悪い奴らはよく逃げる

マスター:KINUTA

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
締切
2016/04/25 19:00
完成日
2016/05/01 01:18

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 現在刑務所暮らしを強いられているブルーチャーは数人の仲間と語らい、こっそり独房棟に来ていた。
 つい最近そこに入ってきた知り合いと話すためである。
 分厚い扉を指の背で三度叩き、合言葉をどうぞ。

「ネコフンジャッタ」

 小さな小窓から、ぬっと猫の顔が出てきた。

「……なあ、その合言葉どうにかならんか? 何度も言うてるが俺は猫やのうて人間なんやぞ」

 不服を唱える彼の名はスペット。魔術師(自称)である。顔が猫、体が人という異形の者だ。
 本人はこのように人間だと言い張っているが、警察はいまいちその点を信用していない。 『正体は不明だがとりあえず亜人だという線でいこうか』と議論をしている真っ最中。

「まあいいじゃねえですかい。それよりも、頼まれてたもん持ってきましたぜ」

 ブルーチャーはスペットに種を渡した。刑務所の片隅に生えていた、何の変哲もないただの雑草の種を。
 それと、折れたクギ。

「あ、おおきに」





 スペットは折れクギで剥き出しの床を引っ掻き、魔法陣を描く。

「書きにくいというたらないなあ……」

 マテリアルの制御アイテムである指輪を取り上げられてさえいなければ、こんなふうに面倒なこと、しなくてもよかったのだ。結界を作って、すぐに逃げ出せたのだ。
 短時間の運動以外は、独房に入りっきり。刑務所に付き物の共同作業に駆り出されることもなく。
 完全に檻の珍獣状態だ。
 人間の言葉を話し人間の体を持っているのに顔ひとつでその範疇から除外されるというのは、本当に全くどういうことだ?

「くそう、絶対こっから出てやるさかいなー」

 ぶつぶつ言いながら、陣の真ん中に種をばらまく。
 そして手を合わせ、気合を入れる。
 周囲を漂っていた負のマテリアルが、先を争って陣の中へなだれ込んで行く。
 種が弾けた。
 毒々しい紫色の双葉が萌えだし、急速に成長して行く。





「杖なり何なり持っていなくちゃ魔法が使えないとは、魔術師というのも案外不自由なもんだな」

「そういえばあいつは、どんな魔法を使うんだ?」

 作業台でブルーチャーたちが、こそこそ耳打ちしあっていると、後ろを歩いていたいけすかない看守が(そうじゃない看守なんてものはいないが)が、怒鳴りつけてきた。

「そこ、私語厳禁! 近ごろたるんどるぞ! ノルマを忘れるな、ノルマを!」

 ブルーチャーたちは、いったん口をつぐむ。
 そのときである。ドン! という重低音とともに、床が大きく揺れたのは。
 作業場全体がざわつく。
 床にひびが入った。
 太い蔓が、うねりながら生えてくる。

「ななななんじゃあこりゃあ!」

 うろたえる看守へ、囚人たちが、一斉に襲いかかった。





 緊急連絡を受け刑務所に駆けつけたハンターたちは、目を見張った。
 建物全体が巨大な植物の蔓や根に絡み付かれている。壁や天井が崩れ、文字通り半壊状態。
 警報が引っ切りなしに鳴り響き、多数の制服を着た人員が走り回っている。
 その指揮を執っていた刑務所の所長が、ハンターたちの来訪に気づき、走り寄ってきた。

「ハンターの方々ですか? 早速ですがあなたがたには、一刻も早くあの歪虚を駆除していただきたい! この騒ぎに乗じて、囚人の一部が脱走しておるのです、わたしどもはこの通り、そちらへの対処に手一杯で……」

 ハンターの一員であるカチャはそれを聞きながら、ふと眉をひそめる。

「……あれ? この刑務所って……スペットが入ってた所じゃなかったですかね……」


リプレイ本文

 龍崎・カズマ(ka0178)は、刑務所を見上げた。
 窓や壁を突き破り伸びゆく植物歪虚は、不格好な葉を広げるばかりでなく、表現しがたい色の花まで咲かせている。

(おいおい、いつから刑務所じゃなく遊園地的なアトラクションに様変わりしたんだ)

 胸中ぼやいてから、所長に以下の要求をする。

「すまないが、刑務所の見取り図が欲しい。中に取り残されている奴を確認するにも探すにも、目安が欲しいからな。後はリスト。囚人と看守らの人数だけでも手早く教えてくれ。名簿があれば尚いいんだが――」

「ああ、はい、分かりました。今持ってこさせます」

 メイム(ka2290)は地を這い伸びてきた蔓の先を何度も踏みつけ、反応を確かめる。

「ふーん、食人の性質はないみたいだね」

 続けてアックスで、蔓の先を切り落としてみた。切り落とされた部分から新しい芽が幾本も吹き出し、伸びてくる。
 そこにロニ・カルディス(ka0551)が魔導銃を向けた。
 炎をまとう弾丸に貫かれた蔓は、黒く縮み上がりしおれた。火に弱いらしい。

「ま、対処出来ないほどじゃないが……これだけ繁茂していると、手間は食いそうだな。しかし、何故いきなりこんなところにこんなものが発生したのだか」

 ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)は、先程から首をひねり続けているカチャに問う。

「カチャさん、何か気になることでも?」

「いえ……もしかしてここ、スペットが入ってるはずの刑務所じゃなかったかなーって思いまして……」

「スペット……って、誰でしたっけ?」

「誰って、この間一緒に捕まえたじゃありませんか。ほら、商工ギルド連続殺人事件の……猫ですよ猫、猫頭の魔術師――又吉ですよ」

「――ええっ!? 又吉がここに!?………そんな、収監先が保健所じゃないなんて……」

 何げに結構ひどいことを言うルンルンは、懐から紙を取り出しさらさら筆を走らせ、所長に見せる。

「所長さん、こんな感じの囚人はいませんでしたか?」

 所長は紙に顔を近づけ、困惑気味に両目をすがめた。

「……これは……えーと、豚かね?」

「ぷんぷん、酷い、どこからどう見ても猫の絵なのに……」

 正体不明な生き物の絵を手に、ルンルンは頬を膨らませる。
 ところでロニは、渋い顔。

「また奴の仕業か……今度捕らえたら、身動き取れない様に縛り付けておかねばならんな」

 その呟きに、神薙玲那(ka6173)が反応した。

「なんだ、ロニ。そのスペットって野郎のこと、知ってるのか?」

「ああ、それなりにな。魔術師で、ちょっと、いや大分変わった毛並みというか、ご面相でな。一度見たら誰でも忘れん」

 メイムは収監者名簿をめくるカズマに言った。本当にあの猫人間が、ここに入れられているのかどうか確かめるために。

「ねえ、スペットって名前、ある?」

「スペット? 待て。えーと……探しにくいなこれ。アルファベット順に索引つけといて欲しいぜ……ああ、あったあった。確かにいるな、スペットって奴」

 そこへ天竜寺 詩(ka0396)と天竜寺 舞(ka0377)がやってきた。
 前者はスペットの面会のために、後者はその付き添いのために、当刑務所まで足を運んできたのであるが――ついてみれば、現場はこの惨状。
 これはもしかしてスペットの仕業なのでは。と言うか、それ以外に理由が思いつかない。
 思って詩は頭を抱える。

「何やってるのあの猫頭!」

 一方舞は怒りだした。

「あんたの言う猫頭、とんでもない奴だね、もう!」

 騒ぎを引き起こしているのもそうだが、更生を期待していた妹を裏切ったのが、彼女にとってもっと許しがたい。

「だから最初から、ウタを刑務所何かに来させるの、反対だって言ってたんだよあたしは。もし面会中に厄介ごと起こされたらどうすんのってさあ」

「だ、大丈夫だよお姉ちゃん。もし原因がスペットなら、動機はかなり単純なはずだから……大元を叩けば、早く片付くかも知れないよ。それにほら、今そんな事言ってる場合じゃないよ。これだけ建物が崩れてるなら、人的被害も出てるかもしれないし」

 さもありなんと思える指摘であったので、舞は怒るのを一時中断し、見るからに狼狽している刑務所関係者たちを一喝した。

「落ち着け! あたし達が中に入るから、脱出した囚人は外に逃がさないようにだけ気をつけてよ」

 こうして天竜寺姉妹も、依頼に合流。人手が増えることについては、もちろん場にいる全員が大歓迎だ。
 初めての依頼にやる気満満の玲那は、にやりと歯を見せ、手のひらに拳を打ち当てる。

「変なバケモノなんか作りやがって……面白いバカもいるもんだねぇ」

 とにかくこの騒動、間違いなくスペットが噛んでいる。
 断定したロニは、所長に向け苦言を呈する。

「収容者の監督はどうなっていたんだ? まさかとは思うが、他の囚人と同程度に扱ってたんじゃないだろうな、仮にも魔法の使える人間を。そうだとしたら、危機管理がなってないとしか言いようがないぞ」

 所長がむっとした顔で言い返す。

「そんなことはこちらも承知していますよ。他の囚人と接触させないよう独房に入れておいたし、所持品は全て没収しておりますし」

 詩は、会話に横入りした。

「指輪も没収したの?」

「ん? ああ、指輪もです。その他護符らしきものも数点……他に目ぼしいものなど所有していませんでしたがね」

「その指輪、強力な魔法アイテムなの。もしスペットが脱走したなら、それを回収しようとするかも知れないから、保管には十分気をつけてね」

 見取り図をざっと確認し終わったカズマは、肩をすくめる。

「まあ、あれだ。祈れ。囚人らが全員無事な事を。この騒ぎで逃げたのがいるかも知んねぇし。そうなったら責任問題だろ?」

 メイムは、カチャにランプを手渡す。

「逃げ遅れた人を誘導するからこれ使って運動場の蔓を焼き払ってて、大丈夫! 竹刀はよく燃えるよ♪」

「燃えたら私の武器、無くなるんですけど……」

「無くなったら鉄パイプがあるからー。レッツメイスファイティング♪」

 さわやかに言いっ放すメイムに、不審そうな眼差しを向けるカチャ。
 カズマがそこに歩み寄り、松明を一本分けてやる。

「よかったら使いな」

「え、い、いいんですか?」

「ああ、後2本も持ってるからな、俺は」

 ともかく一同、名簿と見取り図を確認する。
 作戦について簡単に話し合った結果、二手に分かれることにした。
 メイム、ザレム、玲那は運動場側から入る(カチャは出口付近で、救助者の誘導に徹する)――まだ取り残されている人間を、一人残らず回収することを目指し、各階をあますところなく回って行くことにする。
 舞、詩、ロニ、ルンルンは正門側から入る――いち早くスペットの身柄を押さえることを目指し、独房へ一直線のルートを取る。



 運動場側の入り口はすでに、歪虚によって塞がれていた。
 蔓草がこんがらがり分厚い壁を形作る。押しても引いてもびくともしない。

「しょうがないなー」

 メイムは、アックスを振り上げる。
 蔓は、次々切断されて行く。

「草刈りも楽じゃねえな、っと」

 玲那は壁目がけ、ハンマーを叩きつけた。
 蔓が、次々引きちぎられて行く。
 カズマはそれらの切断面に、素早く松明を押し当てた。焼かれた箇所は煙を上げ、黒く縮み上がる。新しい芽は生えてこない。 
 出入り口が確保されたことを確かめ、メイムは、カチャに言った。

「それじゃあ誘導の方、頼んだよ」

「はい。皆さんお気をつけてー」

 ハンターたちは、歪虚に占領された建物の中に入って行く。
 ……暗い。よく見えない。窓側に蔓が生い茂っているせいで、光が入らないのだ。
 松明を持つザレムが、先頭を歩いて行く。床は根がはびこっているせいで、でこぼこしている。

「二人とも、足元気をつけろよー」

「おー」

「了解ー」

 見取り図を参考にして、一つ一つの部屋をしらみつぶしに当たっていく。
 メイムは鋭い聴覚をフル活用しつつ、暗がりに呼びかけ続けた。

「残っている人は声を出して~。救助するから看守さんとカチャさんの指示に従って運動場に整列~。脱走すると罪が重くなるからね~♪」

 玲那は見かけた扉のカギを、全て外して行く。扉が歪んで開かない場合は、ハンマーで叩き壊し。

「おーい、誰かいるかー?」

 しばらく行ったところで、くぐもった声と、扉を叩く音が聞こえてきた。

「……おーい……誰か……誰か……」「出してくれー……おーい……」

 蔓を始末しつつ、そちらに向かう。すると、蔓に塞がれた扉を発見。
 メイムは扉の上に書かれた文字を読む。

「……ここ、トイレだね」

 悪いとは思いつつ、つい苦笑してしまう玲那。

「お前たち、悪いときに悪いところに入ってたなあ」

 カズマは明かりを扉に近づけ、励ましの言葉をかける。

「もう大丈夫だ、救援に来たからな」





 舞はヒートソードを振り回し、ばっさばっさと蔓を切り裂いていく。
 目指すのはスペットが入っていたという独房。そこに歪虚発生の原因があるはずだ。

「急がないと逃げられちゃうかも知れないからね!」

 詩は姉の後につき、セイクリッドフラッシュを連発。はびこる蔓草はどんどん除去されていく。
 しかし全体から見れば、駆除出来ている面積は微々たるものだろう、とロニは思う。ライトで行く手を照らしながら。
 メイムからトランシーバーで逐一連絡が入っているが、向こうもジャングルの伐採に、かなり手間取っているようだ。

(やはり、大本を絶やさないと駄目だな)

 少しでも進みやすくなるようにとレクイエムを口ずさむ。
 低く静かな旋律は命ならざる命を阻害した。つる草の伸び行く速度が、明らかに落ちる。
 ルンルンは扇符を広げる。

「ジュゲームリリカル……ルンルン忍法五星花! 刑務所内でも煌めいて☆」

 五色の光が暗闇を裂いた。
 窓を覆っていた蔓が枯れ落ち、若干ながら光が入ってきた。

「刑務所を新たなアジトにしての人類猫化計画……貴方の企み、みんなお見通しなんだから! 又吉逮捕なのです」

 自身の名推理を疑わず先を急ごうとしたそのとき、生命感知の結界に反応があった。
 早速報告。全員でそちらに向かう。
 そこには、みっちり絡み合った蔓の壁があった。舞とカズマがその壁を切り裂き焼く。出来た隙間にルンルンが手を突っ込み、向こう側にいた相手を引きずり出した。

「さぁ、こっちなら逃げれるから」

 引っ張り出されてきたのは、囚人ではなく看守だった。
 やたらボロボロだが、落下物で怪我したという感じではない。たとえればそう、殴られたという感じだ。
 詩は、ヒーリングスフィアをかけてやる。応急処置により一定の回復をした看守は起き上がる。
 ロニが尋ねた。

「おい、何があったんだ?」

 看守は怒りに髭を震わせながら説明した。混乱の最中、ブルーチャーを中心とする一部の囚人たちが自分を襲いしこたま殴り倒し、逃げていったのだということを。
 事情を知って詩は、驚愕する。

「ブルーチャーここにいたの!? なんでまた元共犯者が一緒の刑務所に入ってたかなあー」

「決まりですね。又吉の独房に何かを持ち込んできた共犯者はブルーチャーなのです! 又吉もだけど、あいつも逮捕しなきゃいけません!」

「……すでに逮捕されてるからここにいるんじゃないのか?」

 ルンルンはロニの突っ込みを聞き捨てた。
 とりあえず看守には、自力で外へ避難してもらう。ちゃんと歩けはしたので。

「さて、急がなくちゃ!」

 気合を入れ直した舞は、獅子奮迅の勢いで蔓を切って焼いて切って焼いて、独房までたどり着く。
 扉の蔓を排除し、勢いよく蹴り開けようとし――たが開かない。

「あれ? このっ!」

 仕方がないので扉自体を破壊する。中から無数の蔓がくねり出してきた。
 詩は急いで結界を張る。

「皆、私の近くに寄って!」

 蔓は結界に弾かれ、引き下がった。
 独房の中には巨大な根株が陣取っている。しかして――誰もいない。スペットこと又吉は、既に逃げた後であった。
 名探偵ルンルンは猛烈に悔しがった。

「おのれ又吉ぃ!」

 腹いせに、火炎符。

「ジュゲームリリカル……ルンルン忍法火遁の術!」





 行く手が急に明るくなった。

「えーと、この先は独房だったっけ? カズマさん」

「おー、そうだ」

「ちぇ、先越されたか」

 等言いながら足を速めるメイムたちの耳に、舞の声が届く。

「いい加減燃え尽きろっての!」

 現場についてみれば根株が焼かれているところだった。
 しかし根は、なかなか燃え上がらない。表面を焦がされつつもじくじく水分を吹き出させ、対抗している。
 メイムは同行のパルムたちに命じた。

「行ってキノコっ」

 赤いオーラに包まれたパルムは、堅そうな根っこ目がけ突撃。
 カズマは手持ちの松明を全部投げ込んだ。ロニも銃弾を何発も撃ち込む。
 玲那は飛び散る火の粉と熱さをものともせず、ハンマーで殴りつける。

「綺麗な花を咲かせなきゃ植物の魅力がねーじゃん? ムショなんて息苦しいとこじゃなくて荒野に咲こうぜ? じゃなきゃマテリアル除草剤の餌食だぜ」

 舞はふと床に目を向けた。魔法陣らしきものが、薄く発光している。

「ついでにこれも壊しておこうか!」

 ヒートソードが振り下ろされた。陣の一部がこぼたれ、光が消える。
 根の内側から火が吹き出した。ぶちぶちと泡立つ音を上げ、焼け落ちていく。それに伴い刑務所の内外を覆っていた蔓が、一斉にしおれ始めた。
 カズマは言った。

「外に出ようぜ。中にいた人間は全員救出してるからな」

 一同きびすを返し、来た道を戻る。
 破れた箇所を覆うものがなくなって行く。建物の破損が、より一層目に見えてくる。
 内外にからんでいた蔓が力を次々剥がれ落ちていく。その支えを失った壁や天井が、ぱらぱら降ってくる。
 皆は足を速め、建物の外に出た。
 負傷者の案内をしていたカチャが倒れている。近くに巨大な花の蕾が落ちているところからするに、直撃を頭に受けたらしい。
 メイムが慌てて駆け寄った。
 傍らにしゃがみこみ、カチャが手にしていたランプを取り上げる。

「よかった……ランプが無事で……」

 安堵の息を吐いたところカチャが頭を持ち上げ、白い目を向けてきた。

「……メイムさん?」

「あ、うん。もちろんカチャも無事でよかったと思ってるよ?」

 
 崩れ去って行く歪虚を前に、詩は、大きなため息をつく。

「元に戻りたいっていうのは分かるけど……やり方が駄目だよね。この才能をいい事に使えば味方してくれる人も増えるんじゃないかなー」

 ひとまず事態の決着がついたので、カズマは、最終点呼を行うとする。

「皆、集まってくれ。名簿と照らし合わせるからな」

 点呼を終えたところ、スペット、ブルーチャー含む囚人6名が脱走していることが判明した。
 舞はゴエモンを使い逃亡者を追わせたが、匂いが中途で途切れており、捜索不能となってしまったのであった……。




依頼結果

依頼成功度成功
面白かった! 5
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • 行政営業官
    天竜寺 舞ka0377
  • タホ郷に新たな血を
    メイムka2290
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜ka5784

重体一覧

参加者一覧

  • 虹の橋へ
    龍崎・カズマ(ka0178
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 頼れるお姉さん
    神薙玲那(ka6173
    人間(蒼)|20才|女性|聖導士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/04/25 17:05:50
アイコン 【草刈】
龍崎・カズマ(ka0178
人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/04/25 15:44:02