ゲスト
(ka0000)
【機創】智者は知らざる術を求む
マスター:植田誠

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/04/20 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/05/04 12:00
オープニング
●
白衣を着た男が2人、息を切らせて走ってきた。
その服装から帝都の錬金術師組合本部に所属していた組合員たちであることが分かる。だが、それは表の顔だ。その裏の顔は、とある組織に所属する構成員だ。昨今組合における内部調査が本格化してきており、先んじて逃亡してきていたのだ。
これには、彼らが逃げ出したという事実を以って今なお潜伏している内通者への目を反らす目的もあるのだが……とにかく今は自分たちのことだ。
やがて、合流地点にたどり着いた2人。手入れするものも無く伸びきった草が生い茂るその場所に、同じように白衣を着た少年が立っていた。
「来た来た。待ってましたよ」
にこやかに手を振る少年。その素振りは実に子供らしいものに見えたが、これでも年齢的には成人しているのだから驚きだ。
2人はやっと逃げ切れたと安心した表情を浮かべる。
「潜入お疲れ様でした。で、あれは? 早く見せてくださいよ早く」
急かすように手を差し出す少年。やれやれと言った素振りを見せながらも、1人の男が手に持つ鞄を差し出す。
「お~。これの中にデータが入ってるんですね?」
中にはいくつかの魔導機械。見る人が見れば分かることだが、これはクロウが新しい機導術を試用するために用意していたデバイスだ。これを魔導機械に接続すればすぐに新しい機導術が使用できる。
「これでまた色々研究できるなぁ。楽しみ楽しみ……」
「そ、それで……これからどうするんだ?」
「そうだ。てっきりトラックでも用意してるのかと思ったが……」
ワクワクした表情を浮かべる少年。それとは裏腹に、2人組は不安そうだ。逃げ出していくところを見られている。もうすぐにでも追手がやってくるかもしれない。
「それなんですけどね……実は一つ頼まれて欲しいことがありまして」
そう言った次の瞬間、足元から地響きが聞こえた。
「博士が実験用に活きの良い死体が欲しいらしいんですよ」
●
「……こいつは……」
組合から逃げた男達を追ってきたクロウ。彼が見たのは、その男達がゾンビに胸を抉られる瞬間だった。
ゾンビは両手をドリルに改造されており、それで一突きにされたのだろう。恐らく即死だ。
「この人達凡人だからいい死体とは言えないけど、死んだばかりだから活きは良いよね」
にこやかに笑った少年。その様子を見て激昂しかけたクロウだったが……少年の顔を見てその熱が急に冷めた。
「お、お前……ハルトか?」
「……先輩? クロウ先輩じゃないですか、お久しぶりです!」
ハルト、と呼ばれた少年はそう言って手を振る。ハルト・ウェーバー……かつて錬金術師組合に所属していた研究員で、将来を嘱望された機導師でもあった。だが、今の組合長リーゼロッテ・クリューガーが正博士になった位に音信が途絶えており、クロウとしてもその行方を捜したりもしていたのだが……
「この間も見てましたよ。あの剣機、なかなかだったでしょ? 僕が改造したんですよ」
言われて、クロウはその時の事を思い出す。罠であるかのように誘い出された自分と、そこに現れた剣機の事を。
「お前……歪虚に? 何でそんな……」
言葉に詰まるクロウ。だが、そんなことは気にせずハルトは言う。
「それはあの人に……いや、それはいいか。とにかく、前の僕とは違うんです。見てくださいよ!」
ハルトはそう言うと手を上げる。すると、草むらの中から1つ、2つ……合わせて8基の機械が浮かぶ。魔導機械に類するその機械は下部に銃のようなものが取り付けられている。言わば浮遊砲台だ。
「ちっ……!」
ショックを引きずりながらも魔導ガントレットを構え、デルタレイを放つクロウ……だが、浮き上がった光は途中で霧散する。
「発動に失敗しただと!?」
「あはは! こんなこともあろうかと……先輩が良く言ってましたよね。僕の周りでは魔法や機導術は使えませんよ!」
いらずらが上手くいった子供のように笑い声を上げるハルト。だが、クロウは冷静に状況を分析し……それがはったりだと断じた。
(一瞬だが、デルタレイ発動の兆しは見えた。恐らく発動の成功率を著しく下げる何かがあるってとこか)
機導師であったハルトなら機導術の発動シークエンスは熟知している。それを何かしらの手段を用いて妨害しているのだろう。
(だが……そうか、あいつは機導術に熟知していて、その知識に基づいて妨害を行っている。とすればもしかして……)
「遅いですよ、先輩!」
魔導ガントレットを支えたクロウに光が集まる。それと、浮遊砲台からレーザー光による一斉射が行われたのはほぼ同時だった。
「……へぇ、それは知らない機導術ですね。さすが先輩」
集束した光が晴れた時、そこには無傷のクロウがいた。クロウは薄いマテリアルの光に覆われており、これがレーザーの威力を減じたのだろう。
「こんなこともあろうかと、ってな」
冷や汗をかきながら、クロウは言った。
マテリアルアーマー。
マテリアルの収束技術と、防御障壁にみられる変成技術を応用した機導術だ。防御障壁ではマテリアルを防御壁として展開していたが、この機導術では膜のように展開。それを自身から一定時間放出し続けることで防御力を上昇させる。この際放出するマテリアルは魔導機械による補助で体内に一時的に集束したものを使用する。
この一連の流れをハルトは知らない。だから、妨害のしようがない。
ただし、この機導術……代償は小さくない。
(……駄目か)
クロウは普段から愛用している魔導ガントレットを外す。機能が停止しているようだ。
これがその代償。この機導術は使用に際し魔導機械へ大きな負荷を強いる。その為発動に際し使用していた魔導機械が使用不能になるのだ。
これは一時的なもので、簡単な整備を行えばすぐに復旧する。だが、さすがに戦闘の最中に行うのは難しい。
「あ……先輩にもっと今の僕を見て貰いたかったんですけど……時間切れみたいですね」
ハルトの目線を追うクロウ。その先にはハンターたちの姿が。機導術の試験を手伝ってくれていたハンターたちが応援に駆け付けてくれたのだ。
援軍に合わせたかのように、2体のゾンビが前進してくる。そして、ハルトの方は下がる。恐らく逃げる算段がついているのだろう。
「それじゃ、今日のところは帰りますね……よっと、重いな……一つでいいや」
死体を一体抱えたハルトを見ながら、クロウは叫ぶ。それが開戦の合図となった。
「お前ら、デバイスを持って行かせるな! 最悪ぶっ壊しても構わねぇ!!」
白衣を着た男が2人、息を切らせて走ってきた。
その服装から帝都の錬金術師組合本部に所属していた組合員たちであることが分かる。だが、それは表の顔だ。その裏の顔は、とある組織に所属する構成員だ。昨今組合における内部調査が本格化してきており、先んじて逃亡してきていたのだ。
これには、彼らが逃げ出したという事実を以って今なお潜伏している内通者への目を反らす目的もあるのだが……とにかく今は自分たちのことだ。
やがて、合流地点にたどり着いた2人。手入れするものも無く伸びきった草が生い茂るその場所に、同じように白衣を着た少年が立っていた。
「来た来た。待ってましたよ」
にこやかに手を振る少年。その素振りは実に子供らしいものに見えたが、これでも年齢的には成人しているのだから驚きだ。
2人はやっと逃げ切れたと安心した表情を浮かべる。
「潜入お疲れ様でした。で、あれは? 早く見せてくださいよ早く」
急かすように手を差し出す少年。やれやれと言った素振りを見せながらも、1人の男が手に持つ鞄を差し出す。
「お~。これの中にデータが入ってるんですね?」
中にはいくつかの魔導機械。見る人が見れば分かることだが、これはクロウが新しい機導術を試用するために用意していたデバイスだ。これを魔導機械に接続すればすぐに新しい機導術が使用できる。
「これでまた色々研究できるなぁ。楽しみ楽しみ……」
「そ、それで……これからどうするんだ?」
「そうだ。てっきりトラックでも用意してるのかと思ったが……」
ワクワクした表情を浮かべる少年。それとは裏腹に、2人組は不安そうだ。逃げ出していくところを見られている。もうすぐにでも追手がやってくるかもしれない。
「それなんですけどね……実は一つ頼まれて欲しいことがありまして」
そう言った次の瞬間、足元から地響きが聞こえた。
「博士が実験用に活きの良い死体が欲しいらしいんですよ」
●
「……こいつは……」
組合から逃げた男達を追ってきたクロウ。彼が見たのは、その男達がゾンビに胸を抉られる瞬間だった。
ゾンビは両手をドリルに改造されており、それで一突きにされたのだろう。恐らく即死だ。
「この人達凡人だからいい死体とは言えないけど、死んだばかりだから活きは良いよね」
にこやかに笑った少年。その様子を見て激昂しかけたクロウだったが……少年の顔を見てその熱が急に冷めた。
「お、お前……ハルトか?」
「……先輩? クロウ先輩じゃないですか、お久しぶりです!」
ハルト、と呼ばれた少年はそう言って手を振る。ハルト・ウェーバー……かつて錬金術師組合に所属していた研究員で、将来を嘱望された機導師でもあった。だが、今の組合長リーゼロッテ・クリューガーが正博士になった位に音信が途絶えており、クロウとしてもその行方を捜したりもしていたのだが……
「この間も見てましたよ。あの剣機、なかなかだったでしょ? 僕が改造したんですよ」
言われて、クロウはその時の事を思い出す。罠であるかのように誘い出された自分と、そこに現れた剣機の事を。
「お前……歪虚に? 何でそんな……」
言葉に詰まるクロウ。だが、そんなことは気にせずハルトは言う。
「それはあの人に……いや、それはいいか。とにかく、前の僕とは違うんです。見てくださいよ!」
ハルトはそう言うと手を上げる。すると、草むらの中から1つ、2つ……合わせて8基の機械が浮かぶ。魔導機械に類するその機械は下部に銃のようなものが取り付けられている。言わば浮遊砲台だ。
「ちっ……!」
ショックを引きずりながらも魔導ガントレットを構え、デルタレイを放つクロウ……だが、浮き上がった光は途中で霧散する。
「発動に失敗しただと!?」
「あはは! こんなこともあろうかと……先輩が良く言ってましたよね。僕の周りでは魔法や機導術は使えませんよ!」
いらずらが上手くいった子供のように笑い声を上げるハルト。だが、クロウは冷静に状況を分析し……それがはったりだと断じた。
(一瞬だが、デルタレイ発動の兆しは見えた。恐らく発動の成功率を著しく下げる何かがあるってとこか)
機導師であったハルトなら機導術の発動シークエンスは熟知している。それを何かしらの手段を用いて妨害しているのだろう。
(だが……そうか、あいつは機導術に熟知していて、その知識に基づいて妨害を行っている。とすればもしかして……)
「遅いですよ、先輩!」
魔導ガントレットを支えたクロウに光が集まる。それと、浮遊砲台からレーザー光による一斉射が行われたのはほぼ同時だった。
「……へぇ、それは知らない機導術ですね。さすが先輩」
集束した光が晴れた時、そこには無傷のクロウがいた。クロウは薄いマテリアルの光に覆われており、これがレーザーの威力を減じたのだろう。
「こんなこともあろうかと、ってな」
冷や汗をかきながら、クロウは言った。
マテリアルアーマー。
マテリアルの収束技術と、防御障壁にみられる変成技術を応用した機導術だ。防御障壁ではマテリアルを防御壁として展開していたが、この機導術では膜のように展開。それを自身から一定時間放出し続けることで防御力を上昇させる。この際放出するマテリアルは魔導機械による補助で体内に一時的に集束したものを使用する。
この一連の流れをハルトは知らない。だから、妨害のしようがない。
ただし、この機導術……代償は小さくない。
(……駄目か)
クロウは普段から愛用している魔導ガントレットを外す。機能が停止しているようだ。
これがその代償。この機導術は使用に際し魔導機械へ大きな負荷を強いる。その為発動に際し使用していた魔導機械が使用不能になるのだ。
これは一時的なもので、簡単な整備を行えばすぐに復旧する。だが、さすがに戦闘の最中に行うのは難しい。
「あ……先輩にもっと今の僕を見て貰いたかったんですけど……時間切れみたいですね」
ハルトの目線を追うクロウ。その先にはハンターたちの姿が。機導術の試験を手伝ってくれていたハンターたちが応援に駆け付けてくれたのだ。
援軍に合わせたかのように、2体のゾンビが前進してくる。そして、ハルトの方は下がる。恐らく逃げる算段がついているのだろう。
「それじゃ、今日のところは帰りますね……よっと、重いな……一つでいいや」
死体を一体抱えたハルトを見ながら、クロウは叫ぶ。それが開戦の合図となった。
「お前ら、デバイスを持って行かせるな! 最悪ぶっ壊しても構わねぇ!!」
解説
●目的
デバイスの強奪阻止
●状況
PC達はクロウに雇われたハンターとなる。
戦場は草原。草が膝位まで茂っている。
戦闘開始時の位置はハルトの前にゾンビ、その先にクロウ、クロウの後ろにハンターと言った形。
ハルトは片腕で死体、もう片方に鞄を持っており、その鞄にデバイスが入っている。
デバイスは可能であれば奪取。最悪破壊も辞さない。とにかく敵に持って行かせないこと。
●敵情報
ハルト・ウェーバー
白衣を着た少年。元錬金術師組合の研究員でありクロウの後輩。当時は非常に有能な機導師であった。
ハルトの一定範囲に入ると魔法の成功率、特に機導術の成功率が著しく低下するのが確認されている。
ただし、ハルトが知識を持っていない新型スキルに関しては問題なく発動していた。
浮遊砲台×8
円盤の下部に銃のようなものが取り付けられた魔導機械。
戦闘開始時の状況から全てハルトが操作しているものと思われる。
ゾンビ×2
両腕がドリル型の魔導機械に改造された強化ゾンビ。近接戦に関わる能力全般に優れる反面射撃攻撃は行わない。
※PL情報
3ラウンド目開始時に剣機が到着、4ラウンド終了時点でハルトはそれに乗って撤退する。
●味方情報
クロウ
新型スキルを使用した前衛寄りの動きを取る。
●新型スキル
マテリアルアーマー
タイミング:ファースト 使用回数:2
特徴:
急所を含む全防御点を3ラウンド上昇させる。
使用した魔導機械が発動直後にこの戦闘中使用不能になる。
現在調整を行っている最中で、最終的には上昇値を代償に効果時間を(長ければ脆く、短ければ強固にといった具合に)操作できるようにするのを目指している。
この依頼では機導師かつ魔導機械を装備している場合、魔導機械に追加デバイスを装備することで即使用可能に出来る。
その際用意していたスキルが使用できなくなることは無い=この依頼限定で4つスキルが使える状態になる。
デバイスの強奪阻止
●状況
PC達はクロウに雇われたハンターとなる。
戦場は草原。草が膝位まで茂っている。
戦闘開始時の位置はハルトの前にゾンビ、その先にクロウ、クロウの後ろにハンターと言った形。
ハルトは片腕で死体、もう片方に鞄を持っており、その鞄にデバイスが入っている。
デバイスは可能であれば奪取。最悪破壊も辞さない。とにかく敵に持って行かせないこと。
●敵情報
ハルト・ウェーバー
白衣を着た少年。元錬金術師組合の研究員でありクロウの後輩。当時は非常に有能な機導師であった。
ハルトの一定範囲に入ると魔法の成功率、特に機導術の成功率が著しく低下するのが確認されている。
ただし、ハルトが知識を持っていない新型スキルに関しては問題なく発動していた。
浮遊砲台×8
円盤の下部に銃のようなものが取り付けられた魔導機械。
戦闘開始時の状況から全てハルトが操作しているものと思われる。
ゾンビ×2
両腕がドリル型の魔導機械に改造された強化ゾンビ。近接戦に関わる能力全般に優れる反面射撃攻撃は行わない。
※PL情報
3ラウンド目開始時に剣機が到着、4ラウンド終了時点でハルトはそれに乗って撤退する。
●味方情報
クロウ
新型スキルを使用した前衛寄りの動きを取る。
●新型スキル
マテリアルアーマー
タイミング:ファースト 使用回数:2
特徴:
急所を含む全防御点を3ラウンド上昇させる。
使用した魔導機械が発動直後にこの戦闘中使用不能になる。
現在調整を行っている最中で、最終的には上昇値を代償に効果時間を(長ければ脆く、短ければ強固にといった具合に)操作できるようにするのを目指している。
この依頼では機導師かつ魔導機械を装備している場合、魔導機械に追加デバイスを装備することで即使用可能に出来る。
その際用意していたスキルが使用できなくなることは無い=この依頼限定で4つスキルが使える状態になる。
マスターより
お世話になっております、植田です。
機創関連、前回の続きみたいな話です。興味ある方は「【機創】智者は己が成果を望む」を一読いただけたらと思います(別に見なくても問題ない作りになっております)
今回も新たなスキルが登場しておりますので、余裕があったら試してみて頂けたらと思います。
機創関連、前回の続きみたいな話です。興味ある方は「【機創】智者は己が成果を望む」を一読いただけたらと思います(別に見なくても問題ない作りになっております)
今回も新たなスキルが登場しておりますので、余裕があったら試してみて頂けたらと思います。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/04 01:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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デバイス強奪阻止 ロベリア・李(ka4206) 人間(リアルブルー)|38才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/04/19 20:43:08 |
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クロウへ聞いておきたい事 フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/04/17 07:28:09 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/17 09:02:52 |