ゲスト
(ka0000)
【龍奏】巨竜迎撃戦
マスター:WTRPGマスター

- シナリオ形態
- グランド
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV20~LV99
- 参加人数
- 1~50人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/31 19:00
- 完成日
- 2016/04/13 18:41
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
カム・ラディ遺跡に押し寄せる強欲の数は人類軍を圧倒していた。
陸路での進軍経路を未だ確保しきれていない人類軍がカム・ラディへ戦力を送り込むには転移門に頼るしかない。
故にこの戦いはハンターを始めとした覚醒者たちが要なのだ。
「撃て撃て! 一匹でも多くここで食い止めるんだ!」
上空を飛行する小型のワイバーン達を銃、弓、魔法で迎撃するハンター達。そこへ地上を走るリザードマンが突っ込んでくる。
「ったく、いくら倒してもキリがねぇ……! 司祭殿は下がってろ!」
野蛮に見えても彼らはグラズヘイム王国有力貴族の私兵団。この乱戦の中でも護衛対象を見捨てたりはしない。
「団長さん、傷が……! い、今癒やします!」
イコニア・カーナボン(kz0040)のヒールを受けながら男は歯噛みする。
「前線の部隊を突破してきたにしては敵の数が多すぎる……司祭殿、ここはもう危険だ! 引き返すぞ!」
「だ、だめです! イニシャライザーを設置し、この地を守る事……それが私の使命です! 団長さんこそ引き返してくださいっ!」
「それができるならもうやってるんですがねぇ!」
その時だ。小さな地鳴りが彼らの足を伝ったのは。
それはやがて大きくなり、うねりとなって大地に響き渡る。
「やっぱりか……」
結晶樹林を踏み砕きながら迫る巨大な影。ニ体の超大型竜種がまっすぐにこちらへ向かってくる。
「嫌でもよぉく見えちまうぜ」
「前線の方々は……」
「残念だが……あの様子じゃな」
唇を噛み締め、強くメイスを握りしめるイコニア。それでも、だからこそここを離れるわけにはいかない。
聖堂教会の代表の一人として。例え無力でも、今の自分にできることを精一杯成し遂げなければならない。
そう覚悟を決めた時だ。突如護衛の男に抱えられ、イコニアの身体は空を舞った。
上空から真っ直ぐに落下してきた人影。それは二本の足で大地を踏みしめ、光の翼を広げる。
「これは……龍の力を使った結界か。何故だ? 何故そのような姿になってまでヒトに加担する……?」
「あ、あなたは……ふぁあああああっ!?」
悪竜は掌に集めた光を投擲し、イニシャライザーを爆破してしまった。その衝撃にイコニアも後方に三回ほど地べたを転がる。
「くそっ、強欲の上位眷属か!?」
「袂を分かったとは言え、元は同族。その生命を使い潰す貴様らを見過ごすわけにはいかんな」
再び掌に光を集める強欲。男がイコニアを庇った直後、上空より無数の魔法が降り注いだ。
青い鱗のワイバーンが数体、カム・ラディより飛来したのだ。その背から飛び降りたハンター達を前に悪竜は睨みを効かせる。
「大丈夫ですか!?」
「は、はいぃ……ま、まだまだ元気です!」
震え拳を握り締め虚勢を張るイコニア。篠原 神薙(kz0001)はデルタレイを放つが、悪竜は光の翼でこれを弾き飛ばす。
「アレは強欲の上位眷属、ザッハークだ。生半可な攻撃は通用しないよ、少年」
青竜の背に留まったままのアズラエルの言葉に神薙は剣を構えながら頷く。
「ここまで俺達を運んでくれてありがとうございます。後は任せて下さい」
「うん? この僕に礼を言うのかい? 変わっているね、君は」
「力を貸してもらったのは事実ですから」
アズラエルは眼鏡のブリッジを持ち上げ、小さく笑みを作る。
「勘違いしないことだね。僕はただ青龍様の命令に従っているだけだ。だが……もしも運命がそれを許すのなら。生き延びたまえよ、人類諸君」
青龍のワイバーン達が飛び去っていく。その姿にザッハークは怒りを露わにする。
「つくづく解せぬな、青龍の眷属は……“世界”の奴隷どもめ。その末路を知らぬわけではあるまいに!」
「あんたにも多分、戦う理由や意味があるんだと思う。だけどやっぱり、ここで負けてやるわけにはいかないんだ」
リグ・サンガマでの戦いの始まりは決して“今”ではない。
西方での戦い、東方との和解。北伐作戦を経てここまで辿り着いたのだ。
辛いことも苦しいことも沢山あった。それでもくじけずに前に進むことを選んだのは、誰かの為なんかじゃない。
「信じてもらう為に……俺達の“今”を伝える為に。俺は俺の為に戦うんだ。“世界”の為なんかじゃない!」
これまで倒れて行った多くの仲間達が――。
「間違いなんかじゃなかったって、証明してみせる!」
「奪うばかりで与えることを知らぬ種族が! 今更何を!」
ザッハークは大きくのけぞり、その口に光を収束させていく。
放たれたドラゴンブレスはまばゆい一条の閃光となりハンター達を襲う。その力は十三魔にも劣らない。
『ザッハーク様ー!』
低空飛行をしてきたその竜は空中で丸くなるとゴロリと回転するようにして着地と制動を済ませる。
「メチタか。今まで何をしていた?」
『やだなー。最強は遅れてやってくるのがかっこいいんじゃないですかー。それよりずるいですよザッハーク様。ぜーんぶ一人で食べちゃうつもりですか?』
メチタと呼ばれた竜は身構えるハンター達を品定めするように眺め。
『こいつらとは前にちょ~っとあって……あ、負けたわけじゃないですよ? 戦略的撤退です。見逃してあげたんです。だけど今日のわたしはお腹もぺこぺこで、なかなかに凶暴ですよ!』
「気を抜くなよ、メチタ。敵も猛者が集まっている」
『心配ご無用です! ここはわたしに任せて、ザッハーク様はグランドワームを援護してください! あいつらわたしと違って図体でかいだけのノロマですからー』
ふふんと鼻を鳴らすメチタ。ザッハークは頷き返すと光の翼を広げ、巨大な竜種へと向かっていく。
「あの超大型竜種、このままじゃカム・ラディ遺跡に向かってしまいます!」
「くそ、止めなきゃ!」
『おーっとー? このわたしを無視して行けるだなんて思わないでくださいよー。強欲最強の竜、このメチタが相手です!』
立ちはだかるメチタに歯噛みする神薙。イコニアはその前に立ち。
「この丸っこいドラゴンさんは私達でなんとかします! あなたは向こうの敵を追って下さい!」
「……すみません、お願いします!」
走り去る神薙達を振り返らずイコニアは震える息を吐き出す。
目の前の丸っこい竜は言動はこれでも強い力を感じる。決して容易な相手ではないだろう。
「それでも……私は司祭ですからっ!」
『おやおやー? そこはかとなく似てる気がしますね、わたし達ってば。最強は一人だけで十分なんですよー?』
「エクラ……ばんっざいっ!」
雪原を走る神薙とハンター達。移動する巨大竜を背にザッハークは振り返る。
「愚かな……追ってこなければ死ぬ事もなかったろうに!」
「あんた達を止める! カム・ラディには……皆の所へは行かせない!」
「その小さな身体で何を守る? 見せてみろ……ニンゲンッ!!」
陸路での進軍経路を未だ確保しきれていない人類軍がカム・ラディへ戦力を送り込むには転移門に頼るしかない。
故にこの戦いはハンターを始めとした覚醒者たちが要なのだ。
「撃て撃て! 一匹でも多くここで食い止めるんだ!」
上空を飛行する小型のワイバーン達を銃、弓、魔法で迎撃するハンター達。そこへ地上を走るリザードマンが突っ込んでくる。
「ったく、いくら倒してもキリがねぇ……! 司祭殿は下がってろ!」
野蛮に見えても彼らはグラズヘイム王国有力貴族の私兵団。この乱戦の中でも護衛対象を見捨てたりはしない。
「団長さん、傷が……! い、今癒やします!」
イコニア・カーナボン(kz0040)のヒールを受けながら男は歯噛みする。
「前線の部隊を突破してきたにしては敵の数が多すぎる……司祭殿、ここはもう危険だ! 引き返すぞ!」
「だ、だめです! イニシャライザーを設置し、この地を守る事……それが私の使命です! 団長さんこそ引き返してくださいっ!」
「それができるならもうやってるんですがねぇ!」
その時だ。小さな地鳴りが彼らの足を伝ったのは。
それはやがて大きくなり、うねりとなって大地に響き渡る。
「やっぱりか……」
結晶樹林を踏み砕きながら迫る巨大な影。ニ体の超大型竜種がまっすぐにこちらへ向かってくる。
「嫌でもよぉく見えちまうぜ」
「前線の方々は……」
「残念だが……あの様子じゃな」
唇を噛み締め、強くメイスを握りしめるイコニア。それでも、だからこそここを離れるわけにはいかない。
聖堂教会の代表の一人として。例え無力でも、今の自分にできることを精一杯成し遂げなければならない。
そう覚悟を決めた時だ。突如護衛の男に抱えられ、イコニアの身体は空を舞った。
上空から真っ直ぐに落下してきた人影。それは二本の足で大地を踏みしめ、光の翼を広げる。
「これは……龍の力を使った結界か。何故だ? 何故そのような姿になってまでヒトに加担する……?」
「あ、あなたは……ふぁあああああっ!?」
悪竜は掌に集めた光を投擲し、イニシャライザーを爆破してしまった。その衝撃にイコニアも後方に三回ほど地べたを転がる。
「くそっ、強欲の上位眷属か!?」
「袂を分かったとは言え、元は同族。その生命を使い潰す貴様らを見過ごすわけにはいかんな」
再び掌に光を集める強欲。男がイコニアを庇った直後、上空より無数の魔法が降り注いだ。
青い鱗のワイバーンが数体、カム・ラディより飛来したのだ。その背から飛び降りたハンター達を前に悪竜は睨みを効かせる。
「大丈夫ですか!?」
「は、はいぃ……ま、まだまだ元気です!」
震え拳を握り締め虚勢を張るイコニア。篠原 神薙(kz0001)はデルタレイを放つが、悪竜は光の翼でこれを弾き飛ばす。
「アレは強欲の上位眷属、ザッハークだ。生半可な攻撃は通用しないよ、少年」
青竜の背に留まったままのアズラエルの言葉に神薙は剣を構えながら頷く。
「ここまで俺達を運んでくれてありがとうございます。後は任せて下さい」
「うん? この僕に礼を言うのかい? 変わっているね、君は」
「力を貸してもらったのは事実ですから」
アズラエルは眼鏡のブリッジを持ち上げ、小さく笑みを作る。
「勘違いしないことだね。僕はただ青龍様の命令に従っているだけだ。だが……もしも運命がそれを許すのなら。生き延びたまえよ、人類諸君」
青龍のワイバーン達が飛び去っていく。その姿にザッハークは怒りを露わにする。
「つくづく解せぬな、青龍の眷属は……“世界”の奴隷どもめ。その末路を知らぬわけではあるまいに!」
「あんたにも多分、戦う理由や意味があるんだと思う。だけどやっぱり、ここで負けてやるわけにはいかないんだ」
リグ・サンガマでの戦いの始まりは決して“今”ではない。
西方での戦い、東方との和解。北伐作戦を経てここまで辿り着いたのだ。
辛いことも苦しいことも沢山あった。それでもくじけずに前に進むことを選んだのは、誰かの為なんかじゃない。
「信じてもらう為に……俺達の“今”を伝える為に。俺は俺の為に戦うんだ。“世界”の為なんかじゃない!」
これまで倒れて行った多くの仲間達が――。
「間違いなんかじゃなかったって、証明してみせる!」
「奪うばかりで与えることを知らぬ種族が! 今更何を!」
ザッハークは大きくのけぞり、その口に光を収束させていく。
放たれたドラゴンブレスはまばゆい一条の閃光となりハンター達を襲う。その力は十三魔にも劣らない。
『ザッハーク様ー!』
低空飛行をしてきたその竜は空中で丸くなるとゴロリと回転するようにして着地と制動を済ませる。
「メチタか。今まで何をしていた?」
『やだなー。最強は遅れてやってくるのがかっこいいんじゃないですかー。それよりずるいですよザッハーク様。ぜーんぶ一人で食べちゃうつもりですか?』
メチタと呼ばれた竜は身構えるハンター達を品定めするように眺め。
『こいつらとは前にちょ~っとあって……あ、負けたわけじゃないですよ? 戦略的撤退です。見逃してあげたんです。だけど今日のわたしはお腹もぺこぺこで、なかなかに凶暴ですよ!』
「気を抜くなよ、メチタ。敵も猛者が集まっている」
『心配ご無用です! ここはわたしに任せて、ザッハーク様はグランドワームを援護してください! あいつらわたしと違って図体でかいだけのノロマですからー』
ふふんと鼻を鳴らすメチタ。ザッハークは頷き返すと光の翼を広げ、巨大な竜種へと向かっていく。
「あの超大型竜種、このままじゃカム・ラディ遺跡に向かってしまいます!」
「くそ、止めなきゃ!」
『おーっとー? このわたしを無視して行けるだなんて思わないでくださいよー。強欲最強の竜、このメチタが相手です!』
立ちはだかるメチタに歯噛みする神薙。イコニアはその前に立ち。
「この丸っこいドラゴンさんは私達でなんとかします! あなたは向こうの敵を追って下さい!」
「……すみません、お願いします!」
走り去る神薙達を振り返らずイコニアは震える息を吐き出す。
目の前の丸っこい竜は言動はこれでも強い力を感じる。決して容易な相手ではないだろう。
「それでも……私は司祭ですからっ!」
『おやおやー? そこはかとなく似てる気がしますね、わたし達ってば。最強は一人だけで十分なんですよー?』
「エクラ……ばんっざいっ!」
雪原を走る神薙とハンター達。移動する巨大竜を背にザッハークは振り返る。
「愚かな……追ってこなければ死ぬ事もなかったろうに!」
「あんた達を止める! カム・ラディには……皆の所へは行かせない!」
「その小さな身体で何を守る? 見せてみろ……ニンゲンッ!!」
リプレイ本文
該当リプレイは以下のURLの特設ページで公開されております。
http://www.wtrpg10.com/event/bt010/opening
http://www.wtrpg10.com/event/bt010/opening
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
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重体一覧
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鬼塚 陸(ka0038) - 魂の反逆
ウィンス・デイランダール(ka0039) - 「ししょー」
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柊 真司(ka0705) - 無明に咲きし熾火
マッシュ・アクラシス(ka0771) - 不屈の鬼神
白神 霧華(ka0915) - 未来を示す羅針儀
ジャック・エルギン(ka1522) - 青炎と銀氷の魔術師
リンカ・エルネージュ(ka1840) - 黒猫とパイルバンカー
葛音 水月(ka1895) - 猫の守り神
カナタ・ハテナ(ka2130) - 大工房
ソフィア =リリィホルム(ka2383) - 巡るスズラン
リュー・グランフェスト(ka2419) - ツィスカの星
アウレール・V・ブラオラント(ka2531) - いつか、が来るなら
イブリス・アリア(ka3359) - ゾファル怠極拳
ゾファル・G・初火(ka4407) - 友と、龍と、翔る
グリムバルド・グリーンウッド(ka4409) - 背徳の馨香
ブラウ(ka4809)
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問宅 フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/03/30 10:59:52 |
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選択肢分担用 フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/03/31 17:11:27 |
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2:グランドワーム撃退B相談用 フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/03/31 13:07:14 |
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1:グランドワーム撃退A相談用 フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/03/31 18:34:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/03/31 17:13:14 |