提案してみてください。
多少の推理力が必要かと思いますので、難易度は「やや難しい」となっております。
●NPCについて
・サイモン・小川
30代日系男性。長身痩躯の眼鏡の男。ロッソで植物生産プラントを管理していた技術者。
開拓者魂を持った人物だが、職務上ロッソから全員が退艦するまで降りられず、結果的に移民団を率いることになった。
・アルジュナ・シン/マリナ・リヴェール
サイモンの助手。インド系男性と白人女性。いずれもサイモンより少し若い技術者。
・セスト・ジェオルジ
ジェオルジ領主。今回は同行せずお留守番です。
●他
馬車に分乗して現地に到着したところからスタートです。到着は昼ごろ。調査は翌日昼まで。
寝具や食糧など、必要な道具は用意してあります。
出発前の行動もある程度可能ですが、リプレイでの描写は極僅かになります。
マスターより
ジェオルジ村からこんにちは。樹シロカです。
お待たせしました、ロッソ民のその後です。
なお、サイモンは『【郷祭】まめしでウェルカム!』のリプレイに名無しで登場して(喜んでまめし食って)いましたが、お読みいただかなくても今回のシナリオご参加には全く問題ありません。
NPC3名はいずれも移民に前向きで、ハンターにも紅界にも好意的です。
確認したいことがありましたらセストがわかる範囲でお答えします。
但し今回は推理が必要なため、「PCひとりにつきQ2まで」「全部でQ10まで」の制限をつけます。
なるべくギリギリまで確認しますが、できましたら出発の24時間前までにお願い致します。
では、ご参加お待ちしております!
お待たせしました、ロッソ民のその後です。
なお、サイモンは『【郷祭】まめしでウェルカム!』のリプレイに名無しで登場して(喜んでまめし食って)いましたが、お読みいただかなくても今回のシナリオご参加には全く問題ありません。
NPC3名はいずれも移民に前向きで、ハンターにも紅界にも好意的です。
確認したいことがありましたらセストがわかる範囲でお答えします。
但し今回は推理が必要なため、「PCひとりにつきQ2まで」「全部でQ10まで」の制限をつけます。
なるべくギリギリまで確認しますが、できましたら出発の24時間前までにお願い致します。
では、ご参加お待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/03/18 00:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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セスト君に質問!(質問スレ) ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/03/02 00:23:07 |
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バチャーレ復興会議(相談スレ) ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/03/03 12:01:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/28 21:59:50 |