【機創】智者は知らざる術を求む

マスター:植田誠

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/04/20 12:00
完成日
2016/05/04 01:48

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 白衣を着た男が2人、息を切らせて走ってきた。
 その服装から帝都の錬金術師組合本部に所属していた組合員たちであることが分かる。だが、それは表の顔だ。その裏の顔は、とある組織に所属する構成員だ。昨今組合における内部調査が本格化してきており、先んじて逃亡してきていたのだ。
 これには、彼らが逃げ出したという事実を以って今なお潜伏している内通者への目を反らす目的もあるのだが……とにかく今は自分たちのことだ。
 やがて、合流地点にたどり着いた2人。手入れするものも無く伸びきった草が生い茂るその場所に、同じように白衣を着た少年が立っていた。
「来た来た。待ってましたよ」
 にこやかに手を振る少年。その素振りは実に子供らしいものに見えたが、これでも年齢的には成人しているのだから驚きだ。
 2人はやっと逃げ切れたと安心した表情を浮かべる。
「潜入お疲れ様でした。で、あれは? 早く見せてくださいよ早く」
 急かすように手を差し出す少年。やれやれと言った素振りを見せながらも、1人の男が手に持つ鞄を差し出す。
「お~。これの中にデータが入ってるんですね?」
 中にはいくつかの魔導機械。見る人が見れば分かることだが、これはクロウが新しい機導術を試用するために用意していたデバイスだ。これを魔導機械に接続すればすぐに新しい機導術が使用できる。
「これでまた色々研究できるなぁ。楽しみ楽しみ……」
「そ、それで……これからどうするんだ?」
「そうだ。てっきりトラックでも用意してるのかと思ったが……」
 ワクワクした表情を浮かべる少年。それとは裏腹に、2人組は不安そうだ。逃げ出していくところを見られている。もうすぐにでも追手がやってくるかもしれない。
「それなんですけどね……実は一つ頼まれて欲しいことがありまして」
 そう言った次の瞬間、足元から地響きが聞こえた。
「博士が実験用に活きの良い死体が欲しいらしいんですよ」


「……こいつは……」
 組合から逃げた男達を追ってきたクロウ。彼が見たのは、その男達がゾンビに胸を抉られる瞬間だった。
 ゾンビは両手をドリルに改造されており、それで一突きにされたのだろう。恐らく即死だ。
「この人達凡人だからいい死体とは言えないけど、死んだばかりだから活きは良いよね」
 にこやかに笑った少年。その様子を見て激昂しかけたクロウだったが……少年の顔を見てその熱が急に冷めた。
「お、お前……ハルトか?」
「……先輩? クロウ先輩じゃないですか、お久しぶりです!」
 ハルト、と呼ばれた少年はそう言って手を振る。ハルト・ウェーバー……かつて錬金術師組合に所属していた研究員で、将来を嘱望された機導師でもあった。だが、今の組合長リーゼロッテ・クリューガーが正博士になった位に音信が途絶えており、クロウとしてもその行方を捜したりもしていたのだが……
「この間も見てましたよ。あの剣機、なかなかだったでしょ? 僕が改造したんですよ」
 言われて、クロウはその時の事を思い出す。罠であるかのように誘い出された自分と、そこに現れた剣機の事を。
「お前……歪虚に? 何でそんな……」
 言葉に詰まるクロウ。だが、そんなことは気にせずハルトは言う。
「それはあの人に……いや、それはいいか。とにかく、前の僕とは違うんです。見てくださいよ!」
 ハルトはそう言うと手を上げる。すると、草むらの中から1つ、2つ……合わせて8基の機械が浮かぶ。魔導機械に類するその機械は下部に銃のようなものが取り付けられている。言わば浮遊砲台だ。
「ちっ……!」
 ショックを引きずりながらも魔導ガントレットを構え、デルタレイを放つクロウ……だが、浮き上がった光は途中で霧散する。
「発動に失敗しただと!?」
「あはは! こんなこともあろうかと……先輩が良く言ってましたよね。僕の周りでは魔法や機導術は使えませんよ!」
 いらずらが上手くいった子供のように笑い声を上げるハルト。だが、クロウは冷静に状況を分析し……それがはったりだと断じた。
(一瞬だが、デルタレイ発動の兆しは見えた。恐らく発動の成功率を著しく下げる何かがあるってとこか)
 機導師であったハルトなら機導術の発動シークエンスは熟知している。それを何かしらの手段を用いて妨害しているのだろう。
(だが……そうか、あいつは機導術に熟知していて、その知識に基づいて妨害を行っている。とすればもしかして……)
「遅いですよ、先輩!」
 魔導ガントレットを支えたクロウに光が集まる。それと、浮遊砲台からレーザー光による一斉射が行われたのはほぼ同時だった。
「……へぇ、それは知らない機導術ですね。さすが先輩」
 集束した光が晴れた時、そこには無傷のクロウがいた。クロウは薄いマテリアルの光に覆われており、これがレーザーの威力を減じたのだろう。
「こんなこともあろうかと、ってな」
 冷や汗をかきながら、クロウは言った。
 マテリアルアーマー。
 マテリアルの収束技術と、防御障壁にみられる変成技術を応用した機導術だ。防御障壁ではマテリアルを防御壁として展開していたが、この機導術では膜のように展開。それを自身から一定時間放出し続けることで防御力を上昇させる。この際放出するマテリアルは魔導機械による補助で体内に一時的に集束したものを使用する。
 この一連の流れをハルトは知らない。だから、妨害のしようがない。
 ただし、この機導術……代償は小さくない。
(……駄目か)
 クロウは普段から愛用している魔導ガントレットを外す。機能が停止しているようだ。
 これがその代償。この機導術は使用に際し魔導機械へ大きな負荷を強いる。その為発動に際し使用していた魔導機械が使用不能になるのだ。
 これは一時的なもので、簡単な整備を行えばすぐに復旧する。だが、さすがに戦闘の最中に行うのは難しい。
「あ……先輩にもっと今の僕を見て貰いたかったんですけど……時間切れみたいですね」
 ハルトの目線を追うクロウ。その先にはハンターたちの姿が。機導術の試験を手伝ってくれていたハンターたちが応援に駆け付けてくれたのだ。
 援軍に合わせたかのように、2体のゾンビが前進してくる。そして、ハルトの方は下がる。恐らく逃げる算段がついているのだろう。
「それじゃ、今日のところは帰りますね……よっと、重いな……一つでいいや」
 死体を一体抱えたハルトを見ながら、クロウは叫ぶ。それが開戦の合図となった。
「お前ら、デバイスを持って行かせるな! 最悪ぶっ壊しても構わねぇ!!」

リプレイ本文


「ったく、実地試験をするにしても限度があるわ」
「情報をもってかれるわけにはいかんからな」
 共にマテリアルアーマーを使用しながらロベリア・李(ka4206)と対崎 紋次郎(ka1892)は敵の姿を見据える。
 マテリアルアーマーは魔導機械を一時的に使用不能にしてしまうが、防御障壁と違い中長期的に防御力を得られる機導術だ。デバイスが持って行かれるとこの新たな機導術を含む今迄の研究成果や組合の情報が敵対勢力に渡ることになる。
 となれば、やはり見捨ててはおけない。
「機械、に。興味は、ない、けど……取り戻したいん、だね」
 シュメルツ(ka4367)はハンドルを握りながら静かに呟く。それならばやる、と。決意を込めて。
「どうやら奴さん、クロウと縁の深い相手の様だな」
 ゼクス・シュトゥルムフート(ka5529)はライフルを手にそう言った。少なくとも顔見知り以上なのは様子を見ればすぐわかる。
 その今回の敵、ハルト・ウェーバーはやや特殊な能力も持っているようだ。
「機導術の発動を防ぐ……そんなことが可能なんですか」
「というよりも、魔法系統の術に対する発動阻害かしらね」
「ほーん、面白いことしてくれるじゃないの」
 沙織(ka5977)の言葉に答えを返しながらフィルメリア・クリスティア(ka3380)と鵤(ka3319)はマテリアルアーマーを使用。その効果は問題なく発揮しているようだ。この機導術が、クロウが考案したばかりだからか、それとも距離が離れているおかげなのか……そのあたりははっきりしないが。
「あるいは近くに妨害装置みたいなものがあってそれが……って、分からないわね」
 他の仲間が敵に向かっている間、コントラルト(ka4753)は魔法を封じるデバイスのようなものが無いか馬上から探ってみた。が、草が生い茂っておりパッと見では見当たらない。
「まぁそう言うものがあるかも分からないし……とにかくやってみるしかないわね」
 銃を構えながら、コントラルトは討つべき敵の姿を見据えた。


「とにかく、距離を詰めていかないと」
 ハルトとの距離は決して近くはない。近付かなければ接近戦もかなわないし、そうしなければデバイスの奪還もかなわない。
 その点は意見が合致しているようで、共に先行していくシュメルツとフィルメリア。その目的は言うまでも無くハルトへの接近だ。バイクの方が速い分シュメルツがやや先行しているか。
「興味はあるが、まぁお仕事が先かねぇ」
 二人に追従していくのはどこかやる気のない口調の鵤。だが、その動きは真っ当そのもの。盾で砲台からの攻撃をカバーしつつ、利き手はいつでも発砲できるよう銃を構える。
「接近の邪魔をさせないわ」
 共に進むのはロベリアだ。ロベリアは前輪を上げた、いわゆるウィリー状態で接近、このままスピードを乗せゾンビに突撃するつもりのようだ。
 2人はハルトへ向かったフィルメリア、シュメルツを援護するのが目的だ。これにやや遅れて紋次郎、徒歩のゼクス、沙織が続いていく。
「さて、とりあえずは……こうかな」
 どういう原理かは分からないが、ハルトは浮遊砲台を操り攻撃。8基の浮遊砲台から光線が撃ち込まれる。
「っと、そう出るか……!」
 その狙いは前に出ていた4人……の、乗り物の方だ。
 元々砲台を攻撃するつもりだった鵤の銃撃と、砲台からの攻撃はほぼ同時。1基の砲台を破壊することと引き換えに、ロベリアとシュメルツのバイクはホイールを撃ち抜かれ破壊され、鵤、フィルメリアの乗るゴースロンも足を撃たれその場に倒れた。
「修理費はクロウ! あんた持ちだからね!」
 だが、ロベリアは転んでもただでは起きない。そのままバランスを崩し倒れながらスピンするバイクから飛び降り、バイクをゾンビにぶつけた。態勢が崩れるゾンビの片割れ。多少ダメージはあったようだ。
 しかし、ゾンビはすぐに立ち直る。近接戦仕様のようだ。攻撃力や機動力は当然として、耐久性にも優れている。
「まったく、あんまり面倒な仕事を増やさないでもらいたいわね」
 だが、そこに撃ち込まれるのはコントラルトによるデルタレイ。ゾンビとハルトを狙ったものだ。
「うっそ、何それ?」
「あら、この距離は想定外だったかしら」
 驚いた様子のハルト。まさか何の変哲もないデルタレイが、しかもあの位置から襲ってくるとは思ってもみなかった。
「私は弱いから、あんまり得体のしれない敵に近づきたくないのよね」
 距離があるため、コントラルトの言葉が聞こえているかは分からない。だが、聞こえていればきっと「っ……そんだけ強化しといてよく言うよ」とでも言っていただろう。
 ただ、この攻撃によるハルトのダメージはというと、皆無だ。コントラルトの火力が低いというわけではない。むしろ極めて高い部類に入るだろう。
「……血も涙もないって奴か?」
 ゼクスが移動しつつ呟く。ハルトは手に持っていた死体を盾にデルタレイを防いでいた。
「あ~あ、きれいな状態で持っていきたかったんだけどな~」
「イカれてるな……尤も、それは人殺しで飯食ってた俺も変わらないか」
 自嘲気味に言いながら、ゼクスは狙撃可能なポイントへ移動する。草が茂っている為姿を隠すという点ではどこでも大して変りないが、風向きや強さ等も考慮に入れる必要があった。
(あの小僧……必死に逃げる様子が無い……)
 ハルトはコントラルトの攻撃を警戒したのか、後退する。だが、それはちょっと下がる程度の物だ。その様子を見て紋次郎は考える。恐らく、ハルトは何かこちらを殲滅する手段を……あるいは、この場から逃走する手段を用意しているのだろう。
「時間が無いな」
 紋次郎はデルタレイを使って浮遊砲台を攻撃していく。乗っていたのが乗用馬であったため他と比べてやや遅れたのもこの際良い方に働いた。被害は受けておらず、万全の状態での攻撃だ。
 3方に別れた光は砲台3つを同時に攻撃し、その浮力を失わせることに成功する。
「術は……この距離なら使えるでしょうか……」
 沙織は術が使えるようであれば攻性強化と防性強化を使用しての援護を考えていたが……失敗する可能性のある行動を取るよりは、砲台の破壊を優先することに。
「壊します!」
 発砲、着弾。過たず放たれた弾丸により砲台がまた1基機能を停止する。これで残りは3基まで減らせた。


「どうせ、接近したら、降りる、つもりだった……ちょっと、早く、なった、だけ」
 バイクを壊され倒れていたシュメルツは立ち上がる。そこに、コントラルトのデルタレイに耐えたゾンビが襲い掛かる。
「邪魔、しない、で……」
 攻撃を躱しハルトの方へ駆けだそうとするシュメルツ。だが……
「君、ちょっと危ないね」
 そこを砲台に撃ち抜かれる。その動き……機導師とは違う身のこなしを警戒したハルトによる攻撃だ。回避しきれず被弾したシュメルツの背後をゾンビが襲う。背中に衝撃が走り、前のめりに倒される。
「クロウ! あんたはゾンビを頼む!」
 砲台を攻撃しつつ紋次郎が言うのと、クロウが追撃を止めるために動き出したのは同時だった。
「良い動きね。整備士の私に前へ出ろってのが無茶な話なんだから、当てにさせてもらうわ!」
 バイクをぶち当てたロベリアも立ってデルタレイBを使用して援護する。デルタレイ、とは言うものの中身はカスタムされたオリジナルの機導術だ。効果は十分、ゾンビを撃ち抜きその耐久力を削り取る。
 一方、フィルメリアの方は立ち上がろうとしたところをゾンビに襲われる。
「ちょっとここからじゃ難しいねぇ……」
 軽く舌打ちをする鵤。馬が倒れた以上一足でその間に入り込むのは難しい。出来るのは可能な限り砲台を破壊して、ハルトの手札を減らすことぐらいだ。
「先にこっちをどうにかしないといけないわね……喰らいなさい!」
 フィルメリアはマテリアルアーマーによる防御力を頼みに、攻撃してきたゾンビにカウンター。オリジナルの雷拘束を使用してその動きを縛る。
「……よし!」
 効果はあった。
 小刻みに震えるように動きが鈍る。麻痺による行動阻害が上手くいったようだ。
「うわ、このままじゃやられそう?」
 状況を見て拙いと思ったのか、ハルトはさらに後退していく。
 それに合わせるようにコントラルトも前に出てデルタレイを撃ち込んでいく。さらに……
「悪いが、そいつは置いていってもらおうか……」
 横合いからゼクスの狙撃。リラックスした状態から高い集中力をもって放たれた一射。直後、ハルトの腕がだらりと垂れさがる。直撃だ。
「この調子で、一気に攻めましょう!」
 沙織が銃撃しつつ皆を鼓舞する。その銃撃で最後の砲台も破壊される。
 残るはゾンビたちだが、ハルトが後退している影響か……
「……ん? これはひょっとして……」
 そう言いつつクロウはデルタレイを放つ。成功した。
「ふーん、やっぱり妨害効果はハルト中心みたいだねぇ」
 鵤の言った通り、大凡妨害の効果はハルトを中心として半径50mに満たない範囲のようだ。
 それがわかれば、距離をとりながら倒していけばいいだけの話だ。この戦いの勝機が見えた。
 ……剣機が降ってきたのはそんな時だった。


「うわぁ、来ちゃったよ面倒くさいのが……」
 鵤を始め剣機の登場に身構えるハンターたち。
「……こいつはこの間のとは違うみたいだな。だが、注意するに越したことはない」
 範囲攻撃を警戒し、紋次郎は味方との距離を広げる。だが、すぐに攻撃してくる様子はない。完全にハルトの回収のみが目的の様だ。
「みんないい線行ってたけど、今回は僕の勝ちってことで」
 そう言って剣機に乗ろうとするハルト。
「え?」
 その足元から、急に何かが浮き上がってくる。
「……ラジコン?」
 ロベリアがそれを見て呟く。草むらに隠れて足元から浮き上がってきたのはRC飛空戦だ。
「上手くいきました!」
 それは、機動の徒を使用しながら沙織が操作していたものだった。マテリアルアーマーも使用して万が一狙われた時の保険もばっちり。予定ではこれを使ってデバイスの入った鞄をとりあえずつもりだったが、そこまで上手くはいかない。
 だが、不意を突くことで隙を作ることは出来た。シュメルツが接近する隙が。
(組み、ついて……追い、縋って……)
「……逃がさ、ない……!」
 それはかつての戦友との約束に殉じるためか、ただ目的を達するためか……とにかく、シュメルツの手はハルトの鞄にかかった。
「うわ、しつこいなっ!」
 ずるりと鞄が引き落とされる。シュメルツはその手をすぐに離し、さらに前へ。ハルトを掴もうとする。
 だが、それは叶わなかった。もう片方で抱えていた死体をハルトが叩きつけてきたからだ。それで態勢を崩すことになったシュメルツに、剣機が追い打ちをかけるように剣の尾を突き立てる。その一撃で、シュメルツの意識は途切れた。
「もらったわよ!」
 だが、シュメルツの行動は無駄にはならなった。落ちる鞄を確保したのは同じようにタイミングを測って飛び出してきていたフィルメリアだ。さらにフィルメリアは蒼静焔を使用。蒼い焔の破壊エネルギーが剣機にダメージを与える。
「くそっ、よくもやってくれたね!」
 剣機の尾に隠れて蒼静焔を防いだハルトは、そう言いながら腕を振るう。すると、機能停止していた浮遊砲台が煙を巻き上げて爆発しだした。ハンターたちは各々防御態勢を取る。
「っ……! 待てハルトッ!!」
 クロウが叫ぶがハルトは待たない。いつの間にか剣機の背に乗っている。
 この爆発は機密保持に加え脱出の援護をかねての物だったようだ。
「ちょっと不満だけど、これ以上留まって袋叩きはごめんだからね。また会いましょう先輩! その時はもっと僕の研究成果をお見せしますよ!!」
 ハルトがそう言うと剣機が急上昇していく。
「ゼクス!」
「……分かってるよ」
 フィルメリアが言うのと同時に、ゼクスが剣機を狙って攻撃を行う。
 加えてコントラルトもデルタレイを使用。翼を狙って撃ち落とそうと試みる。しかし……
「これ以上は……無理ね」
 さしものコントラルトと言えど、ハルトの妨害範囲に入らないように注意していたため射程が足りない。すぐに剣機は彼方へと消えていった。
「くそ……!」
「悔しがるのは後です。先にゾンビを倒しましょう」
 沙織の言葉に従い、ゾンビを退治する。遠距離攻撃を持たず、ハルトによる妨害が無くなった状態では強化ゾンビとはいえ敵ではなく、10秒も経たずにゾンビは倒された。
 こうして、戦闘は終了した。
 デバイスは無事確保された。破壊も已む無しと考えていたのだから、これは大きな成果と言えるだろう。
 同時に、歪虚とかかわりのある何かが錬金術師組合に入り込んでいることもはっきりした。それもまた一つの成果といえるだろう。
 今後、それらへの警戒の為に、クロウはまたも頭を悩ませられることになるのだった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 光凛一矢
    対崎 紋次郎(ka1892
    人間(蒼)|24才|男性|機導師
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • 世界より大事なモノ
    フィルメリア・クリスティア(ka3380
    人間(蒼)|25才|女性|機導師
  • 軌跡を辿った今に笑む
    ロベリア・李(ka4206
    人間(蒼)|38才|女性|機導師
  • 無情なる拳
    シュメルツ(ka4367
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 最強守護者の妹
    コントラルト(ka4753
    人間(紅)|21才|女性|機導師
  • 【ⅩⅢ】死を想え
    ゼクス・シュトゥルムフート(ka5529
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 戦場に咲く白い花
    沙織(ka5977
    人間(蒼)|15才|女性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン デバイス強奪阻止
ロベリア・李(ka4206
人間(リアルブルー)|38才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/04/19 20:43:08
アイコン クロウへ聞いておきたい事
フィルメリア・クリスティア(ka3380
人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/04/17 07:28:09
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/04/17 09:02:52