ゲスト
(ka0000)
悪い奴らはよく逃げる
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/04/25 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/05/04 19:00
オープニング
現在刑務所暮らしを強いられているブルーチャーは数人の仲間と語らい、こっそり独房棟に来ていた。
つい最近そこに入ってきた知り合いと話すためである。
分厚い扉を指の背で三度叩き、合言葉をどうぞ。
「ネコフンジャッタ」
小さな小窓から、ぬっと猫の顔が出てきた。
「……なあ、その合言葉どうにかならんか? 何度も言うてるが俺は猫やのうて人間なんやぞ」
不服を唱える彼の名はスペット。魔術師(自称)である。顔が猫、体が人という異形の者だ。
本人はこのように人間だと言い張っているが、警察はいまいちその点を信用していない。 『正体は不明だがとりあえず亜人だという線でいこうか』と議論をしている真っ最中。
「まあいいじゃねえですかい。それよりも、頼まれてたもん持ってきましたぜ」
ブルーチャーはスペットに種を渡した。刑務所の片隅に生えていた、何の変哲もないただの雑草の種を。
それと、折れたクギ。
「あ、おおきに」
●
スペットは折れクギで剥き出しの床を引っ掻き、魔法陣を描く。
「書きにくいというたらないなあ……」
マテリアルの制御アイテムである指輪を取り上げられてさえいなければ、こんなふうに面倒なこと、しなくてもよかったのだ。結界を作って、すぐに逃げ出せたのだ。
短時間の運動以外は、独房に入りっきり。刑務所に付き物の共同作業に駆り出されることもなく。
完全に檻の珍獣状態だ。
人間の言葉を話し人間の体を持っているのに顔ひとつでその範疇から除外されるというのは、本当に全くどういうことだ?
「くそう、絶対こっから出てやるさかいなー」
ぶつぶつ言いながら、陣の真ん中に種をばらまく。
そして手を合わせ、気合を入れる。
周囲を漂っていた負のマテリアルが、先を争って陣の中へなだれ込んで行く。
種が弾けた。
毒々しい紫色の双葉が萌えだし、急速に成長して行く。
●
「杖なり何なり持っていなくちゃ魔法が使えないとは、魔術師というのも案外不自由なもんだな」
「そういえばあいつは、どんな魔法を使うんだ?」
作業台でブルーチャーたちが、こそこそ耳打ちしあっていると、後ろを歩いていたいけすかない看守が(そうじゃない看守なんてものはいないが)が、怒鳴りつけてきた。
「そこ、私語厳禁! 近ごろたるんどるぞ! ノルマを忘れるな、ノルマを!」
ブルーチャーたちは、いったん口をつぐむ。
そのときである。ドン! という重低音とともに、床が大きく揺れたのは。
作業場全体がざわつく。
床にひびが入った。
太い蔓が、うねりながら生えてくる。
「ななななんじゃあこりゃあ!」
うろたえる看守へ、囚人たちが、一斉に襲いかかった。
●
緊急連絡を受け刑務所に駆けつけたハンターたちは、目を見張った。
建物全体が巨大な植物の蔓や根に絡み付かれている。壁や天井が崩れ、文字通り半壊状態。
警報が引っ切りなしに鳴り響き、多数の制服を着た人員が走り回っている。
その指揮を執っていた刑務所の所長が、ハンターたちの来訪に気づき、走り寄ってきた。
「ハンターの方々ですか? 早速ですがあなたがたには、一刻も早くあの歪虚を駆除していただきたい! この騒ぎに乗じて、囚人の一部が脱走しておるのです、わたしどもはこの通り、そちらへの対処に手一杯で……」
ハンターの一員であるカチャはそれを聞きながら、ふと眉をひそめる。
「……あれ? この刑務所って……スペットが入ってた所じゃなかったですかね……」
つい最近そこに入ってきた知り合いと話すためである。
分厚い扉を指の背で三度叩き、合言葉をどうぞ。
「ネコフンジャッタ」
小さな小窓から、ぬっと猫の顔が出てきた。
「……なあ、その合言葉どうにかならんか? 何度も言うてるが俺は猫やのうて人間なんやぞ」
不服を唱える彼の名はスペット。魔術師(自称)である。顔が猫、体が人という異形の者だ。
本人はこのように人間だと言い張っているが、警察はいまいちその点を信用していない。 『正体は不明だがとりあえず亜人だという線でいこうか』と議論をしている真っ最中。
「まあいいじゃねえですかい。それよりも、頼まれてたもん持ってきましたぜ」
ブルーチャーはスペットに種を渡した。刑務所の片隅に生えていた、何の変哲もないただの雑草の種を。
それと、折れたクギ。
「あ、おおきに」
●
スペットは折れクギで剥き出しの床を引っ掻き、魔法陣を描く。
「書きにくいというたらないなあ……」
マテリアルの制御アイテムである指輪を取り上げられてさえいなければ、こんなふうに面倒なこと、しなくてもよかったのだ。結界を作って、すぐに逃げ出せたのだ。
短時間の運動以外は、独房に入りっきり。刑務所に付き物の共同作業に駆り出されることもなく。
完全に檻の珍獣状態だ。
人間の言葉を話し人間の体を持っているのに顔ひとつでその範疇から除外されるというのは、本当に全くどういうことだ?
「くそう、絶対こっから出てやるさかいなー」
ぶつぶつ言いながら、陣の真ん中に種をばらまく。
そして手を合わせ、気合を入れる。
周囲を漂っていた負のマテリアルが、先を争って陣の中へなだれ込んで行く。
種が弾けた。
毒々しい紫色の双葉が萌えだし、急速に成長して行く。
●
「杖なり何なり持っていなくちゃ魔法が使えないとは、魔術師というのも案外不自由なもんだな」
「そういえばあいつは、どんな魔法を使うんだ?」
作業台でブルーチャーたちが、こそこそ耳打ちしあっていると、後ろを歩いていたいけすかない看守が(そうじゃない看守なんてものはいないが)が、怒鳴りつけてきた。
「そこ、私語厳禁! 近ごろたるんどるぞ! ノルマを忘れるな、ノルマを!」
ブルーチャーたちは、いったん口をつぐむ。
そのときである。ドン! という重低音とともに、床が大きく揺れたのは。
作業場全体がざわつく。
床にひびが入った。
太い蔓が、うねりながら生えてくる。
「ななななんじゃあこりゃあ!」
うろたえる看守へ、囚人たちが、一斉に襲いかかった。
●
緊急連絡を受け刑務所に駆けつけたハンターたちは、目を見張った。
建物全体が巨大な植物の蔓や根に絡み付かれている。壁や天井が崩れ、文字通り半壊状態。
警報が引っ切りなしに鳴り響き、多数の制服を着た人員が走り回っている。
その指揮を執っていた刑務所の所長が、ハンターたちの来訪に気づき、走り寄ってきた。
「ハンターの方々ですか? 早速ですがあなたがたには、一刻も早くあの歪虚を駆除していただきたい! この騒ぎに乗じて、囚人の一部が脱走しておるのです、わたしどもはこの通り、そちらへの対処に手一杯で……」
ハンターの一員であるカチャはそれを聞きながら、ふと眉をひそめる。
「……あれ? この刑務所って……スペットが入ってた所じゃなかったですかね……」
解説
補足説明
これは刑務所に発生した植物型歪虚を、駆除するためのシナリオです。
スペットが歪虚化させた植物は、成長し続けています。蔓性ですので手当たり次第、どこにでも絡み付こうとします。
特に襲いかかってくるようなことはありませんが、とにかく成長が早く生命力が旺盛。切られると別のところから芽を吹いて、ダメージを補おうとしてきます。
駆除には火が、非常に有効です。灰にされると再生が出来なくなります。
逃げ遅れた囚人などが、まだ中に取り残されています。任務中にそういった人を見つけたなら、外に誘導してあげてください。
元凶のスペットとブルーチャーたちは脱走しておりますが、それを追うのは警察の仕事。今回のハンターたちの任務は、あくまでも歪虚退治(並びに人命救助)です。
この刑務所は、人家の少ない町外れに作られています。戦闘による周辺被害については、あまり考慮しなくても大丈夫です。
歪虚データ
属性:植物。
色:紫色。
大きさ:敷地面積250㎡(収容人数300人)の刑務所を完全に覆うほど。
弱点:火
ブルーチャーが逮捕された経緯を知りたい方は「悪い奴らはよくつるむ」
スペットが逮捕された経緯を知りたい方は「帰ってきた死者」
をご覧くださいませ。
これは刑務所に発生した植物型歪虚を、駆除するためのシナリオです。
スペットが歪虚化させた植物は、成長し続けています。蔓性ですので手当たり次第、どこにでも絡み付こうとします。
特に襲いかかってくるようなことはありませんが、とにかく成長が早く生命力が旺盛。切られると別のところから芽を吹いて、ダメージを補おうとしてきます。
駆除には火が、非常に有効です。灰にされると再生が出来なくなります。
逃げ遅れた囚人などが、まだ中に取り残されています。任務中にそういった人を見つけたなら、外に誘導してあげてください。
元凶のスペットとブルーチャーたちは脱走しておりますが、それを追うのは警察の仕事。今回のハンターたちの任務は、あくまでも歪虚退治(並びに人命救助)です。
この刑務所は、人家の少ない町外れに作られています。戦闘による周辺被害については、あまり考慮しなくても大丈夫です。
歪虚データ
属性:植物。
色:紫色。
大きさ:敷地面積250㎡(収容人数300人)の刑務所を完全に覆うほど。
弱点:火
ブルーチャーが逮捕された経緯を知りたい方は「悪い奴らはよくつるむ」
スペットが逮捕された経緯を知りたい方は「帰ってきた死者」
をご覧くださいませ。
マスターより
KINUTAです。
堀の中に入れられても、懲りない人間は懲りないようです。
堀の中に入れられても、懲りない人間は懲りないようです。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/01 01:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/25 17:05:50 |
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【草刈】 龍崎・カズマ(ka0178) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/04/25 15:44:02 |