夢の終わる時、幻の解ける時

マスター:DoLLer

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/03/12 07:30
完成日
2016/03/20 22:11

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 ねっとりとした夜闇が閃光で切り裂かれた。
 館の影が赤い光で輪郭を浮かべた直後、暴風が渦巻いた。
 腐った大地の破片は吹き飛び、枯れ落ちた木々は倒れて盛大に炎上した。不浄の空気は鮮烈な炎で焦がされていく。
 死の大地と化したその館は今、浄化されようとしていた。

 ここは生者の大地。腐敗は鉄血にて洗わねばならぬ。
「焼き払え!」
 号令の元、帝国兵士は再び一斉にファイアボールとファイアスローワーを放つ。その鮮烈なる光は夜に終わりを告げる暁光そのものだった。


 ナースコールのベルが鳴り響いていた。いや、緊急事態を知らせるベルだったか。
 轟音が石造りの施療院を激しく揺らし、破砕された壁や天井がバラバラとルーフィの頭を打ち付けたが、ベルの音は鳴りやまぬ。
 行かなきゃ。助けを求めている人がいる。
 ルーフィはよろよろと立ち上がり、力尽きた人間の山をかき分け進んだ。

 北伐作戦以降、負傷兵の数は減ることはなく、帝国本土が攻められて。ますます患者は増える一方だった。
 傷病兵を受け入れ続けた施療院は毎日が戦いだった。休むという行為をいつからしていないのか、ルーフィも覚えていない。そもそもベッドで寝た記憶すら曖昧な昔のように感じる。だけど、医療スタッフは止まることすらできなかった。
 気が付けば、スタッフは一人、また一人と動かなくなっていた。クレイルは体勢を崩し井戸の中。施療院の責任者であるミルドレッドは自分が吐いた血の海に沈んで動かなくなっていた。マクレーンは兵士の看病で病を貰いそのまま起きなくなった。唯一の聖導士ユーリも床に突っ伏して動かない。
 医療スタッフが動かなくなっても兵士は、一縷の望みを託してナースコールを鳴らし続け、助けを呼び続けた。
 医療スタッフの大半消え去り劣悪な環境はますます加速した。身に受けた兵の傷と病は、その身を社にして力を蓄え、健常者へと襲い掛かった。
 いわゆる伝染病。北荻を進んだ際に病原は尽くす手段もなく施療院を覆った。

 もう一度、ファイアボールの一斉着弾する強烈な振動が起きると同時に、廊下を灼熱の風が襲いかかり、ルーフィを吹き飛ばした。
 帝国の人達は伝染病を恐れ、安易に足の踏み入れることのできなくなったこの施療院に遠巻きに何度も生存者に対して呼びかけをしてくれていたのは知っている。だが残念ながら、ここに応答できるほどの声をあげられる人間はルーフィも含めいなかった。
 ルーフィは彼らの判断を悪いとは思わなかった。思う余裕すらなかった。ただベルを鳴らす人間がいて、死の恐怖に脅えているなら、行って助けて上げなければならないという使命感が彼女を支配していた。
 髪が焦げる臭い。肉が焼ける臭いが廊下を充満する中、ルーフィは呻いていた。腕が足が、言うことを聞いてくれない。
 自分の無力感に彼女は涙を流し、すすり泣くこともできずに呻いていた。
「大丈夫ですよ……」
 不意に絹糸のような銀髪が頬を撫でたかと思うと、体をゆっくり起こされた。
 震える頭を起こして声の方向を見れば、静謐に満ちた蒼い瞳がこちらを見ていた。
「ブリュン、ヒル、デさん?」
 その姿に覚えがあった。数か月前ルーフィの前に現れた女性だった。たくさんの人を助けたいというルーフィの願いに賛同し、そして助けてくれた。
 覚えと違うのは、彼女の体はひどく存在感がなく、まるで幽霊のようだった。今も彼女の頬や手先は崩れ、小さな塵としていずこかに消えていくのがわかる。
「みんな、神の御元に旅立ちました。ここに残っているのは、貴女だけ」
「みんな……逝ったの?」
「はい、思い残すこともなく。この地で輝いているのはルーフィ様。貴女の想いだけです」
 ブリュンヒルデの周りにぼんやりとした白い光が見えるのは、幻覚か。それとも魂なのか。
 と、同時に施療院が大きく揺れ、なんとか保っていた天井が大きく砕けて降り注いだ。
「守 レ。我ラガ 主 ヲ」
「ありがとう。少しの間だけお願いします」
 そんな言葉が聞こえて目を開けると、ブリュンヒルデの真上に巨大な骸骨が立ちはだかり、瓦礫を防いでいた。
「死しても想いは生き続けます。貴女には生きて想いをつなぐよう願っています」
 さあ、行きましょう。
 呆然とするルーフィを助け起こして、ブリュンヒルデは強く促した。
 助け起こした? いや、違う。ブリュンヒルデもまたルーフィの助けなしではもう存在できなくなっている。骸骨に力を与えて、彼女はますます朧げとなっていた。
「生存者? いや、違う!」
 先に見えた入り口から強く圧迫する声が聞こえた。
「あいつは……隊長、あそこに見えるは歪虚ブリュンヒルデです」
「そうか、この施療院をこんな風にしたのはこいつの仕業か。破滅を呼び込む死神だ。この施療院をそのまま墓場にしてやれ!」
 そんな。この人は私を助けてくれたのに?
「気にすることはありません。狙いは私だけです。貴女はきっと助かります」
「でも、私を助けてくれる人が死ぬのを、私はもう見たくない!! 一緒に、一緒に」
 そういうルーフィをブリュンヒルデはぐっと抱きしめた。
「私は心の中で生き続けます」
「私も生きる。あなたと生きる、みんなと生きる。歪虚でも何でも、心を向けてくれたことは変わらない。もう喪いたくない! 兵士があなたを狙うなら私が盾になる」
 ルーフィは真白い肌に埋もれながら叫んだが、ブリュンヒルデが抱きしめたもう一つの理由を知ることはできなかった。
 暴食の気配がする。あらゆる正義も愛を飲み込む力の奔流が。


「あのクソガキ、まだ生きてたの?」
 不変の剣妃オルクスは報告を受けて、不機嫌な顔をさらにひどくさせた。
 クソガキとはつまりブリュンヒルデのことだ。
 ゾンビをたくさん作って帝国に死者を送りつけてやろうという魂胆で作った歪虚だったが、感応能力を強くしすぎたか、オルクスの命令すら聞かず、人間の生き死にに関わらず強い願望のある人間のところに入れ込むようになってしまった、ここ最近の大失敗作だ。
 すっかり忘れてた上に、『寝て』いたところを起こされての報告だったため、オルクスはますます腹立たしくなった。
「失敗作の始末をつけなきゃね……と言っても私が出るのもシャクに触るわね」
 オルクスは少しの間考えた後、ニヤリと笑みを浮かべた。
「そういえば力作があったわね。人の夢は叶えれば幸せ、なぁんていう奴、どう思う?」
 問いかけられた人形はぼそりと答えた。
「凡愚。生命は現レ亦還ル 波の如キ。 有情トハ泡沫に等しキ。無辺ノ大海を忘るル 不孝の貪欲」
 長い金髪を僅かに動かしそれは答えた。
「そうよねェ♪ それじゃ夢のない世界へオトしてあげてちょうだい」

リプレイ本文


 そこはもう地獄そのものだった。
 暗い廊下はもう平坦な場所はどこにもなく、すべて瓦礫と死体で埋まっており、廊下を照らしていたランプが魔法の衝撃で割れて炎と焼け焦げた臭いを上げていた。
「ねぇさぁぁぁぁん!!」
 鬼百合(ka3667)は叫び、一心不乱に奥へと奥へと走った。この崩壊した施療院など入るどころか、見るのも初めてだ。だが、鬼百合の全身いたるところに穿たれた百の瞳は確実に探し求める人を見出していた。
 視覚ではない、何かが。鮮烈な呼び声に反応する小さな心がチカチカと脳裏に映るのだ。
「ねぇさん!!」
「オォ 敵 守レ 我ガ 女神……」
 廊下を曲がった瞬間、そんな声が鬼百合に降り落ちて来た。
 見上げれば、瓦礫を背負った巨大な骸骨。ガシャドクロだ。それは拳を振り上げると、そのまま鬼百合を叩き潰そうとしたのを南條 真水(ka2377)が翼を生やした靴で蹴り飛ばした。
「ガシャドクロ! ちょっとは敵味方の区別をつけろよっ! っていうか走りながら、喋らせるなって……南條さん、心拍数上がりすぎるとダメなんだよ……」
「鬼百合様! 南條様!」
 真水が頭を叩きつけるほどにしてガシャドクロを押しのけた下で希望に満ちた声が響いた。ブリュンヒルデだった。
 それは前に見たのとは随分違っていた。亡霊のようにうすらとなりて存在感は欠けており、身体も一部は完全に消失して左腕からの手首から先は消え失せていたことが示すように、あちこちが虫食いのようになっていた。そしてその彼女にすがるようにしている少女の姿は文挟 ニレ(ka5696)がよく知っていた。
「ルーフィ……ルーフィじゃないか。よく、生きていたね!」
 骨の結界に包まれるようしてルーフィを見つけたニレは、煤だらけの自分の顔を着物の袖で軽くぬぐうと、笑みを浮かべた。
「文挟さん……? 私、夢を見てるの?」
 緊張の面持ちで立ちすくんでいたルーフィはニレの笑みにようやく、涙が浮かんだ。
 ルーフィの伸ばした手はガシャドクロの守りをすり抜け、ニレがしっかりと掴み、そして懐に収めて抱きしめる。
「こんなになるまで頑張りやがって……もっと早くに呼ばねぇかい」
 脱水と栄養失調で骨と皮ばかりになったルーフィは前とはまるで別人だった。だが、最後まで人を助けようとするこの施療院のみんながもっていた瞳。それは彼女が全て継いでいるように思えた。色んなものを背負いすぎた重たすぎる瞳だ。
「無事で良かったっすね。外線、生存者を無事保護したっす。主たる被害もなし。帰投、合流するっす」
 無限 馨(ka0544)はトランシーバーで外の帝国兵の説得に当たるチームに声をかけてルーフィにトランシーバーを向けたがルーフィが身体を固くして拒否した。
 それでもブリュンヒルデは微笑みを忘れず、ハンター達の姿を見ると、可能な限りで静かに一礼した。
「お前……消えるんすか?」
「はい、私のお手伝いにより満足してくれた人がいて、私も満ち足りました」
「他人からの布施だけで生きるって、聖職者みてェだな……あァ、そうか」
 シガレット=ウナギパイ(ka2884)はふと気づいた。
 こいつは聖職者の心のまま、歪虚になったんだと。
 歪虚を復讐心だけで殺しまわっていた頃の自分と、それを止めてくれた彼女の姿がふと胸に浮かんでは消える。一歩踏み違えていたら、立ち位置はそう変わらなかったのかもしれねェなァ。などとシガレットは腹の内でぼやいた。
「ともかく俺たちはここの救助要請に応えて来たワケだ。必ず助けるから少しの辛抱なんだぜェ」
「イヤっ」
 シガレットが触れようとした瞬間、ルーフィは強い拒否反応を示した。
「この人を兵隊さんは殺そうとする。この人も助けたいの。目の前で私を助けてくれた人が死ぬのは嫌。もう見たくない。それが歪虚であろうと、私に差し伸べてくれたその手が朽ちるのを見てみぬふりはできない!」
 胸元で必死で訴えかけるルーフィの両肩を持ってニレは唯一彼女の中でまだ潤む瞳をしっかと見つめた。
「あんたの頑張りはよぉく解ってるさ。命の為に命を賭ける。お前さんの仲間もそうして逝ったんだろうさ。けどな。身を呈して守ったら最後、二度と誰かを助けることはできねえぞ。そこで終わりだ。そっから先は、誰も助けられねえ。 あっしもお前さんも腕は二本しかねえし、体はひとつしかねえが、生きてりゃ誰かの助けになれる」
「ダメよ。救えなかった後悔は、どれだけの人を助けても治らないの。死んでも後悔したくない」
 ルーフィは頑なだった。余りにもの頑なさにニレの方が気圧されるくらいで、しばしの視線での戦いが続く。
 この子は大切なものを失った後悔だけで生きているのか。だから、おかしなくらい忙しい病院でみんなが悲鳴を上げる中でも彼女だけは黙々と働いていたのか。
 言葉が見つからない中、その視線を奪うようにしてルーフィの頭を掴んだ鬼百合はぐるりと自分に向けて叫んだ。
「言う通りでさ。オレもねーさんに助けられたから、オレも助けたい。みんな助けたい。全部助けたい。 だからっ!!」
 一瞬だけ、沈黙が走る。
「いきましょうぜ……ここで歩みを止めたら、押しつぶされまさぁ」
 懇願の様な、語り掛けだった。
 自分を愛してくれた母。鬼だと言われても抱きしめしてくれた母。亡くした経験をしていない方がハンターにはいないのだ。だから。鬼百合はめいっぱい叫んだ。
「悲しい想いってな、一人だけじゃァねえんだ。みんなしてる。だから一人でなんもかんも抱え込むもんじゃねェ。兵隊は俺達の仲間が説得してくれるから円満にいく可能性もある。だがな、この建物は壊れる運命からもう逃れられねェんだ」
 シガレットが静かに諭すとルーフィは押し黙る中、ニレが囁いた。
「生きるんだ。全部の可能性を捨てちゃなんないよ」
「わかり、ました。お願いします。全てを、つないでください……」
「ブリュンヒルデ。そういうことだ。もう満足して昇天しちゃいそうなところ悪いけれど、夢がこれで終わりなんて区切り悪すぎる。もう少し付き合ってよ。マテリアルを譲ってやるからさ」
 立ち上がったルーフィを横目に真水は自分の眼鏡をぐいと被せて、消滅しかかった目を隠し、髪を梳いて頬も隠してやるとその手を掴み、赤紫の瞳で不透明な硝子の先にある蒼い瞳を見つめた。
「分かりました。それが南條様の望みなら。もう少しだけ在させていただきます。溢れる夢を全て無に帰す相手を共に打ち破りましょう」
 ブリュンヒルデは静かに真水の手を取ると、光の粒が、手の握る真水の手からあふれ出、彼女の口に、肌に、髪に吸い込まれてくる。それら一つ一つが虫食い穴のような喪失を埋め、ブリュンヒルデは形を取り戻し立ち上がった。
「大丈夫っすか?」
「ははは、南條さん、夢に食われちゃいそう……ミイラ取りがなんとやら。ブリュンヒルデ。勝手に消えたりして眼鏡を落とさないでくれよ? 無限に壊されたのより高いんだぞ」
 マテリアルを奪われすぎて立っていられなくなった真水を無限は助け起こした。
 やっぱりブリュンヒルデを助けるのは危険な気がする。彼女が傍にいて破滅してきた人間の最期を見る限り、やはり鬼百合や真水のように喜んで助けようという気にはなれない。そもそも彼女は本当に変わったのだろうか。
 と、そこで無限はふとブリュンヒルデの言葉を胸の内で反芻して気づいた。
「溢れる夢を無に帰す相手……? 兵隊のことじゃないっすよね?」
「はい、強い慈悲と、何百もの腐毒を濃縮した闇を感じます」
「慈悲、ねェ。しかしなンだ。そいつもどうせオルクスが作ったんだろ。お前が歪虚になったのも、ここがこんな風になったのも、全部オルクスの仕業。それならきっと力を合わせる道理もあるよなァ」
 シガレットは大きな声でそう言った。トランシーバーの向こう。耳を澄ましているだろう兵士に言い聞かせるように。
「そいつの名前はわかるっすか?」
「恐らく……豊穣の巫女、スィアリ様です」


「おい、何者だ。そこは危険だっ。ブリュンヒルデという歪虚もいるんだ! 破滅に巻き込まれるぞ」
 詠唱も制止も聞く間もなく、突入していったハンターに対して兵士達は声を上げた。
「へぇ、ブリュンヒルデ君か。じゃあやっぱり鬼百合君の眼は間違いないね。彼の眼はね音すら観るんだ。生存者がいるんだよ」
 アシェ・ブルゲス(ka3144)が兵士たちの横から、燃え盛る施療院を眺め見るようにしてそう呟いた。
「お前たちは……」
「ハンターです。過去の帝国の作戦にも参加させていただいています」
 Gacrux(ka2726)は帝国防衛参戦章をちらつかせると、燃え盛り今にも崩れそうな施療院を眺め見た。
「ダメだ。伝染病が蔓延している。あんたらも犠牲になるぞ。すぐ下がらせるように言ってくれ」
「犠牲……?」
 犠牲にしたのは、どっちだ?
 Gacruxは三白眼と間もなく届いた無限の声が響くトランシーバーを兵士に向けた。
『無事で良かったっすね。外線、生存者を無事保護したっす。主たる被害もなし。帰投、合流するっす』
「前線ではないとはいえ、共に戦い抜いた人間を弔いもせず荼毘に伏すのはいかがかと思いますがね。そして生存者はちゃんといるようですよ」
「放っておくわけにはいかないんだ。全ては今、生ある者の為に、未来の為にだ! 死んでしまった者は残念だが我々は進まなければならんのだ」
「そうだねぇ。残された者は過去の罪も罰も背負って生きなきゃならない。だけど、僕らはあの施療院からSOSを請けてここに来たんだ。僕らの『背負うモノ』にも気遣ってほしいものだなぁ」
 ヒース・R・ウォーカー(ka0145)は刀を地面に突き立て、その柄頭に手を添えてそう言った。対峙はしないが、それぞれの道があることを示す態度だった。
「生存者と言っても……」
「強い想いをもった人間はそうなくならないよ。ブリュンヒルデ君の横には必ず強い願いをもった人がいるものさ。これは長い付き合いからの経験」
 アシェはにっと微笑みかけると、やおらマギスタッフを構えて兵士達に背を向け、モノトーンの風が渦巻かせた。
「ついでにブリュンヒルデ君は歪虚陣からも嫌われているからね。いつかこういうこともあるんじゃないかなぁと思ったりしてたんだよ」
「やれ、お早い登場だ。さぁ、役目を果たそうか。お互いに」
 鞘からゆらりと剣を抜き出しながらヒースはそう言った。しかし、兵士達はそれほど冷静に判断できるほど内情を知らない。真後ろからやってくる火影の黄金を身に移す存在に、思わず狼狽える。
「ブリュンヒルデの増援か……くそ。歪虚が二体なんて反則じゃないか」
「さぁ、どういう意図かわかりかねますが、留めねばならぬ相手であることは間違いなさそうですね」
 Gacruxの目を黒が覆い隠したかと思うと、鮮やかな青が浮かぶ。
 視線の先には、ゆらりと歩く影。豊かな金髪は豊穣の印。そこから覗く手足は死蝋化した青の肌と腐臭。そして辺境特有の織物には死と再生の流転を司る三つ巴の印。そしてトネリコの槍と弓をそれぞれの手に持つ姿は特徴的だった。
 その姿を見て、兵士の一人が恐慌の叫びをあげた。
「豊穣の巫女スィアリだ!!」
「河砂は流レ只一時も留まラヌ。生まれれば後は死スのミ。万物の理は是生滅にアリ。 生命 還流セヨ」
 手にしていた槍を大地に突き立てると、負の風が渦巻いた。
 アシェが瞬間的にアースウォールで彼此を隔てたが、足元から生命の奪い手は襲い掛かって来た。
 三半規管が揺らいで視界がグラグラと揺れ、胸を脈打つ熱い血が途端に冷えて、手足がしびれるような感覚に苛まされる。
「ぐ……」
 脚のバネが言うことを聞かない。近寄られるのを阻止する一撃を狙ったヒースだが、そのチャンスは残酷にも目の前を通り過ぎていく。
「世の全テ 一切泡沫。それに囚わルルは 狂気ナリ。一切空しきと知レ」
「みんな一生懸命、生きているんだ。ここにいる皆も、あの子も。その命の輝きが狂気といわれようとも」
 アシェは氷の結晶を次々とスタッフを振りかざした軌跡に生み出し、スィアリに叩きつけていく。それは施療院の炎に照らされ七色に輝く。
「この世が空しさに満ちているというなら、僕は彩る。この世界はどんなにも美しいから」
 氷の華が次々と咲き乱れ、スィアリを埋め尽くして足を止めさせたが、スィアリは槍を地面に突き刺して耐えしのぐ。
「戦ってください。あれを止められなければ、私達も貴方たちの願いも、文字通り水泡に帰してしまいます。あれは私達の夢を根底から覆す、絶望の塊ですよ」
 Gacruxはソウルトーチを胸に灯して、立ち上がり兵士達に呼びかけ、トランシーバーの会話を聞かせる。ちょうどシガレットの言葉が届き、兵隊たちは少し迷ったが、すぐさま施療院に背を向けて刃を抜き放った。
「そうだ、な。総員。攻撃目標スィアリ。帝国の威信にかけて仕留めるぞ!」
 マテリアルを奪われおぼつかない足元の兵士だったが、Gacruxの声にしっかりと応じてスィアリに飛びかかっていく。彼の意図は通じてくれたようだ。
 防御態勢を取っているとはいえスィアリはまるで魔法に押し留められても顔色一つ変えない。何よりも弓に手をかける様子から見ると、単に防御をしているだけとは思えない。キリキリと弦引く音が耳によぎる。
 その瞬間、Gacruxはバイオリンの奏でる音がフラッシュバックした。
 音というものは人生だ。その一つにも全てがこもっているんだ。
 あの弓の輝きは……そうだ。人の命そのものだ。自分のではなく、彼女が刈り集めたマテリアルの。
「天譴の雨に 打ちひしがれヨ」
 瞬間にヒースがそうはさせまいとスィアリの腕を跳ね上げたが、星の瞬きのような輝きが真上に軌道をずらされて空に向かって放たれた。
 結果、輝く雨が真下に向かって降り落ちる。
 胸が、腹が、腕が、頭が、耳が、足が、腰が。
 光の雨に次々貫かれていく。辺りは炎も夜闇も失うほどの光に包まれ意識が吹き消される。アシェの作った氷を砕き、彼の七色の輝きすら白く埋めつくしていく。銃や魔法を準備していた兵士達はそのまま空を見仰いで顔面を貫かれた。
 遠くから黒い祈りの声が聞こえる、光よ。我輩から奪わないでほしいのな、というそんな声が。
「怨嗟よ。響け。審判を恐れるなっ!!!」
 Gacruxは黒い祈りに包まれて立ち上がると、巨大な戦斧を空に向かって放つと、大地から骸骨が湧き上がると光の雨を飲み込まんとするように駆けのぼっていく。
 そして同時に、その闇を渦巻く悪風に真っ赤な蝙蝠が飛び交う。
「その程度でやられると思うな。人の夢はそんなに惰弱じゃないだから、ねぇ!」
「狂言にも等しキ」
 光の雨の勢いが弱まった瞬間、ヒースは赤黒いオーラを翼として一気に空をかけて、刀を奔らせた。
「狂っている、間違っているというなら、そう言えばいいさぁ。だが、その罪も、罰も、人の想いも、全部背負って生きているんだ。狂おしいまでの想いにお前などに、やられはしない」
 力の奔流のぶつかりあいが、激しく交錯する。


 救助班が来た道を戻り、施療院の入り口に捨て置いた各人のバイクが見えた。
「もう少しだっ」
 ニレがルーフィを抱えて広がる空間に飛び出した瞬間。
 巨大な赤い塊がニレの身体をかすめ、横で崩れた壁に叩きつけられた。
「!」
 ずるり、と崩れ落ちる塊はヒースだった。血塗れになり、愛用の黒のコートも赤に染まっていた。
「わお、ウォーカーさんがそんな姿って……割と見たくなかったな」
「どんなのなら見たいんだぁ?」
 真水が引きつった顔をしつつも助け起こすと、ヒースはべっとりと濡れた髪から覗く瞳を前に向けたまま問いかける。
「そりゃあ……ぱじゃま姿」
「それ、前にオレが提案した奴だろ。それよりあいつに気を付けろ……」
 うそぶく真水に応えず見据える視線の先にいるのは、一人の女。
 ブリュンヒルデとは比べ物にならないほどの濃密な負のマテリアルを纏うそれは、みじろぎすらしなくなった兵士の頭を掴んで立っていた。
 その頭を柘榴のように握りつぶすとその手は土気色だが、血を浴びた部分から、死人から病人のように遡り、少しずつ血色を取り戻している。
「煩弱」
「こりゃあエゲつねェ……いや、歪虚にそういうのを聞くのは野暮だなァ。これが本当の歪虚だな。全部を喰らい呑み、絶望を振りまくんだよなァ。相変わらずヘドがでるぜェ」
 血と泥に塗れた世界に佇むスィアリにシガレットの世界は少しずつ逆流していく。まだ今日までのようにぶれない性格ではなかった頃の話だ。ひたすら歪虚を憎んで、がむしゃらに突き進んでいた頃の話。いや、それよりもまだ昔の、無力だったころの自分がチラチラと覗く。
「命はまた生まれル。そして大海大地の恩を忘レ 刹那の夢ニ惑乱セシ 毒をふりまくゾ」
「生きてなにが悪ぃですかい。みんな生きるために、もっと喜び合うためにいるんでさぁ! その為に学ぶし、その為に話し合うんじゃねぇんですか!!」
 鬼百合がたまらず叫んだ。
 スィアリの言いたい事はほとんどわからない。だが、生きていること、ルーフィやブリュンヒルデが命を賭けて今日まで来たことを、欠片として認めていないのは直感で理解していた。
「そうっすよね……自然の使者みたいな顔して言ってくれてるっすけど、生きて生きて、泥臭いくらいにカッコ悪いところみせてそれでも何かをしようとするのが人間なんすよ」
 そんな鬼百合の頭を軽く撫でて、無限が話した。
 生きるか死ぬかみたいな綱渡りを続けるクリームヒルトやLH044の惨劇を体を張って止めたアニタのことや。自分たちのそれぞれに出会った人々のことが無限の頭をよぎる。全員が生きたいと願っているのだ。
 こんなヴォイドごときに、否定されて黙っていられるほど無限はクールではなかった。
「とは言えね。勝ち目はなさそうだからさっさと撤退しよう。シガレットは回復。無限は回復した人間の回収」
「おゥ」
 真水にそう囁かれて、シガレットと同様に頷いた無限は止めてあった自分のバイクをちらりと確認した。
「弱小か、どうか。人間の強さってのを……見せてやるっすよ!!」
 無限はそう言い終わると同時に真横に飛んでバイクに飛び乗り、車体を振るようにして動かしながらエンジンをふかせる。
 それをスィアリが見逃すはずもない。即座に振り向き弓が引き絞られた瞬間を狙ってその顔に雷迅が迸った。
「世界の四大の一たる風よ。速やかに集まりて敵を撃てっ」
 鬼百合だった。同時にシガレットが逆方向から回り込み、宝剣を振りかざしてヒールを放つ。
「漣に等しキ」
「大地よ起き上がっておくれ……! 命を芽吹かせよっ」
 ぼそりとスィアリが呟くと番えた矢は鬼百合に放たれたが奇妙なうねりを持って立ち上がった土壁がそれを防ぐ。
「生きるとは何か。人は、心は、どこに向かうのか。ブリュンヒルデ君の持ってくる話はとても興味深かった。そもそも死んで消えるだけの存在ならそんな風にも思わないさ」
「貪欲」
 ヒールをもらったアシェがアースウォールを次々とうち立て視界を防ぐが、スィアリは軽く跳躍すると、アシェに向かう。
「守レ 女神ノ騎士ヲ 音観ル瞳ヲ 不空の彩り手ヲ」
 がしゃあああっ。
 潰れたのはガシャドクロの骨だった。一撃でバラバラにするほどの威力ではあったが、巨大な骸骨が吼えると骨片はガタガタと震え出し、ガシャドクロに吸い込まれていく。
「ガシャドクロ……」
「ルーフィ様の願い、南條様の夢は全員を守ることです。皆様。お願いしますっ」
 ブリュンヒルデの号令と共に無数の亡霊がガシャドクロにより集まる。巨大な一体の骸ではなく、ブリュンヒルデの取り巻くすべての亡霊の結集なのだ。その数の力はスィアリを覆いかぶさり、真正面からその力を受け止める。
 その骨片と土壁の破片に巻き込まれるその隙を縫って、血塗れの蝙蝠がはばたいたかと思うと背後にヒースの姿が現れ、スィアリの胸を貫いた。
「血濡れの蝙蝠……拘泥すルか」
「そんな当たり前のことは聴かないでほしいねぇ。まだ虚無に至るわけにはいかないんだ……背負ったものがあるからねぇ」
 スィアリの反撃に対して、残ったのはそんな言葉とマテリアルの残照たる蝙蝠だけだった。
「あんま無茶すんなよ。傷は塞がり切ってねェんだ」
 無尽の蝙蝠を身にまとうヒースにシガレットは叫ぶと続いて、Gacruxにヒールを飛ばす。
「このまま撤退するぜェ」
 Gacruxは斧を杖にして立ち上がりもう一度構えると、スィアリを見た。
 多数の仲間の猛攻と妨害を受けつつも、槍の一閃で間合いを取ると再び弓を構えた。
「そう何度も……」
 人の命を刈り取る悪魔に向かって走った。
 無常なんてものは山ほど見てきた。心がくたびれるほど見てきた。それでも、それでも。
「させてたまるものかっ。怨嗟よ。吼えたてろっ!!」
 弓引く手に向かって巨大なシャレコウベが襲い掛かり、完全にスィアリを覆い尽くすと同時に真水も自らが真っ先に飛び出した。
「腐毒を濃縮した闇。身体に今まで吸い込んだマテリアルを命に変換してるんだろうね。死なないはずだ。本当に悪夢そのものだ。」
 両腕にはめ込んだ鏡から炎を噴射させて、大ばさみのようにして真水は襲い掛かった。ほんのわずか押しとどめればバイクに乗った仲間達を追いかけることは不可能だ。
 リフレアで一気に飛び越えて真水は電撃を身にまといながら腕を大きく振り上げた。
「その長い髪、軽く散髪してあげるよっ!!!!」
 あの髪は豊かさの象徴。死体たる本体につながり、マテリアルを供給するタンクでありパイプだ。こいつを焼ききって、力を弱められたなら攻勢防御で一撃と引き換えに相手を完全に足止めできる。
 はずだった。
「……?」
 視界がねじれた。歪んで、回って。猛烈な乗り物酔いをしたような気持ち悪さに機導術も維持できなくなり、地面に転がった。
「生命還流!?」
 遠くから無限の声が聞こえるが、三半規管の狂った世界はまともに起き上がれすらしない。
 感じるのは頬に触れるスィアリの豊かな金髪と、その奥から見える夢も見ない漆黒の瞳。
「いつモーションに入ってた……?」
 スィアリはそれに応えず、そのまま真水の頭を掴んでずるりと持ち上げた。激痛すら冷たさに変わっていく。
 死ぬ。
 真水はスィアリの瞳を見てそれ以外感じられなくなった。静かな瞳はブリュンヒルデとよく似ていた。だが、その視線にあてられ溢れるような感情が想起するかと言えば全く違った。死ぬことすらも受け入れてしまいそうな穏やかさに支配されてしまう。
 契約のチェシャの叫びから遠くに聞こえる。胸をたぎらせる感情がことごとく失われていく。
 夢が真闇に……。

 揺れているはずの目の前にブリュンヒルデの顔がふっと浮かぶ。
「ねぇ、ブリュンヒルデ。そういえば君の夢はなんだい? 本当に叶えたいこと……」
 そんな真水の問いかけに、ブリュンヒルデは微笑んで唇を開いた。

「させねぇぇっす!!!!」
 強烈な衝撃と共に、気が付けば真水は抱きかかえられ、やかましいエンジン音が現実へと呼び戻す。
 無限がバイクを走らせていた、ような気がする。真水の視界はいつもの不透明な眼鏡に覆われていた。
 そして大きくハンドルを切って捻じると、スィアリにその車体を思いっきり叩きつけた。
「おかげで仲間の撤退はほとんど完了っすよ。後はヒースやアシェや鬼百合君に任せるっす!!」
「撤退ラインから戻って来たの? 昔読んだ光の剣クラウソラスみたいだね。果てにありても輝きは一瞬で山を越え、あらゆる盾を破りて討ち倒すって」
「それくらい距離とらないと近づけないっすよ……スィアリの攻撃はとんでもねぇっすからね。あいつ、ガシャドクロですら『食べた』っすよ」
 そのまま地面に着地すると、無限は真水を抱えながら、そのままバイクを巧みに操り黄金の大地、生命還流のエリアの脱出を図る。そんな中、真水はペンダントを握りしめて背後を見やった。
 スィアリはその背中に向けて弓をつがえていた。その姿はいつの間にかゾンビと呼ぶにはほど遠い美しい人間そのものに変わっていた。美しい命を重ねた華厳の花束のようにもみえる。
「…… ……そうか。夢はまだ終わらないんだね」
「天譴の雨に 打ちひしがれよ」
 光の矢が無限の背を飛び越え、遠く離れた仲間すらも襲った。
 光り輝く空をハンターは見上げるばかりで、防ぎようもなかった。それはまさしく天罰の洗礼に等しい雨だった。
「伏せろォ!!!!」
 悲劇を続けてはならない。そんな声に呼び覚まされてシガレットはいち早く、兵士が乗ってきたのであろう車両の影を見つけると仲間を押し込み、その背で光の雨を一身に見に受けた。
「シガレット!!」
 ニレが見上げる中、シガレットの背には九芒が光り輝いていた。
「こンぐらい、どうってことねェ……へへ、想いは生きるってなァ、本当だな」
 シガレットはシニカルな笑みを浮かべて片膝をつき、遠く離れた自分の仲間に感謝をした。
 矢はまた無限の道行く手を悉く襲っていた。
 が、矢は弾けて花弁のように舞い散った。同時に無限の行くべき先を示すように、光の花弁は次々と大地から放たれて道を作る。
 強く、優しい、光の加護が無限の道を照らす。それはスィアリの矢の軌道を避ける道筋を教えてくれているようだった。
「今のは……」
「おう、夢を忘れた木偶人形。なんもかんも壊させないさ。生きてるものの願いってもの、しっかり焼き付けな」
 光の花弁は色を取り戻すとまるで壁のようにしてスィアリとの間を阻んだ。
 ニレが桜縛符を次々と放ち、それに応じて桜の花ふぶきが焼けた空気の中を満たして、無限の行跡をかき消していく。


「姉さん? 姉さん、どこですかい」
 随分と離れて、歪虚の気配も完全になくなって一息ついたところで鬼百合ははっとした。
 ブリュンヒルデがいなかった。傷だらけの仲間と数名の兵士は横で息も絶え絶えにへたり込み、そして決死の想いで助けたルーフィはニレの下にいる。
 だが、ブリュンヒルデがいない。いつからいなくなったのか。それすらわからなかった。ずっと傍にいたような気がしたのに。
「最後の最後で、血まみれの道化にも、人は救えるもんだと証明されちゃったねぇ……」
「嘘……嘘でさ」
 まだ話していないこといっぱいある。白澤って言われてから勉強をし始めた事とか、目指す道のこととかいっぱいある。
 そんな時に、とくん、と鬼百合の胸の中で血が流れる音が感じた。
 ブリュンヒルデの死んだことを伝える気持ちが、とくとく、とくとく流れる。何故だろう。言い訳したいのに涙がとまらない。
 胸の内に流れる温かさが教えてくれるのだ。今しばしの別れを。そして姿を無くしても、常に寄り添ってくれているということを。
「それでも、これだけ……助かることができたのです。彼女の言う『夢』 はつむがれたと思いますよ」
 Gacruxはルーフィや数人だけの兵士を見やって呟いた。ことさらルーフィは呆然自失としたまま、小さくなった施療院を眺めているばかりだった。
「ルーフィ。あんたの胸には山ほど死んだ奴が眠ってる。でも間違えないようにな。そいつらはあんたを死に引きずり込むためにそこにいるんじゃない」
「でも、結局私のせいで。私はなにも……できなかった」
「あんたはずっと一人、終わりのない永劫の夢を、自分で作った幻を見てきたんだ。見送った奴らの気持ち、考えるんだ」
 その言葉にルーフィは答えられないのは十分、ニレは知っていたがあえて言葉をつないだ。
「生きるのさ。そして自分みたいな死に方しないようにもっとたくさんの人間を助けるんだよ。心がうずくかもしれない。夜中に悪夢で目が覚めるかもしれない。それでも……夢を託してくれた人達のこと、放っちゃなんないよ。この世界はね。ずっと想いを受け継いでみんな生きているんだ。子は先祖の、弟子は師の。全部があんたの胸で生きているんだよ」
 ルーフィの胸を軽く拳で小突くと、ニレの前で彼女は頷いた。
「……はい……」
「さぁ、そんなに悲しい顔しないで。生きるということは笑顔から始まるんだから。……それが手向けってもんだよ」
 アシェは、鬼百合とルーフィの二人の肩を軽く叩いて微笑んだ。

 この世界に流れるのは熱き夢。夢と夢がぶつかり合い、傷つけあうこともある。
 それでも他人を想う心は失われず、この世界を作り続ける。
 
 ブリュンヒルデの幻は消え失せた。
 だけど彼女は、あなたの傍にいる。

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参加者一覧

  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • スピードスター
    無限 馨(ka0544
    人間(蒼)|22才|男性|疾影士
  • ヒースの黒猫
    南條 真水(ka2377
    人間(蒼)|22才|女性|機導師
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 紫煙の守護翼
    シガレット=ウナギパイ(ka2884
    人間(紅)|32才|男性|聖導士
  • 不空の彩り手
    アシェ・ブルゲス(ka3144
    エルフ|19才|男性|魔術師
  • 瑞鬼「白澤」
    鬼百合(ka3667
    エルフ|12才|男性|魔術師
  • 豪放なる慈鬼
    文挟 ニレ(ka5696
    鬼|23才|女性|符術師

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アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/03/08 00:18:02
アイコン 【相談卓】愛に時間を
文挟 ニレ(ka5696
鬼|23才|女性|符術師(カードマスター)
最終発言
2016/03/12 06:22:11